JP2016081085A - 貨幣処理装置および貨幣処理方法 - Google Patents

貨幣処理装置および貨幣処理方法 Download PDF

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善朗 小家
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Abstract

【課題】第1の取引が行われて、貨幣処理装置に投入された貨幣が全て一時保留部に送られた時に、操作者が入金確定の指令を入力し忘れて帰ってしまった場合、貨幣処理装置は、入金状態で占有状態が継続して他の利用者が入金できない状態となるのを防止して、別の操作者がそれを知らずに入金動作を開示しても、当該貨幣が前の操作者の追加入金扱いになって結果的に違算が発生することを防止する。
【解決手段】貨幣処理装置(例えば、貨幣入金機)に設けられた制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令(入金確定指令等)を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた場合、一時保留部に入金されている貨幣を収納部へ移動する等により第1の取引に係る占有状態を強制的に終了して、第2の取引を開始することができるように構成する。
【選択図】図9

Description

本発明は、少なくとも貨幣の入金処理を行う貨幣処理装置、およびこのような貨幣処理装置による貨幣処理方法に関する。
スーパーマーケットやショッピングモール等の商業施設において、売上金としての貨幣の入金処理を行う貨幣処理装置が例えば出納室に設置されている。このような貨幣処理装置が設置されている商業施設では、営業時間が終了した後に、レジカウンターに設けられた各貨幣釣銭機から回収された貨幣や、ショッピングモールの各テナントから回収された貨幣を貨幣処理装置に入金することにより、商業施設の店員等が売上金としての貨幣を銀行等の金融機関に持ち運ぶ必要がなくなるため防盗性を高めることができる。貨幣処理装置に入金された売上金としての貨幣は警送会社の警備員等によって当該貨幣処理装置の筐体内から収納カセットごと回収され、当該警送会社の管理本部に運搬された後、警送会社により売上金としての貨幣がまとめて銀行等の金融機関に入金されるようになる。
このような貨幣処理装置としては、例えば特許文献1等に開示されるものが知られている。特許文献1に開示される貨幣処理装置において、レジカウンターに設けられた各貨幣釣銭機から回収された貨幣や、ショッピングモールの各テナントから回収された貨幣の入金処理を行うにあたり、操作者はまず自己が携帯するIDカードのID情報をカードリーダにより読み取らせる。ここで、貨幣処理装置の記憶部には、IDカードのID情報と取引先識別情報(具体的には、店舗のレジやテナントの識別情報)とが1対1で関連付けられて記憶されているため、IDカードのID情報が読み取られると、このID情報に関連付けられた取引先識別情報が特定される。そして、貨幣処理装置において当該操作者により入金処理が行われると、入金処理の結果に係る情報(具体的には、入金された貨幣の金種毎の枚数や合計金額に係る情報)が取引先識別情報に関連付けられて管理されるようになる。
特開2010−224609号公報
特許文献1等に開示される従来の貨幣処理装置では、操作者により貨幣処理装置の筐体内に投入された貨幣は、識別部により識別された後、一時保留部で一時的に保留されるようになる。そして、貨幣処理装置の筐体内に投入された貨幣が全て一時保留部に送られた後、操作者によって入金確定の指令がタッチパネル等の操作部により入力されると、一時保留部に一時的に保留された貨幣が収納カセットに送られ、この収納カセットに収納されるようになる。このように、従来の貨幣処理装置では、ある操作者がIDカードのID情報をカードリーダにより読み取らせると、この操作者に係る取引の占有状態が開始し、一方、貨幣処理装置の筐体内に投入された貨幣が全て一時保留部に送られた後に操作者によって入金確定の指令が入力されるとこの操作者に係る取引の占有状態が終了する。
しかしながら、このような従来の貨幣処理装置において、貨幣処理装置の筐体内に投入された貨幣が全て一時保留部に送られたときに操作者が入金確定の指令を入力し忘れて帰ってしまった場合には、当該操作者は貨幣処理装置から離れているにもかかわらず当該貨幣処理装置においてこの操作者の占有状態が継続されてしまう。この場合、別の操作者がIDカードのID情報をカードリーダにより読み取らせると、前の操作者の占有状態が継続していることにより貨幣処理装置から警告音が発せられるが、この警告音に気づかずに貨幣処理装置の投入部に貨幣を投入してしまった場合には当該貨幣は前の操作者の追加入金として取り扱われるようになってしまう。このときには貨幣処理装置において違算が発生してしまうという問題があった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けなくてもこの第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させることができるため、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後では第2の取引に係る入金貨幣が第1の取引の追加入金として取り扱われることがなく、よって違算が発生することを防止することができる貨幣処理装置および貨幣処理方法を提供することを目的とする。
本発明の貨幣処理装置は、少なくとも貨幣の入金処理を行う貨幣処理装置であって、前記貨幣処理装置の筐体の外部から内部に貨幣を投入するための投入部と、前記投入部により前記筐体の内部に投入された貨幣を搬送する搬送部と、前記搬送部に接続され、前記投入部により前記筐体の内部に投入された貨幣を一時的に保留する一時保留部と、前記一時保留部から送られた貨幣を収納する収納部と、ある取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、この取引に係る占有状態を開始させ、この取引に係る占有状態では前記投入部により前記筐体の内部に投入された貨幣を前記一時保留部で一時的に保留し、また、ある取引に係る占有状態が続いているときにこの取引に係る占有状態終了指令を受け付けると、この取引に係る占有状態を終了させるとともに前記一時保留部で一時的に保留された貨幣を前記収納部に送るよう前記一時保留部の制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了することができるようになっていることを特徴とする。
このような貨幣処理装置によれば、制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了することができるため、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後では第2の取引に係る入金貨幣が第1の取引の追加入金として取り扱われることがなく、よって違算が発生することを防止することができる。
本発明の貨幣処理装置においては、前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、特定の権限に係る確定指令を受け付けたときに第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させるとともに前記一時保留部で一時的に保留された貨幣を前記収納部に送るよう制御を行うようになっていてもよい。
本発明の貨幣処理装置においては、前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後において、第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後に第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を引き続き行うよう制御を行うようになっていてもよい。
また、前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させるとともに前記一時保留部で一時的に保留された貨幣を前記収納部に送るよう制御を行うようになっていてもよい。
この場合、前記制御部は、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後、第2の取引に係る占有状態開始指令を再び受け付けたときに第2の取引に係る占有状態を開始させるよう制御を行うようになっていてもよい。
あるいは、前記制御部は、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後、第2の取引に係る占有状態を自動的に開始させるよう制御を行うようになっていてもよい。
また、前記制御部は、第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後に前記投入部に投入された貨幣を、前記筐体の外部に貨幣を返却するための返却部に送るよう制御を行うようになっていてもよい。
あるいは、前記制御部は、第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後において第1の取引に係る占有状態が強制的に終了する前に前記投入部に投入された貨幣を前記筐体の内部に送らないよう前記投入部の制御を行うようになっていてもよい。
本発明の貨幣処理装置は、持ち運び可能な記録媒体に記録された情報の読み取りを行う読取部を更に備え、前記記録媒体に記録された情報が前記読取部により読み取られたときに前記制御部は当該記録媒体に関する取引に係る占有状態開始指令を受け付けるようになっていてもよい。
本発明の貨幣処理装置は、前記制御部に指令を入力するための操作手段を更に備え、前記投入部に投入された貨幣が前記一時保留部に送られた後に前記操作手段によって前記制御部に入金確定の指令が入力されると当該制御部は占有状態終了指令を受け付けるようになっていてもよい。
本発明の貨幣処理装置は、入金処理の結果に係る情報を印字する印字部を更に備え、前記制御部は、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後に改めて第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に関する入金処理の結果に係る情報を印字させるよう前記印字部の制御を行うようになっていてもよい。
本発明の貨幣処理装置は、前記投入部により前記筐体の内部に投入された貨幣を識別する識別部を更に備え、前記制御部は、前記識別部により正常な貨幣であると識別された貨幣を前記一時保留部に送るとともに、前記識別部により正常な貨幣ではないと識別された貨幣を、前記筐体の外部に貨幣を返却するための返却部に送るよう制御を行うようになっていてもよい。
本発明の貨幣処理方法は、少なくとも貨幣の入金処理を行う貨幣処理装置による貨幣処理方法であって、ある取引に係る占有状態開始指令を前記貨幣処理装置の制御部が受け付けると、当該制御部はこの取引に係る占有状態を開始させ、この取引に係る占有状態では投入部により筐体の内部に投入された貨幣を一時保留部で一時的に保留する工程と、ある取引に係る占有状態が続いているときに前記制御部がこの取引に係る占有状態終了指令を受け付けると、当該制御部はこの取引に係る占有状態を終了させるとともに前記一時保留部で一時的に保留された貨幣を収納部に送る工程と、を備え、前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了することができるようになっていることを特徴とする。
