JP5462984B1 - 導電ペースト、硬化物、電極、及び電子デバイス - Google Patents

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Abstract

本発明の1つの導電ペーストは、導電性フィラー(A)と、熱硬化性フェノール樹脂(B)と、不飽和脂肪酸(C)と、有機溶剤(D)と、を含有している。より具体的には、この導電ペーストの導電性フィラー(A)は、銅又は銅合金をコアとし、銀をシェルとし、該シェルの層厚が0.02μm以上であり、かつアスペクト比が2以上である平板状被覆粒子(a1)を、0.1体積%以上30体積%以下含んでいる。

Description

本発明は、導電ペースト、該導電ペーストより得られる硬化物、該硬化物からなる電極、及び電子デバイスに関する。
導電ペーストとは、一般的に、銀(Ag)や銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、カーボンブラック等の粒子状の導電性フィラーと、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性バインダー樹脂とを有機溶剤に配合してなる電気伝導性の組成物をいう。そして導電ペーストは、スクリーン印刷等により様々な形状の電極を容易かつ微細に形成できることから、種々の電子デバイスやエレクトロニクス製品において利用されている。
従来、電気伝導性に優れる導電性フィラーとしては、銅と銀が用いられてきた。しかしながら、銅は価格も安く汎用的である反面酸化されやすく、導電ペーストの電気伝導性を不安定にする問題がある。一方、銀は酸化されてもそのような問題をあまり生じないが、高価である。従って、一般的には、斯界では銀粒子と共に、又はこれに代えて、銅粒子を銀で被覆した複合化粒子が使用されることがある。
ところが、そうした複合化粒子を導電性フィラーとして用いた導電ペーストで電極を形成し、その上で電子部品をハンダ付しようとした場合、溶融はんだ金属の濡れ不良が生じる場合がある。この問題は、特に、スズ−銀−銅等の鉛フリーハンダ粉末を用いたソルダペーストにおいて顕著である。その理由は様々であるが、その原因の1つは、溶融ハンダ中のスズと電極中の複合化粒子とが反応して合金を形成し、ハンダ金属−電極間の界面エネルギーが高まる結果、溶融ハンダ金属が濡れ広がらなくなるためであると考えられている。
銀粒子や上述の複合化粒子を用いた導電ペーストにおけるハンダの濡れ不良を解消する方法として、特許文献1に記載のように、バインダー樹脂としての熱可塑性樹脂と、ガラス転移温度が60〜100℃程度の飽和ポリエステルとを用いることが知られている。
特開平6−295616号公報
しかし、以下に示す新たな着眼点に基づく本発明者の詳細な分析と検討により、熱可塑性樹脂をバインダーとする導電ペーストによっては濡れ不足が十分に解消されないことを本発明者は知見した。
まず、導電ペーストより得られる電極の内部は、相互に接触する形で独立して存在する導電フィラーの相と、その空隙を満たすバインダー樹脂からなる実質的な連続相とから構成される。
そして、図1は、ガラス基材の上に従来の導電ペースト(後述する比較例1に相当)を塗布し、硬化させた電極の上で、更にハンダペーストを溶融させたときの走査型電子顕微鏡(SEM)による断面像である。図1に示すように、溶融後のハンダ合金(白ヌキ部)を覆うようにフラックスが広がっている様子が確認できる。より具体的には、従来の導電ペーストからなる電極の上でソルダペーストを溶融させると、ハンダ金属を覆うように滲み出た液状のフラックスが電極内部へと浸透していき、バインダー樹脂と相溶する態様で取り込まれる。
ところが、ソルダペーストを構成するフラックスが電極内部に過度に取り込まれると、本来、表面にあってソルダペースト中のハンダ金属の表面酸化を抑制するはずの活性剤が減ってしまう、即ち、ハンダ金属の周縁領域から流失することとなるため、溶融ハンダ金属の濡れ不足が生じ得る。
図2は、従来の導電ペーストより得られる電極のSEM断面図である。図2に示すように、フラックスがバインダー樹脂相に取り込まれた結果、フラックスが独立した相を形成していることがわかる。このバインダー樹脂相は加熱によって硬化する熱硬化性フェノール樹脂から形成されているが、バインダー樹脂相が強固で硬い相であるにもかかわらず、フラックスの浸透を防ぎきれてない。この結果は、例えば、ポリエステル樹脂のように熱によって軟化する熱可塑性樹脂をバインダー樹脂として用いた場合には、フラックスの内部浸透をなおさら抑制できないことを示している。
一方、図3のSEM断面図で示されるように、従来の導電ペーストより得られる電極の上でソルダペーストを溶融させると、溶融したハンダ金属も電極内部へと浸透する。ただし、ある程度の浸透はハンダ接合部の強度を確保する上で必要不可欠なのであるが、あまりに深部へと溶融ハンダ金属が到達してしまうと、そのぶん、電極上の溶融ハンダの量が減少してしまう。
そうすると、図4で示すように、電極上で溶融ハンダ金属が謂わばハジかれたような状態となり(部分図(1)を参照。)、結果的に濡れ不良と判定される。このとき、ハンダが溶融するのは比較的高温時であるから、バインダー相が熱可塑性樹脂より構成される電極の場合には、軟化した樹脂内部への、溶融したハンダ金属の浸透が、いっそう加速されると考えられる。一方、電極上で溶融ハンダ金属が濡れ広がる場合には、そうしたハジキが生じず(部分図(2)を参照。)、ハンダ付けは良好とされる。
本発明は、溶融ハンダ金属とフラックスの内部浸透を効果的に抑制することにより、ハンダ濡れ性、すなわち導電ペーストにより形成される電極およびハンダ金属によって形成される電気的、機械的な接合性と電気伝導性とに優れる電極を各種基材の上に形成できる、新規な導電ペースト、該導電ペーストより得られる硬化物、該硬化物からなる電極、該電極を有する電子部品、及び該電子部品を備えた電子デバイスの提供に大きく貢献するものである。
本発明者は、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂)をバインダーとする導電ペーストにおいて、如何にして電極深部にフラックスや溶融ハンダ金属を到達させないようにするかについて鋭意研究に取り組んだ。その結果、特定形状の被覆粒子が、フラックス及び/又は溶融ハンダ金属の垂直方向への浸透を略水平方向に回避させ、過剰な浸透を抑制することを実現し得ることを見出した。また、本発明者は、一見有益に見えるその特定形状の被覆粒子の導入量が多すぎると、かえって、導電ペースト全体としての静的及び/又は動的な粘度の変動や作業性の悪化をもたらすことも同時に知見した。本発明者がさらに分析と検討を重ねた結果、その特定形状の被覆粒子を適度な範囲の量だけ加えることが、上述の各問題の解決に寄与することを知見した。また、特定の添加剤を採用することも、上述の各問題の解決に寄与することを知見した。
