本発明の一実施形態を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る貨幣処理システム1は、銀行等の金融機関の店舗に設置されるものであり、図1に示すように、出納機2(制御装置)と、現金管理装置4(貨幣入出庫装置)と、貨幣処理機器5と、を有している。現金管理装置4は、移動可能であって貨幣の入庫および出庫が可能な貨幣入出庫装置として使用される。貨幣処理機器5は、現金管理装置4から出庫された貨幣の受け渡し先および現金管理装置4に入庫される貨幣の受け渡し元となる。ここで、現金管理装置4で入庫および出庫される貨幣の受け渡しの対象となる貨幣処理機器5としては、顧客用の両替機や、テラー用の窓口機、顧客用の現金自動預払機等がある。
出納機2は、金融機関等の店舗の建屋の例えば執務室のフロア上に設置されるものであり、店舗全体の貨幣の全体在高データを管理する貨幣管理親機となっている。出納機2は、貨幣の入出金が可能であり、自身に収納している貨幣および小切手等の在高である出納機在高データを記憶している。この出納機在高データは、出納機2で行われる貨幣の入出金処理によって増減する。出納機2には、RFID等の非接触ICチップを搭載した図2に示すICタグ2aが設けられており、ICタグ2aには、他との識別のために出納機2に個別に設定された出納機識別情報データが記憶されている。
現金管理装置4は、フロアを走行移動可能であり、貨幣処理機器5と共に出納機2によって在高が管理される下位機としての貨幣管理子機となっている。現金管理装置4は、貨幣および小切手等を取り出し可能に収納し自身に収納している貨幣および小切手等の在高である管理装置在高データを記憶している。この管理装置在高データは、現金管理装置4における貨幣の入出庫処理によって増減する。現金管理装置4は、無線等で出納機2と通信可能であり、管理装置在高データを出納機2に送信可能となっている。現金管理装置4には、他との識別のための管理装置識別情報データが個別に設定されている。
貨幣処理機器5は、フロア上に設置されるものであり、貨幣の入出金の計数値から自身に収納している貨幣の在高である貨幣処理機器在高データを記憶している。この貨幣処理機器在高データは、貨幣処理機器5における貨幣の装填処理、補充処理、出金処理および回収処理等によって増減し、両替処理によって金種変更する。貨幣処理機器5は、無線あるいは有線で出納機2と通信可能であり、貨幣処理機器在高データを出納機2に送信可能となっている。貨幣処理機器5には、RFID等の非接触ICチップを搭載したICタグ5a(位置情報検出手段)が設けられており、ICタグ5aには、他との識別のために貨幣処理機器5のそれぞれに個別に設定された受渡対象識別情報データが記憶されている。
現金管理装置4は、図3に示すように、箱型の現金管理装置本体11とこの現金管理装置本体11に上下方向に複数段具体的には5段設けられた収納庫12とを有している。これら収納庫12は、その左右側壁に設けられた図示略のスライドレールを介して現金管理装置本体11に対して水平前後方向にスライド開閉可能となっている。これら収納庫12は、現金管理装置本体11から引き出されて開状態となり、現金管理装置本体11に押し込まれて閉状態となる。すべての収納庫12が、このように前後方向にのみ所定範囲で移動可能となるように現金管理装置本体11に連結されている。これら収納庫12は、開状態で現金が出し入れ可能となる一方、閉状態では現金の出し入れが不可となる。現金管理装置4において収納庫12の引き出し方向の手前側の面が操作者側の装置前面となっている。
複数段の収納庫12のうち、最も上側のものは、予備収納庫12(a)となっており、結束されていないバラ紙幣、包装されていないバラ硬貨、汚損紙幣や汚損硬貨、新券、小切手等を収納する。また、残りの収納庫12は、上側2段が小束紙幣や大束紙幣を収納する束紙幣収納庫12(b)となっており、下側2段が棒金を収納する棒金収納庫12(c)となっている。勿論、収納庫12の全体の数、レイアウトや、そのうちの束紙幣収納庫12(b)および棒金収納庫12(c)の個々の数等は任意に設定可能であり、例えば、予備収納庫12(a)以外の全てを、束紙幣収納庫12(b)としたり、棒金収納庫12(c)としたり、上側2段を棒金収納庫12(c)とし下側2段を束紙幣収納庫12(b)とすることも勿論可能である。ただし、現金管理装置4は、人力によりフロア上を走行移動させられることから、予備収納庫12(a)を1段、束紙幣収納庫12(b)を2段、棒金収納庫12(c)を2段程度とするのが重量的に好ましい。
現金管理装置本体11の上部の装置後面側には、現金管理装置4を移動させる際に操作者により把持されるハンドルバー15が左右方向に延在して取り付けられている。現金管理装置本体11の上部には、ハンドルバー15よりも装置前面側に、揺動可能なタッチパネル式の管理装置操作表示部16が設けられており、管理装置操作表示部16よりも装置前面側に、管理装置カードリーダ17と、テンキーを含む着脱式の管理装置キー操作部18とが設けられている。管理装置操作表示部16は、操作者により操作入力が行われると共に操作者に表示を行うものであり、管理装置カードリーダ17は操作者により通されたIDカードから記憶データを読み取るものである。
現金管理装置本体11の下部には、フロア上で転動するローラ37を有するキャスタ38が四隅位置に設けられている。すべてのキャスタ38は、ローラ37が鉛直軸を中心に水平旋回自在となっており、ローラ37が水平軸を中心に回転可能となっている。
現金管理装置本体11には、全ての収納庫12のそれぞれに対して、収納庫12を閉状態で個別にロックする図2に示す収納庫ロック機構22が設けられている。例えば、収納庫ロック機構22は、複数の収納庫12のそれぞれに設けられて収納庫12を現金管理装置本体11に閉状態で電磁的にロックする。図3に示すように、現金管理装置本体11には、複数の収納庫12のそれぞれの側方に、収納庫ロック機構22のロック解除時のみ点灯する表示灯23が設けられている。
現金管理装置本体11には、図2に示すように、管理装置操作表示部16、管理装置カードリーダ17、管理装置キー操作部18、収納庫ロック機構22および表示灯23に接続されてこれらを制御する管理装置制御部25(制御手段)と、収納しているバラ紙幣、バラ硬貨、棒金、小束紙幣および小切手等のそれぞれの数量情報および種類情報や処理関連のデータ等を記憶する管理装置記憶部26と、が設けられている。管理装置制御部25は、複数の収納庫ロック機構22のロックを個別に解除可能となっており、管理装置記憶部26を用いて複数の収納庫12の現金の収納量つまり在高を個別に管理する。
各収納庫12と現金管理装置本体11との間には、現金管理装置本体11に対する各収納庫12の引き出し位置を検出する引出位置検出機構35が設けられている。引出位置検出機構35は、各収納庫12が現金管理装置本体11に最も押し込まれた全閉位置にあること、および、収納庫12が現金管理装置本体11から最も引き出された全開位置にあることを含んで各収納庫12の引き出し位置を検出する。
