JP6724322B2 - 真空断熱材用外装材、およびそれを用いた真空断熱材、ならびに真空断熱材付き機器 - Google Patents

真空断熱材用外装材、およびそれを用いた真空断熱材、ならびに真空断熱材付き機器 Download PDF

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Description

本発明は、真空断熱材において長期にわたり高い水蒸気バリア性能を発揮することができ、経時による真空断熱材の内部真空度の低下を抑制することが可能な真空断熱材用外装材に関する。
近年、地球温暖化防止のため温室効果ガスの削減が推進されており、電気製品や車両、設備機器ならびに建物等の省エネルギー化が求められている。
中でも、消費電力量の低減の観点から、電気製品、車両、建築、貯蔵庫等の物品への真空断熱材の採用が進められている。これらの物品に真空断熱材を備えることで、物品全体としての断熱性能を向上させることが可能となり、エネルギー削減効果が期待される。
真空断熱材は、一般に、外装材を2枚重ねてその周縁を熱溶着して袋体とし、その中に発泡樹脂や繊維材等の芯材を入れ、脱気して内部を真空状態にして上記袋体の開口を封止して密閉することで形成されている。真空断熱材はその内部が高真空状態にあることから、内部での空気の対流による熱移動が遮断されるため、高い断熱性能を発揮することができる。
真空断熱材の断熱性能を長期間維持するためには、酸素等の常温常圧で気体状態であるガス(以下、単にガスと称する場合がある。)、および、水蒸気やアルコール等の蒸気(以下、単に蒸気と称する場合がある。)が外部から入りこむのを防ぎ、内部を長期間、高真空状態に保つ必要がある。このため、真空断熱材に用いられる外装材は、ガスや蒸気に対して高いバリア性能が要求される。このような外装材としては、熱溶着層、バリア層、および保護層からなる積層体が従来から公知であり、上記バリア層としてアルミ箔等の金属箔が用いられてきた。
なお、本明細書内において、ガスに対するバリア性能を「ガスバリア性能」、蒸気に対するバリア性能を「蒸気バリア性能」、ガスバリア性能および蒸気バリア性能を総じて「バリア性能」と称する場合がある。
また、真空断熱材の熱溶着部分でのヒートブリッジが生じにくいという観点から、樹脂フィルムの片面に、酸化ケイ素や酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜や金属層等の無機膜が形成された積層体(以下、無機バリア層と称する場合がある。)も、バリア層として好適に用いられている。例えば、特許文献1では、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(以下、EVOHと略する場合がある。)で構成されるプラスチックフィルムの片面に、アルミやシリカ等の蒸着膜が形成された無機バリア層を有するラミネートフィルムを外装材とする真空断熱材が開示されていている。無機バリア層のバリア性能は、主に、無機膜により発揮されるバリア性能に因る。
無機バリア層は、無機膜にクラックやピンホール等があると、バリア性能が低下することから、かかる無機バリア層については、上記バリア性能の低下防止を目的とした種々の改良検討がなされている。例えば、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略する場合がある。)等の水溶性高分子、および金属アルコキシドを含み、ゾルゲル法により重縮合した有機無機複合バリア膜用組成物を、無機バリア層の無機膜上に塗布し硬化することで、有機無機複合バリア膜を設けた多層バリア層とすることが知られている。上記多層バリア層では、無機バリア層の無機膜が有するクラックやピンホール等が有機無機複合バリア膜用組成物の塗膜で塞がれるため、無機バリア層のバリア性能が飛躍的に向上し、また、金属アルコキシドの組成の選択により、有機無機複合バリア膜自体のバリア性能も向上し、多層バリア層全体で高バリア性能を発揮することが可能となる。
また、外装材のバリア性能を高めるために、バリア層を複数積層させることも知られている。例えば、特許文献2では、少なくとも2層のガスバリア層の金属面が向かい合うようにして積層された外装材を用いた真空断熱材が開示されている。具体的には、樹脂フィルム基材の片面の金属膜を製膜した第1のガスバリア層と、金属箔、もしくは樹脂フィルム基材の片面に金属膜を製膜した無機バリア層である第2のガスバリア層と、を用い、上記第1のガスバリア層の金属膜と、上記第2のガスバリア層の金属箔または金属膜とが向かい合うようにして積層されている。特許文献2によれば、金属面を有する2層のガスバリア層を上述の積層態様で配置することで、双方のガスバリア層の金属面が互いのピンホールによるガスバリア性能の悪化要因を補うことができ、ガスバリア性能の大幅な改善が図れるとされる。
特開2012−77864号公報 特開2007−263335号公報
外装材において、上述した無機バリア層および有機無機複合バリア膜から構成される多層バリア層は、単独でも高バリア性能を奏することが可能であるが、上記多層バリア層と組成や層構成が同一の、若しくは異なるバリア層を併用することで、外装材のバリア性能がさらに向上することが推量される。そして、このような多層バリア層を含む複数のバリア層を有する外装材を用いた真空断熱材は、上記外装材の高バリア性能により、経時による内部真空度の低下が抑制され、長期にわたり高断熱性能を発揮することが可能であると推量される。
しかし、本発明者が上記多層バリア層を含む複数のバリア層を有する外装材を用いて、真空断熱材の断熱性向上を検討したところ、上記外装材内の複数のバリア層の積層順によっては、上記外装材の初期のバリア性能が積層順を問わず同等であるにもかかわらず、経時により真空断熱材の内部真空度が低下してしまい、断熱性能を長期間維持できないという課題があることを見出した。
すなわち、外装材の初期のバリア性能が高いにも関わらず、多層バリア層を含む複数のバリア層の積層順によっては、上記外装材を真空断熱材に用いた際に、上記外装材により奏されるバリア性能が経時低下してしまうのである。
本発明者は、上記課題の要因について鋭意検討したところ、上記要因が、蒸気バリア性能、中でも水蒸気に対するバリア性能(以下、水蒸気バリア性能と称する場合がある。)の低下によるものであること、詳しくは、外装材を構成する多層バリア層の有機無機複合バリア膜から生じる水蒸気の拡散性によるものであることを見出した。以下、上記要因について説明する。
ゾルゲル法で形成される有機無機複合バリア膜に含まれるPVA等の高分子材料は、乾燥状態では高バリア性能を示すが、一方で、親水性が高く吸湿しやすい。このため、製膜時に十分脱水されないと、有機無機複合バリア膜は、ある程度の水分を含むこととなる。また、外装材が周囲の空気と接することで有機無機複合バリア膜の吸湿が進み、経時により上記有機無機複合バリア膜の含有水分量が増加する傾向がある。
このような多層バリア層を含む複数のバリア層を有する外装材を用いた真空断熱材においては、有機無機複合バリア膜中の水分が気化し、水蒸気となって外装材内に拡散する現象が生じる。このとき、水蒸気の拡散方向は、外装材内の水蒸気バリア性能を示す複数の層の積層順、具体的には、有機無機複合バリア膜の一方の面側に位置する無機バリア層と、他方の面側に位置する他の層との水蒸気バリア性能に高低に応じて決まる。水蒸気は、通常、水蒸気透過度の低い層よりも高い層の方へ拡散しやすい傾向にある。
そして、有機無機複合バリア膜の熱溶着層側に位置する層が、真空断熱材表面側に位置する層よりも高い水蒸気透過度を示すと、真空断熱材の芯材側へ水蒸気が優先して拡散するため、真空断熱材の内部へ水蒸気が浸入してしまう。その結果、真空断熱材は、内部真空度の低下により、断熱性能を維持できなくなることが推量される。
加えて、真空断熱材の使用環境下では、外装材が高温下に曝されるため、外装材内の水蒸気の拡散速度が上昇し、真空断熱材の内部真空度の低下が短時間で生じることが予想される。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、真空断熱材において長期にわたり高い水蒸気バリア性能を発揮することができ、経時による真空断熱材の内部真空度の低下を抑制することが可能な真空断熱材用外装材、およびそれを用いた真空断熱材、ならびに上記真空断熱材を備えた真空断熱材付き機器を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、熱溶着層、第1バリア層および第2バリア層が少なくともこの順で積層されており、上記第1バリア層は、上記熱溶着層側から樹脂基材および無機膜をこの順で有する無機バリア層と、上記無機バリア層の上記無機膜上に形成された有機無機複合バリア膜と、を有し、上記有機無機複合バリア膜は、有機ポリマー成分と金属酸化物成分とを含む混合膜であり、上記第2バリア層は、上記第1バリア層の上記無機バリア層よりも水蒸気透過度が高いことを特徴とする真空断熱材用外装材を提供する。