このような貨幣処理方法によれば、制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了することができるため、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後では第2の取引に係る入金貨幣が第1の取引の追加入金として取り扱われることがなく、よって違算が発生することを防止することができる。
本発明の貨幣処理方法においては、前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、特定の権限に係る確定指令を受け付けたときに第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させるとともに前記一時保留部で一時的に保留された貨幣を前記収納部に送るよう制御を行うようになっていてもよい。
本発明の貨幣処理方法においては、前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後において、第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後に改めて第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を引き続き行うよう制御を行うようになっていてもよい。
また、前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させるとともに前記一時保留部で一時的に保留された貨幣を前記収納部に送るよう制御を行うようになっていてもよい。
この場合、前記制御部は、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後、第2の取引に係る占有状態開始指令を再び受け付けたときに第2の取引に係る占有状態を開始させるよう制御を行うようになっていてもよい。
あるいは、前記制御部は、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後、第2の取引に係る占有状態を自動的に開始させるよう制御を行うようになっていてもよい。
本発明の貨幣処理装置および貨幣処理方法によれば、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けなくてもこの第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させることができるため、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後では第2の取引に係る入金貨幣が第1の取引の追加入金として取り扱われることがなく、よって違算が発生することを防止することができる。
本発明の実施の形態による貨幣入金機が商業施設の出納室に設置されたときの構成を概略的に示す構成図である。 本発明の実施の形態による貨幣入金機が自動販売機のメンテナンス会社の営業所に設置されたときの構成を概略的に示す構成図である。 本発明の実施の形態による貨幣入金機の外観を示す斜視図である。 図3に示す貨幣入金機における硬貨入金装置の内部を側方から見たときの構成を示す側面図である。 図4に示す硬貨入金装置の内部における上部領域を上方から見たときの構成を示す上面図である。 図3に示す貨幣入金機における紙幣入金装置の内部を側方から見たときの構成を示す側面図である。 図3に示す貨幣入金機の制御系の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態による貨幣入金機において、第1の操作者が第1の取引(具体的には、貨幣の入金処理)を行った後に第2の操作者が第2の取引(具体的には、貨幣の入金処理)を行うときの動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態による貨幣入金機において、第1の操作者が第1の取引を確定させる前に第2の操作者が第2の取引を行おうとしたときの動作の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態による貨幣入金機において、第1の操作者が第1の取引を確定させる前に第2の操作者が第2の取引を行おうとしたときの動作の流れの他の例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態による貨幣入金機において、第1の操作者が第1の取引を確定させる前に第2の操作者が第2の取引を行おうとしたときの動作の流れの更に他の例を示すフローチャートである。 (a)〜(e)は、それぞれ、本発明の実施の形態による貨幣入金機において、第1の操作者が第1の取引を確定させる前に第2の操作者が第2の取引を行おうとしたときの操作表示部における表示画面を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態による貨幣入金機は、硬貨や紙幣等の貨幣の入金処理や計数処理を行うものであり、このような貨幣入金機はスーパーマーケットやショッピングモール等の商業施設における出納室に設置されたり、自動販売機のメンテナンス会社の営業所に設置されたりするようになっている。図1乃至図12は、本実施の形態による貨幣入金機を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による貨幣入金機が商業施設の出納室に設置されたときの構成を概略的に示す構成図であり、図2は、本実施の形態による貨幣入金機が自動販売機のメンテナンス会社の営業所に設置されたときの構成を概略的に示す構成図である。また、図3は、本実施の形態による貨幣入金機の外観を示す斜視図であり、図4および図5は、図3に示す貨幣入金機における硬貨入金装置の内部の構成を示す側面図や上面図であり、図6は、図3に示す貨幣入金機における紙幣入金装置の内部の構成を示す側面図である。また、図7は、図3に示す貨幣入金機の制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、図8は、本実施の形態による貨幣入金機において、第1の操作者が第1の取引(具体的には、貨幣の入金処理)を行った後に第2の操作者が第2の取引(具体的には、貨幣の入金処理)を行うときの動作の流れを示すフローチャートであり、図9乃至図11は、それぞれ、本実施の形態による貨幣入金機において、第1の操作者が第1の取引を確定させる前に第2の操作者が第2の取引を行おうとしたときの動作の流れの様々な例を示すフローチャートである。また、図12(a)〜(e)は、それぞれ、本発明の実施の形態による貨幣入金機において、第1の操作者が第1の取引を確定させる前に第2の操作者が第2の取引を行おうとしたときの操作表示部における表示画面を示す図である。
まず、本実施の形態による貨幣入金機1がスーパーマーケットやショッピングモール等の商業施設100に設置される場合について図1を用いて説明する。スーパーマーケットやショッピングモール等の商業施設100において、顧客が立ち入ることができる売場領域101には、様々な商品が陳列される商品棚102や、商品の精算時に店員が顧客から商品の代金を受け取るためのレジカウンター104が設置されている。また、当該商業施設100において、顧客が立ち入ることができない出納室110には、本実施の形態による貨幣入金機1が設置されている。また、各々のレジカウンター104には、店員が顧客から受け取った商品の代金としての貨幣の入金処理および釣銭としての貨幣の出金処理を行うことができる貨幣釣銭機106や、貨幣釣銭機106に通信可能に接続され、顧客が購入した商品に係る情報や貨幣釣銭機106に収納されている貨幣に係る情報等の管理を行うPOSレジスタ(図示せず)が設けられている。このような商業施設100では、営業時間が終了した後に(営業時間中の場合もある)、レジカウンター104に設けられた各貨幣釣銭機106から回収された貨幣を貨幣入金機1に入金することにより(図1における二点鎖線の矢印参照)、商業施設100の店員等が売上金としての貨幣を銀行等の金融機関に持ち運ぶ必要がなくなるため防盗性を高めることができる。貨幣入金機1に入金された売上金としての貨幣は警送会社の警備員等によって当該貨幣入金機1の筐体1a内から後述する硬貨収納カセット40や紙幣収納カセット70ごと回収され、当該警送会社の管理本部に運搬された後、警送会社により売上金としての貨幣がまとめて銀行等の金融機関に入金されるようになる。また、このような商業施設100において、売場領域101以外にテナント120が設置されている場合には、営業時間が終了した後に、テナント120から回収された貨幣も出納室110に設けられた貨幣入金機1に入金されるようになる。
一方、本実施の形態による貨幣入金機1が自動販売機のメンテナンス会社の営業所200に設置される場合について図2を用いて説明する。自動販売機のメンテナンス会社の係員は、商品が積まれたトラック204により複数の自動販売機202を巡回する際に、各自動販売機202において商品や釣銭準備金としての貨幣の補充を行うとともに各自動販売機202から売上金としての貨幣を回収し、複数の自動販売機202から回収された貨幣を、営業所200に設置された本実施の形態による貨幣入金機1に入金する。このことにより、自動販売機のメンテナンス会社の係員が各自動販売機202から回収された売上金としての貨幣を銀行等の金融機関に持ち運ぶ必要がなくなるため防盗性を高めることができる。
次に、本実施の形態による貨幣入金機1の具体的な構成について図3乃至図7を用いて説明する。図3は、本実施の形態による貨幣入金機1の外観を示す斜視図である。図3に示すように、本実施の形態による貨幣入金機1は略直方体形状の筐体1aを有している。また、貨幣入金機1の筐体1aを手前側から見て当該貨幣入金機1の左側部分には硬貨の入金処理や計数処理を行う硬貨入金装置10が設けられており、一方、貨幣入金機1の筐体1aを手前側から見て当該貨幣入金機1の右側部分には紙幣の入金処理や計数処理を行う紙幣入金装置50が設けられている。
まず、本実施の形態の貨幣入金機1における硬貨入金装置10の構成について図4および図5を用いて説明する。上述したように、図4は、硬貨入金装置10の内部を側方から見たときの構成を示す側面図であり、図5は、図4に示す硬貨入金装置10の内部における上部領域を上方から見たときの構成を示す上面図である。図4および図5に示すように、硬貨入金装置10は、筐体1aの外部から内部に硬貨を投入するための投入部12と、投入部12により筐体1aの内部に投入された硬貨を搬送するための搬送部14と、搬送部14により搬送される硬貨の金種、真偽、正損等の識別を行う識別部16とを備えている。
図4および図5に示すように、投入部12には、水平状態となるよう配置された円盤形状の回転盤が設けられており、当該回転盤が回転することにより、筐体1aの外部から投入されこの回転盤の上に載置された硬貨が1枚ずつ当該回転盤から搬送部14に繰り出されるようになっている。投入部12には、筐体1aの外部から当該投入部12に投入された硬貨を検知するための投入硬貨検知センサ(図示せず)が設けられている。また、図3に示すように、筐体1aの上面には硬貨の投入口の開閉を行うシャッタ12aが設けられており、当該シャッタ12aが開かれたときに操作者は筐体1aの外部から投入部12に硬貨を投入することができるようになっている。このようなシャッタ12aは操作者が手動で開閉を行うことができるようになっている。
また、搬送部14は、図5において矢印で示す方向に循環移動を行う無端状の搬送ベルト14aと、当該搬送ベルト14aが張架される複数のプーリ14b、14cとを有しており、複数のプーリ14b、14cのうちある一つのプーリ14bには当該プーリ14bを回転駆動させる駆動モータ(図示せず)が設けられている。また、無端状の搬送ベルト14aには、当該搬送ベルト14aの長手方向に沿って複数の突起が間隔を空けて設けられており、各突起により硬貨が1枚ずつ押動されて搬送されるようになっている。このような搬送部14において、駆動モータがプーリ14bを回転駆動させることにより無端状の搬送ベルト14aが図5において矢印で示す方向に循環移動し、このことにより投入部12により筐体1aの内部に投入された硬貨が1枚ずつ搬送ベルト14aにより搬送されるようになる。
