JP6727924B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、現像剤補給容器が装着された画像形成装置に関する。
従来、電子写真複写機等の画像形成装置では、感光体の表面に形成した静電潜像を現像器によってトナー像として現像し、用紙等の記録媒体に転写し、定着手段によって定着して記録画像を得る方式が用いられている。
この中で、2成分現像方式の画像形成装置では、現像器内部の現像剤がトナーとキャリアから成り、両者をスクリューで撹拌する事で摩擦帯電させ、電気的な力で感光体に転写する方式が用いられている。
2成分現像方式の画像形成装置において、トナーとキャリアの比率変動(トナー濃度変動)は、トナーの摩擦帯電量変動につながり、摩擦帯電量変動は感光体のトナー像濃度変動につながり、最終的に出力される記録媒体上の出力画像の濃度変動につながる。従って、画像濃度を一定に保つ為には、トナーの補給量を適切に制御することによりトナー濃度を一定に保つ事が必要となる。
トナー補給制御において、目標トナー補給量を補給するために、予めトナー補給手段の補給能力を把握し、これに基づき算出された目標トナー補給量を補給できるようにトナー補給手段の駆動時間を決定している。
しかしながら、実際のトナー補給手段の補給能力は、トナー補給手段の部品公差、トナー物性等、様々な要因で変動し易く、実際のトナー補給量が目標トナー補給量とはならずに補給誤差が発生し、これによりトナー濃度が変動する問題がある。
特許文献1ではトナー補給量が変動する要因のひとつとして補給トナーの流動性の変化に着目している。一般的にトナーの流動性が高いと嵩密度が高く、流動性が低いと嵩密度が低いため、一定体積のトナーを補給すると嵩密度の変化によって補給量が変動する。また、トナー補給手段を動作するとトナーの流動性が高くなる。そこで、トナーを補給するトナー補給手段の駆動Dutyに基づきトナー補給手段の駆動時間を補正することにより、補給誤差を抑制する画像形成装置が開示されている。
また、特許文献2では、トナー補給ポンプによってトナーを補給するトナー補給手段が開示されている。そして、トナーカートリッジに備えられたIDチップにトナー補給時刻を記憶し、前回のトナー補給時刻からの間隔に応じて、予め設定されたトナーの補給量を補正する補正手段を備えていることが開示されている。
特開2013−037091号公報 特開2009−223144号公報
しかしながら、上記特許文献1、2は共にトナー補給手段の動作条件に応じた補給量の変動を抑制または補正する発明である。そのため、トナー補給手段の固有の補給能力のバラツキによる補給量誤差を抑制または補正することは難しいと考えられる。
例えば、トナーの製造(外添剤量、粒径等)バラツキによるトナーの流動性の変動は、トナー容器1本分の流動性を支配する因子であり、トナー容器の交換毎にトナー補給量が変化する。
また、トナー容器が補給量精度を決定する補給構成においては、トナー容器のメカ的公差による製造バラツキによりトナー補給量が変動し、トナー容器の交換毎にトナー補給量が変化する。
上述したように、トナーやトナー容器の製造バラツキなどのトナー補給手段の固有のバラツキによってトナー補給量が変動すると、現像装置内のトナー濃度が変動し、画像の濃度変動が発生していた。
そこで、本発明の目的は、実際のトナー補給手段の固有のバラツキによるトナー補給量の変動を低減し、トナー濃度の変動を低減することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、像担持体と、前記像担持体に形成された静電像を現像する現像装置と、前記現像装置にトナーを供給するように構成された現像剤補給容器であって、トナーを収容する収容部と、前記収容部に収容されたトナーを排出する樹脂製の排出部とを有し、前記収容部は前記排出部に対して相対回転するように構成されている現像剤補給容器と、前記現像剤補給容器を装着するための装着部と、前記現像剤補給容器が前記装着部に装着された状態で前記収容部を駆動する駆動部と、前記駆動部を制御する制御手段と、前記現像剤補給容器に配置され、前記現像剤補給容器の成型品の部品寸法に関する情報を記憶する情報記憶と、前記情報記憶部に記憶された前記成型品の部品寸法に関する情報を読み取る情報読取手段と、を有し、前記制御手段は、前記情報読取手段によって読み取られた前記成型品の部品寸法に関する情報に基づいて、前記排出部からのトナーの排出量が目標とするトナー量となるように前記駆動部を制御することを特徴とする。
本発明によれば、現像剤の補給に用いる単位補給量を現像剤補給容器に固有の情報に基づいて補正するため、実際の現像剤補給容器の固有のバラツキによる現像剤補給量の変動を低減し、現像剤の濃度の変動を低減することができる。
本発明の実施例に係る画像形成装置の概略断面構成図 本発明の実施例に係るプロセスユニットの概略断面構成図 (a)、(b)は本発明の実施例に係る現像装置の概略構成図 (a)、(b)は本発明の実施例に係る現像剤補給装置の装着部の部分断面図、斜視図 本発明の実施例に係る現像剤補給装置を示す拡大断面図 (a)、(b)は本発明の実施例に係る現像剤補給容器を示す斜視図、排出口周辺の様子を示す部分拡大図 本発明の実施例に係る現像剤補給容器の断面斜視図 (a)、(b)は本発明の実施例に係る現像剤補給容器の部分断面図 (a)、(b)は本発明の実施例に係る現像剤補給容器の部分図 (a)、(b)は本発明の実施例に係る現像剤補給容器の搬送部材全体の斜視図と断面図 (a)〜(d)は本発明の実施例に係る現像剤補給容器のポンプ部の動作時の排出部の断面図 トナー凝集度と補給量との関係を示したグラフ (a)〜(c)は各部品寸法と補給量との関係を示したグラフ ビデオカウント値と第1補給量との関係を示したグラフ トナー濃度偏差と第2補給量との関係を示したグラフ 本発明の実施例1に係るトナー補給制御のブロック図 本発明の実施例1に係るトナー補給制御のフローチャート 本発明の実施例1、2の効果を説明する図 本発明の実施例3に係るトナー残量予測制御のブロック図 本発明の実施例3に係るトナー残量予測制御のフローチャート
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施形態である為、技術的に好ましい限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
〔実施例1〕
<画像形成装置>
まず、本発明に係る現像剤補給装置を備えた画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面構成を示す。本実施例の画像形成装置100は、4つの感光ドラムを有し、中間転写方式を用いた、フルカラー電子写真画像形成装置である。本実施例では、感光ドラム1及び中間転写ベルト51の表面移動速度に相当するプロセス速度は、150mm/secである。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、第1、第2、第3、第4の画像形成部(プロセスユニット)Sa、Sb、Sc、Sdを有する。各画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色を形成するためのものである。尚、本実施例では、各画像形成部Sa〜Sdの構成は、用いられるトナーの色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために図中符号に与えた添え字a、b、c、dは省略して総括的に説明する。
画像形成部Sは、像担持体としての感光ドラム1を有する。感光ドラム1の周囲には、1次帯電手段としての帯電ローラ2、露光手段としてのレーザースキャナ3、現像手段としての現像装置4、ドラムクリーニング手段としてのドラムクリーナ6等が、感光ドラム1の回転方向に沿って順次配設されている。又、各画像形成部Sa〜Sdの感光ドラム1a〜1dに隣接して、中間転写体としての周回移動可能なベルト体、即ち、中間転写ベルト51が配置されている。
中間転写ベルト51は、複数の支持部材として駆動ローラ52、ステアリングローラ55、2次転写内ローラ56、上流規制ローラ58に掛け渡されている。ステアリングローラ55は、中間転写ベルト51を張架するための張架力を付与する機能も兼ね備えており、不図示のバネ付勢手段により、ステアリングローラ55の両端が図1の略左方向に付勢されている。中間転写ベルト51は、ベルト駆動手段である駆動ローラ52によって駆動力が伝達されて、図示矢印R3方向に周回移動する。