本発明によれば、有機無機複合バリア膜の熱溶着層側の面に位置する無機バリア層よりも水蒸気透過度の高い第2バリア層を、上記有機無機複合バリア膜の他方の面側に配置することで、有機無機複合バリア膜から発生した水蒸気を、第2バリア層側、すなわち、真空断熱材外装材の熱溶着層と反対側の最外層側へ拡散させ、外部へ放出することができる。そして、本発明の真空断熱材用外装材を上述の積層態様とすることで、真空断熱材内部への水蒸気の浸入を阻止することができるため、長期にわたり高い水蒸気バリア性能を発揮し、経時による真空断熱材の内部真空度の低下を抑制することが可能となる。
上記発明においては、上記第1バリア層に対し、上記第2バリア層の積層側に保護層を有することが好ましい。本発明の真空断熱材用外装材が保護層を有することで、第1バリア層やその他の層を、突刺し等による外部衝撃から保護することができ、破損等によるバリア性能の低下を防ぐことができるからである。
また、本発明は、芯材および上記芯材を覆うように対向して配置される外装材を有し、対向する上記外装材の周縁が封止された真空断熱材であって、上記外装材は、上記芯材側から熱溶着層、第1バリア層および第2バリア層が少なくともこの順で積層されており、上記第1バリア層は、上記熱溶着層側から樹脂基材および無機膜をこの順で有する無機バリア層と、上記無機バリア層の上記無機膜上に形成された有機無機複合バリア膜と、を有し、上記有機無機複合バリア膜は、有機ポリマー成分と金属酸化物成分とを含む混合膜であり、上記第2バリア層は、上記第1バリア層の上記無機バリア層よりも水蒸気透過度が高いことを特徴とする真空断熱材を提供する。
本発明によれば、上述の真空断熱材用外装材により芯材が減圧密封されていることから、経時による内部真空度の低下が抑制され、長期にわたり高断熱性能を発揮することができる。
また、本発明は、本体又は内部に熱源部もしくは被保温部を有する機器、および真空断熱材を少なくとも備える真空断熱材付き機器であって、上記真空断熱材が、芯材および上記芯材を覆うように対向して配置される外装材を有し、対向する上記外装材の周縁が封止されており、上記外包材は、上記芯材側から熱溶着層、第1バリア層および第2バリア層が少なくともこの順で積層されており、上記第1バリア層は、上記熱溶着層側から樹脂基材および無機膜をこの順で有する無機バリア層と、上記無機バリア層の上記無機膜上に形成された有機無機複合バリア膜と、を有し、上記有機無機複合バリア膜は、有機ポリマー成分と金属酸化物成分とを含む混合膜であり、上記第2バリア層は、上記第1バリア層の上記無機バリア層よりも水蒸気透過度が高いことを特徴とする真空断熱材付き機器を提供する。
本発明によれば、機器が、上述した真空断熱材用外装材を用いた真空断熱材を備えることで、熱源部を有する機器においては、上記真空断熱材により熱源部からの熱が断熱され機器全体が高温になることを防ぐことができ、一方、被保温部を有する機器においては、上記真空断熱材により上記被保温部の温度状態を保つことができる。これにより、機器の消費電力を抑え、高い省エネルギー特性を有することができる。
本発明の真空断熱材用外装材は、真空断熱材において長期にわたり高い水蒸気バリア性能を発揮することができ、経時による真空断熱材の内部真空度の低下を抑制することが可能であるといった作用効果を奏する。
本発明の真空断熱材用外装材の一例を示す概略断面図である。 本発明の真空断熱材の一例を示す概略斜視図および断面図である。
以下、本発明の真空断熱材用外装材、およびそれを用いた真空断熱材、ならびに真空断熱材付き機器について、詳細に説明する。
A.真空断熱材用外装材
本発明の真空断熱材用外装材は、熱溶着層、第1バリア層および第2バリア層が少なくともこの順で積層されており、上記第1バリア層は、上記熱溶着層側から樹脂基材および無機膜をこの順で有する無機バリア層と、上記無機バリア層の上記無機膜上に形成された有機無機複合バリア膜と、を有し、上記有機無機複合バリア膜は、有機ポリマー成分と金属酸化物成分とを含む混合膜であり、上記第2バリア層は、上記第1バリア層の上記無機バリア層よりも水蒸気透過度が高いことを特徴とするものである。
本発明の真空断熱材用外装材について図を参照して説明する。図1は本発明の真空断熱材用外装材の一例を示す概略断面図である。本発明の真空断熱材用外装材10は、熱溶着層3、第1バリア層1および第2バリア層2が少なくともこの順で積層されている。熱溶着層3は、第1バリア層1の第2バリア層2側と反対側の面上に形成され、本発明の真空断熱材用外装材10の積層方向において一方の最表層を担う。
第1バリア層1は、熱溶着層3側から樹脂基材11および無機膜12をこの順で有する無機バリア層20と、無機膜12上に形成された有機無機複合バリア膜21と、を有する。有機無機複合バリア膜21は、有機ポリマー成分と金属酸化物成分とを含む混合膜である。また、有機無機複合バリア膜21は、所定の一般式で表わされる少なくとも1種以上の金属アルコキシドと、水溶性高分子と、を含有し、さらに、ゾルゲル法により重縮合して得られる有機無機複合バリア膜用組成物からなる塗布膜でもある。
本発明では、第2バリア層2は、第1バリア層1の無機バリア層20よりも水蒸気透過度が高いことを特徴とする。
本発明によれば、有機無機複合バリア膜の熱溶着層側の面に位置する無機バリア層よりも水蒸気透過度の高い第2バリア層を、上記有機無機複合バリア膜の他方の面側に配置することで、有機無機複合バリア膜から発生した水蒸気を、第2バリア層側、すなわち、真空断熱材外装材の熱溶着層と反対側の最外層側へ拡散させ、外部へ放出することができる。そして、本発明の真空断熱材用外装材を上述の積層態様とすることで、真空断熱材内部への水蒸気の浸入を阻止することができるため、長期にわたり高い水蒸気バリア性能を発揮し、経時による真空断熱材の内部真空度の低下を抑制することが可能となる。
以下、本発明の真空断熱材用外装材の各構成について説明する。
1.第1バリア層
本発明における第1バリア層は、上記熱溶着層側から樹脂基材および無機膜をこの順で有する無機バリア層と、上記無機バリア層の上記無機膜上に形成された有機無機複合バリア膜と、を有する。
第1バリア層においては、無機バリア層の無機膜に生じたクラックやピンホール等が有機無機複合バリア膜で塞がれることで、無機バリア層単体よりも高い水蒸気バリア性能を示すことができる。また、有機無機複合バリア膜の組成に応じて、有機無機複合バリア膜自体の水蒸気バリア性能も向上し、第1バリア層全体でさらに高い水蒸気バリア性能を示すことができる。
加えて、有機無機複合バリア膜は、後述するように、ゾルゲル法を用いて形成される塗布膜であり、無機膜上に形成する際に、加水分解によって生じた水酸基やシランカップリング剤由来のシラノール基が、無機膜の表面の水酸基と結合し、無機膜と有機無機複合バリア膜との密接着性等が良好となる。そして、有機無機複合バリア膜と無機膜とが相乗的に作用することで、水蒸気バリア性能が向上する。
第1バリア層の水蒸気バリア性能は、本発明の真空断熱材用外装材に要求される水蒸気バリア性能に応じて適宜決定することができるが、具体的には、第1バリア層の水蒸気透過度が0.1g/m/day以下であることが好ましく、中でも0.05g/m/day以下であることが好ましく、特に0.01g/m/day以下であることが好ましい。第1バリア層の水蒸気透過度を上記範囲内とすることで、本発明の真空断熱材用外装材を用いた真空断熱材において、外部からの水蒸気の浸入による上記真空断熱材の熱伝導率の上昇を抑制することができるからである。
第1バリア層の水蒸気透過度は、40℃、90%RHの雰囲気下で、水蒸気透過度測定装置(米国MOCON社製、PARMATRAN)を使用して、JIS K7129に従い測定することができる。以下、本明細書において説明する水蒸気透過度は、上述の方法と同様の方法を用いて測定することができる。
(1)有機無機複合バリア膜
有機無機複合バリア膜は、上記無機バリア層の上記無機膜上に形成され、有機ポリマー成分と金属酸化物成分とを含む混合膜である。
有機無機複合バリア膜は、有機無機複合バリア膜用組成物により形成される。すなわち、有機無機複合バリア膜は、一般式R M(ORで(ただし、式中、R、Rは、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上の金属アルコキシドと、水溶性高分子と、を含有し、さらに、ゾルゲル法によって重縮合して得られる有機無機複合バリア膜用組成物からなる塗布膜とすることができる。具体的には、有機無機複合バリア膜は、金属アルコキシドの加水分解物または金属アルコキシドの加水分解縮合物からなる塗布膜とすることができる。
ゾルゲル法により形成される上記有機無機複合バリア膜は、有機ポリマー成分と金属酸化物成分との間に、架橋結合を有することが好ましい。すなわち、上記有機無機複合バリア膜は、水溶性高分子と金属アルコキシドとが相互に化学的に反応した強固な三次元網目状構造を形成しており、上記有機ポリマー成分中の炭素原子(C)と上記金属酸化物成分中の金属原子(M)との間に、酸素(O)を介した架橋結合(C−O−M結合)を有することが好ましい。上記有機無機複合バリア膜は、通常、有機ポリマー成分と金属酸化物成分との間に上述の架橋結合を有する。
有機無機複合バリア膜は、有機無機複合バリア膜用組成物として用いる金属アルコキシドおよび水溶性高分子の種類や組合せに応じて、例えば、下記の式(I)〜(III)で示される構造を有することができる。
