JP6719214B2 - オキソ酸イオン吸着剤 - Google Patents

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本発明は、オキソ酸イオン吸着剤及びオキソ酸イオン吸着用加工品、並びにオキソ酸イオン吸着設備、除染方法に関するものであって、特に、放射性物質を含む汚染水(地下水や海水等も含む)に含まれているヨウ素酸イオンに対する吸着能力に優れたオキソ酸イオン吸着剤及びオキソ酸イオン吸着用加工品、並びにオキソ酸イオン吸着用設備、除染方法に関する。
本発明で使用されている「ヨウ素」という用語には、安定同位体だけでなく、それらの放射性同位体も含まれる。
現在、原子力発電所の事故等によって発生し、環境中(例えば、海水や地下水等)に放出、拡散した放射性物質や発電所内に貯蔵されている冷却水、処理水等に含まれる放射性物質は重篤な健康被害に繋がるものであり、その除染作業に適した吸着剤の実用化が早急に求められている。
数種類ある放射性物質のなかでも、ヨウ素129は汚染水中に比較的多く含まれ、半減期が1570万年と非常に長いため長期間に亘って人体に影響を及ぼす可能性があり非常に危険である。
また、ヨウ素129の除去は、使用済み核燃料の再処理を考えるうえでも重要な問題となっている。
従来、原子力施設から排出される放射性ヨウ素を除去する方法としては、次の方法が知られている。
(1)ヨウ化カリウムを添着した活性炭を大量に使用して、放射性ヨウ素を非放射性ヨウ素と同位体交換することによって捕集する方法(特許文献1)
(2)ヨウ素含有気体または液体を、トリエチレンジアミンを添着した活性炭に接触させて、3級アミノ基とヨウ化メチルとを反応させることによって除去する方法(特許文献2)
(3)ヨウ素含有気体または液体を、銀ゼオライトに接触させてヨウ化銀として捕集する方法(特許文献2)
(4)ヨウ化水素酸をアルカリ添着活性炭や強塩基性アニオン交換体で除去する方法(特許文献2)
(5)不溶性のシクロデキストリンまたはその誘導体を有効成分としてヨウ素を吸着する方法(特許文献3)
(6)水酸化セリウムを用いてヨウ素酸イオンを吸着する方法(特許文献4、5、6)
(7)溶液中のヨウ素酸イオンに過剰の還元剤を作用させヨウ化物イオンとし、続いてヨウ化物イオンに酸化剤を作用させることによって生成したヨウ素分子、または、ポリヨウ素イオンを、ポリアミン系のキレート性置換基を持つイオン交換体によって吸着する方法(特許文献7)
特開2000−254446号公報 特開2002−350588号公報 特開2008−93545号公報 特許5793230号公報 特許5793231号公報 特開2015−181972号公報 特開2012−250198号公報
原子力施設から排出される放射性ヨウ素の主たる化学形はヨウ素、ヨウ化水素酸、ヨウ化メチルの3種類と言われてきたが、近年、この他の形態としてヨウ素酸イオンの除去が問題となっている。
ヨウ素、ヨウ化水素酸、ヨウ化メチルの3つの形態については(1)から(5)の方法を用いることにより除去できる。
ヨウ素酸イオンについては(6)または(7)の方法を用いて除去することが可能であるが生産面、機能面で問題が残る。
(6)の方法で使用する水酸化セリウムは希少金属であるため資源リスクを伴い、安定供給という生産面に不安が残る。
(7)の方法は溶液中のヨウ素酸イオンに過剰の還元剤を作用させヨウ化物イオンとし、続いてヨウ化物イオンに酸化剤を作用させることによって生成したヨウ素分子、または、ポリヨウ素イオンを吸着するというものであるが、酸化工程でヨウ素酸イオンが再生成し吸着されずに残存する事が危惧され、機能面での不安が残る。
このような現状に鑑みて、本発明の課題は、機能面、生産面等のバランスに優れたオキソ酸イオン吸着剤及びオキソ酸イオン吸着用加工品、並びにオキソ酸イオン吸着用設備、除染方法を提供することにある。
特に、海水や地下水等の汚染水等に含まれるヨウ素酸イオンに対する吸着能力に優れたオキソ酸イオン吸着剤及びオキソ酸イオン吸着用加工品、並びにオキソ酸イオン吸着用設備、除染方法を低コストで安定して大量に提供することにある。
本発明は具体的には以下の通りである。
(1)オルトチタン酸及びメタチタン酸から選ばれる少なくとも1つの化合物からなり、100gのイオン交換水に10g分散させたときに20℃でpH0.1〜6.0を示す化合物を用いたオキソ酸イオン吸着剤。
(2)pHが0.5〜5.5である(1)に記載のオキソ酸イオン吸着剤。
(3)pHが1.0〜5.0である(2)に記載のオキソ酸イオン吸着剤。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のオキソ酸イオン吸着剤を用いたオキソ酸イオン吸着用加工品。
(5)(1)〜(3)のいずれかに記載のオキソ酸イオン吸着剤を用いたオキソ酸イオン吸着用設備。
(6)(4)のオキソ酸イオン吸着用加工品を用いたオキソ酸イオン吸着用設備。
(7)(1)〜(3)のいずれかに記載のオキソ酸イオン吸着剤にヨウ素酸イオンを吸着させてヨウ素酸イオンを除染する方法。
