JP2020057522A - 非水電解液二次電池用捲回電極体 - Google Patents

非水電解液二次電池用捲回電極体 Download PDF

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Abstract

【課題】ハイレート充電を含む充放電を繰り返した際の抵抗増加が小さい非水電解液二次電池用捲回電極体を提供する。【解決手段】ここに開示される捲回電極体は、非水電解液を備える二次電池に用いられるものであり、長尺状の正極シートと、長尺状の負極シートと、前記正極シートおよび前記負極シートの間に介在する長尺状のセパレータシートとの積層体が、これらのシートの長手方向に捲回されている。前記セパレータシートは、基材層と、前記基材層上に設けられたセラミック層とを備える。前記セパレータの幅方向の前記非水電解液の透過性が、前記セパレータの長手方向の前記非水電解液の透過性よりも1.10倍以上高い。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液を備える二次電池(すなわち、非水電解液二次電池)に用いられる捲回電極体に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
非水電解液二次電池は、典型的には、正極、負極、および当該正負極間に介在するセパレータが積層された電極体が、非水電解液とともに電池ケースに収容された構成を有する。この電極体は、正極と負極とセパレータとの積層体が捲回されてなる捲回電極体と、複数の正極、複数の負極、および複数のセパレータが積層された積層型電極体とに大別される。
捲回電極体に関し、特許文献1には、捲回電極体のセパレータに不織布を用いることが開示されている。また、特許文献1には、不織布を用いたセパレータは、その空隙率が高いことが記載されている。このようなセパレータは、セパレータの厚さ方向と平面方向の両方において、非水電解液が流れ易い性質を有している。
特開2006−092829号公報
非水電解液二次電池を急速充電する際には、負極活物質が膨張し、捲回電極体中の非水電解液は、開口端部(電極およびセパレータの幅方向の端部)から捲回電極体外へと放出される。負極活物質層中に存在する非水電解液は、負極活物質層に接触しているセパレータを介して、あるいは負極活物質層から直接、捲回電極体外に放出される。一方、非水電解液二次電池を放電する際には、非水電解液は、セパレータの幅が通常、負極活物質層の幅よりも大きいため、負極活物質層に直接戻りにくくなっており、そのため、セパレータを通って負極活物質層中に戻っていく。このため、負極活物質層での非水電解液の枯渇を防止するためには、放電中に非水電解液をセパレータを介して負極活物質層に効率よく戻すことが好ましい。
特許文献1に記載のように、空隙率が高いセパレータを用いると、セパレータの非水電解液の透過性が高くなる。しかしながら、本発明者らが検討した結果、特許文献1に記載の空隙率が高いセパレータを用いると、セパレータの厚さ方向のみならず平面方向も非水電解液の透過性が高いため、放電時に非水電解液がセパレータを介して負極活物質層に十分な効率で戻らないことを見出した。そして、ハイレート充電を含むような充放電を繰り返した際の負極活物質層中の非水電解液の枯渇を十分に防止することができず、ハイレート充電を含むような充放電を繰り返した際の抵抗増加が未だに大きいことを見出した。
上記事情に鑑み、本発明は、ハイレート充電を含む充放電を繰り返した際の抵抗増加が小さい非水電解液二次電池用捲回電極体を提供することを目的とする。
ここに開示される捲回電極体は、非水電解液を備える二次電池に用いられるものであり、長尺状の正極シートと、長尺状の負極シートと、前記正極シートおよび前記負極シートの間に介在する長尺状のセパレータシートとの積層体が、これらのシートの長手方向に捲回されている。前記セパレータシートは、基材層と、前記基材層上に設けられたセラミック層とを備える。前記セパレータの幅方向の前記非水電解液の透過性が、前記セパレータの長手方向の前記非水電解液の透過性よりも1.10倍以上高い。
