WO2010004626A1

WO2010004626A1 - 有価媒体処理装置及び有価媒体処理方法

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Publication number: WO2010004626A1
Application number: PCT/JP2008/062412
Authority: WO
Inventors: 孝一西田; 一宏土井
Original assignee: グローリー株式会社
Priority date: 2008-07-09
Filing date: 2008-07-09
Publication date: 2010-01-14
Also published as: EP2320391A1; CN102089788A; EP2320391A4; US20110112681A1

Abstract

　入金作業の途中で有価媒体を収納する収納部が満杯になった場合であっても、入金作業を完結させることができる有価媒体処理装置及び有価媒体処理方法を提供する。有価媒体を装置内部へ取込む取込手段と、取込んだ有価媒体を収納する収納手段と、収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことを検知する検知手段と、取込手段による有価媒体の取込中に、検知手段により収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことが検知されると、その後に取込んだ有価媒体を装置外部へ返却する返却手段と、取込手段により取込んだ有価媒体に関する有価媒体情報を取得する情報取得手段とを有し、収納手段が満杯又は満杯に近い状態になるまでに取込んだ有価媒体に関する情報を確定情報とし、返却手段により返却した有価媒体に関する情報を仮確定情報として管理する情報管理手段とを有する有価媒体処理装置とした。

Description

有価媒体処理装置及び有価媒体処理方法

　本発明は、有価媒体処理装置及び有価媒体処理方法に関するものである。

　従来より、百貨店やスーパーマーケットの出納室には、レジ員が担当しているレジから回収した売上金等を一時的に保管する有価媒体処理装置が設けられていた。また、この種の有価媒体処理装置は、金融機関の店舗のバックヤードにも設けられていた。

　この有価媒体処理装置は、レジ員等の担当者から投入された紙幣や硬貨、商品券やクーポン券等の有価媒体を一枚ずつ装置内部へ取込み、その各有価媒体の金種、真偽、正損等の識別判定を行うと共に計数して、内部に設けた複数の収納部に一時的に保管するように構成されていた。

　そして、担当者の入金作業は、有価媒体処理装置へ投入した全ての有価媒体の種類、その種類毎の枚数と、有価媒体処理装置により計数された種類毎の有価媒体の枚数とが一致したことを担当者が確認した時点で完結することとなる。

　その後、この有価媒体処理装置に収納された有価媒体は、百貨店やスーパーマーケットの出納員又は警備会社の回収員等によって回収される。

　上記のように構成された有価媒体処理装置では、装置内部への有価媒体の取込中に有価媒体を収納する収納部の一部又は全部が有価媒体で満杯になる場合があった。

　この場合、従来の有価媒体処理装置では、収納部内の有価媒体が百貨店やスーパーマーケットの出納員又は警備会社の回収員等によって回収されるまで有価媒体の取込みを中断していたため、担当者は、入金作業を完結することができずに不便さを感じるという問題があった。

　かかる問題を解決する技術として、紙幣入金機に追加投入可能な紙幣の枚数を表示させる技術が考案されている（例えば、特許文献１参照。）。

　この特許文献１に記載の技術では、紙幣入金機に、紙幣を一時的に貯留する一時貯留部の貯留限度枚数から、入金された紙幣の枚数を減算した追加投入可能枚数を表示する追加投入可能枚数表示装置を設けることによって、一時貯留部の貯留能力を超えるような紙幣の投入を規制するようにしている。

　すなわち、特許文献１では、紙幣入金機に、あと何枚の紙幣が投入可能なのかを表示させて、表示されている枚数よりも多い紙幣を入金しようとする担当者の入金作業を規制することにより、入金作業の途中でその作業が中断して担当者が不便さを感じるという問題の発生を未然に防ぐように構成していた。

特公平８－２１１０６号公報

　しかしながら、上記した従来技術（特許文献１）では、入金作業の途中でその作業が中断することは予防することができるものの、一時貯留部の貯留能力を超える紙幣を入金しようとする担当者は、一時貯留部内の紙幣が回収されるまで、入金作業を開始することができなかったため、その担当者は、入金作業を迅速に完結することができずに不便さを感じるという問題があった。

　そこで、本発明は、上述した従来技術による課題（問題点）を解消するためになされたものであり、入金作業の途中で紙幣や硬貨、商品券、クーポン券等の有価媒体を収納する収納部が有価媒体で満杯になった場合であっても、その入金作業を完結させることができる有価媒体処理装置を提供することを目的とする。

　上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、有価媒体を処理する有価媒体処理装置において、外部から投入される有価媒体を装置内部へ取込む取込手段と、前記取込手段により取込んだ有価媒体を収納する収納手段と、前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことを検知する検知手段と、前記取込手段による有価媒体の取込中に、前記検知手段により前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことが検知されると、当該検知後に前記取込手段により取込んだ有価媒体を装置外部へ返却する返却手段と、前記取込手段により取込んだ有価媒体に関する有価媒体情報を取得する情報取得手段と、前記取込手段による有価媒体の取込開始から前記検知手段による検知までに取込んだ有価媒体に関する前記有価媒体情報を確定情報として管理し、前記返却手段により返却した有価媒体に関する前記有価媒体情報を仮確定情報として管理する情報管理手段とを有することを特徴とする。

　また、請求項２に記載の発明では、前記情報管理手段は、前記情報取得手段により取得した有価媒体情報を記憶する記憶手段を備え、前記確定情報と前記仮確定情報とを前記記憶手段に記憶させることを特徴とする。

　また、請求項３に記載の発明では、前記有価媒体情報は、前記取込手段により取込んだ有価媒体の数量及び種類を含む情報であることを特徴とする。

　また、請求項４に記載の発明では、前記有価媒体情報は、前記取込手段により取込んだ有価媒体の総額又は総価値を含む情報であることを特徴とする。

　また、請求項５に記載の発明では、前記有価媒体処理装置は、前記仮確定情報を記録した記録媒体を発行する記録媒体発行手段を有することを特徴とする。

　また、請求項６に記載の発明では、前記記録媒体発行手段により発行された前記記録媒体から前記仮確定情報を読取る仮確定情報読取手段と、前記仮確定情報読取手段により読取った仮確定情報と、前記記憶手段に記憶している仮確定情報とが同一であり、且つ、前記仮確定情報に相当する有価媒体が前記取込手段により取込まれた場合、当該取込まれた有価媒体に関して取得した有価媒体情報を消し込む消し込み処理手段とを有することを特徴とする。

　また、請求項７に記載の発明では、前記仮確定情報を識別するための識別情報を記録した記録媒体を発行する記録媒体発行手段と、前記記録媒体発行手段により発行された前記記録媒体から前記識別情報を読取る識別情報読取手段とを有し、前記情報管理手段は、前記識別情報読取手段により読取られた前記識別情報に対応する前記仮確定情報のうち、少なくとも有価媒体の情報の一部または全部を削除することを特徴とする。

　また、請求項８に係る発明では、有価媒体を処理する有価媒体処理方法において、外部から投入される有価媒体を装置内部へ取込むステップと、装置内部へ取込んだ有価媒体に関する有価媒体情報を取得するステップと、装置内部へ取込んだ有価媒体を前記収納手段に収納するステップと、前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことを検知するステップと、有価媒体の取込中に、前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことが検知されると、当該検知後に装置内部へ取込んだ有価媒体を装置外部へ返却するステップと、有価媒体の取込開始から前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことが検知されるまでに取込んだ有価媒体に関する前記有価媒体情報を確定情報として管理するステップと、前記返却した有価媒体に関する前記有価媒体情報を仮確定情報として管理するステップとを有することを特徴とする。

　本発明に係る有価媒体処理装置は、有価媒体を処理する有価媒体処理装置において、外部から投入される有価媒体を装置内部へ取込む取込手段と、前記取込手段により取込んだ有価媒体を収納する収納手段と、前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことを検知する検知手段と、前記取込手段による有価媒体の取込中に、前記検知手段により前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことが検知されると、当該検知後に前記取込手段により取込んだ有価媒体を装置外部へ返却する返却手段と、前記取込手段により取込んだ有価媒体に関する有価媒体情報を取得する情報取得手段と、前記取込手段による有価媒体の取込開始から前記検知手段による検知までに取込んだ有価媒体に関する前記有価媒体情報を確定情報として管理し、前記返却手段により返却した有価媒体に関する前記有価媒体情報を仮確定情報として管理する情報管理手段とを有するため、有価媒体の取込中に収納部が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になっても、その後に取込んだ有価媒体に関する情報を仮確定情報として管理することができるので、入金作業の途中で有価媒体を収納する収納部が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になった場合であっても、仮確定情報を用いて入金作業を完結させることができる。

