JP6720412B2 - 乗場ドア用解錠器具及び乗場ドアの開錠方法 - Google Patents

乗場ドア用解錠器具及び乗場ドアの開錠方法 Download PDF

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Description

本発明はエレベーターの乗場ドアを手動で解錠する乗場ドア用解錠器具及び乗場ドアの開錠方法に関するものである。
エレベーターの乗場ドアは施錠装置にて施錠されている。メンテナンス時やかご内の乗客を救出する際には乗場ドアを開錠する必要があるため、乗場ドアには施錠装置に接続する鍵穴が設置されている。乗場ドアの開錠は通常保守員が行う。
保守員は、エレベーターの乗場ドアに設けられた鍵穴に解錠キーを挿入し、回転させることにより施錠装置を解錠し、乗場ドアを開錠する。鍵穴は意匠性やいたずら防止のため、目立たずしかも手の届きにくい場所として、乗場ドアの上方に設けられている。このため、解錠操作に大変な労力を要するものであった。
これを解決するために、例えば特許文献1(特開2016−37326号公報)に記載の技術が提案されている。この公報には、解錠キーを支持する伸縮自在な延長器具を設け、この延長器具に解錠キーを取り付け、解錠キーを乗場ドアの鍵穴に挿入した状態で、解錠装置全体を左右に回転させて施錠装置を解錠することが記載されている。
特開2016−37326号公報
エレベーターの乗場ドアは、乗場ドアに設置された施錠装置により左右のドアが係止されている。解錠操作にあたっては、解錠装置に設けられた錠部材と解錠キーと嵌合させて解錠装置を回転させ、施錠装置を解錠する必要がある。錠部材は例えば、三角形状や星型形状に形成されている。また、錠部材は鍵穴から露出するように設けられている。鍵穴から挿入される解錠キーも錠部材の形状に合わせ、三角形状や星型形状に形成されている。錠部材を回転させるには、それぞれ三角形状や星型形状に形成された錠部材と解錠キーとが嵌合するように位置を調整する必要がある。
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、錠部材と解錠キーとが嵌合するように位置を調整する機能については一切考慮されていない。このため、解錠作業が煩わしいものであった。
また、解錠キーを回す場合、解錠装置全体を左右に回転させる必要があるが、エレベーターの乗場においては、乗場ドアの周囲に乗場ドアから乗場側に向かって突出した三方枠が設置されており、解錠装置が三方枠と衝突してしまい、解錠キーを回転させることができないものである。
本発明の目的は、上記課題を解決し、施錠装置が乗場ドアの高い位置に設置された場合でも、解錠操作を容易に行うことのできる乗場ドア用解錠器具及び乗場ドアの開錠方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の特徴とするところは、エレベーターの乗場ドアに設けられた鍵穴に挿入して前記乗場ドアを解錠する乗場用解錠器具において、筒状に形成された柄部と、該柄部の一端側に設けられた回転機構部と、前記柄部の他端側に回転可能に設けられた鍵固定部と、前記柄部内に設けられ前記回転機構部の回転力を前記鍵固定部に伝達する回転力伝達手段と、前記回転機構部に設けられ、該回転機構部の軸線周りに回転力を付与する操作部とを有することにある。
また、本発明の特徴とするところは、エレベーターの乗場ドアに設けられた鍵穴に乗場ドア用解錠器具を挿入して前記乗場ドアの施錠装置を解錠して前記乗場ドアを開錠する乗場ドアの開錠方法において、前記乗場ドア用解錠器具は、筒状に形成された柄部と、該柄部の一端側に設けられた回転機構部と、前記柄部の他端側に回転可能に設けられた鍵固定部と、該鍵固定部に固定され鍵凹部が形成された解錠キーと、前記柄部内に設けられ前記回転機構部の回転力を前記鍵固定部に伝達する回転力伝達手段と、前記回転機構部に設けられ、該回転機構部の軸線周りに回転力を付与する操作部とを有し、前記解錠キーを前記鍵穴に挿入して前記鍵凹部と前記施錠装置の錠部材とを対向させる工程と、前記操作部を回転させて前記鍵凹部と前記錠部材と係合させる工程と、前記乗場ドア用解錠器具を操作して前記施錠装置を解錠する工程とを備えたことにある。