このような構成によれば、ハイレート充電を含むような充放電を繰り返した際の負極活物質層中の非水電解液の枯渇を十分に防止することができ、ハイレート充電を含むような充放電を繰り返した際の抵抗増加を抑制することができる。すなわち、このような構成によれば、ハイレート充電を含む充放電を繰り返した際の抵抗増加が小さい非水電解液二次電池用捲回電極体を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用捲回電極体の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用捲回電極体が備えるセパレータの長手方向に沿った断面図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用捲回電極体が備えるセパレータのセラミック層を有する面を上方から見た図である。 図1の捲回電極体を備えるリチウムイオン二次電池内部構造を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない非水電解液二次電池用捲回電極体の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウムイオン二次電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
図1に、ここに開示される非水電解液二次電池用捲回電極体の一例として、本実施形態に係る捲回電極体20を示す。図示例では、捲回電極体20は、リチウムイオン二次電池に用いられるもの(すなわち、リチウムイオン二次電池用)である。
捲回電極体20は、図1に示されるように、長尺状の正極シート50と、長尺状の負極シート60と、正極シート50および負極シート60の間に介在する長尺状のセパレータシート70との積層体が、これらのシートの長手方向に捲回されている形態を有する。
正極シート50および負極シート60には、従来のリチウムイオン二次電池に用いられているものと同様のものを特に制限なく使用することができる。典型的な一態様を以下に示す。
正極シート50は、典型的には、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された構成を有する。正極シート50には、図1に示すように、正極活物質層非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)が設けられる。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。
正極活物質層54は、正極活物質を含有する。正極活物質層54に含まれる正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)等が挙げられる。
正極活物質層54は、活物質以外の成分、例えば導電材やバインダ等を含み得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
負極シート60は、典型的には、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された構成を有する。負極シート60には、図1に示すように、負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)が設けられる。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。
負極活物質層64は、負極活物質を含有する。負極活物質層64に含まれる負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料;チタン酸リチウム(LiTi12:LTO);Si;Sn等を使用し得る。
負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータシート70は、基材層72と、基材層72上に設けられたセラミック層74とを備える。
基材層72は、典型的には多孔質樹脂シートから構成され、その例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から構成される多孔性シートが挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。
基材層72の厚みは、特に制限はないが、好ましくは10μm以上40μm以下である。
セラミック層74は、セラミック材料製の多孔性の層であり、典型的には、セラミック粒子と、バインダとを含む。
セラミック粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、酸化亜鉛等の酸化物系セラミックス、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、ベーマイト、タルク、カオリンクレー、モンモリロナイト、マイカ、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ砂等の粒子が挙げられ、なかでもアルミナが好ましい。
セラミック粒子の形状には特に制限はなく、球状であっても非球状であってもよい。