　また、本発明に係る有価媒体処理装置の前記情報管理手段は、前記情報取得手段により取得した有価媒体情報を記憶する記憶手段を備え、前記確定情報と、前記仮確定情報とを前記記憶手段に記憶させるため、確定情報と仮確定情報とに基づいて、当該有価媒体処理装置へ投入した有価媒体の有価媒体情報と、有価媒体処理装置により取得した有価媒体情報とを照合することができるので、入金作業の途中で有価媒体を収納する収納部が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になった場合であっても、その入金作業を完結させることができる。

　また、本発明に係る有価媒体処理装置において、前記有価媒体情報は、前記取込手段により取込んだ有価媒体の数量及び種類を含む情報であるため、入金作業の途中で有価媒体を収納する収納部が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になった場合であっても、当該有価媒体処理装置に取込まれた全ての有価媒体の数量及び種類を取得することができるので、入金作業を完結させることができる。

　また、本発明に係る有価媒体処理装置において、前記有価媒体情報は、前記取込手段により取込んだ有価媒体の総額又は総価値を含む情報であるため、入金作業の途中で有価媒体を収納する収納部が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になった場合であっても、当該有価媒体処理装置に取込まれた全ての有価媒体の総額又は総価値を取得することができるので、入金作業を完結させることができる。

　また、本発明に係る有価媒体処理装置は、前記仮確定情報を記録した記録媒体を発行する記録媒体発行手段を有するため、発行した記録媒体によって、収納部に収容できずに返却した有価媒体と、その有価媒体に関する仮確定情報とを関連付けて管理することができる。

　また、本発明に係る有価媒体処理装置は、前記記録媒体発行手段により発行された前記記録媒体から前記仮確定情報を読取る仮確定情報読取手段と、前記仮確定情報読取手段により読取った仮確定情報と、前記記憶手段に記憶している仮確定情報とが同一であり、且つ、前記仮確定情報に相当する有価媒体が前記取込手段により取込まれた場合、当該取込まれた有価媒体に関して取得した有価媒体情報を消し込む消し込み処理手段とを有するため、取込手段により一度内部に取込んで返却手段により返却された有価媒体を再度取込んだ際に、当該有価媒体から重複して取得した有価媒体情報を消し込むことができる。

　また、本発明に係る有価媒体処理装置は、前記仮確定情報を識別するための識別情報を記録した記録媒体を発行する記録媒体発行手段と、前記記録媒体発行手段により発行された前記記録媒体から前記識別情報を読取る識別情報読取手段とを有し、前記情報管理手段は、前記識別情報読取手段により読取られた前記識別情報に対応する前記仮確定情報のうち、少なくとも有価媒体の情報の一部または全部を削除するため、たとえば、有価媒体の種類別に複数種類の仮確定情報がある場合であっても、それらの仮確定情報毎に割り当てた識別情報を用いて容易に管理することができるので、仮確定情報の確実な消し込みを行うことができる。

　また、本発明に係る有価媒体処理方法は、外部から投入される有価媒体を装置内部へ取込むステップと、装置内部へ取込んだ有価媒体に関する有価媒体情報を取得するステップと、装置内部へ取込んだ有価媒体を前記収納手段に収納するステップと、前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことを検知するステップと、有価媒体の取込中に、前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことが検知されると、当該検知後に装置内部へ取込んだ有価媒体を装置外部へ返却するステップと、有価媒体の取込開始から前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことが検知されるまでに取込んだ有価媒体に関する前記有価媒体情報を確定情報として管理するステップと、前記返却した有価媒体に関する前記有価媒体情報を仮確定情報として管理するステップとを有するため、入金作業の途中で有価媒体を収納する収納部が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になった場合であっても、その入金作業を完結させることができる。

図１は、本実施形態に係る入出金機の全体構成図である。図２は、本実施形態に係る入出金機による表示の一例を示す説明図である。図３は、本実施形態に係る入出金機の機能ブロック図である。図４は、本実施形態に係る入出金機で実行される処理を示すフローチャートである。図５は、本実施形態に係る入出金機で実行される処理を示すフローチャートである。

符号の説明

　１　　　　　　入出金機
　２　　　　　　処理機
　３　　　　　　ターミナル
　１１　　　　　表示・操作部
　１２　　　　　メイン制御部
　２１　　　　　サブ制御部　
　２２～２４　　金種別収納部
　２２ａ～２４ａ　フル状態検知センサ

　以下に添付図面を参照して、本発明に係る有価媒体処理装置及び有価媒体処理方法の好適な一実施形態を説明する。

　本実施形態では、本発明を紙幣の入金、及び収納、並びに出金を行う入出金機に対して適用した場合を例に挙げて説明するが、本発明は、これに限定するものではなく、硬貨や商品券、クーポン券等、任意の有価媒体の取込み、払出、収納を行う他の有価媒体処理装置に対して適用することができる。

　図１に示す入出金機１は、百貨店やスーパーマーケット等の店舗の出納室や、金融機関の店舗のバックヤード等に配設されるものである。

　そして、この入出金機１は、店舗の営業が終了した後に、レジの係員や出納員等（以下、「担当者」という。）が売上金を各レジ等から回収して入金し、その日の売上金の集計を行ったり、入金した紙幣を一時保管するために用いられるものである。また、この入出金機１は、レジの釣銭が切れた場合等、紙幣が必要になった場合には、紙幣の出金を行うこともできるように構成されている。

　この入出金機１は、図１に示すように、担当者によって投入される紙幣を内部へ取込んで、その紙幣の計数及び識別判定を行い、その後、紙幣を内部の金種別収納部（図３参照。）に一時的に保管する入金処理、及び内部に保管している紙幣を外部へ払出す出金処理を行う処理機２と、この処理機２の動作制御を行うターミナル３とを備えている。

　処理機２は、箱型の筐体４を備えており、この箱型の筐体４上面側には、手前側から順に担当者が紙幣を投入する入金口５と、担当者へ紙幣を払出す出金口６と、内部へ取込んだ紙幣のうち、当該処理機２による収納が不可能な紙幣を返却する返却口７とが設けられている。また、筐体４の手前側側面には、処理機２内に収納した紙幣の回収、及び処理機２への紙幣の補充を行う際に開閉する扉８が設けられている。なお、図１中の符号９は、扉８の施錠及び開錠を行うカギ孔である。

　そして、この処理機２の筐体４内部には、後述のサブ制御部２１、金種別収納部２２～２４、入金部２５、出金部２６、返却部２７、識別・判定部２８、搬送部２９、内部Ｉ／Ｆ（インターフェース）３０等（図３参照。）が収納されている。

　なお、金種別収納部２２～２４に一時的に保管された紙幣は、後に百貨店やスーパーマーケットの出納員又は警備会社の回収員等によって回収される。このとき回収員は、処理機２から金種別収納部２２～２４ごと紙幣を回収し、代わりに空の金種別収納部２２～２４を処理機２内に装填する。

　また、ターミナル３は、後述のメイン制御部１２（図３参照。）等が収納されている本体１０と、メイン制御部１２の制御に基づいて、担当者に入出金機１の操作方法等を案内する案内画像を表示すると共に、担当者が画像上の所定位置を指で触れることによって、処理機２に入金処理や出金処理等の各種処理を実行させるタッチパネル型の表示・操作部１１とを備えている。

　そして、この入出金機１では、担当者による表示・操作部１１の操作に従って、入金口５へ投入された紙幣を内部へ取込む取込処理、内部へ取込んだ紙幣の金種、真偽、正損等を識別判定する識別判定処理、識別判定した紙幣を金種別に計数してその合計金額を算出する計数処理、計数処理後の紙幣を内部の金種別収納部２２～２４へ収納する収納処理等を行い、最後に、投入された紙幣の金種別の合計金額を表示・操作部１１に表示して、担当者に確認させる一連の入金処理を行うように構成している。