本発明によれば、施錠装置が乗場ドアの高い位置に設置された場合でも、解錠操作を容易に行うことのできる乗場ドア用解錠器具及び乗場ドアの開錠方法を提供することができる。なお、上述した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る乗場ドア用解錠器具の平面図である。 図1のA−A断面図である。 鍵部の構造を示す側面図である。 解錠器具の使用状態を示す図である。 本発明の一実施例に係る乗場ドア用解錠器具と施錠装置の錠部材との関係を示す側面図である。 本発明の一実施例に係る乗場ドア用解錠器具と施錠装置の錠部材との関係を示す側面図である。 本発明の一実施例に係る乗場ドア用解錠器具と施錠装置の錠部材との関係を示す側面図である。 エレベーターの乗場ドアを乗場側から見た正面図である。
以下、本発明の一実施例を添付の図面に基づいて説明する。
図6はエレベーターの乗場ドアを乗場側から見た正面図である。
図6に示すようにエレベーターの乗場ドアは、エレベーターの出入口を囲む縦枠61A,61B並びに上枠62からなる三方枠と、左右に開閉する乗場ドア63A,63Bと、乗場ドア63A,63Bの各下部に設けられる図示されないドアシューと摺動可能に係合する敷居64を備える。乗場ドア63A,63Bは、乗場階に着床する乗りかごが備える公知のドア駆動装置によって駆動されるかごドアに連動して、敷居64および図示されないドアレールに案内されて開閉する。
乗場ドア63Aの上方には施錠装置に接続するための鍵穴65が形成されている。この鍵穴65は意匠性やいたずら防止のため、目立たずしかも手の届きにくい場所として、乗場ドア63の上方に設けられている。本実施例では乗場ドア63Aの上方に設けられている。
乗場ドア63は通常、施錠装置により固定されており、外側から開くことはできないが、エレベーターのメンテナンス時やかご内の乗客を救出する際には、乗場ドア63を開錠する必要がある。乗場ドア63の開錠は保守員が行う。保守員は解錠キー16を鍵穴65に挿入し、解錠キー16の鍵凹部31と施錠装置に接続された錠部材50とを係合させて施錠装置を解錠する。鍵穴65は乗場ドアの上方にあるので、解錠キー16を鍵穴65に挿入させる場合、器具等が必要になる。以下、本発明の一実施例に係る解錠器具の構成について図1〜3を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例に係る乗場ドア用解錠器具の平面図、図2は図1のA−A断面図、図3は鍵部の構造を示す側面図である。
解錠器具10は、所定に長さを有する筒状の柄部11と、柄部11の一端側に設けられた回転機構部12と、一端側が柄部11の他端側に設けられ、L字状に曲げられた曲がり部13と、曲がり部13の他端側に取り付けられた保持部14と、保持部14に回転可能に保持された鍵固定部15とを備えている。解錠器具10の内部には、回転力を伝達する回転力伝達手段20が設けられている。回転力伝達手段20は一端側が回転機構部12に連結されたシャフト21と、一端側が鍵固定部15に取り付けられ屈曲可能なワイヤー22と、シャフト21の他端とワイヤー22の他端を接続する連結部23と備えている。本実施例ではシャフト21、ワイヤー22、及び連結部23で回転力伝達手段20を構成しているが、例えば、これらを全てワイヤー22で構成するようにしても良い。特に曲がり部13では回転軸を曲げる必要があるため、屈曲可能なワイヤー22を配置する必要がある。回転機構部12には回転機構部12の軸線周りに回転力を付与する操作部12aが設けられている。
鍵固定部15には着脱可能に解錠キー16が取り付けられている。図3に示すように解錠キー16は鍵部30と、この鍵部30の内部に形成された鍵凹部31と、鍵固定部15に挿入されるフランジ部32と、鍵部30とフランジ部32とを繋ぐ所定の長さを有する延長部33から構成されている。解錠キー16は鍵固定部15の切欠溝(図示せず)にフランジ部32を挿入後、ネジ17を締め付けることにより固定される。鍵凹部31の形状はエレベーターの施錠装置の種類に応じて例えば三角形状や星型形状等に形成されている。本実施例の解錠キー16はネジ17を緩めることにより鍵固定部15から取り外すことができるので、エレベーターの施錠装置の種類に合わせ解錠キーを適宜交換することが可能である。
