JP6717656B2 - 橋梁拡幅工法 - Google Patents

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Description

本発明は、RC床版橋の拡幅を図る橋梁拡幅工法に関する。
橋梁として、鉄道橋のほか道路橋がある。後者の道路橋において拡幅が必要な場合がある。その場合、交通遮断や走行規制をすることなく、既設床版において一般車の走行を許容しながら拡幅する方法を採ることの要請が高い。
従来は、既設床版での車両走行による活荷重およびそれに伴う振動を考慮して、既設床版に対し、新設床版を離隔して設置する方法を採るのが一般である。
この従来の道路及び道路橋の拡幅例を、図1〜図4を参照しながら説明する。
まず、図1のように、(1)橋梁の前後の道路1及び2の拡幅を行うものである。道路橋3の既設床版11は、その自重及び車両走行による活荷重が作用し中央部が下方に撓み、車両走行の都度、振動が生じる。
次に、図2のように、(2)既設床版11から離隔して、新設の一次床版12の型枠と鉄筋を設置する。この場合、一次床版12の型枠と鉄筋は、型枠支保工4(矢印で概念的に図示した。)により支保して、一次床版12の型枠の平面維持を図る。
その後、(3)この状態で、一次床版12の型枠内にコンクリート打設を行い、所定の強度が発現するまで養生を図る。
次いで、型枠支保工4による支保を解放する。これによって、図3のように、一次床版12は自重により下方に撓む。
最後に、図4のように(4)それぞれ下方に撓んでいる既設床版11と一次床版12との間に二次床版13の型枠を設置し、その内部にコンクリート打設を行い、その養生を図る。
最終的に、(5)所定の強度の発現を待って拡幅橋部分の供用を行う。
この従来例では、一次床版12内へのコンクリート打設後に、その強度発現を待ってから型枠支保工4を撤去して自重を開放し、さらにその後のクリープや乾燥収縮がある程度収まるのを待つ必要があるために、二次床版13内部へのコンクリート打設開始時点まで、通常は3か月程度要している。
特許第3806951号公報
しかし、可能な限り早急に供用したいとの要望は多い。
そこで、本発明の主たる課題は、既設床版側からの影響を防止しながら、工期の短縮を図ることができる拡幅工法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、橋台又は橋脚間上に跨がってコンクリート床版が配置された橋梁の拡幅に際し、
既設床版の少なくとも新設床版側を、上向きに荷重をかけて保持するプレロード工程、
拡幅用新設床版の型枠を、前記既設床版に隣接させて、そのレベルを前記プレロード工程における既設床版の保持レベルと実質的に同一に保持する保持工程、
保持工程と共に又は保持工程後に拡幅用新設床版の型枠内にコンクリート打設を行う新設床版形成工程、
前記新設床版形成工程後に、前記既設床版の保持及び前記新設床版の保持を解放する保持解放工程、
を有して橋梁の拡幅を図る工法である。
前述のように、道路橋3の既設床版11には、その自重が作用することにより下方に撓む。また、拡幅工事過程で例えば車両交通を許容する場合には、車両走行による活荷重が作用し、車両走行の都度、振動が生じる。その結果、仮に、既設床版11に新設床版を隣接して設置しコンクリート打設を行うと、車両走行の都度、生じた振動が新設床版側に伝搬し、コンクリート打設・養生過程でコンクリート版の品質に悪影響を与えることがある。
しかるに、本発明では、既設床版の少なくとも新設床版側を、上向きに荷重をかけて保持するプレロード工程を有する。したがって、拡幅工事過程で例えば車両交通を許容する場合であっても、車両走行による活荷重が作用して振動が生じ、その影響が新設床版側へ伝搬することを防止できる。
他方で、本発明は、拡幅用新設床版の型枠を、前記既設床版に隣接させて、そのレベルを前記プレロード工程における既設床版の保持レベルと実質的に同一に保持し、この保持工程後に拡幅用新設床版の型枠内にコンクリート打設を行うことにより新設床版を形成する工程を有する。
したがって、新設床版形成工程後に、前記既設床版の保持及び前記新設床版の保持を解放する段階でも同様に下方に撓み、道路面の均一性を保持できる。
本発明において、前記既設床版と前記新設床版とに跨がる根太材により支保するとともに、その支保部が橋の長手方向に複数ある形態を採るのが望ましい。
既設床版と新設床版とに跨がる根太材により支保すると、既設床版から新設床版への振動に、新設床版が追従するようになり、既設床版のプレロードと、並びに既設床版及び新設床版の実質的な同一レベルの保持との組み合せ効果が顕著に現われることになる。