また、搬送部14には、識別部16による硬貨の識別結果に基づいて硬貨の振り分けを行う振分機構18が設けられている。具体的には、振分機構18は、識別部16により正常な硬貨であると識別された硬貨を当該搬送部14から分岐させて後述する一時保留部26に送るようになっている。より詳細に説明すると、搬送部14において硬貨が搬送される搬送面において振分機構18の近傍には開口が設けられている。そして、振分機構18が搬送部14における硬貨の搬送面から上方に突出した突出位置に移動すると、搬送部14の搬送ベルト14aにより搬送される硬貨が当該開口を介して搬送部14から下方に落下して後述する一時保留部26に送られるようになる。また、搬送部14の下流側端部の近傍には開口20が設けられており、振分機構18により搬送部14から分岐されなかった硬貨、すなわち識別部16により正常な硬貨ではないと識別された硬貨や識別部16により識別することができなかった硬貨がリジェクト硬貨として当該開口20から下方に落下し、後述するリジェクト部28に送られるようになっている。
図4に示すように、硬貨入金装置10において搬送部14の下方には一時保留部26およびリジェクト部28がそれぞれ設けられている。ここで、一時保留部26は、硬貨入金装置10の奥行き方向(すなわち、図4における左右方向)において移動可能となっており、図4において実線や二点鎖線で示される3箇所の位置に移動することができるようになっている。また、一時保留部26は、その頂部および底部に開口が設けられた略直方体形状の枠体を有している。また、図4における中央位置にある一時保留部26と、搬送部14における硬貨の搬送面において振分機構18の近傍に設けられた開口との間には一時保留用シュート22が設けられており、振分機構18により振り分けられた硬貨は一時保留用シュート22を通って一時保留部26に送られるようになっている。また、リジェクト部28と、搬送部14の下流側端部の近傍に設けられた開口20との間にはリジェクト用シュート24が設けられており、開口20から落下したリジェクト硬貨はリジェクト用シュート24を通ってリジェクト部28に送られるようになっている。
図3に示すように、リジェクト部28は貨幣入金機1の筐体1aの前面側から操作者がアクセスすることができるようになっており、このリジェクト部28にリジェクト硬貨が送られると、操作者はリジェクト部28からリジェクト硬貨を取り出すことができるようになっている。
また、硬貨入金装置10の奥行き方向において手前側に位置する一時保留部26(すなわち、図4において左側に位置する一時保留部26)の下方には硬貨返却箱30が設けられており、一時保留部26が図4における中央の位置から左側の位置に移動すると、当該一時保留部26に一時的に保留されている硬貨がこの一時保留部26から自重により落下して硬貨返却箱30に送られるようになっている。このような硬貨返却箱30は筐体1aから手前側に引き出し可能となっている。具体的には、硬貨返却箱30を筐体1aの内部にロックするためのロック部31(図7参照)が設けられており、当該ロック部31によるロック状態が解除されると、硬貨返却箱30を筐体1aから手前側に引き出すことができるようになる。また、図3に示すように、硬貨返却箱30の前面には、操作者が把持するための把持部分30aが設けられており、ロック部31によるロック状態が解除された後、操作者が把持部分30aを把持して硬貨返却箱30を筐体1aから手前側に引き出すことにより、硬貨返却箱30に収納されている硬貨を筐体1aの外部に返却することができるようになる。
また、硬貨入金装置10の内部における下部領域には硬貨収納カセット40が収容されており、硬貨入金装置10の奥行き方向において奥側に位置する一時保留部26(すなわち、図4において右側に位置する一時保留部26)と、硬貨収納カセット40との間には収納用シュート32が設けられている。このことにより、一時保留部26が図4における中央の位置から右側の位置に移動すると、当該一時保留部26に一時的に保留されている硬貨がこの一時保留部26から自重により落下して、収納用シュート32を介して硬貨収納カセット40に送られ、当該硬貨収納カセット40に収納されるようになる。なお、硬貨収納カセット40は筐体1aの外部に取り出すことができるようになっている。具体的には、図3に示すように貨幣入金機1の筐体1aの前面における下部領域には、警送会社の警備員等の所定の権限を有する者しか開くことができない扉1bが設けられており、この扉1bを開くことにより硬貨収納カセット40を筐体1aの外部に取り出すことができるようになる。警送会社の警備員等により筐体1aの外部に取り出された硬貨収納カセット40は、警送会社の管理本部や現金処理センターに運搬され、硬貨収納カセット40から取り出された硬貨がこの管理本部で管理されるようになる。
次に、本実施の形態の貨幣入金機1における紙幣入金装置50の構成について図6を用いて説明する。上述したように、図6は、紙幣入金装置50の内部を側方から見たときの構成を示す側面図である。図6に示すように、紙幣入金装置50は、筐体1aの外部から紙幣が束状態で投入される投入部52と、投入部52に投入された紙幣を1枚ずつ筐体1aの内部に繰り出すための繰出機構54と、繰出機構54により筐体1aの内部に繰り出された紙幣を搬送するための搬送部56と、搬送部56により搬送される紙幣の金種、真偽、正損等の識別を行う識別部58とを備えている。また、図3に示すように、筐体1aの上面には紙幣の投入口の開閉を行うシャッタ52aが設けられており、当該シャッタ52aが開かれたときに操作者は筐体1aの外部から投入部52に紙幣の束を投入することができるようになっている。このようなシャッタ52aは操作者が手動で開閉を行うことができるようになっている。また、投入部52には、筐体1aの外部から当該投入部52に投入された紙幣を検知するための投入紙幣検知センサ(図示せず)が設けられている。
また、搬送部56における識別部58よりも下流側の箇所には、識別部58により識別された紙幣をリジェクト部62および一時保留部64のうちいずれか一方に振り分ける分岐部60が設けられている。具体的には、分岐部60において、識別部58により正常な紙幣であると識別された紙幣は一時保留部64に送られるよう振り分けられ、一方、識別部58により正常な紙幣ではないと識別された紙幣や識別部58により識別することができなかった紙幣はリジェクト紙幣としてリジェクト部62に送られるよう振り分けられるようになっている。
図3に示すように、リジェクト部62は貨幣入金機1の筐体1aの前面側から操作者がアクセスすることができるようになっており、このリジェクト部62にリジェクト紙幣が送られると、操作者はリジェクト部62からリジェクト紙幣を取り出すことができるようになっている。
また、図6に示すように、紙幣入金装置50の内部における下部領域において一時保留部64の真下の位置には紙幣収納カセット70が収容されている。そして、一時保留部64に紙幣が一時的に保留された後、入金確定の指令が貨幣入金機1の本体制御部80(後述)に与えられると、一時保留部64から紙幣収納カセット70に紙幣が一括して送られ、この紙幣収納カセット70に収納されるようになっている。なお、紙幣収納カセット70は筐体1aの外部に取り出すことができるようになっている。具体的には、上述したように、貨幣入金機1の筐体1aの前面における下部領域には扉1bが設けられており、この扉1bを開くことにより紙幣収納カセット70を筐体1aの外部に取り出すことができるようになる。警送会社の警備員等により筐体1aの外部に取り出された紙幣収納カセット70は、警送会社の管理本部や現金処理センターに運搬され、紙幣収納カセット70から取り出された紙幣がこの管理本部で管理されるようになる。
また、図3に示すように、貨幣入金機1の筐体1aの前面における一時保留部64の手前側の位置には扉1cが設けられているとともに、当該扉1cを閉状態にロックするための扉ロック部65(図7参照)が設けられている。そして、当該扉ロック部65による扉1cのロック状態が解除されると、操作者は扉1cを手前右側に開いて一時保留部64の内部にアクセスすることができるようになる。このようにして、一時保留部64に紙幣が一時的に保留された後、返却の指令が貨幣入金機1の本体制御部80(後述)に与えられると、扉ロック部65による扉1cのロック状態が解除され、操作者は扉1cを開くことにより一時保留部64の内部から紙幣を取り出すことができるようになり、よって筐体1aの外部に紙幣が返却されるようになる。そして、操作者が手動で扉1cを閉じると、扉ロック部65により扉1cが再び閉状態にロックされるようになる。なお、一時保留部64に一時的に保留された紙幣を紙幣収納カセット70に収納させる際には、扉ロック部65による扉1cの閉状態のロックが維持されたままとなる。
次に、本実施の形態による貨幣入金機1の制御系の構成について図7を用いて説明する。図7に示すように、本実施の形態による貨幣入金機1には、当該貨幣入金機1の各構成部材の制御を行う本体制御部80が設けられている。また、硬貨入金装置10には当該硬貨入金装置10の各構成部材(具体的には、投入部12、搬送部14、識別部16、振分機構18、一時保留部26、ロック部31等)に接続された硬貨制御部81が設けられており、当該硬貨制御部81により硬貨入金装置10の各構成部材が制御されるようになっている。また、紙幣入金装置50には当該紙幣入金装置50の各構成部材(具体的には、繰出機構54、搬送部56、識別部58、分岐部60、一時保留部64、扉ロック部65等)に接続された紙幣制御部82が設けられており、当該紙幣制御部82により紙幣入金装置50の各構成部材が制御されるようになっている。図7に示すように、硬貨入金装置10に設けられた硬貨制御部81や紙幣入金装置50に設けられた紙幣制御部82はそれぞれ本体制御部80に通信可能に接続されている。
また、図3に示すように、貨幣入金機1の筐体1aの上面には、プリンタ等の印字部84、タッチパネル等の2つの操作表示部86、88および操作者が携帯するIDカード等の記録媒体92に記憶された情報(具体的には、IDカードのID情報等)を読み取るための磁気カードリーダ等の読取部90がそれぞれ設けられており、これらの印字部84、操作表示部86、88、読取部90はそれぞれ本体制御部80に通信可能に接続されている。印字部84は、貨幣入金機1における貨幣の入金処理や計数処理の結果に係る情報や、硬貨収納カセット40や紙幣収納カセット70に収納されている硬貨や紙幣の金種毎の枚数や合計金額に係る情報をレシートに印字するようになっている。また、操作表示部86、88には、貨幣入金機1における貨幣の入金処理や計数処理の結果に係る情報や、硬貨収納カセット40や紙幣収納カセット70に収納されている硬貨や紙幣の金種毎の枚数や合計金額に係る情報が表示されるようになっている。また、操作者は、操作表示部86、88を操作することにより本体制御部80に様々な指示を与えることができるようになっている。また、操作者が携帯するIDカード等の記録媒体92には、IDカードのID情報等の様々な情報を記憶する記憶部92aが設けられており、この記録媒体92を磁気カードリーダ等の読取部90に通すと、当該記憶部92aに記憶された情報が読取部90により読み取られるようになっている。具体的には、操作者が記録媒体92を読取部90に通すことにより、当該操作者の権限を認証することができるようになり、所定の権限を有する操作者のみが貨幣入金機1において貨幣の入金処理や計数処理、回収処理を行うことができるようになる。
