JP6724400B2 - 強度と延性のバランスに優れた高強度極細鋼線及びその製造方法 - Google Patents

強度と延性のバランスに優れた高強度極細鋼線及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車用タイヤのスチールコード等に使用される高強度極細鋼線及びその製造方法に関する。
詳しくは、ダイスを用いて冷間で伸線加工強化された線径0.04〜0.4mm、強度4600MPa級以上の極細鋼線及びその製造方法に関する。
自動車タイヤに用いられているスチールコードにおいては、タイヤの軽量化の要求から、鋼線の高強度化に対するニーズが高まっている。このような要請に応えるために多数の研究が展開された結果、実用上、鋼線の高強度化には、十分な延性が確保される必要があることが明らかになっている。延性指標としてはいくつかあるが、例えば、全伸びと絞り、ねじり試験による破断に至るまでのねじり回数や、ねじり試験中に鋼線の長手方向に生ずる割れ(デラミネーション)の発生の有無が指標となっている。スチールコードでは、鋼線の高強度化に伴う延性の低下が大きな課題となっており、強度とともに延性を向上させることが強く求められている。
高強度鋼線は、一般にはパーライト組織を有する線材を、ダイス等を用いて伸線加工を行うことによって製造されている。伸線加工によってパーライトラメラ間隔が小さくなり、またフェライト中に多量の転位が導入される等して、引張強さが増大する。
一般に伸線ひずみ量が非常に大きくなると、パーライト組織中のセメンタイトが微細化し分解することが近年明らかにされている。しかしながら、加工と共に組織が非常に微細になることから、これらの分解した炭素の存在状態と特性に及ぼす影響には不明な点が多い。一方、実際の高強度鋼線では、このような鋼線内の組織変化やそれに基づく局所的な機械的特性の変化が、鋼線中の半径方向の位置によって異なることがわかってきており、この半径方向の局所特性の分布が鋼線全体の特性に影響していると考えられる。
延性低下の少ない高強度鋼線に関する従来の知見としてはいくつかあり、例えば、特許文献1では、鋼線断面の硬度が表層から内部にかけて、単調に増加した逆V字型分布を満足するか、もしくは、内部は一定で、表層がより低い硬度をもつ逆U字型分布を満足する鋼線が提案されている。一方、特許文献2には、特許文献1とは異なり、表面から鋼線直径の4分の1以内の中心部を除いた内部まで、実質的にフラットであることが提案されている。しかし、これらの提案は、あくまで概念として示されているに過ぎず、特許文献1,2には明確な指標とするための定量的な硬度の数値の規定はなされていない。一方、特許文献3及び特許文献4には、表層と中心の断面硬度差が特定の範囲内にある鋼線を規定し、これらの鋼線を製造するための製造条件が提示されている。しかしながら、鋼線内の硬度は局所特性を示しバラツキも大きいため、硬度だけでは特性との関係の表記が難しかった。また、非常に優れた延性と強度バランスを得るための硬度分布範囲の規定はまだなされていない。
さらに、これら先行文献においては、鋼線断面の硬度によって鋼線の半径方向の特性の違いを表し、鋼線の特性との関係を記述しているが、硬度とは一定の荷重を加えた場合の塑性変形の量を表しており、組織サイズにも依存し、場所によるばらつきも大きいため、硬度と鋼線の特性との対応関係が一致しない場合があった。
一方、特許文献5には、表面領域の炭素濃度が規定されている。そして、強伸線加工によって、パーライト組織に高い密度の欠陥が導入され、それがセメンタイト分解を引き起こすことが述べられている。セメンタイト分解によって、本来延性を担うべきパーライト中のフェライトに固溶炭素が溶け込み、パーライトの延性を大きく低下することの原因となる。このような冶金学的現象によって局所領域の特性、例えば断面硬度等がどのように変化するのか、さらにこのような冶金学的現象が鋼線のマクロな特性となる強度特性や延性特性にどのように影響するかについては、明確な提示は特許文献5にはなされていない。
