JP6718196B2 - 導電顔料ペースト及び塗工材 - Google Patents

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Description

本発明は、顔料分散性、貯蔵安定性及び導電性に優れた導電顔料ペーストに関する。
カーボンなどの導電顔料は、塗料、塗工材、コーティング材、シーリング材、フィルター、フィルム、シート、インキ、化粧材、磁石改質材、封止材、各種ゴム製品、各種電子機器部材、樹脂成形品などに広く用いられている。このような導電顔料を含む材料を形成する際、生産プロセスを効率化するためには、顔料を溶媒中に、いかに高濃度かつ均一に分散して、容易に塗布可能とするかが重要である。
近年、特に環境や生産コストへの配慮または性能向上の観点から、従来よりも高濃度かつ均一に分散された顔料分散ペーストを作製することによって、溶媒及び分散剤の使用量を低減することや乾燥時の使用エネルギーを低減することが求められている。
これらの要求は、溶媒及び分散剤のコストや乾燥時の使用エネルギーに大きな影響があることから、使用する溶媒及び分散剤が高価であるほど、または、使用する溶媒が高沸点であるほど重要になる。
多量の顔料を溶媒中に分散するためには、顔料の表面に分散剤を吸着及び安定化させることが有効な方法であり、様々な分散剤を用いた分散液が提案されている。
例えば、特許文献1には、親水性結合剤の存在下、金属酸化物及び/又はカーボンブラックの分散液を安定化するための特定のブロック共重合体が開示されている。
また、特許文献2には、二酸化マンガン粉末、カーボン粉末、分散剤(各種高分子樹脂)、及び分散媒を含有するペースト組成物が開示されている。
また、特許文献3には、カーボンブラックなどの導電性材料と合成樹脂バインダと抵抗値を調整可能な有機系希釈溶剤とを含む導電ペーストが開示されている。
また、特許文献4には、球状及び鱗片状の黒鉛粉末とアセチレンブラックと、ヴィヒクルとしてポリエステルシリコーン樹脂とを含むカーボンペーストが開示されている。
しかしながら、これらの顔料ペーストは、高顔料濃度でのカーボン分散性、貯蔵安定性のバランスがまだ十分でない場合があり、また、含有する樹脂の種類によっては貯蔵中に増粘またはゲル化する場合があった。
特開平5−117490号公報 特開平11−74158号公報 特開2000−68106号公報 特開2005−190819号公報
本発明が解決しようとする課題は、高顔料濃度においても、導電性顔料の顔料分散性、貯蔵安定性、及び導電性に優れた導電ペースト並びに塗工材を提供することである。
発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、導電性顔料と有機溶媒と重合禁止剤と特定の共重合体とを含有する導電顔料ペーストによって、上記課題の解決が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の導電顔料ペースト及び塗工材を提供するものである。
項1.導電性顔料(A)、有機溶媒(B)、重合禁止剤(C)、下記式(1)で表わされる重合性不飽和基含有モノマーを構成成分とする共重合体(D)を含有することを特徴とする導電顔料ペースト。
Figure 0006718196
〔式中、R〜Rは、水素、フッ素、塩素から選ばれる原子、若しくは、鎖状、分岐状、及び/又は環状の有機基である。)
項2.重合禁止剤(C)が、ベンゾキノン類、ハイドロキノン類、カテコール類から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記項1に記載の導電顔料ペースト。
項3.重合禁止剤(C)の含有量が、共重合体(D)100質量部を基準として、0.01〜30質量部であることを特徴とする前記項1または2に記載の導電顔料ペースト。
項4.導電性顔料(A)が、導電性カーボンであることを特徴とする前記項1〜3のいずれか1項に記載の導電顔料ペースト。
項5.酸性化合物(E)を含有することを特徴とする前記項1〜4のいずれか1項に記載の導電顔料ペースト。
項6.前記項1〜5のいずれか1項に記載の導電顔料ペーストを含有することを特徴とする塗工材。
項7.前記項6に記載の塗工材を被塗物に乾燥膜厚1〜100μmの膜厚で塗布し、80〜200℃の温度で加熱乾燥して、有機溶媒(B)の90%以上、及び重合禁止剤(C)の50%以上を消失させた塗工膜を得る製造方法。
項8.前記項6に記載の塗工材を塗布して得られる塗工膜。
本発明の導電顔料ペーストは、導電性顔料(A)、有機溶媒(B)、重合禁止剤(C)、共重合体(D)を含有する。以下、本発明の導電顔料ペーストについて詳細に説明する。
導電性顔料(A)