図4に示すように、束紙幣収納庫12(b)は、結束された小束紙幣Tを出入庫可能に収納するもので、複数、具体的には前後に3つ配列された合成樹脂製の小束トレイ40を有している。小束紙幣Tは、単一金種の紙幣(貨幣)を所定枚数(100枚)集積し、規定位置に結束テープtを巻回して、この結束テープtを接着することで形成されるものである。各小束トレイ40には10束の小束紙幣Tが収納可能であり、10束の小束紙幣Tを結束した大束紙幣を収納することもできる。また、小束トレイ40の左スペースに後述する棒金トレイを前後に金種径に応じて4つまたは3つ備えるようにしてもよい。
各小束トレイ40は、上方に開口し下方に凹む形状をなすトレイ本体41と、トレイ本体41に、その後壁部42と平行を維持しつつ前後移動可能に設けられた札押さえ板43と、札押さえ板43を後壁部42に向けて付勢する図示略の付勢部材とを有している。各小束トレイ40には、小束紙幣Tが、その長辺方向を左右にし短辺方向を上下にし厚さ方向を前後にした立位状態で、上方から挿入されることになり、小束紙幣Tは、この立位状態のまま、底部に載置され、後壁部42と札押さえ板43とに挟持されて収納されることになる。各小束トレイ40に収納すべき設定金種を示す収納金種データは、予め設定されて管理装置記憶部26に記憶されることになる。
図5に示すように、棒金収納庫12(c)は、単一金種の硬貨(貨幣)が所定枚数(50枚)集積されて包装紙で包装されてなる棒金Bを出入庫可能に収納するもので、複数、具体的には、前後に金種径に応じて4つまたは3つ、左右に3列の合成樹脂製の棒金トレイ50を有している。
棒金トレイ50は、棒金Bが中心軸線を上下にした立位状態で収納されるものである。棒金トレイ50は、下方に凹む上方開口形状の棒金収納凹部51を構成している。棒金トレイ50の棒金収納凹部51には、例えば、合計10本の棒金Bが5本ずつセパレートで収納されるようになっている。棒金Bは、棒金収納凹部51に、その上部開口を介して上方から挿入されることになる。棒金収納凹部51に10本の棒金Bが収納されると、10本の棒金Bは棒金収納凹部51および他の棒金Bで支持されて中心軸線を鉛直配置した立位状態に維持される。ここで、最前列の棒金トレイ50は、端数用となっており、棒金Bの転倒防止用の複数の補助棒52が立設されていて、収納本数が不足した状態でも棒金Bを倒さずに収納可能となっている。各棒金トレイ50に収納すべき設定金種を示す収納金種データは、予め設定されて管理装置記憶部26に記憶されることになる。
現金管理装置本体11の各束紙幣収納庫12(b)が挿入される部分の上部の前端部には、束紙幣収納庫12(b)の左右2列の小束トレイ40のそれぞれの上方近接位置に、束紙幣収納庫12(b)に収納された小束紙幣Tの左端位置を検出する図2に示す左端検出ラインセンサ61、小束紙幣Tの左側に結束テープtつまり帯がある場合にこれを検出する左側帯検出ラインセンサ62、小束紙幣Tの右側に結束テープtがある場合にこれを検出する右側帯検出ラインセンサ63および小束紙幣Tの右端位置を検出する右端検出ラインセンサ64が、それぞれ検出素子を左右方向に並べた状態で固定されている。
束紙幣収納庫12(b)が最も現金管理装置本体11から引き出されて図示略の前端位置ストッパに当接し停止する前端位置から最も現金管理装置本体11に押し込まれて図示略の後端位置ストッパに当接し停止する後端位置まで移動すると、各列用の左端検出ラインセンサ61、左側帯検出ラインセンサ62、右側帯検出ラインセンサ63および右端検出ラインセンサ64が、この束紙幣収納庫12(b)に収納された小束紙幣Tの上端部の反射光データを取得することになる。
管理装置制御部25は、引出位置検出機構35の検出結果と、各列用の左端検出ラインセンサ61、左側帯検出ラインセンサ62、右側帯検出ラインセンサ63および右端検出ラインセンサ64の検出結果とに基づいて束紙幣収納庫12(b)内の小束紙幣Tの数量および金種を取得する。すなわち、管理装置制御部25は、右側帯検出ラインセンサ63および右端検出ラインセンサ64の検出結果から帯の数つまり束数を取得し、左端検出ラインセンサ61および左側帯検出ラインセンサ62の検出結果から長さつまり金種を取得する。このようにして、管理装置制御部25は、各束紙幣収納庫12(b)内の小束紙幣Tの各金種別の束数、合計金額等の在高を管理する。
棒金トレイ50の各棒金収納位置の底部には、棒金Bの有無および材質を検出する磁気センサからなる棒金検出センサ68がそれぞれ設けられている。管理装置制御部25は、各棒金検出センサ68の検出結果から、棒金収納庫12(c)内の棒金Bの数量および金種を取得する。このようにして、管理装置制御部25は、各棒金収納庫12(c)内の棒金Bの各金種別の本数、合計金額等の在高を管理する。
管理装置制御部25は、予備収納庫12(a)の在高については、予備収納庫12(a)へのバラ紙幣、バラ硬貨、小切手等の入出庫を含む入出取引の際に、管理装置操作表示部16を介して入力される、バラ紙幣の入庫数、バラ紙幣の出庫数、バラ硬貨の入庫数およびバラ硬貨の出庫数等に基づいて在高を管理する。
また、現金管理装置本体11には、全ての収納庫12のそれぞれに対して、収納庫12を閉状態で個別にロックする上記した収納庫ロック機構22が設けられている。各収納庫ロック機構22は、それぞれ、給電されるとロックを解除して対応する収納庫12を引き出し可能とし開作動を許容する状態となる。また、各収納庫ロック機構22は、それぞれ、対応する収納庫12の引き出し後に給電が停止されることになり、その後は、対応する収納庫12が全閉位置に戻されると収納庫12を引き出し不可に自動的かつ機械的にロックする。
現金管理装置4には、ICタグ2a,5aに対して、所定距離を越えて離れると通信不可であり、所定距離内に近接すると通信可能となって、通信可能なICタグ2a,5aから記憶情報を読み出すタグリーダ4a(位置情報検出手段)が設けられている。つまり、タグリーダ4aは近距離無線通信でICタグ2a,5aから記憶情報を読み出す。なお、ICタグ2a,5aは、必ずしも出納機2や貨幣処理機器5の装置自体に付着しなくてもよく、出納機2や貨幣処理機器5の設置位置付近の床面等に配置するようにしてもよい。また、ICタグ2a,5aとタグリーダ4aとの代わりに、出納機識別情報データや受渡対象識別情報データを含むバーコードと当該バーコードを読み取り可能なバーコードリーダとを用いることもできる。
現金管理装置4は、操作者が、例えば、貨幣処理機器5に現金を装填したり補充したり、貨幣処理機器5から現金を回収したり、顧客に現金を出金したり、顧客から預かった現金を収納したり、顧客から受け取った現金貨幣を同額の異金種の貨幣へ両替する際等に使用される。つまり、現金管理装置4は、操作者が、バラ硬貨、バラ紙幣、棒金Bおよび小束紙幣Tのうちの少なくともいずれか一つを現金管理装置4から取り出す出庫時、現金管理装置4にバラ硬貨、バラ紙幣、棒金Bおよび小束紙幣Tのうちの少なくともいずれか一つを収納する入庫時、および入庫と出庫とを同時並行で行う入庫・出庫時のいずれかからなる入出取引時に使用される。