特開平6−184965号公報 特開平8−311788号公報 特開平8−156514号公報 国際公開WO2010/050596号 特開2008−208450号公報
鋼線の伸線加工時に伸線加工量を非常に大きくすることによって張力の高強度化は図れるものの、延性が低下する問題が避けられなかった。本発明は、以上のような現状を背景にして、4800MPa以上の高強度でありかつ延性に優れた高強度極細鋼線及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、高強度極細鋼線の延性の支配因子について種々解析した結果、強加工された伸線パーライト組織における半径方向の局所的な力学特性の違いが、鋼線の特性に強く影響していることを見出した。特に鋼線の内部の中心領域の強度を大きくすることによって、強度延性バランスに優れた鋼線が得られることを見出した。
鋼線表面は、鋼線を曲げたり捻じったりした場合の変形時にひずみが最も高くなる場所であり、クラックの起点位置となるため、鋼線表面の状態は鋼線内部に比べて鋼線の延性特性に強く影響する。従って、強度と延性のバランスを向上させるためには、同じ荷重を印加しても鋼線表面に加わるひずみがより小さい値にすることが好ましいと考えた。このためには、鋼線内部で強度をより多く担保させることが重要となる。すなわち、基本設計として、鋼線表層領域に対して鋼線内部領域の強度を大きくすること、すなわち、鋼線全体の引張強度に対し、鋼線内部の引張強度をより大きくすることが望ましいと考えた。これより、鋼線内部の強度特性を意図的に制御する必要性に行き着いた。なお、従来の高強度鋼線は、専ら断面硬度の分布を評価しているところ、鋼線内の硬度は局所特性を示しバラツキも大きいため、断面硬度が必ずしも強度等の特性を正確に反映するものではなく、適切な材料設計をなし得ているとはいえなかった。そこで、鋼線の表層部を除去して鋼線内部の強度を正しく調べることにより、鋼線内部の強度を見積もることで、適切な材料設計をなし得ることに至り、本発明を完成させた。
本発明は、前記課題を解決するために、上記の新知見に基づきなされたものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
(1) 質量%で、C:0.8〜1.2%、Si:0.05〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
フェライト及びセメンタイトの結晶が鋼線の長手方向に配向したパーライト組織を有し、
鋼線の長手方向に対して垂直な断面において、鋼線中心を中心とする鋼線半径1/2円内の領域の引張強度が、鋼線の全体の引張強度に対して105〜130%の引張強度であり、さらに鋼線表面における鋼線長手方向の残留圧縮応力が600MPa以上であり、前記鋼線の引張強度が、4620MPa以上であり、捻回値が23回以上であることを特徴とする強度と延性のバランスに優れた高強度極細鋼線。
(2) 質量%で、C:0.8〜1.2%、Si:0.05〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%を含有し、
さらに、Nb:0.001〜0.1%、Mo:0.01〜0.1%の1種または2種を含有し、
残部がFe及び不純物からなり、
フェライト及びセメンタイトの結晶が鋼線の長手方向に配向したパーライト組織を有し、
鋼線の長手方向に対して垂直な断面において、鋼線中心を中心とする鋼線半径1/2円内の領域の引張強度が、鋼線の全体の引張強度に対して105〜130%の引張強度であり、さらに鋼線表面における鋼線長手方向の残留圧縮応力が600MPa以上であることを特徴とする強度と延性のバランスに優れた高強度極細鋼線。
(3) (1)または(2)に記載の化学成分を有する鋼材に対して熱間圧延工程、パテンティング工程、伸線工程を行うことにより高強度極細鋼線を製造する方法であって、