本発明の1つの導電ペーストは、導電性フィラー(A)と、熱硬化性フェノール樹脂(B)と、不飽和脂肪酸(C)と、有機溶剤(D)と、を含有している。より具体的には、この導電ペーストの導電性フィラー(A)は、銅又は銅合金をコアとし、銀をシェルとし、該シェルの層厚が0.02μm以上であり、かつアスペクト比が2以上である平板状被覆粒子(a1)を、0.1体積%以上30体積%以下含んでいる。
この導電ペーストによれば、電極深部へのフラックス及び/又は溶融ハンダ金属の到達を防止又は抑制することができる。加えて、この導電ペーストによれば、導電ペースト全体としての静的及び/又は動的な粘度の変動が抑制されるとともに、良好な作業性を維持することができる。なお、良好な作業性の具体的な一例として、スクリーン印刷の際のペーストの取扱いや、マスク版上へのペーストの展開が容易になる。さらに、スクリーン印刷の転写時においてスキージへの付着が抑制又は防止され得る。
なお、上述の導電ペーストにおいて、上述の平板状被覆粒子(a1)の球換算平均一次粒子径が0.1μm以上50μm以下であり、かつ、その平板状被覆粒子(a1)の99%累積粒度径D99が100μm以下であることは、好適な一態様である。
また、上述の導電ペーストにおいて、上述の導電性フィラー(A)が、さらに、銅をコアとし銀をシェルとするアスペクト比が2未満の球状被覆粒子(a2)及び/又は銅合金をコアとし銀をシェルとするアスペクト比が2未満の球状被覆粒子(a3)を含有することも、好適な他の一態様である。
また、上述の導電ペーストにおいて、上述の球状被覆粒子(a3)の銅合金をなす合金原子が、ニッケル及び/又は亜鉛であることも、好適な他の一態様である。
また、上述の導電ペーストにおいて、上述の球状被覆粒子(a3)の銅合金をなす合金原子の含有量が、30原子%以下であることも、好適な他の一態様である。
また、上述の導電ペーストにおいて、上述の熱硬化性フェノール樹脂(B)が、レゾール型フェノール樹脂であることも、好適な他の一態様である。
また、上述の導電ペーストにおいて、上述の不飽和脂肪酸(C)が、炭素数6以上20以下の不飽和脂肪酸であることも、好適な他の一態様である。
また、上述の導電ペーストにおいて、上述の(D)成分が、グリコールエーテル類及び/又はテルペノール類であることも、好適な他の一態様である。
また、上述の導電ペーストにおいて、上述の導電性フィラー(A)を100重量部(固形分換算)とした場合において、前記熱硬化性フェノール樹脂(B)、前記不飽和脂肪酸(C)、及び前記有機溶剤(D)の含有量が以下のとおりであることも、好適な他の一態様である。
上述の熱硬化性フェノール樹脂(B):3重量部以上30重量部以下
上述の不飽和脂肪酸(C):0.01重量部以上5重量部以下
上述の有機溶剤(D):3重量部以上50重量部以下
さらに、上述の導電ペーストを加熱硬化させることにより得られる硬化物、あるいは、その硬化物からなる電極も採用し得る好適な一態様である。
加えて、上述の硬化物上、又は上述の電極上に、ハンダペーストによってハンダ付けされた電子部品を載置する電子デバイスも、具体的な応用例として好適な一態様である。
なお、上述のハンダペーストに用いるハンダ粉末が、スズ系鉛フリーハンダ粉末であることは、他の好適な一態様である。
ところで、本願において「平板状被覆粒子」とは、当該粒子表面の一部が平面を必ず備えているという意味に限定されない。例えば、微視的に見れば曲面のみによって形成されている粒子であっても、巨視的に見たときに略平面であるといえる場合、あるいは、当該粒子の断面において略平坦な線が見られる場合も、本願における「平板状被覆粒子」に含まれる。また、本願において「球状被覆粒子」とは、当該粒子が真球状の粒子であるという意味に限定されない。例えば、アスペクト比2未満であれば、その断面において楕円形状、又は一部に略平坦な線が見られる楕円形状も、本願における「平板状被覆粒子」に含まれる。
本発明の導電ペーストによれば、フラックス及び/又は溶融ハンダ金属の、電極内部への浸透を防止又は抑制することができる。従って、本発明の導電ペーストによれば、電気伝導性が良好であり、かつ溶融ハンダの濡れ性にも優れる電極を、各種基材の上に形成することができる。
その結果、本発明の導電ペーストによれば、電気伝導性が良好であり、かつ溶融ハンダの濡れ性にも優れる電極を、各種基材の上に形成することができる。
ガラス基板の上に従来の導電ペースト(比較例1に相当)を塗布し、硬化させた電極の上で、更にハンダペーストを溶融させたときの走査型電子顕微鏡(SEM)による断面像である。 従来の導電ペースト(比較例1に相当)からなる電極の内部にフラックスが侵入し、バインダー樹脂と相溶した結果、島状のフラックス相が形成されている様子を示すSEM断面像である。 従来の導電ペースト(比較例1に相当)からなる電極の内部に溶融ハンダ金属が拡散浸透している様子を示すSEM断面像である。 図4中、写真(1)は、従来の導電ペースト(比較例1に相当)でハンダペーストを溶融させたときに濡れ不良(ハジキ)が生じている様子を示す光学写真である。また、写真(2)は、本実施形態の導電ペースト(実施例1に相当)からなる電極上で、溶融ハンダが綺麗に濡れ広がっている様子を示す光学写真である。 平板状被覆粒子(a1)の一次粒子の模式図である。 本実施形態に係る導電ペーストで形成された電極の内部への溶融ハンダ金属(この場合は専らスズ)の拡散浸透が、(a1)成分である平板状被覆粒子によって物理的に遮断されている様子を示すSEM断面像である。 図6の拡大図である。 図6における、カーケンダルボイドが発生している粒子群の拡大図である。 導電フィラーである(a3)成分として、銅−ニッケル−亜鉛合金をコアとし、銀をシェルとする被覆粒子を用いた導電ペースト(実施例17に対応)からなる電極の断面図である。
本実施形態の導電ペーストは、所定の平板状被覆粒子(a1)(以下、(a1)成分ともいう。)を含む導電性フィラー(A)(以下、(A)成分ともいう。)、熱硬化性フェノール樹脂(B)(以下、(B)成分ともいう。)及び不飽和脂肪酸(C)(以下、(C)成分ともいう。)を有機溶剤(D)(以下、(D)成分ともいう。)に配合した電気伝導性の組成物である。
本実施形態の(A)成分は、銅又は銅合金をコアとし銀をシェルとし、当該シェルの層厚が0.02μm以上であり、かつアスペクト比が2以上である平板状被覆粒子(a1)(以下、(a1)成分という。)を0.1体積%以上30体積%以下含む。なお、銅合金をなす合金原子としては、金、銀、スズ、ニッケル及び亜鉛等が挙げられる。また、銅合金をコアとする(a1)成分は、後述するカーケンダルボイドの現象が生じにくい。