図1に示す出納機2は、被管理物のうちの紙幣、硬貨および金券等の貨幣類を取り扱うもので、金融機関等の店舗に設置されて店舗全体の貨幣処理を管理するものである。出納機2は、例えば、大口顧客に対する係員による入金、出金等の取引処理、係員による渉外先への持ち出し金の出金処理や、渉外先からの持ち帰り金の入金処理、さらには、営業終了後の金融機関店舗全体での入出金状況の締め上げ管理等を行うものである。
出納機2は、紙幣についての入出金処理等を行う紙幣処理装置155と、紙幣の特に新券についての出金処理等を行う新券処理装置156と、硬貨についての入出金処理等を行う硬貨処理装置157とが左右に並設されて構成されている。
紙幣処理装置155は、その前面側の上部に、機外からバラ紙幣が投入されると共に機内から出金用のバラ紙幣が繰り出されるバラ紙幣入出金口160が設けられている。バラ紙幣入出金口160の下側には、入金処理で受け付け不可と判定された入金リジェクト紙幣が機内から繰り出される入金リジェクト口161が設けられている。バラ紙幣入出金口160よりも上側には、機内でバラ紙幣を所定枚数集積して結束してなる小束紙幣を機外に取り出し可能とする束出金口162が設けられている。
新券処理装置156には、その前面側の上部に、機内から出金用の新券のバラ紙幣が繰り出される新券出金口165が設けられている。
硬貨処理装置157は、その前面側の上部に、機外からバラ硬貨が投入されるバラ硬貨入金口168が設けられている。バラ硬貨入金口168の下側には、入金処理で受け付け不可と判定された入金リジェクト硬貨が機内から繰り出される入金リジェクト口169が設けられている。入金リジェクト口169の下側には、機内から出金用のバラ硬貨が繰り出されるバラ硬貨出金口170が設けられている。前面側の上部には、機内でバラ硬貨を所定枚数集積して包装してなる棒金硬貨を機外に取り出し可能とする棒金出金口171が設けられている。
出納機2は、硬貨処理装置157の上部に、タッチパネル式の出納機操作表示部175と、出納機キー操作部181と、出納機カードリーダ182とを有している。出納機操作表示部175は、操作者により操作入力が行われると共に操作者に表示を行うものであり、出納機キー操作部181は、操作者により操作入力が行われるものであり、出納機カードリーダ182は操作者により通されたIDカードの記憶データを読み取るものである。出納機2は、図2に示すように、出納機2を制御する出納機制御部177と、出納機2内の在高データおよび店舗内の在高データ等を記憶する出納機記憶部179とを有している。
出納機2は、その出納機制御部177が、この出納機2が管理対象とする現金管理装置4の管理装置制御部25と通信可能であり、この出納機2が管理対象とする貨幣処理機器5と通信可能である。
出納機2は、その出納機制御部177が、管理在高データとして、これが設けられた出納機2の出納機在高データを出納機記憶部179に記憶させており、この出納機在高データを管理する。また、出納機2は、その出納機制御部177が、管理在高データとして、この出納機2が管理対象とする現金管理装置4の各別の管理装置在高データと、この出納機2が管理対象とする貨幣処理機器5の各別の貨幣処理機器在高データと、を出納機記憶部179に記憶させており、これらの管理装置在高データと貨幣処理機器在高データとを管理する。出納機制御部177は、出納機在高データと管理装置在高データと貨幣処理機器在高データとを区別しつつ関連データとして管理する。これにより、出納機2は、店舗内のすべての管理対象機器の貨幣類の在高データを一元管理するようになっている。
「貨幣装填処理」
現金管理装置4から出庫させた貨幣を、予め設定された受け渡し対象の貨幣処理機器5に装填する場合について説明する。ここで、貨幣処理システム1は、最小構成として、一台の出納機2と、一台の現金管理装置4と、一台の貨幣処理機器5とを有していれば良い。ここでは、図2に示すように、貨幣処理システム1が、一台の出納機2と、複数台の現金管理装置4と、複数台の貨幣処理機器5とを有する場合について説明する。以下の説明では、複数の現金管理装置4のうちの同じ一台の現金管理装置4であることを表すため、これを第1の現金管理装置4とし、複数の貨幣処理機器5のうちの同じ一台の貨幣処理機器5であることを表すため、これを第1の貨幣処理機器5とする。後述する第1の管理装置識別情報データ、第1の受渡対象識別情報データ、第1の貨幣情報データ、第1の操作者識別情報データも、それぞれが同じ一つのデータであることを表している。
まず、出納機2において、貨幣の出庫を行う第1の現金管理装置4に個別に設定された第1の管理装置識別情報データと、第1の現金管理装置4の貨幣の受け渡し先である受け渡し対象の第1の貨幣処理機器5に個別に設定された第1の受渡対象識別情報データと、受け渡し対象の第1の貨幣処理機器5に装填する貨幣の金種および数量を含む第1の貨幣情報データとが入力される。すると、出納機制御部177は、これらのデータを出納機記憶部179に記憶させると共に、第1の管理装置識別情報データを有する第1の現金管理装置4の管理装置制御部25に、第1の受渡対象識別情報データと第1の貨幣情報データとを送信する。すると、第1の現金管理装置4の管理装置制御部25は、第1の現金管理装置4に設けられた管理装置記憶部26に第1の受渡対象識別情報データと第1の貨幣情報データとを記憶させる。なお、出納機制御部177が、出納機2に近接して出納機2のICタグ2aの出納機識別情報データを読み出しているタグリーダ4aを有する現金管理装置4を第1の現金管理装置4に自動設定するようにしても良いし、各現金管理装置4の管理装置在高データに基づいて第1の現金管理装置4を自動設定するようにしても良い。
操作者が、貨幣を装填するために、第1の現金管理装置4を、上記のように予め設定された受け渡し対象である第1の貨幣処理機器5の近くに移動させる。すると、第1の現金管理装置4のタグリーダ4aが、受け渡し対象である第1の貨幣処理機器5のICタグ5aと通信可能になり、このICタグ5aから第1の貨幣処理機器5の第1の受渡対象識別情報データを読み出す。第1の現金管理装置4の管理装置制御部25は、この読み出した第1の受渡対象識別情報データが、管理装置記憶部26に予め設定されて記憶された第1の受渡対象識別情報データと一致することから、管理装置記憶部26から第1の受渡対象識別情報データに関連付けて記憶された第1の貨幣情報データを読み出し、この第1の貨幣情報データに基づく第1の現金管理装置4からの貨幣の取り出しつまり出庫が可能な状態となる。
他方、第1の現金管理装置4のタグリーダ4aが、いずれのICタグ5aとも通信可能にならない場合と、ICタグ5aと通信可能になっても、このタグリーダ4aによってICタグ5aから読み出した受渡対象識別情報データが、管理装置記憶部26に予め設定されて記憶された第1の受渡対象識別情報データと一致しない場合とについては、第1の現金管理装置4の管理装置制御部25が、管理装置記憶部26から第1の受渡対象識別情報データに関連付けて記憶された第1の貨幣情報データを読み出すことはなく、この第1の貨幣情報データに基づく第1の現金管理装置4からの貨幣の出庫が可能にはならない。