中間転写ベルト51の内周面側において各感光ドラム1a〜1dに対向する位置には、1次転写部材としての1次転写ローラ53a〜53dが配置されている。各1次転写ローラ53a〜53dは、中間転写ベルト51を介して各感光ドラム1a〜1dに向けて付勢され、各感光ドラム1a〜1dと中間転写ベルト51とが接触する1次転写部(1次転写ニップ)N1a〜N1dが形成されている。
又、中間転写ベルト51の外周面側において2次転写内ローラ56に対向する位置には、2次転写部材としての2次転写外ローラ57が配置されている。2次転写外ローラ57が中間転写ベルト51の外周面に接触して、2次転写部(2次転写ニップ)N2が形成されている。
各画像形成部Sa〜Sdにて形成された感光ドラム1a〜1d上の画像は、各感光ドラム1a〜1dに隣接して移動通過する中間転写ベルト51上に順次多重転写される。その後、中間転写ベルト51上に転写された画像は更に2次転写部N2において紙等の転写材Pへ転写される。
定着装置7は、回転自在に配設された定着ローラ71と、定着ローラ71に圧接しながら回転する加圧ローラ72と、を有する。定着ローラ71の内部には、ハロゲンランプ等のヒータ73が配設されている。そして、このヒータ73へ供給する電圧等を制御することにより、定着ローラ71の表面の温度調節が行われている。定着装置7に転写材Pが搬送されてくると、一定速度で回転する定着ローラ71と加圧ローラ72との間を転写材Pが通過する際に、転写材Pは、その表裏両面からほぼ一定の圧力、温度で加圧、加熱される。これにより、転写材Pの表面上の未定着トナー像は、溶融して転写材Pに定着される。こうして、転写材P上にフルカラー画像が形成される。
<画像形成部>
次に、図2において画像形成部Sの詳細を示す。図2を参照して更に説明すると、感光ドラム1は、画像形成装置本体によって回動自在に支持されている。感光ドラム1は、アルミニウム等の導電性基体11と、その外周に形成された光導電層12と、を基本構成とする円筒状の電子写真感光体である。感光ドラム1は、その中心に支軸13を有する。感光ドラム1は、駆動手段(図示せず)によって、支軸13を中心として図示矢印R1方向に回転駆動される。本実施の形態において、φ30の有機光半導体感光ドラムを用いたが、アモルファスシリコン系の感光ドラムを用いても良い。
感光ドラム1の図中上方には、1次帯電手段としての帯電ローラ2が配置されている。帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面に接して、感光ドラム1の表面を所定の極性、電位に一様に帯電させる。帯電ローラ2は、中心に配置された導電性の芯金21と、その外周に形成された低抵抗導電層22と、中抵抗導電層23と、を有し、全体としてローラ状に構成されている。帯電ローラ2は、芯金21の両端部が軸受部材(図示せず)によって回転自在に支持されると共に、感光ドラム1に対して平行に配置されている。これら両端部の軸受部材は、押圧手段(図示せず)によって感光ドラム1に向けて付勢されている。これにより、帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面に所定の押圧力を持って圧接されている。帯電ローラ2は、感光ドラム1の図示矢印R1方向の回転に伴って、図示矢印R2方向に従動回転する。帯電ローラ2には、帯電バイアス出力手段としての帯電バイアス電源24によって帯電バイアス電圧が印加される。これにより、本実施例において感光ドラム1の表面は−600Vに一様に帯電される。
感光ドラム1の回転方向において帯電ローラ2の下流側には、レーザースキャナ3が配設されている。レーザースキャナ3は、画像情報に基づいてレーザー光をOFF/ONしながら走査して、感光ドラム1上を露光する。これにより、画像情報に応じた静電像(潜像)が感光ドラム1上に形成される。本実施例で用いたレーザースキャナの波長はλ=780nmであり、解像度は600dpiである。
感光ドラム1の回転方向においてレーザースキャナ3の下流側には、現像装置4が配置されている。感光ドラム1に形成された静電像を顕像化する現像装置4、および現像装置4にトナーを補給する補給装置9の詳細については後述する。
感光ドラム1の回転方向において現像装置4の下流側の感光ドラム1の図中下方には、1次転写ローラ53が配設されている。1次転写ローラ53は、芯金531と、その外周面に円筒状に形成された導電層532と、によって構成されている。1次転写ローラ53は、両端部がスプリング等の押圧部材(図示せず)によって感光ドラム1に向けて付勢されている。これにより、1次転写ローラ53の導電層532は、所定の押圧力で中間転写ベルト51を介して感光ドラム1の表面に圧接される。又、芯金531には、1次転写バイアス出力手段としての1次転写バイアス電源54が接続されている。感光ドラム1と1次転写ローラ53との間には1次転写部N1が形成される。1次転写部N1には、中間転写ベルト51が挟まれている。1次転写ローラ53は、中間転写ベルト51の内周面に接触して、中間転写ベルト51の移動に伴って回転する。そして、画像形成時に、1次転写ローラ53には、1次転写バイアス電源54によって、トナーの正規の帯電極性(第1の極性:本実施例では負極性)とは逆極性(第2の極性:本実施例では正極性)の1次転写バイアス電圧が印加される。そして、1次転写ローラ53と感光ドラム1との間に、上記第1の極性のトナーを感光ドラム1上から中間転写ベルト51に向けて移動させる方向の電界が形成される。これによって、感光ドラム1上のトナー像が、中間転写ベルト51の表面に転写(1次転写)される。
1次転写工程後の感光ドラム1の表面に残留したトナー(1次転写残トナー)等の付着物は、ドラムクリーナ6によって清掃される。ドラムクリーナ6は、ドラム清掃部材としてのクリーニングブレード61と、搬送スクリュー62と、ドラムクリーナハウジング63と、を有する。クリーニングブレード61は、加圧手段(図示せず)によって、感光ドラム1に対して、所定の角度、圧力で当接されている。これにより、感光ドラム1の表面に残留したトナー等は、クリーニングブレード61によって感光ドラム1上から掻き取られて除去され、ドラムクリーナハウジング63内に回収される。回収されたトナー等は、搬送スクリュー62により搬送され、廃トナー収容部(図示せず)に排出される。
<現像装置>
次に図3を参照して、現像装置4について詳しく説明する。図3(a)、図3(b)はそれぞれ現像装置4の断面図、上面図である。
現像装置4の現像容器40には、非磁性トナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤が収容されており、2成分現像剤に占める非磁性トナーの重量比、即ちトナー濃度はおよそ10wt%である。この比はトナーの帯電量、キャリア粒径、または画像形成装置の構成や使用状況などで適正に調整されるべきものであって、必ずしもこの数値に従わなければいけないものではない。
磁性キャリアとしては、例えば表面酸化或は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、或は酸化物フェライトなどが好適に使用可能であり、これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。本実施例の磁性キャリアとしては、フェライト粒子をシリコーン樹脂でコートしたものを用いている。この磁性キャリアは240kA/mの印加磁場に対する飽和磁化が294am/kg、3000V/cmの電界強度における比抵抗が1×107〜8Ω・cmである。そのほか、磁性キャリアとしては、バインダ樹脂と磁性金属酸化物および非磁性金属酸化物とを出発原料として、重合法により製造した樹脂磁性キャリアでも構わない。
磁性キャリアの体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置HEROS(日本電子製)を用いる。まず前記装置を用いて、体積基準で粒径0.5〜350μmの範囲を32対数分割して測定し、それぞれのチャンネルにおける粒子数を測定する。そして、その測定結果から体積50%のメジアン径をもって体積平均粒径とする。本実施例における磁性キャリアの体積平均粒径は50μmである。
非磁性トナーとしては、少なくともバインダ、着色剤、荷電制御剤から構成される。本実施例ではバインダ樹脂としてスチレンアクリル系樹脂を使用するが、スチレン系、ポリエステル系、ポリエチレンなどの樹脂を使用することもできる。着色剤としては本実施例ではフタロシアニンブルーを使用するが、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどの種々の顔料や各種染料など、着色剤を1種単独で使用してもよいし、複数種類を併せて使用してもよい。