本実施例の解錠器具10の動作について説明する。図1のように回転機構部12の軸線周りに操作部12aを回転させると、回転力が回転力伝達手段20を構成するシャフト21、ワイヤー22、及び連結部23に伝達される。ワイヤー22は曲がり部13内に配置されているが、ワイヤー22は屈曲可能であるため、曲がり部13内でも確実に回転力を伝達することができる。ワイヤー22には鍵固定部15が接続されており、回転力が鍵固定部15に伝達される。さらに鍵固定部15には解錠キー16が取り付けられており、回転力が解錠キー16に伝達される。このように操作部12aで付与された回転力は、回転機構部12、回転力伝達手段20、鍵固定部15を介して、解錠キー16に伝達される。
次に図4及び図5A、B、Cを用いて解錠器具10の操作を行う動作について説明する。図4は解錠器具10の使用状態を示す図、図5A、B、Cは乗場ドア用解錠器具と施錠装置の錠部材との関係を示す側面図である。
エレベーター用乗場ドア63には、その上方に位置した部分に、鍵穴65が形成され、鍵穴65の内部には施錠装置に連結された錠部材50が設けられている。本実施例では、錠部材50は略三角形で鍵穴65の挿入口側に向かって突出した形状、鍵凹部31は略三角形で凹んだ形状としている。
乗り場側からエレベーター用乗場ドア63を開放する場合、保守員はまず解錠器具10の柄部11を握って、鍵部30を鍵穴65の高さに合わせる(鍵部30を鍵穴65の高さに合わせる工程(図5A))。本実施例の鍵部30はL字状の曲がり部13によって柄部11に対して直角方向に曲がっており、鍵部30と錠部材50の位置合わせを行うことができる。次に鍵部30を鍵穴65の挿入口側から挿入し、錠部材50と鍵凹部31を対向させる(錠部材50と鍵凹部31(解錠キー16))とを対向させる工程(図5B))。しかしながら、この状態では錠部材50の略三角形状の向きが判らず、錠部材50及び鍵凹部31は係合していないので、施錠装置を解錠することはできない。錠部材50は高い位置に設けられているので、鍵凹部31の凹凸状態と、錠部材50の凹凸状態が正しく対応しているかどうかを判断するのが難しい。そこで、本実施例では、先ず、柄部11を棒状にし、解錠キー16の鍵部30とフランジ部32との間に延長部33を設けて解錠キー16の軸長を大きくして、高い位置の錠部材50を操作する場合でも適用することができるようにしている。
保守員は柄部11を片手で保持しながら、他方の手で操作部12aを回転させて鍵部30を同じ軸線上で回転させる。すると、錠部材50と鍵凹部31の形状との形状が合致したところで、錠部材50と鍵凹部31が係合する(錠部材50と鍵凹部31(解錠キー16)とを係合させる工程(図5C))。本実施例では錠部材50の凹凸状態に対応するように解錠キー16の鍵部30における鍵凹部31を容易に調整し、高い位置にある錠部材50を目視確認することなく、容易に両者の凹凸を合致させて係合状態とすることができる。
その後保守員は、錠部材50と係合状態の鍵部30を支点として、柄部11の自由端側を回転するように動かすと、錠部材50を回して解除させることができる(施錠装置を解錠する工程)。しかも、このとき保守員は他方の手で、操作部12aとその近傍の柄部11とを同時に握るようにすると、一人で簡単に鍵部30の回転を阻止しながら、柄部11の自由端側を回転するように動かすことができる(鍵部30の回転を阻止する工程)。本実施例の操作部12aと柄部11の一端側との距離は人が握れる範囲に設定されている。そして、乗場ドア63を手動で開放することができる(乗場ドア63を開放する工程)。このような効果は、柄部11の軸方向端部近傍に操作部12aを設けることによって得られ、望ましくは、柄部11と同軸上に位置させた回転可能な操作部12aを構成することによって得ることができる。
このようにして、高所に設置された錠部材50の解錠を容易に行えるので、錠部材50の位置を統一することもできるようになり、施錠装置側の部品も統一することもできる。また、解錠器具10によって錠部材50を解錠状態にする場合も、保守員に大きな負担を掛けることなく、容易に行うことができる。