また、図7に示すように、本体制御部80には記憶部94が通信可能に接続されている。このような記憶部94は貨幣入金機1の筐体1aの内部に設けられており、当該記憶部94には、貨幣入金機1における貨幣の入金処理や計数処理の結果に係る情報や、硬貨収納カセット40や紙幣収納カセット70に収納されている硬貨や紙幣の金種毎の枚数や合計金額に係る情報が記憶されるようになっている。
また、本体制御部80には通信インターフェース部98が通信可能に接続されており、本体制御部80は、この通信インターフェース部98により、貨幣入金機1の外部に設けられた上位端末等の外部装置と信号の送受信を行うことができるようになっている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の貨幣入金機1の動作(具体的には、硬貨入金装置10や紙幣入金装置50において硬貨や紙幣の入金処理が行われるときの動作)について説明する。なお、以下に示す貨幣入金機1の動作は、本体制御部80が当該貨幣入金機1の各構成部材を制御することにより、あるいは本体制御部80が硬貨制御部81や紙幣制御部82を経由して硬貨入金装置10や紙幣入金装置50の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
図1に示すような商業施設100において売場領域101に設けられた各貨幣釣銭機106から回収された貨幣やテナント120から回収された貨幣が出納室110に運搬されると、当該貨幣のうち硬貨は貨幣入金機1の硬貨入金装置10に入金されるとともに紙幣は貨幣入金機1の紙幣入金装置50に入金される。また、図2に示すように、本実施の形態による貨幣入金機1が自動販売機のメンテナンス会社の営業所200に設置される場合には、複数の自動販売機202から回収された貨幣が営業所200に運搬されると、当該貨幣のうち硬貨は貨幣入金機1の硬貨入金装置10に入金されるとともに紙幣は貨幣入金機1の紙幣入金装置50に入金される。
以下、硬貨入金装置10において硬貨の入金処理が行われるときの動作について説明する。操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すことにより、当該操作者の権限が認証された後、この操作者が操作表示部86、88により入金処理開始の指令を本体制御部80に与えると、当該操作者は貨幣入金機1の筐体1aの上面に設けられたシャッタ12aを手動で開くことにより筐体1aの外部から硬貨を投入部12に投入することができるようになる。投入部12に投入された硬貨は当該投入部12に設けられた回転盤により1枚ずつ筐体1aの内部に繰り出され、搬送部14により搬送される。この際に、識別部16により硬貨の金種、真偽、正損等の識別が行われる。識別部16により正常な硬貨であると識別された硬貨は振分機構18により搬送部14から分岐させられ、一時保留用シュート22を介して一時保留部26に送られ、この一時保留部26に一時的に保留される。この際に、一時保留部26は図4における中央の位置に維持される。また、識別部16により正常な硬貨ではないと識別された硬貨や識別部16により識別することができなかった硬貨はリジェクト硬貨として開口20から落下し、リジェクト用シュート24を介してリジェクト部28に送られる。上述したように、貨幣入金機1の筐体1aの前面側から操作者がリジェクト部28にアクセスすることができるようになっているため、リジェクト部28にリジェクト硬貨が送られると、操作者はリジェクト部28からリジェクト硬貨を取り出すことができるようになる。
投入部12に投入された硬貨が全て当該投入部12に設けられた回転盤により筐体1aの内部に繰り出されて一時保留部26またはリジェクト部28に送られると、操作表示部86、88には入金確定の承認を求めるメッセージが表示される。そして、操作者が入金確定の指令を操作表示部86、88により本体制御部80に入力すると、一時保留部26は図4における中央の位置から右側の位置に移動し、この一時保留部26に一時的に保留されている硬貨が当該一時保留部26から自重により落下し、収納用シュート32を介して硬貨収納カセット40に送られ、この硬貨収納カセット40に収納されるようになる。一方、操作者が入金確定の指令の代わりに返却の指令を操作表示部86、88により本体制御部80に入力すると、一時保留部26は図4における中央の位置から左側の位置に移動し、この一時保留部26に一時的に保留された硬貨が当該一時保留部26から自重により落下して硬貨返却箱30に送られるようになる。また、返却の指令が本体制御部80に入力されると、ロック部31によるロック状態が解除され、硬貨返却箱30は筐体1aから手前側に引き出し可能となる。その後、操作者が把持部分30aを把持して硬貨返却箱30を筐体1aから手前側に引き出すことにより、硬貨返却箱30に収納されている硬貨が筐体1aの外部に返却される。
次に、紙幣入金装置50において紙幣の入金処理が行われるときの動作について説明する。操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すことにより、当該操作者の権限が認証された後、この操作者が操作表示部86、88により入金処理開始の指令を本体制御部80に与えると、当該操作者は貨幣入金機1の筐体1aの上面に設けられたシャッタ52aを手動で開くことにより筐体1aの外部から紙幣の束を投入部52に投入することができるようになる。投入部52に紙幣の束が投入されると、シャッタ52aを操作者が手動で閉じた後に繰出機構54によって紙幣が1枚ずつ筐体1aの内部に繰り出され、搬送部56により搬送される。この際に、識別部58により紙幣の金種、真偽、正損等の識別が行われる。識別部58により正常な紙幣であると識別された硬貨は分岐部60により一時保留部64に送られ、この一時保留部64に一時的に保留される。また、識別部58により正常な紙幣ではないと識別された紙幣や識別部58により識別することができなかった紙幣はリジェクト紙幣としてリジェクト部62に送られる。上述したように、貨幣入金機1の筐体1aの前面側から操作者がリジェクト部62にアクセスすることができるようになっているため、リジェクト部62にリジェクト紙幣が送られると、操作者はリジェクト部62からリジェクト紙幣を取り出すことができるようになる。
投入部52に投入された紙幣が全て繰出機構54により筐体1aの内部に繰り出されて一時保留部64またはリジェクト部62に送られると、操作表示部86、88には入金確定の承認を求めるメッセージが表示される。そして、操作者が入金確定の指令を操作表示部86、88により本体制御部80に入力すると、一時保留部64に一時的に保留された紙幣が当該一時保留部64から自重により落下して紙幣収納カセット70に送られ、この紙幣収納カセット70に収納されるようになる。一方、操作者が入金確定の指令の代わりに返却の指令を操作表示部86、88により本体制御部80に入力すると、扉ロック部65による扉1cのロック状態が解除され、操作者は扉1cを開くことにより一時保留部64から紙幣を取り出すことができるようになる。このようにして、一時保留部64に収納されている紙幣が筐体1aの外部に返却される。なお、硬貨の入金処理と紙幣の入金処理は同時並行的に行われ、単一の入金確定の指令あるいは返却の指令によって収納動作または返却動作が行われる。
次に、本実施の形態による貨幣入金機1において、第1の操作者が第1の取引(具体的には、貨幣の入金処理)を行った後に第2の操作者が第2の取引(具体的には、貨幣の入金処理)を行うときの動作の流れについて図8に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、第1の操作者が貨幣入金機1において貨幣の入金処理を行うにあたり、この第1の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すことにより記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせると(STEP101)、第1の操作者の権限が認証される。また、このときに、貨幣入金機1において、第1の取引に係る占有状態が開始される(STEP102)。第1の取引に係る占有状態が開始されると、第1の操作者は貨幣入金機1の筐体1aの上面に設けられたシャッタ12a、52aを手動で開くことにより筐体1aの外部から貨幣を投入部12、52に投入することができるようになる。そして、投入部12、52に貨幣が投入されると(STEP103)、投入部12、52に投入された貨幣が筐体1aの内部に繰り出され、識別部16、58により正常な貨幣であると識別された貨幣が一時保留部26、64に送られるとともに、識別部16、58により正常な貨幣ではないと識別された貨幣がリジェクト硬貨としてリジェクト部28、62に送られる(STEP104)。そして、投入部12、52に投入された貨幣が全て一時保留部26、64またはリジェクト部28、62に送られると、操作表示部86、88には入金確定の承認を求めるメッセージが表示される。そして、第1の操作者が入金確定の指令を操作表示部86、88により本体制御部80に入力すると(STEP105)、一時保留部26、64から硬貨収納カセット40や紙幣収納カセット70(以下、これらの硬貨収納カセット40や紙幣収納カセット70をまとめて単に「収納部」ともいう)に貨幣が送られるとともに(STEP106)、第1の取引に係る占有状態が終了する(STEP107)。このように、IDカード等の記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせることが占有状態開始指令となり、入金確定の指令を入力することが占有状態終了指令となる。
その後、第2の操作者が貨幣入金機1において貨幣の入金処理を行うにあたり、この第2の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すことにより記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせると(STEP108)、第2の操作者の権限が認証される。また、このときに、貨幣入金機1において、第2の取引に係る占有状態が開始される(STEP109)。第2の取引に係る占有状態が開始されると、第2の操作者は貨幣入金機1の筐体1aの上面に設けられたシャッタ12a、52aを手動で開くことにより筐体1aの外部から貨幣を投入部12、52に投入するようになる(STEP110)。以下、同様にして第2の操作者は貨幣入金機1において貨幣の入金処理を行うことができるようになる。
なお、本実施の形態では、本体制御部80は、第1の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせることによって第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、すなわち第2の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了することができるようになっている。このような例について図9乃至図11に示すフローチャートを用いて説明する。図9乃至図11に示すフローチャートは、それぞれ、本実施の形態による貨幣入金機1において、第1の操作者が第1の取引(具体的には、貨幣の入金処理)を確定させる前に第2の操作者が第2の取引(具体的には、貨幣の入金処理)を行おうとしたときの動作の流れの様々な例を示すものである。