図5は、平板状被覆粒子(a1)の一次粒子100の模式図である。(a1)成分は、銅又は銅合金をコア10とし、銀をシェル20とする被覆粒子である。この(a1)成分は、その形状ゆえに、本実施形態の導電ペーストより得られる電極中で、その一部または全部が基材の平面方向に対して略平行(少なくとも、垂直ではない)の位置をとる。なお、コア10を構成する材質は、銅それ自体であってもよく、銅と他の金属(例えば、金、銀、スズ、ニッケル、亜鉛等)との合金であってもよい。なお、腐食を防止する観点から言えば、合金種はニッケル(Ni)及び亜鉛(Zn)の群から選択される少なくとも1種であることが特に好ましい。また、(a1)成分のアスペクト比(以下、「AR」ともいう。)、即ち(a1)成分をなす一次粒子における最大長さをL、厚みをtとした場合においてその比(L/t)をアスペクト比と呼ぶ。
上述の(a1)成分が、本実施形態の導電ペーストより得られる電極中で、その一部または全部が基材の平面方向に対して略平行の位置に設けられる結果、図6や図7に示すように、本実施形態の導電ペーストを用いて形成された電極中へのハンダ合金元素(両図の場合にはスズ)の拡散浸透が物理的に遮断され得るため、電極上における溶融ハンダ金属の濡れ不良を防止又は抑制することが可能になる。より具体的には、本実施形態の平板状被覆粒子(a1)の存在により、フラックス及び/又は溶融ハンダ金属については垂直方向への浸透を略水平方向に回避させ、過剰な浸透を抑制することを実現し得ることが確認された。
さらに、興味深いことに、本発明者は、一見有益に見える平板状被覆粒子(a1)の導入量が多すぎると、かえって、導電ペースト全体としての静的及び/又は動的な粘度の変動や作業性の悪化をもたらすことも知見した。本発明者がさらに分析と検討を重ねた結果、導電性フィラー(A)は、平板状被覆粒子(a1)を、0.1体積%以上30体積%以下の範囲で含んでいることが、前述のフラックス又は溶融ハンダの浸透や、本実施形態の導電ペーストの粘度安定性、又はスクリーン印刷時の作業性等の問題を同時に解決し得ることも知見された。
図5中のtは、(a1)成分における、銀からなるシェルの平均的な層厚を意味しており、本実施形態の導電ペーストの電気導電性やハンダ金属の濡れ性等を考慮してすると、0.02μm以上であることが好ましく、0.05μm以上5μm以下であることがより好ましい。さらに好ましいシェルの平均的な層厚は、0.1μm以上1μm以下である。なお、銅又は銅合金をコアとし銀をシェルとし、アスペクト比が2以上となる平板状被覆粒子であっても、当該シェルの層厚が0.02μm未満のものを(a1)成分に代えて用いると、幾つかの面で好ましくない。具体的には、そのような層厚のシェルを採用すると、電極の電気抵抗が大きくなる場合がある。また、その電極内部へフラックスが浸透しやすくなり、さらにその電極上での溶融ハンダ金属の濡れ性も悪化し得る。
図5中のtは、(a1)成分における、コアをなす銅又は銅合金の粒子の厚みを意味しており、その値は特に限定されない。ただし、本実施形態の導電ペーストの印刷性、電気導電性やハンダ金属の濡れ性等を向上させる観点から言えば、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、約0.3μm以上約5μm以下であることがより好ましい。加えて、さらに好ましい銅又は銅合金の粒子の層みは、約0.5μm以上約3μm程度以下である。
上述のとおり、図5中のLは、(a1)成分をなす一次粒子における最大長さを意味し、tはその最大厚みを意味している。ここに、(a1)成分の表面を溶融ハンダ金属が伝う距離が長ければ長いほど、当該溶融ハンダ金属の電極深部への拡散浸透を効果的に防止できる。かかる観点より、Lは0.2μm以上であることが好ましく、約0.2μm以上約100μm以下であることがより好ましい。加えて、さらに好ましいLは、約2μm以上約50μm以下である。また、tは、0.1μm以上であることが好ましく、約0.1μm以上約10μm以下であることがより好ましい。加えて、さらに好ましいtは、約0.9μmμm以上約5μm以下である
本実施形態のL、t、t及びtのそれぞれの値は、以下の方法によって計測される。
(1)本実施形態の導電ペーストからなる硬化物または当該硬化物を用いて得られる電極を何らかの方法により機械的に切断する。
(2)その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察及び撮影する。
(3)得られた画像に出現している、(a1)成分を構成する、ある1つの平板状銀被覆粒子の断面領域より、L、t、tおよびtを少なくとも5箇所直接計測し、その平均値を求める。
上述のとおり、本実施形態において、(a1)成分はアスペクト比が2以上である。そのような(a1)成分を採用することにより、本実施形態の導電ペーストからなる電極内部への溶融ハンダ金属及び/又はフラックスの拡散浸透を効果的に抑制又は防止できるようになる。かかる観点より、(a1)成分のアスペクト比は、好ましくは約2以上約100以下であり、より好ましくは約2.2以上約20以下である。
ここで、本実施形態の代表的な(a1)成分のアスペクト比は、次のようにして求めることができる。
先ず、本実施形態に係る硬化物または電極を機械的に切断し、500倍程度のSEM断面画像を得る(図6参照)。次いで、当該画像を視野とし、その中からある1つの平板状銀被覆粒子((a1)成分)を特定する。その後、その(a1)成分のLとtより、当該ある1つの粒子のアスペクト比(AR)を求める。次いで、同様にして、異なる5以上の視野において、合計で少なくとも100個の平板状被覆粒子についてもアスペクト比、それらの相加平均を求めることにより、(a1)成分のアスペクト比を定める。
本実施形態の導電ペーストは、上述の所定のアスペクト比を有する(a1)成分を含む。従って、図6及び図7で示すように、当該ペーストからなる電極内部への溶融ハンダ金属(両図の場合には専らスズ合金)の拡散浸透を物理的に遮断することが可能となるため、当該電極上における溶融ハンダ金属の濡れ不良が改善される。
また、導電性フィラー(A)((A)成分)における平板状被覆粒子(a1)((a1)成分)の含有量は0.1体積%以上30体積%以下である。そのような体積比率を採用することにより、本実施形態の導電ペーストの経時的な粘度安定性が良好となり、当該導電ペーストより得られる電極内部への溶融ハンダ金属及び/又はフラックスの浸透が効果的に抑制されるようになる。その結果、当該電極のハンダ濡れ性と電気伝導性が高まる。かかる観点より、導電性フィラー(A)における平板状被覆粒子(a1)の含有量は、好ましくは0.3体積%以上30体積%以下であり、いっそう好ましくは0.5体積%以上30体積%以下である。
