JP6729984B2 - ワイヤーハーネス組立作業指示装置、及びワイヤーハーネス組立作業指示方法 - Google Patents

Description

本願は、ディスプレイによりワイヤーハーネスの組み立て指示を行うワイヤーハーネス組立作業指示装置、及びワイヤーハーネス組立作業指示方法に関するものである。

従来のワイヤーハーネス組立作業指示装置としては、作業者に製品の配置を指示するために、作業台前方のスクリーンに製品形状を投影して表示する装置が提案されている（例えば特許文献１参照）。

特開２００７−３２３８３１号公報（１３頁３２〜３７行、図２）

このようなワイヤーハーネス組立作業指示装置にあっては、前方のスクリーンに表示された配線経路及び寸法を組立作業中のワイヤーハーネスと照合する際に組立作業中のワイヤーハーネスの寸法をその都度測定しなければならず作業性が悪いという課題があった。また、非熟練者がワイヤーハーネスの組立作業を行う場合、熟練者に必要な情報だけでは具体的な配線の順序が判断できず、別途配線順序を指示する必要があり、作業性が悪いという課題があった。

本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、組立作業中のワイヤーハーネスの寸法をその都度測定する必要がなく、また、熟練者、非熟練者のいずれもが、表示される作業指示のみによって、ワイヤーハーネスを組み立てることができるワイヤーハーネス組立作業指示装置、及びワイヤーハーネスの組立作業指示方法を提供することを目的とする。

本願に開示されるワイヤーハーネス組立作業指示装置は、
ワイヤーハーネスの画像を作業台上に重畳表示する載置ディスプレイと、
前記ワイヤーハーネスを構成する部品の仕様及び前記ワイヤーハーネスを組み立てた時の所定の配線順序を記憶する製品仕様情報格納部と、
前記製品仕様情報格納部に記憶された前記部品の仕様と、前記配線順序を表示する表示部と、
組み立て担当者毎に、前記担当者の能力情報を記憶する能力情報格納部と、
前記ワイヤーハーネスの生産実績の有無を記憶する生産実績格納部と、
前記担当者を識別する情報を入力する担当者情報入力部と、
前記能力情報格納部に記憶された前記担当者の能力情報に応じて、前記配線順序を指示する作業指示計算部とを有するものである。

本願に開示されるワイヤーハーネスの組立作業指示方法は、
前記ワイヤーハーネス組立作業指示装置であって、
前記製品仕様情報格納部は、前記ワイヤーハーネスに使用する複数の電線を一意に特定するための線番号と、各前記電線の電線型名と、各前記電線の線長と、各前記電線の一端の接続先である第一接続先の型番と、各前記電線の他端の接続先である第二接続先の型番とを有するワイヤーハーネス組立作業指示装置を用いるワイヤーハーネス組立作業指示方法であって、
前記表示部に表示された、前記電線型名により指定された複数の前記電線を、前記線長に切断する電線切断工程と、
前記表示部に表示された、前記製品情報格納部で指定された前記第一接続先及び前記第二接続先の端子を必要数量だけ用意する端子準備工程と、
前記表示部に表示された、前記電線型名により指定された前記電線と前記端子との接続に対応する工具を準備する工具準備工程と、
前記電線と、前記端子とを、前記工具を用いて接続する端子接続工程と、
前記載置ディスプレイ上に表示された、前記画像上に、前記端子を取り付けた複数の前記電線を這わせて、前記画像上に表示された位置で前記電線同士を結束する配線結束工程とを有するワイヤーハーネス組立作業指示方法。

本願に開示されるワイヤーハーネス組立作業指示装置、及びワイヤーハーネスの組立作業指示方法によれば、組立作業中のワイヤーハーネスの寸法をその都度測定する必要がないので作業効率が上がる。また、熟練者、非熟練者のいずれもが、表示される作業指示のみによって、ワイヤーハーネスを組み立てることができる。また、熟練者の作業実績を蓄積することで非熟練者に作業実績に基づく配線順序を指示することができる。

実施の形態１に係るワイヤーハーネス組立作業指示装置のハードウェア構成を示す図である。 実施の形態１に係る電線ホルダの詳細を示す図である。 実施の形態１に係るワイヤーハーネス組立作業指示装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。 実施の形態１に係るワイヤーハーネスを組み立てるに当たっての、着手順を決定するプロセスを示す図である。 実施の形態１に係る作業指示計算部による作業指示の作成手順を示す図である。 実施の形態１に係るワイヤーハーネスの組み立て作業のフローを示す図である。