まず、図9に示すフローチャートの例について以下に述べる。最初に、第1の操作者が貨幣入金機1において貨幣の入金処理を行うにあたり、この第1の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すことにより記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせると(STEP201)、第1の操作者の権限が認証される。また、このときに、貨幣入金機1において、第1の取引に係る占有状態が開始される(STEP202)。第1の取引に係る占有状態が開始されると、第1の操作者は貨幣入金機1の筐体1aの上面に設けられたシャッタ12a、52aを手動で開くことにより筐体1aの外部から貨幣を投入部12、52に投入することができるようになる。そして、投入部12、52に貨幣が投入されると(STEP203)、投入部12、52に投入された貨幣が筐体1aの内部に繰り出され、識別部16、58により正常な貨幣であると識別された貨幣が一時保留部26、64に送られるとともに、識別部16、58により正常な貨幣ではないと識別された貨幣がリジェクト貨幣としてリジェクト部28、62に送られる(STEP204)。そして、投入部12、52に投入された貨幣が全て一時保留部26、64またはリジェクト部28、62に送られると、操作表示部86、88には入金確定の承認を求めるメッセージが表示される。本来であれば、上述したように、第1の操作者が入金確定の指令または返却の指令を操作表示部86、88により本体制御部80に入力する必要があるが、第1の操作者が操作表示部86、88により入金確定の指令を入力するのを忘れてしまった場合には、この第1の操作者が貨幣入金機1から離れても第1の取引に係る占有状態期間が継続され、第1の操作者により投入部12、52に投入された貨幣のうち正常な貨幣は一時保留部26、64に残留するようになる。なお、リジェクト部28、62に送られたリジェクト貨幣は、第1の操作者によって回収される場合と、リジェクト部28、62に残されたままとなる場合とがある。
その後、第2の操作者が貨幣入金機1において貨幣の入金処理を行おうとして、この第2の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すことにより記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせると(STEP205)、第2の操作者の権限が認証されるが、第1の取引に係る占有状態期間が続いているため、操作表示部86、88には図12(a)に示すような警告メッセージが表示されるとともに図示しない音声部により警告音が発せられる。通常はこのような警告メッセージや警告音を受けることにより第2の操作者は第1の取引に係る占有状態期間が続いていることに気づき、投入部12、52に貨幣を投入しないが、このような警告メッセージや警告音が発せられたにもかかわらず第2の操作者が誤って投入部12、52に貨幣を投入してしまう場合がある(STEP206)。このような場合に、投入部12、52に投入された貨幣のうち正常な貨幣を一時保留部26、64に送ってしまうと、一時保留部26、64において第1の操作者に係る貨幣と第2の操作者に係る貨幣が混在してしまうようになるため、本実施の形態では、投入部12、52に投入された貨幣を筐体1aの内部に繰り出した後、全ての貨幣をリジェクト部28、62に送るようにする(STEP207)。また、この際に、操作表示部86、88には、図12(b)に示すように、リジェクト部28、62から貨幣を取り出すことを第2の操作者に催促する旨のメッセージが表示される。このことにより、第2の操作者は投入部12、52に誤って投入した貨幣をリジェクト部28、62から筐体1aの外部に取り出すことができるようになり、一時保留部26、64において第1の操作者に係る貨幣と第2の操作者に係る貨幣が混在してしまうことを防止することができるようになる。その後、図12(b)に示すような操作表示部86、88の表示画面において「確認」ボタンが押下されると、操作表示部86、88の表示画面が図12(a)に示すような表示画面に戻るようになる。
なお、第2の操作者が誤って投入部12、52に貨幣を投入してしまったときに(STEP206)、投入部12、52に投入された貨幣を筐体1aの内部に繰り出してリジェクト部28、62に送る代わりに、投入部12、52に投入された貨幣を筐体1aの内部に繰り出さず、当該投入部12、52に残留させるようにしてもよい。この場合でも、一時保留部26、64において第1の操作者に係る貨幣と第2の操作者に係る貨幣が混在してしまうことを防止することができるようになる。また、更に別の例として、第2の操作者が誤って投入部12、52に貨幣を投入してしまったときに(STEP206)、硬貨入金装置10については、投入部12に投入された硬貨を筐体1aの内部に繰り出してリジェクト部28に送るが、紙幣入金装置50については、投入部52に投入された紙幣を筐体1aの内部に繰り出さず、当該投入部52に残留させるようにしてもよい。
図9に示すフローチャートの例では、貨幣入金機1における第1の取引に係る占有状態期間を強制的に終了させるには、図12(a)における操作表示部86、88の表示画面に示すように、特定の権限(例えば、店長権限)に係る確定指令を本体制御部80に入力し、第1の取引に係る貨幣の入金処理について強制確定を行う必要がある。具体的には、店長が所持する店長権限カードを読取部90に通すことにより当該店長権限カードに記録された情報を読取部90により読み取らせると(STEP208)、特定の権限(すなわち、店長権限)に係る確定指令が本体制御部80に入力されるようになり、一時保留部26、64に一時的に保留されている第1の操作者に係る貨幣が収納部に送られるとともに(STEP209)、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了する(STEP210)。この際に、収納部に収納された第1の操作者に係る貨幣の情報(具体的には、収納部に収納された貨幣の金種毎の枚数や合計金額に係る情報)が印字部84により強制的にレシートに印字され、このレシートは店長により保管される。また、第1の操作者に係る貨幣の入金処理の結果に関する情報が記憶部94に記憶されたり通信インターフェース部98により上位端末等の外部装置に送信されたりするようになる。また、リジェクト部28、62にリジェクト貨幣が残っている場合は、店長がリジェクト貨幣を回収して別途保管する。その後、第2の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すことにより記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせると(STEP211)、第2の操作者の権限が認証される。また、このときに、貨幣入金機1において、第2の取引に係る占有状態が開始される(STEP212)。このようにして、第2の取引に係る占有状態が開始されると、第2の操作者は筐体1aの外部から貨幣を投入部12、52に投入するようになり(STEP213)、第2の操作者は貨幣入金機1において貨幣の入金処理を行うことができるようになる。
また、図9に示すフローチャートの例において、貨幣入金機1において第1の取引に係る占有状態期間が続いているときに、店長が所持する店長権限カードに記録された情報を読取部90により読み取らせる(STEP208)代わりに、第1の操作者が貨幣入金機1に戻ってきて当該第1の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせると、貨幣入金機1において第1の取引に係る占有状態期間が継続されるようになる。そして、貨幣入金機1に戻ってきた第1の操作者が入金確定の指令または返却の指令を操作表示部86、88により本体制御部80に入力することにより、一時保留部26、64で一時的に保留された貨幣が収納部に送られたりあるいは筐体1aの外部に返却されたりするようになる。
また、本実施の形態による貨幣入金機1において、第1の操作者が第1の取引を確定させる前に第2の操作者が第2の取引を行おうとしたときの動作の他の例について図10に示すフローチャートを用いて以下に説明する。図10に示すフローチャートの例では、本体制御部80は、第1の取引に係る占有状態期間が続いているときに、第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させるとともに一時保留部26、64で一時的に保留されている貨幣を収納部に送るよう貨幣入金機1の各構成部材を制御するようになっている。
図10に示すフローチャートの例について具体的に説明すると、最初に、第1の操作者が貨幣入金機1において貨幣の入金処理を行うにあたり、この第1の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すことにより記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせると(STEP301)、第1の操作者の権限が認証される。また、このときに、貨幣入金機1において、第1の取引に係る占有状態が開始される(STEP302)。第1の取引に係る占有状態が開始されると、第1の操作者は貨幣入金機1の筐体1aの上面に設けられたシャッタ12a、52aを手動で開くことにより筐体1aの外部から貨幣を投入部12、52に投入することができるようになる。そして、投入部12、52に貨幣が投入されると(STEP303)、投入部12、52に投入された貨幣が筐体1aの内部に繰り出され、識別部16、58により正常な貨幣であると識別された貨幣が一時保留部26、64に送られるとともに、識別部16、58により正常な貨幣ではないと識別された貨幣がリジェクト硬貨としてリジェクト部28、62に送られる(STEP304)。そして、投入部12、52に投入された貨幣が全て一時保留部26、64またはリジェクト部28、62に送られると、操作表示部86、88には入金確定の承認を求めるメッセージが表示される。ここで、第1の操作者が操作表示部86、88により入金確定の指令を入力するのを忘れてしまった場合には、この第1の操作者が貨幣入金機1から離れても第1の取引に係る占有状態期間が継続され、第1の操作者により投入部12、52に投入された貨幣のうち正常な貨幣は一時保留部26、64に残留するようになる。
その後、第2の操作者が貨幣入金機1において貨幣の入金処理を行おうとして、この第2の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すことにより記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせると(STEP305)、第2の操作者の権限が認証されるが、第1の取引に係る占有状態期間が続いているため、操作表示部86、88には図12(c)に示すような警告メッセージが表示されるとともに図示しない音声部により警告音が発せられる。通常はこのような警告メッセージや警告音を受けることにより第2の操作者は第1の取引に係る占有状態期間が続いていることに気づき、投入部12、52に貨幣を投入しないが、このような警告メッセージや警告音が発せられたにもかかわらず第2の操作者が誤って投入部12、52に貨幣を投入してしまう場合がある(STEP306)。このような場合に、投入部12、52に投入された貨幣のうち正常な貨幣を一時保留部26、64に送ってしまうと、一時保留部26、64において第1の操作者に係る貨幣と第2の操作者に係る貨幣が混在してしまうようになるため、投入部12、52に投入された貨幣は筐体1aの内部に繰り出されることなく当該投入部12、52に残留するようになる。このことにより、一時保留部26、64において第1の操作者に係る貨幣と第2の操作者に係る貨幣が混在してしまうことを防止することができるようになる。
