JP2558013B2 - 導電性銅ペースト組成物及びその製造方法 - Google Patents

導電性銅ペースト組成物及びその製造方法

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JP2558013B2 JP2339613A JP33961390A JP2558013B2 JP 2558013 B2 JP2558013 B2 JP 2558013B2 JP 2339613 A JP2339613 A JP 2339613A JP 33961390 A JP33961390 A JP 33961390A JP 2558013 B2 JP2558013 B2 JP 2558013B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な導電性銅ペースト組成物及びその製
造方法に関する。詳しくは、プリント配線板のスルーホ
ールにスクリーン印刷法によりスルーホール目詰めを行
う場合等において、良好な印刷特性を有すると共に、加
熱乾燥、硬化時にスルーホール内でのボイドの発生がな
く、且つ硬化後、安定な導電性を有する硬化体を得るこ
とができる導電性銅ペースト組成物およびその製造方法
に関する。
[従来技術及び発明が解決しようとする課題] 導電性銅ペースト組成物(以下、単に銅ペーストとも
いう。)は、近年のエレクトロニクス分野の発展にとも
ない、IC回路用、電磁波シールド等の回路形成用材料と
して広く使用されている。従来、かかる用途における銅
ペーストは、銅粉の酸化防止を抑制する目的で、バイン
ダーとして熱硬化時に還元性雰囲気を与えるフェノール
樹脂が主として用いられてきた。しかし、上記のフェノ
ール樹脂使用銅ペーストをスルーホールの目詰めなどの
用途に用いる場合、フェノール樹脂の熱硬化時に発生す
る水の影響で、スルーホール内にボイドが発生し、目詰
めされたスルーホールの導電性の低下、さらには該スル
ーホール近辺に位置する回路の信頼性をも損ねるという
問題を有する。
一方、銅ペーストのバインダーとして硬化時に水の副
生がないエポキシ樹脂を使用した例も報告されている
が、かかるエポキシ樹脂使用の銅ペーストは、樹脂への
銅粉の分散性が悪く、良好な導電性が得られないという
問題を有する。また、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸等の分
散剤を添加して、銅粉の分散性を改良しようとした場
合、エポキシ樹脂と分散剤との間で反応が起こり、その
結果銅ペーストのチキソトロピー性が高くなり、印刷適
性が悪化する。また、かかる分散剤の添加が、加熱硬化
時の硬化反応にまで影響を及ぼし、硬化が不十分となる
ため、硬化体の導電性が低下するという問題をも生ず
る。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、プリント配線板のスルーホールの目詰
めを行う場合でも、良好な印刷特性(取扱い性)を有す
ると共に、加熱乾燥、硬化時にスルーホール内でのボイ
ドの発生がなく、且つ硬化後、良好な導電性を有する硬
化体を得ることができる導電性銅ペースト組成物を開発
すべく、研究を重ねた結果、エポキシ樹脂と硬化剤より
なるエポキシ系バインダー樹脂を用いた、特定の性状を
有する銅ペーストが、従来の銅ペーストの前記課題を解
決した優れた特性を発揮し得ることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
本発明は、 a)平均粒径が1〜50μmの銅粉 b)該銅粉100重量部に対して5〜25重量部のエポキシ
樹脂及び硬化剤とよりなるエポキシ系バインダー樹脂、 c)該銅粉の単位表面積当り、0.1×10-5〜1.0×10-5mm
ol/cm2の不飽和脂肪酸、 d)不飽和脂肪酸100重量部に対して、0.01〜5重量部
の重合禁止剤、 及び e)溶剤 よりなり、粘度が10〜500ポイズ、チキソトロピーイン
デックスが1.1〜2.0、流動曲線における半値幅が0.02〜
0.07である導電性銅ペースト組成物である。
本発明において、チキソトロピー・インデックスおよ
び流動曲線の半値幅とは以下のように定義される。第1
図に示す、E型回転粘度計およびST型ロータを組み合わ
せた回転粘度計(東機産業(株)製EMD−STE)を用い、
測定温度20℃で、本発明の銅ペーストに関してずり速度