本発明の導電顔料ペーストで用いることができる導電性顔料(A)としては、導電性の顔料であれば公知のものを制限なく使用することができ、また、粒子状、フレーク状、ファイバー(ウィスカー含む)状のいずれの形状のものでも使用することができる。例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、バルカン、カーボンナノチューブ、グラフェン、気相成長カーボンファイバー(VGCF)、黒鉛などの導電性カーボン;銀、ニッケル、銅、グラファイト、アルミニウムなどの金属粉が挙げられる。さらに、アンチモンがドープされた酸化錫、リンがドープされた酸化錫、酸化錫/アンチモンで表面被覆された針状酸化チタン、酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛、インジウム錫オキシド、カーボンやグラファイトのウィスカー表面に酸化錫などを被覆した顔料;フレーク状のマイカ表面に酸化錫やアンチモンドープ酸化錫などの導電性金属酸化物を被覆した顔料;二酸化チタン粒子表面に酸化錫及びリンを含む導電性を有する顔料などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上組合せて用いることができる。なかでも、導電性の観点から導電性カーボンが好ましい。
上記導電性顔料(A)の平均粒子径としては、粘度及び導電性の関係から、15〜100nmの範囲内であることが好ましく、20〜50nmの範囲内であることがさらに好ましい。
上記導電性顔料(A)の比表面積としては、粘度及び導電性の関係から、1〜500m/gの範囲内であることが好ましく、30〜200m/gの範囲内であることがさらに好ましい。
上記導電性顔料(A)のジブチルフタレート(DBP)吸油量としては、顔料分散性及び導電性の関係から、60〜1000ml/100gの範囲内であることが好ましく、150〜800ml/100gの範囲内であることがさらに好ましい。
また、上記導電性顔料(A)は、導電性の観点から、一次粒子が鎖状構造(ストラクチャー)を形成している状態が好ましく、ストラクチャー指数が1.5〜4.0の範囲内であることがより好ましく、1.7〜3.2の範囲内であることが特に好ましい。
ストラクチャー自体は電子顕微鏡で撮影した画像でも比較的容易に観察できるが、ストラクチャー指数はストラクチャーの度合いを定量化した数値である。ストラクチャー指数は一般的にDBP吸油量(ml/100g)を比表面積(m/g)で割った値で定義することができる。ストラクチャー指数が1.5未満であると、ストラクチャーが発達していないために、十分な導電性が得ることができず、また、4.0を超えるとDBP吸油量に対して粒子径が大きいために導電経路が減少し、十分な導電性を示さなくなるか、又は塗工材の粘度が高くなる恐れがある。
上記導電性顔料(A)の含有量としては、導電性と顔料分散性の観点から、導電顔料ペーストの固形分質量を基準として、5〜99.9質量%が好ましく、7〜95質量%がより好ましく、10〜90質量%が特に好ましい。
有機溶媒(B)
本発明の導電顔料ペーストで用いることができる有機溶媒(B)としては、公知のものを制限なく使用することができ、具体的には、例えば、n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタンなどの炭化水素溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;n−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールなどのエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤;エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール等の等のアルコール系溶剤;エクアミド(商品名、出光興産株式会社製、アミド系溶剤)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤など、従来公知の溶剤を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
なかでも、本発明の導電顔料ペーストで用いることができる有機溶媒(B)は、共重合体(D)の溶解性及び導電顔料ペーストの分散安定性の観点から、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、エーテル基などの極性官能基を持つ溶媒を含有することが好ましい。また、溶解性パラメーターが、10.0(cal/cm1/2以上であることが好ましく、10.4〜15.0(cal/cm1/2の範囲内であることがより好ましく、10.5〜13.0(cal/cm1/2の範囲内であることがさらに好ましい。
上記範囲内の有機溶媒として、具体的には、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(SP値:12.1)、N−メチル−2−ピロリドン(SP値:11.2)、ジメチルスルホキシド(SP値:12.8)などが挙げられ、いずれも好適に用いることができる。
