JP2013237989A - 橋梁の再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】橋梁下の流れを確保した状態で、既設の橋梁を再生する方法を提供する。
【解決手段】橋台aと橋台aなどの間に上向きに凸のアーチ型にアーチ型支持枠1を設置する。このアーチ型支持枠1の上面と、既設の橋梁Aの下面で遮断予定空間を形成し、この遮断予定空間の少なくとも谷側の鉛直面を遮蔽する状態で、橋梁Aの谷側に橋梁Aの中心軸と平行に遮断壁3を形成する。この遮断壁3とアーチ型支持枠1の上面と既設の橋梁Aの下面と、橋台a等の内側面で包囲した空間の内部に固結材を充填して行う。
【選択図】図3
【解決手段】橋台aと橋台aなどの間に上向きに凸のアーチ型にアーチ型支持枠1を設置する。このアーチ型支持枠1の上面と、既設の橋梁Aの下面で遮断予定空間を形成し、この遮断予定空間の少なくとも谷側の鉛直面を遮蔽する状態で、橋梁Aの谷側に橋梁Aの中心軸と平行に遮断壁3を形成する。この遮断壁3とアーチ型支持枠1の上面と既設の橋梁Aの下面と、橋台a等の内側面で包囲した空間の内部に固結材を充填して行う。
【選択図】図3
Description
本発明は橋梁を再生する方法に関するものである。
我が国で山間部に設置したような小規模な橋梁において、その架け替えや補修が必要とされているものは、架設の時期からみて数十万件に及ぶと言われている。
そのような橋梁の補強、改修の技術としては、強化繊維シートを張り付けるような耐震補強方法が知られている。(特許文献1)
あるいは、橋梁の高欄や表面舗装、床版、支承といった、橋梁の構造の一部を改修、補強する方法が知られている。(特許文献2)
さらに、老朽化した橋梁はいったんすべてを解体してしまい、新たな橋梁をかけ直す方法も採用されている。
そのような橋梁の補強、改修の技術としては、強化繊維シートを張り付けるような耐震補強方法が知られている。(特許文献1)
あるいは、橋梁の高欄や表面舗装、床版、支承といった、橋梁の構造の一部を改修、補強する方法が知られている。(特許文献2)
さらに、老朽化した橋梁はいったんすべてを解体してしまい、新たな橋梁をかけ直す方法も採用されている。
前記した従来の橋梁の補修方法にあっては、次のような問題点がある。
<1>一般に採用されているのは、特許文献に挙げたように、橋梁の一部の改修、補強であり、橋梁全体を対象としたものは見つからない。
<2>実際に現場で採用されている改修、補強工法では、橋梁上の通行を止めたり、一部を制限する方法であって、周辺の環境や経済活動に大きな影響を及ぼす。
<3>特に、老朽化した橋梁をいったん解体して、あらたな橋梁をかけ直す方法では、長期間にわたって通行が不可能となったり、仮の桟橋を仮設するなど、利用者や発注者に大きな負担がかかっている。
<4>その点を解決した、本件発明者による発明が特許文献3として開示する。しかし元来橋梁は山側からの流水が集まった流れの上に架設するものであり、特許文献3記載の発明では橋梁下の流れに対する対策が不十分であった。
<5>またその問題とは別に、固結材が一般の土砂と比較すれば高価であるので、特許文献3に示す方法において、固結材の使用量を減らせば、さらに採用されやすい工法であると考えられる。
<1>一般に採用されているのは、特許文献に挙げたように、橋梁の一部の改修、補強であり、橋梁全体を対象としたものは見つからない。
<2>実際に現場で採用されている改修、補強工法では、橋梁上の通行を止めたり、一部を制限する方法であって、周辺の環境や経済活動に大きな影響を及ぼす。
<3>特に、老朽化した橋梁をいったん解体して、あらたな橋梁をかけ直す方法では、長期間にわたって通行が不可能となったり、仮の桟橋を仮設するなど、利用者や発注者に大きな負担がかかっている。
<4>その点を解決した、本件発明者による発明が特許文献3として開示する。しかし元来橋梁は山側からの流水が集まった流れの上に架設するものであり、特許文献3記載の発明では橋梁下の流れに対する対策が不十分であった。
<5>またその問題とは別に、固結材が一般の土砂と比較すれば高価であるので、特許文献3に示す方法において、固結材の使用量を減らせば、さらに採用されやすい工法であると考えられる。