　そして、担当者の入金作業は、投入した紙幣の金種別の合計金額と、表示・操作部１１に表示された金種別の合計金額とを照合して一致した場合に完結する。

　特に、本実施形態の入出金機１は、投入された紙幣の内部への取込中に、内部の金種別収納部２２～２４のうちの一部又は全部が紙幣で満杯又は満杯に近い状態になった場合であっても、一旦投入された紙幣については入金処理を継続して、担当者の入金作業を完結させるように構成している。

　すなわち、この入出金機１では、紙幣の内部への取込中に、金種別収納部２２～２４のうちの一部又は全部が紙幣で満杯又は満杯に近い状態になった場合であっても、投入された全ての紙幣の識別判定処理及び計数処理が終了するまでは紙幣の取込処理を継続し、金種別収納部２２～２４へ収納できない分の紙幣は返却口７から担当者へ返却するように構成している。

　そして、この入出金機１では、紙幣の取込み開始から金種別収納部２２～２４が紙幣で満杯又は満杯に近い状態になるまでに取込んだ紙幣に対する識別判定処理及び計数処理の結果取得したそれら紙幣（有価媒体）に関する情報（有価媒体情報）を確定情報として管理し、金種別収納部２２～２４が紙幣で満杯又は満杯に近い状態になってから取込んだ紙幣（返却した紙幣）に対する識別判定処理及び計数処理の結果取得したそれら貨幣（有価媒体）に関する情報（有価媒体情報）を仮確定情報として、前述の確定情報とは別個に管理するようにしている。

　本実施形態では、上記確定情報及び仮確定情報を全て入出金機１によって管理するように構成しているが、これら確定情報及び仮確定情報を入出金機１以外の他の装置により管理するように構成してもよい。

　かかる構成とする場合、入出金機１と通信回線を介して接続した所定のサーバ装置（たとえば、ホストコンピュータ等）を更に設け、入出金機１からサーバ装置へ確定情報及び仮確定情報を送信して、このサーバ装置によって、確定情報及び仮確定情報を管理する紙葉類管理システムを構築する。

　このような紙葉類管理システムを構築することによって、１台のサーバ装置により、複数台の入出金機１に関する確定情報及び仮確定情報を統括して管理することができ、入出金に関する情報の管理を容易に行うことができる。しかも、各入出金機１は、自装置内部で上記確定情報及び仮確定情報の管理が不要になるので、処理負荷が低減される。

　なお、本実施形態では、有価媒体処理装置の一例として、貨幣を取扱う入出金機１を例に挙げて説明しているため、有価媒体情報を入出金機１内に取込んだ紙幣の金種別枚数及びその総額として説明するが、本発明をクーポン券や商品券を取扱う装置に対して適用した場合、有価媒体情報は、装置内部に取込んだクーポン券や商品券の種類別の総額又は総価値を含む情報となる。

　このように、本実施形態の入出金機１では、紙幣の取込中に金種別収納部２２～２４のうちの一部又は全部が紙幣で満杯又は満杯に近い状態になった場合であっても、返却した紙幣も含め、入出金機１へ投入された全ての紙幣に対して識別判定処理と計数処理とを完了し、それら各処理の結果得られる情報を確定情報と仮確定情報として管理することができるため、担当者は、入金作業を完結することができる。なお、入金処理時に発生した返却金は、カギ１６が付設された所定の収納バッグ１５へ一時的に保管しておく。

　さらに、この入出金機１は、金種別収納部２２～２４に収納できずに返却した紙幣に関する情報（金種別の枚数及び合計金額等の情報）をバーコード化して記録させたバーコードシール１３ｃを発行するバーコードシール発券部１３ｂを備えている。

　本実施形態では、このバーコードシール発券部１３ｂが、仮確定情報を記録した記録媒体（本実施形態におけるバーコードシール１３ｃ）を発行する記録媒体発行手段として機能する。

　そのため、金種別収納部２２～２４に収納できずに返却した紙幣を収納バッグ１５に一時保管する場合には、その収納バッグ１５に、バーコードシール発券部１３ｂから発券したバーコードシール１３ｃを貼付しておけば、収納バッグ１５に収納した現金を後に回収して現金確認を行うときに、バーコードシール１３ｃから、そのバーコードシール１３ｃに記録されている仮確定情報に対応した（返却された）紙幣の金種別の枚数及び合計金額の情報を読み出し、その情報に基づいて容易に現金確認を行うことができる。

　また、この入出金機１は、バーコードシール１３ｃにバーコードとして記録した仮確定を読み取るバーコードリーダ１３ａを備えている。

　本実施形態では、このバーコードリーダ１３ａが、記録媒体発行手段により発行された記録媒体から仮確定情報を読取る仮確定情報読取手段として機能する。

　このバーコードリーダ１３ａは、担当者による入金作業が完結した際に、返却金（金種別収納部２２～２４に収納できなかった紙幣）が発生し、その後、金種別収納部２２～２４が紙幣を収納可能な状態になったときに、返却金を再度入出金機１へ投入して、金種別収納部２２～２４に収納させる場合に使用するものである。

　すなわち、この入出金機１は、担当者による入金作業が完結した際に返却金が発生し、そのときに、予備の金種別収納部が用意されていた場合、担当者が紙幣で満杯又は満杯に近い状態になった金種別収納部２２～２４と予備の金種別収納部とを交換すれば、返却金を再度内部に取込んで、予備の金種別収納部に収納することができるように構成している。

　この場合、担当者は、まず、バーコードシール１３ｃをバーコードリーダ１３ａにかざして、返却金に関する仮確定情報（返却された紙幣の金種別の枚数及び合計金額）を入出金機１へ入力し、その後、返却金を入出金機１へ再投入する。

　入出金機１は、再投入された返却金（紙幣）を内部に取込み、再度識別判定処理及び計数処理を行って、金種別収納部へ収納する。

　このとき、入出金機１では、この再投入された紙幣に対して返却する以前に一度計数処理を行っているため、再投入時に再度計数処理を行うと、同じ紙幣に対して重複して係数処理を行う事態（ダブルカウント）が発生してしまう。

　そのため、本実施形態の入出金機１では、一度計数処理を行った返却金を再投入する前に、担当者にバーコードシール１３ｃを用いて当該返却金に関する情報（金種別の枚数及び合計金額）を入力させ、その後、返却金が再投入された場合には、入出金機１の内部で管理している仮確定情報とバーコードリーダ１３ａによりバーコードシール１３ｃから読み出した仮確定情報とが同一であるか否かを判定し、同一であった場合、再投入された紙幣に対して再度計数処理を行い、その結果得られる金種別の紙幣の枚数から、バーコードリーダ１３ａによって読み取った仮確定情報（再入金された紙幣に関する情報）に含まれる金種別の紙幣の枚数分を消し込む処理を行うようにしている。

　これにより、本実施形態の入出金機１では、再投入された返却金がダブルカウントされることを防止することができると共に、その返却金を交換された予備の金種別収納部内で安全に保管することができる。

　また、一旦返却した紙幣を再投入した場合における消し込み処理は、上記した処理以外の消し込み処理でもよく、紙幣の再投入によるダブルカウントを回避できるものであれば、任意の消し込み処理を行ってもよい。

　たとえば、バーコードシール１３ｃを用いて仮確定情報が入力され、その後、この仮確定情報に対応する紙幣が投入されると、その紙幣を装置内部へ取込んで再度計数処理を行い、交換された予備の金種別収納部へ収納するが、このとき収納した分の紙幣については、金種別収納部の収納部在高には追加（カウント）しないようにする。

　ただし、このとき交換された予備の金種別収納部に収納した仮確定情報に対応する紙幣について、その金種別の枚数は、後述のメイン制御部１２（図３参照。）内に記憶しておく。

　そして、ここで記憶した再投入された貨幣の金種別の枚数を、内部で管理している仮確定情報に対応する紙幣の金別の枚数から減算する消し込み処理を行うように構成してもよい。

　また、バーコードシール１３ｃには、入出金機１に再投入された紙幣の金種別の枚数やその合計金額等、再投入された紙幣に関する具体的な仮確定情報を記録させてもよいが、入出金機１内部で記憶管理している仮確定情報を特定するための識別情報となるＩＤのみを記録させるようにしてもよい。