また、(a1)成分の粒子径は、格別限定されない。ただし、本実施形態では、導電ペーストの粘度や、これより得られる硬化物(塗膜)の表面の平滑性等を考慮すると、球換算平均一次粒子径が約0.1μm以上約50μm以下であることが好ましく、0.5μm以上30μm以下であることがより好ましい。加えて、さらに好ましい球換算平均一次粒子径は、約1.0μm以上約20μm以下である。また、(a1)成分の99%累積粒度径D99は、100μm以下であることが好ましく、70μm以下であることがより好ましい。加えて、さらに好ましい99%累積粒度径D99は、50μm以下である。なお、各粒径は、例えばレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、Leeds&Northrup社製 マイクロトラックFRA9220)等を用いて求めることができる。
(a1)成分は市販品を使用してもよいが、アトマイズ法やメッキ法等の各種公知の方法で製造できる。後者方法の場合には、例えば、以下の(X)、(Y)を行うことにより得られる。
(X)電解銅粉末若しくは電解銅合金粉末、還元銅粉末若しくは還元銅合金粉末、並びにアトマイズ銅粉末若しくはアトマイズ銅合金粉末等の原料銅粉末または原料銅合金粉末を、その一次粒子を前記厚みtの平板形状となるように各種機器により扁平加工する。
(Y)(X)の後、得られた平板状粒子を、電解メッキ法または無電解メッキ法により、銀メッキする。
なお、メッキ法によれば、原料となる球状の銅粉末または銅合金粉末の表面に存在する酸化皮膜をメッキプロセス中に除去できるだけでなく、その表面を銀によって比較的均一に且つ一様に被覆できる。その結果、銅の露出が少ない被覆粒子を得ることが可能となる。
また、(A)成分には必要に応じ、銅をコアとし銀をシェルとするアスペクト比が2未満の球状被覆粒子(a2)(以下、(a2)成分ともいう。)及び/又は銅合金をコアとし銀をシェルとするアスペクト比が2未満の球状被覆粒子(a3)(以下、(a3)成分ともいう。)を含めることも、採用し得る好適な他の一態様である。(a2)成分及び/又は(a3)成分を用いることにより、本実施形態の導電ペーストの粘度を調製したり、スクリーン印刷時の作業性等をコントロールしたりすることが可能となる。かかる観点より、(a2)成分と(a3)成分のアスペクト比はいずれも、約1以上約1.8以下であることが好ましく、約1以上約1.5以下であるのがさらに好ましくい。なお、かかるアスペクト比は、(a1)成分についてのそれと同様の方法で求めることができる。
また、(a3)成分の銅合金をなす合金原子の含有量は特に限定されないが、本実施形態の導電ペーストの電気伝導性を確保する目的において、合金原子の含有量は、30原子%以下であることが好ましく、20原子%以下であることがより好ましい。さらに好ましい合金原子の含有量は、15原子%以下である。
なお、(a3)成分を構成するコア粒子としては、銅−ニッケル合金粒子、銅−亜鉛ニッケル合金粒子、及び銅−ニッケル−亜鉛合金粒子からなる群より選ばれる1種が好ましい。よって、合金原子としてニッケル及び/又は亜鉛が選択されることは、コア粒子の耐食性を高め、なおかつ合金化による導電性の劣化を抑制する観点から好ましい。
また、上述の(a3)成分の銅合金を構成する合金原子の含有量は、特に限定されない。ただし、球状被覆粒子(a3)の銅合金をなす合金原子の含有量が、30原子%以下であることは、電気的接合部材として機能させ、良好な導電性をより確度高く得る観点から好適な他の一態様である。
また、(a3)成分の一例である、銅−ニッケル合金粒子における各原子の重量比率は特に限定されない。ただし、銅:ニッケルが、約99:約1〜約85:約15となる範囲を採用することが、本発明の導電ペーストの導電性や、当該ペーストの粘度安定性、さらには後述のカーケンダルボイドの抑制の観点から好ましい。また、(a3)成分の一例である、銅−亜鉛合金粒子における各原子の重量比率も特に限定されない。ただし、銅:亜鉛が、約99:約1〜約70:約30となる範囲を採用することが、ニッケルと同様に、導電性、粘度安定性、ボイド抑制の観点から好ましい。また、(a3)成分の一例である、銅−ニッケル−亜鉛合金粒子における各原子の重量比率も特に限定されない。ただし、銅:(ニッケル及び亜鉛)が、約99:約1〜約70:約30となる範囲を採用することが導電性、粘度安定性、ボイド抑制の観点から好ましい。
また、(A)成分における(a2)成分及び/又は(a3)成分の含有量は特に限定されない。ただし、本実施形態の導電ペーストの粘度安定性、当該導電ペーストより得られる電極のハンダ濡れ性及び電気伝導性、並びにスクリーン印刷時の作業性等の観点より、約70体積%以上約99.9体積%以下であることが好ましく、約80体積%以上約99.5体積%以下であることがより好ましい。また、さらに好ましい範囲は、約90体積%以上約99体積%以下である。
(a2)成分及び(a3)成分のそれぞれにおける、銀からなるシェルの層厚は特に限定されない。ただし、本実施形態の導電ペーストの粘度安定性、当該導電ペーストより得られる電極のハンダ濡れ性及び電気伝導性、並びにスクリーン印刷時の作業性等の観点より、約0.02μm以上約5μm以下であることが好ましく、約0.05μm以上約3μm以下であることがより好ましい。また、さらに好ましい範囲は、約0.1μm以上約1μm以下である。なお、かかる層厚は、(a1)成分についてのそれと同様の方法で求めることができる。
(a2)成分のコアの層厚(直径)と(a3)成分のコアの層厚(直径)も特に限定されない。ただし、本実施形態の導電ペーストの電気導電性や、当該ペーストからなる電極に対する溶融ハンダ金属の濡れ性等を考慮すると、いずれも約0.1μm以上約20μm以下であることが好ましく、約0.3μm以上約15μm以下であることがより好ましい。
(a2)成分及び(a3)成分は市販品を使用してもよいが、(a1)成分と同様の方法で製造することができる。
なお、(a2)成分は、銅をコア粒子とする銀被覆粒子である。そして、その銀と銅の界面に所謂カーケンダルボイドが生じることがある。ここにカーケンダルボイドとは、一般的には、ある金属と他の金属が接している拡散対において、前者の後者に対する拡散係数と、後者の前者に対する拡散係数とが相違することに起因して、当該接触界面にボイドが発生する現象をいう。
これを本実施形態の導電ペーストに当てはめると、当該ペーストから得られる電極の上で、例えばスズ系鉛フリーハンダ粉末を用いたハンダペーストを溶融させると、溶融ハンダ中のスズ原子と(a2)成分のコアをなす銅原子とが反応し、合金を形成する。このとき、銅原子の方がスズ原子よりも拡散速度が大きいため、銅原子が溶融ハンダ金属の方へとより多く質量移動する。その結果、図8に示すように、(a2)成分のコア−シェル界面にボイドが発生する場合がある。