荷電制御剤としては、必要に応じて補強のための帯電制御剤を含有してもよい。補強のための帯電制御剤としては公知のものが全て使用できる。例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
また、非磁性トナーはワックスや外添剤を含むものであっても良い。ワックスは定着時の定着部材からの離型性、定着性の向上のために含有される。ワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバワックス、ポリオレフィンなどが使用でき、バインダ樹脂中に混錬分散させて使用する。本実施例においては、バインダ、着色剤、荷電制御剤、ワックスを混錬分散させた樹脂を、機械式粉砕機により粉砕したものを用いた。
外添剤粒子としては、アモルファスシリカに疎水性処理を施したものや、あるいは、酸化チタンや、チタン化合物等の無機酸化物微粒子が挙げられる。これらの微粒子をトナー母体に外添することで、トナーの粉体流動性や帯電量を制御するのが好適である。外添剤粒子の粒径としては1nmから100nm程度のものが望ましい。本実施例においては、平均粒径50nmの酸化チタンを重量比で0.5wt%、平均粒径2nmと100nmのアモルファスシリカをそれぞれ0.5wt%、1.0wt%ずつ外添させたものを用いた。
以上のような構成のトナーの粒径を、シスメックス社製、粉体粒度画像解析装置FPIA―3000で測定したところ、体積平均粒径は6.0μmであった。また、トナーの凝集度はホソカワミクロン社製パウダテスタで測定したところ30であった。
本実施の形態では、上記のトナーとキャリアを混合比(トナー濃度)10wt%で混ぜ合わせた現像剤D200gを現像装置に投入した。
現像装置4は感光ドラム1に対向した現像領域が開口しており、この開口部に一部露出するようにして現像スリーブ41が回転可能に配置されている。現像スリーブ41は、磁界発生手段である固定のマグネットロール42を内包している。この現像スリーブ41は、現像動作時には図の矢印方向に回転し、現像容器内の現像剤を層状に保持して現像領域に担持搬送し、感光ドラム1と対向する現像領域に現像剤を供給して、感光ドラム1に形成された静電潜像をトナーにより現像する。静電潜像を現像した後の現像剤は、現像スリーブ41の回転にしたがって搬送され、現像容器内に回収される。そして、現像剤は、現像容器40の現像室Aに備えられた第1の現像剤撹拌・搬送部材としての現像スクリュー43と、撹拌室Bに備えられた第2の現像剤撹拌・搬送部材としての撹拌スクリュー44により現像容器内を循環し、再度混合撹拌される。現像剤の循環の方向は、現像スクリュー43側で、図3(a)の手前側から奥側に向かう方向、撹拌スクリュー44側では奥側から手前側に向かう方向である。また現像スクリュー43及び撹拌スクリュー44は、共に中心軸径が7mm,外形が14mmのものを使用し、回転速度は300rpmである。また、現像容器と各スクリューとの距離は1mmに設定した。
本実施例では現像スリーブ41は感光ドラム1と300μmの間隙を空けて対向配置され、感光ドラム1の回転方向と順方向(図中の矢印の方向)に、且つ、感光ドラム1の周速の180%で回転自在に配設されている。また、現像スリーブ41はアルミニウム、SUS等の金属を円筒状に成形し、その表面はブラスト処理を施したり、表面にメッキ処理、またはコートティングを行ったりすることにより、現像剤の搬送性、摩擦帯電付与性を調整している。本実施例ではアルミニウム表面にブラスト処理を施した金属スリーブを用いた。
現像スリーブ41内には磁界発生手段として複数の磁極を持ったマグネットロール42が固定して配設されている。本実施例では5極の磁極が着磁されたマグネットロール42を用いた。S1極は現像領域に搬送する現像剤の搬送量を規制する現像剤量規制極である。N1極は現像に寄与する現像極である。S2極は現像剤を搬送する搬送極である。N2極は現像スリーブに担持された現像剤を剥ぎ落とす反発極である。N3は現像スクリュー43から送られてきた現像剤を現像スリーブ41に担持させる取込極である。
本実施例では現像剤量規制部材は厚さ1mm平板型の非磁性ブレード45を長手方向に渡り一定の間隙を均一に空けて現像スリーブ41と対向配設されている。非磁性ブレード45の形状は平板型に限らず、先端形状を厚さ0.3mm程度に鋭くしてもよい。この非磁性ブレードの形状と、現像スリーブ41と非磁性ブレード45間の間隔、現像剤量規制磁極S1の大きさと角度により、現像スリーブ41に担持された現像剤を均一にコートし、現像領域に搬送する。本実施例においては現像スリーブ41と非磁性ブレード45間の間隔を300μmに設定し、現像領域に搬送される現像剤量は単位面積あたりの質量(M/S)を30mg/cmに規制している。
上記の構成により、マグネットロール42を内包した現像スリーブ41により現像装置4内の現像剤を担持し、感光ドラム1に対向する位置へ搬送すると共に、感光ドラム1に対抗する位置で磁気ブラシを形成する。そして、現像スリーブ41に好適な現像バイアスを印加することで、感光ドラム1上の静電潜像を現像する。本実施例では高圧電源401から、周波数10kHz、ピーク間電圧Vpp1.8kVの交流成分と−450Vの直流成分(Vdc)を重畳した電圧を印加したが、この数値に限るものではない。
本実施例において、現像装置内の現像剤におけるトナーと磁性キャリアの混合率を検出するトナー濃度検知センサ49として透磁率センサを用いた。透磁率センサは現像剤のトナー濃度が高くなることで低下する現像剤の見かけの透磁率変化を検知(インダクタンス検知)することで、トナー濃度を判別する。本実施例において、図3(b)に示すように、トナー濃度センサは撹拌室Bの下流位置、現像装置側面に配置されている。トナー濃度センサは常に透磁率を検知するのに十分な現像剤が存在する配置が好適である。また、透磁率センサが検知する領域に存在する現像剤が常に撹拌スクリュー44による撹拌作用を受けるように位置を決める。トナー濃度検知センサの検出値を、CPU(制御装置)600で制御される補給制御部に出力している。
トナー濃度の算出には透磁率センサの出力値を複数点サンプリングした上で平均化して、撹拌スクリュー44の回転周期による振動成分をキャンセルする等によって透磁率センサの出力値の直流成分を取り出す。そして、その値とトナー濃度の関係を予め調べて用意されたテーブルを参照することによってトナー濃度を算出している。
また、各画像の消費トナー量算出手段であるビデオカウント方式のカウンタ(図16参照)も設けられており、不図示の画像信号処理回路の出力信号のレベルが画素毎にカウントされる。画素毎にカウンタによって積算され、各画像のビデオカウント数が算出される。ビデオカウント数は、各画像のトナー像を1つ形成するために現像装置4から消費されるトナー量に対応している。
上記トナー濃度検知センサ49の出力とビデオカウント数、及び現像剤補給容器の固有の情報に基づいて、CPU600は後述するトナー補給制御方法で補給量を決定し、後述するトナー補給手段(現像剤補給装置)で現像装置4に所定量のトナーを補給する。
<トナー補給手段>
次に本実施例におけるトナー補給手段(補給装置9)について図3〜図10を用いて説明する。図3の現像剤補給容器91は画像形成装置の装着部910から容易に着脱可能である。装着部910は、現像剤補給容器91が装着された際に、後述する現像剤補給容器91の排出口(排出孔)94a(図5参照)と連通し、現像剤補給容器91から排出された現像剤を受入れるための現像剤受入れ口(現像剤受入れ孔)913を有している。そして、現像剤補給容器91の排出口94aから現像剤が現像剤受入れ口913を通して現像装置4へと供給される。なお、本実施例において、現像剤受入れ口913の直径φは、装着部内での現像剤による汚れを可及的に防止する目的より、微細口(ピンホール)として約3mmに設定されている。なお、現像剤受入れ口の直径は排出口94aから現像剤が排出できる直径であればよい。
更に、装着部910は、図4(a)、(b)に示すように、駆動機構(駆動部)として機能する駆動ギア300を有している。この駆動ギア300は、駆動モータ500(図5)から駆動ギア列を介して回転駆動力が伝達され、装着部910にセットされた状態にある現像剤補給容器91に対し回転駆動力を付与する機能を有している。