下記式(I)で示す構造式を有する有機無機複合バリア膜は、金属アルコキシドとしてアルコキシシランを含み、水溶性高分子としてポリビニルアルコールを含む有機無機複合バリア膜用組成物を用いて形成された例である。下記式(I)で示す構造式を有する有機無機複合バリア膜は、ポリビニルアルコール骨格を有する有機ポリマー成分と、アルコキシシランがSi−O−Si結合を形成したポリマー骨格を有する金属酸化物成分と、を含み、上記有機ポリマー成分と上記金属酸化物成分との間に架橋結合を有している。
また、下記式(II)で示す構造式を有する有機無機複合バリア膜は、金属アルコキシドとしてアルコキシシランを含み、水溶性高分子としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む有機無機複合バリア膜用組成物を用いて形成された例である。下記式(II)で示す構造式を有する有機無機複合バリア膜は、エチレン−ビニルアルコール共重合体骨格を有する有機ポリマー成分と、アルコキシシランがSi−O−Si結合を形成したポリマー骨格を有する金属酸化物成分と、を含み、上記有機ポリマー成分と上記金属酸化物成分との間に架橋結合を有している。
下記式(III)で示す構造式を有する有機無機複合バリア膜は、金属アルコキシドとしてアルコキシシランを含み、水溶性高分子としてポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む有機無機複合バリア膜用組成物を用いて形成された例である。下記式(III)で示す構造式を有する有機無機複合バリア膜は、ポリビニルアルコール骨格を有する有機ポリマー成分と、エチレン−ビニルアルコール共重合体骨格を有する有機ポリマー成分と、アルコキシシランがSi−O−Si結合を形成したポリマー骨格を有する金属酸化物成分と、を含み、上記2種類の有機ポリマー成分と上記金属酸化物成分との間にそれぞれ架橋結合を有している。
(a)金属酸化物成分
有機無機複合バリア膜に含まれる金属酸化物成分は、一般式R M(ORで(ただし、式中、R、Rは、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上の金属アルコキシドのモノマー、オリゴマー、ポリマー、またはそれらの混合物を含むものである。金属アルコキシドのオリゴマーおよびポリマーは、金属アルコキシドの金属元素間に酸素原子を介在して結合したM−O−M結合を有する。
上記有機無機複合バリア膜は、使用する上記有機無機複合バリア膜用組成物の組成に応じて、例えば、金属アルコキシドのポリマーを主成分とする金属酸化物成分、金属アルコキシドのモノマーを主成分とする金属酸化物成分等を含む。
以下、金属アルコキシドについて説明する。
上記の一般式R M(ORで表わされる金属アルコキシド中の金属原子Mとしては、例えば、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム等が挙げられる。中でも、珪素が好ましい。
金属酸化物成分は、含有する金属アルコキシド中の金属原子に応じて、同一の金属原子を含んでいてもよく、2種以上の異なる金属原子を含んでいてもよい。
上記の一般式R M(OR中のRで表される有機基は、炭素数が1〜8の範囲内であればよく、分岐を有していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等のアルキル基を挙げることができる。
また、Rで表される有機基は、炭素数が1〜8の範囲内であればよく、分岐を有していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等のアルキル基を挙げることができる。
金属アルコキシド中のRおよびRは同一であっても異なってもよい。金属アルコキシドのオリゴマーまたはポリマーは、RおよびRの少なくとも一部が脱プロトン化されている。
一般式R M(ORで表される金属アルコキシドとしては、金属アルコキシドの部分加水分解物や、金属アルコキシドの加水分解縮合物の少なくとも1種以上を使用することができる。金属アルコキシドの部分加水分解物は、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1以上のアルコキシ基が加水分解されているもの、および、その混合物であってもよい。更に、金属アルコキシドの加水分解縮合物は、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には、2量体〜6量体の範囲内のものを使用することができる。金属アルコキシドの縮合物としては、例えば、ポリテトラメトキシシラン等が挙げられる。
中でも、上記金属アルコキシドが、テトラエトキシシラン(Si(OC、TEOS)であることが好ましい。シラン系アルコキシドの中でもTEOSは安価であり且つテトラメトキシシラン(TMOS)等よりも毒性が低いからである。
上記金属アルコキシドのオリゴマーおよびポリマーは、単一組成の金属アルコキシドの加水分解および脱水重縮合から構成されたものであってもよく、組成の異なる複数種類の金属アルコキシドの加水分解および脱水重縮合から構成されたものであってもよい。
有機無機複合バリア膜中の金属酸化物成分の割合は、有機無機複合バリア膜用組成物の金属アルコキシドの配合量に応じて適宜設定することができる。上記金属酸化物成分の割合が大きいと、有機無機複合バリア膜のガスバリア性能が損なわれる場合や有機無機複合バリア膜の脆性が高くなる場合がある。
(b)有機ポリマー成分
有機無機複合バリア膜中の有機ポリマー成分は、有機無機複合バリア膜の構造式において、水溶性高分子の、金属アルコキシドと反応可能な水酸基を除く骨格部分を少なくとも有するものである。
上記水溶性高分子のモノマー単位が有する水酸基は、上記金属酸化物成分に含まれる金属アルコキシドと脱水重縮合反応することが可能であり、通常は、金属アルコキシドと脱水重縮合反応する。この場合、水溶性高分子のモノマー単位内にて水酸基が結合していた炭素原子が、金属酸化物成分の金属原子と酸素を介して結合する。
以下、水溶性高分子について説明する。
水溶性高分子は、モノマー単位内に水酸基を有するものであればよく、例えば、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等が挙げられる。
PVAとしては、例えば、酢酸基が数十%残存している部分ケン化PVA、酢酸基が残存しない完全ケン化PVA、OH基の共重合変性により他の変性基が導入された変性PVA等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。変性PVAの上記変性基としては、例えば、アルコキシシリル基が挙げられる。PVAの重合度およびケン化度は特に限定されず、適宜設定することができる。
EVOHとしては、例えば、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものを使用することができる。具体的には、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。EVOHのケン化度は、その種類にもよるが、高い水蒸気バリア性能を発揮する観点から、例えば80mol%以上であることが好ましく、中でも90mol%以上、特に95mol%以上であることが好ましい。
また、EVOH中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう。)は、例えば0mol%〜50mol%の範囲内が好ましい。有機無機複合バリア膜が高いバリア性能を示すことができるからである。中でも上記エチレン含量が20mol%〜45mol%の範囲内であることが好ましい。有機無機複合バリア膜が高いバリア性能を示すことに加え、湿度の高低による有機無機複合バリア膜のバリア性能の変化を抑えることができるからである。すなわち、エチレン含量が少なすぎると、有機無機複合バリア膜は、低湿度下では非常に高いバリア性能を発揮することができるが、高湿度下ではバリア性能が著しく低下する傾向にあり、一方、エチレン含量が多すぎると、湿度の高低に因らず有機無機複合バリア膜の本来のバリア性能が低い傾向にある。このため、上記エチレン含量を上記範囲内とすることで、有機無機複合バリア膜が湿度の高低に依存せずに安定したバリア性能を発揮することができるからである。
水溶性高分子の重量平均分子量は、適宜設定することができる。
有機無機複合バリア膜中には、有機ポリマー成分が1種類含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。有機ポリマー成分が2種類以上含まれるとは、有機ポリマー成分が2種類以上の水溶性高分子の上記骨格部分を有することをいい、有機無機複合バリア膜をゾルゲル法により形成する際に、有機無機複合バリア膜用組成物に2種類以上の水溶性高分子を含むことで形成される。
例えば、水溶性高分子としてPVAおよびEVOHを併用する場合、有機無機複合バリア層は、有機ポリマー成分として、PVAの骨格を有する有機ポリマー成分と、EVOHの骨格を有する有機ポリマー成分と、を含むことができる。このとき、PVAおよびEVOHの配合割合は、質量比でPVA:EVOH=10:0.05〜10:6の範囲内あることが好ましい。
有機無機複合バリア膜中の有機ポリマー成分の含有量は、後述する有機無機複合バリア膜用組成物の水溶性高分子の配合量に応じて適宜設定することができる。