0.105→20.1→0.105sec-1の範囲で連続的にずり応力の
測定を行い、ずり速度とずり応力の関係をプロットし
て、流動曲線を得たときに、粒子分数系である銅ペース
トは、チキソトロピー性であるため、第2図に示す曲線
が得られる。従って、第2図のηとηの比、すなわ
ちη1をチキソトロピー・インデックス、またずり
応力S1とS3の比の対数、すなわちlog(S1/S3)=logS1
−logS3を流動曲線の半値幅と定義する。
本発明に用いられる銅粉としては、電解銅粉、還元銅
粉等が用いられる。また、銅粉の粒径は1〜50μm、好
ましくは5〜20μmが適当である。即ち、粒径が1μm
未満のものは酸化速度が過大となり、得られる銅ペース
トの導電性が低下する傾向があり、また、50μmを越え
るものを用いると、銅ペーストの流動性が低下すると共
に、沈降し易くなり、良好な分散状態が得られなくな
る。
また、本発明においては分散剤として不飽和脂肪酸を
用いることが重要である。即ち、従来導電性銅ペースト
の分散剤としては飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸等が同等に
使用されていたが、本発明においては、不飽和脂肪酸を
使用した場合のみ、その硬化体が良好な導電特性を示
す。この現象はその作用機構が明確ではないが、本発明
の銅ペーストの特性を示す。本発明において好適に使用
される不飽和脂肪酸としては、例えばリノール酸、リノ
レン酸、オレイン酸等の公知の不飽和脂肪酸が使用出来
る。該不飽和脂肪酸は単独で、或は不飽和脂肪酸を60%
以上、好ましくは80%以上含有するもの、例えば大豆
油、胡麻油、オリーブ油、サフラワー油などの植物油、
上記植物油に不飽和脂肪酸を混合して使用するとよい。
本発明において、不飽和脂肪酸は、銅粉の表面積に対
し、0.1〜1×10-5mmol/cm2の量で配合される。上記不
飽和脂肪酸の配合量が、0.1×10-5mmol/cm2未満では、
銅粉の処理効果が不十分であり、得られる銅ペーストの
良好な流動特性が得られない。また、不飽和脂肪酸添加
量が1×10-5mmol/cm2を越える場合は、不飽和脂肪酸の
量が過剰となる結果、銅ペーストのチキソトロピー性が
増大して、前記したスルーホールの目詰めにおいて、目
詰めが不完全となるため、該スルーホール抵抗を著しく
増大させる。また、銅ペースト硬化時の架橋密度が低下
し、十分な導電性を有する硬化体を得ることができな
い。
本発明において使用する、重合禁止剤は、熱過酸化物
の分解等により発生するラジカルを捕捉する機能を有す
る公知のものが特に制限なく使用される。例えば、ハイ
ドロキノン、メトキシキノ、2,6−ジ−t−ブチル4−
メチルフェノール、2,2′メチレンビス(4−メチル6
−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′チ
オビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,
2′−チオビス(4メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,6−ジ−t−ブチル−パラクレゾール、4,4′−
ジヒドロキシフェニルイソプロパン等があげられる。か
かる重合禁止剤の添加量は不飽和脂肪酸100重量部に対
し、0.01〜5重量部が好適である。重合禁止剤の添加量
が0.01重量部未満では、不飽和脂肪酸の安定化効果が乏
しく、良好な導電特性を有する硬化体を得ることができ
る銅ペーストとなり得ない。また、5重量部を越えて添
加しても、不飽和脂肪酸の安定化効果の向上も頭打ちと
なり、経済的でない。
本発明において使用する、エポキシ系バインダー樹脂
はエポキシ樹脂及び硬化剤よりなる。該エポキシ樹脂
は、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラ
ック型、レゾール型等のグリシジルエーテル系;環状脂
肪族系、グリシジルエステル系、グリシジルアミン系、
複素環式エポキシ系エポキシ樹脂等の公知のエポキシ樹
脂が使用される。これらのエポキシ樹脂は、単独、また
は2種類以上を混合して用いることができる。また硬化
剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として公知なものが特に限
