JP2017138706A - 貨幣処理システム、貨幣処理親機、貨幣処理子機および貨幣処理方法 - Google Patents

貨幣処理システム、貨幣処理親機、貨幣処理子機および貨幣処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数台の貨幣処理親機で貨幣処理子機を共用する場合の制御を容易化することが可能な貨幣処理システム、貨幣処理親機、貨幣処理子機および貨幣処理方法を提供する。
【解決手段】移動可能な貨幣処理子機4と、貨幣処理子機4に貨幣処理データを送信する複数の貨幣処理親機2と、貨幣処理子機4が複数の貨幣処理親機2のうちのいずれに近いかを判定する遠近判定手段を備え、貨幣処理子機4は、複数の貨幣処理親機2のうち、遠近判定手段の判定結果から近いと判定された近接側の貨幣処理親機2から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、貨幣処理システム、貨幣処理親機、貨幣処理子機および貨幣処理方法に関する。
小束紙幣および棒金を収納し保管する現金管理装置を出納機と通信可能に接続したシステムがある。出納機と現金管理装置との関係は、出納機が貨幣処理親機となり、現金管理装置が貨幣処理子機となって、貨幣処理親機からの貨幣処理データに基づいて貨幣処理子機が動作するようになっている(例えば特許文献1参照)。
特開2015−191486号公報
ところで、複数台の貨幣処理親機で貨幣処理子機を共用することを考えた場合、貨幣処理子機をいずれの貨幣処理親機からの貨幣処理データで動作させるかの制御が煩雑になる可能性がある。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、複数台の貨幣処理親機で貨幣処理子機を共用する場合の制御を容易化することが可能な貨幣処理システム、貨幣処理親機、貨幣処理子機および貨幣処理方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の態様は、移動可能な貨幣処理子機と、該貨幣処理子機に貨幣処理データを送信する複数の貨幣処理親機と、前記貨幣処理子機が前記複数の貨幣処理親機のうちのいずれに近いかを判定する遠近判定手段とを備え、前記貨幣処理子機は、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から近いと判定された近接側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となることを特徴とする。
上記第1の態様によれば、遠近判定手段は、貨幣処理子機が複数台の貨幣処理親機のうちのいずれに近いかを判定することになり、貨幣処理子機は、複数台の貨幣処理親機のうち、遠近判定手段の判定結果から近いと判定された近接側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。つまり、複数台の貨幣処理親機で一台の貨幣処理子機を共用する場合に、貨幣処理子機を近接側の貨幣処理親機からの貨幣処理データで動作させることになる。よって、複数台の貨幣処理親機で一台の貨幣処理子機を共用する場合に、貨幣処理子機をいずれの貨幣処理親機からの貨幣処理データで動作させるかの制御が容易となる。
本発明に係る第2の態様は、第1の態様において、前記近接側の貨幣処理親機は、貨幣処理データを、前記遠近判定手段の判定結果から前記貨幣処理子機から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から受信して前記貨幣処理子機に送信可能であることを特徴とする。
上記第2の態様によれば、近接側の貨幣処理親機が、貨幣処理データを遠隔側の貨幣処理親機から受信して貨幣処理子機に送信する。すると、貨幣処理子機は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、近接側の貨幣処理親機を用いれば、遠隔側の貨幣処理親機からの貨幣処理データに基づく貨幣処理が貨幣処理子機で可能となる。
本発明に係る第3の態様は、第1または第2の態様において、前記貨幣処理子機は、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データを受け付けず、前記遠隔側の貨幣処理親機は、前記貨幣処理子機で受け付けられなかった貨幣処理データを、記憶手段に記憶し、前記遠近判定手段によって前記近接側の貨幣処理親機に変わったと判定されると前記記憶手段から読み出して前記貨幣処理子機に再送信することを特徴とする。
上記第3の態様によれば、貨幣処理子機は、遠隔側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データを受け付けないものの、遠隔側の貨幣処理親機は、貨幣処理子機で受け付けられなかった貨幣処理データを、記憶手段に記憶し、遠近判定手段によって近接側の貨幣処理親機に変わったと判定されると、記憶手段から読み出して貨幣処理子機に再送信する。すると、貨幣処理子機は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、貨幣処理子機を移動させ、遠隔側にあった貨幣処理親機に近接させて、これを近接側の貨幣処理親機に変えることにより、当初遠隔側であった貨幣処理親機からの貨幣処理データに基づく貨幣処理が貨幣処理子機で可能となる。
本発明に係る第4の態様は、第1または第2の態様において、前記貨幣処理子機は、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データを、記憶手段に記憶し、当該遠隔側の貨幣処理親機が、前記遠近判定手段によって前記近接側の貨幣処理親機に変わったと判定されると、前記記憶手段から読み出すことを特徴とする。
上記第4の態様によれば、貨幣処理子機は、遠隔側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理は可能にはならないものの、この貨幣処理データを記憶手段に記憶する。そして、貨幣処理子機は、移動させられることにより、遠隔側の貨幣処理親機が近接側の貨幣処理親機に変わると、記憶手段に記憶していた貨幣処理データを読み出し、これに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、貨幣処理子機を移動させ、遠隔側にあった貨幣処理親機に近接させて、これを近接側の貨幣処理親機に変えることにより、当初遠隔側であった貨幣処理親機からの貨幣処理データに基づく貨幣処理が貨幣処理子機で可能となる。
本発明に係る第5の態様は、移動可能な貨幣処理子機と、該貨幣処理子機に貨幣処理データを送信する複数の貨幣処理親機と、前記貨幣処理子機が前記複数の貨幣処理親機のうちのいずれに近いかを判定する遠近判定手段と、を有し、前記貨幣処理子機は、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から近いと判定された近接側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる貨幣処理システムの前記貨幣処理親機であって、前記遠近判定手段によって前記貨幣処理子機に対し前記近接側の貨幣処理親機であると判定されると、貨幣処理データを、前記遠近判定手段によって前記貨幣処理子機から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から受信して前記貨幣処理子機に送信可能であることを特徴とする。
上記第5の態様によれば、貨幣処理親機として動作可能であり、貨幣処理子機に対し、近接側の貨幣処理親機となっている場合に、貨幣処理データを送信する。すると、貨幣処理子機は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、複数台の貨幣処理親機で一台の貨幣処理子機を共用する場合に、貨幣処理子機をいずれの貨幣処理親機からの貨幣処理データで動作させるかの制御が容易となる。また、貨幣処理子機に対し、近接側の貨幣処理親機となっている場合に、遠隔側の貨幣処理親機からの貨幣処理データを受信して貨幣処理子機に送信する。すると、貨幣処理子機は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、近接側の貨幣処理親機となっている場合に、遠隔側の貨幣処理親機からの貨幣処理データに基づく貨幣処理を貨幣処理子機に行わせることが可能となる。
本発明に係る第6の態様は、移動可能な貨幣処理子機と、該貨幣処理子機に貨幣処理データを送信する複数の貨幣処理親機と、前記貨幣処理子機が前記複数の貨幣処理親機のうちのいずれに近いかを判定する遠近判定手段と、を有し、前記貨幣処理子機は、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から近いと判定された近接側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる貨幣処理システムの前記貨幣処理親機であって、前記遠近判定手段によって前記貨幣処理子機から遠い遠隔側の貨幣処理親機と判定されることにより前記貨幣処理子機で受け付けられなかった貨幣処理データを、記憶手段に記憶し、前記遠近判定手段によって前記近接側の貨幣処理親機に変わったと判定されると前記記憶手段から読み出して前記貨幣処理子機に再送信することを特徴とする。
上記第6の態様によれば、貨幣処理親機として動作可能であり、貨幣処理子機に対し、近接側の貨幣処理親機となっている場合に、貨幣処理データを送信する。すると、貨幣処理子機は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、複数台の貨幣処理親機で一台の貨幣処理子機を共用する場合に、貨幣処理子機をいずれの貨幣処理親機からの貨幣処理データで動作させるかの制御が容易となる。また、貨幣処理子機に対し、遠隔側の貨幣処理親機となっている場合に、貨幣処理子機で受け付けられなかった貨幣処理データを、記憶手段に記憶し、遠近判定手段によって近接側の貨幣処理親機に変わったと判定されると、記憶手段から読み出して貨幣処理子機に再送信する。すると、貨幣処理子機は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、遠隔側の貨幣処理親機となっている場合に、貨幣処理子機に対し、貨幣処理子機の移動で近接側の貨幣処理親機に変えられることにより、その貨幣処理データに基づく貨幣処理を貨幣処理子機に行わせることが可能となる。
本発明に係る第7の態様は、移動可能な貨幣処理子機と、該貨幣処理子機に貨幣処理データを送信する複数の貨幣処理親機と、前記貨幣処理子機が前記複数の貨幣処理親機のうちのいずれに近いかを判定する遠近判定手段と、を有する貨幣処理システムの前記貨幣処理子機であって、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から近いと判定された近接側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となることを特徴とする。
上記第7の態様によれば、貨幣処理子機として動作可能であり、複数台の貨幣処理親機に対して、近接側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、複数台の貨幣処理親機で一台が共用される場合に、いずれの貨幣処理親機からの貨幣処理データで動作させられるのかの制御が容易となる。