(c)その他
有機無機複合バリア膜は、シランカップリング剤を含んでいてもよい。上記シランカップリング剤は、1種類または2種類以上の混合物であってもよい。シランカップリング剤としては、例えば、特開2010−284854号公報、特開2011−5839号公報等で開示される材料を用いることができる。
また、有機無機複合バリア膜は、例えば、無機層状化合物、窒素含有化合物、アミノ基含有シランカップリング剤を含むアミン類等の任意の材料を含有していてもよい。無機層状化合物であれば、水蒸気の透過を遮断することができ、窒素含有化合物およびアミノ基含有シランカップリング剤を含むアミン類であれば、有機無機複合バリア膜の緻密化を促進させることができる。このため、これらの任意の材料を含むことで、有機無機複合バリア膜の水蒸気バリア性能を高めることができる。
上述の任意の材料は、例えば、特開2007−98676号公報に開示される材料を用いることができる。なお、無機層状化合物とは、層状構造を有する結晶性の無機化合物をいう。
有機無機複合バリア膜の厚みは、例えば0.05μm〜0.5μmの範囲内が好ましく、中でも0.1μm〜0.4μmの範囲内が好ましく、特に0.2μm〜0.3μmの範囲内が好ましい。有機無機複合バリア膜の厚みを上記範囲内とすることで、有機無機複合バリア膜が、高バリア性能に加えて、優れた耐屈曲性を有することができるからである。
有機無機複合バリア膜の厚みは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)により有機無機複合バリア膜の切片を観察することにより直接測定することができる。
(d)有機無機複合バリア膜の形成方法
上記有機無機複合バリア膜は、ゾルゲル法を用いた従来公知の方法により形成することができる。具体的には、金属アルコキシドおよび水溶性高分子を含む有機無機複合バリア膜用組成物をゾルゲル法により調製し、これを無機バリア層の無機膜上に常法により塗布し、加熱乾燥して、ゾルゲル反応による脱水重縮合により硬化させる方法が用いられる。
有機無機複合バリア膜用組成物は、一般式R M(OR(ただし、式中、R、Rは、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上の金属アルコキシドと、水溶性高分子とを含有し、更に、ゾル−ゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合して得た組成物である。上記有機無機複合バリア膜用組成物を調製するに際し、シランカップリング剤等を添加してもよい。
上記有機無機複合バリア膜用組成物の調製に用いられる、金属アルコキシドおよび水溶性高分子以外の材料は、例えば、特開2010−284854号公報、特開2011−5839号公報等で開示されるガスバリア性能組成物に用いられる材料と同様とすることができる。
上記有機無機複合バリア膜用組成物中の水溶性高分子の含有量は、例えば、金属アルコキシドの合計量100重量部に対して5重量部〜500重量部の範囲内であることが好ましく、中でも20重量部〜200重量部の範囲内が好ましい。金属アルコキシドの含有量に対する水溶性高分子の含有量が上記範囲よりも多いと、有機無機複合バリア膜の脆性が大きくなり、耐侯性等も低下する場合があり、一方、上記範囲よりも少ないと、有機無機複合バリア膜や第1バリア層のガスバリア性能が低下する場合があるからである。
有機無機複合バリア膜の形成方法として、金属アルコキシドとしてアルコキシシラン用いた場合について、更に詳細に説明する。
アルコキシシランや金属アルコキシドは、添加された水によって加水分解される。加水分解の際には、酸が加水分解の触媒として作用する。次いで、ゾル−ゲル法触媒の働きによって、加水分解によって生じた水酸基からプロトンが奪取され、加水分解生成物同士が脱水重縮合する。このとき、酸触媒により同時にシランカップリング剤も加水分解されて、アルコキシ基が水酸基となる。
また、塩基触媒の働きによりエポキシ基の開環も起こり、水酸基が生じる。さらに、加水分解されたシランカップリング剤と加水分解された金属アルコキシドとの重縮合反応も進行する。生成する重縮合物は、金属元素間が酸素を介在して結合したM−O−M結合を有する金属アルコキシドのポリマーとなる。金属アルコキシドがアルコキシシランであれば、形成される金属アルコキシドのポリマーは、下記の式(IV)に示されるシロキサン結合(Si−O−Si結合)を有する。また、上記重縮合物は、シランカップリング剤に起因する有機部分も含有し、直鎖状となる。
上記金属アルコキシドのポリマーは、OR基(エトキシ基などのアルコキシ基)を、直鎖状のポリマーから分岐した形で有する。このOR基は、存在する酸が触媒となって加水分解されてOH基となり、ゾル−ゲル法触媒(塩基触媒)の働きにより、まず、OH基が、脱プロトン化する。次いで、反応系に存在する水溶性高分子が有するモノマー単位内のOH基との脱水重縮合が進行し、架橋構造を形成する。
上記反応を経て形成される有機無機複合バリア膜は、水溶性高分子の種類に応じて、上述した式(I)、(II)、および(III)に示されるように、水溶性高分子の金属アルコキシドと反応した水酸基を除く骨格を有する有機ポリマー成分と、金属酸化物成分としてM−O−M結合骨格を有する金属アルコキシドのポリマーと、を含み、上記有機ポリマー成分と上記金属酸化物成分との間にC−O−M結合が形成された架橋構造を有する。
ゾルゲル法による有機無機複合バリア膜の形成方法の詳細については、例えば、特開2010−284854号公報で開示されるガスバリア層の形成方法や、特開2011−5839号公報等で開示されるガスバリア性能塗布膜の形成方法と同様とすることができる。
(2)無機バリア層
無機バリア層は、上記熱溶着層側から樹脂基材および無機膜をこの順で有する。上記無機バリア層は、第1バリア層内において、上記有機無機複合バリア膜よりも熱溶着層側に位置する。
無機バリア層の水蒸気透過度は、後述する第2バリア層の水蒸気透過度よりも低ければよく、例えば、1.0g/m/day以下であることが好ましく、中でも0.5g/m/day以下であることが好ましい。無機バリア層の水蒸気透過度を上記範囲内とすることで、本発明の真空断熱材用外装材に含有される水分が、第2バリア層側に拡散しやすくなり、真空断熱材内部へ浸入するのを効果的に防ぐことができ、また同時に、外部からの水蒸気の浸入を防ぐことができる。これにより、真空断熱材の内部への水分等の浸入に因る熱伝導率の上昇を抑制できるからである。
(a)無機膜
無機膜は、樹脂基材の一方の面に形成され、無機バリア層のバリア性能に主に寄与するものである。
無機膜は、無機バリア層全体で所望の水蒸気バリア性能を示すことが可能なものであればよく、例えば、金属蒸着膜等の金属薄膜、無機化合物の蒸着膜である無機化合物膜が挙げられる。
上記無機膜は透明性を有していてもよく有さなくてもよい。
金属薄膜を形成する金属は、所望のバリア性能を発揮できる金属であればよく、例えば、アルミニウム、ステンレス、チタン、ニッケル、鉄、銅等が挙げられる。
一方、無機化合物膜を形成する無機化合物は、所望のバリア性能を発揮できる材料であればよく、例えば、無機酸化物、無機酸化窒化物、無機窒化物、無機酸化炭化物、無機酸化炭化窒化物および酸化珪素亜鉛等から選ばれる1または2以上の無機化合物等が挙げられる。具体的には、珪素(シリカ)、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、チタン、ホウ素、イットリウム、ジルコニウ、ムセリウム、および亜鉛から選ばれる1種または2種以上の元素を含有する無機化合物を挙げることができる。
より具体的には、珪素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物、チタン酸化物、スズ酸化物、珪素亜鉛合金酸化物、インジウム合金酸化物、珪素窒化物、アルミニウム窒化物、チタン窒化物、酸化窒化珪素等を挙げることができる。
上記無機化合物は、単独で用いてもよいし、上記材料を任意の割合で混合して用いてもよい。
中でも、上記無機膜が珪素酸化物薄膜であることが好ましい。水蒸気バリア性能が高く、耐屈曲性に優れるからである。
無機膜の厚みは、無機バリア層が所望の水蒸気透過度を示すことが可能であればよく、無機膜の種類にもよるが、例えば、5nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、中でも10nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。無機膜の厚みが上記範囲を下回ると、製膜が不十分となり所望の水蒸気バリア性能を示すことができない場合があり、上記範囲を超えると、クラックが発生しやすくなり可撓性が低下するおそれや、無機膜が金属薄膜である場合、本発明の真空断熱材用外装材を用いて形成された真空断熱材において、ヒートブリッジが生じるおそれがあるからである。
無機膜の厚みは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)により切片を観察することにより、直接測定することができる。より簡便かつ高速な測定方法としては、例えば、蛍光X線分析装置((株)理学製 RIX2000型)を用いたファンダメンタルパラメータ法による測定方法が挙げられる。