前記既設床版と前記新設床版とに跨がる根太材により支保するとともに、その支保部が橋の長手方向に複数あり、
既設床版の少なくとも新設床版側を、上向きに荷重をかけて保持するプレロード工程において、前記根太材の複数を支承する保持材の下方からジャッキアップしてプレロードを図る形態が好適である。
プレロードと、既設床版と新設床版とに跨がる根太材による支保とを、それぞれ別に行うことも可能であるが、前記根太材の複数を支承する保持材の下方からジャッキアップしてプレロードを図るようにすると、プレロード過程及び新設床版の設置・コンクリート打設・養生過程における既設床版と新設床版との一体性を高め相手側への影響を極力防止でき、新設床版形成工程後に、既設床版の保持及び新設床版の保持を解放する段階で、一体性の高い道路を形成できる。
新設床版形成工程後において、地覆及び高欄を形成することができる。
以上のとおり、本発明によれば、二次床版の設置を行わないので、従来例のように、一次床版12の型枠内へのコンクリート打設後に、その強度発現を待って二次床版の型枠内へのコンクリート打設時点までに要する期間の必要がなく、施工期間を短縮できるとともに、その短縮期間が占める全施工期間に対して占める割合には大きなものがある。その結果、橋梁の全面供用を早期に開始できるようになる。
従来例の第1の段階の斜視図である。 従来例の第2の段階の斜視図である。 従来例の第3の段階の斜視図である。 従来例の第4の段階の斜視図である。 本発明例の第1の段階の斜視図である。 本発明例の第2の段階の斜視図である。 本発明例の第3の段階の斜視図である。 本発明例の第4の段階の斜視図である。 本発明の施工例の平面図である。 図9のX−X線矢視図である。 図9のY−Y矢視図である。 従来例の工期(a)と本発明の施工例の工期(b)の比較説明図である。
次に、発明を実施するための形態を説明する。
本発明例を図5〜図8によって説明する。ただし、これは概要を説明するものである。
例えば高速道路のインターチェンジにおける橋梁の例である。
本発明は、新設又は既設を問われることなく、橋台6,6又は橋脚間上に跨がってコンクリート床版が配置された橋梁の拡幅に係るものである。図示の例では、橋脚は設けられておらず、橋台6,6間にコンクリート床版が設けられている。橋脚がある場合には、その橋脚と橋台との間に跨がって、あるいは橋脚間に跨がって、あるいは橋台と橋脚の上を連続して跨ってコンクリート床版が配置される。
本発明例では、下方に撓んでいる既設床版11の少なくとも新設床版側を、たとえば型枠合板や根太材などを挟み込んだうえで、ジャッキにより上向きに荷重をかけて、例えばジャッキアップして保持するプレロード工程を有する。図5はプレロード工程前で、既設床版11は破線に対しての偏位で示すように下方に撓んでいる。図6はジャッキアップ5によるプレロード工程状態を示している。
次に、図7に示すように、拡幅用新設床版12の型枠を、既設床版11に隣接させて、そのレベルをプレロードしている既設床版の保持レベルと実質的に同一に保持する。この保持工程では、例えば適宜の支保部材を利用して行う。符号4は型枠支保工を示しており、新設床版12の下方への撓みを防止するものであるから、上向き矢印で示したものである。
好適にはこの保持工程と共に、又は保持工程後に拡幅用新設床版12の型枠内に鉄筋を配筋したうえでコンクリート打設を行う新設床版形成工程を有する。
さらに、前記新設床版形成工程後に、既設床版11の保持及び新設床版12の保持を解放する保持解放工程を有する。
必要により、新設床版形成工程前もしくは工程中、又は好適には新設床版形成工程後において、地覆及び高欄を形成する。これをコンクリート壁とする場合には、鉄筋、型枠の組立て、コンクリート打設及び養生のステップを有する。
地覆及び高欄の施工時期は適宜選定すればよいが、コンクリート壁とする場合には、新設床版を形成し、地覆及び高欄の養生を待って、既設床版11の保持及び新設床版12の保持を解放するのが望ましい。
続いて、プレロード工程における既設床版11のプレロード例、及び保持工程における既設床版11及び新設床版12の保持例を図9以下において図示した。
図示例は、橋台6、6間に橋脚7を有する例である。図9及び図10を参照すると、既設床版11は、その内部に鋼管パイプ11bが設けられ、その内部は空洞となっており、鋼管パイプ11bの外部においては鉄筋(図示せず)が配筋され、コンクリート(図示せず)が打設されているものである。
この既設床版11に隣接して、新設床版12が設けられる。この新設床版12においても、その内部に鋼管パイプ12bが設けられ、鉄筋(図示せず)が配筋され、コンクリート(図示せず)が打設されるものである。