最終のパテンティング工程以後の工程として、下記のc工程、e工程及びh工程を行うか、または、下記のc工程、d工程及びf工程を行う、請求項1または請求項2に記載の強度と延性のバランスに優れた高強度極細鋼線の製造方法。
c工程:最終の伸線工程の最終段以前に、楕円形状の穴を有する楕円形ダイスと、円形状の穴を有する円形ダイスと、最初の楕円形ダイスの穴に対して90°回転した穴を有する楕円形ダイスとを用いて伸線加工を行う。
d工程:最終の伸線工程の最終段に減面率が1%〜5%のスキンパス工程を1回、好ましくは複数回行う。
e工程:最終の伸線工程の最終段後にショットピーニング工程を行う。
f工程:最終の伸線工程後、140〜180℃の加熱保持を1〜10分施す。
h工程:最終の伸線工程後、240〜320℃の加熱保持を0.1〜0.4分施す。
本発明によれば、4800MPa以上の高強度でありかつ延性に優れた高強度極細鋼線及びその製造方法を提供できる。また、本発明の高強度極細鋼線は、自動車タイヤ用のスチールコードとして十分な延性及び強度を有するものであり、本発明の高強度極細鋼線をタイヤに適用することによりタイヤの軽量化が可能となり、産業上に与える貢献は非常に多大なものである。
異なる製法で作製された引張強さ4800MPa以上の極細鋼線において、鋼線内部強度比率と延性との関係を示す図である。
高強度極細鋼線に曲げやねじりを与えた場合、鋼線の表層領域により多くの応力、ひずみが加わる。曲げやねじりによるデラミネーションの発生を防止するためには、鋼線表面においてその応力やひずみを担う延性が必要となる。一方で鋼線自体の強度を上昇させるためには、鋼線全体として要求される強度を達成しなければならないため、表面よりも応力、ひずみの集中が小さい中心部の強度増加が有効となる。一般に、硬度は塑性変形学的には約8%のほどのひずみを加えたときの応力に対応するとされるが、実際には材料の強度や組織によって異なるため、厳密に強度との対応はつけらない。そこで本発明においては、鋼線の表面を物理的または化学的に除去することによって中心部の引張強度を求め、得られた引張強度に基づいて適切な材料設計を試みた。
鋼線の引張強度は、パーライトラメラ間隔、転位密度、フェライト中の炭素濃度、セメンタイトの存在率やセメンタイト分解の程度等、多くの因子で決まるものであり、これらをすべて規定することは難しい。従って、ここでは、これらの寄与を分離することなく、引張強度として表記する。従って、本発明の鋼線を作製するためには、これらの現象を理解した上で、製法を決定する必要がある。
4600MPa以上の引張強さを有する線径0.04〜0.4mmの鋼線試料を、異なる伸線条件や低温熱処理等を施して作製し、引張強さと延性の関係を調べた。図1には引張強さ4800MPa以上の極細鋼線において、鋼線内部強度比率と延性との関係を示す。鋼線内部強度比率は、鋼線中心から半径の1/2以内の領域の鋼線内部の引張強度の鋼線全体の引張強度に対する比率をパーセント(%)で示したものである。ここでは、4800MPa以上の引張強さを有する試作鋼線の結果を示す。鋼線内部の引張強度は後述する方法で調べた。また、延性として、ねじり試験による捻回値を用いた。捻回値が高い鋼線は、内部強度比率(%)が大きくなっていることがわかる。内部強度比率が低い鋼線では、捻回値が小さい値となっていた。また、内部強度比率が高すぎる場合においても捻回値が低下していた。さらに、鋼線の長手方向の表面圧縮残留応力が600MPaに満たない鋼線においては、内部強度比率が適正な値であったとしても、捻回値が低下する結果が得られた。以上のことから、強度と延性のバランスを改善するためには、鋼線内部強度を増加させ、かつ鋼線表面における鋼線方向の圧縮残留応力を大きくすることが有効であることが判明した。
次に、本発明の限定範囲について述べる。