　バーコードシール１３ｃに上記ＩＤのみを記録させる場合、入出金機１は、以下のように構成する。すなわち、入出金機１での入金作業が完結したときに返却金があった場合、その返却した紙幣に関する仮確定情報に対して予め固有のＩＤを割り当て、そのＩＤと仮確定情報とを対応付けて記憶管理するように入出金機１を構成する。そして、この仮確定情報に割り当てたＩＤを記録させたバーコードシール１３ｃを担当者に対して発行するように入出金機１を構成する。なお、バーコードシール１３ｃには、仮確定情報に対応するＩＤに加え、返却金が発生した入金作業の完了時刻を含む時間情報を記録するように構成してもよい。

　さらに、入出金機１から発行したバーコードシール１３ｃを用いて、担当者が上記ＩＤを入出金機１に入力した場合、入出金機１が自装置内で管理している各種情報の中から、入力されたＩＤに対応した仮確定情報を検索し、該当する仮確定情報のうち、少なくともその仮確定情報に含まれる一部または全部の情報（たとえば、金種別の紙幣の枚数に関する情報）を削除するように構成する。この仮確定情報を削除する処理は、後述のメイン制御部１２（図３参照。）が行う。

　かかる構成とした場合、バーコードシール１３ｃが仮確定情報を識別するための識別情報を記録した記録媒体として機能することとなり、バーコードシール発券部１３ｂが前述の識別情報を記録した記録媒体を発行する記録媒体発行手段として機能することとなる。また、この場合、バーコードリーダ１３ａが記録媒体発行手段により発行された記録媒体から識別情報を読取る識別情報読取手段として機能することとなる。

　このように構成した入出金機１によれば、たとえば、返却金が発生した入金作業の完了時刻毎や、返却した紙幣の種類毎に、それぞれ個別のＩＤを割り当てることにより複数種類の仮確定情報を容易に管理することができる。

　また、このように構成した入出金機１では、返却金が再投入されるとき等、仮確定情報の消し込みが必要なときに、複数種類の仮確定情報が存在しても、ＩＤを参照するだけで容易に特定の仮確定情報だけを消し込むことができる。

　なお、ここでは、入金された紙幣に関する確定情報及び仮確定情報を全て入出金機１により管理する場合について説明しているが、上記したサーバ装置により確定情報及び仮確定情報を管理する紙葉類管理システムを構築した場合には、仮確定情報へのＩＤの割り当て処理と、そのＩＤと仮確定情報とを対応付けて記憶管理する処理とをサーバ装置側で行う。

　さらに、このように構築した紙葉類管理システムでは、サーバ装置から入出金機１へバーコードシール１３ｃを発行させる制御信号を送信して、入出金機１から担当者に対してＩＤを記録させたバーコードシール１３ｃを発行させる。

　そして、この紙葉類管理システムでは、入出金機１から発行したバーコードシール１３ｃを用いて、担当者が上記ＩＤを入出金機１に入力した場合、入出金機１からサーバ装置へＩＤを送信し、サーバ装置が自装置内で管理している各種情報の中から、入力されたＩＤに対応した仮確定情報を検索し、該当する仮確定情報のうち、少なくともその仮確定情報に含まれる一部または全部の情報（たとえば、金種別の紙幣の枚数に関する情報）を削除する。

　ここで、図２を参照して、担当者が行う入金作業の一連の流れと、本実施形態の入出金機１の表示・操作部１１に表示される各種案内表示画像について説明する。

　図２は、入出金機１の表示・操作部１１に表示される案内画像の一例、及びバーコードシール１３ｃを示す説明図である。

　担当者が入金作業を行う際、入出金機１の表示・操作部１１には、図２（ａ）に示すように、「入金」と「出金」とのうちいずれか一方を担当者に選択させる案内画像が表示されている。

　そして、担当者が案内画像中の入金の文字が表示されている部分に触れると、表示・操作部１１には、図２（ｂ）に示すように、「入金金額又はバーコードを入力してください」と書かれた案内表示画像が表示される。

　このとき、担当者が入金処理済みの返却金を入出金機１に再投入する場合には、バーコードシール１３ｃをターミナル３のバーコードリーダ１３ａにかざしてバーコードを入力する。

　ここでは、担当者は、返却金の再投入ではなく、新規の入金を行うので、図２（ｂ）に示す案内画面中の「０」～「９」の数字に触れて、これから入金する紙幣の金額を入力し、その後、「確認」の文字が表示されている部分に触れて、入金金額を決定する。

　こうして入金金額が決定されると、入出金機１では、決定された入金金額に相当する紙幣を全て収納可能か否かが判断され、全て収納可能であった場合、表示・操作部１１には、図２（ｃ）に示すように、「入金してください」と書かれた案内表示画像が表示される。

　担当者は、この案内表示画像に従って、入出金機１の入金口５へレジ等から回収した紙幣を全て投入する。

　入出金機１は、紙幣が投入されると、その紙幣を一枚ずつ内部へ取込んで、その紙幣に対して、真偽、正損、金種等の識別判定処理及び計数処理を行い、これらの処理が終了した紙幣を順次金種別収納部２２～２４へ収納する。

　そして、担当者により投入された全ての紙幣の識別判定処理及び計数処理が終了し、その紙幣が全て金種別収納部２２～２４に収納された場合には、図２（ｄ）に示すように、表示・操作部１１には、入金確定金額として計数処理の結果算出された合計金額が表示される。

　一方、入金金額が決定されたときに、決定された入金金額に相当する紙幣について、その一部しか収納できない場合、金種別収納部２２～２４の収納容量が不足していることと、入金処理が継続されることと、金種別収納部２２～２４に収納できない紙幣が返却されることと、その紙幣に関するバーコードシール１３ａが発行されることとを報知する案内画像が表示される。

　たとえば、図２（ｅ）に示すように、「\1.000券の収納容量が不足していますので、入金処理終了後、\1.000券×○○枚が返却され、バーコードシールが発券されます」と書かれた案内表示画像が表示される。

　その後、入出金機１の表示・操作部１１には、図２（ｃ）に示すように、「入金してください」と書かれた案内表示画像が表示される。

　そして、入出金機１は、紙幣が投入されると、その紙幣を一枚ずつ内部へ取込んで、それら全ての紙幣に対して、真偽、正損、金種等の識別判定処理及び計数処理を行い、収納可能な分の紙幣は、金種別収納部２２～２４へ収納し、金種別収納部２２～２４へ収納しきれない分の紙幣は、外部へ返却する。

　こうして、担当者により投入された全ての紙幣に対する識別判定処理と計数処理とが終了すると、表示・操作部１１には、案内表示として、図２（ｆ）に示すように、入金確定金額と、入金仮確定金額と、これらの合計金額とが表示される。

　このとき表示される入金確定金額は、金種別収納部２２～２４が紙幣で満杯又は満杯に近い状態になるまでに識別判定及び計数処理が終了した紙幣の合計金額を表すものである。つまり、今回担当者が投入した紙幣のうち、金種別収納部２２～２４に収納できた紙幣の合計金額を表すものである。なお、ここでは、表示していないが、入金確定金額の合計金額に加えて、金種別の紙幣の枚数を表示させてもよい。

　一方、入金仮確定金額は、金種別収納部２２～２４が紙幣で満杯又は満杯に近い状態になった後に、識別判定及び計数処理が終了した紙幣の合計金額を表すものである。つまり、今回担当者が投入した紙幣のうち、金種別収納部２２～２４に収納できずに返却した紙幣の合計金額を表すものである。なお、ここでは、表示していないが、入金仮確定金額の合計金額に加えて、金種別の紙幣の枚数を表示させてもよい。

　そして、入出金機１は、この入金確定金額に関する情報を確定情報とし、入金仮確定金額に関する情報を仮確定情報として、これらを別個に記憶管理し、入金仮確定金額に関する情報をバーコード化して印刷した図２（ｇ）に示すバーコードシール１３ｃをバーコードシール発券部１３ａから発券する。

　その後、担当者は、図２（ｆ）に示す案内画像中の入金確定金額と入金仮確定金額との合計金額と、自身が入出金機１へ投入した合計金額とが一致していることを確認した上で、この図２（ｆ）に示す案内画像中の確認の文字が表示されている部分に触れ、バーコードシール発券部１３ａから発券されたバーコードシール１３ｃを受け取る。