上記のような課題を解決するために、本発明の橋梁の再生方法は、橋台と橋台、あるいは橋台と橋脚、橋脚と橋脚の間に床板をかけ渡した既設の橋梁において、前記の橋台と橋台などの間に上向きに凸のアーチ型にアーチ型支持枠を設置し、既設の橋梁少なくとも谷側の鉛直面を遮蔽する状態で、橋梁の谷側に、橋梁の中心軸と平行に遮断壁を形成し、この遮断壁とアーチ型支持枠の上面と既設の橋梁の下面と、橋台等の内側面で包囲した空間の内部に固結材を充填して行うことを特徴としたものである。
さらに本発明の橋梁の再生方法は、橋台と橋台、あるいは橋台と橋脚、橋脚と橋脚との間に床板をかけ渡した既設の橋梁において、前記の橋台と橋台などの間に上向きに凸のアーチ型にアーチ型支持枠を設置し、このアーチ型支持枠を、平面視で橋梁の外側まで張り出して設置し、このアーチ型支持枠の張出端部に接して少なくとも橋梁の谷側に遮断壁を構築し、この遮断壁の橋梁側の空間の内部、および、遮断壁とアーチ型支持枠の上面と既設の橋梁の下面と、橋台等の内側面で包囲した空間の内部に、橋梁の床版付近まで固結材を充填して行うことを特徴としたものである。
さらに本発明の橋梁の再生方法は、橋台と橋台、あるいは橋台と橋脚、橋脚と橋脚との間に床板をかけ渡した既設の橋梁において、前記の橋台と橋台などの間に、上向きに凸に形成したアーチ型支持枠の下端を水平材で連結した自立型のアーチ型支持枠を設置し、この自立型アーチ型支持枠の張り出し端部に接して少なくとも橋梁の谷側に遮断壁を構築し、この遮断壁の橋梁側の空間の内部、および、遮断壁と自立型アーチ型支持枠の上面と既設の橋梁の下面と、橋台等の内側面で包囲した空間の内部に、固結材を充填して行うことを特徴としたものである。
本発明の橋梁の再生方法は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<1>橋梁の一部を補修したり、補強するのではなく、橋梁全体を再生することができる。
<2>老朽化した橋梁全体を、解体せずそのままの状態を保持したまま再生する方法ことができる。
<3>橋梁全体を補修する方法でありながら、再生工事中には現状の交通にほとんど影響を与えないので、周辺の経済環境を乱すことがない。
<4>老朽化した橋梁をいったん解体して再度、新たな橋梁を架設するのと同様の効果を得られながら、大幅なコスト削減を期待できる。
<5>橋梁の幅員を増加する場合にも、現在の橋梁上の交通にほとんど影響を与えずに行うことができる。
<6>アーチ型支持枠の下部の空間に形成した流路空間には固結材を充填する必要がないから、一般の土砂と比較して高価である固結材の使用量を大幅に減少させることができる。
<1>橋梁の一部を補修したり、補強するのではなく、橋梁全体を再生することができる。
<2>老朽化した橋梁全体を、解体せずそのままの状態を保持したまま再生する方法ことができる。
<3>橋梁全体を補修する方法でありながら、再生工事中には現状の交通にほとんど影響を与えないので、周辺の経済環境を乱すことがない。
<4>老朽化した橋梁をいったん解体して再度、新たな橋梁を架設するのと同様の効果を得られながら、大幅なコスト削減を期待できる。
<5>橋梁の幅員を増加する場合にも、現在の橋梁上の交通にほとんど影響を与えずに行うことができる。
<6>アーチ型支持枠の下部の空間に形成した流路空間には固結材を充填する必要がないから、一般の土砂と比較して高価である固結材の使用量を大幅に減少させることができる。
以下図面を参照にしながら本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
<1>対象とする橋梁
本発明の再生方法、再生の一つとしての拡幅方法の対象とする既設の橋梁Aは、橋台aと橋台aの間、あるいは橋台aと橋脚の間、さらに橋脚と橋脚の間に床板bをかけ渡したような橋梁Aである。
単純梁で構成した橋梁Aはもちろん、連続梁、ラーメン構造、さらには吊橋、斜長橋もその対象とすることができる。
なお本明細書では、煩雑さを避けるために図の実施例にしたがって「橋台間」と称する場合に、それは橋台aと橋台aの間だけではなく、橋台aと橋脚の間、橋脚と橋脚の間も意味するものである。