鋼線の長手方向と直交する断面における中心部の引張強度、すなわち、鋼線中心を中心とする鋼線半径1/2円内の領域の引張強度が、鋼線全体の引張強度の105〜130%の引張強度とした理由は、強度を鋼線の中心部で担うことで、鋼線に曲げや捻りを与えた際の表層部の局所歪み量を小さくすることができるためである。鋼線半径の1/2円内の領域の引張強度が全体強度の105%に満たない場合は、その効果がほとんど発現しない。一方、130%を上限とした理由は、これより大きな値である場合には表層領域との中心領域の硬度差が非常に大きくなるため、硬度の非常に高い中心部分からの破壊が起こり、延性低下の原因になるからである。また、工業的に鋼線の中心部分の引張強度を大きく高めることは容易ではなく、コスト増加につながる。一方、単に表層領域を軟化させると、取り扱い疵等の表面疵等が生じ、延性劣化の原因になる場合もある。したがって、105%〜130%が好ましく、より好ましい範囲は115〜125%である。
ここで、鋼線半径1/2円内の領域の引張強度を指標とした理由は、鋼線表面近傍の引張強度を相対的に低くして捻れに対する良好な延性を発揮させるためには、この領域の引張強度を高くすることが適当であると判明したためである。また、鋼線表層部に対し鋼線内部を記述するに適当であることも理由の一つである。更に、中心部の引張強度を測定するために実際に鋼線表層部を取り除く際に、取り除く領域の目安にもなる。鋼線内部の局所硬度は半径方向で均一ではないが、引張強度はそれらを積算した形で測ることができるため、鋼線の特性を記述する上で鋼線半径の1/2円の内側における引張強度値は適している。なお、このような規定の理由は、1/2の位置で引張強度が大きく変化することを前提としているものではない。
一方、鋼線表面において鋼線の長手方向に圧縮残留応力が付与されていると、上記と同様の理由で、曲げや捻り等における実質的な鋼線方向表面歪みを小さくすることができる。従って、表面の鋼線方向の残留応力を圧縮残留応力とし、好ましくは少なくとも600MPa以上、より好ましくは少なくとも800MPa以上の値とする。ここでの鋼線表面とは、めっき相や表面の異質相を除く、表面からおよそ5μm以内の深さの領域をいう。
本発明の鋼線の成分組成に以下の理由で限定を加えても良い。なお、以下に示す「%」は特に説明がない限り「質量%」を意味するものとする。
C:Cは、0.8〜1.2%とする。Cはパテンティング処理後の引張強さの増加及び伸線加工硬化率を高める効果があり、より少ない伸線加工歪みで引張強さを高めることが可能となる。Cが0.8%未満では本発明で目的とする高強度の鋼線を実現することが困難となり、一方、1.2%を超えるとパテンティング処理時に初析セメンタイトがオーステナイト粒界に析出して伸線加工性が劣化し伸線加工中に断線の原因になる。従って、Cを0.8〜1.2%の範囲に限定する。
Si:Siは、Siはパーライト中のフェライトを強化させるため、また、鋼の脱酸のために有効な元素である。Siが0.05%未満では上記の効果が期待できず、一方、2.0%を超えると伸線加工性に対して有害な硬質のSiO系介在物が発生し易くなるため、Siを0.05〜2.0%の範囲に限定する。
Mn:Mnは脱酸、脱硫のために必要であるばかりでなく、鋼の焼入性を向上させ、パテンティング処理後の引張り強さを高めるために有効な元素であるが、Mnが0.2%未満では上記の効果が得られず、一方、2.0%を越えると上記の効果が飽和し、更に、パテンティング処理時のパーライト変態を完了するまでの処理時間が長くなり過ぎて、生産性が低下するため、Mnを0.2〜2.0%の範囲に限定する。
以上の成分組成に加え、本発明の高強度極細鋼線は、以下の理由によって、Cr、Ni、V、Nb、Mo、Bの1種または2種以上を含んでもよい。
Cr:Crはパーライトのセメンタイト間隔を微細化しパテンティング処理後の引張強さを高めるとともに特に伸線加工硬化率を向上させる有効な元素であるが、Crが0.05%未満では前記作用の効果が小さく、一方、1.0%を越えるとパテンティング処理時のパーライト変態終了時間が長くなり生産性が低下するため、Crを0.05〜1.0%の範囲に限定する。