　上記のように、このバーコードシール１３ｃには、入金仮確定金額に相当する返却された紙幣の金種別の枚数及びその合計金額等の情報を含む仮確定情報が記録されているため、入出金機１内に収納できずに返却された紙幣に関しては、このバーコードシール１３ｃから仮確定情報を読み出すことによって、返却された分の紙幣について容易に現金確認を行うことができる。

　そして、担当者が入出金機１から返却された入金仮確定金額分の紙幣を収納バッグ１５へ収納して、その収納バッグ１５にバーコードシール１３ｃを貼付した時点で、この担当者による入金作業が完結することとなる。

　このように、本実施形態に係る入出金機１によれば、担当者が金種別収納部２２～２４の収納容量を超える枚数の紙幣を投入した場合であっても、担当者は入金作業を完結することができ、しかも、金種別収納部２２～２４に収納できずに返却した入金仮確定金額分の紙幣については、その金種別の枚数、合計金額等の仮確定情報が記録されたバーコードシール１３ｃを発券するようにしているため、後に、このバーコードシール１３ｃから、返却した入金仮確定金額分の紙幣に関する金種別の枚数、合計金額等の情報を読み出すことによって、入金仮確定金額分の紙幣について容易に現金確認を行うことができる。

　また、この入出金機１では、担当者による入金作業が完結した際に返却金が発生し、そのときに、予備の金種別収納部が用意されていた場合、担当者が紙幣で満杯又は満杯に近い状態になった金種別収納部２２～２４と予備の金種別収納部とを交換すれば、返却金を再度内部に取込んで、予備の金種別収納部に収納することができるように構成している。

　ここで、上記した入金作業を可能とする入出金機１の内部構成について、図３を参照して説明する。図３は、本実施形態に係る入出金機１の内部構成を示す機能ブロック図である。

　図３に示すように、この入出金機１は、紙幣の取込処理、紙幣の識別判定処理、紙幣の収納処理、及び紙幣の返却処理等を行う処理機２と、この処理機２の動作制御を行うターミナル３とを備えている。

　処理機２は、担当者から入金される紙幣を入金口５から内部へ取込む入金部２５と、内部から出金口６へ紙幣を繰出す出金部２６と、一旦内部へ取込んだ紙幣を返却口７へ返却する返却部２７と、内部へ取込んだ紙幣の識別及び判定を行う識別・判定部２８と、当該処理機２内部において紙幣の搬送を行う搬送部２９、紙幣を金種毎に収納する金種別収納部２２～２４と、ターミナル３との間で各種情報の送受信を行う内部Ｉ／Ｆ３０と、ターミナル３から送信される処理要求に基づいて、これら入金部１５、出金部２６、返却部２７は、識別・判定部２８、搬送部２９、内部Ｉ／Ｆ３０、金種別収納部２２～２４の動作を制御するサブ制御部２１とを備えている。

　入金部２５は、後述の内部Ｉ／Ｆ３０により受信した処理要求に基づいて、外部から投入される有価媒体を装置内部へ取込む取込手段として機能するものであり、紙幣を一枚ずつ上下から挟持する一対のベルトと、このベルトを駆動するプーリーとモータとを備えた駆動部とを備え、入金口に一括投入された複数枚の紙幣を一枚ずつ内部へ取込むように構成している。

　また、出金部２６及び返却部２７も入金部２５と同様に一対のベルトと、このベルトを駆動するプーリーとモータとを備えた駆動部とを備え、出金部２６は、内部から搬送されてきた紙幣を一枚ずつ出金口６へ繰出し、返却部２７は、内部から搬送されてきた紙幣を一枚ずつ返却口７から返却するように構成している。

　特に、本実施形態において、この返却部２７は、取込手段による有価媒体の取込中に、後述の検知手段により有価媒体の収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことが検知されると、当該検知後に取込手段により取込んだ有価媒体を外部へ返却する返却手段として機能する。

　識別・判定部２８は、内部に取込んだ紙幣の真偽、正損、金種等を識別判定する識別判定処理を行い、この識別判定処理後の紙幣を計数する計数処理を行って、取込んだ紙幣の金種別の枚数及び合計金額を算出する。

　本実施形態では、この識別・判定部２８が、取込手段により取込んだ有価媒体に関する有価媒体情報を取得する情報取得手段として機能する。そして、この情報取得手段により取得される有価媒体情報には、識別判定した各紙幣の真偽、正損、金種、及び、計数処理の結果得られる紙幣の金種別枚数とその合計金額等が含まれ、この有価媒体情報は、後述のメイン制御部１２へ入出金報告として送信される。

　また、金種別収納部２２～２４は、取込手段により取込んだ有価媒体を収納する収納手段として機能するものであり、識別・判定部２８により識別された紙幣をその金種（具体的には、一万円札、五千円札、千円札）別にそれぞれ収納する着脱自在なスタッカにより構成している。

　また、これら各金種別収納部２２～２４は、それぞれ各スタッカが紙幣で満杯又は満杯に近い状態になったことを検知するフル状態検知センサ２２ａ～２４ａを備えている。本実施形態では、これらフル状態検知センサ２２ａ～２４ａが、収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことを検知する検知手段として機能する。

　搬送部２９は、入金部２５－識別・判定部２８－金種別収納部２２～２４間、金種別収納部２２～２４－識別・判定部２８－出金部２６間、入金部２５－識別・判定部２８－返却部２７間において紙幣の搬送を行うように構成している。

　そして、この搬送部２９は、上記各部（入金部２５、出金部２６、返却部２７、識別・判定部２８、金種別収納部２２～２４）間に複数のローラーを介して架設された一対の搬送ベルトと、この搬送ベルトを駆動する駆動部とを備えている。そして、一対の搬送ベルトの間に紙幣を一枚ずつ挟持した状態で搬送ベルトを駆動することにより、一枚ずつ紙幣の搬送を行うように構成している。

　サブ制御部２１は、ＣＰＵ（Central　Processing　Unit）とＲＯＭ（Read-Only　Memory）とＲＡＭ（Random　Access　Memory）とを備えており、後述のメイン制御部１２から送信される各種処理要求に基づいて、ＣＰＵがＲＯＭに記憶している紙幣処理のための各種情報処理プログラムを読み出して実行することにより、上記入金部２５、出金部２６、返却部２７、識別・判定部２８、搬送部２９の動作を制御して、紙幣の入金処理、出金処理、返却処理、識別判定処理等を実行するものである。なおＲＡＭは、ＣＰＵがＲＯＭに記憶している各種情報処理プログラムを実行する際に、作業領域として使用される一時記憶領域として機能するものである。

　また、図３中の符号３０は、ターミナル３との間で各種処理要求や入出金報告等を含む各種情報の送受信を行う内部Ｉ／Ｆである。

　そして、これらサブ制御部２１、内部Ｉ／Ｆ３０、入金部２５、出金部２６、返却部２７、識別・判定部２８、搬送部２９、金種別収納部２２～２４は、それぞれ情報通信用のバスにより接続されている。

　次に、ターミナル３の構成について説明する。ターミナル３は、処理機２との間で各種情報の送受信を行う内部Ｉ／Ｆ１４と、タッチパネル型の表示・操作部１１と、金種別収納部２２～２４に収納できずに返却した紙幣に関する情報が記載されたバーコードシール１３ｃを発券するバーコードシール発券部１３ｂと、このバーコードシール１３ｃに印刷されている情報を読み取るバーコードリーダ１３ａと、これら、表示・制御部１１、内部Ｉ／Ｆ１４、バーコードリール発券部１３ｂ、バーコードリーダ１３ａをはじめ、入出金機１全体の動作制御を行うメイン制御部１２とを備えている。

　このメイン制御部１２は、ＣＰＵとＲＯＭとＲＡＭとを備えており、ＲＯＭには、ＣＰＵにより実行される各種情報処理プログラムや、表示・操作部１１に表示させる各種画像情報等が記憶されている。

　具体的には、このＲＯＭ内に、表示・操作部１１の操作に基づいて、処理機２へ紙幣の入金開始要求や出金開始要求等を含む各種処理要求を送信するためにＣＰＵが実行するプログラムや、担当者にターミナル３の操作を案内する各種案内表示画像（図２参照。）等の情報が記憶されている。

