JP2020080220A - リチウムイオン二次電池の正極 - Google Patents

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邦彦 林
賢一 前原
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Abstract

【課題】ポリフッ化ビニリデンを正極活物質層のバインダに用いたリチウムイオン二次電池の正極であって、抵抗特性に優れるリチウムイオン二次電池の正極を提供する。【解決手段】ここに開示されるリチウムイオン二次電池の正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層とを備える。前記正極活物質層は、正極活物質と、バインダとしてポリフッ化ビニリデンとを含有する。前記正極活物質層中におけるポリフッ化ビニリデンの含有量は、0.1質量%以上3.0質量%以下である。前記正極活物質層の外表面から正極活物質層の中心までの領域に存在するポリフッ化ビニリデンの量をAとし、前記正極活物質層の前記正極集電体側の表面から正極活物質層の中心までの領域に存在するポリフッ化ビニリデンの量をBとしたときに、1.35≦A/B≦3.17を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の正極に関する。
近年、リチウムイオン二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
リチウムイオン二次電池の正極は、典型的には、シート状の正極集電体上に正極活物質層が設けられた構成を有する。正極活物質層は、通常、正極活物質およびバインダを含有する。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)がよく用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−073670号公報
本発明者らが鋭意検討した結果、ポリフッ化ビニリデンを正極活物質層のバインダに用いた従来のリチウムイオン二次電池の正極については、抵抗特性に改善の余地があることを見出した。
そこで本発明は、ポリフッ化ビニリデンを正極活物質層のバインダに用いたリチウムイオン二次電池の正極であって、抵抗特性に優れるリチウムイオン二次電池の正極を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、リチウムイオン二次電池の正極の正極活物質層において、厚さ方向におけるポリフッ化ビニリデンの分布状態が、抵抗特性に影響を与えることを見出した。そして、正極活物質層の厚さ方向におけるポリフッ化ビニリデンの分布状態を適切に管理することによって、抵抗特性を向上できることを見出した。
すなわち、ここに開示されるリチウムイオン二次電池の正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層とを備える。前記正極活物質層は、正極活物質と、バインダとしてポリフッ化ビニリデンとを含有する。前記正極活物質層中におけるポリフッ化ビニリデンの含有量は、0.1質量%以上3.0質量%以下である。前記正極活物質層の外表面から正極活物質層の中心までの領域に存在するポリフッ化ビニリデンの量をAとし、前記正極活物質層の前記正極集電体側の表面から正極活物質層の中心までの領域に存在するポリフッ化ビニリデンの量をBとしたときに、1.35≦A/B≦3.17を満たす。
このような構成によれば、ポリフッ化ビニリデンを正極活物質層のバインダに用いたリチウムイオン二次電池の正極であって、抵抗特性に優れるリチウムイオン二次電池の正極が提供される。
本発明の一実施形態に係る正極の概念を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る正極を用いたリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 図2のリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けないリチウムイオン二次電池の正極の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
図1は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の正極の概念図であり、厚さ方向に垂直な模式断面図である。
図示されるように、正極50は、正極集電体52と、正極集電体52上に設けられた正極活物質層54を備える。正極活物質層54は、正極集電体52の片面上に設けられていてもよいし、正極集電体52の両面上に設けられていてもよく、正極集電体52の両面上に設けられていることが好ましい。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。
正極活物質層54は、正極活物質(図示せず)と、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)80とを含有する。
正極活物質として好適には、リチウム含有遷移金属酸化物(すなわち、リチウム元素と遷移金属元素とを含有する複合酸化物)が用いられる。リチウム含有遷移金属酸化物の例としては、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物等が挙げられる。なかでも、層状構造を有するリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物が好ましく、下記式(I)で表されリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物がより好ましい。
LiNiMnCo (I)
ここで、aは、0.98≦a≦1.20を満たす。x、yおよびzは、x+y+z=1を満たす。xは、好ましくは0.20≦x≦0.60を満たし、より好ましくは0.34≦x≦0.60を満たす。yは、好ましくは0<y≦0.50を満たし、より好ましくは0<y≦0.40を満たす。zは、好ましくは0<z≦0.50を満たし、より好ましくは0<z≦0.40を満たす。
正極活物質の性状は特に限定されないが、典型的には粒子状である。粒子状正極活物質の平均粒径は、通常20μm以下(典型的には1〜20μm、例えば5〜15μm)である。なお、本明細書において「平均粒径」とは、一般的なレーザー回折・光散乱法に基づく体積基準の粒度分布において、粒径が小さい微粒子側からの累積頻度50体積%に相当する粒径(D50、メジアン径ともいう。)をいう。