Ni:Niはパテンティング処理時に変態生成するパーライトを伸線加工性の良好なものにする作用を有するが、Niが0.05%未満では上記の効果が得られず、1.0%を超えても添加量に見合うだけの効果が少ないため、Niを0.05〜1.0%の範囲に限定する。
V:Vはパーライトのセメンタイト間隔を微細化しパテンティング処理時の引張強さを高める効果があるが、この効果はVが0.01%未満ではその効果は不十分であり、一方、0.5%を超えると効果が飽和するため、Vを0.01〜0.5%の範囲に限定する。
Nb:NbはVと同様、セメンタイト間隔を微細化し、パテンティング処理時の引張強さを高める効果があるが、Nbが0.001%未満ではその効果は不十分であり、一方、0.1%を超えると効果が飽和するため、Nbを0.001〜0.1%の範囲に限定する。
Mo:MoはVと同様、セメンタイト間隔を微細化しパテンティング処理時の引張強さを高める効果があるが、Moが0.01%未満ではその効果は不十分であり、一方、0.1%を超えると効果が飽和するため、Moを0.01〜0.1%の範囲に限定する。
B:BはNをBNとして固定し、Nによる時効劣化を防止する作用効果があり、この効果を十分に発揮させるためには鋼材中のBを0.0001%以上含有させる必要がある。一方、鋼材中のB含有量が0.01%を超えて添加しても効果が飽和しこれ以上のB含有は製造コストを高める原因となるため好ましくない。この理由で本発明では鋼材中にBを含有する場合には、Bの含有量を0.0001〜0.01%の範囲に限定するのが好ましい。
他の元素は特に限定しないが、不純物として含有される元素としては、P:0.015%以下、S:0.015%以下、N:0.007%以下が好ましい範囲である。またAlは0.005%を超えると鋼中の介在物の中で最も硬質なAl系介在物が生成しやすくなり、伸線加工あるいは撚り線加工の際の断線原因となるため、0.005%以下が好ましい範囲である。
鋼線の長手方向に対して垂直な断面における中心部の引張強度を、鋼線全体の引張強度の105〜130%の引張強度とし、更に、鋼線表面の残留圧縮応力を少なくとも600MPa以上とするためには、最終パテンティング処理以降の製造工程において、下記の製造方法を採用することが有効である。すなわち、以下に示す、I、II、IIIの3つのグループから、それぞれ1つの工程を適用することが好ましく、I〜IIIのうち2つのグループからそれぞれ1つの工程を用いても効果は期待できる。しかし、同じグループの中から、2つの工程を採用した場合は、効果が相殺される場合がある。また、実施例で述べるように、一部の特定の組合せでは効果が十分発揮されない場合があるので、効果が得られる工程の組合せを適宜選択するとよい。なお、本発明は最終製品である鋼線の組織構造に関するものであって、製法を限定するものではない。また、最終パテンティング以前の製造工程は、通常の工程を採用すればよい。
(Iグループ)
a工程:最終の伸線工程における最終段の伸線速度を200m/分以下、好ましくは50m/分以下の低速伸線とする。
低速伸線を行うことによって、摩擦や塑性変形による加工発熱量を小さくすることができる。これによって特に鋼線表層領域のパーライト組織中のセメンタイトの分解を抑制しフェライト中に拡散する炭素量を減らすことができ、また、表層領域の不要な硬化を避けることができる。
b工程:最終の伸線工程における伸線加工パス間に50〜400℃の加熱処理を0.5秒〜4分間施す。
通常、伸線加工を受けた鋼線の表面温度は瞬時に上昇し直ぐに降下する。これとは別に、適当な温度の加熱処理を伸線加工パス間に施すことによって、伸線加工中にセメンタイトが分解してフェライト中に溶け込んだ過飽和な炭素を、パス間の加熱処理によってフェライトから排出させフェライト中のC濃度を低下させると共に、不要な転位や欠陥を消滅させることができる。これによって、延性を回復し高ひずみ量の加工、すなわち、フェライト間隔の微細化を可能にする。但し、この処理は伸線加工パス間すべてに施すのではなく、特定パス間に施すことが有効である。
