JP6722212B2 - 梱包箱、梱包箱の使用方法、及び梱包箱の製造方法 - Google Patents
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Description
梱包箱10は、例えば電気製品や、玩具、それらの部品などの輸送に用いられる。梱包箱10の材料は段ボール紙である。梱包箱10の材料は、例えば裏ライナ(内ライナ)と表ライナ(外ライナ)との間に形成される中しんの数が1つだけの段ボール紙であるが、複数の中しんがライナを介して重なっている段ボール紙であってもよい。また、梱包箱10の材料は、厚紙や、折り曲げ可能な樹脂のシートであってもよい。
図2Aに示すように、側板部11Aと、側板部11Aに繋がっている蓋部12Aとの境界には、境界に沿って折り目F1が形成されている。同様に、側板部11B、11C、11Dと、それらに繋がっている蓋部12B、12C、12Dとの境界にも、折り目F1が形成されている。隣り合う2つの側板部11A〜11Dの境界に折り目F6が形成されている。さらに、側板部11A〜11Dと、側板部11A〜11Dにそれぞれ繋がっている底部13A〜13Dとの境界に、折り目F7が形成されている。
梱包箱10では、図1Aに示すように、側板部11Bと蓋部12Bに跨がって外側折曲部15Bが形成され、蓋部12Dと側板部11Dとに跨がって外側折曲部15Dが形成されている。作業者が梱包箱10の内容物の取り出しのために蓋部12B、12Dを折り目F1で外側に倒すと、作業者が外側折曲部15B、15Dに触れなくても、外側折曲部15B、15Dの第1傾斜部151(図1B参照)が自動的に外側に動く。その結果、第1傾斜部151と内容物との間に隙間が形成され、作業者はその隙間を通して内容物をつかむことができる。側板部11B、蓋部12B及び外側折曲部15Bは、側板部11D、蓋部12D及び外側折曲部15Dと対称の構造を有しているので、以下では、側板部11D、蓋部12D及び外側折曲部15Dを参照しながら、これらについて詳説する。
図2Bに示すように、外側折曲部15Dには折り目F2が形成されている。折り目F2は、蓋部12Dと側板部11Dとの境界に形成されている折り目F1よりも、蓋部12D側に形成されている。すなわち、折り目F2は上述した第2傾斜部152(外側折曲部15Dの上端と折り目F1との間の部分)に形成されている。折り目F2は、蓋部12Dと側板部11Dとの境界に沿った方向(図2Bにおいて左右方向)に伸びている。梱包箱10の例では、折り目F2は、外側折曲部15Dの一方の縁(切り込みM1)から他方の縁(切り込みM2)まで伸びている。折り目F2の長さは梱包箱10の例に限られない。例えば、折り目F2は境界に沿った方向での中央部にだけ形成されてもよい。また、折り目F2は折り目F1と平行に設けられてもよい。
図1Bに示すように、蓋部12Dが開状態にあるとき、外側折曲部15Dは、外側折曲部15Dが位置する開口の縁12a、12bによって挟まれている部分を有している。すなわち、外側折曲部15Dは、縁12a、12bの間隔よりも大きな幅を有し縁12a、12bに引っかかる部分を有している。このように外側折曲部15Dが縁12a、12bに引っかかることによって、縁12a、12bに対する外側折曲部15Dの動きが制限され、その結果、蓋部12Dの開状態が維持される。
上述したように、梱包箱10は2つの外側折曲部15B、15Dを有している。外側折曲部15B、15Dは、梱包箱10を組み立てた状態で互いに向き合う2つの境界(側板部と蓋部との境界)に位置している。梱包箱10の例では、外側折曲部15Bは上述したように蓋部12Bと側板部11Bとの境界に形成され、外側折曲部15Dは、蓋部12Dと側板部11Dとの境界に形成されている。