無機膜は、単層であってもよく、合計厚みが上記範囲内となるように2層以上を積層してもよい。2層以上の無機膜を用いる場合は、同一組成の無機膜を組み合わせてもよく、異なる組成の無機膜を組み合わせてもよい。
樹脂基材上に無機膜を形成する方法としては、無機膜の種類に応じて従来公知の方法を用いることができる。無機膜が金属薄膜であれば、例えば、物理気相成長(PVD)法や化学気相成長(CVD)法等の乾式製膜法を用いて樹脂基材上に製膜する方法、具体的には、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法等を用いることができる。また、既製の金属薄膜を用い、樹脂基材と予め加熱した金属薄膜とを熱圧着させる方法、樹脂基材または金属薄膜上に接着剤層を介して貼合する方法等が挙げられる。
一方、無機膜が無機化合物膜であれば、例えば、PVD法やCVD法等の乾式製膜法を用いて、樹脂基材上に無機化合物膜を形成することができる。PVD法およびCVD法による具体的な無機膜の製膜方法については、例えば、特開2011−5835号公報に開示される方法を用いることができる。
(b)樹脂基材
樹脂基材は、無機膜を担持可能なものであれば特に限定されないが、本発明の真空断熱材用外装材が所望のフレキシブル性を示すことが好ましい観点から、樹脂フィルムや樹脂シートが好適に用いられる。樹脂基材が樹脂フィルムである場合、上記樹脂フィルムは未延伸であってもよく、一軸または二軸延伸されたものであってもよい。
上記樹脂基材は透明性を有していてもよく有さなくてもよい。
樹脂基材に用いられる樹脂は、一方の面に無機膜を製膜することが可能な樹脂であれば特に限定されない。上記樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)やエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物、各種のナイロン等のポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アセタール樹脂、セルロース樹脂等の各種の樹脂を使用することができる。
上記樹脂基材には、種々のプラスチック配合剤や添加剤等が含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、改質用樹脂等が挙げられる。
上記樹脂基材は、表面処理が施されていてもよい。無機膜との密着性を向上させることができるからである。上記表面処理としては、例えば、特開2014−180837号公報に開示される酸化処理、凹凸化処理(粗面化処理)、易接着コート処理等を挙げることができる。
樹脂基材の厚みは、特に限定されないが、例えば6μm〜200μmの範囲内、より好ましくは、9μm〜100μmである。
(c)その他
無機バリア層は、酸素透過度が低いことが好ましく、例えば、1.0cc/m/day以下の範囲内が好ましく、中でも0.5cc/m/day以下の範囲内が好まく、特に0.2cc/m/day以下の範囲内が好ましい。無機バリア層の酸素透過度を上記範囲内とすることで、第1バリア層が高い水蒸気バリア性能を発揮するだけでなく、高いガスバリア性能を発揮することが可能となるからである。
無機バリア層の酸素透過度は、測定温度23℃、湿度90%RHの条件下で、酸素ガス透過率測定装置(米国MOCON社製、OXTRAN)を使用し、JIS K7126に従い測定することができる。以下、本細書内において説明する酸素透過度は、上述の方法と同様の方法を用いて測定することができる。
(3)その他
第1バリア層は、酸素透過度が低いことが好ましく、例えば、1.0cc/m/day以下の範囲内が好ましく、中でも0.5cc/m/day以下の範囲内が好ましく、特に0.2cc/m/day以下の範囲内が好ましい。第1バリア層の酸素透過度を上記範囲内とすることで、第1バリア層が高い水蒸気バリア性能を発揮するだけでなく、高いガスバリア性能を発揮することが可能となるからである。
2.第2バリア層
本発明における第2バリア層は、第1バリア層の熱溶着層側と反対側に設けられる層であり、上記第1バリア層の上記無機バリア層よりも水蒸気透過度が高い層である。
第2バリア層は、透明性を有していてもよく有さなくてもよい。
第2バリア層は、上記第1バリア層の上記無機バリア層よりも水蒸気透過度が高ければよく、例えば、0.1g/m/day〜100.0g/m/dayの範囲内であることが好ましく、中でも0.2g/m/day〜1.0g/m/dayの範囲内であることが好ましい。第2バリア層の水蒸気透過度を上記範囲内とすることで、本発明の真空断熱材用外装材全体で高い水蒸気バリア性能を保持しつつ、上記真空断熱材用外装材に含まれる水分を効果的に外部へ放出することができるからである。また、真空断熱材用外装材の外部からの水蒸気の透過を抑制することができるからである。
また、第1バリア層における無機バリア層の水蒸気透過度(WVTR1)に対する第2バリア層の水蒸気透過度(WVTR2)の比率{(WVTR2)/(WVTR1)}(以下、水蒸気バリア比率とする場合がある。)は、例えば、1.5以上であることが好ましく、中でも10以上であることが好ましい。水蒸気バリア比率を上記範囲内とすることで、第2バリア層側へ水蒸気が拡散しやすくなるからである。
第2バリア層は、酸素透過度が低いことが好ましい。その理由および第2バリア層の具体的な酸素透過度については、上述の「1.第1バリア層 (3)その他」の項で説明した理由および、第1バリア層の酸素透過度と同様とすることができる。
第2バリア層としては、上述の水蒸気透過度を示すものであれば特に限定されず、例えば、金属層、樹脂層、無機バリア層等が挙げられる。
金属層は、上述の「1.第1バリア層 (2)無機バリア層 (a)無機膜」の項で説明した金属薄膜と同様とすることができる。
樹脂層は、樹脂で形成された層である。上記樹脂は、樹脂層が上述の水蒸気透過度を示すことが可能であればよく、例えば、上述の「1.第1バリア層 (2)無機バリア層 (b)樹脂基材」の項で説明した樹脂を挙げることができる。中でも、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)やエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂等が好ましい。
樹脂層は、水蒸気透過度と厚みとが反比例の関係にあることから、樹脂層の厚みを調整することにより、上記樹脂層の水蒸気透過度を調整することが可能である。
無機バリア層は、第1バリア層における無機バリア層と同様に、樹脂基材上に無機膜が形成されてなるものである。上記無機バリア層は、上述の「1.第1バリア層 (2)無機バリア層」の項で説明したものの中から、水蒸気透過度に応じて無機膜の組成および樹脂基材を適宜選択することができる。
中でも、無機バリア層は、無機膜が珪素酸化物膜であり、樹脂基材がPETであることが好ましい。珪素酸化物膜は水蒸気バリア性能および耐屈曲性能が高く、またPETは機械特性が高く、突刺し等による外部衝撃に強いからである。
第2バリア層として用いられる無機バリア層は、第1バリア層における無機バリア層と同様に、無機膜上に有機無機複合バリア膜を有していてもよい。この場合、本発明における「第2バリア層が、第1バリア層の上記無機バリア層よりも水蒸気透過度が高い」とは、第2バリア層の、有機無機複合バリア膜を除いた無機バリア層の水蒸気透過度が、第1バリア層の無機バリア層よりも高いことをいう。
第2バリア層が有する有機無機複合バリア膜は、上述の「1.第1バリア層 (1)有機無機複合バリア膜」の項で説明したものと同様とすることができる。
また、第2バリア層が、無機バリア層および有機無機複合バリア膜を有する場合、上記第2バリア層は、上記有機無機複合バリア膜を第1バリア層側として配置してもよく、上記無機バリア層を第1バリア層側として配置してもよい。
第2バリア層の厚みは、所望の水蒸気透過度を示すことが可能であれば、特に限定されず、第2バリア層の種類に応じて適宜設計することができる。例えば、第2バリア層が金属層であれば、上記厚みは、例えば、上述の「1.第1バリア層 (2)無機バリア層 (a)無機膜」の項で説明した無機膜の厚みの範囲と同様とすることができる。また、第2バリア層が樹脂層であれば、上記厚みは、所望の水蒸気透過度を示すことが可能な厚みに適宜調整が可能であり、例えば、上述の「1.第1バリア層 (2)無機バリア層 (b)樹脂基材」の項で説明した樹脂基材の厚みの範囲と同様とすることができる。
さらに、第2バリア層が無機バリア層であれば、無機膜および樹脂基材のそれぞれの厚みは、例えば、上述の「1.第1バリア層 (2)無機バリア層」の項で説明した無機膜および樹脂基材のそれぞれの厚みの範囲と同様とすることができる。
第2バリア層の厚みが所望の範囲を下回ると、製膜が不十分となり所望の水蒸気バリア性能を示すことができない場合がある。一方、第2バリア層の厚みが所望の範囲を超えると、クラックが発生しやすくなり可撓性が低下するおそれや、第2バリア層が金属層である場合に、本発明の真空断熱材用外装材を用いて形成された真空断熱材において、ヒートブリッジが生じるおそれがある。