c工程:最終の伸線工程の最終段以前に、楕円形状の穴を有するダイス(楕円形ダイス)と、通常の円形状の穴を有するダイス(円形ダイス)と、最初の楕円形ダイスの穴に対して90°回転した穴を有する楕円形ダイスとを用いて伸線加工を行う。好ましくはこの工程を複数回行う。これによって、加工による歪みを鋼線の長手方向に垂直な断面における中心領域に集中させ、表層領域に対し中心領域の強度の上昇をもたらす。
(IIグループ)
d工程:最終の伸線工程の最終段にスキンパス工程を1回、好ましくは複数回行う。
減面率が1%〜5%のスキンパス工程を最終段に1回、好ましくは複数回行うことで、鋼線表面に圧縮の残留応力を印加すると共に、表面のラメラ構造をより均一なものに揃える。
e工程:最終の伸線工程の最終段後にショットピーニング工程を行う。
最終段後にショットピーニング工程を行うことで、鋼線表面に圧縮の残留応力を付与すると共に、表面のラメラ構造をより均一なものに揃える。ショットピーニングは、例えば、空気投射式で空気圧力3000〜6000MPa、時間は4〜8秒が好ましく、ショット球は直径10〜80μmのものが好ましい。
(IIIグループ)
f工程:最終の伸線工程後、140〜180℃の加熱保持を1〜10分施す。
g工程:最終の伸線工程後、180〜240℃の加熱保持を0.5〜2分施す。
h工程:最終の伸線工程後、240〜320℃の加熱保持を0.1〜0.4分施す。
伸線加工後の低温加熱によって、セメンタイトが分解してフェライト中に溶け込んだ過飽和な炭素を排出させ、フェライト中の炭素濃度を低下させる。さらに鋼線断面の中心部の転位を炭素で固着し、中心領域の硬度や降伏強度を増加させる。但し、この温度で時間が長すぎる場合は、鉄炭化物(セメンタイト等)が形成する等して硬度や強度が低下することになる。また短すぎる場合は効果が発現しないか、効果が小さい。鋼材種類、伸線条件に応じて上記f、g、hから適当な処理条件を選択し、各処理条件に示した加熱温度、保持時間を適宜設定することができる。一般に、引張強さが上昇した場合には、加熱保持温度が高い方がより好ましい。
鋼線の中心部の引張強度、言い換えると、鋼線の長手方向に対して垂直な断面において、鋼線中心を中心とする鋼線半径1/2円内の領域の引張強度を測定するためには、例えば、次のような測定の方法がある。鋼線試料を電解液に浸漬させ、電界研磨によって表層領域を除去する。電解研磨液としては、例えば、過塩素酸10%と酢酸90%を混合させた溶液とする。鋼線試料を正極とし、電解液に負極を浸漬し、20〜30V程のDC電圧を印加する。または20〜30Vの交流でも良い。鋼線の表面から均等にエッチングさせるため、鋼線を1本毎に電解してもよい。また、電解液を均質にするため、電解液を撹拌しながら電解してもよい。更に、鋼線表面から均一にエッチングさせるために、電解液を冷却することも好ましい。適時鋼線の線径の変化を調べ、電解前の線径の1/2の線径になるまで電解を行う。その後、表面領域を除去した鋼線と、表面領域の除去を行っていない元の鋼線とについて、それぞれ引張試験を行ない、各々の鋼線の引張強度を測定し、前者を後者で割ることで、鋼線全体の引張強度に対する鋼線半径1/2の円内の領域の引張強度の比率、すなわち鋼線内部強度比率(パーセント)を求める。鋼線の引張強度は引張力を鋼線の断面の面積で割ることによって求めるため、線径が若干異なっていても比較可能である。そのためには、引張試験前に、表面除去した鋼線の直径、すなわち断面積を測定しておくとよい。