　そして、このメイン制御部１２は、担当者による表示・操作部１１の操作に基づいて、ＲＯＭに記憶されている各種情報処理プログラムを読み出し、ＲＡＭを作業領域として使用して実行することにより、処理機２の動作制御や表示・操作部１１の表示制御等といった入出金機１全体の動作制御を行うように構成している。

　また、メイン制御部１２内部のＲＡＭには、識別・判定部２８による紙幣の計数処理の結果等が上記有価媒体情報として記憶される。この有価媒体情報には、前述のように計数処理を行った紙幣の金種別の枚数を示す情報、計数処理を行った紙幣の合計金額を示す情報等がメイン制御部１２の制御に基づいて記憶される。本実施形態では、このＲＡＭが情報取得手段により取得した有価媒体情報を記憶する記憶手段として機能する。

　特に、メイン制御部１２は、紙幣の取込み開始から金種別収納部２２～２４の一部又は全部が紙幣で満杯又は満杯に近い状態になるまでに取込んだ紙幣に関する有価媒体情報を確定情報とし、金種別収納部２２～２４の一部又は全部が紙幣で満杯又は満杯に近い状態になって以降に取込んだ紙幣に関する有価媒体情報を仮確定情報としてＲＡＭ内においてそれぞれ別々の記憶領域に記憶させるようにしている。

　すなわち、本実施形態では、このメイン制御部１２が、取込手段による有価媒体の取込開始から検知手段による検知（収納部が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことの検知）までに取込んだ有価媒体に関する有価媒体情報を確定情報として管理し、返却手段により返却した有価媒体に関する有価媒体情報を仮確定情報として管理する情報管理手段として機能する。

　表示・操作部１１は、入金作業等に関する各種案内画像を表示する表示手段と、表示手段により表示した案内画像中の所定位置が押圧されたことを検知する押圧検知手段とを備えている。

　そして、この表示・操作部１１は、メイン制御部１２による制御に基づいて、各種案内画像を表示すると共に、担当者等が案内画像中の処理位置に触れる（押圧操作する）と、その押圧操作に応じた信号をメイン制御部１２へ送信する。

　内部Ｉ／Ｆ１４は、処理機２との間で各種情報の送受信を行う通信用インターフェースである。

　バーコードシール発券部１３ｂは、メイン制御部１２による制御に基づいて、担当者が処理機２へ投入した紙幣のうち、識別判定処理及び計数処理を行ったが金種別収納部２２～２４へ収納できずに返却した分の紙幣に関する仮確定情報（たとえば、識別判定処理結果、計数処理結果等）をバーコード化してシールに記録する印刷手段と、この印刷手段によりバーコードが印刷されたバーコードシール１３ｃを外部へ繰出す繰出手段とを備えている。本実施形態では、このバーコードシール発券部１３ｂが、仮確定情報を記録した記録媒体を発行する記録媒体発行手段として機能し、このバーコードシール発券部１３ｂが仮確定情報を記録した記録媒体に相当するものである。

　バーコードリーダ１３ａは、担当者によってかざされたバーコードシール１３ｃに対してレーザ光を照射する光照射手段と、この光照射手段から照射したレーザ光がバーコードに反射した反射光に基づいて、バーコード化された仮確定情報を複合化する複合化手段とを備え、複合化した仮確定情報をメイン制御部１２へ送信するものである。

　すなわち、このバーコードリーダ１３ａは、メイン制御部１２による制御に基づいて、バーコードシール１３ｃから仮確定情報を読み出し、その仮確定情報をメイン制御部１２内のＲＡＭへ記憶させるものであり、本実施形態では、このバーコードリーダ１３ａが記録媒体発行手段により発行された記録媒体から仮確定情報を読取る仮確定情報読取手段として機能する。

　そして、この仮確定情報読取手段（バーコードリーダ１３ａ）により読取った仮確定情報と、記憶手段（メイン制御部１２内のＲＯＭ）に記憶している仮確定情報とが同一であり、且つ、仮確定情報に相当する有価媒体が取込手段により取込まれた場合、情報取得手段（識別・判定部２８）は、当該取込んだ有価媒体に関して取得した有価媒体情報（再投入された紙幣の金種別の枚数）を消し込む処理を行うように構成している。

　すなわち、識別・判定部２８は、バーコードの入力があり、且つ、識別判定処理及び計数処理を行ったが金種別収納部２２～２４へ収納できずに返却した分の紙幣が、再度入出金機１に投入された場合、その紙幣については、計数した結果を無効とする処理を行う。

　これら、メイン制御部１２、表示・操作部１１、内部Ｉ／Ｆ１４、バーコードリーダ１３ａ、バーコードシール発券部１３ｂは、それぞれ通信用のバスにより接続されている。

　次に、担当者が入金作業及び出金作業を行う際に、上記のように構成した入出金機１内において実行される処理について、図４及び図５を参照して説明する。

　まず、ターミナル３のメイン制御部１２が実行する処理について、図４に示すフローチャートを参照して説明する。図４は、メイン制御部１２が実行する処理を示すフローチャートであり、メイン制御部１２は、入出金機１に電源が投入されている間、この図４に示すフローチャートに示す一連の処理を繰り返し実行する。

　入出金機１に電源が投入されると、ターミナル３のメイン制御部１２（以下、単に「メイン制御部１２」という。）は、まず、待機処理を実行する（ステップＳ０１）。この待機処理においてメイン制御部１２は、表示・操作部１１に待受け画像として、担当者に入金処理又は出金処理のいずれか一方を選択させる画像（図２（ａ）参照。）を表示させる処理を行い、その後、処理をステップＳ０２へ移す。

　次に、ステップＳ０２においてメイン制御部１２は、入金処理を行うための操作（以下、「入金操作」という。）がなされたか否かの判断を行う。

　ここで、メイン制御部１２は、担当者が表示・操作部１１に表示している待受け画像の「入金」という文字が表示されている部分に触れたことを検知した場合に、入金操作がなされたと判断する。

　そして、このステップＳ０２においてメイン制御部１２は、入金操作がなされたと判断した場合（ステップＳ０２：Ｙｅｓ）、処理をステップＳ０３へ移し、入金操作がなされていないと判断した場合（ステップＳ０２：Ｎｏ）、処理をステップＳ１５へ移す。

　ステップＳ１５においてメイン制御部１２は、出金処理を行うための操作（以下、「入金操作」という。）がなされたか否かの判断を行う。

　ここで、メイン制御部１２は、担当者が表示・操作部１１に表示している待受け画像の「出金」という文字が表示されている部分に触れたことを検知した場合に、出金操作がなされたと判断する。

　そして、このステップＳ１５においてメイン制御部１２は、出金操作がなされたと判断した場合（ステップＳ１５：Ｙｅｓ）、処理をステップＳ１６へ移して、処理機２へ出金開始要求を含む処理要求を送信し、その後、処理をステップＳ０８へ移す。一方、メイン制御部１２は、出金操作がなされていないと判断した場合（ステップＳ１５：Ｎｏ）、処理を終了する。

　また、ステップＳ０３においてメイン制御部１２は、表示・操作部１１に、入金金額又はバーコード入力を要求する案内表示画像（図２（ｂ）参照。）を表示する処理を行い、その後、処理をステップＳ０４へ移す。

　次に、ステップＳ０４においてメイン制御部１２は、担当者がステップＳ０３において表示した案内画像を用いて、これから入金する紙幣の金額を入力し、その後、案内画像中の「確認」の文字が表示されている部分に触れた（入力確認した）か否かの判断を行い、入力確認したと判断した場合（ステップＳ０４：Ｙｅｓ）、処理をステップ０５へ移し、入力確認していないと判断した場合（ステップＳ０４：Ｎｏ）、担当者が入力確認を行うまで、このステップＳ０４の判断を繰り返し行う。

　次に、ステップＳ０５においてメイン制御部１２は、ステップＳ０５において入力確認された入金金額に相当する全ての紙幣を収納可能であるか否かの判断を行う。

　このとき、メイン制御部１２内において、ＣＰＵがＲＡＭを参照して、前回金種別収納部２２～２４ごと紙幣が回収されてから現時点までに識別・判定部２８により計数された金種別の紙幣の枚数（有価媒体情報）に基づいて、金種別収納部２２～２４に現在収納可能な金種別の紙幣の枚数を算出する。