以上説明したように本実施例によれば、乗場ドア63の近傍に設けられた錠部材50を解錠させる解錠器具10において、筒状に形成された柄部11と、柄部11の一端側に設けられた回転機構部12と、柄部11の他端側に回転可能に設けられた鍵固定部15と、柄部11内に設けられ回転機構部12の回転力を鍵固定部15に伝達する回転力伝達手段20と、回転機構部12に設けられ、回転機構部12の軸線周りに回転力を付与する操作部12aを設けた。
このような構成により、位置合わせ状態の後、保守員は片手で柄部11を握って支えた状態にし、他方の手で操作部12aを操作して鍵固定部15に固定された解錠キー16の鍵部30を同軸に回転させると、錠部材50の凹凸状態に対応するように鍵部30における鍵凹部31の凹凸状態を容易に調整することができる。このため、錠部材50が高い位置に設けられていたとしても、作業員が鍵部30を回転することによって、錠部材50の凹凸状態に対応するよう容易に調整することができる解錠器具10が得られる。
なお本発明は上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。
10 解錠器具、11 柄部、12 回転機構部、12a 操作部、14 保持部、15 鍵固定部、16 解錠キー、20 回転力伝達手段、21 シャフト、22 ワイヤー、23 連結部、30 鍵部、31 鍵凹部、32 フランジ部、33 延長部、50 錠部材、63,63A,63B 乗場ドア、64 敷居、65 鍵穴

Claims (10)

  1. エレベーターの乗場ドアに設けられた鍵穴に挿入して前記乗場ドアの施錠装置を解錠する乗場用解錠器具において、
    筒状に形成された柄部と、該柄部の一端側に設けられた回転機構部と、前記柄部の他端側に回転可能に設けられた鍵固定部と、前記柄部内に設けられ前記回転機構部の回転力を前記鍵固定部に伝達する回転力伝達手段と、前記回転機構部に設けられ、該回転機構部の軸線周りに回転力を付与する操作部とを有することを特徴とする乗場ドア用解錠器具。
  2. 請求項1において、
    前記鍵固定部には着脱可能に解錠キーが取り付けられたことを特徴とする乗場ドア用解錠器具。
  3. 請求項2において、
    前記解錠キーには前記乗場ドアの施錠装置と係合する鍵凹部が形成されていることを特徴とする乗場ドア用解錠器具。
  4. 請求項3において、
    前記鍵凹部は略三角形状に形成されていることを特徴とする乗場ドア用解錠器具。
  5. 請求項3において、
    前記解錠キーは前記鍵固定部に取り付けられるフランジ部と、前記鍵凹部が形成された鍵部と、該鍵部と前記フランジ部とを接続する所定の長さの延長部とから構成されていることを特徴とする乗場ドア用解錠器具。
  6. 請求項1乃至5の何れかおいて、
    前記回転力伝達手段は屈曲可能なワイヤーで構成されたことを特徴とする乗場ドア用解錠器具。
  7. 請求項6において、
    前記柄部と前記鍵固定部との間に曲がり部を設けたことを特徴とする乗場ドア用解錠器具。
  8. エレベーターの乗場ドアに設けられた鍵穴に乗場ドア用解錠器具を挿入して前記乗場ドアの施錠装置を解錠して前記乗場ドアを開錠する乗場ドアの開錠方法において、
    前記乗場ドア用解錠器具は、筒状に形成された柄部と、該柄部の一端側に設けられた回転機構部と、前記柄部の他端側に回転可能に設けられた鍵固定部と、該鍵固定部に固定され鍵凹部が形成された解錠キーと、前記柄部内に設けられ前記回転機構部の回転力を前記鍵固定部に伝達する回転力伝達手段と、前記回転機構部に設けられ、該回転機構部の軸線周りに回転力を付与する操作部とを有し、
    前記解錠キーを前記鍵穴に挿入して前記鍵凹部と前記施錠装置の錠部材とを対向させる工程と、前記操作部を回転させて前記鍵凹部と前記錠部材と係合させる工程と、前記乗場ドア用解錠器具を操作して前記施錠装置を解錠する工程とを有する乗場ドアの開錠方法。
  9. 請求項8において、
    前記解錠キーの回転を阻止する工程と、前記乗場ドアを開放する工程とを有する乗場ドアの開錠方法。
  10. 請求項8又は9において、
    前記乗場ドアはエレベーターのドアであることを特徴とする乗場ドアの開錠方法。
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