また、鋼線表面の残留応力は、例えば、X線回折法によって精度良く測定できる。特に、局所領域を測定できる微小領域X線回折装置を用い、デバイリングフィッティング法により正確に測定できる。この方法は鋼線の結晶粒の反射をデバイリングとしてフィッテングし、デバイリングのゆがみから、残留応力の大きさ方向を調べる方法である。X線の浸透深さから表面を含む深さ領域が決まる。例えばX線源をCrとした場合は、表面から数μmの深さの積算値が得られる。また、鋼線表面の残留応力を調べる別の方法としては、随時溶解法(ヘイン法)がある。これは調べたい表面領域を、溶かす前後の鋼線の長さの違いを測定することで、鋼線方向の残留応力を調べる方法である。これらの方法は共に、集合組織が発達した高強度鋼線の残留応力を精度良く求めることができる。本発明では上記のいずれの測定方法を採用してもよい。
以下、実施例により本発明の効果を更に具体的に説明する。
表1に示す化学組成を有する供試材を熱間圧延で所定の線径にした後、鉛浴を用いてパテンティング処理、伸線加工、めっき処理を行い、線径が0.04〜0.40mmのブラスめっきを有する伸線パーライト組織からなる高強度極細鋼線を試作した。鋼線の引張強さは4600MPa以上となるように製造条件を調整した。表2に高強度極細鋼線の製造方法、線径、鋼線強度、鋼線内部強度比率(パーセント)、鋼線方向の表面残留応力、引張強さ、及び延性指標として捻回値を示す。製造方法は、a〜fの記号で表した。各記号は、先に説明したI〜IIIグループにおけるa工程〜f工程に対応する。伸線加工の真ひずみ量は4.0〜5.5の間であった。ねじり試験は、試験片の両端線径の100倍のつかみの間隔で固定し、破断するまでの捻り回数を捻回値とした。引張強さが4600MPa以上でかつねじり回数が19回以上のものを延性が良好、23回以上のものを延性が非常に良好と評価した。鋼線表面領域の鋼線方向の残留応力は、デバイリングフィッティング法により測定した。残留応力が負の場合は圧縮応力を表し、正の場合は引張応力を表す。
Figure 0006724400
Figure 0006724400
表2において試験No.2〜4が本発明例であり、その他は比較例である。No.1、5〜8は参考例である、同表に見られるように、本発明例はいずれも引張強さが少なくとも4600MPaであると共に、鋼線の内部強度比率が105〜130%であり、表面残留応力が鋼線方向に少なくとも600MPaの圧縮の表面残留応力になっている。この結果、捻回値の高い十分な延性値を有する極細鋼線が実現できている。特に試験No.3〜4は、引張強さが4800MPa以上でありながら、捻回値が23回以上と非常に良好となっていた。また、試験No.2は、引張強さが4620MPaではあるが、捻回値が26回と極めて高い値を示した。
一方、試験No.9〜25は比較例であり、引張強さが少なくとも4600MPaとなっているが、捻回数は19回に達していない。
No.9〜11は、鋼線の成分が本発明の範囲外にあるものである。No.9はC量が少なすぎるため、伸線量を高めて強度を高くしたが、鋼線強度に対する中心領域の強度が105%に至らず、延性が低下した。また、No.10はSi量、No.11はC量が本発明の範囲より高く、残留応力及び硬度分布が規定範囲内にあるが、過剰な成分によって延性が低下したものである。
No.12〜14は、鋼線の成分と表面残留応力は範囲内にあるが、鋼線の内部強度比率が規定値の上限より大きくなったため、延性が低下したものである。
No.15〜18は、鋼線の成分と表面残留応力は範囲内にあるが、鋼線の内部強度比率が規定値の下限より小さくなったため、延性が低下したものである。
No.19〜21は、鋼線の内部強度比率は規定値の範囲(105%〜130%)にあるが、残留応力が範囲外となったため、延性が低下したものである。
No.22〜25は、鋼線の成分は本発明の範囲内にあるが、鋼線の内部強度比率と表面の残留応力が共に範囲外となったため、延性が大きく低下したものである。
製造方法について補足すると、No.17のように、I〜IIIグループのうち1グループのみの工程を採用しただけでは、効果が得られにくい。