つまり、タグリーダ4aおよびICタグ5aは、現金管理装置4の位置によって変化する位置情報を検出するものであり、具体的には、この位置情報として現金管理装置4がいずれの貨幣処理機器5に近接する位置にあるかを検出する。また、管理装置制御部25は、タグリーダ4aおよびICタグ5aが検出した現金管理装置4の位置情報に基づいて現金管理装置4の出庫の可および不可を制御するものであり、具体的には、タグリーダ4aおよびICタグ5aによって現金管理装置4が近接する位置にあることが検出された貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データが、予め設定された受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データと一致する場合に貨幣の出庫を可能とする一方、予め設定された受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データと一致しない場合に貨幣の出庫を不可とする。
第1の現金管理装置4の管理装置制御部25は、第1の貨幣情報データに基づく現金管理装置4からの貨幣の出庫が可能な状態となると、第1の現金管理装置4について以下の制御を行う。
第1の貨幣情報データに基づいて、予備収納庫12(a)、全ての束紙幣収納庫12(b)および全ての棒金収納庫12(c)の中から、この第1の貨幣情報データの貨幣が取り出されることになる出庫対象収納庫12をロックしている収納庫ロック機構22のロックを解除して、出庫対象収納庫12を現金管理装置本体11から引き出し可能とする。
例えば、この第1の貨幣情報データに、小束紙幣Tに関するものが含まれる場合、管理装置制御部25は、含まれる金種の小束紙幣Tを収納している束紙幣収納庫12(b)を出庫対象収納庫とし、この束紙幣収納庫12(b)をロックしている収納庫ロック機構22のロックを解除する。これにより、この束紙幣収納庫12(b)が現金管理装置本体11から引き出し可能となる。それと共に、管理装置制御部25は、この束紙幣収納庫12(b)用のその側方にある表示灯23を点灯させる。
また、例えば、この第1の貨幣情報データに、棒金Bに関するものが含まれる場合、管理装置制御部25は、含まれる金種の棒金Bを収納している棒金収納庫12(c)を出庫対象収納庫12とし、この棒金収納庫12(c)をロックしている収納庫ロック機構22のロックを解除する。これにより、この棒金収納庫12(c)が現金管理装置本体11から引き出し可能となる。それと共に、管理装置制御部25は、この棒金収納庫12(c)用のその側方にある表示灯23を点灯させる。
操作者は、出庫対象収納庫12を引き出し開状態として、現金を取り出す出庫作業を行い、取り出した貨幣を貨幣処理機器5に装填する。
例えば、出庫対象収納庫12が一の束紙幣収納庫12(b)である場合、管理装置制御部25は、この一の束紙幣収納庫12(b)をロックしている収納庫ロック機構22を駆動してロックを解除すると共に、この一の束紙幣収納庫12(b)用の表示灯23を点灯させることになる。そして、この一の束紙幣収納庫12(b)の現金管理装置本体11からの引き出しが開始されたことを引出位置検出機構35の検出結果から検出すると、この一の束紙幣収納庫12(b)用の収納庫ロック機構22の駆動を終了する。
その後、引出位置検出機構35が、この一の束紙幣収納庫12(b)について、全開状態になったことを検出した後、閉方向の移動開始を検出すると、管理装置制御部25は、この一の束紙幣収納庫12(b)に対して設けられた左端検出ラインセンサ61、左側帯検出ラインセンサ62、右側帯検出ラインセンサ63および右端検出ラインセンサ64の組の左右二組について、これらに給電してこれらによる反射光データの取り込みを開始させる。そして、引出位置検出機構35がこの一の束紙幣収納庫12(b)が全閉状態になったことを検出すると、管理装置制御部25は、反射光データの取り込みを終了させると共に、この一の束紙幣収納庫12(b)用の表示灯23を消灯させる。この一の束紙幣収納庫12(b)が全閉状態になると、この一の束紙幣収納庫12(b)用の収納庫ロック機構22がこれを自動的にロック状態になる。
そして、管理装置制御部25は、上記した反射光データから、この一の束紙幣収納庫12(b)に収納された小束紙幣Tの金種別の数量データを取得して管理装置記憶部26に記憶させると共に、この金種別の数量データと、管理装置記憶部26に記憶されている前回のこの一の束紙幣収納庫12(b)の金種別の数量データとから、小束紙幣Tの増減分を割り出す。
また、対象収納庫12が一の棒金収納庫12(c)である場合、管理装置制御部25は、この一の棒金収納庫12(c)について、引出位置検出機構35が、全開状態になったことを検出した後、全閉状態になったことを検出すると、この一の棒金収納庫12(c)用の表示灯23を消灯させると共に、この一の棒金収納庫12(c)に対して設けられた棒金検出センサ68に磁気データを取得させる。
そして、管理装置制御部25は、上記した磁気データから、この一の棒金収納庫12(c)に収納された棒金Bの金種別の数量データを取得して管理装置記憶部26に記憶させると共に、この金種別の数量データと、管理装置記憶部26に記憶されている前回のこの一の棒金収納庫12(c)の金種別の数量データとから、棒金Bの増減分を割り出す。
管理装置制御部25は、すべての収納庫12が閉状態となって管理装置操作表示部16に貨幣装填処理の終了操作が入力されると、貨幣の増減分を、第1の貨幣情報データと照合して差異があるか否かを判定し、差異がなければ、貨幣装填処理を終了し、差異があれば、管理装置操作表示部16にその旨の報知を行わせる。
そして、貨幣装填処理を終了すると、管理装置制御部25は、第1の管理装置識別情報データと第1の貨幣情報データと第1の受渡対象識別情報データとを関連付けて、出納機2の出納機制御部177に送信する。すると、出納機2の出納機制御部177は、これらのデータを関連付けて出納機記憶部179に記憶させる。また、出納機2の出納機制御部177は、第1の貨幣情報データを、第1の管理装置識別情報データを有する第1の現金管理装置4に紐付く管理在高および第1の受渡対象識別情報データを有する第1の貨幣処理機器5に紐付く管理在高に反映させる。つまり、第1の貨幣情報データ分の在高データを、第1の管理装置識別情報データを有する第1の現金管理装置4の管理装置在高データから第1の受渡対象識別情報データを有する第1の貨幣処理機器5の貨幣処理機器在高データに移動させる。
ここで、以上の貨幣装填処理を行うにあたって、出納機2において、出納機カードリーダ182でのIDカードの読み取りを行わせるようにしても良い。そして、出納機カードリーダ182でIDカードから読み取った第1の操作者識別情報データを、第1の受渡対象識別情報データと第1の貨幣情報データと共に、第1の現金管理装置4に送信し、その管理装置制御部25によって第1の現金管理装置4の管理装置記憶部26に記憶させる。
そして、第1の現金管理装置4の管理装置制御部25は、タグリーダ4aによってICタグ5aから貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データが読み出されると、この受渡対象識別情報データが、管理装置記憶部26に予め設定されて記憶された第1の受渡対象識別情報データと一致する場合に、第1の現金管理装置4の管理装置カードリーダ17でIDカードの読み取りを行わせる。この場合、IDカードから読み取った操作者識別情報データが、第1の受渡対象識別情報データに関連して記憶された第1の操作者識別情報データと一致する場合に限り、第1の受渡対象識別情報データに関連付けて記憶された第1の貨幣情報データを読み出し、この第1の貨幣情報データに基づく第1の現金管理装置4からの貨幣の出庫が可能な状態とする。