(8)(1)〜(3)のいずれかに記載のオキソ酸イオン吸着剤に放射性オキソ酸を吸着させて放射性オキソ酸を除染する方法。
(9)放射性オキソ酸が放射性ヨウ素酸イオンである(8)に記載の方法。
本発明においては、オルトチタン酸、メタチタン酸またはそれら二つの混合物からなり、100gのイオン交換水に10g分散させたときに20℃でpH0.1〜6.0を示す化合物を用いれば、海水や地下水等の汚染水等に含まれるヨウ素酸イオンに対する吸着能力に優れ、更に、チタンという資源リスクの少ない金属から構成されていることにより、安定して大量に製造可能であることを見出した。
本発明の吸着剤は、ヨウ素酸イオンを高効率に吸着することが可能であり、また、資源リスクの少ない金属から構成されていることにより、安定して大量に提供することが可能である。そのため、機能面、生産面等のバランスに優れたオキソ酸イオン吸着剤及びオキソ酸イオン吸着用加工品、並びにオキソ酸イオン吸着用設備、除染方法を提供することが可能である。
(オルトチタン酸の製造方法)
本発明のオルトチタン酸はチタン塩の溶液を液温50℃以下に保ちながらアルカリで中和することによって溶液中に生成する沈殿物を乾燥することによって得られる。
チタン塩として具体的には、三塩化チタン、四塩化チタン、硫化チタン(IV)、硫化チタン(VI)、硫酸チタン(IV)などが挙げられる。また、チタン塩としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明のオルトチタン酸を製造する際、使用するアルカリとしては、アンモニア水、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ、炭酸アンモニウム等の水溶液などが挙げられる。また、アルカリとしては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
中和工程の反応時間は特に限定されないが、均一なオルトチタン酸を合成するため5分以上攪拌を維持することが望ましい。通常10〜30分撹拌すれば十分である。
中和工程で得られたオルトチタン酸の沈殿物は必要に応じてろ過、水洗やデカンテーションによる洗浄によって不要な塩の除去を行う。
本発明により合成されたオルトチタン酸の乾燥温度は100〜400℃が好ましい。乾燥工程においては、バット乾燥、スプレー乾燥、ろ過乾燥等の一般的な乾燥設備のうち、いずれの方法を選択してもよい。
本発明のオルトチタン酸を製造する際、以下に示す方法のうち1つまたは2つを併用することにより、100gのイオン交換水に10g分散させたときに20℃でpH0.1〜6.0を示すオルトチタン酸を得ることができる。
本発明においてイオン交換水とはイオン交換樹脂を使ってイオンを除いた精製水で、通常市販のイオン交換水を用いることができる。
(a)中和工程で得られたオルトチタン酸の沈殿物を含む溶液を酸によってpH0.1〜6.0に調整し乾燥する。
(b)乾燥したオルトチタン酸を酸によってpH0.1〜6.0に調整した溶液に一定時間、浸漬した後に再び乾燥する。
(a)または(b)において溶液のpHを調整するため使用する酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸や、酢酸、ギ酸等の有機酸等が挙げられ、これらのうち1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、(b)において酸に浸漬する時間は特に限定されないが、100gのイオン交換水に10g分散させたときに20℃でpH0.1〜6.0を示すオルトチタン酸を得るためには5分以上浸漬する事が望ましい。通常10〜30分浸漬すれば十分である。
(メタチタン酸の製造方法)
本発明のメタチタン酸はチタン塩を液温50℃以上の硫酸酸性の溶液中で熱加水分解させることによって溶液中に生成する沈殿物を乾燥することによって得られる。
チタン塩として具体的には、硫化チタン(IV)、硫化チタン(VI)、硫酸チタン(IV)などが挙げられる。また、チタン塩としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
熱加水分解工程の反応時間は特に限定されないが、均一なメタチタン酸を合成するため5分以上攪拌を維持することが望ましい。通常10〜30分撹拌すれば十分である。
熱加水分解工程で得られたメタチタン酸の沈殿物は必要に応じてろ過、水洗やデカンテーションによる洗浄によって不要な塩の除去を行う。
本発明により合成されたメタチタン酸の乾燥温度は100〜400℃が好ましい。乾燥工程においては、バット乾燥、スプレー乾燥、ろ過乾燥等の一般的な乾燥設備のうち、いずれの方法を選択してもよい。
本発明のメタチタン酸を製造する際、以下に示す方法のうち1つまたは2つを併用することにより、100gのイオン交換水に10g分散させたときに20℃でpH0.1〜6.0を示すメタチタン酸を得ることができる。
(a)熱加水分解工程で得られたメタチタン酸の沈殿物を含む溶液を酸によってpH0.1〜6.0に調整し乾燥する。