セラミック粒子の平均粒子径(D50)としては、特に制限はないが、好ましくは0.1μm以上5μm以下である。なお、セラミック粒子の平均粒子径(D50)は、例えばレーザ回折法により求めることができる。
バインダとしては、例えば、アクリル系バインダ、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリオレフィン系バインダ、フッ素ポリマー系バインダ等を用いることができる。
セラミック層74中のセラミック粒子の含有量は、特に制限はないが、好ましくは90重量%以上97重量%以下である。セラミック層74中のバインダの含有量は、特に制限はないが、好ましくは3重量%以上10重量%以下である。
セラミック層74の厚みは、特に制限はないが、好ましくは0.5μm以上15μm以下である。
セパレータシート70のセラミック層74は、少なくとも基材層72の一方の面上に設けられる。本実施形態に係る捲回電極体20において、セパレータシート70のセラミック層74は、正極シート50と対向していてもよいし、負極シート60と対向していてもよい。また、セパレータシート70のセラミック層74が、基材層72の両面上に設けられて、セラミック層74が、正極シート50と負極シート60との両方に対向していてもよい。
本実施形態においては、セパレータシート70内の非水電解液の透過性が、所定の異方性を有する。具体的には、セパレータシート70の幅方向の非水電解液の透過性が、セパレータシート70の長手方向の非水電解液の透過性よりも1.10倍以上高い。
ハイレートで充放電を繰り返した際の負極活物質層64中の非水電解液の枯渇を十分に防止するためには、充電時に負極活物質層64(の幅方向の端部)から直接、捲回電極体20の外に放出される非水電解液量を減らすことが有効である。上記のような異方性を有する場合、セパレータシート70内の非水電解液は、幅方向に流れ易い一方で長手方向には流れにくい。そのため、捲回電極体20の開口端部において、セパレータシート70の幅方向の端部からの非水電解液の放出が促進され、充電時に負極活物質層64(の幅方向の端部)から直接、捲回電極体20の外に放出される非水電解液量を減らすことができる。さらに、ハイレートで充放電を繰り返した際の負極活物質層64中の非水電解液の枯渇を十分に防止するためには、セパレータシート70を介して負極活物質層64中に非水電解液が戻りやすくすることが有効である。上記のような異方性を有する場合、セパレータシート70内の非水電解液は、長手方向へは移動しにくいために厚み方向へと移動するようになる。その結果、セパレータシート70から負極活物質層64中に非水電解液が戻ることを促進することができる。これらのことから、セパレータシート70が非水電解液の透過性に関して所定の異方性を有することにより、ハイレートで充放電を繰り返した際の負極活物質層64中の非水電解液の枯渇を十分に防止して、リチウムイオン二次電池100の抵抗増加を抑制することができる。
セパレータシート70内の非水電解液の透過性に所定の異方性を有する方法については特に制限はない。セパレータシート70のセラミック層74を利用して非水電解液の透過性に所定の異方性を容易に与えることができる。以下、その方法の例について具体的に説明する。
(1)セラミック層の厚みに差をつける方法
図2に示すセパレータ70では、セラミック層74の外表面が一定間隔で形成された複数の凹部を有している。そのため、セパレータ70のセラミック層74は、図3および図4に示すように、長手方向に沿って、厚みの大きい領域74aと厚みの小さい領域74bとを交互に有している。ここで、セラミック層74全体で密度は均一である。よって、厚みの大きい領域74aは単位面積当たりの重量(すなわち、目付量)が大きい領域であり、厚みの小さい領域74bは単位面積当たりの重量(すなわち、目付量)が小さい領域である。このように、長手方向に沿って、厚みの大きい領域74aと厚みの小さい領域74bとを交互に設けることにより、幅方向に比べて長手方向での非水電解液の透過性を低くすることができ、これにより所定の異方性を得ることができる。
このような領域を形成する方法としては、ダイコータでセラミック層形成用スラリーを基材層72に塗布してセラミックス層を形成する方法において、ダイコータの吐出量を一定間隔で変化させる方法;グラビアロールでセラミック層形成用スラリーを基材層72に塗布して、セラミックス層を形成する方法において、所定の間隔で凹部の深さを変化させたグラビアロールを用いる方法等が挙げられる。
(2)セラミック層の密度に差をつける方法
