JP6731130B1 - 非水電解液二次電池用負極活物質、負極、電池及び積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2018年11月22日に、日本に出願された特願2018−219613号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、充放電効率が高い非水電解液二次電池用負極活物質、これを用いた負極、これを用いた電池及びこれを用いた積層体を提供することを課題とする。
[1]アルミニウム相に非アルミニウム金属相が分散して存在し、前記非アルミニウム金属相は、Si、Ge、Sn、Ag、Sb、Bi、In及びMgからなる群より選択される1種以上を含む非アルミニウム金属化合物から構成され、前記非アルミニウム金属相の含有量は、アルミニウム相と非アルミニウム金属相の総量に対して0.01質量%以上8質量%以下である、非水電解液二次電池用負極活物質。
[2]アルミニウム相に非アルミニウム金属相が分散して存在し、前記非アルミニウム金属相は、Si、Ge、Sn、Ag、Sb、Bi、In及びMgからなる群より選択される1種以上を含む非アルミニウム金属化合物から構成され、前記非アルミニウム金属相の含有量は、アルミニウム相と非アルミニウム金属相の総量に対して0.005質量%以上8質量%以下である、非水電解液二次電池用負極活物質。
[3]下記条件で得られる二値化画像において、前記非アルミニウム金属相に相当する面積の割合は、前記アルミニウム相に相当する面積と、前記非アルミニウム金属相に相当する面積の合計に対して10%以下である、[1]又は[2]に記載の非水電解液二次電池用負極活物質。
・画像取得条件
非水電解液二次電池用負極活物質を厚さ0.5mm以下の箔に圧延した状態において前記箔を圧延方向に対して垂直に切断し、切断面を、1.0質量%水酸化ナトリウム水溶液でエッチングする。
前記切断面の断面画像を取得し、断面画像を画像処理して、二値化画像を得る。
[4]前記非アルミニウム金属化合物は、Si、Ge、Sn、Ag、Sb、Bi及びInからなる群より選択される1種以上を含む、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の非水電解液二次電池用負極活物質。
[5]厚みが5μm以上200μm以下の金属箔である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の非水電解液二次電池用負極活物質。
[6]平均粒径が1μm以上20μm以下の粉体である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の非水電解液二次電池用負極活物質。
[7][1]〜[6]のいずれか1つに記載の非水電解液二次電池用負極活物質を有する負極。
[8][7]に記載の負極を有する電池。
[9]薄層と基板とを積層した積層体であって、前記薄層は、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の非水電解液二次電池用負極活物質から構成され、前記基板は、非水電解液二次電池用負極活物質とは異なる金属から構成される、積層体。
本実施形態の非水電解液二次電池用負極活物質は、アルミニウム相に非アルミニウム金属相が分散して存在する。「非水電解液二次電池用負極活物質」を「負極活物質」と略記する場合がある。
非アルミニウム金属相は、Si、Ge、Sn、Ag、Sb、Bi、In及びMgからなる群より選択される1種以上を含む非アルミニウム金属化合物から構成される。
本実施形態において非アルミニウム金属相は、Si、Ge、Sn、Ag、Sb、Bi及びInからなる群より選択される1種以上を含む非アルミニウム金属化合物から構成されることが好ましい。
本実施形態において、非アルミニウム金属相は、非アルミニウム金属化合物粒子から構成されることが好ましい。
以下において、「非アルミニウム金属相」を「金属相」と略記する場合がある。
以下において、「非アルミニウム金属化合物」を「金属化合物」と略記する場合がある。
本実施形態の負極活物質は、アルミニウム相に非アルミニウム金属相が分散して存在している。換言すれば、非アルミニウム金属化合物がリチウムと合金を形成可能なアルミニウムにより被覆されている。非アルミニウム金属化合物がアルミニウムにより被覆されていると、充電と放電の際に微粉化しにくく、充電及び放電を繰り返した場合でも、初期の放電容量を維持しやすい。このため、放電容量維持率を良好なものとすることができる。