また、駆動モータ500は、図5に示すように、制御装置(CPU)600によりその動作を制御される構成となっている。
(現像剤補給容器)
次に、現像剤補給システムの構成要素である現像剤補給容器91の構成について、図6、図7、図8を用いて説明する。ここで、図6(a)は現像剤補給容器91の全体斜視図、図6(b)は現像剤補給容器91の排出口94a周辺の部分拡大図である。また、図7は現像剤補給容器の断面斜視図である。図8(a)はポンプ部が使用上最大限伸張された状態の部分断面図、図8(b)はポンプ部が使用上最大限収縮された状態の部分断面図である。
現像剤補給容器91は、図6(a)に示すように、中空円筒状に形成され内部に現像剤を収容する内部空間を備えた現像剤収容部92(容器本体とも呼ぶ)を有している。本例では、円筒部92kと排出部94c(図5参照)、ポンプ部93a(図5参照)が現像剤収容部92として機能する。さらに、現像剤補給容器91は、現像剤収容部92の長手方向(現像剤搬送方向)一端側にフランジ部94(非回転部とも呼ぶ)を有している。また、円筒部92kはこのフランジ部94に対して相対回転可能に構成されている。なお、円筒部92kの断面形状を、現像剤補給工程における回転動作に影響を与えない範囲内において、非円形状としても構わない。例えば、楕円形状のものや多角形状のものを採用しても構わない。
なお、本例では、図8(a)に示すように、現像剤収容室として機能する円筒部92kの全長L1が約460mm、外径R1が約60mmに設定されている。また、現像剤排出室として機能する排出部94cが設置されている領域の長さL2は約21mm、ポンプ部93aの全長L3(使用上の伸縮可能範囲の中で最も伸びた状態のとき)は約29mmとなっている。また、図8(b)に示すように、ポンプ部93aの全長L4(使用上の伸縮可能範囲の中で最も縮んだ状態のとき)は約24mmとなっている。
以下、現像剤補給容器における、フランジ部94、円筒部92k、ポンプ部93a、駆動受け機構92d、駆動変換機構92e(カム溝、図9参照)の構成について、順に、詳細に説明する。
(フランジ部)
このフランジ部94には、図7に示すように、円筒部92kから搬送されてきた現像剤を一時的に収容するための中空の排出部(現像剤排出室)94cが設けられている。この排出部94cの底部には、現像剤補給容器91の外へ現像剤の排出を許容する、つまり、排出部94cの底部には、現像装置4へ現像剤を補給するための小さな排出口94aが形成されている。また、排出口94aの上部には、排出口94aと現像剤補給容器91の内部とを連絡する排出前の現像剤を一定量貯留可能な連通路94dが設けられている。この連通路94dは、排出前の現像剤を一定量貯留可能な現像剤貯留部の機能も有する。排出口94aは装着部910の現像剤受入れ口913と位置が合致し、互いに連通した状態となり、現像剤補給容器91からの現像剤補給が可能な状態となる。
また、フランジ部94は、現像剤補給容器91が補給装置9の装着部910(図2、図3参照)に装着されると、実質不動となるように構成されている。
従って、現像剤補給容器91が補給装置9に装着された状態では、フランジ部94に設けられている排出部94cも、円筒部92kの回転方向へ回転することが実質阻止された状態となる(ガタ程度の移動は許容する)。
一方、円筒部92kは補給装置9により回転方向への規制は受けることなく、現像剤補給工程において回転する構成となっている。
また、図7に示すように、円筒部92kから螺旋状の凸部(搬送突起)92cにより搬送されてきた現像剤を、排出部94cへと搬送するための板状の搬送部材96が設けられている。
この搬送部材96は、現像剤収容部92の一部の領域を略2分割するように設けられており、円筒部92kとともに一体的に回転する構成となっている。そして、この搬送部材96にはその両面に円筒部92kの回転軸線方向に対し、排出部94c側に傾斜した傾斜リブ96aが複数設けられている。また、本構成において、搬送部材96の端部には、規制部97が設けられている。なお、規制部97の詳細説明は後述する。
上記の構成により、搬送突起92cにより搬送されてきた現像剤は、円筒部92kの回転に連動してこの板状の搬送部材96により鉛直方向下方から上方へと掻き上げられる。その後、円筒部92kの回転が進むに連れて、重力によって搬送部材96の表面上を滑り落ち、やがて傾斜リブ96aによって排出部94c側へと受け渡される。本構成においては、この傾斜リブ96aは、円筒部92kが半周する毎に現像剤が排出部94cへと送り込まれるように、搬送部材96の両面に設けられている。
(円筒部)
次に、現像剤収容室として機能する円筒部92kについて図6、図7、図8を用いて説明する。
円筒部92kの内面は、図6、図7に示すように、収容された現像剤を自らの回転に伴い、現像剤排出室として機能する排出部94c(排出口94a)に向けて搬送する搬送部として機能する螺旋状に突出した搬送突起92cが設けられている。また、円筒部92kは、上述した材質の樹脂を用いてブロー成型法により形成されている。
また、円筒部92kは、図8(a)、(b)に示すように、フランジ部94の内面に設けられたリング状のシール部材のフランジシール95bを圧縮した状態で、フランジ部94に対して相対回転可能に固定されている。
これにより、円筒部92kは、フランジシール95bと摺動しながら回転するため、回転中において現像剤が漏れることなく、また、気密性が保たれる。つまり、排出口94aを介した空気の出入りが適切に行われるようになり、補給中における、現像剤補給容器91の容積可変を所望の状態にすることができるようになっている。
(ポンプ部)
次に、往復動に伴いその容積が可変なポンプ部(往復動可能な)93aについて図7を用いて説明する。
本例のポンプ部93aは、排出口94aを介して吸気動作と排気動作を交互に行わせる吸排気機構として機能する。言い換えると、ポンプ部93aは、排出口94aを通して現像剤補給容器の内部に向かう気流と現像剤補給容器から外部に向かう気流を交互に繰り返し発生させる気流発生機構として機能する。
ポンプ部93aは、図8(a)に示すように、排出部94cから矢印X方向に設けられている。つまり、ポンプ部93aは排出部94cとともに、円筒部92kの回転方向へ自らが回転することがないように設けられている。
そして、本例では、ポンプ部93aとして、往復動に伴いその容積が可変な樹脂製の容積可変型ポンプ部(蛇腹状ポンプ)を採用している。具体的には、図7、図8に示すように、蛇腹状のポンプを採用しており、「山折り」部と「谷折り」部が周期的に交互に複数形成されている。従って、このポンプ部93aは、補給装置9から受けた駆動力により、圧縮、伸張を交互に繰り返し行うことができる。なお、本例では、ポンプ部93aの伸縮時の容積変化量は、5cm(cc)に設定されている。図8(a)に示すL3は約29mm、図8(b)に示すL4は約24mmとなっている。ポンプ部93aの外径R2は約45mmとなっている。
このようなポンプ部93aを採用することにより、現像剤補給容器91の容積を、可変させるとともに、所定の周期で、交互に繰り返し変化させることができる。その結果、小径(直径が約2mm)の排出口94aから排出部94c内にある現像剤を効率良く、排出させることが可能となる。
(駆動受け機構)
次に、搬送突起92cを備えた円筒部92kを回転させるための回転駆動力を補給装置9から受ける、現像剤補給容器91の駆動受け機構(駆動受け部、駆動力受け部)について説明する。
現像剤補給容器91には、図9(a)に示すように、補給装置9の駆動ギア300(駆動機構として機能する)と係合(駆動連結)可能な駆動受け機構(駆動受け部、駆動力受け部)として機能するギア部92dが設けられている。このギア部92dは、円筒部92kと一体的に回転可能な構成となっている。
従って、駆動ギア300からギア部92dに入力された回転駆動力は、図9(a)、(b)の往復動部材93bを介してポンプ部93aへ伝達される仕組みとなっている。具体的には、駆動変換機構で後述する。本例の蛇腹状のポンプ部93aは、その伸縮動作を阻害しない範囲内で、回転方向へのねじれに強い特性を備えた樹脂材を用いて製造されている。
(駆動変換機構)
次に、現像剤補給容器91の駆動変換機構(駆動変換部)について説明する。なお、本例では、駆動変換機構の例としてカム機構を用いた場合について説明する。
現像剤補給容器91には、ギア部92dが受けた円筒部92kを回転させるための回転駆動力を、ポンプ部93aを往復動させる方向の力へ変換する駆動変換機構(駆動変換部)として機能するカム機構が設けられている。