　そして、メイン制御部１２は、金種別収納部２２～２４に現在収納可能な金種別の紙幣の枚数が、入力確認された入金金額に相当する紙幣の金種別の枚数以上であった場合に、収納可能であると判断して（ステップＳ０５：Ｙｅｓ）、処理をステップＳ０６へ移す。

　一方、メイン制御部１２は、金種別収納部２２～２４に現在収納可能な金種別の紙幣の枚数が、入力確認された入金金額に相当する紙幣の金種別の枚数よりも少ない場合に、収納不可能であると判断して（ステップＳ０５：Ｎｏ）、処理をステップＳ１３へ移す。

　このステップＳ１３においてメイン制御部１２は、金種別収納部２２～２４に収納できない分の紙幣が入金処理の終了後に返却される旨を案内する案内表示画像（図２（ｅ）参照。）を表示・操作部１１へ表示する処理を行い、その後、処理をステップＳ０６へ移す。

　また、ステップＳ０６においてメイン制御部１２は、担当者へ紙幣の投入を促す案内表示画像（図２（ｃ）参照。）を表示・操作部１１に表示する処理を行い、その後、処理をステップＳ０７へ移す。

　そして、ステップＳ０７においてメイン制御部１２は、入金口５に紙幣が投入されたことを検知すると、処理機２へ入金開始要求を含む処理要求を送信し、その後、処理をステップＳ０８へ移す。

　ステップＳ０８においてメイン制御部１２は、処理機２から入出金報告を受信したか否かの判断を行う。

　ここで処理機２から受信する入出金報告には、処理機２内に取込まれ、識別判定処理及び計数処理を行った後に、金種別収納部２２～２４へ収納された紙幣の金種別の枚数とその合計金額を示す情報（確定情報）、処理機２に取込まれ、識別判定処理及び計数処理を行った後に、外部へ返却された紙幣の金種別の枚数とその合計金額を示す情報（仮確定情報）、処理機２から出金された紙幣の金種別の枚数とその合計金額を示す情報等が含まれている。

　そして、このステップＳ０８においてメイン制御部１２は、処理機２から入出金報告を受信したと判断した場合（ステップＳ０８：Ｙｅｓ）、処理をステップＳ０９へ移し、入出金報告を受信していないと判断した場合（ステップＳ０８：Ｎｏ）、入出金報告を受信するまでの間、このステップＳ０８における判断を繰り返し行う。

　次に、ステップＳ０９においてメイン制御部１２は、処理機２から受信した入出金報告に仮確定情報が含まれているか否かの判断を行い、仮確定情報が含まれていると判断した場合（ステップＳ０９：Ｙｅｓ）、処理をステップＳ１４へ移し、仮確定情報が含まれていないと判断した場合（ステップＳ０８：Ｎｏ）、処理をステップＳ１０へ移す。

　そして、ステップＳ１４においてメイン制御部１２では、仮確定情報を当該メイン制御部１２内のＲＡＭに記憶させた後、処理をステップＳ１７へ移す。

　次に、ステップＳ１７においてメイン制御部１２は、ＲＡＭに記憶させた仮確定情報をバーコードに変換し、そのバーコードを印刷したバーコードシール１３ｃを発券する処理を行い、その後、処理をステップＳ１０へ移す。

　次に、ステップＳ１０においてメイン制御部１２では、処理機２から受信した入出金報告に含まれている確定情報を当該メイン制御部１２内のＲＡＭに記憶させ、その後、処理をステップＳ１１へ移す。

　次に、ステップＳ１１においてメイン制御部１２は、入出金された紙幣の合計金額を担当者に確認させる確認表示画像を表示・操作部１１に表示する処理を行う。

　このとき、メイン制御部１２は、たとえば、担当者が投入した全ての紙幣を収納した場合、その合計金額を示す確認画像（図２（ｄ）参照。）を表示させ、担当者が投入した紙幣のうち、その一部を収納し、収納できなかった分の紙幣を返却した場合、収納した分の紙幣の合計金額（入金確定金額）と、返却した分の紙幣の合計金額（入金仮確定金額）とを示す確認画像（図２（ｆ）参照。）を表示する。

　その後、メイン制御部１２は、処理をステップＳ１２へ移し、確認操作がなされたか否かの判断を行う。ここでメイン制御部１２は、担当者が確認画像（たとえば、図２（ｅ）、図２（ｆ）参照。）中の「確認」の文字が表示されている部分に触れたことを検知した場合に、確認操作がなされたと判断する。一方、メイン制御部１２は、担当者が「確認」の文字が表示されている部分に触れたことを検知しない場合に、確認操作がなされていないと判断する。

　そして、メイン制御部１２は、確認操作がなされたと判断した場合（ステップＳ１２：Ｙｅｓ）、処理を終了し、確認操作がなされていないと判断した場合（ステップＳ１２：Ｎｏ）、確認操作がなされるまで、このステップＳ１２の判断を繰り返し行う。

　なお、上記したメイン制御部１２が実行する処理では、仮確定情報の記憶を行う処理（ステップＳ１４）の後に、バーコードシール１３ｃの発券（ステップＳ１７）を行うようにしているが、バーコードシール１３ｃの発券は、確認操作がなされた後（ステップＳ１２：Ｎｏ）に行うように構成してもよい。

　また、ここでメイン制御部１２は、入出金された紙幣の合計金額を担当者に確認させる確認表示画像（たとえば、図２（ｅ）、図２（ｆ）参照。）に、合計金額のみを表示するようにしているが、この合計金額に加えて、入出金された紙幣の金種別の枚数を表示させてもよい。

　次に、入出金機１の処理機２を制御するサブ制御部２１が実行する処理について、図５を参照して説明する。図５は、処理機２のサブ制御部２１が実行する処理を示すフローチャートである。

　処理機２のサブ制御部２１は、入出金機１に電源が投入されている間、図５のフローチャートに示す一連の処理を繰り返し実行する。

　処理機２のサブ制御部２１（以下、単に「サブ制御部２１」という。）は、処理機２に電源が投入されると、図５に示すように、まず、ターミナル３から入金開始要求を含む処理要求を受信したか否かの判断を行う（ステップＳ２１）。

　このステップＳ２１においてサブ制御部２１は、入金開始要求を含む処理要求を受信したと判断した場合（ステップＳ２１：Ｙｅｓ）、処理をステップＳ２２へ移し、受信していないと判断した場合（ステップＳ２１：Ｎｏ）、処理をステップＳ３３へ移す。

　ステップＳ３３において、サブ制御部２１は、出金開始要求を含む処理要求を受信したか否かの判断を行い、出金開始要求を含む処理要求を受信したと判断した場合（ステップ３３：Ｙｅｓ）、その出金開始要求に応じた紙幣を払い出す出金処理を行い（ステップＳ３４）、その後、処理をステップＳ２９へ移す。一方、サブ制御部２１は、出金開始要求を含む処理要求を受信していないと判断した場合（ステップＳ３３：Ｎｏ）、処理を終了する。

　また、ステップＳ２２においてサブ制御部２１は、担当者により投入された紙幣を一枚ずつ取込んで内部へ搬送する処理（取込処理）を行った後、内部へ取込んだ各紙幣の真偽、正損、金種等を識別判定する処理（識別判定処理）を行い、その後、この識別判定処理を終えた紙幣の金種別の枚数を計数すると共に、その合計金額を算出する処理（計数処理）を行う（ステップＳ２３）。

　この識別判定処理及び計数処理は、識別・判定部２８へ紙幣が搬送されてくる度、順次行われ、担当者により投入された全ての紙幣に関する識別判定及び計数が終了するまで継続される。

　次に、ステップＳ２４においてサブ制御部２１は、ステップＳ２１において受信した入金開始要求がバーコード入力によるものであるか否かを判断する。すなわち、このステップＳ２４においてサブ制御部２１は、今回内部に取込んだ紙幣が、前回の入金作業において、金種別収納部２２～２４へ収納できずに返却された紙幣（仮確定情報に対応する紙幣）の再投入によるものなのか否かを判別する。

　なお、メイン制御部１２は、バーコードリーダ１３ａにより読取った仮確定情報と、当該メイン制御部１２内部のＲＡＭに記憶している仮確定情報が同一であると判断した場合に、バーコード入力による入金開始要求をサブ制御部２１へ送信するようにしている。

