JP6720425B2 - 焙煎ごま処理物の製造方法、及びこれを用いた加工食品の製造方法 - Google Patents

焙煎ごま処理物の製造方法、及びこれを用いた加工食品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ドライ焙煎した香ばしい香りの焙煎ごまに、ごま本来の甘い香りを付与する焙煎ごま処理物の製造方法、及びこれを用いた加工食品の製造方法に関する。
焙煎ごまは、香ばしい香りが広く好まれている。
焙煎ごまは、従来、一般的には原料である生ごまをドライ焙煎すること等により製造されている。
しかし、上記の方法で得られる焙煎ごまは、香ばしい香りは有するものの、ごま本来の甘い香りが感じられにくいという課題があった。
特開2015−221024号公報
本発明の目的は、ドライ焙煎した香ばしい香りの焙煎ごまに、ごま本来の甘い香りを付与する焙煎ごま処理物の製造方法、及びこれを用いた加工食品の製造方法を提供するものである。
本発明者等は、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた。
その結果、
ドライ焙煎した焙煎ごまを過熱水蒸気で加熱するならば、意外にも香ばしい香りの焙煎ごまに、さらに甘い香りを付与した焙煎ごま処理物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ドライ焙煎した焙煎ごまを過熱水蒸気で加熱する加熱工程を含み、
前記加熱工程における加熱温度が140℃以上220℃以下である、
焙煎ごま処理物の製造方法、
(2)(1)の焙煎ごまの製造方法において、
前記加熱工程における加熱温度が140℃以上220℃以下、
相対湿度が10%以上100%以下である、
焙煎ごま処理物の製造方法、
(3)(1)又は(2)の製造方法で得られた焙煎ごま処理物を含有する、
加工食品の製造方法、
である。
なお、焙煎ごまを製造する方法として、ドライ焙煎以外に過熱水蒸気で加熱することが知
られている(特許文献1)。
しかしながら、この方法で得られたものはドライ焙煎で得られた焙煎ごまのような香ばし
い香りが十分得られず焙煎ごまとしては好ましくなかった。
本発明によれば、ドライ焙煎した香ばしい香りの焙煎ごまに、ごま本来の甘い香りを付与する焙煎ごま処理物の製造方法を提供することができる。これにより、焙煎ごまを使った加工食品の更なる市場拡大が期待できる。
以下本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明は、ドライ焙煎した香ばしい香りの焙煎ごまに、過熱水蒸気で処理することにより、焙煎ごまの香ばしい香りに加え、ごま本来の甘い香りを有した焙煎ごま処理物の製造方法を提供できることに特徴を有する。
<ドライ焙煎した焙煎ごま>
焙煎ごまは、ドライ焙煎や、水や油等の熱媒体を用いて加熱する等、常法によって焙煎されたものである。
本発明で用いる焙煎ごまは、上記焙煎方法のうちドライ焙煎した焙煎ごまを用いることを必須とする。
ここでドライ焙煎とは、水蒸気を伴わない方法で焙煎処理することであり、例えば、直火、電熱、熱風等での処理が挙げられる。
したがって、本発明においては、水蒸気を伴う過熱水蒸気での処理は、ドライ焙煎に含まれない。
本発明は焙煎ごまの特徴的な香ばしい香りを生かすために、過熱水蒸気等による加熱方法ではなく、より香ばしい香りが出やすい焙煎ごまを原料として用いる必要がある。
本発明の焙煎ごまに用いられる生ごまの品種は、特に限定されるものではなく、例えば、白ごま、黒ごま、金ごま等が挙げられる。
また、本発明の焙煎ごまの形態としては、ホール、細断物、摩砕物等いずれの形態でも良いが、後述する過熱水蒸気処理のしやすさから、ホールのまま用いるのがよい。
本発明で用いる焙煎ごまは、香ばしい香りのする市販のドライ焙煎した焙煎ごまのうち、いずれを用いてもよい。
<過熱水蒸気による加熱工程>
本発明は、ドライ焙煎した焙煎ごまを過熱水蒸気で加熱する加熱工程を有する。