本発明に係る第8の態様は、第7の態様において、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データを、記憶手段に記憶し、当該遠隔側の貨幣処理親機が、前記遠近判定手段によって前記近接側の貨幣処理親機に変わったと判定されると、前記記憶手段から読み出すことを特徴とする。
上記第8の態様によれば、遠隔側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理は可能にはならないものの、この貨幣処理データを記憶手段に記憶する。そして、移動させられることにより、遠隔側の貨幣処理親機が近接側の貨幣処理親機に変わると、記憶手段に記憶していた貨幣処理データを読み出し、これに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、移動させられることにより、遠隔側にあった貨幣処理親機に近接させられて、これが近接側の貨幣処理親機に変わることにより、当初遠隔側であった貨幣処理親機からの貨幣処理データに基づく貨幣処理が可能となる。
本発明に係る第9の態様は、移動可能な貨幣処理子機と、該貨幣処理子機に貨幣処理データを送信する複数の貨幣処理親機と、を有する貨幣処理システムを用いた貨幣処理方法であって、前記貨幣処理子機が前記複数の貨幣処理親機のうちのいずれに近いかを判定する遠近判定処理と、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定処理の判定結果から前記貨幣処理子機に近いと判定された近接側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて当該貨幣処理子機に貨幣処理とを行わせることを特徴とする。
上記第9の態様によれば、近接側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理子機に貨幣処理を行わせる。つまり、複数台の貨幣処理親機で一台の貨幣処理子機を共用する場合に、貨幣処理子機を近接側の貨幣処理親機からの貨幣処理データで動作させることになる。よって、複数台の貨幣処理親機で一台の貨幣処理子機を共用する場合に、貨幣処理子機をいずれの貨幣処理親機からの貨幣処理データで動作させるかの制御が容易となる。
本発明に係る第10の態様は、第9の態様において、前記近接側の貨幣処理親機によって、貨幣処理データを、前記遠近判定処理の判定結果から前記貨幣処理子機から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から受信させ、前記貨幣処理子機に送信させることを特徴とする。
上記第10の態様によれば、近接側の貨幣処理親機によって、貨幣処理データを、遠隔側の貨幣処理親機から受信させ、貨幣処理子機に送信させる。すると、貨幣処理子機は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、近接側の貨幣処理親機を用いれば、遠隔側の貨幣処理親機からの貨幣処理データに基づく貨幣処理が貨幣処理子機で可能となる。
本発明に係る第11の態様は、第9または第10の態様において、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定処理の判定結果から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データを、保留し、当該遠隔側の貨幣処理親機が、前記遠近判定処理によって前記近接側の貨幣処理親機に変わったと判定されると、処理可能とすることを特徴とする。
上記第11の態様によれば、遠隔側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データを、保留し、この遠隔側の貨幣処理親機が近接側の貨幣処理親機に変わると、処理可能とする。よって、貨幣処理子機を移動させ、遠隔側にあった貨幣処理親機に近接させて、これを近接側の貨幣処理親機に変えることにより、当初遠隔側であった貨幣処理親機からの貨幣処理データに基づく貨幣処理が貨幣処理子機で可能となる。
本発明によれば、複数台の貨幣処理親機で貨幣処理子機を共用する場合の制御を容易化することが可能な貨幣処理システム、貨幣処理親機、貨幣処理子機および貨幣処理方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る貨幣処理システムを示す構成図である。 本発明の実施形態に係る貨幣処理システムを示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る貨幣処理システムの現金管理装置を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る貨幣処理システムの現金管理装置を構成する束紙幣収納庫を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る貨幣処理システムの現金管理装置を構成する棒金収納庫を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る貨幣処理システムの在高の管理形態を説明するための図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る貨幣処理システムを図面を参照して以下に説明する。
第1実施形態に係る貨幣処理システム1は、銀行等の金融機関の店舗に設置されるものであり、図1に示すように、複数の出納機2と、現金管理装置4と、を有している。
現金管理装置4は、移動可能であって貨幣処理としての入庫および出庫が可能な貨幣入出庫装置として使用される。貨幣処理システム1は、図示は略すが、現金管理装置4から出庫された貨幣の受け渡し先および現金管理装置4に入庫される貨幣の受け渡し元となる貨幣処理機器を有している。ここで、現金管理装置4で入庫および出庫される貨幣の受け渡しの対象となる貨幣処理機器としては、顧客用の両替機や、テラー用の窓口機、顧客用の現金自動預払機等がある。
複数の出納機2は、それぞれ、金融機関等の店舗の建屋の例えば執務室のフロア上に位置固定となるように設置されるものであり、店舗全体の貨幣類の在高を管理すると共に、現金管理装置4の貨幣処理を制御する貨幣処理親機として動作可能になっている。出納機2は、貨幣の入出金処理が可能な貨幣処理装置であり、自身に収納している貨幣および小切手等の在高である機械在高を記憶している。この機械在高は、出納機2で行われる貨幣の入出金処理によって増減する。
各出納機2には、RFID等の非接触ICチップを搭載した図2に示すICタグ8が設けられている。ICタグ8には、他との識別のために個別に設定された出納機IDが記憶されている。複数の出納機2は、無線LANあるいは有線LAN等のネットワークで互いに接続されて通信可能となっている。
現金管理装置4は、フロアを走行移動可能であり、図示略の他の貨幣処理機器と共に出納機2によって在高が管理される下位機としての貨幣処理子機となっている。現金管理装置4は、貨幣の入出庫処理が可能な貨幣処理装置であり、貨幣および小切手等を取り出し可能に収納し自身に収納している貨幣および小切手等の在高を記憶している。この在高は、現金管理装置4における貨幣の入出庫処理によって増減する。現金管理装置4は、無線LANあるいは有線LAN等のネットワークで接続されて複数の出納機2のそれぞれと通信可能であり、その在高を複数の出納機2にネットワーク経由で送信可能となっている。
貨幣処理機器は、フロア上に設置されるものであり、貨幣の入出金の計数値から自身に収納している貨幣の在高を記憶している。この在高は、貨幣処理機器における貨幣の装填処理、補充処理、出金処理および回収処理等によって増減し、両替処理によって金種変更する。貨幣処理機器は、無線LANあるいは有線LANのネットワークで接続されて複数の出納機2のそれぞれと通信可能であり、在高を複数の出納機2にネットワーク経由で送信可能となっている。
現金管理装置4は、図3に示すように、箱型の現金管理装置本体11とこの現金管理装置本体11に上下方向に複数段具体的には5段設けられた収納庫12とを有している。これら収納庫12は、その左右側壁に設けられた図示略のスライドレールを介して現金管理装置本体11に対して水平前後方向にスライド開閉可能となっている。これら収納庫12は、現金管理装置本体11から引き出されて開状態となり、現金管理装置本体11に押し込まれて閉状態となる。すべての収納庫12が、このように前後方向にのみ所定範囲で移動可能となるように現金管理装置本体11に連結されている。これら収納庫12は、開状態で現金が出し入れ可能となる一方、閉状態では現金の出し入れが不可となる。現金管理装置4において収納庫12の引き出し方向の手前側の面が操作者側の装置前面となっている。
複数段の収納庫12のうち、最も上側のものは、予備収納庫12(a)となっており、結束されていないバラ紙幣、包装されていないバラ硬貨、汚損紙幣や汚損硬貨、新券、小切手等を収納する。また、残りの収納庫12は、上側2段が小束紙幣や大束紙幣を収納する束紙幣収納庫12(b)となっており、下側2段が棒金を収納する棒金収納庫12(c)となっている。勿論、収納庫12の全体の数や、そのうちの束紙幣収納庫12(b)および棒金収納庫12(c)の個々の数、レイアウト等は任意に設定可能であり、例えば、予備収納庫12(a)以外の全てを、束紙幣収納庫12(b)としたり、棒金収納庫12(c)としたり、上側2段を棒金収納庫12(c)とし下側2段を束紙幣収納庫12(b)とすることも勿論可能である。ただし、現金管理装置4は、人力によりフロア上を走行移動させられることから、予備収納庫12(a)を1段、束紙幣収納庫12(b)を2段、棒金収納庫12(c)を2段程度とするのが重量的に好ましい。
現金管理装置本体11の上部の装置後面側には、現金管理装置4を移動させる際に操作者により把持されるハンドルバー15が左右方向に延在して取り付けられている。現金管理装置本体11の上部には、ハンドルバー15よりも装置前面側に、揺動可能なタッチパネル式の管理装置操作表示部16が設けられており、管理装置操作表示部16よりも装置前面側に、管理装置カードリーダ17と、テンキーを含む着脱式の管理装置キー操作部18とが設けられている。管理装置操作表示部16は、操作者により操作入力が行われると共に操作者に表示を行うものであり、現金管理キー操作部18は、操作者により操作入力が行われるものである。管理装置カードリーダ17は操作者により通されたIDカードから記憶データを読み取るものである。
現金管理装置本体11の下部には、フロア上で転動するローラ37を有するキャスタ38が四隅位置に設けられている。すべてのキャスタ38は、ローラ37が鉛直軸を中心に水平旋回自在となっており、ローラ37が水平軸を中心に回転可能となっている。
現金管理装置本体11には、全ての収納庫12のそれぞれに対して、収納庫12を閉状態で個別にロックする図2に示す収納庫ロック機構22が設けられている。例えば、収納庫ロック機構22は、複数の収納庫12のそれぞれに設けられて収納庫12を現金管理装置本体11に閉状態で電磁的にロックする。図3に示すように、現金管理装置本体11には、複数の収納庫12のそれぞれの側方に、収納庫ロック機構22のロック解除時のみ点灯する表示灯23が設けられている。