一方、(a3)成分は、コア粒子が銅合金であるため、コア−シェル界面にカーケンダルボイドが発生し難い。また、(a3)成分を使用すると、本実施形態の導電ペーストからなる電極に対する溶融ハンダ金属の濡れ性が高まる利点もある。
図9は、(a3)成分のうち、銅−ニッケル−亜鉛合金粒子をコアとするものを用いた導電ペーストからなる電極の断面の拡大顕微鏡写真である。図9に示すように、コア−シェル界面にカーケンダルボイドが殆ど認められないことが確認できる。
なお、(a2)成分と(a3)成分を併用する場合、(a2)成分と(a3)成分の体積比は特に限定されない。ただし、本実施形態では、約1:約9〜約9:約1であることが好ましく、約2:約8〜約8:約2であることがより好ましい。また、さらに好ましい範囲は、約3:約7〜約7:約3である。
なお、(A)成分には、さらに、(a1)成分〜(a3)成分以外の導電性フィラー(以下、(a4)成分という。)を必要に応じて含めてもよい。具体的には、例えば銀粒子、銅粒子、ニッケル粒子、銅−ニッケル合金粒子、金粒子、これら金属の合金からなる粒子、ニッケル被覆銅粒子、銀及びニッケルで順に被覆された銅粒子、カーボン粒子等が挙げられる。また、(A)成分における(a4)成分の含有量も特に限定されない。ただし、(a1)成分、並びに(a2)成分及び/又は(a3)成分を100体積%とした場合において、0体積%以上約30体積%以下となる範囲を採用することが、本実施形態の導電ペーストからなる電極に対するハンダ金属の濡れ性、本実施形態の導電ペーストの導電性、(A)成分の耐腐食性等を向上させる観点から好ましい。
また、(B)成分は、本実施形態の導電ペーストより得られる電極中で(A)成分を固定しつつ、溶融ハンダと液状化フラックスの電極内部への拡散浸透を抑制する目的で使用される。(B)成分の一例として、各種公知の熱硬化性フェノール樹脂、例えばノボラック型フェノール樹脂やレゾール型フェノール樹脂等が特に制限なく使用され得る。なお、熱硬化性フェノール樹脂(B)が、レゾール型フェノール樹脂であることは、(A)成分の腐食を抑制し、本発明に係る硬化物を比較的低温で形成でき、当該硬化物の強度を適切なものとし、かつ当該硬化物と基材との密着性を改善する観点から好ましい。また、原料となるフェノール類の一例として、石炭酸、クレゾール、アミルフェノール、ビスフェノールA、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール等が挙げられる。また、ホルムアルデヒド類の一例として、ホルマリン、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
なお、(B)成分とともに、他の熱硬化性バインダー樹脂(以下、(B’)成分という。)を少量併用してもよい。そのような(B’)成分の一例は、熱硬化性のエポキシ樹脂や、メラミン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂等である。
また、(C)成分としては、各種公知の不飽和脂肪酸、例えばω−3、ω−6、ω−9等の不飽和脂肪酸が挙げられる。具体種としては、例えば、ステアリン酸、ソルビン酸、オレイン酸、リノール酸、ヒラゴ酸、エレオステアリン酸、プニカ酸、リノレン酸、モロクチ酸、アラキドン酸等が挙げられる。これらの中でも溶融ハンダの濡れ性等をより向上させ得る観点から、不飽和脂肪酸(C)の炭素数(但し、カルボキシル基の炭素を除く。)が約6以上約20以下であることが好ましく、16以上20以下の不飽和脂肪酸が好ましい。それらの中でも、特に、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。なお、(C)成分に代えて上述の炭素数が約6以上約20以下の飽和脂肪酸(例えばステアリン酸)を用いることは、本実施形態に係る導電性ペーストの粘度が経時的に増大しやすくなる傾向にあるため、好ましくない。
なお、(C)成分の使用により濡れ性が改善される理由は明らかでない。しかしながら、おそらく本実施形態の導電ペーストを加熱した際に、その不飽和結合が(B)成分に作用し、(B)成分からなる連続相の硬度が高まる結果、電極内部への液状化フラックスの拡散浸透を抑制できるためではないかと考えられる。
また、(D)成分としては、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール等の脂肪族アルコール類;ターピオネール等のテルペノール類;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ブチルカルビトール、ヘキシルカルビトール等のグリコールエーテル類;酢酸イソプロピル、プロピオン酸エチル、安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチル等のエステル類;n−ヘキサン、ドデカン、テトラデセン等の炭化水素類などが挙げられる。これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、(D)成分の中でも特に上述のグリコールエーテル類及び/又はテルペノール類を用いることは、本実施形態に係る導電性ペーストが経時的に増粘し難くなるため好ましい。特に、テルペノール類は、(B)成分と(C)成分が反応して生じる高分子量の樹脂を溶解すると考えられるため、本実施形態に係る導電性ペーストの増粘の抑制に有効である。
本実施形態の導電ペーストにおける(A)成分の含有量(即ち、フィラー成分の含有量。)は特に限定されないが、電気伝導性や基材との密着性等を考慮すると、(D)成分を除いたペースト全体を1体積分率としたときに、約0.3以上約0.7以下であることが好ましく、約0.4以上約0.65以下であることがより好ましい。さらに好ましい範囲は、約0.45以上約0.6以下である。
また、本実施形態の導電ペーストにおける(B)成分及び(C)成分の含有量(即ち、バインダー成分の含有量。)は特に限定されない。ただし、電気伝導性や基材との密着性等を考慮すると、(D)成分を除いたペースト全体を1体積分率としたときに、約0.7以上約0.3以下であることが好ましく、約0.65以上約0.4以下であることがより好ましい。さらに好ましい範囲は、約0.6以上約0.45以下である。
また、本実施形態の導電ペーストにおける(A)成分〜(D)成分の含有量は特に限定されないが、本実施形態の作用効果を好ましい程度にするうえで、通常、(A)成分を100重量部(固形分換算)とした場合において、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の含有量が以下のとおりとなるのが、当該ペーストの粘度安定性および印刷適性、ならびに当該ペーストからなる硬化物の導電性などの観点から好ましい。