定されず使用できる。特に好適に使用できる代表的なも
のを例示すると、メンセンジアミン、イソフオロンジア
ミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメ
タン、ジアミノジフェニルスルホン、メチレンジアニリ
ン等のアミン類、無水フタル酸、無水トリメリット酸、
無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無
水フタル酸等の酸無水物;イミダゾール;ジシアンジア
ミド等の化合物系硬化剤、ポリアミド樹脂、フェノール
樹脂、尿素樹脂、等の樹脂系硬化剤を代表とする公知の
エポキシ樹脂用硬化剤である。該硬化剤添加量は、使用
するエポキシ樹脂の種類、使用する硬化剤の組み合わせ
により、それぞれ最適値が存在するが、一般に、上記樹
脂系硬化剤の場合は、エポキシ樹脂100重量部に対し、2
0〜50重量部が、また、化合物系硬化剤の場合はおおむ
ねエポキシ樹脂100重量部に対し、5〜40重量部が適当
である。
本発明の銅ペーストにおいて、これらエポキシ樹脂及
び硬化剤のよりなるエポキシ系バインダーの配合量は、
銅粉100重量部に対し、5〜25重量部が好適である。エ
ポキシ系バインダーの配合量が5重量部より少ないと、
得られる銅ペーストの流動性が悪く、印刷適正が低下
し、プリント配線板のスルーホール目詰めにおいて、目
詰めが不十分となる。また、上記配合量が、25重量部を
越えると、エポキシ系バインダーに対する銅粉の割合が
低下することにより、良好な導電性を有する硬化体を得
ることができない。
本発明の銅ペーストは、必要に応じて、上記硬化剤の
硬化を促進するための硬化促進剤を添加してもよい。例
えば、酸無水物系、ジシアンジアミド、フェノール樹
脂、芳香族アミン等の硬化剤に対し、第三アミン類やイ
ミダゾール類が好適に使用できる。
本発明において使用する、溶剤は、銅ペーストの粘度
を調節するためのものであり、公知のものが特に制限な
く使用される。例えば、トルエン、キシレン系の芳香族
炭化水素類;イソプロパノール、ブタノール等のアルコ
ール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;エ
チルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトー
ル類が挙げられる。有機溶剤はバインダーの種類等に応
じて単独、あるいは2種以上を混合して使用することが
できる。
本発明の銅ペーストは、粘度が10〜500ポイズ、好ま
しくは、100〜300ポイズ、チキソトロピー・インデック
スが1.1〜2、好ましくは、1.5〜1.8、流動曲線におけ
る半値幅が0.02〜0.07であることがきわめて重要であ
る。
上記銅ペーストの粘度が、上記範囲よりも大きい場合
は、銅ペーストが流れ易くなり、チキソトロピーインデ
ックス及び流動曲線の半値幅を前記範囲に調整しても、
スルーホールの目詰めにおいて、銅ペーストの垂れによ
り、スルーホール内を十分に充填することができない。
また、銅ペーストの粘度が該範囲より高い場合は、スク
リーン印刷が困難となり、作業性が著しく低下する。ま
た、銅ペーストのチキソトロピー・インデックスおよび
流動曲線の半値幅を上記範囲に調整することはスクリー
ン印刷法によりスルーホール目詰めを行う場合、特に重
要である。一般に、チキソトロピー性の目安として、チ
キソトロピー・インデックスが用いられるが、チキソト
ロピー・インデックスけずり応力の増加に伴う粘度の変
化を表示したものであり、必ずしもチシソトロピー・イ
ンデックス性を表す必要十分条件ではない。一方、チキ
ソトロピーの両派、第2図に示した流動曲線により囲ま
れた面積で評価されるものであるため、その簡便な評価
法として、流動曲線の半値幅を定義し、チキソトロピー
・インデックスと流動曲線の半値幅の両方でチキソトロ
ピー性を評価した。従って、本発明における良好な印刷
特性を有する銅ペーストを得るためには、チキソトロピ
ー・インデックスおよび流動曲線の半値幅の両方の要件
について、上記範囲に調整する必要がある。
チキソトロピー・インデックスおよび/又は流動曲線
の半値幅が上記範囲より小さい場合には、スクリーン印
刷後、銅ペーストの垂れ、流れ等を生じ、スルーホール
内を十分に充填することが出来ない。また、チキソトロ
ピー・インデックスおよび/又は流動曲線の半値幅が上