ここで、溶解性パラメーターとは、一般にSP値(ソルビリティ・パラメーター)とも呼ばれるものであって、溶媒や樹脂の親水性又は疎水性の度合い(極性)を示す尺度である。また、溶媒と樹脂、樹脂間の溶解性や相溶性を判断する上で重要な尺度となるものであり、溶解性パラメーターの値が近い(溶解性パラメーターの差の絶対値が小さい)と、一般的に溶解性や相溶性が良好となる。
溶媒の溶解性パラメーターは、J.BrandrupおよびE.H.Immergut編“Polymer Handbook” VII Solubility Parament Values,pp519−559(John Wiley& Sons社、第3版1989年発行)に記載される方法に従って求めることができる。2種以上の溶媒を組合せて混合溶媒として用いる場合、その溶解性パラメーターは、実験的に求めることができ、また、簡便な方法として、個々の液状溶媒のモル分率と溶解性パラメーターとの積の総和により求めることもできる。
また、樹脂の溶解性パラメーターは、当業者に公知の濁度測定法をもとに数値定量化されるものであり、具体的には、K.W.SUH、J.M.CORBETTの式(Journal of Applied Polymer Science,12,2359,1968)に準じて求めることができる。
重合禁止剤(C)
本発明の導電顔料ペーストで用いることができる重合禁止剤(C)としては、公知のものを特に制限なく用いることができ、具体的には、例えば、P−ベンゾキノン、2−ヒドロキシベンゾキノンなどのベンゾキノン類;ハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、メチルハイドロキノンなどのハイドロキノン類;カテコール、3,5−ジ−t−ブチルカテコール、t−ブチルカテコ−ルなどのカテコール類;α−ナフトール、β−ナフトールなどのナフトール類;ピロガロール、フェニルエチルピロガロールなどのピロガロール類;クレゾ−ル、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノ−ル、2−t−ブチル−4−メトキシフェノ−ル、3−t−ブチル−4−メトキシフェノ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−P−クレゾールなどのフェノール類;フェノチアジン、ビス(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノチアジンなどのフェノチアジン類;ヒンダードアミン類;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(TEMPO)などのニトロキシド類;ジアルキルジチオカルボン酸の銅塩やマンガン塩などの金属塩類等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。なかでも、ベンゾキノン類、ハイドロキノン類、カテコール類から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
尚、本明細書において、化合物名の「類」とは、「置換基を有さない」場合と「置換基を有する」場合とを含むものであり、「置換基を有していてもよい」という意味である。
上記重合禁止剤(C)を本発明の導電顔料ペースト及び塗工材に含有させることで貯蔵増粘を抑制することができる。導電顔料ペースト及び塗工材が貯蔵中に増粘する原因としては、詳しい事は解っていないが、例えば、以下の2点が考えられる。
1、共重合体中に未反応の重合性不飽和基含有モノマーが残存しており、そこからラジカル重合反応が生じる。
2、まず共重合体中の水素、塩素、フッ素などの脱離反応が起き、ラジカルが発生又は炭素−炭素二重結合が生成する。次いで、共重合体の分子間又は分子内、若しくは残存モノマーとラジカル重合反応が生じる。
これらの反応は貯蔵中、混合中、又は顔料分散中に、熱、光、酸、塩基などの影響によって重合反応が開始及び/又は促進されると考えられる。上記重合反応を抑制するため、本発明においては導電顔料ペースト内及び塗工材内に上記重合禁止剤(C)を含有することが有効である。
重合禁止剤(C)の含有量としては、増粘抑制とコストなどの観点から、共重合体(D)100質量部を基準として、0.01〜30質量部であることが好ましく、0.1〜20質量部であることがより好ましく、1〜20質量部であることが特に好ましい。
共重合体(D)
本発明の導電顔料ペーストで用いることができる共重合体(D)としては、下記式(1)で表わされる重合性不飽和基含有モノマーを構成成分とする共重合体であり、該重合性不飽和基含有モノマーを含むモノマーを共重合して合成することができる。
Figure 0006718196
〔式中、R〜Rは、水素、フッ素、塩素から選ばれる原子、若しくは、鎖状、分岐状、及び/又は環状の有機基である。)