(B)成分:約3重量部以上約30重量部以下、好ましくは約5重量部以上約20重量部以下
(C)成分:約0.01重量部以上約5重量部以下、好ましくは約0.03重量部以上約2.5重量部以下
(D)成分:約3重量部以上約50重量部以下、好ましくは約5重量部以上約30重量部以下
なお、本実施形態の導電ペーストには、必要に応じて、(B)成分の硬化促進剤((C)成分に相当するものを除く。)、チクソ剤、難燃化剤、粘度調整剤、レベリング剤、酸化防止剤、可塑剤、活性剤、カップリング剤等の添加剤を配合できる。例えば、カップリング剤は、本実施形態の導電ペーストと基材との密着性を高める目的で利用できる。カップリング剤の一例として、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、クロム系カップリング等が挙げられる。
本実施形態の導電ペーストは、上記各成分を、回転撹拌機やプラネタリー混練機、3本ロール等の公知器具により混練・混合することにより得ることができる。また、得られるペーストの粘度は特に限定されない。ただし、ブルックフィールド粘度計による10rpm(25℃)における値が約0.1Pa・s以上約300Pa・s以下となる範囲が採用されることが好ましい。
本実施形態の硬化物は、本実施形態の導電ペーストを各種基材に塗工し、加熱下に(D)成分を揮発させることによって得られる。加熱条件は特に限定されない。ただし、加熱温度は約130以上約200℃以下であることが好ましく、加熱時間は約0.2時間以上約2時間以下であることが好ましい。
基材の種類も、特に限定されない。本実施形態の導電ペーストは非焼結タイプのものであるため、チップコンデンサなどのセラミック電子部品用の電極としてセラミック素地を基材として適用できるばかりでなく、ガラス等の基材や、ガラスエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂基材等にも本実施形態の導電ペーストが適用できる。
塗工方法も特に限定されない。本実施形態の導電ペーストの用途やその粘度等によって、例えばスクリーン印刷やディスペンサー等の各種塗工手段を採用できる。なお、本実施形態の導電ペーストは重ね塗りすることにより厚膜化させることも可能である。
本実施形態の導電ペーストから得られる硬化物の形状も特に限定されない。例えば、その硬化物は、平面状(円状、多角形状等)、線状のいずれであってもよい。線状の硬化物の例としては、プリント配線基板上に線状に形成した配線回路等が挙げられる。
加えて、上述の実施形態の導電ペーストは、主に電子部品に直接塗布された電極として有用である。本実施形態の電子デバイスは、上述の硬化物上、又は上述の電極上に、ハンダペーストによってハンダ付けされた各種の電子部品を載置する。
ハンダペーストに用いるハンダ金属、鉛含有ハンダ、及び鉛フリーハンダのいずれであってもよい。鉛フリーハンダとしては、例えば、Sn−Pb系[Sn−35Pb等]、Sn−Ag系〔Sn−3.5Ag等〕、Sn−Cu系〔Sn−0.7Cu等〕、Sn−Ag−Cu系〔Sn−3Ag−0.5Cu等〕の鉛粉末を使用できる。すなわち、ハンダペーストに用いるハンダ粉末が、スズ系鉛フリーハンダ粉末であることは環境保全の観点から好適な一態様である。なお、これらハンダ粉末にはIn、Bi、Ge等の金属元素が含まれていてよい。
<実施例>
以下、各実施例を通じて本実施形態について具体的に説明するが、言うまでもなく、それらによって上述の実施形態の範囲は限定されない。なお、表1は、以下の実施例、及び比較例の諸条件の一覧表である。
<(A)成分の調製>
実施例1
表1に示すように、以下の(a1)成分を20体積%とし、(a2)成分を80体積%となるように混合することにより、(A)成分を調製した。
(a1)成分:市販の平板状銀被覆銅粉末(商品名「HP0420M1」、喜星金属製、銀シェル層厚約0.28μm、球換算平均一次粒子径約8μm、99%累積粒度径D99約40μm)
(a2)成分:球状の銀被覆銅粉末(商品名「1400Y」、三井金属鉱業(株)製;球換算平均一次粒子径約6μm、99%累積粒度径D99約12μm)
ついで、当該(A)成分を85部(うち、(a1)成分17部、及び(a2)成分68部)、(B)成分として市販レゾール型フェノール樹脂(商品名「BRL−275」、昭和高分子(株)製))を8.91部、(C)成分としてオレイン酸(和光純薬工業(株)製)を0.09部、並びに(D)成分であるジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、DEGAという。)を6部、プラネタリー混練機にてよく混合した。その後、さらに3本ロールにて混練することによって、導電ペーストを調製した。なお、当該導電ペーストにおける、(D)成分を除いた場合の(A)成分の体積%は、表1に示すように50.9%であった。また、(B)成分及び(C)成分の体積%は、49.1であった。
実施例2
実施例1において、オレイン酸に代えてリノール酸を使用した他は、実施例1と同様にして導電ペーストを調製した。
実施例3
実施例1において、オレイン酸に代えてリノレン酸を使用した他は、実施例1と同様にして導電ペーストを調製した。
実施例4
実施例1において、(a1)成分としてコアに対するシェルの厚みが0.15μmであり、球換算平均一次粒子径が約8μmであり、99%累積粒度径D99が約40μmである平板状銀被覆銅粒子を用いた他は、実施例1と同様にして導電ペーストを調製した。
実施例5
実施例1において、(a1)成分として、コアに対するシェルの厚みが0.5μmであり、球換算平均一次粒子径が約9μmであり、99%累積粒度径D99が約41μmである平板状銀被覆銅粒子を用いた他は、実施例1と同様にして導電ペーストを調製した。
実施例6
実施例1において、(a1)成分として、コアに対するシェルの厚みが0.75μmであり、球換算平均一次粒子径が約9μmであり、99%累積粒度径D99が約41μmである平板状銀被覆銅粒子を用いた他は、実施例1と同様にして導電ペーストを調製した。
実施例7〜8
実施例1において、(B)成分及び(C)成分の部数を表1で示すように変更した他は、実施例1と同様にして導電ペーストを調製した。
実施例9
実施例1において、(a1)成分として、コアに対するシェルの厚みが0.02μmであり、球換算粒子系が7μmであり、D99が40μmである平板状粒子を25部、(a2)成分として前記「1400Y」を60部用いた他は同様にして、導電ペーストを調製した。
実施例10〜12
実施例1において、用いる(A)成分を表1に示すものに変更した他は実施例1と同様にして、導電ペーストを調製した。