実施の形態１．
以下、実施の形態１に係るワイヤーハーネス組立作業指示装置を、図を用いて説明する。
図１は、ワイヤーハーネス組立作業指示装置１００（以下、単に作業指示装置１００という）のハードウェア構成を示す図である。

作業指示装置１００は、作業台２０と作業台２０下部に設置された演算装置３０と作業者に対して作業指示情報を表示し、作業結果を入力するためのタッチパネルディスプレイ５０（表示部）と、ワイヤーハーネスの組み立てに使用する切断した電線を掛ける電線ホルダ４０とから構成されている。

作業台２０は、これから組み立てようとする、実寸大の完成品のワイヤーハーネスの画像を作業時、製品を構成する部品の下に重畳表示するための載置ディスプレイ２１と、載置ディスプレイ２１を保護するアクリル板２２と電線ホルダ４０を載置ディスプレイ２１上でスライドして移動させるためのレール２３とからなる。電線ホルダ４０の位置は、組み立てる製品によって適宜移動できる。

載置ディスプレイ２１は、液晶ディスプレイを用いており、実寸大の完成品のワイヤーハーネスの画像を表示するため、単体でワイヤーハーネス全体を表示できるサイズが必要である。１つのディスプレイでワイヤーハーネスの全体を表示することができないサイズのディスプレイを使用する場合は、同一サイズのディスプレイを複数組み合わせることで完成品のワイヤーハーネス全体を表示できるサイズとする。

なお、載置ディスプレイ２１を、タッチパネル機能を有するディスプレイとし、作業結果を載置ディスプレイ２１に表示することで、タッチパネルディスプレイ５０がなくとも同様の組立作業を実施することができる。

レール２３には、鋼鉄パイプにプラスチックを接着被覆したパイプを用い、パイプ上をスライド可能な鉄製ジョイントにより電線ホルダ４０と接続している。

アクリル板２２に貼り付けて電線Ｗを固定するには、吸盤付クリップＫ１を用い、圧着端子Ｔをアクリル板２２に固定するには、吸盤付ピンＫ２を用いる。

図２は、電線ホルダ４０の詳細を示す図である。
電線ホルダ４０は、ワイヤーハーネスの組み立てに使用する電線を引っ掛けることで固定するものであるが、各電線の表面の被覆、内部の芯線を傷つけてはならないため、スポンジ素材で構成されている。

また、電線ホルダ４０には、電線を引っ掛けるために、等間隔に切り込みを入れており、一本の電線を、その両先端が上向きになるように二箇所の切り込みに掛ける。一つの切り込みには、一本の電線の一端部のみを掛けるので、図２に示すように、電線ホルダ４０には、隣り合う切り込みの間に一つ置きに電線番号Ｎが振られている。電線ホルダ４０の使い方の詳細は後述する。

載置ディスプレイ２１及びタッチパネルディスプレイ５０は、作業台２０の下部に設置された演算装置３０に接続されている。載置ディスプレイ２１には、完成品のワイヤーハーネスの実寸大の画像が表示される。このワイヤーハーネスの画像に部品を重ねて製品の組立作業を行うことにより、組み立て中の電線の寸法測定を行う必要なく、ワイヤーハーネスの組立作業を行うことができる。

載置ディスプレイ２１に映し出されたワイヤーハーネスの画像に重ねてワイヤーハーネスの組立作業を行うためには、組立中の電線Ｗ等を固定する必要がある。そこで、アクリル板２２に吸盤付クリップＫ１、吸盤付ピンＫ２を用いて電線Ｗをアクリル板２２に固定する。

吸盤付クリップＫ１は、電線Ｗを挟み込んで固定するものであり、吸盤付ピンＫ２は、圧着端子Ｔの先端のネジ止め用の穴にピンを通して掛けることで固定するものである。吸盤付クリップＫ１は、電線Ｗを挟んだ際に表面の被覆、内部の芯線を傷つけてしまう恐れがあるため、内側にスポンジ素材を貼り付けている。

図３は、作業指示装置１００のソフトウェア構成とプロセスを示すブロック図である。
図４は、ワイヤーハーネスを組み立てるに当たっての、着手順を決定するプロセスを示す図である。
作業指示装置１００は、生産計画格納部１と、能力情報格納部２と、作業要領情報格納部３と、製品仕様情報格納部４と、担当者情報入力部５と、着手順序計算部６と、作業指示表示部７と、作業指示計算部８と、作業結果入力部９と、生産実績格納部１０とを有する。

