JP2017140576A - オキソ酸イオンの吸着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
機能面、生産面等のバランスに優れたオキソ酸イオンの吸着方法、オキソ酸イオン吸着用設備、及び除染方法、特に、海水や地下水等の汚染水等に含まれるヨウ素酸イオンに対する吸着能力に優れたオキソ酸イオンの吸着方法、オキソ酸イオン吸着用設備、及び除染方法を低コストで安定して提供する。
【解決手段】
オルトチタン酸及びメタチタン酸から選ばれる少なくとも1つの化合物からなり、100gのイオン交換水に10g分散させたときに20℃でpH6.1〜13.0を示す化合物を、オキソ酸イオンを含む液体に加え、該液体のpHを20℃で0.1〜6.0となるよう調整することを特徴とする液体に含まれるオキソ酸イオンの吸着方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、オキソ酸イオンの吸着方法、オキソ酸イオン吸着用設備、及び除染方法に関するものであって、特に、放射性物質を含む汚染水(地下水や海水等も含む)に含まれているヨウ素酸イオンに対する吸着能力に優れたオキソ酸イオンの吸着方法、オキソ酸イオン吸着用設備、及び除染方法に関する。
本発明で使用されている「ヨウ素」という用語には、安定同位体だけでなく、それらの放射性同位体も含まれる。
現在、原子力発電所の事故等によって発生し、環境中(例えば、海水や地下水等)に放出、拡散した放射性物質や発電所内に貯蔵されている冷却水、処理水等に含まれる放射性物質は重篤な健康被害に繋がるものであり、その除染作業に適した吸着剤の実用化が早急に求められている。
数種類ある放射性物質のなかでも、ヨウ素129は汚染水中に比較的多く含まれ、半減期が1570万年と非常に長いため長期間に亘って人体に影響を及ぼす可能性があり非常に危険である。
また、ヨウ素129の除去は、使用済み核燃料の再処理を考えるうえでも重要な問題となっている。
従来、原子力施設から排出される放射性ヨウ素を除去する方法としては、次の方法が知られている。
(1)ヨウ化カリウムを添着した活性炭を大量に使用して、放射性ヨウ素を非放射性ヨウ素と同位体交換することによって捕集する方法(特許文献1)
(2)ヨウ素含有気体または液体を、トリエチレンジアミンを添着した活性炭に接触させて、3級アミノ基とヨウ化メチルとを反応させることによって除去する方法(特許文献2)
(3)ヨウ素含有気体または液体を、銀ゼオライトに接触させてヨウ化銀として捕集する方法(特許文献2)
(4)ヨウ化水素酸をアルカリ添着活性炭や強塩基性アニオン交換体で除去する方法(特許文献2)
(5)不溶性のシクロデキストリンまたはその誘導体を有効成分としてヨウ素を吸着する方法(特許文献3)
(6)水酸化セリウムを用いてヨウ素酸イオンを吸着する方法(特許文献4、5、6)
(7)溶液中のヨウ素酸イオンに過剰の還元剤を作用させヨウ化物イオンとし、続いてヨウ化物イオンに酸化剤を作用させることによって生成したヨウ素分子、または、ポリヨウ素イオンを、ポリアミン系のキレート性置換基を持つイオン交換体によって吸着する方法(特許文献7)
特開2000−254446号公報 特開2002−350588号公報 特開2008−93545号公報 特許5793230号公報 特許5793231号公報 特開2015−181972号公報 特開2012−250198号公報
原子力施設から排出される放射性ヨウ素の主たる化学形はヨウ素、ヨウ化水素酸、ヨウ化メチルの3種類と言われてきたが、近年、この他の形態としてヨウ素酸イオンの除去が問題となっている。
ヨウ素、ヨウ化水素酸、ヨウ化メチルの3つの形態については(1)から(5)の方法を用いることにより除去できる。
ヨウ素酸イオンについては(6)または(7)の方法を用いて除去することが可能であるが生産面、機能面で問題が残る。
(6)の方法で使用する水酸化セリウムは希少金属であるため資源リスクを伴い、安定供給という生産面に不安が残る。
(7)の方法は溶液中のヨウ素酸イオンに過剰の還元剤を作用させヨウ化物イオンとし、続いてヨウ化物イオンに酸化剤を作用させることによって生成したヨウ素分子、または、ポリヨウ素イオンを吸着するというものであるが、酸化工程でヨウ素酸イオンが再生成し吸着されずに残存する事が危惧され、機能面での不安が残る。
このような現状に鑑みて、本発明の課題は、機能面、生産面等のバランスに優れたオキソ酸イオンの吸着方法、オキソ酸イオン吸着用設備、及び除染方法を提供することにある。
特に、海水や地下水等の汚染水等に含まれるヨウ素酸イオンに対する吸着能力に優れたオキソ酸イオンの吸着方法、オキソ酸イオン吸着用設備、及び除染方法を低コストで安定して提供することにある。
本発明は具体的には以下の通りである。
(1)オルトチタン酸及びメタチタン酸から選ばれる少なくとも1つの化合物からなり、100gのイオン交換水に10g分散させたときに20℃でpH6.1〜13.0を示す化合物を、オキソ酸イオンを含む液体に加え、該液体のpHを20℃で0.1〜6.0となるよう調整することを特徴とする液体に含まれるオキソ酸イオンの吸着方法。