実施例13
実施例1において、以下の(a1)成分を10体積%とし、(a3)成分を90体積%
となるように混合することにより、(A)成分を調製した。
(a1)成分:市販の平板状銀被覆銅粉末(商品名「HP0420M1」)
(a3)成分:銅−ニッケル合金をコアとする球状の銀被覆粒子(シェル層の厚み約0.12μm、銅合金中のニッケルの含有量が14原子%、球換算平均一次粒子径約2μm、99%累積粒度径D99約8μm)
ついで、当該(A)成分を85部(うち、(a1)成分8.5部、および(a3)成分76.5部)、(B)成分として「BRL−275(商品名)」を8.91部、(C)成分としてオレイン酸を0.09部、ならびに(D)成分であるDEGAを6部、プラネタリー混練機にてよく混合した。その後、さらに3本ロールにて混練することによって、導電ペーストを調製した。
実施例14
実施例13において、(a3)成分として銅−ニッケル合金をコアとする球状の銀被覆粒子(シェル層の厚み約0.12μm、銅合金中のニッケルの含有量が6原子%、球換算平均一次粒子径約2μm、99%累積粒度径D99約8μm)を用いた他は、実施例13と同様にして、導電ペーストを調製した。
実施例15
実施例13において、(a3)成分として銅−ニッケル合金をコアとする球状の銀被覆粒子(シェル層の厚み約0.12μm、銅合金中のニッケルの含有量が1.3原子%、球換算平均一次粒子径約2μm、99%累積粒度径D99約8μm)を用いた他は、実施例13と同様にして、導電ペーストを調製した。
実施例16
実施例13において、(a3)成分として銅−亜鉛合金をコアとする球状の銀被覆粒子(シェル層の厚み約0.12μm、銅合金中の亜鉛の含有量が5.3原子%、球換算平均一次粒子径約2μm、99%累積粒度径D99約10μm)を用いた他は、実施例13と同様にして、導電ペーストを調製した。
実施例17
実施例13において、(a3)成分として銅−ニッケル−亜鉛合金をコアとする球状の銀被覆粒子(シェル層の厚み約0.12μm、銅合金中のニッケルおよび亜鉛の含有量がそれぞれ7.7原子%、6.9原子%、球換算平均一次粒子径約3μm、99%累積粒度径D99約9μm)を用いた他は、実施例13と同様にして、導電ペーストを調製した。
実施例18〜19
実施例13に示す(a3)成分を採用した上で、実施例1に示す(a2)成分を加え、それぞれ表1に示す割合に調整した他は、実施例13と同様にして、導電ペーストを調製した。
実施例20
実施例13に示す(a3)成分を採用し、(a4)成分として、市販の銀粒子(商品名:AGC−239、福田金属箔粉工業(株)製、平均一次粒子径約8μm、D99約40μm)を加えた上で、それぞれ表1に示す割合に調整した他は、実施例13と同様にして、導電ペーストを調製した。
実施例21
実施例13に示す(a3)成分を採用し、(a4)成分として前記「AGC−239」、および(D)成分として、DEGA6部及びターピオネール2部を加えた上で、それぞれ表1に示す割合に調整した他は、実施例13と同様にして、導電ペーストを調製した。
比較例1
実施例1において、(a1)成分及び(a2)成分の双方に代えて、市販の銀粒子(商品名:AGC−239、福田金属箔粉工業(株)製、平均一次粒子径約8μm、D99約40μm。表1中、(a4)成分として示す。)を用いた他は、実施例1と同様にして導電ペーストを調製した。
比較例2
実施例1において、(B)成分の量を9部に変更し、かつ(C)成分を使用しなかった他は、実施例1と同様にして、導電ペーストを調製した。
比較例3
実施例1において、(a1)成分に代えて、銀シェル層の厚みが0.009μmである市販の平板状銀被覆銅粒子(球換算平均一次粒子径約8μm、D99約40μm)を用いた他は、実施例1と同様にして、導電ペーストを調製した。
比較例4
実施例1において、(B)成分であるレゾール型フェノール樹脂に代えて、市販のエポキシ樹脂(商品名「jER828」、三菱樹脂(株)製)を用いた他は、実施例1と同様にして導電ペーストを調製した。
比較例5〜7
実施例1において、(a1)成分、(a2)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の使用量を表1で示すように変更した他は、実施例1と同様にして導電ペーストを調製した。
比較例8
実施例1において、(A)成分を85部(うち、(a1)成分0.05部、及び(a2)成分84.95部)、(B)成分として「BRL−275」を50.9部、(C)成分としてオレイン酸を0.09部、並びに(D)成分としてDEGAを6部、プラネタリー混練機にてよく混合した。その後、さらに3本ロールにて混練することによって、導電ペーストを調製した。なお、当該導電ペーストにおける、(D)成分を除いた場合の(A)成分の体積%は50.9%であった。また、(B)成分及び(C)成分の体積%は、49.1%であった。
<導電ペーストの粘度安定性の評価>
各実施例及び各比較例の各導電ペーストについて、調製直後の粘度と、25℃の恒温槽中で24時間保温した後の粘度とを、それぞれ市販のブルックフィールド方式粘度計(型式HBT)により測定し、以下に示す計算式に基づき、当該導電ペーストの増粘率を、以下の式により算出した。なお、測定は室温で行なった。
<計算式>
増粘率=〔(25℃、168時間保温後の10rpmでの粘度−導電ペースト調製直後の10rpmでの粘度)÷(導電ペースト調製直後の10rpmでの粘度)〕×100
なお、上述の保温条件は温度加速試験を意図したものであり、本試験における増粘率は、0℃以上10℃以下の環境下で六か月程度保管した後の増粘率を概ね再現していると考えられる。また、増粘率は、以下の指標に基づいて評価した。
◎(極めて良好):増粘率が20%未満
○(良好):増粘率が20%以上50%以下
△(不良):増粘率が50%超
表1に示すように、ターピオネールを含有する実施例21の導電ペーストが極めて粘度安定性に優れていることが確認された点は、特筆に値する。
<電極の作製>
各実施例と各比較例の導電ペーストをそれぞれガラス基板(長さ約77mm×幅約27mm×厚さ約1.5mm)上に、ステンシルマスク(長さ約35mm×幅約22mm×厚さ約0.2mm)を用いて印刷した。この処理によって得られたガラス基板を恒温槽に入れ、150℃で30分加熱し、溶剤を揮発させるとともに、バインダー樹脂を硬化させることによって、硬化物(電極)を作製した。
<電極の電気伝導性の評価>
各実施例と各比較例の各硬化物について、4端子(探針)法により室温における比抵抗を測定した。数値が小さいほど、電極の電気伝導性が良好であることを意味する。
<ハンダ付け、濡れ性評価>