例えば、図4のセラミック層74領域74aを密度の大きい領域とし、領域74bを密度の小さい領域とする。ここで、上記実施形態における図3とは異なり、セラミック層74全体で厚さは均一である。よって、密度の大きい領域74aは単位面積当たりの重量(すなわち、目付量)が大きい領域であり、密度の小さい領域74bは単位面積当たりの重量(すなわち、目付量)が小さい領域である。このように長手方向に沿って、密度の大きい領域74aと密度の小さい領域74bとを交互に設けることにより、幅方向に比べて長手方向での非水電解液の透過性を低くすることができ、これにより所定の異方性を得ることができる。
このような領域を形成する方法としては、上記の方法(1)によって、長手方向に沿って、厚みの大きい領域と厚みの小さい領域とを交互に設けた後、厚みが一定になるようにプレスする方法等が挙げられる。
電極間距離を一定にする観点からは、方法(2)(すなわち、密度の大きい領域74aと密度の小さい領域74bとを交互に設けること)が好ましい。
セパレータシート70内の非水電解液の透過性に、所定の異方性を与えるには、目付量が小さい領域の目付量に対する目付量の大きい領域の目付量の比を1.5以上にするとよい。
セパレータシート70内の非水電解液の透過性に、所定の異方性を与えるには、目付量が大きい領域および目付量が小さい領域の間隔を1μm以上10μm以下にするとよい。すなわち、目付量が大きい領域および目付量が小さい領域の幅方向の寸法を1μm以上10μm以下にするとよい。
なお、セパレータシート70のセラミック層74の目付量が大きい領域および目付量が小さい領域の目付量や間隔等は、例えばXRF測定により求めることができる。
なお、セパレータシート70の非水電解液の透過性の評価方法については、特に制限はないが、セパレータシート70の非水電解液の透過性の評価方法の好適な例は、次の通りである。
所定サイズ(例えば長さ100mm×幅10mm)の測定試料を用意する。このとき、セパレータシートの幅方向の非水電解液の透過性を評価する場合には、測定試料の長さ方向を、セパレータシートの幅方向と一致させる。セパレータシートの長手方向の非水電解液の透過性を評価する場合には、測定試料の長さ方向を、セパレータシートの長手方向と一致させる。
この測定試料を、その長さ方向が垂直に垂れ下がるようにクランプで保持し、測定試料の下端を、非水電解液に浸漬する。所定時間(例えば3秒)後に、測定試料を非水電解液から引き上げ、非水電解液がセパレータシートの下端から上方に浸透した距離を求める。この浸透した距離が長いほど、非水電解液の透過性が高いということができ、長さ方向がセパレータシートの長手方向である測定試料について非水電解液が浸透した距離に対する、長さ方向がセパレータシートの幅方向である測定試料について非水電解液が浸透した距離の比が(幅方向/長手方向の比)1.10以上であるかどうかを評価する。
負極シート60の負極活物質層64の幅は、通常、正極シート50の正極活物質層54の幅よりも大きい。セパレータシート70の幅は、通常、負極活物質層64の幅よりも大きい。
本実施形態に係る捲回電極体を用いて非水電解液二次電池を構成した場合には、当該非水電解液二次電池は、ハイレート充電を含む充放電を繰り返した際の抵抗増加が小さくなる。
本実施形態に係る捲回電極体を用いて非水電解液二次電池を構成する場合について、以下、扁平角型のリチウムイオン二次電池を例にして詳細に説明する。
図4に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型のリチウムイオン二次電池100である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図4に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(上記長手方向に直交するシート幅方向をいう。)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質層非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
非水電解液は従来のリチウムイオン二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;ホウ素原子および/またはリン原子を含むオキサラト錯体化合物、ビニレンカーボネート(VC)等の被膜形成剤;分散剤;増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
以上のようにして構成されるリチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。リチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池、ラミネート型リチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、ここに開示される技術は、リチウムイオン二次電池以外の非水電解液二次電池にも適用可能である。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例および比較例の捲回電極体および評価用二次電池の作製>