また、上記の貨幣装填処理を第1の現金管理装置4から、複数台の貨幣処理機器5に対して行うようにしても良い。この場合、出納機2において、複数の受渡対象識別情報データ毎に、受渡対象識別情報データに関連付けて貨幣情報データを設定することになり、これらのデータを第1の現金管理装置4の管理装置記憶部26に記憶させる。そして、操作者が第1の現金管理装置4を各貨幣処理機器5の近くに順次移動させ、第1の現金管理装置4のタグリーダ4aがICタグ5aから受渡対象識別情報データを読み取ると、この受渡対象識別情報データに関連する貨幣情報データに基づいて第1の現金管理装置4から貨幣を出庫させる処理を、各受渡対象識別情報データ毎に行う。なお、受渡対象識別情報データ毎にそれぞれに関連付けて設定される貨幣情報データを、出納機2の出納機記憶部179や通信可能なネットワーク上のサーバに記憶させておき、第1の現金管理装置4の管理装置制御部25が通信で読み出すようにしても良い。
「貨幣補充処理」
次に、現金管理装置4を用いて貨幣処理機器5に貨幣を補充する場合について説明する。以下の説明では、複数の現金管理装置4のうちの同じ一台の現金管理装置4であることを表すため、これを第2の現金管理装置4とし、複数の貨幣処理機器5のうちの同じ一台の貨幣処理機器5であることを表すため、これを第2の貨幣処理機器5とする。これらは説明の便宜上のためであり、第1の現金管理装置4や第1の貨幣処理機器5と異なることを表すものではない。つまり、第2の現金管理装置4として上記した第1の現金管理装置4と同じ現金管理装置4が用いられる場合もあり、第2の貨幣処理機器5として上記した第1の貨幣処理機器5と同じ貨幣処理機器5が受け渡し対象となる場合もある。後述する第2の管理装置識別情報データ、第2の受渡対象識別情報データ、第2の貨幣情報データ、第2の操作者識別情報データも、それぞれが同じ一つのデータであることを表している。
操作者が、第2の管理装置識別情報データを有する第2の現金管理装置4を第2の貨幣処理機器5の近くに移動させることによって、第2の現金管理装置4のタグリーダ4aが、第2の貨幣処理機器5のICタグ5aと通信可能になると、このICタグ5aから第2の貨幣処理機器5の第2の受渡対象識別情報データを読み出す。第2の現金管理装置4の管理装置制御部25は、タグリーダ4aで第2の受渡対象識別情報データが読み出されると、第2の現金管理装置4について以下の制御を行う。
管理装置操作表示部16に、管理装置カードリーダ17へのIDカードの読み取りを促す表示を表示させる。管理装置カードリーダ17がIDカードから第2の操作者識別情報データを読み取ると、管理装置操作表示部16に、取り出しつまり出庫を行う貨幣の金種および数量を含む第2の貨幣情報データの入力を促す表示を表示させる。出庫を行う貨幣の金種および数量を含む第2の貨幣情報データが入力されると、第2の貨幣情報データと、第2の操作者識別情報データと、第2の受渡対象識別情報データとを関連付けて管理装置記憶部26に記憶させると共に、第2の貨幣情報データに基づく第2の現金管理装置4からの貨幣の出庫を可能とする。
管理装置制御部25は、第2の貨幣情報データに基づいて、予備収納庫12(a)、全ての束紙幣収納庫12(b)および全ての棒金収納庫12(c)の中から、この第2の貨幣情報データの貨幣が取り出されることになる出庫対象収納庫12をロックしている収納庫ロック機構22のロックを解除して、出庫対象収納庫12を現金管理装置本体11から引き出し可能とする。すると、操作者は、対象収納庫12を引き出し開状態として、現金を取り出す出庫作業を行い、取り出した貨幣を第2の貨幣処理機器5に補充する。
そして、管理装置制御部25は、すべての収納庫12が閉状態となって管理装置操作表示部16に貨幣補充処理の終了操作が入力されると、貨幣の増減分を、第2の貨幣情報データと照合して差異があるか否かを判定し、差異がなければ、貨幣補充処理を終了し、差異があれば、管理装置操作表示部16にその旨の報知を行わせる。
そして、貨幣補充処理が終了すると、管理装置制御部25は、第2の管理装置識別情報データと第2の貨幣情報データと第2の操作者識別情報データと第2受渡対象識別情報データとを関連付けて、出納機2の出納機制御部177に送信する。すると、出納機2の出納機制御部177は、これらのデータを関連付けて出納機記憶部179に記憶させる。出納機2の出納機制御部177は、第2の貨幣情報データを、第2の管理装置識別情報データを有する第2の現金管理装置4に紐付く管理在高および第2の受渡対象識別情報データを有する第2の貨幣処理機器5に紐付く管理在高に反映させる。つまり、第2の貨幣情報データ分の在高データを、第2の管理装置識別情報データを有する第2の現金管理装置4の管理装置在高データから、第2の受渡対象識別情報データを有する第2の貨幣処理機器5の貨幣処理機器在高データに移動する。
他方、第2の現金管理装置4のタグリーダ4aが、いずれのICタグ5aとも通信可能にならない状態では、第2の現金管理装置4に第2の貨幣情報データを入力させることはなく、この第2の貨幣情報データに基づく第2の現金管理装置4からの貨幣の取り出しつまり出庫が可能にはならない。
以上の貨幣補充処理を第2の現金管理装置4から、複数台の貨幣処理機器5に行うようにしても良い。この場合、操作者が第2の現金管理装置4を各貨幣処理機器5の近くに順次移動させ、第2の現金管理装置4が受渡対象識別情報データを検出する毎に、上記の貨幣補充処理を繰り返し行うことになる。すると、第2の現金管理装置4の管理装置制御部25は、第2の現金管理装置4が検出する受渡対象識別情報データ毎に、各受渡対象識別情報データに関連付けて、操作者識別情報データおよび貨幣情報データを管理装置記憶部26に記憶させる。また、出納機2の出納機制御部177が、第2の現金管理装置4が検出する受渡対象識別情報データ毎に、各受渡対象識別情報データに関連付けて、管理装置識別情報データ、操作者識別情報データおよび貨幣情報データを出納機記憶部179に記憶させる。また、第2の現金管理装置4および第2の貨幣処理機器5が上記した第1の現金管理装置4および第1の貨幣処理機器5と同じ場合は、上記の貨幣装填処理において第1の現金管理装置4を第1の貨幣処理機器5の近くに移動させた状態で引き続きこの貨幣補充処理、いわゆる追加装填を行うことが可能になる。
「貨幣回収処理」