梱包箱10の使用方法の例について説明する。ここでは特に梱包箱10から内容物を取り出す際の方法について説明する。梱包箱10の閉状態では蓋部12B、12Dの上側に蓋部12A、12Cが存在しているので、まず蓋部12A、12Cを開け、その後に、蓋部12B、12Dを開ける。このとき、図3の(C)に示すように、蓋部12B、12Dと側板部11B、11Dとの境界(折り目F1)で、蓋部12B、12Dを折り曲げ、これらを外側に倒す。蓋部12B、12Dを外側に折り曲げる力に対する折り目F1の強度は折り目F2の強度よりも高いので、作業者は蓋部12B、12Dを外側に折り曲げる力を利用して外側折曲部15B、15Dを折り目F2で折り曲げることができる。その結果、外側折曲部15B、15Dの第1傾斜部151は、側板部11B、11Dよりも外側に傾斜し、第1傾斜部151の内側に作業者が手を入れるためのスペースが形成される。また、蓋部12B、12Dを外側に倒したとき、外側折曲部15B、15Dは、これらが位置している開口の縁12a、12bに引っかかり、蓋部12B、12Dの開状態を維持する。
梱包箱10の製造方法の例について説明する。梱包箱10の製造時、梱包箱10のもととなるシート(具体的には、段ボール紙のシート)が準備される。このシートは、梱包箱10の各部(例えば、蓋部12A〜12Dや底部13A〜13Dなど)を含むサイズを有している。次に、このシートの内面(裏ライナ)に折り目F1、F4、F5、F6、F7を形成する。折り目F1、F4、F5、F6、F7は、これらの位置に罫線刃を押し当てることで形成される。また、シートに切り込みM1、M2が形成される。次に、外側折曲部15B、15Dの外面(表ライナ)に折り目F2が形成される。折り目F2も、折り目F2の位置に罫線刃を押し当てることで形成される。図2Aに示すように、底部13A、13Cの外面(表ライナ)にも折り目F3が形成されている。そのため、外側折曲部15B、15Dの折り目F2と底部13A、13Cの折り目F3は同時に形成される。すなわち、外側折曲部15B、15Dの折り目F2を形成する工程と、底部13A、13Cの折り目F3を形成する工程との間に、シートを反転させる作業はなされない。その後、シートに打抜き加工が施される。打抜き加工によって、例えば矩形のシートから余分な部分が切り離される。その結果、梱包箱10が得られる。
以上説明したように、梱包箱10は外側折曲部15Dを有している。外側折曲部15Dは、側板部11Dと蓋部12Dとの境界に跨がって側板部11Dと蓋部12Dとに形成されている開口の内側に位置している。そして、外側折曲部15Dの上端と下端は側板部11Dと蓋部12Dとにそれぞれ接続している。また、外側折曲部15Dは折り目F1を有している。さらに、外側折曲部15Dは、折り目F1によりも蓋部12D側に折り目F2を有している。折り目F2は外側折曲部15Dの外面に形成され、外側折曲部15Dが折り目F2で外側に折り曲げられることを可能としている。このような梱包箱10によると、蓋部12Dを開いたときに、外側折曲部15Dと内容物との間に自動的に隙間が形成されるので、作業者は効率的に内容物を取り出すことができる。
Claims (9)
- 側板部と、
前記側板部と第1の方向で繋がっている蓋部と、
前記側板部と前記蓋部との間の境界に位置し、前記境界に沿って形成されている第1の折り目と、
前記境界に跨がって前記側板部と前記蓋部とに形成され、前記境界に沿った方向で互いに離れており且つ前記第1の方向に伸びている2本の切り込みの間に位置し、前記境界に対応する位置に前記第1の折り目を有している外側折曲部と
を有し
前記外側折曲部は前記第1の折り目よりも前記蓋部側に第2の折り目を有し、前記第2の折り目は前記外側折曲部の外面に形成され、前記外側折曲部が前記第2の折り目で外側に折り曲げられることを可能とし、
前記側板部と前記蓋部は、前記2本の切り込みによってそれぞれ形成される、前記境界に沿った方向である第2の方向で離れている第1の縁と第2の縁とを有し、
前記外側折曲部の縁は、前記蓋部が開状態にあり前記外側折曲部が前記第2の折り目で折り曲げられているとき、前記第1の縁と前記第2の縁とに引っかかる部分を有し、
前記外側折曲部の前記部分の前記第2の方向での幅は、前記第1の縁と前記第2の縁との距離よりも大きい
ことを特徴とする梱包箱。 - 前記外側折曲部の外側への折り曲げに対する前記第2の折り目の強度は、前記外側折曲部の他の部分よりも低い