実施例1に係る導電ペーストで形成した電極の上に、Sn−3Ag−0.5Cu合金のハンダペースト(商品名「VAPY LF219」、荒川化学工業(株)製)を、中央に6.5mmの孔のあるメタルステンシルマスク(長さ25×幅20×厚さ0.2mm)を用いて印刷した。次いで、大気中にて150℃で90秒間予備加熱し、更に240℃で本加熱することによりハンダを完全に溶融させた後、自然冷却させた。その後、ハンダ金属の濡れ広がりの様子を拡大鏡(10〜20倍)またはデジタルマイクロスコープ(100〜200倍)にて観察し、以下の基準で濡れ性を評価した。他の実施例及び比較例の電極についても同様にしてハンダ付を行い、それらの「濡れ性」を評価した。なお、「濡れ性」は、以下の指標に基づいて評価した。
○(良好):ハンダペーストが、ステンシル印刷した形状通りに溶融した。
△(限られた用途においては使用可能なレベル):ハンダ表面に凹凸が生じており、レベリング不良となった。
×(不良):電極上でハンダが凝集し、ハジかれた状態となった。
<溶融ハンダ金属とフラックスの浸透の評価>
各実施例及び各比較例のハンダ付け後のガラス基板を上面より観察し、溶融ハンダ金属とハンダフラックスの電極への浸透状態(拡散浸透)を目視にて観察した。また、各ガラス基板をクロスセクショナルポリッシング法によって切断し、走査型電子顕微鏡(倍率300〜10000)により観察することによっても、溶融ハンダ金属とハンダフラックスの電極への浸透状態を確認した。なお、「浸透性」は、以下の指標に基づいて評価した。
○(良好):ガラス基板裏面に至るハンダ金属、ハンダフラックスの浸透なし
△(限られた用途においては使用可能なレベル):ガラス基板裏面に至るハンダ金属の浸透あり
×(不良):ガラス基板裏面に至るハンダ金属とハンダフラックスの浸透あり
また、上述の走査型電子顕微鏡による倍率500倍の画像に基づき、本明細書で定めた方法に従い、実施例および比較例に係るそれぞれの電極の断面像より、(a1)成分、(a2)成分および(a3)成分のアスペクト比を求めた。
<(a3)成分におけるボイドの評価>
上述の走査型電子顕微鏡による倍率5000倍の画像に基づき、本明細書で定めた方法に従い、実施例および比較例に係るそれぞれの電極の断面像より、(a3)成分におけるボイドの観察を行った。なお、この「ボイド」は、以下の指標に基づいて評価した。
◎(極めて良好):断面SEM像において、銅合金粒子からなるコアの周縁部においてボイドが存在しない又は殆ど視認されない
〇(良好):断面SEM写真において、銅合金粒子からなるコアの周縁部においてボイドが僅かに視認される
上述の実施形態又は実施例の開示は、その実施形態又は実施例の説明のために記載したものであって、本発明を限定するために記載したものではない。加えて、上述の実施形態又は実施例の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
上述の実施形態、及び各実施例の導電ペーストは、主に電子部品の電極かプリント配線基板用の配線等の電極として有用である。また、他にも、焼付けタイプ及び非焼付けタイプの導電ペーストの種々の用途に適用し得る。例えば、コンデンサー外部電極、太陽電池用導電回路、ITOガラス電極、TOガラス電極、プリント回路のハンダ付導通部等に本実施形態の導電ペーストは適用可能である。
また、上述の各実施形態の導電ペーストを備える硬化物、電子部品、又は電子デバイスも、上述の各実施形態の導電ペーストと同様に、広範囲な用途に適用し得る。

Claims (13)

  1. 銅又は銅合金をコアとし、銀をシェルとし、該シェルの層厚が0.02μm以上であり、かつアスペクト比が2以上である平板状被覆粒子(a1)を、0.1体積%以上30体積%以下含む導電性フィラー(脂肪酸によって被覆されているものを除く)(A)と、
    熱硬化性フェノール樹脂(B)と、
    不飽和脂肪酸(C)と、
    有機溶剤(D)と、を含有する、
    導電ペースト。
  2. 前記平板状被覆粒子(a1)の球換算平均一次粒子径が0.1μm以上50μm以下であり、かつ、前記平板状被覆粒子(a1)の99%累積粒度径D99が100μm以下である、
    請求項1に記載の導電ペースト。
  3. 前記導電性フィラー(A)が、さらに、銅をコアとし銀をシェルとするアスペクト比が2未満の球状被覆粒子(a2)及び/又は銅合金をコアとし銀をシェルとするアスペクト比が2未満の球状被覆粒子(a3)を含有する、
    請求項1又は請求項2に記載の導電ペースト。
  4. 前記球状被覆粒子(a3)の銅合金をなす合金原子が、ニッケル及び/又は亜鉛である、
    請求項3に記載の導電ペースト。
  5. 前記球状被覆粒子(a3)の銅合金をなす合金原子の含有量が、30原子%以下である、
    請求項3又は請求項4に記載の導電ペースト。
  6. 前記熱硬化性フェノール樹脂(B)が、レゾール型フェノール樹脂である、
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の導電ペースト。
  7. 前記不飽和脂肪酸(C)が、炭素数6以上20以下の不飽和脂肪酸である、
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の導電ペースト。
  8. (D)成分が、グリコールエーテル及び/又はテルペノールである、
    請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の導電ペースト。
  9. 前記導電性フィラー(A)を100重量部(固形分換算)とした場合において、前記熱硬化性フェノール樹脂(B)、前記不飽和脂肪酸(C)、及び前記有機溶剤(D)の含有量が以下のとおりである、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の導電ペースト。
    前記熱硬化性フェノール樹脂(B):3重量部以上30重量部以下
    前記不飽和脂肪酸(C):0.01重量部以上5重量部以下
    前記有機溶剤(D):3重量部以上50重量部以下
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の導電ペーストを加熱硬化させることにより得られる、
    硬化物。
  11. 請求項10に記載の硬化物からなる、
    電極。
  12. 請求項10に記載の前記硬化物上、又は請求項11に記載の前記電極上に、ハンダペーストによってハンダ付けされた電子部品を載置する、
    電子デバイス。
  13. 前記ハンダペーストに用いるハンダ粉末が、スズ系鉛フリーハンダ粉末である、
    請求項12に記載の電子デバイス。
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