(2)オキソ酸イオンを含む液体のpHを20℃で0.5〜5.5に調整する(1)に記載のオキソ酸イオンの吸着方法。
(3)オキソ酸イオンを含む液体のpHを20℃で1.0〜5.0に調整する(2)に記載のオキソ酸イオンの吸着方法。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のオキソ酸イオンの吸着方法を用いたオキソ酸イオン吸着用設備。
(5)(1)〜(3)のいずれかに記載のオキソ酸イオンの吸着方法によりヨウ素酸イオンを吸着させるヨウ素酸イオンの除染方法。
(6)(1)〜(3)のいずれかに記載のオキソ酸イオンの吸着方法により放射性オキソ酸を吸着させる放射性オキソ酸の除染方法。
(7)放射性オキソ酸が放射性ヨウ素酸イオンである(6)に記載の方法。
本発明においては、オルトチタン酸及びメタチタン酸から選ばれる少なくとも1つの化合物からなり、100gのイオン交換水に10g分散させたときに20℃でpH6.1〜13.0を示す化合物を、オキソ酸イオンを含む液体に加え、該液体のpHを20℃で0.1〜6.0となるよう調整し、液体に含まれるオキソ酸イオンを吸着させる方法を用いれば、海水や地下水等の汚染水等に含まれるヨウ素酸イオンに対する吸着能力に優れたオキソ酸イオンの吸着方法、オキソ酸イオン吸着用設備、及び除染方法を低コストで安定して大量に提供することが可能であることを見出した。
本発明の吸着方法は、ヨウ素酸イオンを高効率に吸着することが可能であり、また、資源リスクの少ない金属から構成されている吸着剤を用いることにより、安定して大量に提供することが可能である。そのため、機能面、生産面等のバランスに優れたオキソ酸イオンの吸着方法、オキソ酸イオン吸着用設備、及び除染方法を提供することが可能である。
(オルトチタン酸の製造方法)
本発明のオルトチタン酸はチタン塩の溶液を液温50℃以下に保ちながらアルカリで中和することによって溶液中に生成する沈殿物を乾燥することによって得られる。
チタン塩として具体的には、三塩化チタン、四塩化チタン、硫化チタン(IV)、硫化チタン(VI)、硫酸チタン(IV)などが挙げられる。また、チタン塩としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明のオルトチタン酸を製造する際、使用するアルカリとしては、アンモニア水、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ、炭酸アンモニウム等の水溶液などが挙げられる。また、アルカリとしては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
中和工程の反応時間は特に限定されないが、均一なオルトチタン酸を合成するため5分以上攪拌を維持することが望ましい。通常10〜30分撹拌すれば十分である。
中和工程で得られたオルトチタン酸の沈殿物は必要に応じてろ過、水洗やデカンテーションによる洗浄によって不要な塩の除去を行う。
本発明により合成されたオルトチタン酸の乾燥温度は100〜400℃が好ましい。乾燥工程においては、バット乾燥、スプレー乾燥、ろ過乾燥等の一般的な乾燥設備のうち、いずれの方法を選択してもよい。
(メタチタン酸の製造方法)
本発明のメタチタン酸はチタン塩を液温50℃以上の硫酸酸性の溶液中で熱加水分解させることによって溶液中に生成する沈殿物を乾燥することによって得られる。
チタン塩として具体的には、硫化チタン(IV)、硫化チタン(VI)、硫酸チタン(IV)などが挙げられる。また、チタン塩としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
熱加水分解工程の反応時間は特に限定されないが、均一なメタチタン酸を合成するため5分以上攪拌を維持することが望ましい。通常10〜30分撹拌すれば十分である。
熱加水分解工程で得られたメタチタン酸の沈殿物は必要に応じてろ過、水洗やデカンテーションによる洗浄によって不要な塩の除去を行う。
本発明により合成されたメタチタン酸の乾燥温度は100〜400℃が好ましい。乾燥工程においては、バット乾燥、スプレー乾燥、ろ過乾燥等の一般的な乾燥設備のうち、いずれの方法を選択してもよい。
本発明においてはオルトチタン酸、メタチタン酸またはそれら二つの混合物の最終形態は粉状、粒状、分散物でもよく、その利用用途に応じて選択される。
本発明においてはオルトチタン酸、メタチタン酸またはそれら二つの混合物を粉状等にしたものを更に成形や造粒等して所望する形状にして利用することもできる。成形や造粒等する際、シリカゾルやアルミナセメントといった無機バインダ、ポリビニルアルコールやポリビニルブチラールといった有機バインダのうちの1種または2種以上を併用することもできる。
本発明において、オキソ酸イオンを含む液体を20℃でpH0.1〜6.0となるよう調整するためには通常、酸を添加することが好ましいが、これに限定されるものではない。酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸や、酢酸、ギ酸等の有機酸等が挙げられ、これらのうち1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明のオキソ酸イオンの吸着方法は、例えば、除染等を目的としたオキソ酸イオン吸着用装置やオキソ酸イオン吸着用設備に利用することができる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明においてイオン交換水とはイオン交換樹脂を使ってイオンを除いた精製水で、通常市販のイオン交換水を用いることができる。