図４Ａは、生産計画格納部１の構成を示す図である。例として４月度の製品別の生産計画を示している。
生産計画格納部１には、製品名１ａと、製品毎の生産の優先度１ｂと、着手予定日１ｃに生産する製品の生産計画を記憶している。ここでは、各着手予定日１ｃに１台生産するような記載としているが、実際には、相当数を生産する。

図４Ｂは、能力情報格納部２の構成を示す図である。
図４Ｃは、生産実績格納部１０の構成を示す図である。
能力情報格納部２には、担当者情報入力部５により入力した担当者２ａ毎の能力情報２ｂを記憶する。能力情報２ｂには、「熟練者」又は「非熟練者」の分類を記憶する。生産実績格納部１０には、製品名１ａ毎の生産実績１０ｂの有無を記憶する。新製品の場合は、「なし」となっている。熟練者は、生産計画上の全製品の組み立てを実施可能であり、非熟練者は、同じ製品を過去に熟練者が組み立て済みであり、生産実績格納部１０に生産実績１０ｂが「あり」と記憶されている製品のみを組み立て可能とする。なお、担当者２ａの能力情報２ｂを更に細分化してもよい。

図４Ｄは、具体的な担当者ａが組み立てに着手する製品名１ａと着手順６ａを示す図である。
着手順序計算部６は、担当者情報入力部５から入力された作業担当者の情報、能力情報格納部２に記憶されている担当者２ａ毎の能力情報２ｂ、生産実績格納部１０に記憶されている製品別の生産実績１０ｂの有無、生産計画格納部１に記憶されている製品別の生産の優先度１ｂ、各製品の着手予定日１ｃを元に担当者２ａ毎の生産すべき製品名１ａと着手順６ａとを計算する。

具体的には、まず担当者情報入力部５から入力された担当者のＩＤから、能力情報格納部２のＩＤに対応する担当者２ａと、その担当者２ａの能力情報２ｂを検索し、入力された担当者２ａのＩＤに紐付けられた担当者２ａの能力情報２ｂを抽出する。

入力された担当者２ａの能力情報２ｂが、「非熟練者」であった場合は、生産計画格納部１の製品名１ａの各製品と、図４Ｃに示す生産実績格納部１０の製品名１ａの各製品の生産実績１０ｂの有無を照合し、生産実績が「あり」の製品のみを対象として、生産計画格納部１に記憶されている着手予定日１ｃが早いものから順に、図４Ｄに示す着手順６ａに割り当てを行う。着手予定日１ｃが一致する製品が複数ある場合には、製品別の優先度１ｂが高いものを優先して着手順６ａに割り当てる。同一製品で着手予定日１ｃが同一の場合は、台数の小さいものから順に着手順６ａへ割り当てる。

担当者２ａの能力情報２ｂが、「熟練者」であった場合は、すべての製品の生産の担当が可能であるため、生産計画格納部１に記憶されている着手予定日１ｃが早いものから順に、図４Ｄに示す着手順６ａに割り当てを行う。

計算された着手順６ａは、作業指示表示部７により、タッチパネルディスプレイ５０に表示されるとともに、組立作業の着手順６ａが最も早い製品名と、生産すべき台数情報が、作業指示計算部８へ渡される。
図５は、作業指示計算部８による作業指示Ｓの作成手順を示す図である。
作業指示計算部８では、着手順序計算部６で計算された着手順序の最も早い製品について、作業要領情報格納部３と製品仕様情報格納部４、生産実績格納部１０の情報から作業指示Ｓを計算する。

図５Ａは、製品Ａが、これから新規に生産を開始する製品である場合の、製品仕様情報格納部４に格納された製品Ａを構成する部品の仕様を示す図である。製品毎の区別は、ファイル名で分類すればよい。図５Ａには、製品Ａに使用する複数の電線Ｗを一意に特定するための線番号４ｅと、各電線Ｗの電線型名４ｃと、各電線Ｗの線長４ｄと、各電線の一端の接続先４ａ（第一接続先）の型番と、接続先４ａのピン番号４ｂ、他端の接接続先である圧着端子４ｆ（第二接続先）の型番とが記憶されている。図では、接続先４ａとして端子としてのコネクタを例示している。圧着端子４ｆ側にもコネクタ（端子）を接続し、ピン番号を記憶することができるようにしてもよい。製品Ａは、線番号４ｅが、Ｗ１〜Ｗ５である５本の線と、２種類の接続先４ａのコネクタと、２種類の圧着端子４ｆとからなることが分かる。

