JP6730713B1 - 離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】フレキシブル回路基板の製造工程に用いた場合に基板を汚染しない離型フィルムを提供する。【解決手段】4−メチル−1−ペンテン系重合体と、融点が160℃以上であるフェノール系酸化防止剤とを含有する離型層を有する離型フィルム。【選択図】 なし

Description

本発明は、離型フィルムに関する。
プリント配線基板、フレキシブルプリント基板、多層プリント配線板等のフレキシブル回路基板の製造工程において離型フィルムが使用されている。例えば、フレキシブルプリント基板の製造工程においては、熱硬化型接着剤又は熱硬化型接着シートを用いて、銅回路を形成したフレキシブルプリント基板本体にカバーレイフィルムが熱プレス接着される。このとき、カバーレイフィルムと熱プレス板とが接着するのを防止するために離型フィルムが広く使用されている。
例えば特許文献1には、第一離型層、中間層及び第二離型層をこの順で積層してなり、該第一離型層及び第二離型層が4−メチル−1−ペンテン系重合体からなる離型フィルムが開示されている。
特開2015−189151号公報
4−メチル−1−ペンテン系重合体を含有するフィルムは、ステンレス製のプレス熱板や、ポリイミドフィルムからなるカバーレイフィルム等に対する離型性に優れ、かつ、170℃前後の熱プレス工程での耐熱性も良好であることが知られている。
しかしながら、4−メチル−1−ペンテン系重合体を含有するフィルムを、フレキシブル回路基板の製造工程における離型フィルムとして用いた場合、得られた基板上にめっき処理を施そうとしても、充分にめっきが乗らず、めっき不良が発生することがあるという問題があった。これは、何らかの原因により基板の表面が汚染されているためと考えられた。
また、このような汚染がある場合、薬液による洗浄等が必要となるため、製品製造上の環境負荷を増大させてしまう。
本発明は、上記現状に鑑み、フレキシブル回路基板の製造工程に用いた場合に基板を汚染しない離型フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、4−メチル−1−ペンテン系重合体と、融点が160℃以上であるフェノール系酸化防止剤とを含有する離型層を有する離型フィルムである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の発明者らは、4−メチル−1−ペンテン系重合体を含有するフィルムを、フレキシブル回路基板の製造工程における離型フィルムとして用いた場合に汚染が発生する原因を検討した。その結果、4−メチル−1−ペンテン系重合体の分解により低分子量成分が生成し、離型フィルムを使用した際に上記低分子量成分が基板の表面に転写されることが汚染の原因となっていることを見出した。これに対して、フェノール系酸化防止剤を配合することを試みたが、充分には汚染を防止できなかった。本発明者らは、更に検討を行い、フェノール系酸化防止剤自体が新たな汚染源となっていることを見出した。そして、融点が160℃以上であるフェノール系酸化防止剤を選択して用いることにより、4−メチル−1−ペンテン系重合体の分解により生成した低分子量成分による汚染を防止しながら、フェノール系酸化防止剤自体による汚染をも防止できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の離型フィルムは、4−メチル−1−ペンテン系重合体を含有する離型層を有する。
上記4−メチル−1−ペンテン系重合体としては、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体のほか、4−メチル−1−ペンテンと4−メチル−1−ペンテン以外の単量体との共重合体を用いることができる。
上記4−メチル−1−ペンテン以外の単量体としては特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等の炭素数が20以下のα−オレフィン等が挙げられる。
上記4−メチル−1−ペンテン系重合体が共重合体である場合、より高い離型性や耐熱性を発揮するという観点から、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位の含有量は80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましい。
上記4−メチル−1−ペンテン系重合体は、例えば、三井化学社製の商品名TPX(登録商標)等の市販品を用いることができる。
上記離型層は、フェノール系酸化防止剤を含有する。
オレフィン系重合体は、光、熱、金属と酸素が共存することによりラジカル反応が進行し、低分子量成分が生成することが知られている。下記式(1)に、オレフィン系重合体が分解して低分子量成分を生成する一連の反応の反応式を示した。
式(1)中、Rは、アルキル鎖を表す。
オレフィン系重合体のなかでも、特にC−H結合を多く含む4−メチル−1−ペンテン系重合体は、低分子量成分を発生しやすいと考えられる。
Figure 0006730713
上記フェノール系酸化防止剤は、上記式(1)の2番目の反応、即ち、RHから生成したR・が酸素と反応してROO・が生じ、該ROO・がRHと反応してR・が生成する、いわゆるラジカル連鎖反応bにおいて、ラジカルを捕捉することにより、一連の低分子量成分を生成する反応の進行を抑え、基板の汚染を防止できる。