ことを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。 - 前記外側折曲部を外側へ折り曲げるときに、前記第2の折り目が前記外側折曲部の他の部分よりも先に折り曲げられる
ことを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。 - 前記蓋部を外側に折り曲げる力に対して前記第2の折り目が有する強度は、前記蓋部を外側に折り曲げる力に対して前記外側折曲部の前記第1の折り目が有する強度よりも低い
ことを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。 - 前記第1の縁の一端と前記第2の縁の一端とを結ぶ折り目が前記側板部に形成されており、前記第1の縁の他端と前記第2の縁の他端とを結ぶ折り目が前記蓋部に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。 - 前記外側折曲部として、前記梱包箱を組み立てた状態で互いに反対側に位置する第1の外側折曲部と第2の外側折曲部とを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。 - 前記外側折曲部の位置は、前記境界の長手方向の中心からずれている
ことを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。 - 側板部と、
前記側板部と第1の方向で接続している蓋部と、
前記側板部と前記蓋部との間の境界に位置し、前記境界に沿って形成されている第1の折り目と、
前記境界に跨がって前記側板部と前記蓋部とに形成され、前記境界に沿った方向で互いに離れており且つ前記第1の方向に伸びている2本の切り込みの間に位置し、前記境界に対応する位置に前記第1の折り目を有している外側折曲部とを有し、
前記外側折曲部が前記第1の折り目よりも前記蓋部側の位置に第2の折り目を有し、
前記第2の折り目が前記外側折曲部の外面に形成され、
前記側板部と前記蓋部が、前記2本の切り込みによってそれぞれ形成される、前記境界に沿った方向である第2の方向で離れている第1の縁と第2の縁とを有し、
前記外側折曲部の縁は、前記第2の方向での幅が前記第1の縁と前記第2の縁との距離よりも大きい部分を有している
梱包箱の使用方法であって、
前記側板部に対して内側に折り曲げられている前記蓋部を前記境界で外側に折り曲げ、
前記蓋部を外側に折り曲げる力を利用して、前記外側折曲部を前記第2の折り目で折り曲げ、前記外側折曲部を前記側板部よりも外側に位置させ、
前記蓋部を開状態とし、前記外側折曲部を前記第2の折り目で折り曲げているときに、前記第1の縁と前記第2の縁とに前記外側折曲部の前記部分を引っかけて固定する
ことを特徴とする梱包箱の使用方法。 - 複数の側板部と、前記複数の側板部のうちの一つである第1の側板部と第1の方向で繋がっている蓋部と、前記複数の側板部のうちの一つに繋がっている底部と、前記第1の側板部の一部と前記蓋部の一部とを含む外側折曲部とを有しているシートを、準備する工程と、
前記シートの内面に、前記第1の側板部と前記蓋部との間の境界に位置する第1の折り目を形成する工程と、
前記外側折曲部の外面における前記第1の折り目よりも前記蓋部側の位置に第2の折り目を形成し、且つ前記底部の外面に第3の折り目を形成する工程と、
それぞれが前記第1の方向に沿っており且つ前記境界に沿った方向である第2の方向で離れており、間に前記外側折曲部が位置している2本の切り込みを形成し、その2本の切り込みによって前記第1の側板部と前記蓋部とに第1の縁と第2の縁とを形成する工程と、を有し、
前記外側折曲部の縁は、前記蓋部が開状態にあり前記外側折曲部が前記第2の折り目で折り曲げられているとき、前記第1の縁と前記第2の縁とに引っかかる部分を有し、
前記2本の切り込みを形成する工程において、前記外側折曲部の前記部分の前記第2の方向での幅を、前記第1の縁と前記第2の縁との距離よりも大きくする
ことを特徴とする梱包箱の製造方法。
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