現金管理装置本体11には、図2に示すように、管理装置操作表示部16、管理装置カードリーダ17、管理装置キー操作部18、収納庫ロック機構22および表示灯23に接続されてこれらを制御する管理装置制御部25と、収納しているバラ紙幣、バラ硬貨、棒金、小束紙幣および小切手等のそれぞれの数量情報および種類情報や処理関連のデータ等を記憶する管理装置記憶部26と、が設けられている。管理装置制御部25は、複数の収納庫ロック機構22のロックを個別に解除可能となっており、管理装置記憶部26を用いて複数の収納庫12の現金の収納量つまり在高を個別に管理する。
各収納庫12と現金管理装置本体11との間には、現金管理装置本体11に対する各収納庫12の引き出し位置を検出する引出位置検出機構35が設けられている。引出位置検出機構35は、各収納庫12が現金管理装置本体11に最も押し込まれた全閉位置にあること、および、収納庫12が現金管理装置本体11から最も引き出された全開位置にあることを含んで各収納庫12の引き出し位置を検出する。
図4に示すように、束紙幣収納庫12(b)は、結束された小束紙幣Tを入出庫可能に収納するもので、複数、具体的には前後に3つ配列された合成樹脂製の小束トレイ40を有している。小束紙幣Tは、単一金種の紙幣(貨幣)を所定枚数(100枚)集積し、規定位置に結束テープtを巻回して、この結束テープtを接着することで形成されるものである。各小束トレイ40には10束の小束紙幣Tが収納可能であり、10束の小束紙幣Tを結束した大束紙幣を収納することもできる。また、小束トレイ40の左スペースに後述する棒金トレイを前後に金種径に応じて4つまたは3つ備えるようにしてもよい。
各小束トレイ40は、上方に開口し下方に凹む形状をなすトレイ本体41と、トレイ本体41に、その後壁部42と平行を維持しつつ前後移動可能に設けられた札押さえ板43と、札押さえ板43を後壁部42に向けて付勢する図示略の付勢部材とを有している。各小束トレイ40には、小束紙幣Tが、その長辺方向を左右にし短辺方向を上下にし厚さ方向を前後にした立位状態で、上方から挿入されることになり、小束紙幣Tは、この立位状態のまま、底部に載置され、後壁部42と札押さえ板43とに挟持されて収納されることになる。各小束トレイ40に収納すべき設定金種を示す収納金種データは、予め設定されて管理装置記憶部26に記憶されることになる。
図5に示すように、棒金収納庫12(c)は、単一金種の硬貨(貨幣)が所定枚数(50枚)集積されて包装紙で包装されてなる棒金Bを入出庫可能に収納するもので、複数、具体的には、前後に金種径に応じて4つまたは3つ、左右に3列の合成樹脂製の棒金トレイ50を有している。
棒金トレイ50は、棒金Bが中心軸線を上下にした立位状態で収納されるものである。棒金トレイ50は、下方に凹む上方開口形状の棒金収納凹部51を構成している。棒金トレイ50の棒金収納凹部51には、例えば、合計10本の棒金Bが5本ずつセパレートで収納されるようになっている。棒金Bは、棒金収納凹部51に、その上部開口を介して上方から挿入されることになる。棒金収納凹部51に10本の棒金Bが収納されると、10本の棒金Bは棒金収納凹部51および他の棒金Bで支持されて中心軸線を鉛直配置した立位状態に維持される。ここで、最前列の棒金トレイ50は、端数用となっており、棒金Bの転倒防止用の複数の補助棒52が立設されていて、収納本数が不足した状態でも棒金Bを倒さずに収納可能となっている。各棒金トレイ50に収納すべき設定金種を示す収納金種データは、予め設定されて管理装置記憶部26に記憶されることになる。
現金管理装置本体11の各束紙幣収納庫12(b)が挿入される部分の上部の前端部には、束紙幣収納庫12(b)の左右2列の小束トレイ40のそれぞれの上方近接位置に、束紙幣収納庫12(b)に収納された小束紙幣Tの左端位置を検出する図2に示す左端検出ラインセンサ61、小束紙幣Tの左側に結束テープtつまり帯がある場合にこれを検出する左側帯検出ラインセンサ62、小束紙幣Tの右側に結束テープtがある場合にこれを検出する右側帯検出ラインセンサ63および小束紙幣Tの右端位置を検出する右端検出ラインセンサ64が、それぞれ検出素子を左右方向に並べた状態で固定されている。
束紙幣収納庫12(b)が最も現金管理装置本体11から引き出されて図示略の前端位置ストッパに当接し停止する前端位置から最も現金管理装置本体11に押し込まれて図示略の後端位置ストッパに当接し停止する後端位置まで移動すると、左端検出ラインセンサ61、左側帯検出ラインセンサ62、右側帯検出ラインセンサ63および右端検出ラインセンサ64が、この束紙幣収納庫12(b)に収納された小束紙幣Tの上端部の反射光データを取得することになる。
管理装置制御部25は、引出位置検出機構35の検出結果と、左端検出ラインセンサ61、左側帯検出ラインセンサ62、右側帯検出ラインセンサ63および右端検出ラインセンサ64の検出結果とに基づいて束紙幣収納庫12(b)内の小束紙幣Tの数量および金種を取得する。すなわち、管理装置制御部25は、左側帯検出ラインセンサ62および右側帯検出ラインセンサ63の検出結果から帯の数つまり束数を取得し、左端検出ラインセンサ61および右端検出ラインセンサ64の検出結果から長さつまり金種を取得する。このようにして、管理装置制御部25は、各束紙幣収納庫12(b)内の小束紙幣Tの各金種別の束数、合計金額等の在高を管理する。
棒金トレイ50の各棒金収納位置の底部には、棒金Bの有無および材質を検出する磁気センサからなる棒金検出センサ68がそれぞれ設けられている。管理装置制御部25は、各棒金検出センサ68の検出結果から、棒金収納庫12(c)内の棒金Bの数量および金種を取得する。このようにして、管理装置制御部25は、各棒金収納庫12(c)内の棒金Bの各金種別の本数、合計金額等の在高を管理する。
管理装置制御部25は、予備収納庫12(a)の在高については、予備収納庫12(a)へのバラ紙幣、バラ硬貨、小切手等の入出庫処理を含む入出取引の際に、管理装置操作表示部16を介して入力される、バラ紙幣の入庫数、バラ紙幣の出庫数、バラ硬貨の入庫数およびバラ硬貨の出庫数等に基づいて在高を管理する。
また、現金管理装置本体11には、全ての収納庫12のそれぞれに対して、収納庫12を閉状態で個別にロックする上記した収納庫ロック機構22が設けられている。各収納庫ロック機構22は、それぞれ、給電されるとロックを解除して対応する収納庫12を引き出し可能とし開作動を許容する状態となる。また、各収納庫ロック機構22は、それぞれ、対応する収納庫12の引き出し後に給電が停止されることになり、その後は、対応する収納庫12が全閉位置に戻されると収納庫12を引き出し不可に自動的かつ機械的にロックする。
現金管理装置4には、出納機2のICタグ8に対して、所定距離を越えて離れると通信不可であり、所定距離内に近接すると通信可能となって、通信可能なICタグ8から記憶情報である出納機IDを読み出すタグリーダ70が設けられている。つまり、タグリーダ70は近距離無線通信でICタグ8から出納機IDを読み出す。なお、ICタグ8は、必ずしも出納機2の装置自体に付着しなくてもよく、出納機2の設置位置付近の床面等に配置するようにしてもよい。また、ICタグ8とタグリーダ70との代わりに、出納機IDを含むバーコードと当該バーコードを読み取り可能なバーコードリーダとを用いることもできる。
現金管理装置4は、操作者が、例えば、他の貨幣処理機器に現金を装填したり補充したり、他の貨幣処理機器から現金を回収したり、顧客に現金を出金したり、顧客から預かった現金を収納したりする際等に使用される。つまり、現金管理装置4は、操作者が、バラ硬貨、バラ紙幣、棒金Bおよび小束紙幣Tのうちの少なくともいずれか一つを現金管理装置4から取り出す出庫時、現金管理装置4にバラ硬貨、バラ紙幣、棒金Bおよび小束紙幣Tのうちの少なくともいずれか一つを収納する入庫時、および入庫と出庫とを同時並行で行う入庫・出庫時のいずれかからなる入出取引時に使用される。
現金管理装置4で、入出取引を行う場合、入出取引の開始にあたって、管理装置カードリーダ17にIDカードが通されると、管理装置カードリーダ17にはIDカードから操作者IDが入力され、管理装置カードリーダ17は、この操作者IDを管理装置制御部25に出力する。すると、管理装置制御部25が、入力された操作者IDが管理装置記憶部26に記憶された管理装置操作者IDリストにあって適正であるか、管理装置操作者IDリストになく適正でないかを判定する。入力された操作者IDが適正であると、この操作者IDを認証することになり、この場合、管理装置制御部25は、入出取引のデータ入力を促す表示を、管理装置操作表示部16に表示させる。これを見た操作者によって管理装置操作表示部16にデータ入力が行われて最後に管理装置操作表示部16に完了操作が入力されると、管理装置制御部25は、この入出取引の貨幣処理データを管理装置記憶部26に記憶させる。現金管理装置4におけるID認証として、磁気カードやICカード等のIDカードから操作者IDを入力させる以外にも、種々の認証手段を採用することができ、操作者の指紋あるいは静脈等の生体情報を用いた認証手段であってもよいし、これらを併用してもよい。
そして、管理装置制御部25は、この入出取引にて入力された貨幣処理データを管理装置操作表示部16に表示させると共に、この入出取引にて入力された貨幣処理データに基づいて、予備収納庫12(a)、全ての束紙幣収納庫12(b)および全ての棒金収納庫12(c)の中から、この入出取引にて、貨幣処理として現金が入出庫される対象収納庫12をロックしている収納庫ロック機構22のロックを解除して、対象収納庫12を現金管理装置本体11から引き出し可能とする。
例えば、この入出取引にて入力された貨幣処理データに、バラ紙幣およびバラ硬貨の少なくともいずれか一方に関するものが含まれる場合、管理装置制御部25は、予備収納庫12(a)を対象収納庫12とし、この予備収納庫12(a)をロックしている収納庫ロック機構22のロックを解除する。これにより、この予備収納庫12(a)が現金管理装置本体11から引き出し可能となる。それと共に、管理装置制御部25は、この予備収納庫12(a)用のその側方にある表示灯23を点灯させる。
また、例えば、この入出取引にて入力された貨幣処理データに、小束紙幣Tに関するものが含まれる場合、管理装置制御部25は、含まれる金種の小束紙幣Tを収納している束紙幣収納庫12(b)を対象収納庫12とし、この束紙幣収納庫12(b)をロックしている収納庫ロック機構22のロックを解除する。これにより、この束紙幣収納庫12(b)が現金管理装置本体11から引き出し可能となる。それと共に、管理装置制御部25は、この束紙幣収納庫12(b)用のその側方にある表示灯23を点灯させる。
また、例えば、この入出取引にて入力された貨幣処理データに、棒金Bに関するものが含まれる場合、管理装置制御部25は、含まれる金種の棒金Bを収納している棒金収納庫12(c)を対象収納庫12とし、この棒金収納庫12(c)をロックしている収納庫ロック機構22のロックを解除する。これにより、この棒金収納庫12(c)が現金管理装置本体11から引き出し可能となる。それと共に、管理装置制御部25は、この棒金収納庫12(c)用のその側方にある表示灯23を点灯させる。
操作者は、対象収納庫12を引き出し開状態として、貨幣処理データに基づいて現金を取り出したり装填したりする入出庫作業を行う。
例えば、対象収納庫12が一の束紙幣収納庫12(b)である場合、管理装置制御部25は、この一の束紙幣収納庫12(b)をロックしている収納庫ロック機構22を駆動してロックを解除すると共に、この一の束紙幣収納庫12(b)用の表示灯23を点灯させることになる。そして、この一の束紙幣収納庫12(b)の現金管理装置本体11からの引き出しが開始されたことを引出位置検出機構35の検出結果から検出すると、この一の束紙幣収納庫12(b)用の収納庫ロック機構22の駆動を終了する。