つまり、本例では、ギア部92dが受けた回転駆動力を、現像剤補給容器91側で往復動力へ変換することで、円筒部92kを回転させる駆動力とポンプ部93aを往復動させる駆動力を、1つの駆動受け部(ギア部92d)で受ける構成としている。
これにより、現像剤補給容器91に駆動受け部を2つ別々に設ける場合に比して、現像剤補給容器91の駆動入力機構の構成を簡易化することが可能となる。更に、補給装置9の1つの駆動ギアから駆動を受ける構成としたため、補給装置9の駆動機構の簡易化にも貢献することができる。
(規制部)
次に規制部97について図7、図10、図11を用いて説明する。図10(a)は搬送部材96全体の斜視図、図10(b)は搬送部材96の側面図である。図11(a)〜(d)は補給動作時の容器内の様子を図7のポンプ部93a側から見た断面図である。図7に示すように、本構成において規制部97は、搬送部材96のポンプ部93a側端部に一体で設けられている。そのため、円筒部92kと一体で回転する搬送部材96の回転動作に伴い、規制部97も連動して回転する構成となっている。
そして、図10に示すように、規制部97は、回転軸方向(図8(a)矢印X)に幅Sだけ離れた位置に平行に設けられた2枚のスラスト抑止壁97a,97bと、回転方向に設けられた2枚のラジアル抑止壁97c,97dと、によって構成されている。また、ポンプ部93a側にあるスラスト抑止壁97aの回転軸中心付近に、現像剤収容部92内の空間と規制部97内の空間を連通可能な収容部開口97eが形成されている。本実施例では、収容部開口97eは、規制部97のポンプ部側の側面に設けられている。また、2枚のスラスト抑止壁97a,97bと、2枚のラジアル抑止壁97c,97dの、回転軸中心から離れた外端部に囲まれた箇所に、連通路94dと連通可能な連通部開口97fが形成されている。つまり、連通部開口97fの回転軸スラスト方向の位置は、連通路94dに対して、少なくとも一部が重なり合う位置に配置されている。そして、2枚のスラスト抑止壁97a,97bと2枚のラジアル抑止壁97c,97dに囲まれた、規制部97の内部には、収容部開口97eと連通部開口97fが連通可能な通気路97gが形成されている。本実施例では、回転軸方向において規制部97は連通路(連通部)94dを覆っている構成となっている。
次に、現像剤補給工程時の規制部97の動作について図11を用いて説明する。
図11(a)は実施例1におけるポンプ部の動作停止工程時の排出部の断面図である。図11(b)は実施例1における吸気時の排出部の断面図である。図11(c)は実施例1における排気時の排出部の断面図である。図11(d)は実施例1における現像剤が排出された後の排出部の断面図である。
図11(a)において、現像剤補給容器91は円筒部92kの回転に伴い、ポンプ部93aが停止している動作停止工程となっている。
このとき、規制部97は、搬送部材96の回転に伴って回転し、排出部94c底部に位置する連通路94dの上部に対して、規制部97の連通部開口97fが覆っていない状態となる。また、ポンプ部93aは動作停止工程のため、往復動することなく、現像剤収容部92内の内圧の変化はない。ここで、本実施例では、搬送部材96は規制部97を連通路94dの開口部の上部(入口領域)への移動と前記入口領域からの退避をするように移動させる移動部の機能を有する。
その結果、連通路94dに対して、規制部97が作用することはなく、搬送部材96によって連通路94d上部近傍へと搬送された現像剤tが、連通路94d内に流れ込み、貯留される状態(現像剤流入非規制状態)となる。
この現像剤流入非規制状態から搬送部材96が回転することで、図11(b)の状態となる。
図11(b)において、ポンプ部93aは最も縮んだ状態から最も伸びた状態へ向かう途中の状態、すなわち吸気工程となっている。
このとき、規制部97は、搬送部材96の回転に伴って回転し、連通路94d上部に対して、規制部97の連通部開口97fが連通路94d上部を覆っていない状態からその一部を覆う状態となる。また、ポンプ部93aは吸気工程のため、ポンプ部93aが伸びることで、現像剤収容部92内の圧力が減圧状態となり、現像剤補給容器91外のエアーが、現像剤補給容器91内外の圧力差により、排出口94aを通って現像剤補給容器91内へと移動する。
その結果、前述の工程で連通路94dに貯留された現像剤tは、排出口94aより取り込まれたエアーを含むことで、嵩密度が低下し、流動化した状態となる。
また、連通路94d上部の状態は、規制部97の回転に伴い、規制部97の連通部開口97fが連通路94d上部を覆うことによって、規制部97の回転方向下流側のラジアル抑止壁97cが、連通路94d上部の現像剤tを押し退ける状態となる。さらに、連通路94d上部に対して、規制部97の連通部開口97fが一部を覆った状態となる。その結果、規制部97のスラスト抑止壁97a,97b、ラジアル抑止壁97c,97dにより、連通路94d上部近傍の現像剤tの連通路94d内への流入が規制された状態(現像剤流入規制状態)となる。
この現像剤流入規制状態からさらに搬送部材96が回転することで、図11(c)の状態となる。
図11(c)において、ポンプ部93aは最も伸びた状態から最も縮んだ状態へ向かう途中の状態、すなわち排気工程となっている。
このとき、規制部97は、搬送部材96の回転に伴って回転し、連通路94d上部に対して、少なくとも規制部97の連通部開口97fの一部が連通路94d上部を常に覆った状態となっている。また、ポンプ部93aは排気工程のため、ポンプ部93aが縮むことで、現像剤補給容器91内の内圧は大気圧よりも高くなる。そのため、現像剤補給容器91内のエアーが、現像剤補給容器91内外の圧力差により、排出口94aを通って現像剤補給容器91外へと移動する。
その結果、前述の吸気工程で連通路94d内の流動化された現像剤tが、排出口94aを通して現像装置4へ排出される。
また、この排気工程においても、連通路94d上部の状態は、前述の吸気工程に続き、連通路94d上部近傍の現像剤tの連通路94d内への流入が規制された状態(現像剤流入規制状態)となる。
排気工程時においては、規制部97内部の通気路97gを通過したエアーにより、通気路97gと連通可能な連通路94d内の現像剤tが、エアーの流れと共に現像装置4へ排出されることになる。また、上述したように、排気工程時には、連通路94dは、規制部97により常に現像剤tの流入が規制される現像剤流入規制状態のため、連通路94d内にはほぼ一定量の現像剤が貯留されている。
さらに、排気工程時の現像剤補給容器91内の内圧は、連通路94d内の現像剤tが排出された時点(図11(d))で現像剤補給容器91内外の空間が連通し、その後、エアーのみが放出され、最終的に現像剤補給容器91外の圧力と同等となる。つまり、連通路94d内の現像剤tが排出された以後は、現像剤補給容器91内外の圧力差によりエアーのみが放出され、現像剤tは排出されない。よって、排気工程時においては、連通路94d内に貯留された一定量の現像剤tのみが排出されるため、非常に高い補給精度で現像装置4へ現像剤tを排出可能となる。
なお、この排気工程時においては、規制部97の連通部開口97fが、連通路94dの上部を隙間(規制部ギャップ)なく完全に覆うことが望ましい。これにより、排気工程時に、連通路94d上部近傍の現像剤tの連通路94d内への流入がなくなり、より安定した補給精度を得ることができる。
上記構成によると、現像剤補給容器91を1回転実施する毎に吸気工程と排気工程を2回繰り返す。従って、現像剤補給容器91を1回転実施する毎に現像剤tを2回補給することが可能となる。本実施例における画像形成装置の現像剤補給容器半回転あたりの補給量(単位補給量Tb)を0.30gに設定した。また、本実施例における現像剤補給容器91の回転速度は1rpsと設定した。
しかしながら、本実施例の補給構成においても、現像剤補給容器から補給されるトナー補給量はトナーの流動性に依存する。規制部97は常に連通路94d内への現像剤tの流入を規制し、排気工程において連通路94dには一定量の現像剤が貯留されている。連通路94dの体積は一定である一方で、トナーの嵩密度に応じて連通路94d内のトナー量が変わるため、トナーの流動性が変動すると結果的にトナー補給量が変動する。
図12はトナーの流動性を表す指標のひとつである凝集度と現像剤補給容器91が一回転あたりに補給する平均トナー補給量との関係を示した図である。