また、操作表示部86、88に図12(c)に示すような表示画面が表示されているときに、第2の操作者が「強制確定」ボタンを押下すると、一時保留部26、64に一時的に保留されている第1の操作者に係る貨幣が収納部に送られるとともに(STEP307)、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了する(STEP308)。この際に、操作表示部86、88には図12(d)に示すような、第1の操作者に係る貨幣を収納部に収納する旨のメッセージが表示されるようになる。また、第1の操作者に係る貨幣の入金処理の結果に関する情報が記憶部94に記憶されたり通信インターフェース部98により上位端末等の外部装置に送信されたりするようになる。
なお、上記の例では、図12(c)に示すような操作表示部86、88の表示画面において第2の操作者が「強制確定」ボタンを押下するという所定の指示操作を行うことにより第1の取引に係る占有状態が強制的に終了するようになっているが、このような例に限定されることはない。他の例として、第2の操作者のIDカード等の記録媒体92が読取部90により読み取られた後、この第2の操作者により投入部12、52に貨幣が投入されるだけで、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了するようになっていてもよい。また、更に他の例として、第2の操作者のIDカード等の記録媒体92が読取部90により読み取られるだけで、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了するようになっていてもよい。
第1の取引に係る占有状態が強制的に終了すると(STEP308)、操作表示部86、88には図12(e)に示すような表示画面が表示されるようになる。そして、第2の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を再び読取部90に通すことにより記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせると(STEP309)、第2の操作者の権限が認証される。また、このときに、貨幣入金機1において、第2の取引に係る占有状態が開始される(STEP310)。このようにして、第2の取引に係る占有状態が開始されると、第2の操作者により投入部12、52に誤って投入され、当該投入部12、52に残留していた貨幣が筐体1aの内部に繰り出され、識別部16、58により正常な貨幣であると識別された貨幣が一時保留部26、64に送られるとともに、識別部16、58により正常な貨幣ではないと識別された貨幣がリジェクト硬貨としてリジェクト部28、62に送られる(STEP311)。このようにして、第2の操作者は貨幣入金機1において貨幣の入金処理を行うことができるようになる。
また、本実施の形態による貨幣入金機1において、第1の操作者が第1の取引を確定させる前に第2の操作者が第2の取引を行おうとしたときの動作の更に他の例について図11に示すフローチャートを用いて以下に説明する。図11に示すフローチャートの例では、図10に示すフローチャートの例と同様に、本体制御部80は、第1の取引に係る占有状態期間が続いているときに、第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させるとともに一時保留部26、64で一時的に保留されている貨幣を収納部に送るよう貨幣入金機1の各構成部材を制御するようになっている。また、図11に示すフローチャートの例では、本体制御部80は、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後、第2の取引に係る占有状態を自動的に開始させるよう貨幣入金機1の各構成部材を制御するようになっている。
図11に示すフローチャートの例について具体的に説明すると、最初に、第1の操作者が貨幣入金機1において貨幣の入金処理を行うにあたり、この第1の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すことにより記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせると(STEP401)、第1の操作者の権限が認証される。また、このときに、貨幣入金機1において、第1の取引に係る占有状態が開始される(STEP402)。第1の取引に係る占有状態が開始されると、第1の操作者は貨幣入金機1の筐体1aの上面に設けられたシャッタ12a、52aを手動で開くことにより筐体1aの外部から貨幣を投入部12、52に投入することができるようになる。そして、投入部12、52に貨幣が投入されると(STEP403)、投入部12、52に投入された貨幣が筐体1aの内部に繰り出され、識別部16、58により正常な貨幣であると識別された貨幣が一時保留部26、64に送られるとともに、識別部16、58により正常な貨幣ではないと識別された貨幣がリジェクト硬貨としてリジェクト部28、62に送られる(STEP404)。そして、投入部12、52に投入された貨幣が全て一時保留部26、64またはリジェクト部28、62に送られると、操作表示部86、88には入金確定の承認を求めるメッセージが表示される。ここで、第1の操作者が操作表示部86、88により入金確定の指令を入力するのを忘れてしまった場合には、この第1の操作者が貨幣入金機1から離れても第1の取引に係る占有状態期間が継続され、第1の操作者により投入部12、52に投入された貨幣のうち正常な貨幣は一時保留部26、64に残留するようになる。
その後、第2の操作者が貨幣入金機1において貨幣の入金処理を行おうとして、この第2の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すことにより記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせると(STEP405)、第2の操作者の権限が認証されるが、第1の取引に係る占有状態期間が続いているため、操作表示部86、88には図12(c)に示すような警告メッセージが表示されるとともに図示しない音声部により警告音が発せられる。通常はこのような警告メッセージや警告音を受けることにより第2の操作者は第1の取引に係る占有状態期間が続いていることに気づき、投入部12、52に貨幣を投入しないが、このような警告メッセージや警告音が発せられたにもかかわらず第2の操作者が誤って投入部12、52に貨幣を投入してしまう場合がある(STEP406)。このような場合に、投入部12、52に投入された貨幣のうち正常な貨幣を一時保留部26、64に送ってしまうと、一時保留部26、64において第1の操作者に係る貨幣と第2の操作者に係る貨幣が混在してしまうようになるため、投入部12、52に投入された貨幣は筐体1aの内部に繰り出されることなく当該投入部12、52に残留するようになる。このことにより、一時保留部26、64において第1の操作者に係る貨幣と第2の操作者に係る貨幣が混在してしまうことを防止することができるようになる。
また、操作表示部86、88に図12(c)に示すような表示画面が表示されているときに、第2の操作者が「強制確定」ボタンを押下すると、一時保留部26、64に一時的に保留されている第1の操作者に係る貨幣が収納部に送られるとともに(STEP407)、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了する(STEP408)。この際に、操作表示部86、88には図12(d)に示すような、第1の操作者に係る貨幣を収納部に収納する旨のメッセージが表示されるようになる。また、第1の操作者に係る貨幣の入金処理の結果に関する情報が記憶部94に記憶されたり通信インターフェース部98により上位端末等の外部装置に送信されたりするようになる。また、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了すると同時に第2の取引に係る占有状態が開始される(STEP408)。第2の取引に係る占有状態が開始されると、第2の操作者により投入部12、52に誤って投入され、当該投入部12、52に残留していた貨幣が筐体1aの内部に繰り出され、識別部16、58により正常な貨幣であると識別された貨幣が一時保留部26、64に送られるとともに、識別部16、58により正常な貨幣ではないと識別された貨幣がリジェクト硬貨としてリジェクト部28、62に送られる(STEP409)。このようにして、第2の操作者は貨幣入金機1において貨幣の入金処理を行うことができるようになる。
なお、上記の例では、図12(c)に示すような操作表示部86、88の表示画面において第2の操作者が「強制確定」ボタンを押下することにより第1の取引に係る占有状態が強制的に終了するとともに第2の取引に係る占有状態が開始されるようになるが、このような例に限定されることはない。他の例として、第2の操作者のIDカード等の記録媒体92が読取部90により読み取られた後、この第2の操作者により投入部12、52に貨幣が投入されるだけで、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了するとともに第2の取引に係る占有状態が開始されるようになっていてもよい。また、更に他の例として、第2の操作者のIDカード等の記録媒体92が読取部90により読み取られるだけで、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了するとともに第2の取引に係る占有状態が開始されるようになっていてもよい。
以上のような構成からなる本実施の形態の貨幣入金機1によれば、図9乃至図11の各フローチャートに示すように、本体制御部80は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了することができるようになっている。ここで、「第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了することができる」とは、単に第1の取引に係る占有状態を通常終了させるのではなく、図9のフローチャートに示すように特定の権限(例えば、店長権限)に係る確定指令を本体制御部80に入力することや、図10や図11のフローチャートに示すように他の操作者(すなわち、第2の操作者)により第2の取引に係る占有状態開始指令を本体制御部80に入力することを介して第1の取引に係る占有状態を終了させることを含んでいる。本体制御部80が上記内容の制御を行うことにより、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後では第2の取引に係る入金貨幣が第1の取引の追加入金として取り扱われることがなく、よって違算が発生することを防止することができる。すなわち、従来技術では、第1の取引に係る占有状態開始指令を本体制御部80が受け付けた後、第1の操作者によって貨幣入金機1の筐体1a内の投入された貨幣が全て一時保留部26、64に送られたときにこの第1の操作者が入金確定の指令を入力し忘れて帰ってしまった場合には、第2の操作者がIDカード等の記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせた後、この第2の操作者が誤って投入部12、52に貨幣を投入してしまったときに、当該貨幣は第1の操作者の追加入金として取り扱われるようになってしまうため、貨幣入金機1において違算が発生してしまうという問題があった。これに対し、本実施の形態の貨幣入金機1によれば、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させることにより、このような違算が発生することを防止することができる。