ここで過熱水蒸気とは、大気圧下で100℃の飽和蒸気をさらに加熱した、水の沸点より高い100℃超の水蒸気である。
本発明に用いる過熱水蒸気の温度としては、特に限定されるものではないが、好ましくは100℃超220℃以下、より好ましくは120℃以上200℃以下、さらに好ましくは140℃以上170℃以下である。
また、本発明に用いる過熱水蒸気の相対湿度としては、特に限定されるものではないが、好ましくは10%以上100%以下、より好ましくは40%以上90%以下である。
また、焙煎ごまを過熱水蒸気で加熱する時間としては、香ばしい香りの焙煎ごまに、ごま本来の甘い香りが感じられる程度処理すればよく、具体的には例えば、好ましくは5分以上60分以下、さらに好ましくは5分以上30分以下である。
本発明は、香ばしい香りを有するドライ焙煎した焙煎ごまを過熱水蒸気で加熱処理することで、さらにごま本来の甘い香りを付与できる。特に、前記範囲の温度及び相対湿度の過熱水蒸気を用いて、前記範囲の処理時間加熱処理することで、よりごま本来の甘い香りを付与しやすい。
本発明のドライ焙煎した焙煎ごまを過熱水蒸気で加熱する具体的な方法としては、例えば過熱水蒸気装置であるスチームコンベクションオーブン等を用いて処理するとよい。
<焙煎ごま処理物を含有する加工食品>
焙煎ごま処理物を含有する加工食品とは、具体的には例えば、本発明により得られた焙煎ごま処理物を含有するおひたし、卯の花、煮物、豆腐、ごま団子、ごぼうサラダ、春雨サラダ、おはぎ、餅、プリン等の惣菜、ドレッシング、たれ、ぽん酢、鍋つゆ、パスタソース、トンカツソース、味噌、醤油、ふりかけ、ごま塩等の調味料、スープ、ごまペースト、ごまクリーム、ごまジャム、ごま餡等が挙げられる。
なお、本発明により得られる焙煎ごま処理物を前記加工食品等に用いる場合は、焙煎ごま処理物をそのまま用いてもよいが、例えば、切りごま、すりごま、ねりごま等の形態で用いてもよい。
<香気成分>
本発明の焙煎ごま処理物は、直鎖型アルカンチオールとジメチルピラジン類とが特定比又は特定量で含まれるものとすることができる。本発明では、このような香気成分のバランスにより、焙煎ごま処理物において、香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りが感じられる。本発明の焙煎ごま処理物は、直鎖型アルカンチオールとジメチルピラジン類と以外にも、通常の焙煎ごま処理物において含まれる香気成分を含有するものであり、本発明の効果を損なわない範囲で更なる他の香気成分を含んでもよい。
直鎖型アルカンチオールとしては、好ましくはアルカンの炭素数が1〜6のアルカンチオール、すなわち、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオールが挙げられる。これらの中でも、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオールがより好ましく、メタンチオール、エタンチオールがさらに好ましく、メタンチオールが特に好ましい。直鎖型アルカンチオールは、これらの1種のみが含まれてもよいし、2種以上が含まれてもよい。直鎖型アルカンチオールが2種以上含まれる場合、下記のピーク面積及び含有量は、直鎖型アルカンチオール全部の合計値である。なお、メタンチオール、エタンチオールは、単独ではタマネギ等のにおいに類似した刺激臭を有する。
本発明において、ジメチルピラジン類とは、2,5−ジメチルピラジンと2,6−ジメチルピラジンを指し、両成分は類似した香りを有する。焙煎ごま処理物には、ジメチルピラジン類として、これらの1種のみが含まれてもよいし、2種が含まれてもよい。2,5−ジメチルピラジン及び2,6−ジメチルピラジンの両方が含まれる場合、下記のピーク面積及び含有量は、これらの両方の合計値である。