本明細書において、「放電容量維持率」とは、各回充放電時の充電容量(分母)に対する放電容量(分子)の比を意味する。
本明細書において、「充放電効率が高い」とは、放電容量維持率が高いことを意味する。
本実施形態の別の態様において非アルミニウム金属相の含有量は、アルミニウム相と非アルミニウム金属相の総量に対して0.005質量%以上8質量%以下である。
非アルミニウム金属相の含有量の下限値は、0.006質量%であってもよく、0.02質量%が好ましく、0.05質量%がより好ましく、0.1質量%が特に好ましい。
非アルミニウム金属相の含有量の上限値は、7質量%が好ましく、6質量%がより好ましく、5質量%が特に好ましい。
上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。組み合わせの例としては、0.02質量%以上7質量%以下、0.05質量%以上6質量%以下、0.1質晶%以上5質量%以下が挙げられる。
本実施形態の負極活物質は、Al−Siの二元系合金、Al−Si−Mnの三元系合金又はAl−Geの二元系合金であることが好ましい。
非水電解液二次電池用負極活物質を厚さ0.5mmの箔に圧延する。前記箔を圧延方向に対して垂直に切断し、切断面を、1.0質量%水酸化ナトリウム水溶液でエッチングする。アルミニウム相と非アルミニウム金属相は水酸化ナトリウムに対する溶解性が異なる。このため、エッチングにより、切断面に露出した非アルミニウム金属相に相当する部分とアルミニウム相とで、凹凸の高低差が形成される。また表面粗さの違いが生じることで、後述する顕微鏡観察の際にコントラストが明瞭になる。
得られたSEM画像、金属顕微鏡を、コンピュータに取り込み、画像解析ソフトを用い、画像中における最大輝度及び最小輝度の中間値で二値化処理を行う。この処理により、例えばアルミニウム相を白、金属相に相当する部分を黒とした二値化画像を得ることができる。画像解析ソフトは、Image JやPhotoshop、Image Pro Plus等を適宜選択することができる。
金属相に相当する面積の割合が上記上限値以下であると、金属化合物がアルミニウムに十分被覆され、充電と放電時の微粉化を防止できる。
本実施形態の非水電解液二次電池用負極活物質は、アルミニウム相に非アルミニウム金属相が分散して存在する。ここで、「アルミニウム相に非アルミニウム金属相が分散して存在する」とは、アルミニウム母相中に、非アルミニウム金属化合物粒子が存在している状態を意味する。
条件(1):粒子径が0.1μm2以上100μm2未満の非アルミニウム金属化合物粒子の個数密度が、1000個/mm2以下である。
条件(2):粒子径が100μm2以上の非アルミニウム金属化合物粒子の個数密度が、25個/mm2以下である。
本実施形態の負極活物質の製造方法は、合金の鋳造工程と、圧延工程とを備えることが好ましい。
鋳造を行う場合には、例えば高純度アルミニウムに非アルミニウム金属相を構成する金属を所定量添加し、約680℃以上800℃以下で溶融し、アルミニウムと金属の合金溶湯を得る。
非アルミニウム金属相を構成する金属とは、Si、Ge、Sn、Ag、Sb、Bi、In及びMgからなる群より選択される1種以上である。例えば、純度99.999質量%以上の高純度シリコン等が挙げられる。
真空処理は、例えば700℃以上800℃以下で、1時間以上10時間以下、真空度0.1Pa以上100Pa以下の条件で行われる。
鋳型は50℃以上200℃以下に加熱した鉄や黒鉛製を用いる。本実施形態の負極活物質は、鋳型に680℃以上800℃以下の合金溶湯を流し込む方法で鋳造できる。また、一般的に利用されている半連続鋳造により鋳塊を得ることもできる。
得られた合金の鋳塊は、そのまま切削加工して電池部材に利用できる。鋳塊を圧延加工や押出加工、鍛造加工などを施して板材や型材にすると、クラッド材等に利用しやすくなる。
圧延加工では、一対の圧延ロール間に材料を繰り返し通過させ、目標の板厚に仕上げてゆく。一対の圧延ロール間に通過させることを「パス」と記載する。
1回のパス(1パス)当たりの加工率rは、圧延ロールを1回通過したときの板厚減少率であり、下記の式で算出される。
r=(T0−T)/T0×100
(T0:圧延ロール通過前の厚み、T:圧延ロール通過後の厚み)
本実施形態においては、加工率rが2%以上20%以下の条件で、アルミニウム鋳塊又はアルミニウム合金鋳塊を目的の厚さとなるまで繰り返し行うことが好ましい。
中間焼鈍処理は、例えば、熱間圧延したアルミニウム鋳塊又はアルミニウム合金鋳塊を、350℃以上450℃以下に加熱、昇温後直ちに放冷してもよい。