正極活物質層54中の正極活物質の含有量は、特に限定されないが、好ましくは82質量%以上98質量%以下であり、より好ましくは85質量%以上95質量%以下である。
本実施形態では、PVdFが正極活物質層54のバインダとして用いられる。
正極活物質層54中におけるPVdFの含有量が小さすぎると、正極活物質と正極集電体との接合力や正極活物質同士の接合力が不足する。一方、正極活物質層54中におけるPVdFの含有量が多すぎると、正極ペーストの粘度が大きくなりすぎて後述の正極活物質層54中のPVdFの独特の分布が形成されなくなる。そのため、正極活物質層54中におけるPVdFの含有量は、0.1質量%以上3.0質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以上2.8質量%以下であり、より好ましくは0.7質量%以上2.5質量%以下である。
正極活物質層54は、正極活物質およびバインダ以外の成分を含有していてもよい。外成分の例としては、導電材等が挙げられる。
導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。正極活物質層54中の導電材の含有量は、特に限定されないが、好ましくは1質量%以上18質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上13質量%以下である。
図1において点線Xは、正極活物質層54の厚さ方向(即ち、正極集電体52の主面に垂直な方向)の中心線(即ち、正極活物質層54の厚さ方向の中心が連なった線)である。図1では、中心線を境界として正極活物質層54の外表面54a側の領域(すなわち、正極活物質層54の外表面54aから正極活物質層54の中心までの領域)をY、正極活物質層54の正極集電体52側の領域(即ち、正極活物質層54の正極集電体52側の表面54bから正極活物質層54の中心までの領域)をZと規定している。なお、正極活物質層54の外表面54aは、リチウムイオン二次電池において界面となる。
図示されるように、領域Yに存在するPVdF80の量は、領域Zに存在するPVdFの量よりも多い。本実施形態においては、正極活物質層54の外表面54aから正極活物質層54の中心までの領域Yに存在するPVdF80の量をAとし、正極活物質層54の正極集電体52側の表面54bから正極活物質層54の中心までの領域Zに存在するPVdFの量80をBとしたときに、1.35≦A/B≦3.17の関係を満たす。
なお、図1のPVdF80は、模式的に示したものであり、PVdFの位置および大きさを正確に示すものではない。
このような構成の正極50を用いてリチウムイオン二次電池を構築することにより、抵抗特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができる。
その理由は次のように考えられる。
正極活物質層54は、正極活物質とPVdVとを含有するペーストを作製し、これを正極集電体52上に塗布し、乾燥することにより形成される。乾燥時には、ペーストに含まれる溶媒成分が乾燥除去されることに伴い、PVdVがマイグレーションを起こし得る。マイグレーションが起こって正極活物質層54の外表面54a側にPVdFが集中すると、セパレータと正極活物質層54との間のLiイオンの移動を阻害する抵抗体となる。一方、マイグレーションがほとんど起きずに正極活物質層54の正極集電体52側の表面54bにPVdFが集中すると、正極活物質層54の外表面54a近傍でのバインダ量が不足して、正極活物質の脱落が起こりやすくなり、脱落した正極活物質がセパレータの空孔を塞いで、Liイオンの移動を阻害する。
したがって、正極活物質層54にPVdFが適度な量存在し、正極活物質層54の外表面54a側の領域Yと、正極活物質層54の正極集電体52側の領域Zとにおいて、適切な割合でPVdFが分布することにより、Liイオンの移動の阻害が起こりにくくなり、従来と比べて抵抗特性が向上する。
上記比A/Bは、例えば、正極活物質層54の厚さ方向の中心に沿って正極活物質層54を裁断して、外表面54a側と、正極集電体52側におけるPVdF量をそれぞれ求め、その比を算出することにより求めることができる。より簡便には、正極活物質層54の断面の電子顕微鏡写真を撮影し、得られた写真において、正極活物質層の外表面から正極活物質層の中心までの領域に存在するPVdFの面積Aと、正極活物質層の正極集電体側の表面から正極活物質層の中心までの領域に存在するPVdFの面積Bを求め、面積A/面積Bの比を算出する方法も採用し得る。
なお、上記の比A/Bは、次のようにして制御することができる。
正極活物質とPVdVとを含有するペーストを作製し、これを正極集電体52上に公知方法に従って塗布した後、乾燥する際に、乾燥条件を変えることによって変化させることができる。したがって、この乾燥条件を適切に選択することにより、比A/Bを制御することができる。
本実施形態に係る正極50は、例えば、正極活物質とPVdVとを含有するペーストを作製し、これを正極集電体52上に塗布した後、乾燥して正極活物質層54を形成し、必要に応じ正極活物質層54をプレスすることによって作製することができる。
本実施形態に係る正極50を備えるリチウムイオン二次電池は、抵抗特性に優れる。
そこで、以下、図2および図3を参照しながら、本実施形態に係る正極50を用いて作製されるリチウムイオン二次電池の構成例について説明する。
図2に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型のリチウムイオン二次電池100である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図2および図3に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(即ち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質層非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50としては、上述した実施形態の正極50が用いられる。なお、本構成例においては、正極シート50は、正極集電体52の両面に正極活物質層54が形成されている。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64に含まれる負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。黒鉛は、天然黒鉛であっても人造黒鉛であってもよく、黒鉛が非晶質な炭素材料で被覆された形態の非晶質炭素被覆黒鉛であってもよい。負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