本発明の焙煎ごま処理物は、香気成分を下記で詳述する固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法で測定した場合に、直鎖型アルカンチオールのピーク面積のジメチルピラジン類のピーク面積に対する比(直鎖型アルカンチオールのピーク面積/ジメチルピラジン類のピーク面積)は、0.070以上0.12以下とすることができ、より好ましくは0.080以上0.090以下である。直鎖型アルカンチオールのピーク面積のジメチルピラジン類のピーク面積に対する比が上記範囲内であれば、焙煎ごま処理物において香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りが感じられる。
なお、焙煎ごま処理物中の直鎖型アルカンチオールとジメチルピラジン類のそれぞれが同一量であっても、固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法の特性上、得られるピーク面積は異なる。その理由の一例として、2成分の揮発性の違いや他の試料中の成分との親和性の差などにより、気相中に揮発してくる成分量は異なることが挙げられる。その他、測定法の特性による種々の要因からピーク面積から算出する比率と定量値から算出する比率とは、数値が異なる。
<香気成分の測定方法>
本発明の焙煎ごま処理物の香気成分は、以下の条件に従って、固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法(SPME−GC−MS)で測定することができる。
分析条件
(1)香気成分の分離濃縮方法
SPMEファイバーと揮発性成分抽出装置を用い、以下の条件に従って、固相マイクロ抽出法で香気成分の分離濃縮を行う。
固相マイクロ抽出条件
・SPMEファイバー:外側に膜厚50μmのジビニルベンゼン分散ポリジメチルシロキサン層、内側に膜厚30μmのCarboxen分散ポリジメチルシロキサン層を有する、2層積層コーティングされたSPMEファイバー(製品名:StableFlex 50/30μm、DVB/Carboxen/PDMS(Sigma−Aldrich社製))
・揮発性成分抽出装置:Combi PAL、CTC Analitics製
・予備加温:40℃,15min
・攪拌速度:300rpm
・揮発性成分抽出:40℃,20min
・脱着時間:10min
(2)香気成分の測定方法
ガスクロマトグラフ法及び質量分析法を用い、以下の条件に従って、焙煎ごま処理物中の直鎖型アルカンチオール及びジメチルピラジン類の各ピーク面積を測定する。また、直鎖型アルカンチオールの含有量及びジメチルピラジン類の含有量は、直鎖型アルカンチオール及びジメチルピラジン類の標準品を添加したサンプルを同様に測定し、得られたガスクロマトグラムにおける直鎖型アルカンチオール及びジメチルピラジン類のピーク面積から含有量を定量する。
なお、各成分の定量イオン質量は以下の通りである。
・メタンチオール定量イオン質量m/z47
・エタンチオール定量イオン質量m/z62
・ブタンチオール定量イオン質量m/z56
・プロンパンチオール定量イオン質量m/z76
・2,5−ジメチルピラジン定量イオン質量m/z108
・2,6−ジメチルピラジン定量イオン質量m/z108
ガスクロマトグラフ条件
・測定機器:Agilent 6890N(Agilent Technologies社製)
・カラム:素材内壁にポリエチレングリコールからなる液相を膜厚0.25μmでコーティングしたキャピラリーカラム 長さ30m、口径0.25mm、膜厚0.25μm(製品名:SOLGEL−WAX(SGE社製) 長さ30m、口径0.25mm、膜厚0.25μm)
・温度条件:35℃(5min)保持→120℃まで5℃/min昇温→220℃まで15℃/min昇温: 6min保持
・キャリアー:Heガス、ガス流量:1.0mL/min
・インジェクション方法:パルスド・スプリットレス:
スプリットレス 1.5min保持 → パージ50mL/min
パルス圧100kPa 1.6 min保持 → 47kPa
(スタート時)
・インレット温度:250℃
・ワークステションMSD ChemStation Build 75 (AgilentTechnologies, Inc.)