また、アルミニウム鋳塊又はアルミニウム合金鋳塊を1時間以上5時間以下程度保持後に放冷してもよい。
この処理にて、アルミニウム鋳塊又はアルミニウム合金鋳塊の材料が軟質化して、冷間圧延しやすい状態が得られる。
熱処理工程の熱処理温度は、200℃以上600℃以下が好ましく、250℃以上550℃以下がより好ましく、350℃以上500℃以下が特に好ましい。
熱処理工程の熱処理時間は、60分間以上1200分間以下が好ましく、120分間以上600分間以下がより好ましく、180分間以上480分間以下が特に好ましい。
熱処理工程により加工硬化した板材を軟質化することができるほか、結晶組織を制御することで各種物性を調整する場合もある。
金属箔の厚みは、5μm以上が好ましく、6μm以上がより好ましく、7μm以上がさらに好ましい。また、200μm以下が好ましく、190μm以下がより好ましく、180μm以下がさらに好ましい。上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。本実施形態においては、5μm以上200μm以下が好ましい。
本実施形態において、金属箔の厚みは、シックネスゲージ又はノギスを用いて測定すればよい。
粉砕方法は特に限定されず、ボールミル、ビーズミルなどを用いる方法や、ジェットミルなどを用いる方法が挙げられる。
粉体製造方法は特に限定されず、例えば、アルミニウム溶湯をノズルから噴出させるアトマイズ法等によっても製造できる。
本実施形態に、高純度アルミニウムを用いる場合、アルミニウムを高純度化する精製方法として、例えば偏析法および三層電解法を例示できる。
三層電解法では純度99.999質量%以上の高純度アルミニウムを得ることができる。
次いで、電池の構成を説明しながら、本発明の負極活物質を、電池の負極活物質として用いた負極、およびこの負極を有する二次電池について説明する。
以下、正極にリチウム正極活物質を用いたリチウム二次電池を例に説明する。
(正極)
本実施形態の正極は、まず正極活物質、導電材およびバインダーを含む正極合剤を調整し、正極合剤を正極集電体に担持させることで製造することができる。
正極活物質には、リチウム含有化合物又は他の金属化合物よりなるものを用いることができる。リチウム含有化合物としては、例えば、層状構造を有するリチウムコバルト複合酸化物、層状構造を有するリチウムニッケル複合酸化物、スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物が挙げられる。
また他の金属化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウム若しくは二酸化マンガンなどの酸化物、または硫化チタン若しくは硫化モリブデンなどの硫化物が挙げられる。
本実施形態の正極が有する導電材としては、炭素材料を用いることができる。炭素材料として黒鉛粉末、カーボンブラック(例えばアセチレンブラック)、繊維状炭素材料などを挙げることができる。カーボンブラックは、微粒で表面積が大きい。このため、少量を正極合剤中に添加することにより正極内部の導電性を高め、充放電効率および出力特性を向上させることができる。一方、カーボンブラックを多く入れすぎるとバインダーによる正極合剤と正極集電体との結着力、および正極合剤内部の結着力がいずれも低下し、かえって内部抵抗を増加させる原因となる。
本実施形態の正極が有するバインダーとしては、熱可塑性樹脂を用いることができる。
この熱可塑性樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFということがある。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体などのフッ素樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;を挙げることができる。
本実施形態の正極が有する正極集電体としては、Al、Ni、ステンレスなどの金属材料を形成材料とする帯状の部材を用いることができる。なかでも、集電体としては、加工しやすく、安価であるという点でAlを形成材料とし、薄膜状に加工したものが好ましい。
正極集電体として、負極のAlと同じ成分であってもよい。
本実施形態のリチウム二次電池が有する負極は、本実施形態の負極活物質を用いる。
負極が有する集電体としては、負極が金属箔である場合、充放電に関与しない余剰のアルミニウムが集電体の役割を果たす場合もあり、その場合には、集電体を別途必要としないこともある。