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、導電材としてのABと、バインダとしてのPVDFとを、LNCM:AB:PVDF=100:10:3の重量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストを、ダイコータを用いて厚み20μmのアルミニウム箔の両面に帯状に塗布し、乾燥した後、所定の寸法に加工して、長尺状の正極シートを得た。ここで、正極シートの寸法は、長さ3000mm、幅114mm(正極活物質層の幅94mm、正極活物質層非形成部の幅20mm)、厚み70μmとした。
また、負極活物質としての平均粒子径(D50)=20μmの黒鉛(C)と、増粘剤としてのCMCと、バインダとしてのSBRとを、C:CMC:SBR=100:1:1の重量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストを、ダイコータを用いて厚み10μmの銅箔の両面に帯状に塗布し、乾燥した後、所定の寸法に加工して、長尺状の負極シートを得た。ここで、負極シートの寸法は、長さ3300mm、幅120mm(負極活物質層の幅100mm、負極活物質層非形成部の幅20mm)、厚み80μmとした。
後述するセパレータシートを用意した。
正極シートと負極シートとセパレータシートとを、セパレータシートが正負極間に介在するように積層し、捲回させて電極体を得た。
このようにして各実施例および各比較例の捲回電極体を得た。
作製した各実施例および各比較例の捲回電極体に端子類を取り付けてアルミニウム製の角型電池ケースに収容した。続いて、電池ケースの開口部から非水電解液を注入し、当該開口部を気密に封止して評価用電池であるリチウムイオン二次電池(容量5Ah)を作製した。なお、非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=1:1:1の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
<使用したセパレータ>
各実施例および各比較例で用いたセパレータシートを以下に示す。
〔比較例1〕
PP/PE/PPの3層構造を有する厚み20μmの多孔質シートをセパレータシートとして使用した。なお、この多孔質シートのガーレー数は、300sec/100mLであった。
〔比較例2〕
厚み20μmの不織布をセパレータシートとして使用した。なお、この不織布のガーレー数は、50sec/100mLであった。
〔比較例3〕
比較例1で用いたPP/PE/PPの3層構造を有する厚み20μmの多孔質シートに対し、正極と対向する側にアルミナ/ポリアクリル酸ナトリウム(中和度50%)を重量比20/80で含有するスラリーを4μmの厚みで塗布し、負極と対向する側にアルミナ/ポリアクリル酸ナトリウム(中和度100%)を重量比20/80で含有するスラリーを、0.4mg/cmの目付量で4μmの厚みで塗布して、両面にセラミック層を形成したものをセパレータシートとして用いた。なお、アルミナには、平均粒子径(D50)が1μmの球状粒子状のものを用いた。
〔比較例4〕
比較例1で用いたPP/PE/PPの3層構造を有する厚み20μmの多孔質シートに対し、負極と対向する側にアルミナ/PVDFを重量比95/5で含有するスラリーを、ダイコータを用いて0.7mg/cmの目付量で4μmの厚みで塗布して、片面(負極側)にセラミック層を形成したものをセパレータシートとして用いた。なお、アルミナには、平均粒子径(D50)が1μmの球状粒子状のものを用いた。
〔比較例5〕
比較例1で用いたPP/PE/PPの3層構造を有する厚み20μmの多孔質シートに対し、正極と対向する側にアルミナ/PVDFを重量比95/5で含有するスラリーを、ダイコータを用いて0.7mg/cmの目付量で4μmの厚みで塗布して、片面(正極側)にセラミック層を形成したものをセパレータシートとして用いた。なお、アルミナには、平均粒子径(D50)が1μmの球状粒子状のものを用いた。
〔比較例6〕
比較例1で用いたPP/PE/PPの3層構造を有する厚み20μmの多孔質シートに対し、両面にアルミナ/PVDFを重量比95/5で含有するスラリーを、ダイコータを用いて0.7mg/cmの目付量で4μmの厚みで塗布して、両面にセラミック層を形成したものをセパレータシートとして用いた。なお、アルミナには、平均粒子径(D50)が1μmの球状粒子状のものを用いた。