質量分析条件
・質量分析計:四重極型質量分析計(製品名:Agilent 5973N(Agilent Technologies社製))
・スキャン質量m/z 29.0〜290.0
・イオン化方式EI(イオン化電圧70eV)
なお、信号強度が低い場合等は、スキャン測定ではなく、SIM(選択イオンモニタリン
グ)測定を行っても良い。
また、測定装置は上記に限られず、例えばAgilent 7890B、Agilen
t 5977Sなどを使用してもよく、使用する測定機器の仕様に合わせて条件を適宜調整し測定することができる。
以下、本発明について、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。
なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1]
生ごまを直火式焙煎機で、500℃で5分間焙煎した原料に用いる焙煎ごまを準備した。
当該原料焙煎ごま100gをステンレス製バット(18cm×25cm)全体に一様に広げた。
過熱水蒸気装置で前記広げた原料焙煎ごまを温度150℃、かつ相対湿度80%の過熱水蒸気を用いて15分間加熱を行い、本発明の焙煎ごま処理物を得た。
[比較例1及び2]
実施例1で用いた焙煎ごまを比較例1とした。
比較例2として、実施例1で用いた原料焙煎ごまを、当該原料焙煎ごまの原料として用いた生ごまに代え、生ごまをドライ焙煎処理しなかった以外は実施例1と同条件で、過熱水蒸気で加熱処理した。
[試験例1:官能評価]
専門パネル3名が表1の処理条件で得られた焙煎ごま処理物を喫食し、焙煎ごま処理物の香りについて以下の評価基準で評価した。
<香りの評価>
◎ :香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りが十分に感じられた。
○ :香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りが感じられた。
△ :香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りがやや感じられた。
×1:香ばしい香りはしたが、ごまの甘い香りはほとんど感じられなかった。
×2:香ばしい香りも、ごまの甘い香りもほとんど感じられなかった。
実施例1で得られた焙煎ごま処理物は、香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りが十分に感じられた。
比較例1のドライ焙煎しただけで、過熱水蒸気で加熱していない焙煎ごまは、香ばしい香りはしたが、ごまの甘い香りはほとんど感じられなかった。
比較例2の原料生ごまを過熱水蒸気で加熱した焙煎ごま処理物は、生ごまの生っぽさが感じられ、香ばしい香りも、ごまの甘い香りもほとんど感じられなかった。
[試験例2:比較例3、実施例2〜6]
過熱水蒸気で加熱することの必要性、及び加熱温度条件による影響を調べるため、実施例1の処理条件に代えて表1に示す処理条件で処理した。
なお、比較例3は過熱水蒸気に代えて所定の温度の水蒸気を用いて処理した。
また、官能評価は試験例1と同様の方法で行った。
比較例3と実施例1〜6より、過熱水蒸気の温度で加熱することで、焙煎ごまの香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りが感じられることが理解できる。
また、過熱水蒸気の加熱温度が100℃超220℃以下の範囲で処理した焙煎ごま処理物は、香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りが感じられやすいことが理解できる。
[試験例3:比較例4、実施例7〜10]
相対湿度条件による影響を調べるため、実施例1の処理条件に代えて表2に示す処理条件で処理した。
なお、比較例4は実施例1で用いた過熱水蒸気装置において相対湿度0%と設定し行った。
また、官能評価は試験例1と同様の方法で行った。
表2より、過熱水蒸気の相対湿度が10%以上100%以下で処理した焙煎ごま処理物は、香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りが感じられやすいことが理解できる。
特に、相対湿度40%以上90%以下で処理した焙煎ごま処理物は、香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りが十分に感じられることが理解できる。
[試験例4:直鎖型アルカンチオールのピーク面積のジメチルピラジン類のピーク面積に対する比の測定方法]