集電体を使う場合には、負極集電体としては、Cu、Ni、ステンレスなどの金属材料を形成材料とする帯状の部材を挙げることができる。なかでも、集電体の材料としては、リチウムと合金を作り難く、加工しやすいという点で、Cuを形成材料とし、薄膜状に加工したものが好ましい。
また、負極合材にさらに導電材を加えても良い。導電材としては、正極材の導電材として挙げたものが使用可能である。
本実施形態のリチウム二次電池が有するセパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体などの材質からなる、多孔質膜、不織布、織布などの形態を有する材料を用いることができる。また、これらの材質を2種以上用いてセパレータを形成してもよいし、これらの材料を積層してセパレータを形成してもよい。
本実施形態のリチウム二次電池が有する電解液は、電解質および有機溶媒を含有する。
本実施形態は、薄層と基板とを積層し積層体である。
薄層は、前記本実施形態の非水電解液二次電池用負極活物質から構成されている。基板は、薄層を構成する金属とは異なる金属からなる。
基板を構成する金属としては、アルミニウム又はリチウムと合金化しない金属を用いる。このような金属としては、例えば銅、ニッケル、ステンレスが挙げられる。
また、基板を構成する金属としては、アルミニウム又はリチウムと合金化しにくい金属を用いることもできる。
[負極の作製]
実施例1に用いたシリコン−アルミニウム合金は下記の方法により製造した。
高純度アルミニウム(純度:99.99質量%以上)および高純度化学製シリコン(純度:99.999質量%以上)を、760℃に加熱・保持することで、シリコン含有量が1.0質量%であるAl−Si合金溶湯を得た。
次に、合金溶湯を温度740℃で、2時間、真空度50Paの条件で保持して清浄化した。
合金溶湯を150℃にて乾燥した鋳鉄鋳型(22mm×150mm×200mm)にて鋳造し、鋳塊を得た。
アルミニウム純度99.999%、シリコン含有量1.0質量%の高純度アルミニウム−シリコン合金箔(厚さ100μm)を、φ14mmの円盤状に切り出し、負極を製造した。
純度99.9%リチウム箔(厚さ300μm:本荘ケミカル株式会社製)を、φ16mmの円盤状に切り出し、対極を製造した。
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とをEC:DEC=30:70(体積比)で混合させてなる混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットルとなるように溶解した電解液を作製した。
上記の負極と対極との間にポリエチレン製多孔質セパレータを配置して、電池ケース(規格2032)に収納し、上記の電解液を注液し、電池ケースを密閉することにより、直径20mm、厚み3.2mmのコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製した。
コイン型の非水電解質二次電池を室温で10時間静置することでセパレータに充分電解液を含浸させた。
次に室温において0.5mAで0.005Vまで定電流充電(AlにLi吸蔵)してから0.005Vで定電圧充電する定電流定電圧充電を5時間行った後、0.5mAで2.0Vまで放電(AlからLi放出)する定電流放電を行うことで初期充放電を行った。
初期充放電後、初期充放電の条件と同様に0.5mAで充電、0.5mAで放電を繰り返した。
10回と20回のサイクル試験にて寿命評価を実施し、放電容量維持率を以下の式にて算出した。
20回後の放電容量維持率(%)=20回目の放電容量/20回目の充電容量×100
・サンプル作製
実施例1で得られた厚さ18mmのアルミニウム板を厚さ0.5mmの箔に圧延した。
圧延方向に対して垂直に切断した。切断面をエメリーペーパーで研磨し、バフ研磨と、20秒間の電解研磨を実施した。その後、切断面に露出した金属相を構成するシリコンを、1.0質量%水酸化ナトリウム水溶液でエッチングして除去した。
画像解析ソフト(Image−Pro Plus)を用いて、得られた画像を二値化しアルミニウム相を白、金属相を黒に単純二値化した。
その結果、金属相に対応する面積の割合は4%であった。
さらに、粒子径が100μm2以上の非アルミニウム金属化合物粒子の個数密度は9個/mm2であった。
使用する負極を、純度99.99%のアルミニウム箔(厚さ100μm)にしたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