その後、引出位置検出機構35が、この一の束紙幣収納庫12(b)について、全開状態になったことを検出した後、閉方向の移動開始を検出すると、管理装置制御部25は、この一の束紙幣収納庫12(b)に対して設けられた左端検出ラインセンサ61、左側帯検出ラインセンサ62、右側帯検出ラインセンサ63および右端検出ラインセンサ64について、これらに給電してこれらによる反射光データの取り込みを開始させる。そして、引出位置検出機構35がこの一の束紙幣収納庫12(b)が全閉鎖状態になったことを検出すると、管理装置制御部25は、反射光データの取り込みを終了させると共に、この一の束紙幣収納庫12(b)用の表示灯23を消灯させる。この一の束紙幣収納庫12(b)が全閉鎖状態になると、この一の束紙幣収納庫12(b)用の収納庫ロック機構22がこれを自動的にロック状態になる。
そして、管理装置制御部25は、上記した反射光データから、この一の束紙幣収納庫12(b)に収納された小束紙幣Tの金種別の数量データを取得して管理装置記憶部26に記憶させると共に、この金種別の数量データと、管理装置記憶部26に記憶されている前回のこの一の束紙幣収納庫12(b)の金種別の数量データとから、増減分を割り出す。そして、管理装置制御部25は、この増減分を、今回の入出取引に対して入力された貨幣処理データと照合して差異があるか否かを判定し、差異がなければ、今回の入出取引の終了を判定する。
また、対象収納庫12が一の棒金収納庫12(c)である場合、管理装置制御部25は、この一の棒金収納庫12(c)について、引出位置検出機構35が、全開状態になったことを検出した後、全閉鎖状態になったことを検出すると、この一の棒金収納庫12(c)用の表示灯23を消灯させると共に、この一の棒金収納庫12(c)に対して設けられた棒金検出センサ68に磁気データを取得させる。
そして、管理装置制御部25は、上記した磁気データから、この一の棒金収納庫12(c)に収納された棒金Bの金種別の数量データを取得して管理装置記憶部26に記憶させると共に、この金種別の数量データと、管理装置記憶部26に記憶されている前回のこの一の棒金収納庫12(c)の金種別の数量データとから、増減分を割り出す。そして、管理装置制御部25は、この増減分を、今回の入出取引に対して入力された貨幣処理データと照合して差異があるか否かを判定し、差異がなければ、今回の入出取引の終了を判定する。
図1に示す出納機2は、被管理物のうちの紙幣、硬貨および金券等の貨幣類を取り扱うもので、金融機関等の店舗に設置されて店舗全体の貨幣処理を管理するものである。出納機2は、例えば、大口顧客に対する係員による入金、出金等の取引処理、係員による渉外先への持ち出し金の出金処理や、渉外先からの持ち帰り金の入金処理、さらには、営業終了後の金融機関店舗全体での入出金状況の締め上げ管理等を行うものである。
出納機2は、紙幣についての入出金処理等を行う紙幣処理装置155と、紙幣の特に新券についての出金処理等を行う新券処理装置156と、硬貨についての入出金処理等を行う硬貨処理装置157とが左右に並設されて構成されている。
紙幣処理装置155は、その前面側の上部に、機外からバラ紙幣が投入されると共に機内から出金用のバラ紙幣が繰り出されるバラ紙幣入出金口160が設けられている。バラ紙幣入出金口160の下側には、入金処理で受け付け不可と判定された入金リジェクト紙幣が機内から繰り出される入金リジェクト口161が設けられている。バラ紙幣入出金口160よりも上側には、機内でバラ紙幣を所定枚数集積して結束してなる小束紙幣を機外に取り出し可能とする束出金口162が設けられている。
新券処理装置156には、その前面側の上部に、機内から出金用の新券のバラ紙幣が繰り出される新券出金口165が設けられている。
硬貨処理装置157は、その前面側の上部に、機外からバラ硬貨が投入されるバラ硬貨入金口168が設けられている。バラ硬貨入金口168の下側には、入金処理で受け付け不可と判定された入金リジェクト硬貨が機内から繰り出される入金リジェクト口169が設けられている。入金リジェクト口169の下側には、機内から出金用のバラ硬貨が繰り出されるバラ硬貨出金口170が設けられている。前面側の上部には、機内でバラ硬貨を所定枚数集積して包装してなる棒金硬貨を機外に取り出し可能とする棒金出金口171が設けられている。
出納機2は、硬貨処理装置157の上部に、タッチパネル式の出納機操作表示部175と、出納機キー操作部181と、出納機カードリーダ182とを有している。出納機操作表示部175は、操作者により操作入力が行われると共に操作者に表示を行うものであり、出納機キー操作部181は、操作者により操作入力が行われるものであり、出納機カードリーダ182は操作者により通されたIDカードの記憶データを読み取るものである。出納機2は、図2に示すように、出納機2の各部を制御する出納機制御部177と、出納機2内の在高データおよび店舗内の在高データ等を記憶する出納機記憶部179(記憶手段)とを有している。
複数の出納機2は、それぞれの出納機制御部177が、管理対象とする現金管理装置4の管理装置制御部25とネットワーク経由で通信可能であり、管理対象とする図示略の他の貨幣処理機器とネットワーク経由で通信可能である。
出納機2は、その出納機制御部177が、管理在高として、これが設けられた出納機2の機械在高を出納機記憶部179に記憶させており、この機械在高を管理する。また、出納機2は、その出納機制御部177が、管理在高として、他の出納機2の機械在高を出納機記憶部179に記憶させており、この機械在高を管理する。また、出納機2は、その出納機制御部177が、管理在高として、管理対象とする現金管理装置4の各別の在高と、管理対象とする他の貨幣処理機器の各別の在高と、を出納機記憶部179に記憶させており、これらの在高を管理する。出納機制御部177は、各出納機2の機械在高と現金管理装置4の在高と貨幣処理機器の在高とを区別しつつ関連データとして管理する。これにより、複数の出納機2は、それぞれが、店舗内のすべての貨幣類の在高を管理するようになっている。これにより、各出納機2は、店舗内のすべての管理対象機器の貨幣類の在高データを一元管理するようになっている。
各出納機2において、現金管理装置4用の入出取引の貨幣処理データを作成可能となっている。一の出納機2において、現金管理装置4用の入出取引の貨幣処理データは以下のように作成される。
まず、出納機カードリーダ182にIDカードが通されると、出納機カードリーダ182にはIDカードから操作者IDが入力されることになり、出納機カードリーダ182は、この操作者IDを出納機制御部177に出力する。すると、出納機制御部177が、入力された操作者IDが出納機記憶部179に記憶された出納機操作者IDリストにあって適正であるか、出納機操作者IDリストになく適正でないかを判定する。入力された操作者IDが適正であると、この操作者IDを認証し、その場合、出納機操作表示部175に現金管理装置の入出取引のメニューを表示させる。
この入出取引のメニューが選択されると、出納機制御部177は、入出取引のデータ入力を促す表示を、出納機操作表示部175に表示させる。これを見た操作者によって出納機操作表示部175にデータ入力が行われると、出納機制御部177は、この入出取引の貨幣処理データを、これに関連して入力された操作者IDつまりデータ入力者の操作者IDと入力が行われたこの出納機2の出納機IDとを含めて、出納機記憶部179に記憶させると共に、出納機操作表示部175に送信操作が行われると、この入出取引の貨幣処理データを現金管理装置4の管理装置制御部25にネットワーク経由で送信する。つまり、出納機2が現金管理装置4に貨幣処理データを出力する。出納機2におけるID認証も、IDカードから操作者IDを入力させる以外の種々の認証手段を採用することができる。
ここからは、具体例として、第1実施形態の貨幣処理システム1が、出納機2として二台の出納機2のみを有し、現金管理装置4としてこれらに共用される一台の現金管理装置4のみを有する場合を説明する。なお、貨幣処理システム1は、複数台の出納機2と、これらに共用される少なくとも一台の現金管理装置4とを有するものであれば良い。
二台の出納機2を、第1の出納機2および第2の出納機2として区別する。第1の出納機2には、第1のICタグ8が設けられており、第1のICタグ8には、他との識別のために第1の出納機2に個別に設定された第1の出納機IDが記憶されている。第2の出納機2には、第2のICタグ8が設けられており、第2のICタグ8には、他との識別のために第2の出納機2に個別に設定された第2の出納機IDが記憶されている。
例えば、第1の出納機2および第2の出納機2は、いずれも、店舗内にある第1の出納機2、第2の出納機2、現金管理装置4、図示略の他の貨幣処理機器および共有金庫の在高を管理する。図6に示すように、店舗全体の管理在高は、大きくは、第1の出納機2が主体で管理する第1の出納機2の管理在高と、第2の出納機2が主体で管理する第2の出納機2の管理在高と、第1の出納機2と第2の出納機2とに共有の管理在高とに分けられる。第1の出納機2の管理在高には第1の出納機2の機械在高が含まれ、第2の出納機2の管理在高には第2の出納機2の機械在高が含まれる。また、第1の出納機2と第2の出納機2とに共有の管理在高には、共有手許在高と、共有金庫の在高が含まれる。第1の出納機2と第2の出納機2とで共用される現金管理装置4の在高は、他の貨幣処理機器の在高と同様、共有手許在高に含まれる。
移動可能である現金管理装置4に対して、第1の出納機2および第2の出納機2は、店舗の建屋に設置されており、基本的には位置固定となっている。必要に応じて、操作者は、現金管理装置4を、例えば取扱いの多い出納機2の近くに適宜移動させて使用することができる。現金管理装置4に設けられたタグリーダ70は、第1のICタグ8および第2のICタグ8のそれぞれに対して、所定距離を越えて離れると通信不可であり、所定距離内に近接すると通信可能となって、通信可能なものから出納機IDを読み出す。
第1の出納機2および第2の出納機2は、同一店舗内に離れて設置されており、現金管理装置4に設けられたタグリーダ70は、第1のICタグ8および第2のICタグ8の両方と同時に通信することは距離的に不可能となっている。タグリーダ70と第1のICタグ8および第2のICタグ8との近距離無線通信とは別に、第1の出納機2および第2の出納機2は、互いの出納機制御部177同士がネットワーク経由で常時通信可能であり、現金管理装置4の管理装置制御部25に対してもネットワーク経由で常時通信可能となっている。第1の出納機2および第2の出納機2は、それぞれの出納機制御部177が、当該出納機2に設けられた出納機操作表示部175に送信操作が行われると、上記した入出取引の貨幣処理データを現金管理装置4の管理装置制御部25にネットワーク経由で送信する。
現金管理装置4の管理装置制御部25は、タグリーダ70が、第1の出納機2の第1のICタグ8と通信可能であって、第2の出納機2の第2のICタグ8と通信不可であると、現金管理装置4が第1の出納機2に近く、第2の出納機2から遠いと判定する。また、現金管理装置4の管理装置制御部25は、タグリーダ70が、第2の出納機2の第2のICタグ8と通信可能であって、第1の出納機2の第1のICタグ8と通信不可であると、現金管理装置4が第2の出納機2に近く、第1の出納機2から遠いと判定する。つまり、タグリーダ70、第1のICタグ8、第2のICタグ8および管理装置制御部25が、現金管理装置4が二台の第1の出納機2および第2の出納機2のうちのいずれに近いかを判定する遠近判定処理を行う遠近判定手段を構成する。