図５Ｂは、製品Ａが、既存の製品である場合の、製品仕様情報格納部４に格納された製品Ａの構成を示す図である。
既存の製品、すなわち、図４Ｃに示す生産実績格納部１０の「生産実績」が「あり」の製品については、製品仕様情報格納部４は、図５Ａの各情報に加えて、図５Ｂに示す、最初の担当者が組み立てた時の各電線の配線の配線順序４ｎのデータを有する。

図５Ｃは、作業要領情報格納部３の構成を示す図である。
作業要領情報格納部３には、電線型名３ｃと使用する圧着端子３ｆの型番との組み合わせと、圧着端子３ｆの取り付けに使用する工具３ｇの型名と、電線の端部の絶縁被覆を除去し、端部の芯を露出させる長さである被覆剥き長３ｈとを予め記憶している。

図５Ｄは、作業指示Ｓの構成を示す図である。
作業指示計算部８は、製品仕様情報格納部４に記憶されたワイヤーハーネスの製品Ａの生産に用いる電線Ｗ１〜Ｗ５の一本ずつの電線型名４ｃと圧着端子４ｆの組み合わせを、図５Ｃに示す、作業要領情報格納部３に記憶された電線型名３ｃと圧着端子３ｆの組み合わせと照合し、一致したものについて工具３ｇと被覆剥き長３ｈを抽出する。抽出された工具３ｇと被覆剥き長３ｈの情報を図５Ｂに併合することにより、電線Ｗ１〜Ｗ５の一本単位の作業指示Ｓが作成される。

作業指示表示部７は、作業指示計算部８で計算された組立作業を行う製品名１ａの作業指示Ｓをタッチパネルディスプレイ５０に表示する。

担当者２ａは、配線順序４ｎの順（記憶が無い場合は、担当者の判断の順）に配線作業を行い、作業が終了すると、作業結果入力部９により組み立てが終了した旨を入力する。入力された情報は、生産実績格納部１０に送られ、製品毎に生産実績１０ｂが更新される。

組み立てを終了した製品が、その製品の最初の製品であった場合は、電線一本単位で、組み立て作業を実施した順序が、製品仕様情報格納部４の配線順序４ｎに格納される。

次に、ワイヤーハーネスの組み立て手順を図を用いて説明する。
図６は、ワイヤーハーネスの組み立て作業のフローを示す図である。
ワイヤーハーネスの組み立て作業は、６つの手順からなり、手順毎に所定の情報をタッチパネルディスプレイ５０に表示して担当者２ａに提供することができる。

電線切断工程（ＳＴ１）は、製品毎に、電線型名４ｃにより指定された電線を、線長４ｄで指定された長さで切断する工程である。この工程では、タッチパネルディスプレイ５０に、製品仕様情報格納部４の配線順序４ｎと、電線型名４ｃと、線長４ｄのみを一覧表示する。切断した各電線は、図２に示すように、電線ホルダ４０に引っ掛ける。配線順序が記憶されている場合は、その順に電線ホルダ４０の所定の位置に引っ掛ける。配線順序が記憶されていない場合は、タッチパネルディスプレイ５０に表示された、上側から順に引っ掛ける。

端子準備工程（ＳＴ２）は、製品仕様で指定された圧着端子を必要数量だけ用意する工程である。これから組み立てようとする製品に必要な圧着端子４ｆの型名と数量を、製品仕様情報格納部４から抽出し、型名別に必要数量を集計して結果をタッチパネルディスプレイ５０に表示する。

工具準備工程（ＳＴ３）は、これから組み立てようとする製品の組み立て作業に必要な工具を用意する工程である。作業指示計算部８で計算された作業指示Ｓから工具３ｇの型名を全て抽出し、重複を取り除いた結果をタッチパネルディスプレイ５０に一覧表示する。

行先チューブ挿入工程（ＳＴ４）は、各電線の接続先が判別できるようにするために、接続先が刻印されたビニールチューブを各電線の両端に挿入する工程である。電線ホルダ４０の電線番号Ｎと、挿入するチューブに印字された文字との対応関係を、タッチパネルディスプレイ５０に一覧表示する。