フレキシブル回路基板の製造工程では、通常、160〜200℃、3〜10MPa、2〜10分間程度の条件で熱プレスを行う。該熱プレス中にフェノール系酸化防止剤の一部が揮発することも、基板汚染の原因となる。
本発明においては、フェノール系酸化防止剤として、融点が160℃以上であるフェノール系酸化防止剤(以下、「高融点フェノール系酸化防止剤」ともいう。)を選択して用いる。高融点フェノール系酸化防止剤を用いることにより、4−メチル−1−ペンテン系重合体の分解により生成した低分子量成分による汚染を防止しながら、フェノール系酸化防止剤自体による汚染をも防止できる。
高融点フェノール系酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いることができ、具体的には例えば、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド))、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−α,α’,α’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール等が挙げられる。これらの高融点フェノール系酸化防止剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例えば、イルガノックス1098(融点160℃、BASF社製)、イルガノックス3114(融点221℃、BASF社製)、イルガノックス1330(融点240℃、BASF社製)等の市販品を用いることができる。
上記離型層中における上記高融点フェノール系酸化防止剤の含有量は特に限定されないが、上記4−メチル−1−ペンテン系重合体100重量部に対する好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は1.0重量部である。上記高融点フェノール系酸化防止剤の含有量がこの範囲内であると、離型性や耐熱性に影響することなく、基板の汚染を防止することができる。上記高融点フェノール系酸化防止剤の含有量のより好ましい下限は0.3重量部、より好ましい上限は0.7重量部である。
上記離型層は、本発明の目的を阻害しない範囲で、更に、リン系酸化防止剤や硫黄系酸化防止剤を含有してもよい。これらの酸化防止剤は、上記式(1)の一連の反応で生じた過酸化物を分解できることから、よりいっそう基板の汚染を防止することができる。
上記離型層は、本発明の目的を阻害しない範囲で、更に、金属不活性化剤を含有してもよい。金属不活性化剤は、金属元素に対して配位することにより金属触媒を捕捉、不活化させることができる化合物である。金属不活性化剤を配合することにより、上記式(1)の特に最初の反応、即ちRHからR・が生成する開裂反応aにおいて触媒となる金属捕捉し、開裂反応aを抑制して、よりいっそう基板の汚染を防止することができる。
上記離型層は、更に、繊維、無機充填剤、安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、高級脂肪酸塩等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
上記離型層は、離型性を向上させる目的で、離型処理が施されていてもよい。上記離型処理の方法は特に限定されず、例えば、上記離型層にシリコーン系、フッ素系等の離型剤を塗布又は散布する方法、熱処理を行う方法等の公知の方法を用いることができる。これらの離型処理は単独で用いてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記離型層は、X線光電子分光法により測定した表面の酸素濃度が1.2%以下であることが好ましい。
上記4−メチル−1−ペンテン系重合体と上記高融点フェノール系酸化防止剤とは一般に相溶性が低く、単に4−メチル−1−ペンテン系重合体に高融点フェノール系酸化防止剤を配合しても、高融点フェノール系酸化防止剤が4−メチル−1−ペンテン系重合体中に分散しないことがある。このように低分散の状態では、低分子量成分を生成する反応の進行を抑える効果が充分には発揮されないことがある。また、上記高融点フェノール系酸化防止剤が表面に多量に存在すると、離型フィルムを使用した際に高融点フェノール系酸化防止剤自体が基板の表面に転写され、汚染の原因となることがある。本発明者らは、後述する上記離型層の製造方法を実施することにより、高融点フェノール系酸化防止剤を4−メチル−1−ペンテン系重合体中に充分に分散させることができ、更に汚染性を抑制できることを見出した。
このように高融点フェノール系酸化防止剤が4−メチル−1−ペンテン系重合体中に充分に分散した離型層では、高融点フェノール系酸化防止剤が離型層の表面に偏って析出することがない。従って、高融点フェノール系酸化防止剤に含まれる酸素に着目して、X線光電子分光法により離型層の表面の酸素濃度を測定することで、4−メチル−1−ペンテン系重合体中における高融点フェノール系酸化防止剤の分散状態を評価することができる。即ち、X線光電子分光法により測定した離型層の表面の酸素濃度が1.2%以下であるときには、高融点フェノール系酸化防止剤が4−メチル−1−ペンテン系重合体中に充分に分散していると判断することができる。上記表面の酸素濃度は、好ましくは0.9%以下、より好ましくは0.6%以下である。