図12に示すようにトナーの凝集度が小さい(流動性が良い)程、現像剤補給容器91の一回転あたりの補給量が多く、トナーの凝集度が大きい(流動性が悪い)程、現像剤補給容器91の一回転あたりの補給量が少ないことが分かる。トナーは着色剤やその製造ロットによって凝集度が異なるため、ある製造ロットに合わせて単位補給量を設定しても、現像剤補給容器が交換されて異なる製造ロットのトナーが供給されると補給量誤差が発生する。
本実施例においては、トナーの製造のバラツキにより、トナーの凝集度は20〜45までのバラツキを有する。従って、現像剤補給容器の交換によって、現像剤補給容器一回転あたりのトナー補給量が0.21g〜0.39gまでバラツクことになる。
また、現像剤補給容器91の部品の製造バラツキによってもトナー補給量が異なる。図13は現像剤補給容器一回転あたりのトナー補給量と現像剤補給容器における各部材の感度を示す。図13(a)は現像剤補給容器一回転あたりのトナー補給量と連通路94dの体積との関係を示している。図13(b)は現像剤補給容器一回転あたりのトナー補給量と規制部ギャップ(規制部97の連通部開口97fと連通路94d上部の隙間)との関係を示している。図13(c)は現像剤補給容器一回転あたりのトナー補給量と排出口94aの直径の関係を示している。
図13(a)に示すように、連通路94dの体積が大きいほどトナー補給量が多く、連通路94dの体積が小さいほどトナー補給量が少ないことが分かる。本構成においては、規制部97により連通路94d内に貯留された一定量の現像剤tが排出されるため、連通路94dの体積とトナー補給量は比例関係にある。
また、図13(b)に示すように、規制部ギャップが大きいほどトナー補給量が多く、規制部ギャップが小さいほどトナー補給量が少ないことが分かる。本構成においては、規制部97により連通路94d内に貯留された一定量の現像剤tが排出されるため、規制部97で規制できないトナー量が増えるとトナー補給量が増えるからである。
また、図13(c)に示すように、排出口94aの直径が大きいほどトナー補給量が多く、排出口94aの直径が小さいほどトナー補給量が少ないことが分かる。本構成においては、規制部97が連通路94d上部の現像剤tを押し退ける時に連通路94d内に貯留された現像剤tが力を受けて排出口94aから排出されるためである。特開2014−186138号公報に示す通りである。すなわち、排出口の直径φが4mm(開口面積が12.6(mm))以上の場合、重力作用によってもトナーが排出するため急激にトナー補給量が多くなる。一方、排出口の直径φが4mm(開口面積が12.6(mm))以下の場合、排出口の直径が小さくなると排出抵抗が大きくなりトナー補給量が少なくなる。
以上、示したように現像剤補給容器91の部品の製造バラツキにおいてもトナー補給量が変動する。
<トナー補給制御>
以下に、本発明の最も特徴的なトナー補給制御について説明する。
本実施例では従来と同様のビデオカウント補給方式とインダクタンス補給方式を併用した補給制御を行う。
図14にビデオカウント補給方式における、予測トナー消費量Tvとビデオカウント値との関係を示す。予測トナー消費量Tvはビデオカウント値と比例の関係を示す。ビデオカウント補給方式では、画像比率(ビデオカウント値)から予測されるトナー消費量に応じて補給量を決定する。本実施例では予測トナー消費量Tv=第1補給量とする。
しかし、ビデオカウント補給方式では、画像比率から予測されるトナー消費量と実際に消費されるトナー消費量に差分が生じると、現像装置内のトナー濃度が増減する。また、画像形成装置において予め設定された単位補給量と実際の補給量に差分が生じた場合においても、現像装置内のトナー濃度が増減する。
図15にインダクタンス補給方式における、トナー濃度目標値とトナー濃度の偏差に対するトナー補給量の関係を示す。目標のトナー濃度と検出されたトナー濃度の差をΔTDとし、トナー補給量への換算率、つまりトナー濃度のフィードバック率(FB率)をKpとすると、インダクタンス補給方式におけるトナー補給量Ttd(第2補給量)は、下記式(1)で表せる。
Ttd=Kp×ΔTD・・・(1)
検出されたトナー濃度が目標値(目標のトナー濃度)よりも低い場合においては、必要トナー量を補給する。一方、検出されたトナー濃度が目標値より高ければ、トナー過剰とみなし、補給量から減ずる。
従って、本実施例において実際に補給されるトナーの補給量Tは、下記式(2)となる。このトナー補給量Tは、画像形成毎に計算される。
T=Tv+Ttd・・・(2)
本実施例に係る現像剤補給容器には、色毎に固有の情報が記憶された情報記憶手段(不揮発メモリ)が搭載されている。情報記憶手段としては、ICチップ、バーコード等を用いることができ、装置本体側の情報読取手段(図16に示す通信部1501)による自動読み込みが可能であるものが好ましい。本実施例において情報記憶手段であるメモリタグ90(図16参照)は、フランジ部94の正面に設置され、画像形成装置のCPUからデータの読み書きが可能となっている。画像形成装置には、前記現像剤補給容器に設けたメモリタグの情報を読み取る情報読取手段(図16に示す通信部1501)が設けられている。情報読取手段は、現像剤補給容器が画像形成装置(装着部910)に装着された時に前記メモリタグ90と通信可能に構成されている。
前記メモリタグには、各現像剤補給容器に固有の情報が記憶されている。固有情報の例としては、例えばトナーの製造年月、製造ロット、トナーの粉体特性、現像剤補給容器の製造ロット毎の部品精度などがある。実施例1では現像剤補給容器に固有の情報として、少なくともトナー凝集度のデータを含む。画像形成装置に新しい現像剤補給容器がセットされた際、画像形成装置に設けられた情報読取手段(図16の通信部1501)により、現像剤補給容器のメモリタグ90からトナー凝集度を読み取る。そして、読み取ったトナー凝集度に基づき、RAM601(図16参照)記憶された単位補給量が補正される。
具体的にはトナーの製造段階にてロット毎にトナーの凝集度を予め測定しておき、現像剤補給容器へのトナー充填時に収容するトナーの凝集度のデータをメモリタグに記憶させる。このため、トナーの製造ロット毎にトナーの凝集度が測定されて、同じ製造ロットのトナーが充填される現像剤補給容器のメモリタグには、同じ凝集度が記憶される。
さらに具体的には、読み取った凝集度が20の場合、予めROMに保持している凝集度と平均トナー補給量との関係(図12参照)から、RAMに記憶されている単位補給量を初期設定時の0.30gから0.39gに変更(補正)する。上記により、実際の補給量と単位補給量との誤差が小さくなる。
図16は本実施例の補給制御コントローラ1500のブロック図である。ビデオカウント積算部1512は、外部入力端末や原稿読み取り装置からの画像情報信号の濃度信号のビデオカウント数をカウンタ1511を通してカウントする。第1補給量算出部1513では、予めROM602に保持しているビデオカウント数に基づいて予測されるトナー消費量を算出し、第1補給量とする。差分算出部1516は、トナー濃度目標値決定部1515により決定されたトナー濃度と、平均化演算部1514を通してトナー濃度検知センサ49により検出されたトナー濃度との差分ΔTDを算出する。第2補給量算出部1517は、差分算出部1516により算出された目標トナー濃度と検出トナー濃度の差分ΔTDと比例項(トナー補給量への換算率)Kpにより第2補給量を算出する。補給量合算部では第1補給量と第2補給量を加算する。トナー補給量算出部1510では、以上のようにしてトナー補給量を算出する。一方、現像剤補給容器に備えられたメモリタグ90と画像形成装置に設けられた通信部(情報読取手段)1501とが通信を行い、現像剤補給容器の固有の情報をメモリタグ90から読み取る。そして、読み取った前記固有の情報に基づき、単位補給量算出部(補正手段)1502は単位補給量を補正する。そして、CPU600は、トナー補給量算出部1510にて算出された補給量と単位補給量算出部1502を通して補正された単位補給量とを比較した結果に基づいて、トナー補給駆動モータ500と現像駆動モータを駆動させて現像剤の補給動作を行う。
本実施例では、単位補給量算出部1502により補正された単位補給量を用いて現像剤の消費量に応じた現像剤の補給を行う。以下、図17を用いて具体的に説明する。図17はCPU600の動作を示すフローチャートである。
画像形成装置の電源が入ると、制御コントローラは待機状態に入る。そして、外部から画像形成の要求があると(S101)、画像形成を開始し、CPU600により現像駆動モータに回転指示が出され、現像スクリュー43及び撹拌スクリュー44の回転を開始する。