現金管理装置4を用いて貨幣処理機器5から貨幣を回収する場合について説明する。以下の説明では、複数の現金管理装置4のうちの同じ一台の現金管理装置4であることを表すため、これを第3の現金管理装置4とし、複数の貨幣処理機器5のうちの同じ一台の貨幣処理機器5であることを表すため、これを第3の貨幣処理機器5とする。これらは説明の便宜上のためであり、第1の現金管理装置4や第1の貨幣処理機器5と異なることを表すものではない。つまり、第3の現金管理装置4として上記した第1または第2の現金管理装置4と同じ現金管理装置4が用いられる場合もあり、第3の貨幣処理機器5として上記した第1または第2の貨幣処理機器5と同じ貨幣処理機器5が受け渡し対象となる場合もある。後述する第3の管理装置識別情報データ、第3の受渡対象識別情報データ、第3の貨幣情報データ、第3の操作者識別情報データも、それぞれが同じ一つのデータであることを表している。
操作者が、第3の管理装置識別情報データを有する第3の現金管理装置4を第3の貨幣処理機器5の近くに移動させることによって、第3の現金管理装置4のタグリーダ4aが、第3の貨幣処理機器5のICタグ5aと通信可能になると、このICタグ5aから第3の貨幣処理機器5の第3の受渡対象識別情報データを読み出す。第3の現金管理装置4の管理装置制御部25は、タグリーダ4aで第3の受渡対象識別情報データが読み出されると、第3の現金管理装置4について以下の制御を行う。
管理装置操作表示部16に、管理装置カードリーダ17へのIDカードの読み取りを促す表示を表示させる。管理装置カードリーダ17がIDカードから第3の操作者識別情報データを読み取ると、管理装置操作表示部16に、収納を行う貨幣の金種および数量を含む第3の貨幣情報データの入力を促す表示を表示させる。収納を行う貨幣の金種および数量を含む第3の貨幣情報データが入力されると、第3の貨幣情報データと、第3の操作者識別情報データと、第3の受渡対象識別情報データとを関連付けて管理装置記憶部26に記憶させると共に、この第3の貨幣情報データに基づく第3の現金管理装置4への貨幣の収納つまり入庫を可能とする。
管理装置制御部25は、第3の貨幣情報データに基づいて、予備収納庫12(a)、全ての束紙幣収納庫12(b)および全ての棒金収納庫12(c)の中から、この第3の貨幣情報データの貨幣を収納することになる入庫対象収納庫12をロックしている収納庫ロック機構22のロックを解除して、入庫対象収納庫12を現金管理装置本体11から引き出し可能とする。すると、操作者は、入庫対象収納庫12を引き出し開状態として、第3の貨幣処理機器5から回収した現金を入庫対象収納庫12に収納する入庫作業を行う。
そして、管理装置制御部25は、すべての収納庫12が閉状態となって管理装置操作表示部16に貨幣回収処理の終了操作が入力されると、貨幣の増減分を、第3の貨幣情報データと照合して差異があるか否かを判定し、差異がなければ、貨幣回収処理を終了し、差異があれば、管理装置操作表示部16にその旨の報知を行わせる。
そして、貨幣回収処理が終了すると、管理装置制御部25は、第3の管理装置識別情報データと、第3の貨幣情報データと、第3の操作者識別情報データと、第3の受渡対象識別情報データとを関連付けて、出納機2の出納機制御部177に送信する。すると、出納機2の出納機制御部177は、これらのデータを関連付けて出納機記憶部179に記憶させる。出納機2の出納機制御部177は、第3の貨幣情報データを、第3の管理装置識別情報データを有する第3の現金管理装置4に紐付く管理在高および第3の受渡対象識別情報データを有する第3の貨幣処理機器5に紐付く管理在高に反映させる。つまり、第3の貨幣情報データ分の在高データを、第3の受渡対象識別情報データを有する第3の貨幣処理機器5の貨幣処理機器在高データから、第3の管理装置識別情報データを有する第3の現金管理装置4の管理装置在高データに移動する。
他方、第3の現金管理装置4のタグリーダ4aが、いずれのICタグ5aとも通信可能にならない状態では、第3の貨幣情報データを入力させることはなく、この第3の貨幣情報データに基づく現金管理装置4への入庫が可能にはならない。つまり、管理装置制御部25は、タグリーダ4aおよびICタグ5aが検出した現金管理装置4の位置情報に基づいて現金管理装置4の入庫の可および不可を制御する。
ここで、第3の現金管理装置4がバラ貨幣の計数機構を備えていない場合は、以下のように処理を行うことができる。貨幣回収処理において、第3の貨幣情報データにバラ貨幣が含まれる場合、第3の現金管理装置4の予備収納庫12(a)にバラ貨幣が収納されることになる。このとき、束紙幣収納庫12(b)および棒金収納庫12(c)内の束紙幣および棒金の在高データについては入庫時に確定するため、バラ貨幣の在高データは、第3の貨幣情報データから確定済みの束紙幣および棒金の在高データを減算することで仮確定とし、貨幣回収処理を仮終了とする。または、バラ貨幣の在高データを例えば操作者が手で計数して第3の現金管理装置4の管理装置操作表示部16に入力する。そして、この管理装置制御部25は、第3の現金管理装置4のすべての収納庫12が閉状態となって第3の現金管理装置4の管理装置操作表示部16に貨幣回収処理の終了操作が入力されると、手入力されたバラ貨幣の在高データを含む貨幣の増減分を、第3の貨幣情報データと照合して差異があるか否かを判定し、差異がなければ、手入力されたバラ貨幣の在高データを仮確定とし、貨幣回収処理を仮終了し、差異があれば、第3の現金管理装置4の管理装置操作表示部16にその旨の報知を行わせる。
貨幣回収処理の仮終了後、操作者は、貨幣回収処理の本終了のために、第3の現金管理装置4を出納機2の付近まで移動させる。第3の現金管理装置4は、出納機2に近接して出納機2のICタグ2aの出納機識別情報データをタグリーダ4aが読み出すと、その管理装置制御部25が第3の現金管理装置4について以下の制御を行う。
管理装置制御部25は、管理装置操作表示部16に、貨幣回収処理が仮終了状態にあり本終了処理の実行が必要である旨を表示させ、管理装置カードリーダ17へのIDカードの読み取りを促す表示を表示させる。管理装置カードリーダ17がIDカードから第3の操作者識別情報データまたはその上位ランク者の操作者識別情報データを読み取ると、管理装置制御部25は、予備収納庫12(a)をロックしている収納庫ロック機構22のロックを解除して、この予備収納庫12(a)を現金管理装置本体11から引き出し可能とすると共に、管理装置操作表示部16に予備収納庫12(a)のバラ貨幣の出納機2での入金を促す表示を表示させる。さらに、管理装置制御部25は、出納機制御部177と通信して、出納機2を貨幣の入金が可能な状態とする。
操作者が、予備収納庫12(a)を引き出し開状態として、バラ貨幣を取り出して、出納機2に入金させる。出納機2の出納機制御部177は、入金時に計数したバラ貨幣の在高データを、第3の現金管理装置4の管理装置制御部25に送信することになり、この管理装置制御部25は、出納機2で計数されたバラ貨幣の在高データと、第3の貨幣情報データにおける手入力されたバラ貨幣の在高データとが一致する場合に、貨幣回収処理を本終了し、差異があれば、第3の現金管理装置4の管理装置操作表示部16にその旨の報知を行わせる。