ここで、例えば出納機2が三台以上ある場合に、現金管理装置4の管理装置制御部25は、タグリーダ70が通信可能であるICタグ8を有する一台の出納機2に最も近く、タグリーダ70が通信不可であるICタグ8を有する残りの複数台の出納機2から遠いと判定する。つまり、現金管理装置4の管理装置制御部25は、現金管理装置4が三台以上の出納機2のうちのいずれに最も近いかを判定する。
現金管理装置4の管理装置制御部25は、第1の出納機2の出納機制御部177から、データ入力者の操作者IDおよび第1の出納機IDを含む入出取引の貨幣処理データがネットワーク経由で送信されると、タグリーダ70を駆動してICタグ8と通信させる。管理装置制御部25は、タグリーダ70がICタグ8から第1の出納機IDを読み出すと、タグリーダ70が第1のICタグ8と通信したと判定し、現金管理装置4が貨幣処理データの送信元の第1の出納機2に近いと判定する。このとき、上記のように距離的にタグリーダ70がICタグ8から第2の出納機IDを読み出すことはなく、現金管理装置4が貨幣処理データの送信元ではない第2の出納機2からは遠いと判定する。
このように貨幣処理データの送信元の第1の出納機2に現金管理装置4が近いと判定すると、現金管理装置4の管理装置制御部25は、第1の出納機2の出納機制御部177からネットワーク経由で送信された、データ入力者の操作者IDおよび第1の出納機IDを含む貨幣処理データを受け付ける。すると、管理装置制御部25は、この貨幣処理データの表示と共に、完了操作の入力を促す表示を管理装置操作表示部16に表示させ、完了操作が入力されると、この貨幣処理データを管理装置記憶部26に記憶させる。以後、管理装置制御部25は、この貨幣処理データに基づいて、上記と同様に貨幣の取り出しおよび収納が可能になり、この入出取引の終了を判定するまでの入出取引が可能となる。その際に、管理装置制御部25は、管理装置カードリーダ17でのIDカードの認証を不要とする。
ここで、上記の完了操作の入力前に、管理装置カードリーダ17でのIDカードの認証を必要としても良い。例えば、IDカードが通されることによって管理装置カードリーダ17にIDカードから入力された操作者IDが、第1の出納機2の出納機制御部177からネットワーク経由で送信された上記の貨幣処理データに含まれる操作者IDと一致して適正であるか、一致せず適正でないかを判定するようにしても良い。そして、入力された操作者IDが適正であってこの操作者IDを認証した場合に、完了操作の入力が可能となるようにする。つまり、第1の出納機2での貨幣処理データの作成時に認証された操作者IDが、現金管理装置4で認証された場合に限り、完了操作の入力を可能とする。
あるいは、上記の完了操作の入力前に、管理装置カードリーダ17にIDカードから入力された操作者IDが、管理装置記憶部26に記憶された管理装置操作者IDリストにあって適正であるか、管理装置操作者IDリストになく適正でないかを判定し、入力された操作者IDが適正であってこの操作者IDを認証した場合に、完了操作の入力が可能となるようにしても良い。第1の出納機2での貨幣処理データの作成時に認証された操作者IDとは無関係に、現金管理装置4の入出取引が可能な操作者IDが現金管理装置4で認証された場合に限り、完了操作の入力を可能とする。この場合、管理装置操作者IDリストに、受け付けた入出取引の貨幣処理データに含まれるデータ入力者の操作者IDの操作者よりも上席の操作者のみを記載しても良い。
一方、現金管理装置4の管理装置制御部25は、上記のように第1の出納機2の出納機制御部177からの第1の出納機IDを含む貨幣処理データのネットワーク経由での送信に基づいてタグリーダ70を駆動した際に、タグリーダ70がICタグ8から第2の出納機IDを読み出すと、タグリーダ70が第2のICタグ8と通信したと判定し、現金管理装置4が貨幣処理データの送信元ではない第2の出納機2に近いと判定する。このとき、上記のように距離的にタグリーダ70がICタグ8から第1の出納機IDを読み出すことはなく、現金管理装置4が貨幣処理データの送信元の第1の出納機2からは遠いと判定する。
このように貨幣処理データの送信元の第1の出納機2から現金管理装置4が遠いと判定すると、現金管理装置4の管理装置制御部25は、第1の出納機2の出納機制御部177からネットワーク経由で送信された貨幣処理データを受け付けない。よって、現金管理装置4は、この貨幣処理データに基づく入出取引が不可となる。
現金管理装置4の管理装置制御部25は、第2の出納機2から第2の出納機IDを含む貨幣処理データがネットワーク経由で送信された場合も、上記と同様に、タグリーダ70がICタグ8から第2の出納機IDを読み出した場合に、タグリーダ70が第2のICタグ8と通信したと判定し、現金管理装置4が貨幣処理データの送信元の第2の出納機2に近く、貨幣処理データの送信元ではない第1の出納機2から遠いと判定する。
このように貨幣処理データの送信元の第2の出納機2に現金管理装置4が近いと判定すると、現金管理装置4の管理装置制御部25は、第2の出納機2からネットワーク経由で送信された貨幣処理データを受け付けて、この貨幣処理データに基づく入出取引が可能となる。
一方、現金管理装置4の管理装置制御部25は、第2の出納機2からの第2の出納機IDを含む貨幣処理データのネットワーク経由での送信に基づいてタグリーダ70がICタグ8から第1の出納機IDを読み出すと、タグリーダ70が第1のICタグ8と通信したと判定し、現金管理装置4が貨幣処理データの送信元ではない第1の出納機2に近く、貨幣処理データの送信元である第2の出納機2からは遠いと判定する。
このように貨幣処理データの送信元の第2の出納機2から現金管理装置4が遠いと判定すると、現金管理装置4の管理装置制御部25は、第2の出納機2からネットワーク経由で送信された貨幣処理データを受け付けない。よって、現金管理装置4は、この貨幣処理データに基づく入出取引が不可となる。
以上により、現金管理装置4は、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果から、第1の出納機2および第2の出納機2のうち、近いと判定された近接側の出納機2からネットワーク経由で送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。また、現金管理装置4は、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果から、第1の出納機2および第2の出納機2のうち、遠いと判定された遠隔側の出納機2からネットワーク経由で送信された貨幣処理データを受け付けない。
ここで、上記のように、第1の出納機2から貨幣処理データが現金管理装置4にネットワーク経由で送信される場合に、現金管理装置4の管理装置制御部25が、現金管理装置4が貨幣処理データの送信元ではない第2の出納機2に近く、貨幣処理データの送信元の第1の出納機2から遠いと判定すると、第1の出納機2および第2の出納機2のそれぞれの出納機制御部177にネットワーク経由で遠近関係が不適正である旨の信号を出力する。すると、第1の出納機2および第2の出納機2のそれぞれの出納機操作表示部175に遠近関係が不適正である旨のエラー表示を表示させる。それと共に、貨幣処理データの送信元である第1の出納機2において、出納機制御部177が出納機記憶部179に、この貨幣処理データを受付不可の貨幣処理データとして記憶して保留する。つまり、現金管理装置4に対し遠隔側の第1の出納機2は、送信しても現金管理装置4で受け付けられなかった貨幣処理データを、受付不可の貨幣処理データとして管理装置記憶部26に記憶して保留する。
そして、第1実施形態においては、現金管理装置4に近い近接側の第2の出納機2によって、現金管理装置4から遠い遠隔側の第1の出納機2からの貨幣処理データをネットワーク経由で受信してネットワーク経由で現金管理装置4に送信可能となっている。
つまり、第2の出納機2において、出納機カードリーダ182にIDカードが通されると、出納機カードリーダ182にはIDカードから操作者IDが入力されることになり、出納機カードリーダ182は、この操作者IDを出納機制御部177に出力する。すると、出納機制御部177が、入力された操作者IDが出納機記憶部179に記憶された出納機操作者IDリストにあって適正であるか、出納機操作者IDリストになく適正でないかを判定する。入力された操作者IDが適正であると、この操作者IDを認証し、その場合、出納機操作表示部175に貨幣処理データの代理送信のメニューを表示させる。
この代理送信のメニューが選択されると、第2の出納機2の出納機制御部177は、第1の出納機2の出納機制御部177に対し、この認証した操作者IDを含んでいて現金管理装置4によって受け付けられなかった受付不可の貨幣処理データの送信を指示する送信指示信号をネットワーク経由で送信する。すると、第1の出納機2の出納機制御部177は、この操作者IDを含んでいて現金管理装置4によって受け付けられなかった受付不可の貨幣処理データをネットワーク経由で第2の出納機2の出納機制御部177に送信する。
ここで、この操作者IDを含んでいて現金管理装置4によって受け付けられなかった受付不可の貨幣処理データが複数ある場合には、第1の出納機2の出納機制御部177は、これらの貨幣処理データを第2の出納機2の出納機制御部177に送信する。すると、これらの貨幣処理データを、第2の出納機2において、出納機制御部177が出納機操作表示部175にリスト表示させ、その中から選択操作された一つの貨幣処理データを受付不可の貨幣処理データとする。
第2の出納機2において、出納機制御部177は、上記した受付不可の貨幣処理データを、認証した操作者IDを含んで出納機記憶部179に記憶させると共に、現金管理装置4にネットワーク経由で送信する。すると、現金管理装置4の管理装置制御部25は、このように近接側の第2の出納機2からネットワーク経由で送信された貨幣処理データについては、これを受け付けることになる。このため、現金管理装置4は、この貨幣処理データに基づく入出取引が可能となる。このように貨幣処理データが現金管理装置4に受け付けられると、第2の出納機2の出納機制御部177は、その旨の信号を第1の出納機2の出納機制御部177にネットワーク経由で送信し、第1の出納機2の出納機制御部177は、第2の出納機2で現金管理装置4に受け付けさせた上記の受付不可の貨幣処理データを受付完了の貨幣処理データとする。
以上により、現金管理装置4に対し、近接側の第2の出納機2が、貨幣処理データを遠隔側の第1の出納機2から受信して現金管理装置4にネットワーク経由で送信可能であり、現金管理装置4は、このように遠隔側の第1の出納機2から近接側の第2の出納機2を経由して受信した貨幣処理データに基づく入出取引が可能となる。言い換えれば、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果から、第2の出納機2が、現金管理装置4に対し近接側の出納機2であると判定されると、貨幣処理データを、現金管理装置4から遠い遠隔側の出納機2であると判定された第1の出納機2からネットワーク経由で受信して現金管理装置4に送信可能になっている。