対象とする既設の橋梁Aは道路橋でも鉄道橋、水路橋など、その用途の限定はない。
また橋梁Aを構成する材料は、コンクリートであっても鋼材であっても対象とすることができる。
なお、本願発明の方法は後述するように橋梁A全体をそのまま支持してしまう、というか、巻き込んでしまうという、従来の「補修」「補強」「改修」「修繕」などの概念、用語に該当しない工法である。
そのために適切な表現がないのでとりあえず「再生」という用語で説明するが、権利解釈上では本願発明の「再生」は従来の技術用語としての「再生」の概念に限定されないものであることを明確にしておく。
本発明の再生方法、再生の一つとしての拡幅方法の対象とする既設の橋梁Aは、橋台aと橋台aの間、あるいは橋台aと橋脚の間、さらに橋脚と橋脚の間に床板bをかけ渡したような橋梁Aである。
単純梁で構成した橋梁Aはもちろん、連続梁、ラーメン構造、さらには吊橋、斜長橋もその対象とすることができる。
なお本明細書では、煩雑さを避けるために図の実施例にしたがって「橋台間」と称する場合に、それは橋台aと橋台aの間だけではなく、橋台aと橋脚の間、橋脚と橋脚の間も意味するものである。
対象とする既設の橋梁Aは道路橋でも鉄道橋、水路橋など、その用途の限定はない。
また橋梁Aを構成する材料は、コンクリートであっても鋼材であっても対象とすることができる。
なお、本願発明の方法は後述するように橋梁A全体をそのまま支持してしまう、というか、巻き込んでしまうという、従来の「補修」「補強」「改修」「修繕」などの概念、用語に該当しない工法である。
そのために適切な表現がないのでとりあえず「再生」という用語で説明するが、権利解釈上では本願発明の「再生」は従来の技術用語としての「再生」の概念に限定されないものであることを明確にしておく。
<2>アーチ型支持枠の設置
前記の橋台aと橋台a間に上向きに凸のアーチ型にアーチ型支持枠1を設置する。
このアーチ型支持枠1の設置には、橋梁Aの中心軸方向と平行なアーチ状の梁である支保工や足場を組み立て、その上に工場生産の円弧状のプレキャストコンクリート、波型鋼板、あるいはメタルフォームなどを敷設してアーチ型支持枠1として設置する。
プレキャストコンクリート、波型鋼板を使用する場合、その上面が後述する固結材2と一体となるから、固結材2の硬化後に解体する必要がない。
プレキャストコンクリート、波型鋼板のアーチ型支持枠1は分割して製作し現場でアーチ状に組み立てる事も可能である。
アーチ型支持枠1の下の空間の断面積は、洪水時に山側から橋梁Aの下に流下してくる水量、押し流される樹木の量などを勘案して決定する。
なお説明の便宜上、アーチ型支持枠1で覆った下の空間を「流路空間」といい、その上の空間を「遮断予定空間」という。
したがって遮断予定空間は、アーチ型支持枠1の上面と、向かい合う橋台aの内側面と、橋梁Aの床版bの下面とで包囲した空間となる。
前記の橋台aと橋台a間に上向きに凸のアーチ型にアーチ型支持枠1を設置する。
このアーチ型支持枠1の設置には、橋梁Aの中心軸方向と平行なアーチ状の梁である支保工や足場を組み立て、その上に工場生産の円弧状のプレキャストコンクリート、波型鋼板、あるいはメタルフォームなどを敷設してアーチ型支持枠1として設置する。
プレキャストコンクリート、波型鋼板を使用する場合、その上面が後述する固結材2と一体となるから、固結材2の硬化後に解体する必要がない。
プレキャストコンクリート、波型鋼板のアーチ型支持枠1は分割して製作し現場でアーチ状に組み立てる事も可能である。
アーチ型支持枠1の下の空間の断面積は、洪水時に山側から橋梁Aの下に流下してくる水量、押し流される樹木の量などを勘案して決定する。
なお説明の便宜上、アーチ型支持枠1で覆った下の空間を「流路空間」といい、その上の空間を「遮断予定空間」という。
したがって遮断予定空間は、アーチ型支持枠1の上面と、向かい合う橋台aの内側面と、橋梁Aの床版bの下面とで包囲した空間となる。
<3>遮断壁の設置
橋梁Aの少なくとも片側、あるいは両側に道路の進路方向と平行に遮断壁3を形成する。
遮断壁3は、橋台a間の空間の全面を塞ぐものではなく、アーチ型支持枠1の上側の「遮断予定空間」の谷側、あるいは山側、あるいはその両側の側面だけを閉鎖する壁である。