使用する負極を、純度99.99%のアルミニウム箔(厚さ100μm)にし、冷間圧延の後、340℃で7時間熱処理を実施したこと以外は実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
シリコン含有量が1.0質量%であるAl−Si合金溶湯を得、冷間圧延の後、340℃で7時間熱処理を実施したこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
シリコン含有量が0.3質量%であるAl−Si合金溶湯を得た以外は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
冷間圧延の後、340℃で7時間熱処理を実施したこと以外は、実施例3と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
高純度アルミニウム(純度:99.99質量%以上)、高純度化学製シリコン(純度:99.999質量%以上)及びマンガン(鋳造用Al−Mn、純度99.9%以上)を、760℃に加熱・保持することで、シリコン含有量が0.3質量%、マンガン含有量が0.6質量%であるAl−Si−Mn合金溶湯を得た。以降の操作は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
シリコン含有量が0.3質量%、マンガン含有量が0.6質量%であるAl−Si−Mn合金溶湯を得、冷間圧延の後、340℃で7時間熱処理を実施したこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
ゲルマニウム含有量が70ppm(0.007質量%)であるAl−Ge合金溶湯を得たこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
実施例7において、上記の方法により算出した放電容量維持率は、10サイクル目が97.7%、20サイクル目が97.5%であった。金属相に対応する面積の割合は0.51%であった。
ゲルマニウム含有量が70ppm(0.007質量%)であるAl−Ge合金溶湯を得、冷間圧延の後、340℃で7時間熱処理を実施したこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
実施例8において、上記の方法により算出した放電容量維持率は、10サイクル目が95.9%、20サイクル目が96.5%であった。金属相に対応する面積の割合は0.35%であった。
ゲルマニウム含有量が200ppm(0.02質量%)であるAl−Ge合金溶湯を得たこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
実施例9において、上記の方法により算出した放電容量維持率は、10サイクル目が97.6%、20サイクル目が97.3%であった。金属相に対応する面積の割合は0.54%であった。
ゲルマニウム含有量が200ppm(0.02質量%)であるAl−Ge合金溶湯を得、冷間圧延の後、340℃で7時間熱処理を実施したこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
実施例10において、上記の方法により算出した放電容量維持率は、10サイクル目が96.2%、20サイクル目が96.4%であった。金属相に対応する面積の割合は0.44%であった。
ゲルマニウム含有量が930ppm(0.093質量%)であるAl−Ge合金溶湯を得たこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
実施例11において、上記の方法により算出した放電容量維持率は、10サイクル目が97.7%、20サイクル目が97.7%であった。金属相に対応する面積の割合は1.8%であった。
ゲルマニウム含有量が930ppm(0.093質量%)であるAl−Ge合金溶湯を得、冷間圧延の後、340℃で7時間熱処理を実施したこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
実施例12において、上記の方法により算出した放電容量維持率は、10サイクル目が96.3%、20サイクル目が97.2%であった。金属相に対応する面積の割合は0.95%であった。
アルミニウム純度99.999質量%以上の高純度アルミニウムと、ゲルマニウムとの合金溶湯(ゲルマニウム含有量が200ppm(0.02質量%))を得たこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