3.熱溶着層
本発明における熱溶着層は、第1バリア層の第2バリア層側と反対側の面に形成され、本発明の真空断熱材用外装材の積層方向において一方の最表層を担う。
上記熱溶着層は、本発明の真空断熱材用外装材を用いて真空断熱材を製造する際に、芯材と接する層であり、上記真空断熱材用外装材で芯材を覆い減圧密封する際に、芯材を介して対向する真空断熱材用外装材の周縁同士を接着する機能を有する。
熱溶着層の材料は、加熱により溶融して所望の接着性を示す熱可塑性樹脂が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、ポリプロピレン(PP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンとアクリル酸との酸コポリマー、エチレンとアクリル酸エステルとのエステルコポリマー等の酸変性ポリオレフィン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー等が挙げられる。
熱溶着層は、アンチブロッキング剤、滑剤、難燃化剤、有機充填剤等の任意材料を含んでいてもよい。
熱溶着層の融点は、本発明の真空断熱材用外装材の使用環境下において、熱溶着層の貼合面が剥離しない程度の接着力を示すことが可能な温度であることが好ましく、熱溶着層の組成に応じて適宜設定することができる。上記融点は、例えば80℃〜300℃の範囲内、中でも85℃〜250℃の範囲内であることが好ましい。
熱溶着層の厚みは、所望の接着力を示すことが可能であればよく、例えば20μm〜100μmの範囲内、中でも25μm〜90μmの範囲内、特に30μm〜80μmの範囲内が好ましい。熱溶着層の厚みが上記範囲よりも大きいと、熱溶着層の側面からガスや蒸気が浸入しやすくなり、真空断熱材用外装材のバリア性能が低下する場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、所望の接着力が得られない場合がある。
4.保護層
本発明の真空断熱材用外装材は、上述の熱溶着層、第1バリア層および第2バリア層の他に、上記第1バリア層に対し、上記第2バリア層の積層側に保護層を有することが好ましい。真空断熱材用外装材において、保護層よりも熱溶着層側に位置する層を外部衝撃から保護し、第1バリア層や第2バリア層にクラックやピンホール等が発生することによるバリア性能の低下を防ぐことができるからである。
本発明において、保護層は、第1バリア層および第2バリア層よりも水蒸気透過度が高い層である。上記保護層の水蒸気透過度としては、第1バリア層および第2バリア層よりも水蒸気透過度が高ければよく、例えば、150g/m/day〜500g/m/dayの範囲内であることが好ましく、中でも150g/m/day〜400g/m/dayの範囲内であることが好ましい。
また、保護層の酸素透過度は、第1バリア層および第2バリア層よりも高ければよく、適宜設定することができる。
保護層を構成する材料は、熱溶着層よりも高融点を示し、第1バリア層および第2バリア層よりも水蒸気バリア性能が低い保護層、中でも、上述の水蒸気透過度を示す保護層を形成可能な樹脂であればよい。上記樹脂としては、例えば、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
保護層の水蒸気透過度は、保護層の厚みを調整することで調整が可能である。
保護層はシートでもよくフィルムでもよい。また上記保護層は、単層であってもよく、同一材料から成る層を複数積層させ、若しくは異なる材料から成る層を積層させて多層化したものであってもよい。
保護層の厚みは、他の層を保護することができ、上述の水蒸気透過度を示すことが可能であれば特に限定されず、保護層の材料に応じて適宜設定が可能である。保護層の厚みは、例えば、5μm〜80μmの範囲内とすることができる。
上記保護層は、真空断熱材用外装材の積層構造において、上記第1バリア層に対し、上記第2バリア層の積層側に位置すれば特に限定されない。保護層の位置としては、例えば、真空断熱材用外装材の最表面、第1バリア層と第2バリア層との層間、第2バリア層と他の機能層との層間等が挙げられる。
本発明の真空断熱材用外装材において、保護層を上記真空断熱材用外装材の積層方向において他方の最表層とする場合、本発明の真空断熱材用外装材を用いて真空断熱材を形成する際に、真空断熱材の表面を担う層となる。
また、本発明の真空断熱材用外装材においては、複数の保護層を有していてもよい。
なお、後述する図2に例示する真空断熱材において、真空断熱材用外装材10は、最表層に保護層4を有する。
5.その他
本発明においては、第2バリア層を複数有していてもよい。第2バリア層を複数有する場合は、第1バリア層側から順に水蒸気透過度が高くなるように積層されることが好ましい。複数の第2バリア層は、同一の組成であってもよく、異なる組成であってもよい。
また、本発明の真空断熱材用外装材は、任意の層としてアンカーコート層、耐ピンホール層、層間接着層等を有していてもよい。層間接着層に用いられる接着剤としては、例えば、特開2010−284854号公報で開示されるラミネート用接着剤を用いることができる。
本発明の真空断熱材用外装材を構成する各層は、層間接着層を介して積層されていてもよく、隣接する層同士が直接接着して積層されていてもよい。
本発明の真空断熱材用外装材は、透明性を有していてもよく、有さなくてもよく、本発明の真空断熱材用外装材が用いられる真空断熱材の用途に応じて適宜設定することができる。真空断熱材用外装材の透明性については、厳密な透過率で規定されず、用途等に応じて適宜決定することができる。
本発明の真空断熱材用外装材の水蒸気バリア性能は、第1バリア層および第2バリア層の水蒸気透過度により適宜決定される。
本発明の真空断熱材用外装材の製造方法は、少なくとも、熱溶着層、第1バリア層、および第2バリア層がこの順となるように積層することができる方法であればよく、例えば、予め形成した各層を上述した層間接着剤を使用して貼り合せるドライラミネーション法等、対象層に対し、熱溶融させた材料をTダイ等で押出する、無機材料等を蒸着する、組成物を塗布して反応させることで、上記対象層上に所望の層を直接形成する方法等が挙げられる。
B.真空断熱材
次に、本発明の真空断熱材について説明する。本発明の真空断熱材は、芯材および上記芯材を覆うように対向して配置される外装材を有し、対向する上記外装材の周縁が封止された真空断熱材であって、上記外装材は、上述の「A.真空断熱材用外装材」の項で説明した真空断熱材用外装材であることを特徴とする。
図2(a)は、本発明の真空断熱材の一例を示す概略斜視図であり、図2(b)は図2(a)の概略縦断面図である。真空断熱材30は、芯材31を覆う様にして対向して配置される外装材32を有し、対向する外装材32の周縁が封止されたものであり、外装材32が、図1で説明した真空断熱材用外装材10である。図2において、真空断熱材用外装材10は、最表層に保護層4を有する。真空断熱材30は、その内部が減圧されて真空状態となっており、外装材32の周縁の封止部分では、外装材32の熱溶着層3同士が接着している。上記封止部分は、真空断熱材30の端部Eとなる。
本発明によれば、外装材として上述の「A.真空断熱材用外装材」の項で説明した真空断熱材用外装材を用いて芯材が減圧密封されていることから、経時による内部真空度の低下が抑制され、長期にわたり高断熱性能を発揮することができる。
以下、本発明の真空断熱材の各構成について説明する。
1.外装材
本発明における外装材は、上述の「A.真空断熱材用外装材」の項で説明した真空断熱材用外装材である。上記外装材は、芯材を覆うように対向して配置され、周縁が封止されることで、上記芯材を内包するものである。
外装材の詳細については、上述の「A.真空断熱材用外装材」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.芯材
本発明における芯材は、対向する外装材により覆われるものであり、外装材により密閉される。
芯材としては、例えば、粉体、発泡体、繊維体等の多孔質材が挙げられる。多孔質材は、空隙率が50%以上、中でも90%以上であることが好ましい。熱伝導率の低い芯材とすることができるからである。
上記粉体は、無機材料または有機材料のいずれでもよく、例えば、乾式シリカ、湿式シリカ、凝集シリカ粉末、導電性粉体、炭酸カルシウム粉末、パーライト、クレー、タルク等を用いることができる。中でも、乾式シリカと導電性粉体との混合物は、真空断熱材の内圧上昇に伴う断熱性能の劣化が小さいため、内圧上昇が生じる温度範囲で使用する際に有利である。
上記発泡体としては、例えば、ウレタンフォーム、スチレンフォーム、フェノールフォーム等を用いることができる。これらの中でも連続気泡を形成する発泡体が好ましい。
上記繊維体は、無機繊維でもよく有機繊維でもよいが、断熱性能の観点から無機繊維を用いることが好ましい。このような無機繊維としては、例えば、グラスウールやグラスファイバー等のガラス繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、セラミック繊維、ロックウール等を挙げることができる。これらの無機繊維は、熱伝導率が低く、粉体よりも取り扱いが容易である点で好ましい。