本発明では和光純薬工業株式会社製のヨウ素酸カリウムをイオン交換水に溶かして所定の濃度のヨウ素酸イオン溶液を作成した。
実施例1
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH6.1になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは6.1であった。
この粉末0.1gをビーカーに秤量し、ヨウ素酸イオン20ppmの溶液を50ml加え、98重量%硫酸とイオン交換水を添加して、最終的に液量100mLでpH0.1の分散液となるよう撹拌しながら調整した。ヨウ素酸イオンの吸着能(吸着率)を後記の方法で測定した。
実施例2
キシダ化学株式会社製のメタチタン酸粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは7.0であった。このメタチタン酸粉末0.1gをビーカーに秤量し、ヨウ素酸イオン20ppmの溶液を50ml加え、35重量%塩酸とイオン交換水を添加して、最終的に液量100mLでpH0.5の分散液となるよう撹拌しながら調整した。ヨウ素酸イオンの吸着能(吸着率)を同様に測定した。
実施例3
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH10.0になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは10.0であった。
この粉末0.1gをビーカーに秤量し、ヨウ素酸イオン20ppmの溶液を50ml加え、60重量%硝酸とイオン交換水を添加して、最終的に液量100mLでpH1.0の分散液となるよう撹拌しながら調整した。ヨウ素酸イオンの吸着能(吸着率)を同様に測定した。
実施例4
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH11.0になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは11.0であった。
この粉末0.1gをビーカーに秤量し、ヨウ素酸イオン20ppmの溶液を50ml加え、98重量%硫酸とイオン交換水を添加して、最終的に液量100mLでpH3.0の分散液となるよう撹拌しながら調整した。ヨウ素酸イオンの吸着能(吸着率)を同様に測定した。
実施例5
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH12.0になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは12.0であった。
この粉末0.1gをビーカーに秤量し、ヨウ素酸イオン20ppmの溶液を50ml加え、98重量%硫酸とイオン交換水を添加して、最終的に液量100mLでpH5.0の分散液となるよう撹拌しながら調整した。ヨウ素酸イオンの吸着能(吸着率)を同様に測定した。
実施例6
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH13.0になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは13.0であった。
この粉末0.1gをビーカーに秤量し、ヨウ素酸イオン20ppmの溶液を50ml加え、98重量%硫酸とイオン交換水を添加して、最終的に液量100mLでpH5.5の分散液となるよう撹拌しながら調整した。ヨウ素酸イオンの吸着能(吸着率)を同様に測定した。
実施例7
キシダ化学株式会社製のメタチタン酸粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは7.0であった。このメタチタン酸粉末0.1gをビーカーに秤量し、ヨウ素酸イオン20ppmの溶液を50ml加え、35重量%塩酸とイオン交換水を添加して、最終的に液量100mLでpH6.0の分散液となるよう撹拌しながら調整した。ヨウ素酸イオンの吸着能(吸着率)を同様に測定した。
実施例8
キシダ化学株式会社製のメタチタン酸粉末5gとオルトチタン酸粉末5gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは7.0であった。このメタチタン酸粉末0.05gとオルトチタン酸粉末0.05gをビーカーに秤量し、ヨウ素酸イオン20ppmの溶液を50ml加え、35重量%塩酸とイオン交換水を添加して、最終的に液量100mLでpH3.0の分散液となるよう撹拌しながら調整した。ヨウ素酸イオンの吸着能(吸着率)を同様に測定した。
比較例1
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH6.5になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは6.5であった。