〔実施例1〕
比較例1で用いたPP/PE/PPの3層構造を有する厚み20μmの多孔質シートに対し、負極と対向する側にアルミナ/PVDFを重量比95/5で含有するスラリーを、ダイコータを用いて吐出量を一定間隔で増減させながら塗布して、片面(負極側)に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの長手方向に交互に形成されたセラミック層を形成したものをセパレータシートとして用いた。目付量が大きい領域および目付量が小さい領域は、シートの長手方向に5μm間隔で交互に設け、目付量はそれぞれ0.7mg/cmおよび0.4mg/cmとした。なお、アルミナには、平均粒子径(D50)が1μmの球状粒子状のものを用いた。
〔実施例2〕
比較例1で用いたPP/PE/PPの3層構造を有する厚み20μmの多孔質シートに対し、正極と対向する側にアルミナ/PVDFを重量比95/5で含有するスラリーを、ダイコータを用いて吐出量を一定間隔で増減させながら塗布して、片面(正極側)に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの長手方向に交互に形成されたセラミック層を形成したものをセパレータシートとして用いた。目付量が大きい領域および目付量が小さい領域は、シートの長手方向に5μm間隔で交互に設け、目付量はそれぞれ0.7mg/cmおよび0.4mg/cmとした。なお、アルミナには、平均粒子径(D50)が1μmの球状粒子状のものを用いた。
〔実施例3〕
比較例1で用いたPP/PE/PPの3層構造を有する厚み20μmの多孔質シートに対し、両面にアルミナ/PVDFを重量比95/5で含有するスラリーを、ダイコータを用いて吐出量を一定間隔で増減させながら塗布して、両面に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの長手方向に交互に形成されたセラミック層を形成したものをセパレータシートとして用いた。目付量が大きい領域および目付量が小さい領域は、シートの長手方向に5μm間隔で交互に設け、目付量はそれぞれ0.7mg/cmおよび0.4mg/cmとした。なお、アルミナには、平均粒子径(D50)が1μmの球状粒子状のものを用いた。
〔実施例4〕
PP/PE/PPの3層構造を有する厚み20μmの多孔質シートの代わりに、比較例2で用いた厚み20μmの不織布を用いた以外は実施例1と同じ方法で、片面(負極側)に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの長手方向に交互に形成されたセラミック層を形成し、これをセパレータシートとして用いた。
〔実施例5〕
ダイコータからのスラリーの吐出量を変えた以外は実施例1と同じ方法で、片面(負極側)に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの長手方向に交互に形成されたセラミック層を形成し、これをセパレータシートとして用いた。なお、目付量が大きい領域および目付量が小さい領域の目付量をそれぞれ0.2mg/cmおよび0.1mg/cmに変更した。
〔実施例6〕
ダイコータからのスラリーの吐出量を変えた以外は実施例1と同じ方法で、片面(負極側)に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの長手方向に交互に形成されたセラミック層を形成し、これをセパレータシートとして用いた。なお、目付量が大きい領域および目付量が小さい領域の目付量をそれぞれ1.8mg/cmおよび1.0mg/cmに変更した。
〔実施例7〕
実施例1で得たセパレータシートをロールプレス機で圧縮処理して、目付量が大きい領域の厚みを2.3μmとしたものを、セパレータシートとして用いた。
〔実施例8〕
実施例1で得たセパレータシートをロールプレス機で圧縮処理して、目付量が大きい領域の厚みを3.0μmとしたものを、セパレータシートとして用いた。
〔実施例9〕
ダイコータからのスラリーの吐出量を変えた以外は実施例1と同じ方法で、片面(負極側)に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの長手方向に交互に形成されたセラミック層を形成し、これをセパレータシートとして用いた。なお、目付量が大きい領域の目付量を1.4mg/cmに変更した。
〔実施例10〕
ダイコータからのスラリーの吐出量を変えた以外は実施例1と同じ方法で、片面(負極側)に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの長手方向に交互に形成されたセラミック層を形成し、これをセパレータシートとして用いた。なお、目付量が小さい領域の目付量を0.5mg/cmに変更した。