画像情報信号に応じてカウンタ1511から入力されるビデオカウント値はビデオカウント積算部1512において積算され、画像形成ごとに1回、補給制御コントローラ1500に入力される(S102)。入力されたビデオカウント積算値は第1補給量算出部1513において、第1補給量Tvとして決定される。すなわち、ビデオカウント値とトナー消費量Tvとの対応関係を示す換算テーブル(図14)により、ビデオカウント値から予測されるトナー消費量(S103)に応じた第1補給量Tvとして決定される(S104)。
引き続き、トナー濃度検知センサ49の出力を検知する(S105)。トナー濃度検知センサ49の出力は撹拌スクリュー44の回転によるセンサ部の局所的な現像剤の嵩密度の変動により、スクリュー回転周期で脈動をもって検知される。この為、図16に示す平均化演算部1514においては撹拌スクリュー回転周期で平均化を行い、平滑化している(S106)。この平均化処理を行うタイミングは、現像剤撹拌スクリューが回転し始めてから、少なくとも撹拌スクリュー1回転後以降に、平均化演算を行うことで安定した出力を得られる。
そして、差分算出部1516にて、平均化演算部1514にて平均化されたトナー濃度とトナー濃度目標値決定部1515にて設定させている目標値との差分(トナー濃度目標値―トナー濃度)ΔTDが演算される(S107)。
次に差分算出部1516からの出力(差分ΔTD)に比例項におけるゲインKpを乗じた第2補給量Ttdが決定される(S108)。本実施例では比例ゲインKpを0.1とした。
これら、第1補給量Tvと第2補給量Ttdは補給量合算部にて合算され(S109)、補給量バッファ値に上記合算値が加算される(S110)。ここで、補給量バッファ値は、補給動作の実行の可否を決めるために、基準となる単位補給量と比較するトナー補給量であり、RAM601に記憶されている。単位補給量は、単位時間あたりの現像剤の補給量であり、予め設定されてRAM601に記憶されている。ここでは、単位補給量として、現像剤補給容器の半回転あたりの補給量(単位補給量Tb)を例示しており、初期設定値として0.30gを例示している。単位補給量は、これに限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定できるものである。
そして、通信部1501が現像剤補給容器に備えられたメモリタグ90と通信を行い、現像剤補給容器の固有の情報であるメモリタグ情報を取得する(S111)。単位補給量算出部1502にて前記取得したメモリタグ情報の中のトナー凝集度情報と予めROM602に保持されたトナー凝集度と単位補給量の関係から、単位補給量を補正する(S112)。
その後、S109で算出された補給量バッファ値とS112で補正された単位補給量を比較する(S113)。ここで、前記補給量バッファ値が前記単位補給量以上に達した場合は、トナー補給駆動モータ500に補給駆動指令を行い(S114)、トナーの補給動作を実行する。その後、補給量バッファ値から単位補給量を減算する(S115)。補給動作終了後、S115にて減算された補給量バッファ値等の各種状態量をROMに記憶し(S116)、動作を終了する。一方、S113にて前記補給量バッファ値が前記単位補給量以上に達しなかった場合は、すなわち前記補給量バッファ値が前記単位補給量未満であった場合は、トナーの補給動作は実行されず、今回の補給はパスされる。補給動作が実行されなかった場合は、S110にて加算された補給量バッファ値等の各種状態量をROMに記憶し(S116)、動作を終了する。そして、画像形成が続けばS102からS116の一連の処理が行われ、画像形成要求がなければ終了する。
なお、S116にてROMに記憶された補給量バッファ値は、次の画像形成ジョブの際に、第1補給量と第2補給量を合算した合算補給量を加算する補給量バッファ値として用いられる。
上記の動作を画像形成装置の画像形成中常時行い、現像装置4内のトナー濃度を好適に維持している。
以下、図18を用いて、本発明の実施例のトナー補給制御の効果を説明する。
本実施例に対する比較例として、メモリタグに記憶されたトナー凝集度情報を単位補給量に反映させない補給制御方法を挙げる。比較例における補給制御フローでは、図17に示すS111〜S112の動作が行われず、それ以外の補給制御フローは実施例1と同様である。本実施例、比較例ともに単位補給量の設定値はTb=0.30g、トナー製造のバラツキにより現像剤補給容器内のトナーの凝集度は20、さらに現像剤補給容器の部品公差により実際の1回の平均トナー補給量は0.42gとなっている。
比較例では、メモリタグに記憶された現像剤補給容器の固有の情報を単位補給量に反映させないため、実際の補給量(ここでは0.42g)と単位補給量(ここでは0.30g)の補給誤差(ここでは0.12g)が生じる。その結果、比較例の補給制御ではトナー濃度の目標値と実際のトナー濃度に定常偏差が大きく生じ、約1%のトナー濃度変動となる。
一方、実施例1ではメモリタグのトナー凝集度情報を読み取り、読み取った凝集度の情報に基づいて、単位補給量の設定値を0.39gに補正する。すなわち、読み取った凝集度が20の場合、予めROMに保持している凝集度と平均トナー補給量との関係(図12参照)から、RAMに記憶されている単位補給量を初期設定時の0.30gから0.39gに変更(補正)する。その結果、実際の補給量と補正された単位補給量の補給誤差(0.03g)は小さくなり、トナー濃度の目標値と実際のトナー濃度の定常偏差は約0.25%となり、トナー濃度変動を低減することができる。
このように、本実施例によれば、現像剤の補給に用いる単位補給量を現像剤補給容器に固有の情報に基づいて補正するため、実際の現像剤補給容器の固有のバラツキによる現像剤補給量の変動を低減し、現像剤の濃度の変動を低減することができる。
〔実施例2〕
実施例2に係る画像形成装置について説明する。実施例2における画像形成装置の概略構成は、前述した実施例1と同様のため、省略する。また、実施例2におけるトナー補給制御の詳細は、メモリタグに記憶されている現像剤補給容器の部品寸法についての情報を読み取る以外は、実施例1と同様のため、省略する。
実施例1では、メモリタグに記憶された現像剤補給容器の固有の情報としてトナー凝集度を用いた。これに対し、実施例2では図17の制御ステップ(S111)で取得するメモリタグ情報において現像剤補給容器の部品寸法の情報を用いて単位補給量を補正する。
具体的には現像剤補給容器の製造段階にて、ロット毎に金型の各キャビティーで成形された成型品の部品寸法を予め測定しておき、部品寸法データをメモリタグに記憶させる。このため、現像剤補給容器の製造ロット毎に各キャビティーで成形されたに成型品の部品寸法が測定されて、同じ製造ロットにおける同じキャビティーで成形された部品を使用した現像剤補給容器のメモリタグには、同じ部品寸法が記憶される。
本実施例では補給精度に大きく影響する部品の部品寸法をメモリタグに記憶する。さらに具体的には、連通路94dの体積、規制部ギャップを決める規制部97の回転軸中心とラジアル抑止壁97c間の距離と連通路94dの上部に対応するフランジ部94の内径、そして排出口94aの直径をメモリタグに記憶する。
さらに、予めROMに保持している、(1)連通路94dの体積、(2)規制部ギャップ、(3)排出口94aの直径と平均トナー補給量との関係(図13(a)〜(c)参照)から、RAMに記憶されている単位補給量を補正する。本実施例では上記(1)〜(3)で予測される平均トナー補給量から単位補給量を補正する。
連通路94dの設計中心体積300mm、規制部ギャップの設計中心距離1.5mm、排出口94aの直径3mmに対して、本実施例における現像剤補給容器の部品寸法は、以下の通りである。すなわち、本実施例における現像剤補給容器の部品寸法は、それぞれ連通路94dの体積330mm、規制部ギャップ1.6mm、排出口94aの直径2.8mmとなっている。図13(a)〜(c)よりそれぞれの部品寸法によって各平均トナー補給量を算出すると、それぞれ、0.33g、0.32g、0.28gとなる。上記の各平均トナー補給量と初期設定時の単位補給量0.30gとの差分の和(0.03g+0.02g−0.02g=0.03g)を計算し、RAMに記憶されている単位補給量を初期設定時の0.30gに上記差分の和を加算する。従って、本実施例では単位補給量を0.30から0.33gに補正変更する。上記により、実際の補給量と単位補給量との誤差が小さくなる。補正方法は上記に限らず、因子に応じて重み付けを行ってもよい。