実施例1、実施例6、実施例10で得られた焙煎ごま処理物の香気成分を上記で詳述した固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法で測定し、得られたガスクロマトグラムにおいて直鎖型アルカンチオール及びジメチルピラジン類のピーク面積をそれぞれ測定し、直鎖型アルカンチオールのピーク面積のジメチルピラジン類のピーク面積に対する比を算出し、表3に示した。
表3より、過熱水蒸気の加熱温度が140℃以上170℃以下の範囲、相対湿度が40%以上100%以下で処理した焙煎ごま処理物は、直鎖型アルカンチオールのピーク面積のジメチルピラジン類のピーク面積に対する比が0.070以上0.12以下となり、焙煎ごま処理物は、香ばしい香りに加え、ごまの甘い香りが感じられたが、直鎖型アルカンチオールのピーク面積のジメチルピラジン類のピーク面積に対する比が0.090を超えるとごまの香りの成分が多すぎて、ごまの甘い香りとしては十分に感じられることがなかった。
さらに上記の中でも、過熱水蒸気の加熱温度が140℃以上170℃以下、相対湿度が40%以上90%以下で処理した焙煎ごま処理物は、直鎖型アルカンチオールのピーク面積のジメチルピラジン類のピーク面積に対する比が0.080以上0.090以下となり、香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りが十分に感じられた。
過熱水蒸気の加熱温度が150℃、相対湿度が0%で処理した焙煎ごま処理物は、直鎖型アルカンチオールのピーク面積のジメチルピラジン類のピーク面積に対する比が0.070を下回り、香ばしい香りはしたが、ごまの甘い香りはほとんど感じられなかった。
[実施例11]
実施例1で得られた焙煎ごま処理物を用いて、すりごまを製した。
配合1に基づき全体を均一に混合し、ほうれん草のごまあえを製した。
なお、比較対象として、すりごまを実施例1の焙煎ごま処理物の原料として用いたドライ焙煎した焙煎ごまに置き換えてごまあえを製した。
<配合1>
ほうれん草(ゆで) 73 %
砂糖 8 %
すりごま(実施例1の焙煎ごま処理物) 7 %
ねりごま 7 %
醤油 5 %
焙煎ごま処理物を用いたごまあえは、用いていない比較対象に比べ、香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りが十分に感じられるごまあえだった。
[実施例12]
実施例1で得られた焙煎ごま処理物を用いて、すりごまを製した。
配合2に基づき全体を均一に混合し、ごまドレッシングを調製した。
なお、比較対象として、すりごまを実施例1の焙煎ごま処理物の原料として用いたドライ焙煎した焙煎ごまに置き換えてごまドレッシングを製した。
<配合2>
醤油 14 %
食酢(酸度5%) 12 %
砂糖 10 %
すりごま(実施例1の焙煎ごま処理物) 5 %
ごま油 2 %
卵黄 1 %
食塩 1 %
グルタミン酸ナトリウム 1 %
清水 残余
焙煎ごま処理物を用いたごまドレッシングは、用いていない比較対象に比べ、香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りが十分に感じられるごまドレッシングだった。
[実施例13]
実施例1で得られた焙煎ごま処理物を用いて、すりごまを製した。
配合3に基づき全体を均一に混合し、ごまだれを調製した。
なお、比較対象として、すりごまを実施例1の焙煎ごま処理物の原料として用いたドライ焙煎した焙煎ごまに置き換えてごまだれを製した。
<配合3>
サラダ油 24 %
食酢(酸度5%) 19 %
醤油 15 %
砂糖 4 %
すりごま(実施例1の焙煎ごま処理物) 3 %
ごま油 2 %
食塩 1 %
グルタミン酸ナトリウム 1 %
卵黄 1 %
清水 残余
焙煎ごま処理物を用いたごまだれは、用いていない比較対象に比べ、香ばしい香りに加え、さらにごまの甘い香りが十分に感じられるごまだれだった。

Claims (3)

  1. ドライ焙煎した焙煎ごまを過熱水蒸気で加熱する加熱工程を含み、
    前記加熱工程における加熱温度が140℃以上220℃以下である、
    焙煎ごま処理物の製造方法。
  2. 請求項1に記載の焙煎ごまの製造方法において、
    前記加熱工程における加熱温度が140℃以上220℃以下、
    相対湿度が10%以上100%以下である、
    焙煎ごま処理物の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法で得られた焙煎ごま処理物を含有する、
    加工食品の製造方法。
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