記範囲より大きい場合には、スクリーン印刷後の流動性
が不足し、スルーホール内に銅ペーストを十分に充填す
ることが困難となる。
エポキシ系バインダーを使用した銅ペーストにおい
て、かかる特性を有するものは、本発明により初めて見
い出されたものである。即ち、従来より、エポキシ系バ
インダーを使用した銅ペーストは、提案されていたが、
これらの銅ペーストは、銅粉の分散性が十分でなく、ま
た、分散剤の添加により、銅粉の分散性を向上させて
も、エポキシ系バインダーとの副反応により、チキソト
ロピー・インデックスが極端に大きくなったり、流動曲
線の半値幅が大きくなる等により、上記特性の銅ペース
ト提案されるに至っていない。また、従来の銅ペースト
にあっては、硬化が十分に起こらず導電性も低下する。
これに対して、本発明は、不飽和脂肪酸を選択し、更に
は、後記する特殊な処理により、各成分を混合すること
により、スルーホールの目詰めに最適な銅ペーストを完
成した。
本発明の銅ペーストには、その特性を著しく低下しな
い範囲で、銅ペーストにおいて公知の添加剤を配合して
もよい。かかる添加剤としては、例えば、防錆剤、消泡
剤、チキソトロピー化剤、レベリング剤、滑剤、還元剤
等が挙げられる。
本発明の銅ペーストの製造方法は、特に制限されるも
のではない。代表的な製造方法を例示すれば次の通りで
ある。例えば本発明の銅ペーストを構成する成分のう
ち、不飽和脂肪酸、重合禁止剤及び銅粉とを不活性雰囲
気下で予め混合し、エポキシ樹脂を上記の各成分とは別
に混合する方法である。この場合上記以外の成分、例え
ば混合剤、溶剤等は必要に応じて適宜混合すればよい。
上記銅ペースト製造方法において、不飽和脂肪酸、及
び重合禁止剤及び銅粉よりなる成分は不活性雰囲気下で
予め混合(以下、予備混合ともいう)することが重要で
ある。即ち、不飽和脂肪酸と銅粉を予備混合することに
より、該不飽和脂肪酸とエポキシ樹脂との反応を抑制す
ると共に、該銅粉の分散性を改良することが可能であ
る。従って、不飽和脂肪酸とエポキシ樹脂との副反応に
よって起こる、銅ペーストの流動曲線における半値幅の
増大を効果的に防止でき、良好な印刷特性が得られるば
かりでなく、エポキシ系バインダー樹脂の硬化が十分に
進行し、銅粉の分散性の向上効果と相乗的に作用して良
好な導電性を発揮する。上記予備混合においては、不飽
和脂肪酸と共に重合禁止剤を添加することが必要であ
る。これは、予備混合した後の不飽和脂肪酸の重合を抑
制するためであり、重合禁止剤を添加しない場合には、
予備混合後、銅粉表面で不飽和脂肪酸が自己重合し、硬
化絶縁皮膜が銅粉表面を覆うため、加熱硬化後に良好な
導電性が得られない。
また、上記予備混合において、エポキシ樹脂以外の成
分、例えば、硬化剤、溶剤或は、必要に応じて添加され
る他の添加剤は、同時に添加してもよい。更に、上記予
備混合は、不活性雰囲気下で行う必要がある。これは、
予備混合中の不飽和脂肪酸の酸化重合を抑制するためで
あり、酸素等を含む活性雰囲気中で予備混合を行うと、
重合禁止剤を添加しない場合と同様の理由で、加熱硬化
後に良好な導電性が得られない。
本発明において、予備混合及び、予備混合後のエポキ
シ樹脂との混合は、混合機能を有する公知の装置が特に
制限なく使用される。例えば、ヘンシェルミキサー、自
動乳鉢等の分散装置、ホモジナイザー等の粉砕機を用
い、不飽和脂肪酸、硬化剤、及び重合禁止剤より成る成
分の少なくとも不飽和脂肪酸と重合禁止剤とを含む成分
と銅粉とを不活性雰囲気下で予め混合した後、エポキシ
樹脂及びその他の添加剤を3本ロールミル、ボールミ
ル、サンドミル、フロージェットミキサー等を用いて混
合することが好ましい。上記方法において、硬化剤が樹
脂系硬化剤である場合は、エポキシ樹脂の混合時に混合
することが好ましい。
[発明の効果] 本発明の銅ペーストは、プリント配線板のスルーホー
ルの目詰めを行う場合でも、良好な印刷特性(取扱い
性)を有し、該スルーホール内に容易にかつ確実に充填
することができる。また、硬化時にスルーホール内での
ボイドの発生がなく、且つ硬化後、良好な導電性を有す
る硬化体を得ることができる。
本発明の銅ペーストは、プリント配線板のスルーホー
ルの目詰め用に限定されるものでなく、公知の銅ペース
トの用途等にも好適に使用できる。
[実施例] 以下に、実施例および比較例により、本発明を更に具