〔比較例7〕
ダイコータからのスラリーの吐出量を変えた以外は実施例1と同じ方法で、片面(負極側)に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの長手方向に交互に形成されたセラミック層を形成し、これをセパレータシートとして用いた。なお、目付量が小さい領域の目付量を0.6mg/cmに変更した。
〔実施例11〕
ダイコータからのスラリーの吐出量を増減させる間隔を変えた以外は実施例1と同じ方法で、片面(負極側)に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの長手方向に交互に形成されたセラミック層を形成し、これをセパレータシートとして用いた。なお、目付量が大きい領域および目付量が小さい領域が、シートの長手方向に1μm間隔で交互に設けられるように変更した。
〔実施例12〕
ダイコータからのスラリーの吐出量を増減させる間隔を変えた以外は実施例1と同じ方法で、片面(負極側)に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの長手方向に交互に形成されたセラミック層を形成し、これをセパレータシートとして用いた。なお、目付量が大きい領域および目付量が小さい領域が、シートの長手方向に10.0μm間隔で交互に設けられるように変更した。
〔比較例8〕
ダイコータからのスラリーの吐出量を増減させる間隔を変えた以外は実施例1と同じ方法で、片面(負極側)に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの長手方向に交互に形成されたセラミック層を形成し、これをセパレータシートとして用いた。なお、目付量が大きい領域および目付量が小さい領域が、シートの長手方向に0.5μm間隔で交互に設けられるように変更した。
〔比較例9〕
ダイコータからのスラリーの吐出量を増減させる間隔を変えた以外は実施例1と同じ方法で、片面(負極側)に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの長手方向に交互に形成されたセラミック層を形成し、これをセパレータシートとして用いた。なお、目付量が大きい領域および目付量が小さい領域が、シートの長手方向に15.0μm間隔で交互に設けられるように変更した。
〔比較例10〕
実施例1に対し、アルミナ/PVDFを重量比95/5で含有するスラリーを塗工する方向を90°変えて、PP/PE/PPの3層構造を有する厚み20μmの多孔質シートの片面(負極側)に目付量が大きい領域と目付量が小さい領域とがシートの幅方向に交互に形成されたセラミック層を形成したものをセパレータシートとして用いた。目付量が大きい領域および目付量が小さい領域は、シートの幅方向に5μm間隔で交互に設け、目付量はそれぞれ0.7mg/cmおよび0.4mg/cmとした。なお、アルミナには、平均粒子径(D50)が1μmの球状粒子状のものを用いた。
<液透過性測定>
各実施例および各比較例で用いたセパレータシートから、長さ100mm×幅10mmの測定試料を切り出した。このとき、測定試料の長さ方向が、セパレータシートの長手方向と一致するものと、セパレータシートの幅方向に一致するものをそれぞれ用意した。
この測定試料を、その長さ方向が垂直に垂れ下がるようにクランプで保持し、測定試料の下端を、評価用二次電池の作製に用いた非水電解液(すなわち、ECとDMCとEMCとをEC:DMC:EMC=1:1:1の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させたもの)に浸漬した。3秒後に、測定試料を非水電解液から引き上げ、非水電解液がセパレータシートの下端から上方に浸透した距離を求めた。この浸透した距離が長いほど、非水電解液の透過性が高いことを意味する。長さ方向がセパレータシートの長手方向と一致する測定試料のこの浸透した距離に対する、長さ方向がセパレータシートの幅方向と一致する測定試料のこの浸透した距離の比(幅方向/長手方向)を求めた。
結果を表1に示す。
<ハイレート試験>
上記作製した評価用二次電池を、3.7Vになるまで充電し、25℃の環境下に置いた。20Cの電流値で10秒間の放電を行い、放電開始から10秒後の電圧値を測定し、IV抵抗(電池抵抗)を算出した。これを初期抵抗とした。
この評価用二次電池を、3.7Vになるまで充電し、25℃の環境下に置いた。30Cの電流値で10秒間充電、10秒間休止、1Cの電流値で300秒間放電、10秒間休止を1サイクルとする充放電を繰り返した。100サイクルごとに上記の方法で電池抵抗を測定し、2000サイクル後の測定値を用いて、(2000サイクル後の電池抵抗/初期抵抗)×100の式から、抵抗増加率(%)を算出した。