離型フィルム表面の酸素濃度は、X線光電子分光機(アルバック・ファイ社製、Versa ProbeII)を用い、単色化Al Kα線のX線光源、検出角45度、STEP幅1eVの条件でワイドスキャンを行うことで測定できる。本測定では、表面から約5nmの領域の元素濃度を測定することができる。表面酸素濃度は、下記計算式を用いて求めることができる。
表面酸素濃度(%)=(IO/SO)/(IC/SC)×100
(IO:酸素の光電子強度、IC:炭素の光電子強度、SC:炭素の相対感度係数、SO:酸素の相対感度係数)
なお、各元素の光電子強度は、ワイドスキャンで測定された光電子強度をそれぞれ下記の範囲で積分して得られる値である。
1s:280−300eV、O1s:520−540eV
また、本明細書における酸素濃度は、SC=0.314、SO=0.733として算出する。
上記離型層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は75μmである。上記離型層の厚みがこの範囲内であると、プリント配線基板、フレキシブルプリント基板、多層プリント配線板等の製造工程に用いたときに、強度と、フレキシブル回路基板の凹凸への追従性等のバランスをとることができる。上記離型層の厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は30μmである。
上記離型層を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記4−メチル−1−ペンテン系重合体に上記高融点フェノール系酸化防止剤、及び、必要に応じて添加する添加剤を加えて混練した後、押出成形する方法等が挙げられる。
しかしながら、上述のように高融点フェノール系酸化防止剤を4−メチル−1−ペンテン系重合体中に充分に分散させるためには、例えば、(1)4−メチル−1−ペンテン系重合体と高融点フェノール系酸化防止剤とを加熱混練してマスターバッジを製造し、該マスターバッチを押出成形に供する方法を採用することが好ましい。また、(2)押出成形の際に、同方向回転型二軸押出機(ダブルフライト)を用いて混錬性を向上させる方法を採用することが好ましい。更に、(3)押出成形時の温度、混練時間、押出量、線速等を調整することにより混練性を向上させる方法を採用することが好ましい。特に、押出成型の初期段階(Tダイ出口付近)では温度を高くし、一定時間経過後は降温させつつ、成型終了までの時間を長くすることが好ましい。より具体的には、シリンダー全長に対して、入り口側から20〜40%の位置における設定温度を約330〜360℃に設定することが好ましい。従来は、高温環境下ではオレフィン系重合体の分解が進んでしまうため、4−メチル−1−ペンテン系重合体を押出成型する場合に、分解が始まるとされる300℃以上に加熱することは通常行われていなかった。一方、上述のように成型の初期段階はあえて300℃以上に昇温して、その後300℃以下に降温させることで、分子の運動性を増大させることができる。また、線速は小さくすることが好ましい。押出成型にかける時間を長くすることで、高融点フェノール系酸化防止剤が分散する時間を確保することができる。このような温度と線速の調整により、高融点フェノール系酸化防止剤の拡散を促進することができる。
上記(1)〜(3)の少なくともいずれか1つの方法を採用するか、好ましくは2つ以上の方法、さらに好ましくは3つ以上の方法を組み合わせて採用することにより、高融点フェノール系酸化防止剤を4−メチル−1−ペンテン系重合体中に充分に分散させることができる。
本発明の離型フィルムは、上記離型層のみからなる単層構造であってもよいし、上記離型層と基材層とからなる2層構造であってもよい。また、上記離型層、中間層(クッション層)、離型層がこの順に積層された3層構造であってもよく、更に他の層を有する多層構造であってもよい。
上記基材層や中間層としては、離型フィルムの技術分野において従来公知のものを用いることができる。
本発明の離型フィルムの用途は特に限定されないが、フレキシブル回路基板の製造に特に適する。具体的には例えば、プリント配線基板、フレキシブルプリント基板、多層プリント配線板等のフレキシブル回路基板の製造工程において、プリプレグ又は耐熱フィルムを介して基板に銅張積層板又は銅箔を熱プレスする際の離型フィルムとして好適に用いることができる。また、フレキシブルプリント基板の製造工程において、銅回路を形成したフレキシブルプリント基板本体に、熱硬化型接着剤又は熱硬化型接着シートによってカバーレイフィルムを熱プレス接着する際の、カバーレイフィルムと熱プレス板とが接着するのを防止するために離型フィルムとして好適に用いることができる。更に、金型を用いて半導体チップを樹脂で封止して成型品を得る半導体モールド工程において、金型内面を被覆して樹脂による金型の汚染を防ぐための離型フィルムとして好適に用いることができる。
本発明によれば、フレキシブル回路基板の製造工程に用いた場合に基板を汚染しない離型フィルムを提供することができる。また、このような離型フィルムを使用することで、めっき不良の発生防止や、洗浄工程の削減を実現でき、省資源や環境負荷低減に寄与することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