(b)乾燥したメタチタン酸を酸によってpH0.1〜6.0に調整した溶液に一定時間、浸漬した後に再び乾燥する。
(a)または(b)において溶液のpHを調整するため使用する酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸や、酢酸、ギ酸等の有機酸等が挙げられ、これらのうち1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、(b)において酸に浸漬する時間は特に限定されないが、100gのイオン交換水に10g分散させたときに20℃でpH0.1〜6.0を示すメタチタン酸を得るためには5分以上浸漬する事が望ましい。通常10〜30分浸漬すれば十分である。
本発明により合成されたオルトチタン酸、メタチタン酸またはそれら二つの混合物の最終形態は粉状、粒状、分散物でもよく、その利用用途に応じて選択される。
本発明により合成されたオルトチタン酸、メタチタン酸またはそれら二つの混合物を粉状等にしたものを更に成形や造粒等して所望する形状にしたオキソ酸イオン吸着剤として利用することもできる。成形や造粒等する際、シリカゾルやアルミナセメントといった無機バインダ、ポリビニルアルコールやポリビニルブチラールといった有機バインダのうちの1種または2種以上を併用することもできる。
また、本発明により合成されたオルトチタン酸、メタチタン酸またはそれら二つの混合物をフィルター、シート、カラム等のようなオキソ酸イオン吸着用加工品とすることもできる。
更に、本発明のオキソ酸イオン吸着剤やオキソ酸イオン吸着用加工品は、例えば、除染等を目的としたオキソ酸イオン吸着用装置やオキソ酸イオン吸着用設備に利用することができる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH7.0になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを1000mlのイオン交換水にリパルプした。白色沈殿物のリパルプ液を撹拌しながら、98重量%硫酸をpH0.1になるまで添加した。得られたスラリーをろ過によって固液分離し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは0.1であった。
実施例2
キシダ化学株式会社製のメタチタン酸100gをpH0.5の塩酸1000mlに30分浸漬し、ろ過によって固液分離し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、メタチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは0.5であった。
実施例3
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH7.0になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを1000mlのイオン交換水にリパルプした。白色沈殿物のリパルプ液を撹拌しながら、60重量%硝酸をpH1.1になるまで添加した。得られたスラリーをろ過によって固液分離し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは1.1であった。
実施例4
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH7.0になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを1000mlのイオン交換水にリパルプした。白色沈殿物のリパルプ液を撹拌しながら、98重量%硫酸をpH3.0になるまで添加した。得られたスラリーをろ過によって固液分離し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは3.0であった。
実施例5
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH7.0になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥した。得られた乾燥物をハンマーミルで粉状に粉砕し、pH4.8の硫酸1000mlに30分浸漬し、ろ過によって固液分離し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは4.8であった。
実施例6
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH5.5になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは5.5であった。
実施例7