図18に実施例2のトナー補給制御の効果を示す。実施例1同様、トナー製造のバラツキにより現像剤補給容器内のトナーの凝集度は20、さらに現像剤補給容器の部品公差により実際の1回の平均トナー補給量は0.42g/回となっている。
実施例2ではメモリタグに記憶された現像剤補給容器の固有の情報としての部品寸法情報を読み取り、単位補給量の設定値を0.33gに補正する。その結果、実際の補給量と補正された単位補給量の補給誤差(0.09g)は小さくなり、トナー濃度の目標値と実際のトナー濃度の定常偏差は約0.75%となる。よって、前述した比較例と比べ、トナー濃度変動を低減することができる。
このように、本実施例においても、現像剤の補給に用いる単位補給量を現像剤補給容器に固有の情報に基づいて補正するため、実際の現像剤補給容器の固有のバラツキによる現像剤補給量の変動を低減し、現像剤の濃度の変動を低減することができる。
〔実施例3〕
実施例3に係る画像形成装置について説明する。実施例3では実施例1、2で補正した単位補給量を現像剤補給容器のトナー残量予測制御に使用する。
図19は本実施例の現像剤補給容器の残量を予測する制御ボードの回路構成を示すブロック図である。なお、図19において、前述した実施例と同様の機能を有するものには、同一符号を付している。
実施例1、2のようにトナー補給制御によって適宜補給が実施される。CPU600により決定されたトナー補給駆動時間に応じてトナー補給量が決定される。
トナー残量処理部1700において、補給時間算出部1701ではトナー補給制御において実行された補給時間を算出する。例えば、トナー補給駆動モータ500が1sec駆動されたとすると、本実施例では現像剤補給容器が1回転して2回補給が実施される。従って、駆動時間あたりの単位補給量を0.30gに設定している場合には、0.60gのトナーが補給されたことになる。
またトナー残量処理部1700において、単位補給量算出部1502では、実施例1、2同様、現像剤補給容器に備えられたメモリタグ90と通信部1501とが通信を行い、メモリタグ情報に基づき、単位補給量を補正する。
またトナー残量処理部1700において、トナー残量算出部1702では、算出されたトナー補給時間によって補給されたであろうトナー補給量を、現像剤補給容器内のトナー充填量から減算する。トナー充填量情報はメモリタグ90に記憶してもよく、画像形成装置内のRAM601に記憶してもよい。本実施例ではメモリタグ90に記憶する。
図20は、補正された単位補正量を用いて、メモリタグを備えた現像剤補給容器のトナー残量を算出する処理手順を示すフローチャートである。
図20において、この処理が開始されると、まず、現像剤補給容器に備えられたメモリタグと通信を行い、現像剤補給容器の固有の情報であるメモリタグ情報(トナー充填量、トナー残量、トナー凝集度、部品寸法)を取得する(S201)。取得したメモリタグ情報(トナー凝集度、部品寸法)を用いて、予めROMに保持されたメモリタグ情報(トナー凝集度、部品寸法)と単位補給量の関係から、単位補給量を補正する(S202)。トナー補給制御によって補給動作が実行されると(S203)、その補給動作に応じた補給時間が算出される(S204)。次に、S202で補正された単位補給量とS204で算出された補給時間から、S203で実行したトナー補給量を算出する(S205)。メモリタグから取得したトナー充填量とトナー残量から、S205で算出したトナー補給量を減算して、トナー残量を算出する(S206)。次にS206で算出したトナー残量が閾値より少ない場合(S207)には、画像形成装置における操作部900の表示パネルにトナー残量少を表示(S208)させ、最新のトナー残量をメモリタグに書き込む(S209)。S206で算出されたトナー残量が閾値より多い場合には、そのまま最新のトナー残量をメモリタグに書き込み(S209)、処理を終える。
なお、本実施例では前記閾値を20%とする。比較例では実際のトナー補給量が設定された単位補給量に対して40%多いため、トナー残量少が表示パネルに表示されるまでにトナー残量が0%になる。
一方で、実施例3では実施例1と同様に単位補給量を補正するとトナー実使用量と予測使用量の差は約8%となる。
このように、本実施例によれば、各現像剤補給容器のトナー実使用量と予測使用量の差が減少し、現像剤補給容器にトナー残量を検知するセンサが無くとも精度の高いトナー残量検知を実現することができる。
〔他の実施例〕
尚、前述した実施例1〜3においては、現像剤補給容器から現像装置へ現像剤を直接補給する、所謂ホッパーレス構成を採用したが、本発明の補給構成はこれに限るものではない。例えば、トナー凝集度等、現像剤補給容器の固有の情報に基づいて補給量が変動する構成であれば適用できることは言うまでもない。
また前述した実施例では、画像形成部を4つ使用しているが、この使用個数は限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
また前述した実施例では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であってもよい。これらの画像形成装置における現像剤補給装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
P …転写材
t …現像剤
1 …感光ドラム
4 …現像装置
9 …補給装置
49 …トナー濃度検知センサ
90 …メモリタグ
91 …現像剤補給容器
92 …現像剤収容部
92c …搬送突起
92d …駆動受け機構
92e …駆動変換機構
92k …円筒部
93a …ポンプ部
93b …往復動部材
94 …フランジ部
94a …排出口
94c …排出部
94d …連通路
95b …フランジシール
96 …搬送部材
96a …傾斜リブ
97 …規制部
97a,97b …スラスト抑止壁
97c,97d …ラジアル抑止壁
97e …収容部開口
97f …連通部開口
97g …通気路
300 …駆動ギア
500 …駆動モータ
600 …CPU
601 …RAM
602 …ROM
910 …装着部
913 …現像剤受入れ口
1500 …補給制御コントローラ
1501 …通信部
1502 …単位補給量算出部
1510 …トナー補給量算出部
1700 …トナー残量処理部
1701 …補給時間算出部
1702 …トナー残量算出部

Claims (3)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体に形成された静電像を現像する現像装置と、
    前記現像装置にトナーを供給するように構成された現像剤補給容器であって、トナーを収容する収容部と、前記収容部に収容されたトナーを排出する樹脂製の排出部とを有し、前記収容部は前記排出部に対して相対回転するように構成されている現像剤補給容器と、
    前記現像剤補給容器を装着するための装着部と、
    前記現像剤補給容器が前記装着部に装着された状態で前記収容部を駆動する駆動部と、
    前記駆動部を制御する制御手段と、
    前記現像剤補給容器に配置され、前記現像剤補給容器の成型品の部品寸法に関する情報を記憶する情報記憶と、
    前記情報記憶部に記憶された前記成型品の部品寸法に関する情報を読み取る情報読取手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記情報読取手段によって読み取られた前記成型品の部品寸法に関する情報に基づいて、前記排出部からのトナーの排出量が目標とするトナー量となるように前記駆動部を制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記情報読取手段によって読み取られた前記成型品の部品寸法に関する情報に基づいて、前記排出部からのトナーの排出量が前記目標とするトナー量となるように前記駆動部による前記収容部の回転量を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記現像剤補給容器に配置され、前記収容部の回転軸方向に伸縮するポンプ部と、
    前記現像剤補給容器に配置され、前記収容部の回転軸方向の駆動力を変化させることにより前記駆動部から前記ポンプ部へ駆動力を伝達する駆動変換機構と、
    を有し、
    前記駆動部により前記収容部を回転させて前記ポンプ部を伸縮させることにより前記排出部からトナー排出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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