また、上記のように、遠隔側の第1の出納機2が、現金管理装置4で受け付けられなかった貨幣処理データを受付不可の貨幣処理データとして出納機記憶部179に記憶して保留し、これが受付完了の貨幣処理データとならない状態で、現金管理装置4のタグリーダ70が、第2のICタグ8との通信が不可能になり、第1のICタグ8と通信して第1の出納機IDを読み込み可能な状態に変わることがある。つまり、現金管理装置4が貨幣処理データの送信元の第1の出納機2に対し、遠い状態から近い状態に変わることがある。すると、現金管理装置4の管理装置制御部25は、第1の出納機2の出納機制御部177にネットワーク経由で遠近関係が適正である旨の信号を出力する。すると、第1の出納機2の出納機制御部177は、出納機記憶部179に記憶し保留していた、第1の出納機IDを含む受付不可の貨幣処理データを読み出して現金管理装置4にネットワーク経由で再送信する。すると、現金管理装置4の管理装置制御部25は、この貨幣処理データを受け付けて、この貨幣処理データに基づく入出取引が可能となる。このように貨幣処理データが現金管理装置4に受け付けられると、第1の出納機2の出納機制御部177は、この受付不可の貨幣処理データを受付完了の貨幣処理データとする。なお、セキュリティの観点から、貨幣処理データの再送信に先立って、操作者の認証を追加してもよい。例えば、第1の出納機2の出納機制御部177は、現金管理装置4の管理装置制御部25から遠近関係が適正である旨の信号を受信したときに、出納機カードリーダ182において操作者IDを認証して、再送信のメニューが選択されると、この認証した操作者IDを含んでいて現金管理装置4によって受け付けられなかった受付不可の貨幣処理データを出納機記憶部179から読み出して現金管理装置4に再送信する。または、現金管理装置4を移動させる前に管理装置カードリーダ17での操作者IDの認証(移動認証)を追加し、この移動認証を行わずに現金管理装置4を移動させると、不正な移動としてアラーム等で報知するようにする。移動認証が行われると、現金管理装置4は移動中の状態となり、他の出納機2のICタグ8を読み取り可能になったとき、または、中断キーの押下あるいはタイムアウト等で移動中の状態を解除する。例えば、現金管理装置4は、移動中の状態から第1の出納機2のICタグ8が読み取り可能になると、第1の出納機2の出納機制御部177に遠近関係が適正である旨の信号と移動認証を行った操作者IDとを出力する。第1の出納機2の出納機制御部177は、この移動認証を行った操作者IDを含んでいて現金管理装置4によって受け付けられなかった受付不可の貨幣処理データを出納機記憶部179から読み出して現金管理装置4に再送信する。
以上により、現金管理装置4に対し遠隔側の第1の出納機2は、現金管理装置4で受け付けられなかった貨幣処理データを、出納機記憶部179に記憶して保留し、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果から、近接側の出納機2に変わったと判定されると出納機記憶部179から読み出して現金管理装置4にネットワーク経由で再送信する。
第2の出納機2から貨幣処理データが現金管理装置4にネットワーク経由で送信される場合に、現金管理装置4の管理装置制御部25が、現金管理装置4が貨幣処理データの送信元ではない第1の出納機2に近く、貨幣処理データの送信元の第2の出納機2から遠いと判定すると、第1の出納機2および第2の出納機2のそれぞれの出納機制御部177にネットワーク経由で遠近関係が不適正である旨の信号を出力する。すると、上記と同様に、貨幣処理データの送信元である第2の出納機2において、出納機制御部177が出納機記憶部179に、この貨幣処理データを受付不可の貨幣処理データとして記憶して保留する。
このときも、上記と同様に、現金管理装置4に近い近接側の第1の出納機2によって、現金管理装置4から遠い遠隔側の第2の出納機2からの貨幣処理データをネットワーク経由で受信してネットワーク経由で現金管理装置4に送信可能となっている。
つまり、第1の出納機2において、操作者IDを認証して、代理送信のメニューが選択されると、第2の出納機2に対し、この認証した操作者IDを含んでいて現金管理装置4によって受け付けられなかった受付不可の貨幣処理データの送信を指示する。すると、第2の出納機2は、この認証した操作者IDを含んでいて現金管理装置4によって受け付けられなかった受付不可の貨幣処理データをネットワーク経由で第1の出納機2に送信する。
第1の出納機2において、この受付不可の貨幣処理データを受信すると、この貨幣処理データを、認証した操作者IDを含んで出納機記憶部179に記憶させると共に、現金管理装置4にネットワーク経由で送信する。すると、現金管理装置4は、このように第2の出納機2から第1の出納機2経由で送信された貨幣処理データを受け付けて、この貨幣処理データに基づく入出取引が可能となる。このように貨幣処理データが現金管理装置4に受け付けられると、第2の出納機2はこの受付不可の貨幣処理データを受付完了の貨幣処理データとする。
以上により、現金管理装置4に対し、近接側の第1の出納機2が、貨幣処理データを遠隔側の第2の出納機2から受信して現金管理装置4にネットワーク経由で送信可能であり、現金管理装置4は、このように遠隔側の第2の出納機2から近接側の第1の出納機2を経由して受信した貨幣処理データに基づく入出取引が可能となる。言い換えれば、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果から、第1の出納機2が、現金管理装置4に対し近接側の出納機2であると判定されると、貨幣処理データを、現金管理装置4から遠い遠隔側の出納機2であると判定された第2の出納機2からネットワーク経由で受信して現金管理装置4に送信可能になっている。
また、上記のように、遠隔側の第2の出納機2が、現金管理装置4で受け付けられなかった貨幣処理データを受付不可の貨幣処理データとして出納機記憶部179に記憶して保留し、これが受付完了の貨幣処理データとならない状態で、現金管理装置4のタグリーダ70が、第1のICタグ8との通信が不可能になり、第2のICタグ8と通信して第2の出納機IDを読み込み可能な状態に変わることがある。すると、現金管理装置4の管理装置制御部25は、第2の出納機2にネットワーク経由で遠近関係が適正である旨の信号を出力し、これを受けて、第2の出納機2は、出納機記憶部179に記憶し保留していた受付不可の貨幣処理データを読み出して現金管理装置4にネットワーク経由で再送信する。すると、現金管理装置4の管理装置制御部25は、この貨幣処理データを受け付けて、この貨幣処理データに基づく入出取引が可能となる。このように貨幣処理データが現金管理装置4に受け付けられると、第2の出納機2は、この受付不可の貨幣処理データを受付完了の貨幣処理データとする。なお、上述したように、セキュリティの観点から、貨幣処理データの再送信に先立って、第2の出納機2における操作者の認証、または現金管理装置4における移動認証を追加してもよい。
以上により、現金管理装置4に対し遠隔側の第2の出納機2は、現金管理装置4で受け付けられなかった貨幣処理データを、出納機記憶部179に記憶して保留し、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果から、近接側の出納機2に変わったと判定されると出納機記憶部179から読み出して現金管理装置4にネットワーク経由で再送信する。
以上の貨幣処理方法は、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の、現金管理装置4が複数の出納機2のうちのいずれに近いかを判定する遠近判定処理の判定結果から、現金管理装置4に近いと判定された近接側の出納機2から送信された貨幣処理データに基づいて、この現金管理装置4に貨幣処理を行わせる。また、複数の出納機2のうち、近接側の出納機2によって、受付不可の貨幣処理データを、遠隔側の出納機2から受信させ、現金管理装置4に代理送信させる。また、現金管理装置4に、複数の出納機2のうち、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果から遠いと判定された遠隔側の出納機2から送信された貨幣処理データを受け付けさせることなく、遠隔側の出納機2の出納機記憶部179に、現金管理装置4で受け付けられなかった貨幣処理データを記憶して保留し、当該遠隔側の出納機2が、タグリーダ70、第1のICタグ8、第2のICタグ8および管理装置制御部25によって近接側の出納機2に変わったと判定されると、当該出納機2の出納機記憶部179に記憶させていた貨幣処理データを現金管理装置4に再送信させて、処理可能とする。
以上に述べた第1実施形態の貨幣処理システム1によれば、現金管理装置4の管理装置制御部25が、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いて、現金管理装置4が複数台の第1の出納機2および第2の出納機2のうちのいずれに近いかを判定することになり、現金管理装置4は、複数台の第1の出納機2および第2の出納機2のうち、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果から近いと判定された近接側の出納機2から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。つまり、複数台の第1の出納機2および第2の出納機2で一台の現金管理装置4を共用する場合に、現金管理装置4を近接側の出納機2からの貨幣処理データで動作させることになる。よって、複数台の第1の出納機2および第2の出納機2で一台の現金管理装置4を共用する場合に、現金管理装置4をいずれの出納機2からの貨幣処理データで動作させるかの制御が容易となる。
また、現金管理装置4は、遠隔側の出納機2から送信された貨幣処理データを受け付けないものの、近接側の出納機2が、貨幣処理データを遠隔側の出納機2から受信して現金管理装置4に送信する。すると、現金管理装置4は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、近接側の出納機2を用いれば、遠隔側の出納機2からの貨幣処理データに基づく貨幣処理が現金管理装置4で可能となる。
また、現金管理装置4は、遠隔側の出納機2から送信された貨幣処理データを受け付けないものの、遠隔側の出納機2は、現金管理装置4で受け付けられなかった貨幣処理データを、出納機記憶部179に記憶して保留し、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果から、近接側の出納機2に変わったと判定されると出納機記憶部179から読み出して現金管理装置4に再送信する。すると、現金管理装置4は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、現金管理装置4を移動させ、遠隔側にあった出納機2に近接させて、これを近接側の出納機2に変えることにより、当初遠隔側であった出納機2からの貨幣処理データに基づく貨幣処理が現金管理装置4で可能となる。
第1実施形態の出納機2によれば、貨幣処理親機として動作可能であり、現金管理装置4に対し、近接側の出納機2となっている場合に、貨幣処理データを送信する。すると、現金管理装置4は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、複数台の出納機2で一台の現金管理装置4を共用する場合に、現金管理装置4をいずれの出納機2からの貨幣処理データで動作させるかの制御が容易となる。また、現金管理装置4に対し、近接側の出納機2となっている場合に、遠隔側の出納機2からの貨幣処理データを受信して現金管理装置4に送信する。すると、現金管理装置4は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、近接側の出納機2となっている場合に、遠隔側の出納機2からの貨幣処理データに基づく貨幣処理を現金管理装置4に行わせることが可能となる。