キシダ化学株式会社製のメタチタン酸100gをpH5.9の塩酸1000mlに30分浸漬し、ろ過によって固液分離し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、メタチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは5.9であった。
実施例8
実施例1のオルトチタン酸粉末と実施例2のメタチタン酸粉末を等量、混合した粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは0.3であった。
比較例1
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH6.5になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは6.5であった。
比較例2
キシダ化学株式会社製のメタチタン酸粉末を比較例2として使用した。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは7.0であった。
比較例3
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH7.0になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを1000mlのイオン交換水にリパルプした。白色沈殿物のリパルプ液を撹拌しながら、98重量%硫酸をpH0.05になるまで添加した。得られたスラリーをろ過によって固液分離し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは0.05であった。
(分散液pHの測定)
ビーカーに上記実施例及び比較例に記載の各種粉体試料を10g秤量しイオン交換水を100g加えた。撹拌機を用いて10分間撹拌した後、10分間静置した。これらの溶液を、5Bの濾紙を用いて濾過した。濾液を20℃に保持した状態で東亜ディーケーケー株式会社製HM−30R型pHメータで測定を行った。
(ヨウ素酸イオン吸着能の評価)
和光純薬工業株式会社製のヨウ素酸カリウムをイオン交換水に溶かしてヨウ素酸イオン10ppmの溶液を作成した。ビーカーに上記実施例及び比較例の各種粉体試料を0.1g秤量し、上記ヨウ素酸イオン10ppm溶液を100ml加えた。撹拌機を用いて10分間撹拌した後、10分間静置した。これらの溶液を、5Bの濾紙を用いて濾過した。濾液をICP−MS(アジレント・テクノロジー・インターナショナル株式会社製 Agilent 7700x)で測定を行った。処理前の溶液を基準として除去率を以下の計算式で評価し、それをその吸着能(吸着率)とした。
(計算式)
除去率(%)=吸着能(%)=(処理前溶液のヨウ素酸イオン濃度<ppm>−濾液のヨウ素酸イオン濃度<ppm>)/処理前溶液のヨウ素酸イオン濃度<ppm>×100
その結果は表1に示す。
Figure 0006719214
表1に示すように、分散液pHが0.1〜6.0の範囲内ではオルトチタン酸、メタチタン酸のいずれもヨウ素イオン吸着能を示す(実施例1〜7)。しかし、分散液pHが0.1を下回る範囲および6.0を上回る範囲ではオルトチタン酸、メタチタン酸のいずれもヨウ素イオン吸着能を示さない(比較例1〜3)。
本発明のオルトチタン酸、メタチタン酸またはそれら二つの混合物は、ヨウ素酸イオンに対して高い吸着能力を有するため、ヨウ素酸イオンの分離に利用可能である。特に、放射性オキソ酸イオンが含まれる海水や地下水等の汚染水や土壌からの放射性オキソ酸イオン(特に、放射性ヨウ素酸イオン)の除染に利用可能である。そのため、放射性物質の除染による水質改善や土壌改善等の分野で特に有効である。また、使用済み核燃料の再処理における放射性オキソ酸イオン(特に、放射性ヨウ素酸イオン)の分離にも有効である。
本発明の吸着剤は、低コストで安定して大量に製造可能であるので、機能面、生産面、費用面等のバランスに優れた新規なオキソ酸イオン吸着剤として利用可能であり、除染のような技術分野のみならず、様々な技術分野での利用や応用も期待できる。

Claims (6)

  1. オルトチタン酸からなり、100gのイオン交換水に10g分散させたときに20℃でpH0.1〜6.0を示すオルトチタン酸を用いたヨウ素酸イオン又は放射性ヨウ素酸イオン吸着剤
  2. pHが0.5〜5.5である請求項1に記載 着剤。
  3. pHが1.0〜5.0である請求項2に記載 着剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載 着剤を用い 着用フィルター、シート又はカラム。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載 着剤にヨウ素酸イオンを吸着させてヨウ素酸イオンを除染する方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載 着剤に放射性ヨウ素酸イオンを吸着させて放射性ヨウ素酸イオンを除染する方法。
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