また、I〜IIIグループのうち2グループの工程を採用した試験例はいずれも比較例であるが(No.14(c,d)、No.15(d,f)、No.16(b,g)及びNo.20(c,f))、これら以外の組合せであれば、2グループの工程を採用する場合であっても本発明品が得られると期待できる。
また、一つのグループから同時に2つの工程を採用した試験例(No.13(b,c,d,h)、No.18(d,e,g)、No.19(b,d,e)、No.21(a,b)、No.22(a,b,f)、No.24(b,f,g)及びNo.25(c,d,e))はいずれも、効果が相殺された。
更に、3つのグループからそれぞれ1つの工程を採用する場合は、No.12(b,d,g)を除き、何れも効果が発揮されると期待できる。
本発明によれば、自動車タイヤ用を始めとする十分な延性を有する高強度鋼線の製造が可能となり、また、タイヤ製造に適用することによりタイヤの軽量化、即ち自動車の軽量化による燃費改善と、ばね下荷重の低減による乗り心地の向上が同時に可能となり、産業上に与える貢献は非常に多大なものである。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.8〜1.2%、Si:0.05〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
    フェライト及びセメンタイトの結晶が鋼線の長手方向に配向したパーライト組織を有し、
    鋼線の長手方向に対して垂直な断面において、鋼線中心を中心とする鋼線半径1/2円内の領域の引張強度が、鋼線の全体の引張強度に対して105〜130%の引張強度であり、さらに鋼線表面における鋼線長手方向の残留圧縮応力が600MPa以上であり、前記鋼線の引張強度が、4620MPa以上であり、捻回値が23回以上であることを特徴とする強度と延性のバランスに優れた高強度極細鋼線。
  2. 質量%で、C:0.8〜1.2%、Si:0.05〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%を含有し、
    さらに、Nb:0.001〜0.1%、Mo:0.01〜0.1%の1種または2種を含有し、
    残部がFe及び不純物からなり、
    フェライト及びセメンタイトの結晶が鋼線の長手方向に配向したパーライト組織を有し、
    鋼線の長手方向に対して垂直な断面において、鋼線中心を中心とする鋼線半径1/2円内の領域の引張強度が、鋼線の全体の引張強度に対して105〜130%の引張強度であり、さらに鋼線表面における鋼線長手方向の残留圧縮応力が600MPa以上であることを特徴とする強度と延性のバランスに優れた高強度極細鋼線。
  3. 請求項1または請求項2に記載の化学成分を有する鋼材に対して熱間圧延工程、パテンティング工程、伸線工程を行うことにより高強度極細鋼線を製造する方法であって、
    最終のパテンティング工程以後の工程として、下記のc工程、e工程及びh工程を行うか、または、下記のc工程、d工程及びf工程を行う、請求項1または請求項2に記載の強度と延性のバランスに優れた高強度極細鋼線の製造方法。
    c工程:最終の伸線工程の最終段以前に、楕円形状の穴を有する楕円形ダイスと、円形状の穴を有する円形ダイスと、最初の楕円形ダイスの穴に対して90°回転した穴を有する楕円形ダイスとを用いて伸線加工を行う。
    d工程:最終の伸線工程の最終段に減面率が1%〜5%のスキンパス工程を1回、好ましくは複数回行う。
    e工程:最終の伸線工程の最終段後にショットピーニング工程を行う。
    f工程:最終の伸線工程後、140〜180℃の加熱保持を1〜10分施す。
    h工程:最終の伸線工程後、240〜320℃の加熱保持を0.1〜0.4分施す。
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