上記芯材は、上述した材料を単独で使用してもよく、2種以上の材料を混合した複合材
であってもよい。
芯材は、外部から浸入する微量のガスを吸着するためのゲッター剤を含んでいてもよい。ゲッター剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、ゼオライト、活性炭等の真空断熱材に使用される一般的な材料が挙げられる。
芯材の厚みは、所望の断熱効果を発揮できれば特に限定されず、例えば1mm〜10mmの範囲内であることが好ましい。
3.その他
本発明の真空断熱材は、外装材が透明である場合には、内部に検知剤を含んでいてもよい。検知剤の変化から内部の真空状態を確認できるからである。検知剤については、例えば特開2015−117801号公報に開示される酸素検知剤や水分検知剤等の気体検知剤、温度検知剤等を用いることができる。上記検知剤は真空断熱材の内部に分散されていてもよく、所望の位置に固定配置されていてもよい。
本発明の真空断熱材の内部真空度は、例えば5Pa以下であることが好ましい。真空断熱材内部の空気の対流を遮断し、断熱性能を向上させることができるからである。
本発明の真空断熱材の熱伝導率(初期熱伝導率)は、例えば、25℃環境下で15mW・m−1・K−1以下、中でも10mW・m−1・K−1以下、特に5mW・m−1・K−1以下であることが好ましい。真空断熱材が熱を外部に伝導しにくくなり、高い断熱効果を奏することができるからである。熱伝導率は、JIS A1412−3に従い熱伝導率測定装置オートラムダ(英弘精機製 HC−074)を用いた熱流計法により測定された値である。
本発明の真空断熱材の製造方法は、外装材で芯材を内包し、脱気して内部を真空状態にして密閉することが可能な方法であれば特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、熱溶着層が向き合うようにして外装材を対向させ、外周の一部を熱溶着して開口を有する袋体を作製し、上記袋体内に芯材を配置後、上記開口から脱気して内部圧力を減圧し上記開口を密封する方法を用いることができる。
本発明の真空断熱材は、電化機器用、建築用、保冷保温箱体用、自動車用等として、断熱を必要とするあらゆる場所に用いることができる。具体的な用途については、後述する「C.真空断熱材付き機器」の項で説明する。
C.真空断熱材付き機器
本発明の真空断熱材付き機器は、本体又は内部に熱源部もしくは被保温部を有する機器、および真空断熱材を少なくとも備える真空断熱材付き機器であって、上記真空断熱材が、芯材および上記芯材を覆うように対向して配置される外装材を有し、対向する上記外装材の周縁が封止されており、上記外包材は、上述した「A.真空断熱材用外装材」の項で説明した真空断熱材用外装材であることを特徴とするものである。
本発明によれば、機器が上述した「A.真空断熱材用外装材」の項で説明した真空断熱材用外装を用いた真空断熱材を備えることで、熱源部を有する機器においては、上記真空断熱材により熱源部からの熱が断熱され機器全体が高温になることを防ぐことができ、一方、被保温部を有する機器においては、上記真空断熱材により上記被保温部の温度状態を保つことができる。これにより、機器の消費電力を抑え、高い省エネルギー特性を有することができる。
本発明における真空断熱材に用いられる外装材、ならびに真空断熱材については、上述した「A.真空断熱材用外装材」および「B.真空断熱材」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明における機器は、本体又は本体の内部に熱源部もしくは被保温部を有する。ここで、「熱源部」とは、機器自体が駆動することにより、当該機器本体または機器内部において発熱する部位をいい、例えば電源、モーター等である。また、「被保温部」とは、機器本体または内部に熱源部を有さないが、上記機器が外部の熱源から熱を受けて、高温になる部位をいう。中でも、本発明における機器は、100℃〜150℃程度の高温に達する熱源部または被保温部を有するものが好ましい。
このような機器としては、例えば、自然冷媒ヒートポンプ給湯機(登録商標「エコキュート」)、冷蔵庫、自動販売機、炊飯ジャー、ポット、電子レンジ、業務用オーブン、IHクッキングヒーター、システムバス、OA機器等の電化機器、クーラーボックス、コンテナ、燃料タンク、温水タンク、保温庫、等の貯蔵機器、自動車、飛行機、船舶、列車等の輸送機器、住宅壁等の建材設備機器等が挙げられる。
上記真空断熱材は、上記機器の熱源部もしくは被保温部に直接貼り付けてもよく、上記機器の被保温部と熱源部または外部熱源との間に挟みこむようにして装着してもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[評価]
1.水蒸気透過度および水蒸気バリア比率
実施例および比較例で得た真空断熱材用外装材、ならびに、真空断熱材用外装材を構成する各層の水蒸気透過度は、40℃、90%RHの雰囲気下で、水蒸気透過度測定装置(米国MOCON社製、PARMATRAN)を使用して、JIS K7129に従い測定した。
また、実施例および比較例で得た真空断熱材用外装材の、第1バリア層の無機バリア層の水蒸気透過度(WVTR1)に対する第2バリア層の水蒸気透過度(WVTR2)の比率(WVTR2)/(WVTR1)を算出した。
なお、比較例1および2において、WVTR2は、無機バリア層の水蒸気透過度であり、また、比較例3おいて、WVTR1は、「第1バリア層の無機バリア層の水蒸気透過度」にかえて「アルミ蒸着エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム」の水蒸気透過度とした。
2.真空断熱材の熱伝導率
実施例および比較例で得た真空断熱材の初期熱伝導率(0時間)、および70℃下50時間後の熱伝導率を測定した。熱伝導率は、JIS A1412−3に従い熱伝導率測定装置オートラムダ(英弘精機製 HC−074)を用いた熱流計法により測定した。
[実施例1]
1.有機無機複合バリア膜用組成物の調製
表1に示す組成に従い調製したA液(ポリビニルアルコール、イソプロピルアルコールおよびイオン交換水からなる混合液)に、表1に示す組成に従い予め調製したB液(テトラエトキシシラン(TEOS)、イソプロピルアルコール、塩酸およびイオン交換水からなる加水分解液)を加えて撹拌し、ゾルゲル法により無色透明の有機無機複合バリア膜用組成物を得た。
2.バリア層の作製
無機バリア層(三菱樹脂製 テックバリアLX(樹脂基材:PET 無機膜:シリカ蒸着膜) 水蒸気透過度0.4g/m/day)のシリカ蒸着膜上に、上記有機無機複合バリア膜用組成物をグラビアコート法によりコーティングし、次いで、120℃、140℃および150℃で各20秒間加熱処理して、厚み0.3μm(乾燥状態)の有機無機複合バリア膜を形成し、バリア層を得た。バリア層全体での水蒸気透過度は、0.01g/m/dayであった。
3.層間接着剤の調製
ポリエステルを主成分とする主剤と脂肪族系ポリイソシアネートを含む硬化剤、および酢酸エチルを、重量配合比が主剤:硬化剤:酢酸エチル=10:1:14となるように混合し、2液硬化型の層間接着剤を調製した。
4.真空断熱材用外装材の作製
上記バリア層を第1バリア層として用い、上記第1バリア層の上記有機無機複合バリア膜上に、上記層間接着剤を塗布量3.5g/mとなるようにグラビアコート法で塗布し乾燥して層間接着層を形成した。上記層間接着層上に、第2バリア層として厚み12μmの2軸延伸PETフィルム(ユニチカ製 エンブレットPTMB 水蒸気透過度53g/m/day)を貼り合せた。上記第2バリア層上に、先に述べた方法で層間接着層を形成し、その上に保護層として厚み25μmの延伸ナイロンフィルム(ユニチカ製 エンブレットONBC 水蒸気透過度324g/m/day)を貼り合せた。
次に、上記第1バリア層の上記PET上に、先に述べた方法で層間接着層を形成し、その上に、熱溶着層として厚み50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ製 TUX−HCE)を貼り合せて、真空断熱材用外装材を得た。
5.真空断熱材の作製
得られた真空断熱材用外装材を2枚重ねて、矩形の3方向をヒートシールして1方向のみが開口した袋体を作成した。芯材として300×300×30mmのグラスウールを用い、乾燥処理(145℃で1時間)を行った後、上記袋体に上記芯材を収納して、上記袋体内部を真空排気した。その後、上記袋体の開口部分をヒートシールにより密封して、真空断熱材を得た。封止圧力は0.05Torrとした。その後、プレス加圧装置を用いて、圧力70ton(約150kgf/cm)で、真空断熱材を加圧圧縮した。
[実施例2]
第2バリア層として、厚み12μmのアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レフィルム加工製 VM−PET1510(樹脂基材:PET 無機膜:アルミ蒸着膜) 水蒸気透過度0.7g/m/day)を用い、上記第2バリア層のアルミ蒸着膜を上記第1バリア層の上記有機無機複合バリア膜上の層間接着層と貼り合せたこと以外は、実施例1と同様にして真空断熱材用外装材を得た。
また、得られた真空断熱材用外装材を用いて、実施例1と同様にして真空断熱材を得た。