また、本実施の形態の貨幣入金機1においては、図9のフローチャートに示すように、本体制御部80は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後(STEP201)、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると(STEP205)、特定の権限に係る確定指令を受け付けたときに(STEP208)、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させるとともに(STEP210)、一時保留部26、64で一時的に保留された貨幣を収納部に送るよう(STEP209)制御を行うようになっている。また、上述したように、本体制御部80は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後において、第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後に第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると(具体的には、第1の操作者が貨幣入金機1に戻ってきて当該第1の操作者が所有するIDカード等の記録媒体92に記録された情報が読取部90により読み取られると)、第1の取引に係る占有状態を引き続き行うよう制御を行うようになっている。
また、本実施の形態の貨幣入金機1においては、図10および図11の各フローチャートに示すように、本体制御部80は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させるとともに一時保留部26、64で一時的に保留された貨幣を収納部に送るよう制御を行うようになっている。
この場合、図10のフローチャートに示すように、本体制御部80は、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後(STEP308)、第2の取引に係る占有状態開始指令を再び受け付けたときに(STEP309)、第2の取引に係る占有状態を開始させるよう(STEP310)制御を行うようになっていてもよい。あるいは、図11のフローチャートに示すように、本体制御部80は、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後、第2の取引に係る占有状態を自動的に開始させるよう(STEP408)制御を行うようになっていてもよい。
また、本実施の形態の貨幣入金機1においては、図9のフローチャートに示すように、本体制御部80は、第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後に(STEP205)、投入部12、52に投入された貨幣を(STEP206)、筐体1aの外部に貨幣を返却するための返却部(具体的には、リジェクト部28、62)に送るよう(STEP207)制御を行うようになっている。この場合には、一時保留部26、64において第1の操作者に係る貨幣と第2の操作者に係る貨幣が混在してしまうことを防止することができるようになる。
また、本実施の形態の貨幣入金機1においては、図10や図11のフローチャートに示すように、本体制御部80は、第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後において第1の取引に係る占有状態が強制的に終了する前に投入部12、52に投入された貨幣を筐体1aの内部に送らないよう投入部12、52の制御を行うようになっていてもよい。この場合でも、一時保留部26、64において第1の操作者に係る貨幣と第2の操作者に係る貨幣が混在してしまうことを防止することができるようになる。
また、本実施の形態の貨幣入金機1においては、上述したように、持ち運び可能な記録媒体92に記録された情報の読み取りを行う読取部90が設けられており、記録媒体92に記録された情報が読取部90により読み取られたときに本体制御部80は当該記録媒体92に関する取引に係る占有状態開始指令を受け付けるようになっている。
また、本実施の形態の貨幣入金機1においては、上述したように、本体制御部80に指令を入力するための操作手段として操作表示部86、88が設けられており、投入部12、52に投入された貨幣が一時保留部26、64に送られた後に操作手段としての操作表示部86、88によって本体制御部80に入金確定の指令が入力されると当該本体制御部80は占有状態終了指令を受け付けるようになっている。
また、本実施の形態の貨幣入金機1においては、上述したように、投入部12、52により筐体1aの内部に投入された貨幣を識別する識別部16、58が設けられており、本体制御部80は、識別部16、58により正常な貨幣であると識別された貨幣を一時保留部26、64に送るとともに、識別部16、58により正常な貨幣ではないと識別された貨幣を、筐体1aの外部に貨幣を返却するための返却部(具体的には、リジェクト部28、62)に送るよう制御を行うようになっている。
なお、本実施の形態による貨幣入金機1やこの貨幣入金機1による貨幣処理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、貨幣入金機1においてある操作者が当該操作者の取引(具体的には、貨幣の入金処理)に係る占有状態を開始させるにあたり、当該操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通して当該記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせることにより、この操作者の取引に係る占有状態開始指令が本体制御部80に受け付けられるような例に限定されることはない。他の例として、操作者が操作表示部86、88により自己の識別番号(例えば、店員番号等)を手入力することにより、当該操作者の権限が本体制御部80において認証され、このことによりこの操作者の取引に係る占有状態が開始するようになっていてもよい。
また、貨幣入金機1においてある操作者の取引に係る占有状態が強制的に終了したときに、当該操作者が後日(例えば、次の日)、自己のIDカード等の記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせると、操作表示部86、88において正常に終了していない取引が存在する旨のメッセージが表示されるとともに、強制的に終了した取引において収納部に収納された貨幣の情報(具体的には、収納部に収納された貨幣の金種毎の枚数や合計金額に係る情報)が操作表示部86、88に表示される。この際に、操作者が承認指令を操作表示部86、88により入力すると、この操作者がいない間に強制的に終了した前回の取引が正常に終了する。また、この際に、印字部84により、強制的に終了した取引において収納部に収納された貨幣の情報がレシートに印字される。その後、当該操作者は貨幣入金機1において新たな取引(具体的には、入金処理)を行うことができるようになる。
また、貨幣入金機1においてある操作者の取引に係る占有状態期間が継続しているときに、当該貨幣入金機1で操作者により何ら操作が行われない期間が所定時間以上続いた場合、他の操作者のIDカード等の記録媒体92に記録された情報が読取部90により読み取られなくても、当該操作者の取引に係る占有状態が強制的に終了するようになっていてもよい。また、貨幣入金機1の筐体1aの手前側に存在する人体を検知するための人体検知センサが当該貨幣入金機1の筐体1aの前面に設けられており、人体検知センサにより人体が検知されない期間が所定時間以上続いた場合、他の操作者のIDカード等の記録媒体92に記録された情報が読取部90により読み取られなくても、当該操作者の取引に係る占有状態が強制的に終了するようになっていてもよい。
また、貨幣入金機1においてある操作者の取引に係る占有状態期間が継続しているときに、当該貨幣入金機1で操作者により何ら操作が行われない期間が所定時間以上続いた場合、他の操作者のIDカード等の記録媒体92に記録された情報が読取部90により読み取られなくても、店長等の所定の権限を有する者が自己のIDカード等の記録媒体92に記録された情報を読取部90により読み取らせたり、操作表示部86、88により店長等の識別番号を入力したりすることにより、当該操作者の取引に係る占有状態が強制的に終了するようになっていてもよい。
また、更なる変形例に係る貨幣入金機1において、投入部12、52のシャッタ12a、52aをモータ駆動とし、第1の操作者の取引に係る占有状態期間が継続しているときに、第2の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すと、投入部12、52のシャッタ12a、52aが閉じられるとともに、操作表示部86、88において警告メッセージが表示されたり図示しない音声部により警告音が発せられたりするようになっていてもよい。なお、第1の操作者の取引に係る占有状態期間が継続しているときに、第2の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通す前に投入部12、52に貨幣を誤って投入してしまった場合は、投入部12、52に投入された貨幣を筐体1aの内部に繰り出してリジェクト部28、62に送るか、あるいは投入部12、52に投入された貨幣を筐体1aの内部に繰り出さず、当該投入部12、52に残留させるようにする。
また、別の変形例に係る貨幣入金機1において、同様に投入部12、52のシャッタ12a、52aをモータ駆動とし、第1の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すことにより第1の操作者の取引に係る占有状態が開始した後、当該第1の操作者が投入部12、52に貨幣を投入すると、シャッタ12a、52aが一旦閉まるようになっていてもよい。この場合は、第1の操作者の取引に係る占有状態期間が継続しているときに、第2の操作者が自己のIDカード等の記録媒体92を読取部90に通すと、操作表示部86、88において警告メッセージが表示されるとともに図示しない音声部により警告音が発せられるが、この第2の操作者は投入部12、52に貨幣を投入することができないため、第2の取引に係る入金貨幣が第1の取引の追加入金として取り扱われることがなく、よって違算が発生することを防止することができる。また、この場合、第1の操作者が追加入金を行いたい場合には、操作表示部86、88において追加入金を行う旨の指令を入力すると、シャッタ12a、52aが開くことによりこの第1の操作者は投入部12、52に貨幣を投入することができるようになる。
また、本実施の形態の貨幣入金機1において、読取部90により読み取られるべきIDカード等の記録媒体92として、管理権限が互いに異なる複数の種類のものが用いられるようになっていてもよい。この場合には、貨幣入金機1の読取部90に最初に通した記録媒体92(すなわち、どの取引の占有状態期間でもないような状態で読取部90に通した記録媒体92)の管理権限と、この記録媒体92に係る取引の占有状態期間中に読取部90に通した別の記録媒体92の管理権限との組み合わせによって、投入部12、52に投入された貨幣の処理方法を変えるようにしてもよい。具体的には、読取部90により読み取られるべきIDカード等の記録媒体92として、例えば、店長権限カード、通常の店員用カードおよびテナント用カードを用いた場合において、店長権限カードに係る取引の占有状態期間中に通常の店員用カードやテナント用カードが読取部90に通されたときには、通常の店員やテナント120の店員により投入部12、52に投入された貨幣は筐体1aの内部に繰り出されてリジェクト部28、62に送られる。一方、通常の店員用カードやテナント用カードに係る取引の占有状態期間中に店長権限カードが読取部90に通されたときには、店長により投入部12、52に投入された貨幣は当該投入部12、52から筐体1aの内部に繰り出されることなく投入部12、52に残留し、通常の店員用カードやテナント用カードに係る取引の占有状態が強制的に終了した後に投入部12、52に残留している貨幣が収納部に送られる。