さらに、図11をも参照すると、図示例においては、既設床版11と新設床版12とを、これらに跨がる根太材14、14…により支保するとともに、その支保部としての根太材14が橋の長手方向(橋軸方向)に間隔を置いて複数設ける形態を採るのが望ましい。
既設床版11と新設床版12とに跨がる根太材14、14…により支保すると、既設床版11から新設床版12への振動に、新設床版12が追従するようになる。
この場合、既設床版11のプレロードを別に行うことも可能であるが、望ましくは既設床版11のプレロードを併せて行う。すなわち、既設床版11のプレロードと、並びに既設床版11及び新設床版12の実質的な同一レベルの保持とを併せて行うと、既設床版11から新設床版12への振動に新設床版12が追従して振動するようになり、例えば新設床版12のコンクリート打設における特に若材齢時期における影響を極力抑止でき、ひび割れ等の問題発生を防止できる。
具体例では、このために、新設床版12側においては支持台15上に支保組み16を設けるとともに、新設床版12の下方に配置した角管などからなる根太材14、14…を、通り方向に配置した角管などからなる大引17を支保組み16により支持することにより、新設床版12を支保している。この支保は、図7に基づいて説明した支保工4に該当する。
図10に示すように、既設床版11側においては、支持台18上に通り方向に配置した形鋼などからなる通し材19が配置され、その上に適宜数のジャッキ20を設置し、既設床版11の新設床版12側の側縁部下方に、前記根太材14、14…の端部を延在して配置し、その端部を通り方向に配置した角管などからなる大引21により支持することにより、既設床版11を支持している。
ジャッキ20群により大引21を持ち上げ、根太材14を介して既設床版11にプレロードを与える。ジャッキ20によるこのプレロードは、図6に基づいて説明したジャッキアップ5に該当する。
既設床版11に対するプレロードは、例えば、支持がない場合の死荷重による下方への撓みを打ち消す程度とすることができる。
前述のように、新設床版形成工程前もしくは工程中、又は好適にはコンクリート打設及び養生により新設床版12を形成した後において、地覆及び高欄22を形成することができる。新設床版12の端部は、別の支保工16Aにより支保できる。なお、符号23は仮設壁である。
本発明者らは、本発明に従うと、図12(b)のように、図12(a)の従来例と比較して工期の短縮及び早急な道路供用を行うことができることを知見している。
上記例のプレロード工程は、既設床版の新設床版側のみを、上向きに荷重をかけて保持するものである。これを選択した理由は、計画段階でのシミュレーションにおいて、既設床版の新設床版側のみを上向きに荷重をかけて保持すれば足りることを知見したことに拠っている。しかるに、本発明に係るプレロード工程において、既設床版の新設床版側のみならず、反対側においても上向きに荷重をかけて保持することができるものである。
1、2…道路、3…橋梁、4…型枠支保工、5…ジャッキアップ、6…橋台、7…橋脚、11…既設床版、12…新設床版、14…根太材、17…大引、20…ジャッキ、21…大引、22…高欄。

Claims (3)

  1. 橋台又は橋脚間上に跨がってコンクリート床版が配置された橋梁の拡幅に際し、
    既設床版の少なくとも新設床版側を、上向きに荷重をかけて保持するプレロード工程、
    拡幅用新設床版の型枠を、前記既設床版に隣接させて、そのレベルを前記プレロード工程における既設床版の保持レベルと同一に保持する保持工程、
    保持工程と共に又は保持工程後に拡幅用新設床版の型枠内にコンクリート打設を行う新設床版形成工程、
    前記新設床版形成工程後に、前記既設床版の保持及び前記新設床版の保持を解放する保持解放工程、
    を有することを特徴とする橋梁拡幅工法。
  2. 橋軸方向と直角方向に延在する根太材が、前記既設床版と前記新設床版とに、それらの下方において跨がり、かつ前記根太材が橋軸方向に複数設けられて、前記既設床版及び前記新設床版を支保するとともに、
    前記既設床版の少なくとも新設床版側を上向きに荷重をかけて保持する前記プレロード工程において、前記根太材の橋軸方向の複数を支承する保持材の下方からジャッキアップしてプレロードを図る請求項1に記載の橋梁拡幅工法。
  3. 新設床版形成工程後において、地覆及び高欄を形成する請求項1に記載の橋梁拡幅工法。
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