体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定さ
れるものではない。
実施例1〜3、比較例1〜2 表1、および表2に示した市販の工業用電解銅粉(樹
枝状銅粉)に、予め0.5wt%のB.H.T.を溶解させたリノ
ール酸を、銅粉表面積に対し、0.5×10-5mmol/cm2の割
合で配合し、窒素雰囲気下で15分間、乳鉢により予備混
合した。このようにして得た前処理銅粉100重量部に、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂12.6重量部、ノボラッ
ク型フェノール樹脂5.1重量部、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール0.5重量部を添加し、3本ロールミルで3
0分間混練して銅ペーストとした。銅ペーストの粘度
を、100〜300ポイズに調節するため、混練中に溶剤とし
てブチルセロソルブを適量添加した。
得られた銅ペーストの粘度測定を、東機産業(株)製
回転粘度計EMD−STEにて、ずり速度0.105〜20.1sec-1
条件で行った。粘度測定後、銅ペーストをガラスエポキ
シ基板上に、第3図、および第4図(スルーホール目詰
め)に示した回路パターンでスクリーン印刷法により印
刷した後、スルーホール目詰めパターンの場合は熱風乾
燥機で80℃,2時間の条件で乾燥し、各パターンとも、18
0℃に温調したIR炉で6分間で硬化した。硬化後、各回
路パターンの抵抗値を測定し、体積抵抗率、及びスルー
ホール抵抗を算出した。なお、スクリーン印刷の印刷性
は、次の5段階で相対的に評価した。すなわち、5:良好
(ニジミ、カスレ無し)、4:やや良好、3:印刷可(ニジ
ミ、カスレ僅かに有り)、2:不良(ニジミ、カスレ
大)、1:印刷不可(スクリーン版目詰まり)。粘度測
定、印刷性評価結果、及び抵抗測定結果を表4および表
5に示した。
実施例4〜5 表1、および表2に示した組成で、市販の粒状銅粉
(平均粒径10μm、実施例4)、フレーク状銅粉(平均
粒径10μm、実施例5)を用いた他は、実施例2と全く
同じ組成及び方法で銅ペーストを作成し、実施例2と全
く同じ一連の評価を行った。粘度測定、印刷性評価結
果、及び抵抗測定結果を表4および表5に示した。
実施例6〜7、比較例3、4 市販の工業用電解銅粉(樹枝状銅粉、平均粒径10μ
m、比表面積4200cm2/g)に、予め0.5wt%のB.H.T.を溶
解させたリノール酸を、表1および表2に示した割合で
配合した他は、実施例2と全く同じ組成及び方法で銅ペ
ーストを作成し、実施例2と全く同じ一連の評価を行っ
た。粘度測定、印刷性評価結果、及び抵抗測定結果を表
4、および表5に示した。
実施例8〜9、比較例5 市販の工業用電解銅粉(樹枝状銅粉、平均粒径10μ
m、比表面積4200cm2/g)に、予め0.5wt%のB.H.T.を溶
解させたリノレン酸(実施例8)、オレイン酸(実施例
9)ステアリン酸(比較例5)を、銅粉表面積に対し、
0.5×10-5mmol/cm2の割合で配合した他は、実施例2と
全く同じ組成及び方法で銅ペーストを作成し、実施例2
と全く同じ一連の評価を行った。粘度測定、印刷性評価
結果、及び抵抗測定結果を表4および表5に示した。
実施例10〜11、比較例6〜7 市販の工業用電解銅粉(樹枝状銅粉、平均粒径10μ
m、比表面積4200cm2/g)に、予め表1および表2に示
した配合量でB.H.T.を溶解させたリノール酸を、銅粉表
面積に対し、0.5×10-5mmol/cm2の割合で配合した他
は、実施例2と全く同じ組成及び方法で銅ペーストを作
成し、実施例2と全く同じ一連の評価を行った。粘度測
定、印刷性評価結果、及び抵抗測定結果を表4および表
5に示した。
実施例12〜13 市販の工業用電解銅粉(樹枝状銅粉、平均粒径10μ
m、比表面積4200cm2/g)に、予め0.5wt%のハイドロキ
ノン(実施例12)、メトキシキノン(実施例13)を溶解
させたリノール酸を、銅粉表面積に対し、0.5×10-5mmo
l/cm2の割合で配合した他は、実施例2と全く同じ組成
及び方法で銅ペーストを作成し、実施例2と全く同じ一
連の評価を行った。粘度測定、印刷性評価結果、及び抵
抗測定結果を表4および表5に示した。
実施例14〜15、比較例8〜9 市販の工業用電解銅粉(樹枝状銅粉、平均粒径10μ