　ここで、サブ制御部２１は、ステップＳ２１において受信した入金開始要求がバーコード入力によるものであると判断した場合（ステップＳ２４：Ｙｅｓ）、仮確定情報に対応する再投入された紙幣の計数値を、ステップＳ２３で行った計数処理の結果から減算する（消し込む）処理を行い、その後、処理をステップＳ２６へ移す。

　一方、サブ制御部２１は、ステップＳ２１において受信した入金開始要求がバーコード入力によるものでないと判断した場合（ステップＳ２４：Ｎｏ）、処理をステップＳ２６へ移す。

　ステップＳ２６においてサブ制御部２１は、識別判定処理及び計数処理の終了した紙幣を順次金種別収納部２２～２４へ収納する処理を行い、その後、処理をステップＳ２７へ移す。

　次に、ステップＳ２７においてサブ制御部２１は、金種別収納部２２～２４のなかに、紙幣で満杯（フル状態）又は満杯に近い（ニアフル）状態になった金種別収納部２２～２４があるか否かの判断を行い、フル状態の金種別収納部２２～２４があると判断した場合（ステップＳ２７：Ｙｅｓ）、処理をステップＳ３０へ移し、フル状態の金種別収納部２２～２４がないと判断した場合（ステップＳ２７：Ｎｏ）、処理をステップＳ２８へ移す。

　ステップＳ２８においてサブ制御部２１は、入金が完了したか否かの判断を行う。ここで、サブ制御部２１は、処理機２に投入された全ての紙幣の取込み及び収納が完了したときに、入金が完了したと判断する。

　そして、サブ制御部２１は、入金が完了したと判断した場合（ステップＳ２８：Ｙｅｓ）、処理をステップＳ２９へ移し、入金が完了していないと判断した場合（ステップＳ２８：Ｎｏ）、処理をステップＳ２２へ移す。

　また、ステップＳ３０においてサブ制御部２１は、内部へ取込まれる紙幣のうち、金種別収納部２２～２４へ収納できない紙幣に対して、順次識別判定処理及び計数処理を行い、その後、ステップＳ３０で識別判定処理及び計数処理を行った紙幣を搬送して外部へ返却する処理を行う（ステップＳ３１）。

　次に、サブ制御部２１は、ステップＳ３２において計数が完了したか否かの判断を行う。ここで、サブ制御部２１は、金種別入出金部２２～２４がフル状態になった後に内部へ取込まれた紙幣対する識別判定処理及び計数処理が完了したときに計数が完了したと判断する。

　そして、サブ制御部２１は、計数が完了したと判断した場合（ステップＳ３２：Ｙｅｓ）、処理をステップＳ２９へ移し、計数が完了していないと判断した場合（ステップＳ３２：Ｎｏ）、処理をステップＳ３０へ移す。

　最後に、ステップＳ２９においてサブ制御部２１は、ターミナル３へ入出金報告を送信して、処理を終了する。

　このとき送信する入出金報告には、入金処理において、投入された全ての紙幣を収納した場合、金種毎の紙幣の枚数及びその合計金額を示す情報（確定情報）が含まれ、投入された全ての紙幣のうち一部だけを収納し、収納できなかった分の紙幣を返却した場合、収納した紙幣の金種毎の紙幣の枚数及びその合計金額を示す情報（確定情報）と、返却した紙幣の金種毎の紙幣の枚数及びその合計金額を示す情報（仮確定情報）とが含まれる。

　また、処理機２が出金処理を行った場合、この入出金報告には、処理機２から出金した紙幣の金種毎の紙幣の枚数及びその合計金額を示す情報が含まれる。

　本実施形態では、仮確定情報をバーコード化して印刷したバーコードシール１３ｃを発券するように構成したが、仮確定情報を記録した記録媒体はバーコードシール３ｃに限定するものでななく、たとえば、仮確定情報を記録させたＩＣタグを用いてもよい。

　かかる構成とする場合は、バーコードリーダ１３ａに換えて、ＩＣタグに仮確定情報を記録させる記録手段と、仮確定情報を記録したＩＣタグを発行するＩＣタグ発行手段と、発行したＩＣタグから仮確定情報を読取る仮確定情報読取手段とを設ける必要がある。

　ところで、上記した各情報処理プログラムについては、必ずしも最初からＲＯＭに記憶させておく必要はなく、各ターミナルや各入出金機に挿入されるフレキシブルディスク（ＦＤ）、ＣＤ－ＲＯＭ、ＭＯディスク、ＤＶＤディスク、光磁気ディスク、ＩＣカードなどの「可搬用の物理媒体」、または、各ターミナルや各入出金機内外に備えられるハードディスクドライブ（ＨＤＤ）などの「固定用の物理媒体」、さらには、公衆回線、インターネット、ＬＡＮ、ＷＡＮなどを介して各ターミナルや各入出金機に接続される「他のコンピュータ（またはサーバ）」などに各情報処理プログラムを記憶させておき、コンピュータがこれらから各情報処理プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。

　また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。

　また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、ＣＰＵおよび当該ＣＰＵにて解析実行される情報処理プログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。

Claims

　有価媒体を処理する有価媒体処理装置において、
　外部から投入される有価媒体を装置内部へ取込む取込手段と、
　前記取込手段により取込んだ有価媒体を収納する収納手段と、
　前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことを検知する検知手段と、
　前記取込手段による有価媒体の取込中に、前記検知手段により前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことが検知されると、当該検知後に前記取込手段により取込んだ有価媒体を装置外部へ返却する返却手段と、
　前記取込手段により取込んだ有価媒体に関する有価媒体情報を取得する情報取得手段と、
　前記取込手段による有価媒体の取込開始から前記検知手段による検知までに取込んだ有価媒体に関する前記有価媒体情報を確定情報として管理し、前記返却手段により返却した有価媒体に関する前記有価媒体情報を仮確定情報として管理する情報管理手段と、
　を有することを特徴とする有価媒体処理装置。
　前記情報管理手段は、前記情報取得手段により取得した有価媒体情報を記憶する記憶手段を備え、前記確定情報と前記仮確定情報とを前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項１に記載の有価媒体処理装置。
　前記有価媒体情報は、前記取込手段により取込んだ有価媒体の数量及び種類を含む情報であることを特徴とする請求項２に記載の有価媒体処理装置。
　前記有価媒体情報は、前記取込手段により取込んだ有価媒体の総額又は総価値を含む情報であることを特徴とする請求項２に記載の有価媒体処理装置。
　前記仮確定情報を記録した記録媒体を発行する記録媒体発行手段を有することを特徴とする請求項１に記載の有価媒体処理装置。
　前記記録媒体発行手段により発行された前記記録媒体から前記仮確定情報を読取る仮確定情報読取手段と、
　前記仮確定情報読取手段により読取った仮確定情報と、前記記憶手段に記憶している仮確定情報とが同一であり、且つ、前記仮確定情報に相当する有価媒体が前記取込手段により取込まれた場合、当該取込まれた有価媒体に関して取得した有価媒体情報を消し込む消し込み処理手段と、
　を有することを特徴とする請求項５に記載の有価媒体処理装置。
　前記仮確定情報を識別するための識別情報を記録した記録媒体を発行する記録媒体発行手段と、
　前記記録媒体発行手段により発行された前記記録媒体から前記識別情報を読取る識別情報読取手段とを有し、
　前記情報管理手段は、前記識別情報読取手段により読取られた前記識別情報に対応する前記仮確定情報のうち、少なくとも有価媒体の情報の一部または全部を削除することを特徴とする請求項１に記載の有価媒体処理装置。
　有価媒体を処理する有価媒体処理方法において、
　外部から投入される有価媒体を装置内部へ取込むステップと、
　装置内部へ取込んだ有価媒体に関する有価媒体情報を取得するステップと、
　装置内部へ取込んだ有価媒体を前記収納手段に収納するステップと、
　前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことを検知するステップと、
　有価媒体の取込中に、前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことが検知されると、当該検知後に装置内部へ取込んだ有価媒体を装置外部へ返却するステップと、
　有価媒体の取込開始から前記収納手段が有価媒体で満杯又は満杯に近い状態になったことが検知されるまでに取込んだ有価媒体に関する前記有価媒体情報を確定情報として管理するステップと、
　前記返却した有価媒体に関する前記有価媒体情報を仮確定情報として管理するステップと、
　を有することを特徴とする有価媒体処理方法。