上記重合性不飽和基含有モノマーとしては、上記式(1)の構造であれば特に制限なく用いることができ、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、脂肪酸ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、スチレン、(メタ)アクリロイル基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド基含有モノマーなどが挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
上記重合性不飽和基含有モノマーの重合方法としては、それ自体既知の重合方法、例えば、上記重合性不飽和基含有モノマーを含むモノマーを有機溶媒中で溶液重合することができるが、これに限られるものではなく、例えば、バルク重合や乳化重合や懸濁重合等でもよい。溶液重合を行う場合には、連続重合でもよいしバッチ重合でもよく、モノマーは一括して仕込んでもよいし、分割して仕込んでもよく、あるいは連続的又は断続的に添加してもよい。
また、重合をした後に各種変性をすることもできる。(例えば、酢酸ビニルの重合後に加水分解をする。アセタール化を行う。他の樹脂と反応してグラフト化する。など)
上記重合において使用する重合開始剤としては、特に限定するものではなく、過酸化物系開始剤、アゾ系開始剤、レドックス系開始剤、有機ハロゲン化物開始剤など公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。
上記重合において使用する溶媒としては、公知のものを特に制限なく使用することができ、前述の有機溶媒(B)で挙げた有機溶媒や水などを好適に使用することができる。
重合反応温度は、特に限定するものではないが、通常30〜200℃程度の範囲で設定することができる。
上記共重合体(D)としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドンなどが挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
導電顔料ペースト
本発明の導電顔料ペーストは、上記の導電性顔料(A)、有機溶媒(B)、重合禁止剤(C)、共重合体(D)の他に、必要に応じて、添加剤などを含有することができる。
添加剤としては、中和剤、顔料分散剤、結着剤(バインダー)、消泡剤、防腐剤、防錆剤、可塑剤、導電剤、帯電防止剤、電気抵抗調整剤などを挙げることができる。顔料分散剤及び/又は結着剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリケート樹脂、塩素系樹脂、フッ素系樹脂、及びこれらの複合樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
導電顔料ペースト中の樹脂固形分の含有量は、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下であることが、顔料分散時の粘度、顔料分散性、分散安定性及び生産効率などの面から好適である。
導電顔料ペーストは、以上に述べた各成分を、例えば、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、ペブルミル、LMZミル、DCPパールミル、遊星ボールミル、ホモジナイザー、二軸混練機、薄膜旋回型高速ミキサーなどの従来公知の分散機を用いて均一に混合、分散させることにより調製することができる。
上記導電ペーストの用途としては、高濃度の導電性顔料を含有するペーストであるので、導電性、静電気除去、帯電防止、電気抵抗調整、電磁波シールドなど電気的特性を必要とする材料に好ましく適用することができる。(ただし、静電吸着を用途とする材料を除く。)。
塗工材
本発明の塗工材は、塗工膜形成用の塗工材であって、上記導電顔料ペーストが必須成分であり、それ以外に、樹脂、顔料、溶媒、各種添加剤などを必要に応じて含有することができる。
樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリケート樹脂、塩素系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂及びこれらの複合樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
尚、本発明の塗工材は、架橋剤として上記に述べたポリイソシアネート化合物やメラミン樹脂などを必要に応じて好適に使用することができるが、重合禁止剤(C)を貯蔵安定性改善(ラジカル重合による増粘を抑制)のため相当量含有していることから、重合性不飽和基含有化合物をエネルギー線(紫外線など)によって重合させる架橋方法は好ましくない。