また、貨幣入金機1において、図8乃至図11に示すフローチャートにおける「占有状態期間」が設定される取引は貨幣の入金処理に限定されることはない。貨幣入金機1において貨幣の入金処理ではなく計数処理が行われる場合でも、図8乃至図11に示すフローチャートにおける「占有状態期間」と同様の、計数処理の取引に係る占有状態期間が設定されるようになっていてもよい。この場合、本体制御部80は、第1の操作者のIDカード等の記録媒体92に記録された情報が読取部90により読み取られることによって第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付け、操作表示部86、88において貨幣の入金処理ではなく計数処理を行うことが選択された後に、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了することができるようになる。また、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了すると、貨幣入金機1により計数処理が行われた第1の操作者に係る貨幣の情報(具体的には、計数された貨幣の金種毎の枚数や合計金額に係る情報)が印字部84により強制的にレシートに印字されるようになっていてもよい。
また、更なる変形例に係る貨幣入金機1において、リジェクト部28、62に集積されたリジェクト貨幣を当該貨幣入金機1の筐体1aの内部に取り込んで保管する機能が設けられていてもよい。この場合には、リジェクト部28、62に置き忘れられたリジェクト貨幣を筐体1aの内部に取り込んで、このリジェクト貨幣の所有者(例えば、第1の操作者)がリジェクト貨幣の返却を求めた際に係員操作によってリジェクト貨幣を返却することができるようになる。さらに、筐体1aの内部に取り込まれたリジェクト貨幣を返却する機能を追加的に設けてもよく、この場合には、第1の操作者のIDカードが読取部90により読み取られたときに、リジェクト貨幣を自動で筐体1aの外部に返却することが可能となる。
また、本発明による貨幣処理装置は、図3乃至図7に示すような、貨幣の入金処理や計数処理を行う貨幣入金機1に限定されることはない。本発明による貨幣処理装置として、貨幣の入金処理および出金処理をそれぞれ行うことができる貨幣入出金機が用いられてもよい。この場合、ある操作者の取引に係る占有状態期間中に、当該操作者が貨幣入出金機において釣銭準備金としての貨幣の出金処理を行うことができるようになっていてもよい。
1 貨幣入金機
1a 筐体
1b 扉
1c 扉
10 硬貨入金装置
12 投入部
12a シャッタ
14 搬送部
14a 搬送ベルト
14b プーリ
14c プーリ
16 識別部
18 振分機構
20 開口
22 一時保留用シュート
24 リジェクト用シュート
26 一時保留部
28 リジェクト部
30 硬貨返却箱
30a 把持部分
31 ロック部
32 収納用シュート
40 硬貨収納カセット
50 紙幣入金装置
52 投入部
52a シャッタ
54 繰出機構
56 搬送部
58 識別部
60 分岐部
62 リジェクト部
64 一時保留部
65 扉ロック部
70 紙幣収納カセット
80 本体制御部
81 硬貨制御部
82 紙幣制御部
84 印字部
86 操作表示部
88 操作表示部
90 読取部
92 記録媒体
92a 記憶部
94 記憶部
98 通信インターフェース部
100 商業施設
101 売場領域
102 商品棚
104 レジカウンター
106 貨幣釣銭機
110 出納室
120 テナント
200 営業所
202 自動販売機
204 トラック

Claims (18)

  1. 少なくとも貨幣の入金処理を行う貨幣処理装置であって、
    前記貨幣処理装置の筐体の外部から内部に貨幣を投入するための投入部と、
    前記投入部により前記筐体の内部に投入された貨幣を搬送する搬送部と、
    前記搬送部に接続され、前記投入部により前記筐体の内部に投入された貨幣を一時的に保留する一時保留部と、
    前記一時保留部から送られた貨幣を収納する収納部と、
    ある取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、この取引に係る占有状態を開始させ、この取引に係る占有状態では前記投入部により前記筐体の内部に投入された貨幣を前記一時保留部で一時的に保留し、また、ある取引に係る占有状態が続いているときにこの取引に係る占有状態終了指令を受け付けると、この取引に係る占有状態を終了させるとともに前記一時保留部で一時的に保留された貨幣を前記収納部に送るよう前記一時保留部の制御を行う制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了することができるようになっている、貨幣処理装置。
  2. 前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、特定の権限に係る確定指令を受け付けたときに第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させるとともに前記一時保留部で一時的に保留された貨幣を前記収納部に送るよう制御を行う、請求項1記載の貨幣処理装置。
  3. 前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後において、第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後に第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を引き続き行うよう制御を行う、請求項1または2記載の貨幣処理装置。
  4. 前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させるとともに前記一時保留部で一時的に保留された貨幣を前記収納部に送るよう制御を行う、請求項1記載の貨幣処理装置。
  5. 前記制御部は、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後、第2の取引に係る占有状態開始指令を再び受け付けたときに第2の取引に係る占有状態を開始させるよう制御を行う、請求項4記載の貨幣処理装置。
  6. 前記制御部は、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後、第2の取引に係る占有状態を自動的に開始させるよう制御を行う、請求項4記載の貨幣処理装置。
  7. 前記制御部は、第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後に前記投入部に投入された貨幣を、前記筐体の外部に貨幣を返却するための返却部に送るよう制御を行う、請求項2または3記載の貨幣処理装置。
  8. 前記制御部は、第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後において第1の取引に係る占有状態が強制的に終了する前に前記投入部に投入された貨幣を前記筐体の内部に送らないよう前記投入部の制御を行う、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の貨幣処理装置。
  9. 持ち運び可能な記録媒体に記録された情報の読み取りを行う読取部を更に備え、
    前記記録媒体に記録された情報が前記読取部により読み取られたときに前記制御部は当該記録媒体に関する取引に係る占有状態開始指令を受け付けるようになっている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の貨幣処理装置。
  10. 前記制御部に指令を入力するための操作手段を更に備え、
    前記投入部に投入された貨幣が前記一時保留部に送られた後に前記操作手段によって前記制御部に入金確定の指令が入力されると当該制御部は占有状態終了指令を受け付けるようになっている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の貨幣処理装置。
  11. 入金処理の結果に係る情報を印字する印字部を更に備え、
    前記制御部は、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後に改めて第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に関する入金処理の結果に係る情報を印字させるよう前記印字部の制御を行う、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の貨幣処理装置。
  12. 前記投入部により前記筐体の内部に投入された貨幣を識別する識別部を更に備え、
    前記制御部は、前記識別部により正常な貨幣であると識別された貨幣を前記一時保留部に送るとともに、前記識別部により正常な貨幣ではないと識別された貨幣を、前記筐体の外部に貨幣を返却するための返却部に送るよう制御を行う、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の貨幣処理装置。
  13. 少なくとも貨幣の入金処理を行う貨幣処理装置による貨幣処理方法であって、
    ある取引に係る占有状態開始指令を前記貨幣処理装置の制御部が受け付けると、当該制御部はこの取引に係る占有状態を開始させ、この取引に係る占有状態では投入部により筐体の内部に投入された貨幣を一時保留部で一時的に保留する工程と、
    ある取引に係る占有状態が続いているときに前記制御部がこの取引に係る占有状態終了指令を受け付けると、当該制御部はこの取引に係る占有状態を終了させるとともに前記一時保留部で一時的に保留された貨幣を収納部に送る工程と、
    を備え、
    前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了することができるようになっている、貨幣処理方法。
  14. 前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、特定の権限に係る確定指令を受け付けたときに第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させるとともに前記一時保留部で一時的に保留された貨幣を前記収納部に送るよう制御を行う、請求項13記載の貨幣処理方法。
  15. 前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後において、第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後に改めて第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を引き続き行うよう制御を行う、請求項13または14記載の貨幣処理方法。
  16. 前記制御部は、第1の取引に係る占有状態開始指令を受け付けた後、第1の取引に係る占有状態終了指令を受け付けることなく第2の取引に係る占有状態開始指令を受け付けると、第1の取引に係る占有状態を強制的に終了させるとともに前記一時保留部で一時的に保留された貨幣を前記収納部に送るよう制御を行う、請求項13記載の貨幣処理方法。
  17. 前記制御部は、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後、第2の取引に係る占有状態開始指令を再び受け付けたときに第2の取引に係る占有状態を開始させるよう制御を行う、請求項16記載の貨幣処理方法。
  18. 前記制御部は、第1の取引に係る占有状態が強制的に終了した後、第2の取引に係る占有状態を自動的に開始させるよう制御を行う、請求項16記載の貨幣処理方法。
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