結果を表1に示す。
Figure 2020057522
比較例1〜6では、抵抗増加が大きかった。
比較例1では、基材の透気度(ガーレー数)が高いため、非水電解液が負極からセパレータに移動しにくかったものと考えられる。
比較例2では、充電時にセパレータ内の非水電解液が幅方向だけでなく、長手方向(捲回方向)へも移動しにくいため、効率よく非水電解液がセパレータから捲回電極体外へ放出されず、結果、負極から直接捲回電極体外へ放出された量が多かったこと、放電時、放出された非水電解液がセパレータ内に戻った後、セパレータの長手方向に移動してしまい、効率よく負極に非水電解液が戻らなかったものと考えられる。
比較例3では、充電時にセパレータが非水電解液を保持し易いため、セパレータから捲回電極体外へ非水電解液が放出され難くなり、また負極内の非水電解液がセパレータへと移動せずに負極から直接捲回電極体外へ放出されること、放電時、放出された非水電解液がセパレータに戻りにくく、さらにセパレータ内の非水電解液が負極に戻りにくいため、負極内の非水電解液が枯渇したものと考えられる。
比較例4〜6では、セパレータにセラミック層を設けることで、液透過性は向上したものの、不織布使用時(比較例2)と同様の理由で、良化しなかったものと考えられる。
実施例1〜12では、比較例1〜6と比べて抵抗増加率が大幅に低減した。
非水電解液は、セパレータのセラミック層の目付量が小さいほど流れ易くなっており、充電時、セパレータ内の非水電解液は、幅方向に流れ易い一方で、長手方向には流れにくいため、効率よく捲回電極体から放出される。また、目付量の小さい部分が厚み方向に連続して存在するため、厚さ方向への液の移動も損なわれない。これらの作用により、非水電解液が負極からセパレータへ移動し易くなるため、直接負極から非水電解液が捲回電極体外へ放出されにくいことが抵抗増加抑制の要因の一つであると考えられる。また、放電時、放出された非水電解液は、同様の理由でセパレータを介して負極へ効率的に戻ることも抵抗増加抑制の要因になっていると考えられる。
また、基材の種類、セラミック層の塗布面(正極側か負極側か)によらず、効果が得られることも確認できた。
実施例9、10および比較例7の結果より、目付量の大きい領域と目付量の小さい領域の目付量の比が、1.5以上である場合に、セパレータの幅方向の非水電解液の透過性が、セパレータの長手方向の非水電解液の透過性よりも1.10倍以上高くなって、抵抗増加の抑制効果が得られた。これは、目付量の大きい領域と目付量の小さい領域とで目付量の差が小さいと、セパレータ層全体で目付量が均一に近づくため、非水電解液の透過性に異方性が生じないものと考えられる。
実施例11、12および比較例8、9の結果より、目付量の大きい領域と目付量の小さい領域との間隔が1μm以上10μmである場合に、セパレータの幅方向の非水電解液の透過性が、セパレータの長手方向の非水電解液の透過性よりも1.10倍以上高くなって、抵抗増加の抑制効果が得られた。これは、目付量の大きい領域と目付量の小さい領域との間隔が大きすぎると、負極での非水電解液の授受にムラが生じてしまい、間隔が小さすぎると、セパレータ層全体で目付量が均一に近づくため、非水電解液の透過性に異方性が生じないものと考えられる。
比較例10では、抵抗増加が大きかった。
比較例10では、セパレータの長手方向の非水電解液の透過性が、セパレータの幅方向の非水電解液の透過性よりも大きいため、セパレータから非水電解液を捲回電極体外へ放出しにくく、また放出された電解液もセパレータに戻りにくいものと考えられる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
72 基材層
74 セラミック層
100 リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 非水電解液を備える二次電池に用いられ、
    長尺状の正極シートと、長尺状の負極シートと、前記正極シートおよび前記負極シートの間に介在する長尺状のセパレータシートとの積層体が、これらのシートの長手方向に捲回されている捲回電極体であって、
    前記セパレータシートは、基材層と、前記基材層上に設けられたセラミック層とを備え、
    前記セパレータの幅方向の前記非水電解液の透過性が、前記セパレータの長手方向の前記非水電解液の透過性よりも1.10倍以上高い、
    ことを特徴とする捲回電極体。
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