なお、ここでいう「電線番号Ｎ」は、製品仕様情報格納部４に新規に製品を登録するときに設ける「線番号４ｅ」とは異なる。線番号４ｅは、取り敢えず、製品名１ａの登録時において、製品の組み立てに必要な電線を特定するために設けている番号である。

図２は、図５Ｄの作業指示Ｓに基づいて、電線ホルダ４０に引っ掛けた５本の電線に行先チューブＴｕ１〜ＴｕＮを挿入した状態を示している。電線番号１の一端には、行先として「ＢＰ１」と刻印された行先チューブＴｕ１が挿入されている。これは、この一端の接続先がコネクタＢのピン番号Ｐ１であることを示している。他端には、Ｔ２と刻印された行先チューブＴｕ２が挿入されている。これは、この他端の接続先が圧着端子Ｔ２であることを示している。電線ホルダ４０に電線の両端が上向きとなるように各電線を引っ掛けることにより、各電線を電線ホルダ４０に引っ掛けた状態で、各電線に行先チューブＴｕ１〜ＴｕＮを取り付けることができる。

端子接続工程（ＳＴ５）は、作業指示Ｓにおいて電線型名４ｃと圧着端子４ｆとの組み合わせに対して指定された被覆剥き長３ｈ分だけ電線端部の被覆を除去し、除去した端部に圧着端子４ｆをセットし、圧着端子４ｆ毎に定められた工具３ｇにより電線の端部を圧着端子４ｆに圧着して接続する工程である。

本工程では、タッチパネルディスプレイ５０に、作業指示Ｓが表示されるので、担当者２ａは、表示と、電線ホルダ４０に引っ掛けられた各行先チューブの刻印を確認しながら、必要な圧着端子４ｆを、指示された工具３ｇを用いて順に圧着する。

なお、ここでは、圧着端子４ｆに接続される端部以外の被覆の除去については言及しなかったが、作業要領情報格納部３に、コネクタの欄を追加して、被覆剥き長を追加することで同様に対応できる。

配線結束工程（ＳＴ６）は、コネクタの、配置、接続、ワイヤーハーネスの配線、結束をする工程である。まず、タッチパネルディスプレイ５０に、端子接続工程（ＳＴ５）において表示した作業指示Ｓを表示する。また、載置ディスプレイ２１には、組み立て作業中の製品の、完成品の実寸大の画像を表示する。

各製品の完成品の画像は、製品仕様情報格納部４に製品毎に別途格納してある。完成品の画像は、３Ｄデータを平面化したものである。その画像を実寸大で載置ディスプレイ２１に表示し、画像中のコネクタの上に実物のコネクタを置く。次に、各圧着端子４ｆを吸盤付ピンＫ２に固定する。次に、各電線を画像に重ねて這わせながら吸盤付クリップＫ１を用いて固定する。次に、所定の電線の端部を、指定されたコネクタの、指定されたピンに接続する。次に、電線同士を、画像中の結束ベルト位置で結束する。

このように、部品の下に表示した画像から電線同士の結束位置、曲げ位置を確認することで製品仕様通りのワイヤーハーネスを生産することができる。

実施の形態１に係るワイヤーハーネス組立作業指示装置、及びワイヤーハーネスの組立作業指示方法によれば、組立作業中のワイヤーハーネスの寸法をその都度測定する必要がなく、また、熟練者、非熟練者のいずれもが、表示される作業指示のみによって、ワイヤーハーネスを組み立てることができる。また、熟練者の作業実績を蓄積することで非熟練者に作業実績に基づく配線順序を指示することができる。

本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも１つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。

１００ ワイヤーハーネス組立作業指示装置、１ 生産計画格納部、２ 能力情報格納部、１ａ 製品名、１ｂ 優先度、１ｃ 着手予定日、２ａ 担当者、２ｂ 能力情報、３ 作業要領情報格納部、３ｃ 電線型名、３ｆ 圧着端子、３ｇ 工具、３ｈ 被覆剥き長、４ 製品仕様情報格納部、４ａ 接続先、４ｂ ピン番号、４ｃ 電線型名、４ｄ 線長、４ｅ 線番号、４ｆ 圧着端子、４ｎ 配線順序、５ 担当者情報入力部、６ 着手順序計算部、６ａ 着手順、７ 作業指示表示部、８ 作業指示計算部、９ 作業結果入力部、１０ 生産実績格納部、１０ｂ 生産実績、２０ 作業台、２１ 載置ディスプレイ、２２ アクリル板、２３ レール、３０ 演算装置、４０ 電線ホルダ、５０ タッチパネルディスプレイ、Ｎ 電線番号、Ｓ 作業指示、Ｔ 圧着端子、Ｗ 電線、Ｋ１ 吸盤付クリップ、Ｋ２ 吸盤付ピン、Ｐ１ ピン番号、Ｔ２ 圧着端子、Ｗ１〜Ｗ５ 電線、Ｔｕ１，Ｔｕ２ 行先チューブ。