顔料としては、例えば、着色顔料、光輝性顔料、体質顔料、防錆顔料、その他の顔料などが挙げられる。これらの顔料は1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
溶媒としては、特に制限はないが、前述した有機溶媒(B)と同様の溶媒を好適に用いることができる。上記溶媒は1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
添加剤としては、中和剤、顔料分散剤、消泡剤、防腐剤、防錆剤、可塑剤、粘性調整剤、導電剤、帯電防止剤、電気抵抗調整剤などが挙げられる。
また、本発明の塗工材としては、酸性化合物(E)を含有することが好ましい。酸性化合物(E)としては、ギ酸、酢酸、無水酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、P−トルエンスルホン酸、サリチル酸等の有機酸;塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸等の無機酸など、公知のものを好適に使用することができ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
酸性化合物(E)の含有量としては、塗工材の固形分質量を基準として、0.01〜10質量%が好ましく、0.02〜5質量%がより好ましい。
塗工材中の共重合体(D)の含有量は、塗工材中の固形分を基準として、通常0.05〜80質量%、好ましくは0.1〜60質量%、より好ましくは0.2〜50質量%、特に好ましくは0.5〜40質量%であることが、顔料分散時の粘度、顔料分散性、貯蔵安定性、及び生産効率などの面から好ましい。
尚、本願においては、貯蔵増粘の原因の1つであると考えられるラジカル重合反応を抑制するため、導電顔料ペースト及び塗工材に含まれる重合性不飽和基含有モノマーはできる限り少ないほうが好ましく、全く含有していないことが特に好ましい。
塗工材は、以上に述べた各成分を、例えば、ディスパー、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、ペブルミル、LMZミル、DCPパールミル、遊星ボールミル、ホモジナイザーなどの従来公知の撹拌機又は分散機を用いて均一に混合又は分散させることにより調製することができる。
塗工膜
本発明の塗工材を被塗物に塗布することで塗工膜を形成することができる。
本発明の塗工膜とは、液状の塗工材を被塗物に塗布して加熱乾燥した固形状の膜のことであり、被塗物から剥がして用いることもできる。
塗布方法としては、一定の膜厚範囲内で塗布できるものであれば特に限定されず、例えば、ローラー塗装、刷毛塗装、霧化塗装、ディッピング塗装、アプリケーター塗装、シヤワーコート塗装、ロールコーター塗装、ダイコーター塗装などが挙げられる。
膜厚としては、乾燥膜厚で1〜100μmが好ましく、2〜80μmがより好ましい。
乾燥温度としては、80〜200℃の温度が好ましい。
乾燥時間としては、1秒〜30分が好ましい。
加熱乾燥することにより、塗工材に含まれる有機溶媒(B)の80%以上消失することが好ましく、90%以上消失することがより好ましく、95%以上消失することが特に好ましい。
また、加熱乾燥することにより、塗工材に含まれる重合禁止剤(C)の30%以上消失することが好ましく、50%以上消失することがより好ましく、70%以上消失することが特に好ましい。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに説明する。
導電顔料ペースト及び塗工材の製造方法、評価試験方法などは当該技術分野で従来公知の方法を用いている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能である。
「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
導電顔料ペースト及び塗工材の製造
実施例1〜4及び比較例1
下記表1に記載した成分を混合し、ボールミルにて5時間分散し、導電顔料ペーストを得た。さらにN−メチル−2−ピロリドン100部を加え、塗工材X−1〜X−5を得た。尚、表中の樹脂は固形分100%である。
また、下記表1に、評価試験の結果(導電性、初期粘度、貯蔵安定性)をあわせて記載する。
本発明においては、導電性、初期粘度、貯蔵安定性の全ての性能に優れていることが重要であり、いずれか1つに「×」又は「××」の評価がある場合、その導電顔料ペースト及び塗工材は不合格となる。
Figure 0006718196
(注1)カーボン:平均粒子径43μm、比表面積76m/g、DBP給油量212ml/100g、ストラクチャー指数2.8。
(注2)PVA:ポリビニルアルコール、商品名「デンカポバールB−24」、電気化学工業製、ケン化度86.0%〜89.0%、重合度2400。