この粉末0.1gをビーカーに秤量し、ヨウ素酸イオン20ppmの溶液を50ml加え、イオン交換水を50ml添加して、最終的に液量100mLでpH6.5の分散液となるよう撹拌しながら調整した。ヨウ素酸イオンの吸着能(吸着率)を同様に測定した。
比較例2
キシダ化学株式会社製のメタチタン酸粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは7.0であった。このメタチタン酸粉末0.1gをビーカーに秤量し、ヨウ素酸イオン20ppmの溶液を50ml加え、イオン交換水を50ml添加して、最終的に液量100mLでpH7.0の分散液となるよう撹拌しながら調整した。ヨウ素酸イオンの吸着能(吸着率)を同様に測定した。
比較例3
石原産業株式会社製の四塩化チタン水溶液「TC−36」400mlをガラス製ビーカーに入れ、撹拌しながら48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH7.0になるまで中和した。液中に生成した白色沈殿物をろ過し、得られたろ過ケーキを100℃で24時間乾燥し、ハンマーミルで粉状に粉砕し、オルトチタン酸粉末を得た。この粉末10gをイオン交換水100gに分散させたときの20℃でのpHは7.0であった。
この粉末0.1gをビーカーに秤量し、ヨウ素酸イオン20ppmの溶液を50ml加え、98重量%硫酸とイオン交換水を添加して、最終的に液量100mLでpH0.05の分散液となるよう撹拌しながら調整した。ヨウ素酸イオンの吸着能(吸着率)を同様に測定した。
(分散液pHの測定)
上記実施例及び比較例に記載の各種分散液試料を、5Bの濾紙を用いて濾過した。濾液を20℃に保持した状態で東亜ディーケーケー株式会社製HM−30R型pHメータで測定を行った。
(ヨウ素酸イオン吸着能の評価)
上記実施例及び比較例に記載の各種分散液試料を、5Bの濾紙を用いて濾過した。濾液をICP−MS(アジレント・テクノロジー・インターナショナル株式会社製 Agilent 7700x)で測定を行った。ヨウ素酸イオン濃度10ppmの溶液を基準として除去率を以下の計算式で評価し、それをその吸着能(吸着率)とした。
(計算式)
除去率(%)=吸着能(%)=(ヨウ素酸イオン濃度<10ppm>−濾液のヨウ素酸イオン濃度<ppm>)/ヨウ素酸イオン濃度<10ppm>×100
その結果は表1に示す。
Figure 2017140576
表1に示すように、調整後の分散液pHが0.1〜6.0の範囲内ではオルトチタン酸、メタチタン酸のいずれもヨウ素酸イオン吸着能を示す(実施例1〜8)。しかし、調整後の分散液pHが0.1を下回る範囲および6.0を上回る範囲ではオルトチタン酸、メタチタン酸のいずれもヨウ素酸イオン吸着能を示さない(比較例1〜3)。
本発明の吸着方法を用いれば、オキソ酸イオンを高効率に吸着することが可能であり、オキソ酸イオンの分離に利用可能である。特に、放射性オキソ酸イオンが含まれる海水や地下水等の汚染水や土壌からの放射性オキソ酸イオン(特に、放射性ヨウ素酸イオン)の除染に利用可能である。そのため、放射性物質の除染による水質改善や土壌改善等の分野で特に有効である。また、使用済み核燃料の再処理における放射性オキソ酸イオン(特に、放射性ヨウ素酸イオン)の分離にも有効である。
本発明の吸着方法は、低コストで安定して利用可能であるので、機能面、生産面、費用面等のバランスに優れた新規なオキソ酸イオンの吸着方法として利用可能であり、除染のような技術分野のみならず、様々な技術分野での利用や応用も期待できる。

Claims (7)

  1. オルトチタン酸及びメタチタン酸から選ばれる少なくとも1つの化合物からなり、100gのイオン交換水に10g分散させたときに20℃でpH6.1〜13.0を示す化合物を、オキソ酸イオンを含む液体に加え、該液体のpHを20℃で0.1〜6.0となるよう調整することを特徴とする液体に含まれるオキソ酸イオンの吸着方法。
  2. オキソ酸イオンを含む液体のpHを20℃で0.5〜5.5に調整する請求項1に記載のオキソ酸イオンの吸着方法。
  3. オキソ酸イオンを含む液体のpHを20℃で1.0〜5.0に調整する請求項2に記載のオキソ酸イオンの吸着方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のオキソ酸イオンの吸着方法を用いたオキソ酸イオン吸着用設備。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のオキソ酸イオンの吸着方法によりヨウ素酸イオンを吸着させるヨウ素酸イオンの除染方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のオキソ酸イオンの吸着方法により放射性オキソ酸を吸着させる放射性オキソ酸の除染方法。
  7. 放射性オキソ酸が放射性ヨウ素酸イオンである請求項6に記載の方法。
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