非水電解液は、典型的には、非水溶媒と支持塩とを含有する。
非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した成分以外の成分、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;増粘剤;等の各種添加剤を含んでいてもよい。
このリチウムイオン二次電池100について、電極平面部に垂直な方向に応力を印加して測定した場合のばね定数が、40kN/mm以上70kN/mm以下であることが好ましい。当該ばね定数が40kN/mm未満だと、リチウムイオン二次電池100を充放電した際の電極の膨張および収縮による応力で、電極とセパレータ70との間に隙間が生じて抵抗上昇を招くおそれがある。一方、当該ばね定数が70kN/mmを超えると、電極とセパレータ70との接触圧が高くなり過ぎて、Liイオンの移動が阻害されやすくなるおそれがある。
以上のようにして構成されるリチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、積層型電極体を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池、ラミネート型リチウムイオン二次電池等として構成することもできる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<正極の作製>
正極活物質としてのLiNi0.38Co0.32Mn0.30(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM:AB:PVdF=100:8.9:1.7の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用ペーストを作製した。このペーストを、長尺状のアルミニウム箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより、正極シートを作製した。
このとき、乾燥速度を変化させることにより、正極活物質層形成時のPVdFのマイグレーションのし易さを変えて、正極活物質層中のPVdFの分布が異なる実施例および比較例の正極を作製した。
<正極活物質層中のPVdFの分布の評価(A/B比)>
上記作製した正極の断面の電子顕微鏡写真を撮影した。得られた写真において、正極活物質層の外表面から正極活物質層の中心までの領域に存在するPVdFの面積Aと、正極活物質層の正極集電体側の表面から正極活物質層の中心までの領域に存在するPVdFの面積Bを求めた。そして面積A/面積Bの比を算出した。結果を表1に示す。なお、この面積比は、正極活物質層の外表面から正極活物質層の中心までの領域に存在するポリフッ化ビニリデンの量A(外表面側PVdF量A)と、正極活物質層の正極集電体側の表面から正極活物質層の中心までの領域に存在するポリフッ化ビニリデンの量B(集電体側PVdF量B)の比(A/B)と一致する。
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
負極活物質としての天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストを、長尺状の銅箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより、負極シートを作製した。
また、セパレータシートとして、PP/PE/PPの三層構造を有する総厚み20μmの多孔性ポリオレフィンシートを用意した。
上記で作製した各実施例および各比較例の正極シートと、負極シートとセパレータシートとを重ね合わせて電極体を作製した。正極シートと負極シートにそれぞれ電極端子を取り付け、これを、注液口を有する電池ケースに収容した。
続いて、電池ケースの注液口から非水電解液を注入し、当該注液口を気密に封止した。なお、非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)と含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを溶解させたものを用いた。電解液の組成に関し、質量比LiPF:EC:DMC:EMCを14:30:28:28とした。
<抵抗特性評価>
各評価用リチウムイオン二次電池をSOC80%の状態に調整し、25℃の温度環境下に置いた。そして常法に従い、IV抵抗を測定した。この電池に対して200Aで10秒間充電した後放電する矩形波充放電を500サイクル実施し、再びIV抵抗を測定した。矩形波充放電サイクル実施後のIV抵抗/矩形波充放電サイクル実施前のIV抵抗の比を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2020080220
実施例1〜6では、充放電を繰り返した後の抵抗増加が小さく抑えられていることがわかる。実施例1〜6が、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の正極の範囲内の正極の例である。したがって、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の正極は、抵抗特性に優れることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
54a 外表面
54b 正極集電体側の表面
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
80 ポリフッ化ビニリデン
100 リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層とを備えるリチウムイオン二次電池の正極であって、
    前記正極活物質層は、正極活物質と、バインダとしてポリフッ化ビニリデンとを含有し、
    前記正極活物質層中におけるポリフッ化ビニリデンの含有量が、0.1質量%以上3.0質量%以下であり、
    前記正極活物質層の外表面から正極活物質層の中心までの領域に存在するポリフッ化ビニリデンの量をAとし、前記正極活物質層の前記正極集電体側の表面から正極活物質層の中心までの領域に存在するポリフッ化ビニリデンの量をBとしたときに、
    1.35≦A/B≦3.17
    を満たす、リチウムイオン二次電池の正極。
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