(注3)アクリル樹脂:温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、酢酸ブチル80部を入れ、110℃に加熱し、スチレン20部、n−ブチルアクリレート50部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30部、t−ブチルパーオキシオクタノエート4部からなる混合物を4時間かけて上記溶剤に滴下し、さらにt−ブチルパーオキシオクタノエート0.5部とイソプロパノール20部の混合物を1時間かけて滴下した。次いで1時間攪拌熟成した後、乾燥して固形分100%のアクリル樹脂を得た。本樹脂の水酸基価は86mgKOH/g、重量平均分子量は約10,000であった。
評価試験

<導電性>
ポリプロピレン板(10cm×15cm×3mm)の上にアルミ箔テープ(住友3M社製、No.425)を3cm間隔で平行に2本貼り付けた。次いで、得られた塗工材をアルミ箔テープの間に長さ5cm、乾燥膜厚17μmになるようにアプリケーターで塗装し、室温で2分間放置してから、80℃で10分間加熱乾燥した。(幅3cm×長さ5cm×膜厚17μmの乾燥塗膜を作成した。)
アルミ箔テープ間に塗装した乾燥塗膜の抵抗率を「ディジタルマルチメーター MODEL73401」(商品名、横河メータ&インスツルメンツ社製)を用いて20℃の雰囲気で測定し、下記基準により導電性を評価した。
◎:抵抗率が、0.0065Ωm未満であり、導電性は非常に良好である。
○:抵抗率が、0.0065Ωm以上、かつ0.008Ωm未満であり、導電性は良好で
ある。
△:抵抗率が、0.008Ωm以上、かつ0.01Ωm未満であり、導電性はやや劣る。
×:抵抗率が、0.01Ωm以上であり、導電性は非常に劣る。
<初期粘度>
得られた塗工材をコーン&プレート型粘度計「Mars2」(商品名、HAAKE社製)を用い、シアーレート1.0sec−1で粘度を測定し、下記基準により評価した。
◎:粘度が、1.0Pa・s未満である。
○:粘度が、1.0Pa・s以上、かつ2.0Pa・s未満である。
△:粘度が、2.0Pa・s以上、かつ5.0Pa・s未満である。
×:粘度が、5.0Pa・s以上である。
<貯蔵安定性(粘度上昇率)>
得られた塗工材を50℃の温度で1ヶ月貯蔵を行い、初期粘度と貯蔵後の粘度の比較を行なった。粘度は、コーン&プレート型粘度計「Mars2」(商品名、HAAKE社製)を用い、シアーレート1.0sec−1で測定し、下記式により粘度上昇率を評価した。
粘度上昇率(%)=貯蔵後粘度/初期粘度×100−100
◎:貯蔵後の粘度上昇率(%)が、10%未満である。
○:貯蔵後の粘度上昇率(%)が、10%以上、かつ50%未満である。
△:貯蔵後の粘度上昇率(%)が、50%以上、かつ100%未満である。
×:貯蔵後の粘度上昇率(%)が、100%以上、かつ200%未満である。
××:貯蔵後の粘度上昇率(%)が、200%以上である。

Claims (8)

  1. 導電性顔料(A)、有機溶媒(B)、重合禁止剤(C)、下記式(1)で表わされる重合性不飽和基含有モノマーを構成成分とする共重合体(D)を含有することを特徴とする導電顔料ペーストであって、該導電性顔料(A)の含有量が、導電顔料ペーストの固形分質量を基準として、10〜90質量%である導電顔料ペースト
    Figure 0006718196
    〔式中、R〜Rは、水素、フッ素、塩素から選ばれる原子、若しくは、鎖状、分岐状、及び/又は環状の有機基である。)
  2. 重合禁止剤(C)が、ベンゾキノン類、ハイドロキノン類、カテコール類から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の導電顔料ペースト。
  3. 重合禁止剤(C)の含有量が、共重合体(D)100質量部を基準として、0.01〜30質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電顔料ペースト。
  4. 導電性顔料(A)が、導電性カーボンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電顔料ペースト。
  5. 酸性化合物(E)を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電顔料ペースト。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電顔料ペーストを含有することを特徴とする塗工材。
  7. 請求項6に記載の塗工材を被塗物に乾燥膜厚1〜100μmの膜厚で塗布し、80〜200℃の温度で加熱乾燥して、有機溶媒(B)の90%以上、及び重合禁止剤(C)の50%以上を消失させた塗工膜を得る製造方法。
  8. 請求項6に記載の塗工材を塗布して得られる塗工膜。
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