そして、貨幣回収処理が本終了すると、管理装置制御部25は、第3の管理装置識別情報データと、出納機2で計数されたバラ貨幣の在高データ分を除いた第3の貨幣情報データと、管理装置カードリーダ17が読み取った第3の操作者識別情報データまたはその上位ランク者の操作者識別情報データと、第3の受渡対象識別情報データとを関連付けて、出納機2の出納機制御部177に送信する。すると、出納機2の出納機制御部177は、これらのデータを関連付けて出納機記憶部179に記憶させる。出納機2の出納機制御部177は、出納機2で計数されたバラ貨幣の在高を出納機2に紐付く管理在高および第1の受渡対象識別情報データを有する第3の貨幣処理機器5に紐付く管理在高に反映させると共に、出納機2で計数されたバラ貨幣の在高データ分を除いた第3の貨幣情報データを、第1の管理装置識別情報データを有する第3の現金管理装置4に紐付く管理在高および第1の受渡対象識別情報データを有する第3の貨幣処理機器5に紐付く管理在高に反映させる。つまり、出納機2で計数されたバラ貨幣の在高データを、第3の貨幣処理機器5の貨幣処理機器在高データから、出納機在高データに移動すると共に、出納機2で計数されたバラ貨幣の在高データ分を除いた第3の貨幣情報データ分の在高データを、第3の貨幣処理機器5の貨幣処理機器在高データから、第3の現金管理装置4の管理装置在高データに移動する。
なお、出納機2で計数したバラ貨幣を出金させて、予備収納庫12(a)に戻すようにしても良い。この場合、出納機2で計数されたバラ貨幣の在高データは、第3の貨幣処理機器5の貨幣処理機器在高データから出納機在高データに付け替えられることはない。つまり、出納機2で計数されたバラ貨幣の在高データを含めた第3の貨幣情報データ分の在高データが、第3の貨幣処理機器5の貨幣処理機器在高データから、第3の現金管理装置4の管理装置在高データに移動することになる。また、貨幣回収処理で、第3の現金管理装置4の束紙幣収納庫12(b)に収納された小束紙幣および棒金収納庫12(c)に収納された棒金を、出納機2に収納しても良く、第3の現金管理装置4に収納したままとしても良い。
以上の貨幣回収処理を複数台の貨幣処理機器5から第3の現金管理装置4に対して行うようにしても良い。この場合、操作者が第3の現金管理装置4を各貨幣処理機器5の近くに順次移動させ、第3の現金管理装置4が受渡対象識別情報データを検出する毎に、上記の貨幣回収処理を繰り返し行うことになる。すると、第3の現金管理装置4が検出する受渡対象識別情報データ毎に、各受渡対象識別情報データに関連付けて、操作者識別情報データおよび貨幣情報データを第3の現金管理装置4の管理装置記憶部26に記憶させる。また、出納機2の出納機制御部177が、第3の現金管理装置4が検出する受渡対象識別情報データ毎に、各受渡対象識別情報データに関連付けて、管理装置識別情報データ、操作者識別情報データおよび貨幣情報データを出納機記憶部179に記憶させる。
ここで、束紙幣収納庫12(b)の小束紙幣および棒金収納庫12(c)内の棒金は、入出庫の度に第3の現金管理装置4内で計数されるためセキュリティ上の問題はないが、第3の現金管理装置4の予備収納庫12(a)にバラ貨幣を入庫させる際に、複数台の貨幣処理機器5のそれぞれからバラ貨幣を一つの予備収納庫12(a)に収納するのはセキュリティ上好ましくない。このため、第3の現金管理装置4の管理装置カードリーダ17へのIDカードの読み取りで、同じ操作者識別情報データが読み取られた場合に限り、第3の現金管理装置4の予備収納庫12(a)のロックを解除するようにする。つまり、同一人物のみ予備収納庫12(a)にバラ貨幣を複数回入庫可能とする。また、第3の現金管理装置4に予備収納庫12(a)が複数ある場合には、第3の現金管理装置4の管理装置カードリーダ17へのIDカードの読み取りで、同じ操作者識別情報データが読み取られた場合に限り、同じ予備収納庫12(a)のロックを解除し、違う操作者識別情報データが読み取られた場合には、他の空いている予備収納庫12(a)のロックを解除するようにして、一人一個の予備収納庫12(a)を割り当てる。第3の現金管理装置4は、上記した貨幣回収処理が本終了すると、当該予備収納庫12(a)を空き状態として管理する。
以上により、現金管理装置4は、移動可能であって貨幣の入出庫が可能であり、近接する貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データを取得し、当該受渡対象識別情報データが、予め設定された受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データと一致する場合に貨幣の出庫が可能となる一方、この受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データと一致しない場合に貨幣の出庫が不可となる。また、出納機2の出納機制御部177は、現金管理装置4に対して、通信可能に設けられて、受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データを設定して現金管理装置4に記憶させる。
また、以上の貨幣処理方法は、移動可能であって貨幣の入出庫が可能な現金管理装置4を用いた貨幣処理方法であって、現金管理装置4の位置によって変化する位置情報を検出し、当該位置情報に基づいて現金管理装置4の貨幣の入庫および出庫の可および不可を制御する。具体的に、位置情報として現金管理装置4がいずれの貨幣処理機器5に近接する位置にあるかを検出し、現金管理装置4が近接する位置にあることが検出された貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データが、予め設定された受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データと一致する場合に貨幣の出庫を可能とする一方、この受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データと一致しない場合に貨幣の出庫を不可とする。
以上に述べた本実施形態の貨幣処理システム1によれば、タグリーダ4aおよびICタグ5aが現金管理装置4の位置によって変化する位置情報を検出すると、この現金管理装置4の位置情報に基づいて、管理装置制御部25が、現金管理装置4における貨幣の入庫および出庫の可および不可を制御することになる。これにより、貨幣の入庫が行われるのに相応しい位置に現金管理装置4があるときに貨幣の入庫を可能とし、貨幣の入庫が行われるのに相応しくない位置に現金管理装置4があるときに貨幣の入庫を不可とし、貨幣の出庫が行われるのに相応しい位置に現金管理装置4があるときに貨幣の出庫を可能とし、貨幣の出庫が行われるのに相応しくない位置に現金管理装置4があるときに貨幣の出庫を不可とすることができ、受け渡し対象物を取り違えてしまう可能性を低減可能となる。その結果、例えば、朝の開店準備時や夕方の閉店後において、受け渡し対象物が多い場合であっても、受け渡し対象物を取り違えてしまう可能性を低減可能となる。