また、現金管理装置4に対し、遠隔側の出納機2となっている場合に、現金管理装置4で受け付けられなかった貨幣処理データを、出納機記憶部179に記憶して保留し、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果から、近接側の出納機2に変わったと判定されると、出納機記憶部179から読み出して現金管理装置4に再送信する。すると、現金管理装置4は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、遠隔側の出納機2となっている場合に、現金管理装置4に対し、現金管理装置4の移動で近接側の出納機2に変えられることにより、その貨幣処理データに基づく貨幣処理を現金管理装置4に行わせることが可能となる。
第1実施形態の現金管理装置4によれば、貨幣処理子機として動作可能であり、複数台の出納機2に対して、近接側の出納機2から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、複数台の出納機2で一台が共用される場合に、いずれの出納機2からの貨幣処理データで動作させられるのかの制御が容易となる。
第1実施形態の貨幣処理方法によれば、近接側の出納機2から送信された貨幣処理データに基づいて現金管理装置4に貨幣処理を行わせる。つまり、複数台の出納機2で一台の現金管理装置4を共用する場合に、現金管理装置4を近接側の出納機2からの貨幣処理データで動作させることになる。よって、複数台の出納機2で一台の現金管理装置4を共用する場合に、現金管理装置4をいずれの出納機2からの貨幣処理データで動作させるかの制御が容易となる。
また、近接側の出納機2によって、貨幣処理データを、遠隔側の出納機2から受信させ、現金管理装置4に送信させる。すると、現金管理装置4は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、近接側の出納機2を用いれば、遠隔側の出納機2からの貨幣処理データに基づく貨幣処理が現金管理装置4で可能となる。
また、現金管理装置4に、遠隔側の出納機2から送信された貨幣処理データを受け付けさせることはないものの、遠隔側の出納機2では、現金管理装置4で受け付けられなかった貨幣処理データを出納機記憶部179に記憶させて保留する。そして、この遠隔側の出納機2が近接側の出納機2に変わると、この出納機2の出納機記憶部179に記憶させていた貨幣処理データを現金管理装置4に再送信させる。すると、現金管理装置4は、この貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、現金管理装置4を移動させ、遠隔側にあった出納機2に近接させて、これを近接側の出納機2に変えることにより、当初遠隔側であった出納機2からの貨幣処理データに基づく貨幣処理が現金管理装置4で可能となる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る貨幣処理システムを第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
第1実施形態においては、遠隔側の出納機2が、現金管理装置4で受け付けられなかった貨幣処理データを、自身の出納機記憶部179に記憶するようにしている。これに対し、第2実施形態においては、現金管理装置4が、遠隔側の出納機2から送信された貨幣処理データを管理装置記憶部26(記憶手段)に記憶し、当該遠隔側の出納機2が、近接側の出納機2に変わったと判定されると、記憶していた貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。
具体的に、現金管理装置4の管理装置制御部25は、第1の出納機2の出納機制御部177から、データ入力者の操作者IDおよび第1の出納機IDを含む入出取引の貨幣処理データがネットワーク経由で送信されると、タグリーダ70を駆動してICタグ8と通信させる。このとき、タグリーダ70が第2のICタグ8と通信して第2の出納機IDを読み取ると、現金管理装置4が貨幣処理データの送信元ではない第2の出納機2に近いと判定し、現金管理装置4が貨幣処理データの送信元の第1の出納機2からは遠いと判定する。
このように貨幣処理データの送信元の第1の出納機2から現金管理装置4が遠いと判定すると、現金管理装置4の管理装置制御部25は、第1の出納機2の出納機制御部177からネットワーク経由で送信された貨幣処理データを受け付けるものの保留中の貨幣処理データとして、データ入力者の操作者IDおよび送信元の第1の出納機IDを含んで管理装置記憶部26に記憶させて保留する。このとき、現金管理装置4は、この受信した貨幣処理データに基づく入出取引が不可となる。
第2実施形態においても、上記のように、第1の出納機2から貨幣処理データが現金管理装置4にネットワーク経由で送信される場合に、現金管理装置4の管理装置制御部25が、現金管理装置4が貨幣処理データの送信元ではない第2の出納機2に近く、貨幣処理データの送信元の第1の出納機2から遠いと判定すると、第1の出納機2および第2の出納機2のそれぞれの出納機制御部177にネットワーク経由で遠近関係が不適正である旨の信号を出力する。すると、第1の出納機2および第2の出納機2のそれぞれの出納機操作表示部175に遠近関係が不適正である旨のエラー表示を表示させる。第2実施形態においても、現金管理装置4に近い近接側の第2の出納機2によって、現金管理装置4から遠い遠隔側の第1の出納機2からの貨幣処理データを受信して現金管理装置4に送信する代理送信が可能となっている。
上記のように、現金管理装置4が、遠隔側の第1の出納機2から送信された貨幣処理データを保留中の貨幣処理データとして送信元の第1の出納機IDを含んで管理装置記憶部26に記憶した状態で、現金管理装置4のタグリーダ70が、第2のICタグ8との通信が不可能になり、第1のICタグ8と通信して第1の出納機IDを読み込み可能な状態に変わることがある。つまり、現金管理装置4が、保留中の貨幣処理データの送信元の第1の出納機2に対し、遠い状態から近い状態に変わることがある。すると、現金管理装置4の管理装置制御部25は、遠い状態から近い状態に変わった第1の出納機2の第1の出納機IDを含んで管理装置記憶部26に記憶させていた保留中の貨幣処理データの保留状態を解除し、この貨幣処理データに基づく入出取引が可能となる。
以上により、現金管理装置4は、第1の出納機2および第2の出納機2のうち、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果から遠いと判定された遠隔側の第1の出納機2から送信された貨幣処理データを管理装置記憶部26に記憶して保留し、当該遠隔側の第1の出納機2が、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果によって近接側の出納機2に変わったと判定されると、管理装置記憶部26に記憶していた、第1の出納機2に関連する保留中の貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。
また、現金管理装置4の管理装置制御部25は、第2の出納機2から第2の出納機IDを含む貨幣処理データがネットワーク経由で送信される場合も、上記と同様に、この貨幣処理データのネットワーク経由での送信に対してタグリーダ70が第1のICタグ8と通信すると、現金管理装置4が貨幣処理データの送信元ではない第1の出納機2に近く、貨幣処理データの送信元である第2の出納機2からは遠いと判定する。
このように貨幣処理データの送信元の第2の出納機2から現金管理装置4が遠いと判定すると、現金管理装置4の管理装置制御部25は、第2の出納機2からネットワーク経由で送信された貨幣処理データを受け付けるものの保留中の貨幣処理データとして、データ入力者の操作者IDおよび第2の出納機IDを含んで管理装置記憶部26に記憶させて保留する。このときも、現金管理装置4は、この受信した貨幣処理データに基づく入出取引が不可となる。また、この状態でも、現金管理装置4に近い近接側の第1の出納機2によって、現金管理装置4から遠い遠隔側の第2の出納機2からの貨幣処理データを受信して現金管理装置4に送信する代理送信が可能となっている。
上記のように、現金管理装置4が、遠隔側の第2の出納機2から送信された貨幣処理データを保留中の貨幣処理データとして送信元の第2の出納機IDを含んで管理装置記憶部26に記憶した状態で、タグリーダ70が第1のICタグ8との通信が不可能になり、第2のICタグ8と通信して第2の出納機IDを読み込み可能な状態に変わることがある。つまり、現金管理装置4が、保留中の貨幣処理データの送信元の第2の出納機2に対し、遠い状態から近い状態に変わることがある。すると、現金管理装置4の管理装置制御部25は、遠い状態から近い状態に変わった第2の出納機2の第2の出納機IDを含んで管理装置記憶部26に記憶していた保留中の貨幣処理データの保留状態を解除し、この貨幣処理データに基づく入出取引が可能となる。
以上により、現金管理装置4は、第1の出納機2および第2の出納機2のうち、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果から遠いと判定された遠隔側の第2の出納機2から送信された貨幣処理データを管理装置記憶部26に記憶して保留し、当該遠隔側の第2の出納機2が、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果によって近接側の出納機2に変わったと判定されると、管理装置記憶部26に記憶していた、第2の出納機2に関連する保留中の貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。
以上の貨幣処理方法は、現金管理装置4に、複数の出納機2のうち、タグリーダ70、第1のICタグ8および第2のICタグ8を用いた管理装置制御部25の判定結果から遠いと判定された遠隔側の出納機2から送信された貨幣処理データを管理装置記憶部26に記憶させて保留し、当該遠隔側の出納機2が、タグリーダ70、第1のICタグ8、第2のICタグ8および管理装置制御部25によって近接側の出納機2に変わったと判定されると、この出納機2に関連して現金管理装置4の管理装置記憶部26に記憶させていた貨幣処理データに基づいて貨幣処理を行わせる。
以上に述べた第2実施形態の貨幣処理システム1によれば、現金管理装置4は、遠隔側の出納機2から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理は可能にはならないものの、この貨幣処理データを管理装置記憶部26に記憶して保留する。そして、現金管理装置4は、移動させられることにより、遠隔側の出納機2が近接側の出納機2に変わると、この出納機2に関連して管理装置記憶部26に記憶し保留していた貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、現金管理装置4を移動させ、遠隔側にあった出納機2に近接させて、これを近接側の出納機2に変えることにより、当初遠隔側であった出納機2からの貨幣処理データに基づく貨幣処理が現金管理装置4で可能となる。