m、比表面積4200cm2/g)に、予め0.5wt%のB.H.T.を溶
解させたリノール酸を、銅粉表面積に対し、0.5×10-5m
mol/cm2の割合で配合し、予備混合して得た前処理銅粉1
00重量部に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量
部にノボラック型フェノール樹脂40.4重量部を混合して
なるバインダーを、表3に示す割合で配合した他は、実
施例2と全く同じ組成及び方法で銅ペーストを作成し、
実施例2と全く同じ一連の評価を行った。粘度測定、印
刷性評価結果、及び抵抗測定結果を表4および表5に示
した。
実施例16〜19 市販の工業用電解銅粉(樹枝状銅粉、平均粒径10μ
m、比表面積4200cm2/g)に、予め0.5wt%のB.H.T.を溶
解させたリノール酸を、銅粉表面積に対し、0.5×10-5m
mol/cm2の割合で配合し、予備混合して得た前処理銅粉1
00重量部に、表3に示したバインダー17.7重量部を配合
し、実施例16、17については2−エチル−4−メチルイ
ミダゾールを除いた他は、実施例2と全く同じ組成及び
方法で銅ペーストを作成し、実施例2と全く同じ一連の
評価を行った。粘度測定、印刷性評価結果、及び抵抗測
定結果を表4および表5に示した。
実施例20、比較例10 市販の工業用電解銅粉(樹枝状銅粉、平均粒径10μ
m、比表面積4200cm2/g)に、予め0.5wt%のB.H.T.を溶
解させたリノール酸を、銅粉表面積に対し、0.5×10-5m
mol/cm2の割合で配合し、乳鉢を用い、窒素雰囲気下で
3分(比較例10)、30分(実施例20)予備混合して得た
前処理銅粉を用い、実施例2と全く同じ配合で銅ペース
トを作成した。、一連の評価は、実施例2と全く同じ内
容で行った。粘度測定、印刷性評価結果、及び抵抗測定
結果を表4および表5に示した。
比較例11〜12 市販の工業用電解銅粉(樹枝状銅粉、平均粒径10μ
m、比表面積4200cm2/g)に、予め0.5wt%のB.H.T.を溶
解させたリノール酸を、銅粉表面積に対し、0.5×10-5m
mol/cm2の割合で配合し、乳鉢を用い、窒素雰囲気下で5
0℃に加熱し、15分(比較例11)予備混合、或いは空気
中、室温で15分(比較例12)予備混合して得た前処理銅
粉を用い、実施例2と全く同じ配合で銅ペーストを作成
した。、一連の評価は、実施例2と全く同じ内容で行っ
た。粘度測定、印刷性評価結果、及び抵抗値測定結果を
表4および表5に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図はE型粘度計およびST型ロータの説明図。 第2図は、E型粘度計により測定された銅ペーストの流
動曲線。 第3図は、比較例および本発明実施例の体積抵抗率を測
定するためのスクリーン印刷回路パターン。 第4図は、比較例および本発明実施例のスルーホール抵
抗を測定するためのスルーホール基板。 第5図は、第4図の断面図を示す線図である。 図において、1はE型粘度計、2はST型ロータ、3はST
−2型カップ、4はスルーホール、5は銅箔、6は基板
をそれぞれ示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)平均粒径が1〜50μmの銅粉 b)該銅粉100重量部に対して5〜25重量部のエポキシ
    樹脂及び硬化剤とよりなるエポキシ系バインダー樹脂、 c)該銅粉の単位表面積当り0.1〜10-5〜1.0×10-5mmol
    /cm2の不飽和脂肪酸、 d)不飽和脂肪酸100重量部に対して、0.01〜5重量部
    の重合禁止剤、 及び e)溶剤 よりなり、粘度が10〜500ポイズ、チキソトロピー・イ
    ンデックスが1.1〜2.0、流動曲線における半値幅が0.02
    〜0.07である導電性銅ペースト組成物。
  2. 【請求項2】銅粉、エポキシ樹脂と硬化剤とより成るエ
    ポキシ系バインダー樹脂、不飽和脂肪酸、重合禁止剤及
    び溶剤とを混合して導電性銅ペースト組成物を製造する
    に際し、銅粉、不飽和脂肪酸及び重合禁止剤を予め混合
    し、エポキシ樹脂はこれらの各成分とは別に混合するこ
    とを特徴とする導電性銅ペースト組成物の製造方法。
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