4−メチル−1−ペンテン系重合体100重量部に対して、高融点フェノール系酸化防止剤としてイルガノックス1098(融点160℃)0.1重量部を加え、一軸押出機(ジーエムエンジニアリング社製、GM30−28(スクリュー径30mm、L/D28))を用いてTダイ幅400mmにて押出成形して、厚み30μmの離型フィルムを得た。なお、押出時の条件として、シリンダーの全長を5等分して入り口側から順にC1、C2、C3、C4、C5の5つのエリアに区切り、各エリアの設定温度をC1:300℃、C2:300℃、C3〜C5:290℃、押出量50kg/hr、線速70m/minとした。
(実施例2)
高融点フェノール系酸化防止剤としてイルガノックス3114(融点221℃)0.5重量部を加えた以外は実施例1と同様にして、厚み30μmの離型フィルムを得た。
(実施例3)
高融点フェノール系酸化防止剤としてイルガノックス1330(融点240℃)1.0重量部を加えた以外は実施例1と同様にして、厚み30μmの離型フィルムを得た。
(実施例4)
4−メチル−1−ペンテン系重合体100重量部に対して、高融点フェノール系酸化防止剤としてイルガノックス1098(融点160℃)0.6重量部を加え、V型ブレンダー等を用いて混合した後二軸押出機により溶融混錬及び切断加工をすることで、0.2g/50粒のペレタイズされたマスターバッチを調製した。得られたマスターバッチを、同方向回転型二軸押出機(プラスチック工学研究所社製、SBTN−92(スクリュー径92mm、L/D30))を用いてTダイ幅400mmにて押出成形して、厚み30μmの離型フィルムを得た。なお、押出時の条件として、シリンダーの全長を5等分して入り口側から順にC1、C2、C3、C4、C5の5つのエリアに区切り、各エリアの設定温度をC1:300℃、C2:350℃、C3〜C5:290℃、押出量25kg/hr、線速35m/minとした。
(実施例5)
高融点フェノール系酸化防止剤としてイルガノックス3114(融点221℃)0.3重量部を加えた以外は実施例4と同様にして、厚み30μmの離型フィルムを得た。
(実施例6)
高融点フェノール系酸化防止剤としてイルガノックス1330(融点240℃)0.7重量部を加えた以外は実施例4と同様にして、厚み30μmの離型フィルムを得た。
(比較例1)
高融点フェノール系酸化防止剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、厚み30μmの離型フィルムを得た。
(比較例2〜5)
高融点フェノール系酸化防止剤に代えて、表1に示したフェノール系酸化防止剤0.4〜0.7重量部を加えた以外は実施例4と同様にして、厚み30μmの離型フィルムを得た。用いたフェノール系酸化防止剤は以下のものである。
・イルガノックス1076(融点50℃、BASF社製)
・イルガノックス259(融点106℃、BASF社製)
・イルガノックス1010(融点115℃、BASF社製)
・スミライザーGA80(融点125℃、住友化学社製)
(評価)
実施例及び比較例で得た離型フィルムについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)離型フィルム表面の酸素濃度の測定
X線光電子分光機(アルバック・ファイ社製、Versa ProbeII)を用い、単色化Al Kα線のX線光源、検出角45度、STEP幅1eVの条件でワイドスキャン測定を行った。表面酸素濃度は、下記計算式を用いて求めた。
表面酸素濃度(%)=(IO/SO)/(IC/SC)×100
(IO:酸素の光電子強度、IC:炭素の光電子強度、SC:炭素の相対感度係数、SO:酸素の相対感度係数)
なお、各元素の光電子強度は、ワイドスキャンで測定された光電子強度をそれぞれ下記の範囲で積分して得られる値である。
1s:280−300eV、O1s:520−540eV
なお、SC=0.314、SO=0.733として求めた。
(2)非汚染性の評価
得られた離型フィルムをA4に切り出し、同じ大きさの銅箔で挟んで積層体を得た。得られた積層体を、180℃、5MPa、60分間の条件で熱プレスした。熱プレスはn=5で行った。
その後、積層体から合計10枚の銅箔を剥離して回収し、各々の離型フィルムに接していた側の面をクロロホルムで洗浄して抽出液を得た。得られた抽出液を全て合わせ、クロロホルムを留去した後、残存量を秤量して、離型フィルムから移行した汚染成分量とした。単位面積当たりの汚染成分量を算出して、以下の基準により評価した。
◎:汚染成分量が50mg/m以下
○:汚染成分量が50mg/mを超えて、100mg/m以下
△:汚染成分量が100mg/mを超えて、500mg/m以下
×:汚染成分量が500mg/mを超える
Figure 0006730713
本発明によれば、フレキシブル回路基板の製造工程に用いた場合に基板を汚染しない離型フィルムを提供することができる。

Claims (2)

  1. 4−メチル−1−ペンテン系重合体と、融点が160℃以上であるフェノール系酸化防止剤とを含有する離型層を有し、前記離型層中における4−メチル−1−ペンテン系重合体100重量部に対する融点が160℃以上であるフェノール系酸化防止剤の含有量が0.1〜1.0重量部であり、前記融点が160℃以上であるフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であることを特徴とする離型フィルム。
  2. 離型層は、X線光電子分光法により測定した表面の酸素濃度が1.2%以下であることを
    特徴とする請求項記載の離型フィルム。
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