Claims (8)

1. ワイヤーハーネスの画像を作業台上に重畳表示する載置ディスプレイと、
   前記ワイヤーハーネスを構成する部品の仕様及び前記ワイヤーハーネスを組み立てた時の所定の配線順序を記憶する製品仕様情報格納部と、
   前記製品仕様情報格納部に記憶された前記部品の仕様と、前記配線順序を表示する表示部と、
   組み立て担当者毎に、前記担当者の能力情報を記憶する能力情報格納部と、
   前記ワイヤーハーネスの生産実績の有無を記憶する生産実績格納部と、
   前記担当者を識別する情報を入力する担当者情報入力部と、
   前記能力情報格納部に記憶された前記担当者の能力情報に応じて、前記配線順序を指示する作業指示計算部とを有するワイヤーハーネス組立作業指示装置。
2. 前記製品仕様情報格納部における前記部品の仕様は、前記ワイヤーハーネスに使用する複数の電線を一意に特定するための線番号と、各前記電線の電線型名と、各前記電線の線長と、各前記電線の一端の接続先である第一接続先の型番と、各前記電線の他端の接続先である第二接続先の型番とを有する請求項１に記載のワイヤーハーネス組立作業指示装置。
3. 前記電線型名と前記第一接続先の型番との組み合わせに対応する工具及び前記電線型名と前記第二接続先の型番との組み合わせに対応する工具のうち、少なくとも一方の組み合わせに対応する工具の型番を記憶した作業要領情報格納部を有する請求項２に記載のワイヤーハーネス組立作業指示装置。
4. 前記作業要領情報格納部は、
   前記電線型名と前記第一接続先の型番との組み合わせに対応する前記工具及び前記電線型名と前記第二接続先の型番との組み合わせに対応する前記工具のうち、少なくとも一方の組み合わせに対応し、前記電線の端部の絶縁被覆を除去する範囲を規定する被覆剥き長を有する請求項３に記載のワイヤーハーネス組立作業指示装置。
5. 請求項２から請求項４のいずれか１項に記載のワイヤーハーネス組立作業指示装置を用いるワイヤーハーネス組立作業指示方法であって、
   前記表示部に表示された、前記電線型名により指定された複数の前記電線を、前記線長に切断する電線切断工程と、
   前記表示部に表示された、前記製品仕様情報格納部で指定された前記第一接続先及び前記第二接続先の端子を必要数量だけ用意する端子準備工程と、
   前記表示部に表示された、前記電線型名により指定された前記電線と前記端子との接続に対応する工具を準備する工具準備工程と、
   前記電線と、前記端子とを、前記工具を用いて接続する端子接続工程と、
   前記載置ディスプレイ上に表示された、前記画像上に、前記端子を取り付けた複数の前記電線を這わせて、前記画像上に表示された位置で前記電線同士を結束する配線結束工程とを有するワイヤーハーネス組立作業指示方法。
6. 前記電線切断工程の後に、
   各前記電線を前記配線順序の順に、それぞれの前記電線の両端部が上方を向くように電線ホルダに引っ掛けて、各前記電線のそれぞれの端部に、それぞれの前記端部の接続先を記憶したチューブを挿入する行先チューブ挿入工程を有する請求項５に記載のワイヤーハーネス組立作業指示方法。
7. 前記配線結束工程において、複数の前記電線を、吸盤付クリップを用いて前記画像に重畳させて前記載置ディスプレイ上に固定する請求項５又は請求項６に記載のワイヤーハーネス組立作業指示方法。
8. 前記配線結束工程において、前記部品を、ピン付クリップを用いて前記画像に重畳させて前記載置ディスプレイ上に固定する請求項５から請求項７のいずれか１項に記載のワイヤーハーネス組立作業指示方法。

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