[比較例1]
上述の実施例1の「2.バリア層の作製」の項で作製したバリア層を第2バリア層として用い、上記第2バリア層の有機無機複合バリア膜を上記第1バリア層の有機無機複合バリア膜と貼り合せたこと以外は、実施例1と同様にして真空断熱材用外装材を得た。
また、得られた真空断熱材用外装材を用いて、実施例1と同様にして真空断熱材を得た。
[比較例2]
保護層にかえて、上述の実施例1の「2.バリア層の作製」の項で作製したバリア層を用い、上記バリア層の樹脂基材を、第2バリア層との貼合面として貼り合せたこと以外は、比較例1と同様にして真空断熱材用外装材を得た。
また、得られた真空断熱材用外装材を用いて、実施例1と同様にして真空断熱材を得た。
[比較例3]
第1バリア層として、厚み12μmのアルミ蒸着エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(クラレ製 エバールVMXL(樹脂基材:EVOH 無機膜:アルミ蒸着膜) 水蒸気透過度0.5g/m/day)を用い、上記第1バリア層のアルミ箔上に、実施例1と同様の方法で層間接着層を形成し、その上に、第2バリア層として、上述の「2.バリア層の作製」の項で作製したバリア層を、樹脂基材側が上記第1バリア層との貼合面となるようにして貼り合せた。続いて、上記第2バリア層の上記有機無機複合バリア膜上に、実施例1と同様の方法で層間接着層を形成し、その上に実施例1で用いた保護層を貼り合せた。
次に、第1バリア層のPET上に、実施例1と同様の方法で層間接着層を形成し、その上に熱溶着層を貼り合せて、真空断熱材用外装材を得た。
また、得られた真空断熱材用外装材を用いて、実施例1と同様にして真空断熱材を得た。
実施例および比較例で得た各真空断熱材用外装材について、水蒸気透過度および水蒸気バリア比率、ならびに、真空断熱材の熱伝導率の測定結果を表2に示す。
上記の結果から、実施例1〜2では、第2バリア層の水蒸気透過度(WVTR2)が、第1バリア層の無機バリア層の水蒸気透過度(WVTR1)よりも高いため、比較例1〜3よりも経時での熱伝導率の低下を抑えることができた。一方、比較例1および2のように、WVTR1およびWVTR2が同値である、もしくは、比較例3のようにWVTR1がWVTR2よりも高い場合、水蒸気バリア比率が所望値を下回っており、経時により熱伝導率が低下した。
1 … 第1バリア層
2 … 第2バリア層
3 … 熱溶着層
10 … 真空断熱材用外装材
11 … 樹脂基材
12 … 無機膜
20 … 無機バリア層
21 … 有機無機複合バリア膜
31 … 芯材
32 … 外装材
30 … 真空断熱材

Claims (7)

  1. 熱溶着層、第1バリア層および第2バリア層が少なくともこの順で積層されており、
    前記第1バリア層は、前記熱溶着層側から樹脂基材および無機膜をこの順で有する無機バリア層と、前記無機バリア層の前記無機膜上に直接形成された有機無機複合バリア膜と、を有し、
    前記第2バリア層は、前記第1バリア層の前記有機無機複合バリア膜に直接あるいは層間接着層を介して直接積層されており、
    前記有機無機複合バリア膜は、有機ポリマー成分と金属酸化物成分とを含む混合膜であり、
    前記第2バリア層は、金属層あるいは無機バリア層であり、前記無機バリア層は樹脂基材および無機膜をこの順で有し、
    前記第2バリア層は、前記第1バリア層の前記無機バリア層よりも水蒸気透過度が高いことを特徴とする真空断熱材用外装材。
  2. 前記第1バリア層に対し、前記第2バリア層の積層側に保護層を有することを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材用外装材。
  3. 熱溶着層、第1バリア層、保護層および第2バリア層が少なくともこの順で積層されており、
    前記第1バリア層は、前記熱溶着層側から樹脂基材および無機膜をこの順で有する無機バリア層と、前記無機バリア層の前記無機膜上に直接形成された有機無機複合バリア膜と、を有し、
    前記保護層は、前記第1バリア層の前記有機無機複合バリア膜に直接あるいは層間接着層を介して直接積層されており、
    前記第2バリア層は、前記保護層に直接あるいは層間接着層を介して直接積層されており、
    前記有機無機複合バリア膜は、有機ポリマー成分と金属酸化物成分とを含む混合膜であり、
    前記第2バリア層は、金属層あるいは無機バリア層であり、前記無機バリア層は樹脂基材および無機膜をこの順で有し、
    前記第2バリア層は、前記第1バリア層の前記無機バリア層よりも水蒸気透過度が高いことを特徴とする真空断熱材用外装材。
  4. 芯材および前記芯材を覆うように対向して配置される外装材を有し、対向する前記外装材の周縁が封止された真空断熱材であって、
    前記外装材は、前記芯材側から熱溶着層、第1バリア層および第2バリア層が少なくともこの順で積層されており、
    前記第1バリア層は、前記熱溶着層側から樹脂基材および無機膜をこの順で有する無機バリア層と、前記無機バリア層の前記無機膜上に直接形成された有機無機複合バリア膜と、を有し、
    前記第2バリア層は、前記第1バリア層の前記有機無機複合バリア膜に直接あるいは層間接着層を介して直接積層されており、
    前記有機無機複合バリア膜は、有機ポリマー成分と金属酸化物成分とを含む混合膜であり、
    前記第2バリア層は、金属層あるいは無機バリア層であり、前記無機バリア層は樹脂基材および無機膜をこの順で有し、
    前記第2バリア層は、前記第1バリア層の前記無機バリア層よりも水蒸気透過度が高いことを特徴とする真空断熱材。
  5. 芯材および前記芯材を覆うように対向して配置される外装材を有し、対向する前記外装材の周縁が封止された真空断熱材であって、
    前記外装材は、前記芯材側から熱溶着層、第1バリア層、保護層および第2バリア層が少なくともこの順で積層されており、
    前記第1バリア層は、前記熱溶着層側から樹脂基材および無機膜をこの順で有する無機バリア層と、前記無機バリア層の前記無機膜上に直接形成された有機無機複合バリア膜と、を有し、
    前記保護層は、前記第1バリア層の前記有機無機複合バリア膜に直接あるいは層間接着層を介して直接積層されており、
    前記第2バリア層は、前記保護層に直接あるいは層間接着層を介して直接積層されており、
    前記有機無機複合バリア膜は、有機ポリマー成分と金属酸化物成分とを含む混合膜であり、
    前記第2バリア層は、金属層あるいは無機バリア層であり、前記無機バリア層は樹脂基材および無機膜をこの順で有し、
    前記第2バリア層は、前記第1バリア層の前記無機バリア層よりも水蒸気透過度が高いことを特徴とする真空断熱材。
  6. 本体又は内部に熱源部もしくは被保温部を有する機器、および真空断熱材を少なくとも備える真空断熱材付き機器であって、
    前記真空断熱材が、芯材および前記芯材を覆うように対向して配置される外装材を有し、対向する前記外装材の周縁が封止されており、
    前記外包材は、前記芯材側から熱溶着層、第1バリア層および第2バリア層が少なくともこの順で積層されており、
    前記第1バリア層は、前記熱溶着層側から樹脂基材および無機膜をこの順で有する無機バリア層と、前記無機バリア層の前記無機膜上に直接形成された有機無機複合バリア膜と、を有し、
    前記第2バリア層は、前記第1バリア層の前記有機無機複合バリア膜に直接あるいは層間接着層を介して直接積層されており、
    前記有機無機複合バリア膜は、有機ポリマー成分と金属酸化物成分とを含む混合膜であり、
    前記第2バリア層は、金属層あるいは無機バリア層であり、前記無機バリア層は樹脂基材および無機膜をこの順で有し、
    前記第2バリア層は、前記第1バリア層の前記無機バリア層よりも水蒸気透過度が高いことを特徴とする真空断熱材付き機器。
  7. 本体又は内部に熱源部もしくは被保温部を有する機器、および真空断熱材を少なくとも備える真空断熱材付き機器であって、
    前記真空断熱材が、芯材および前記芯材を覆うように対向して配置される外装材を有し、対向する前記外装材の周縁が封止されており、
    前記外包材は、前記芯材側から熱溶着層、第1バリア層、保護層および第2バリア層が少なくともこの順で積層されており、
    前記第1バリア層は、前記熱溶着層側から樹脂基材および無機膜をこの順で有する無機バリア層と、前記無機バリア層の前記無機膜上に直接形成された有機無機複合バリア膜と、を有し、
    前記保護層は、前記第1バリア層の前記有機無機複合バリア膜に直接あるいは層間接着層を介して直接積層されており、
    前記第2バリア層は、前記保護層に直接あるいは層間接着層を介して直接積層されており、
    前記有機無機複合バリア膜は、有機ポリマー成分と金属酸化物成分とを含む混合膜であり、
    前記第2バリア層は、金属層あるいは無機バリア層であり、前記無機バリア層は樹脂基材および無機膜をこの順で有し、
    前記第2バリア層は、前記第1バリア層の前記無機バリア層よりも水蒸気透過度が高いことを特徴とする真空断熱材付き機器。
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