また、タグリーダ4aおよびICタグ5aが位置情報として現金管理装置4がいずれの貨幣処理機器5に近接する位置にあるかを検出すると、管理装置制御部25は、現金管理装置4が近接する位置にあることが検出された貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データが、予め設定された受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データと一致する場合に貨幣の出庫を可能とする一方、この受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データと一致しない場合に貨幣の出庫を不可とする。これにより、現金管理装置4が、受け渡し対象の貨幣処理機器5に近接する位置にある場合に貨幣の出庫を可能とし、受け渡し対象の貨幣処理機器5に近接する位置にない場合に貨幣の出庫を不可とすることができ、受け渡し対象の貨幣処理機器5を取り違えてしまう可能性を低減可能となる。
本実施形態の出納機2によれば、近接する貨幣処理機器5の識別情報を取得し、当該識別情報が、予め設定された受け渡し対象の貨幣処理機器5の識別情報と一致する場合に貨幣の出庫が可能となる一方、この受け渡し対象の貨幣処理機器5の識別情報と一致しない場合に貨幣の出庫が不可となる現金管理装置4に対して、受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データを予め設定して記憶させる。これにより、現金管理装置4が、受け渡し対象の貨幣処理機器5に近接する位置にある場合に貨幣の出庫を可能とし、受け渡し対象の貨幣処理機器5に近接する位置にない場合に貨幣の出庫を不可とすることができ、受け渡し対象の貨幣処理機器5を取り違えてしまう可能性を低減可能となる。
本実施形態の現金管理装置4によれば、近接する貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データを取得し、当該受渡対象識別情報データが、予め設定された受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データと一致する場合に貨幣の出庫が可能となる一方、この受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データと一致しない場合に貨幣の出庫が不可となる。これにより、受け渡し対象の貨幣処理機器5に近接する位置にある場合に貨幣の出庫が可能となり、受け渡し対象の貨幣処理機器5に近接する位置にない場合に貨幣の出庫が不可となって、受け渡し対象の貨幣処理機器5を取り違えてしまう可能性を低減可能となる。
本実施形態の貨幣処理方法によれば、現金管理装置4の位置によって変化する位置情報を検出し、この現金管理装置4の位置情報に基づいて、現金管理装置4における貨幣の入庫および出庫の可および不可を制御することになる。これにより、貨幣の入庫が行われるのに相応しい位置に現金管理装置4があるときに貨幣の入庫を可能とし、貨幣の入庫が行われるのに相応しくない位置に現金管理装置4があるときに貨幣の入庫を不可とし、貨幣の出庫が行われるのに相応しい位置に現金管理装置4があるときに貨幣の出庫を可能とし、貨幣の出庫が行われるのに相応しくない位置に現金管理装置4があるときに貨幣の出庫を不可とすることができる。よって、受け渡し対象物を取り違えてしまう可能性を低減可能となる。
また、位置情報として現金管理装置4がいずれの貨幣処理機器5に近接する位置にあるかを検出し、現金管理装置4が近接する位置にあることが検出された貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データが、予め設定された受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データと一致する場合に貨幣の出庫を可能とする一方、この受け渡し対象の貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データと一致しない場合に貨幣の出庫を不可とする。これにより、現金管理装置4が、受け渡し対象の貨幣処理機器5に近接する位置にある場合に貨幣の出庫を可能とし、受け渡し対象の貨幣処理機器5に近接する位置にない場合に貨幣の出庫を不可とすることができ、受け渡し対象の貨幣処理機器5を取り違えてしまう可能性を低減可能となる。
上記の実施形態では、現金管理装置4に設けられたタグリーダ4aと貨幣処理機器5に設けられたICタグ5aとで、現金管理装置4の位置によって変化する位置情報として現金管理装置4がいずれの貨幣処理機器5に近接する位置にあるかを検出するようにした。これ以外にも、例えば、現金管理装置4にキャスタ38の向きおよび回転を検出する機構を設け、この機構で検出を行いながら、現金管理装置4を予め店舗内で移動させて、店舗内の各貨幣処理機器5に近接する位置情報をマップ上に載せたデータを作成し、その後、キャスタ38の向きおよび回転を検出することで、現金管理装置4がいずれの貨幣処理機器5に近接する位置にあるかを検出するようにしても良い。また、店舗天井の各貨幣処理機器5の上方位置や各貨幣処理機器5にLEDランプを設置し、LEDランプをそれぞれ異なる高周波数で点滅させると共に、現金管理装置4に、近接するLEDランプの周波数を検出する検出装置を設けて、この検出装置が検出した周波数によって現金管理装置4がいずれの貨幣処理機器5に近接する位置にあるかを検出するようにしても良い。また、可視光通信を採用し、上記設置したLEDランプを高速に点滅させ、光のオン・オフ等に対応させて当該設置位置に対応する貨幣処理機器5の受渡対象識別情報データをデジタル伝送し、現金管理装置4にこのデータを受信可能な受信装置を設けるようにしても良い。
現金管理装置4の位置によって変化する位置情報として現金管理装置4がいずれの貨幣処理機器5に近接する位置にあるかを検出するようにしたが、現金管理装置4が店舗内のいずれのエリアにあるかを検出するようにしても良い。この場合、窓口に近いエリアに現金管理装置4があることが検出されている場合に、その管理装置制御部25は、上記貨幣補充処理と同様にして現金管理装置4から貨幣を出庫させたり、上記貨幣回収処理と同様にして現金管理装置4に貨幣を入庫させたりすることができる。これらの場合、管理装置制御部25は、例えば、これらの出庫および入庫を、窓口で行われる顧客出金および顧客入金として処理することになる。
また、店舗奥側のエリアに現金管理装置4があることが検出されている場合に、その管理装置制御部25は、上記貨幣補充処理と同様にして現金管理装置4から貨幣を出庫させたり、上記貨幣回収処理と同様にして現金管理装置4に貨幣を入庫させたりすることができる。これらの場合、管理装置制御部25は、例えば、これらの出庫および入庫を、店舗奥側で行われる本部と店舗との間の回金として処理することになる。また、締上前に現金管理装置4が予め決められた移動可能エリア外に出た場合にアラームを発生させ、その旨を報知するようにしても良い。
上記の実施形態において、現金管理装置4の位置情報に基づいて現金管理装置4の貨幣の入庫および出庫のいずれか一方のみの可および不可を制御するようにしても良い。つまり、現金管理装置4の位置情報に基づいて現金管理装置4の貨幣の入庫および出庫の少なくともいずれか一方の可および不可を制御するようにすれば良い。
なお、上記各実施形態では、操作者の認証は、磁気カードやICカード等のIDカードを用いて行う場合について説明したが、操作者の指紋あるいは静脈等の生体情報を用いた認証手段であってもよいし、これらを併用してもよい。