実施例13において、上記の方法により算出した放電容量維持率は、10サイクル目が96.1%、20サイクル目が97.0%であった。金属相に対応する面積の割合は2.0%であった。
アルミニウム純度99.999質量%以上の高純度アルミニウムと、ゲルマニウムとの合金溶湯(ゲルマニウム含有量が200ppm(0.02質量%))を得、冷間圧延の後、340℃で7時間熱処理を実施したこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製し、評価した。
実施例14において、上記の方法により算出した放電容量維持率は、10サイクル目が95.7%、20サイクル目が96.8%であった。金属相に対応する面積の割合は1.4%であった。
下記表2に、実施例7〜12についてまとめて記載する。
下記表3に、実施例13〜14についてまとめて記載する。
同様にMg、Ag、Sb、BiまたはInも充電(Li吸蔵)による体積変化がAlよりも大きいため、非アルミニウム金属としてMg、Ag、Sb、BiまたはInを用いても上記と同様の効果が奏されるものと推認できる。
特にSb、BiまたはInはAlよりもリチウム吸蔵電位が高い。このため、充電(Li吸蔵)によりLi合金を形成しやすく、非アルミニウム金属としてSb、BiまたはInを用いた場合その効果がさらに奏されるものと推認できる。
シリコン含有量が8質量%、マンガン含有量が0.6質量%であるAl−Si−Mn合金溶湯を得、冷間圧延の後、340℃で7時間熱処理を実施したこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型(ハーフセル)の非水電解質二次電池を作製した。
Claims (9)
- アルミニウム相に非アルミニウム金属相が分散して存在し、
前記非アルミニウム金属相は、Si、Ge、Sn、Ag、Sb、Bi、In及びMgからなる群より選択される1種以上を含む非アルミニウム金属化合物から構成され、
前記非アルミニウム金属相の含有量は、アルミニウム相と非アルミニウム金属相の総量に対して0.01質量%以上8質量%以下である、非水電解液二次電池用負極活物質。 - アルミニウム相に非アルミニウム金属相が分散して存在し、
前記非アルミニウム金属相は、Si、Ge、Sn、Ag、Sb、Bi、In及びMgからなる群より選択される1種以上を含む非アルミニウム金属化合物から構成され、
前記非アルミニウム金属相の含有量は、アルミニウム相と非アルミニウム金属相の総量に対して0.005質量%以上8質量%以下である、非水電解液二次電池用負極活物質。 - 下記条件で得られる二値化画像において、前記非アルミニウム金属相に相当する面積の割合は、前記アルミニウム相に相当する面積と、前記非アルミニウム金属相に相当する面積の合計に対して10%以下である、請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池用負極活物質。
・画像取得条件
非水電解液二次電池用負極活物質を厚さ0.5mmの箔に圧延する。前記箔を圧延方向に対して垂直に切断し、切断面を、1.0質量%水酸化ナトリウム水溶液でエッチングする。
前記切断面の断面画像を取得し、断面画像を画像処理して、二値化画像を得る。 - 前記非アルミニウム金属化合物は、Si、Ge、Sn、Ag、Sb、Bi及びInからなる群より選択される1種以上を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池用負極活物質。
- 厚みが5μm以上200μm以下の金属箔である、請求項1〜4にいずれか1項に記載の非水電解液二次電池用負極活物質。
- 平均粒径が1μm以上20μm以下の粉体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池用負極活物質。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池用負極活物質を有する負極。
- 請求項7に記載の負極を有する電池。
- 薄層と基板とを積層した積層体であって、
前記薄層は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池用負極活物質から構成され、
前記基板は、非水電解液二次電池用負極活物質とは異なる金属から構成される、積層体。
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