また、第2実施形態の現金管理装置4によれば、遠隔側の出納機2から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理は可能にはならないものの、この貨幣処理データを管理装置記憶部26に記憶して保留する。そして、移動させられることにより、遠隔側の出納機2が近接側の出納機2に変わると、この出納機2に関連して管理装置記憶部26に記憶し保留していた貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる。よって、移動させられることにより、遠隔側にあった出納機2に近接させられて、これが近接側の出納機2に変わることにより、当初遠隔側であった出納機2からの貨幣処理データに基づく貨幣処理が可能となる。
また、第2実施形態の貨幣処理方法によれば、現金管理装置4に、遠隔側の出納機2から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理を行わせることはないもの、この遠隔側の出納機2から送信された貨幣処理データを管理装置記憶部26に記憶させて保留する。そして、この遠隔側の出納機2が近接側の出納機2に変わると、この出納機2に関連して現金管理装置4の管理装置記憶部26に記憶させて保留していた貨幣処理データに基づいて貨幣処理を行わせる。よって、現金管理装置4を移動させ、遠隔側にあった出納機2に近接させて、これを近接側の出納機2に変えることにより、当初遠隔側であった出納機2からの貨幣処理データに基づく貨幣処理が現金管理装置4で可能となる。
第1実施形態においては、遠隔側の出納機2が、現金管理装置4で受け付けられなかった貨幣処理データを自身の出納機記憶部179に記憶するようにし、第2実施形態においては、現金管理装置4が遠隔側の出納機2から送信された貨幣処理データを自身の管理装置記憶部26に記憶するようにしたが、これらの貨幣処理データを、ネットワークサーバ(記憶手段)等に記憶することも可能である。
上記の実施形態では、現金管理装置4に設けられたタグリーダ70は、第1のICタグ8および第2のICタグ8の両方と同時に通信することは距離的に不可能となっている場合を例にとり説明したが、第1の出納機2および第2の出納機2が近くに設置されると、タグリーダ70が第1のICタグ8および第2のICタグ8と同時に通信可能な状況となる場合もある。この場合には、タグリーダ70において、第1のICタグ8からの信号の出力が、第2のICタグ8からの信号の出力よりも強いと、現金管理装置4が第1の出納機2に近く、第2の出納機2から遠いと判定し、第2のICタグ8からの信号の出力が、第1のICタグ8からの信号の出力よりも強いと、現金管理装置4が第2の出納機2に近く、第1の出納機2から遠いと判定することになる。
また、上記の実施形態では、現金管理装置4に設けられたタグリーダ70と複数の出納機2のそれぞれに設けられたICタグ8とで、現金管理装置4が複数の出納機2のうちのいずれに近いかを判定するようにした。これにかえて、現金管理装置4にICタグを設け、複数の出納機2のそれぞれにタグリーダを設けて、現金管理装置4が複数の出納機2のうちのいずれに近いかを判定するようにしても良い。その場合、出納機2が現金管理装置4に貨幣処理データを送信する場合に、タグリーダで通信可能なICタグを有する現金管理装置4がある場合に、これに貨幣処理データを送信して貨幣処理データに基づく貨幣処理を可能とする。また、タグリーダで通信可能なICタグを有する現金管理装置4がない場合に、送信しようとしていた貨幣処理データを現金管理装置4で受付不可の貨幣処理データとする。
これら以外にも、例えば、現金管理装置4にキャスタ38の向きおよび回転を検出する機構を設け、この機構で検出を行いながら、現金管理装置4を予め店舗内で移動させて、店舗内の各出納機2に近接する位置情報をマップ上に載せたデータを作成し、その後、キャスタ38の向きおよび回転を検出することで、現金管理装置4がいずれの出納機2に近いかを判定するようにしても良い。また、店舗天井の各出納機2の上方位置や各出納機2にLEDランプを設置し、LEDランプをそれぞれ異なる高周波数で点滅させると共に、現金管理装置4に、近接するLEDランプの周波数を検出する検出装置を設けて、この検出装置が検出した周波数によって現金管理装置4がいずれの出納機2に近いかを判定するようにしても良い。また、可視光通信を採用し、上記設置したLEDランプを高速に点滅させ、光のオン・オフ等に対応させて当該設置位置に対応する出納機2の出納機IDをデジタル伝送し、現金管理装置4にこのデータを受信可能な受信装置を設けるようにしても良い。また、現金管理装置4が店舗内のいずれのエリアにあるかを検出して、いずれの出納機2に近いかを判定するようにしても良い。
なお、上記各実施形態では、操作者の認証は、磁気カードやICカード等のIDカードを用いて行う場合について説明したが、操作者の指紋あるいは静脈等の生体情報を用いた認証手段であってもよいし、これらを併用してもよい。
1 貨幣処理システム
2 出納機(貨幣処理親機)
4 現金管理装置(貨幣処理子機)
8 ICタグ(遠近判定手段)
25 管理装置制御部(遠近判定手段)
70 タグリーダ(遠近判定手段)

Claims (11)

  1. 移動可能な貨幣処理子機と、
    該貨幣処理子機に貨幣処理データを送信する複数の貨幣処理親機と、
    前記貨幣処理子機が前記複数の貨幣処理親機のうちのいずれに近いかを判定する遠近判定手段とを備え、
    前記貨幣処理子機は、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から近いと判定された近接側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となることを特徴とする貨幣処理システム。
  2. 前記近接側の貨幣処理親機は、貨幣処理データを、前記遠近判定手段の判定結果から前記貨幣処理子機から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から受信して前記貨幣処理子機に送信可能であることを特徴とする請求項1記載の貨幣処理システム。
  3. 前記貨幣処理子機は、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データを受け付けず、
    前記遠隔側の貨幣処理親機は、前記貨幣処理子機で受け付けられなかった貨幣処理データを、記憶手段に記憶し、前記遠近判定手段によって前記近接側の貨幣処理親機に変わったと判定されると前記記憶手段から読み出して前記貨幣処理子機に再送信することを特徴とする請求項1または2記載の貨幣処理システム。
  4. 前記貨幣処理子機は、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データを、記憶手段に記憶し、当該遠隔側の貨幣処理親機が、前記遠近判定手段によって前記近接側の貨幣処理親機に変わったと判定されると、前記記憶手段から読み出すことを特徴とする請求項1または2記載の貨幣処理システム。
  5. 移動可能な貨幣処理子機と、
    該貨幣処理子機に貨幣処理データを送信する複数の貨幣処理親機と、
    前記貨幣処理子機が前記複数の貨幣処理親機のうちのいずれに近いかを判定する遠近判定手段と、を有し、
    前記貨幣処理子機は、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から近いと判定された近接側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる貨幣処理システムの前記貨幣処理親機であって、
    前記遠近判定手段によって前記貨幣処理子機に対し前記近接側の貨幣処理親機であると判定されると、貨幣処理データを、前記遠近判定手段によって前記貨幣処理子機から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から受信して前記貨幣処理子機に送信可能であることを特徴とする貨幣処理親機。
  6. 移動可能な貨幣処理子機と、
    該貨幣処理子機に貨幣処理データを送信する複数の貨幣処理親機と、
    前記貨幣処理子機が前記複数の貨幣処理親機のうちのいずれに近いかを判定する遠近判定手段と、を有し、
    前記貨幣処理子機は、前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から近いと判定された近接側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となる貨幣処理システムの前記貨幣処理親機であって、
    前記遠近判定手段によって前記貨幣処理子機から遠い遠隔側の貨幣処理親機と判定されることにより前記貨幣処理子機で受け付けられなかった貨幣処理データを、記憶手段に記憶し、前記遠近判定手段によって前記近接側の貨幣処理親機に変わったと判定されると前記記憶手段から読み出して前記貨幣処理子機に再送信することを特徴とする貨幣処理親機。
  7. 移動可能な貨幣処理子機と、
    該貨幣処理子機に貨幣処理データを送信する複数の貨幣処理親機と、
    前記貨幣処理子機が前記複数の貨幣処理親機のうちのいずれに近いかを判定する遠近判定手段と、を有する貨幣処理システムの前記貨幣処理子機であって、
    前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から近いと判定された近接側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて貨幣処理が可能となることを特徴とする貨幣処理子機。
  8. 前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定手段の判定結果から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データを、記憶手段に記憶し、当該遠隔側の貨幣処理親機が、前記遠近判定手段によって前記近接側の貨幣処理親機に変わったと判定されると、前記記憶手段から読み出すことを特徴とする請求項7記載の貨幣処理子機。
  9. 移動可能な貨幣処理子機と、
    該貨幣処理子機に貨幣処理データを送信する複数の貨幣処理親機と、
    を有する貨幣処理システムを用いた貨幣処理方法であって、
    前記貨幣処理子機が前記複数の貨幣処理親機のうちのいずれに近いかを判定する遠近判定処理と、
    前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定処理の判定結果から前記貨幣処理子機に近いと判定された近接側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データに基づいて当該貨幣処理子機に貨幣処理とを行わせることを特徴とする貨幣処理方法。
  10. 前記近接側の貨幣処理親機によって、貨幣処理データを、前記遠近判定処理の判定結果から前記貨幣処理子機から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から受信させ、前記貨幣処理子機に送信させることを特徴とする請求項9記載の貨幣処理方法。
  11. 前記複数の貨幣処理親機のうち、前記遠近判定処理の判定結果から遠いと判定された遠隔側の貨幣処理親機から送信された貨幣処理データを、保留し、当該遠隔側の貨幣処理親機が、前記遠近判定処理によって前記近接側の貨幣処理親機に変わったと判定されると、処理可能とすることを特徴とする請求項9または10記載の貨幣処理方法。
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