この遮断壁3としては、たとえば幅2メートル、高さ1メートル程度の薄いコンクリートパネルを、アーチ型支持枠1の谷側の端部11、山側の端部に積み重ねる工法を採用することができる。
その場合に、コンクリートパネルの内部や背面にPC鋼線、鋼棒を貫通させ、この鋼線や鋼棒の下端をアーチ型支持枠1に固定し、上部端を緊張することによって、コンクリートパネルをアーチ型支持枠1上に立ち上げることができる。
アーチ型支持枠1の端部を、平面視で橋梁Aの外側に張り出しておけば、その上に積み上げた遮断壁3の上の縁が、橋梁Aの床版bの下を越えて、高欄cの外側に接する程度にまで構築することができる。
以上のような遮断壁3の設置工事は、橋梁Aの上面を使用せず、橋梁Aの下から行うから、橋梁A上の交通を妨げることがない。
遮断壁3は、橋梁Aの両側に設置する場合に限らず、図に示す実施例のように谷側にのみ設置する場合もある。
遮断壁3を谷側にのみ設置した場合には、山側の自然の斜面がそのまま山側の遮断壁3として機能することになる。
したがって「少なくとも谷側」とは、当然ながら谷側のみへの遮断壁3の構築と、谷側、山側の両側への遮断壁3の構築を含む意味である。
橋梁Aの少なくとも片側、あるいは両側に道路の進路方向と平行に遮断壁3を形成する。
遮断壁3は、橋台a間の空間の全面を塞ぐものではなく、アーチ型支持枠1の上側の「遮断予定空間」の谷側、あるいは山側、あるいはその両側の側面だけを閉鎖する壁である。
この遮断壁3としては、たとえば幅2メートル、高さ1メートル程度の薄いコンクリートパネルを、アーチ型支持枠1の谷側の端部11、山側の端部に積み重ねる工法を採用することができる。
その場合に、コンクリートパネルの内部や背面にPC鋼線、鋼棒を貫通させ、この鋼線や鋼棒の下端をアーチ型支持枠1に固定し、上部端を緊張することによって、コンクリートパネルをアーチ型支持枠1上に立ち上げることができる。
アーチ型支持枠1の端部を、平面視で橋梁Aの外側に張り出しておけば、その上に積み上げた遮断壁3の上の縁が、橋梁Aの床版bの下を越えて、高欄cの外側に接する程度にまで構築することができる。
以上のような遮断壁3の設置工事は、橋梁Aの上面を使用せず、橋梁Aの下から行うから、橋梁A上の交通を妨げることがない。
遮断壁3は、橋梁Aの両側に設置する場合に限らず、図に示す実施例のように谷側にのみ設置する場合もある。
遮断壁3を谷側にのみ設置した場合には、山側の自然の斜面がそのまま山側の遮断壁3として機能することになる。
したがって「少なくとも谷側」とは、当然ながら谷側のみへの遮断壁3の構築と、谷側、山側の両側への遮断壁3の構築を含む意味である。
<4>固結材の充填
上記の工程で、遮断予定空間の谷側、あるいは両側に遮断壁3を立ち上げると、橋梁Aの下部は、アーチ型支持枠1と、両側の橋台aの内側面と、橋梁Aの床版bの下面とで包囲した空間を形成することができる。
図5の実施例のように遮断壁3を谷側だけに立ちあげると、山側は自然の地形が遮断壁3を構成することになる。
この遮断壁3と床版bと、アーチ型支持枠1で包囲した遮断予定空間の内部に公知の固結材2を充填する。(図4)
充填高さは橋梁Aの床版b付近まで、すなわち橋梁Aと同一高さ、あるいは床版bを埋設する高さまでである。
固結材2としては、後述するように軽量盛土材として知られている公知の材料を使用することができる。
このような固結材2は、流動化しているので、パイプを利用して、遮断壁3の一部を開口して包囲した遮断予定空間の内部に充填することができる。
橋梁Aの下面において水平梁が縦横に配置してある場合には、橋梁Aの直下の空間には、遮断壁3からではなく、橋梁Aの床版bに充填孔を開口して、そこまで充填用パイプを配置して充填を行うこともできる。
このような固結材2の供給工事は、橋梁Aの床版bの上面をほとんど使用せず、橋梁A以外の周囲の地上空間から行うことができるから、橋梁A上の交通を妨げることがない。
なお、充填前には地表面に防水シートの敷設、モルタルの吹き付け、アンカーボルトの打設、など、固結材2の供給前に一般に行われている各種の公知の予備工事を行う。
上記の工程で、遮断予定空間の谷側、あるいは両側に遮断壁3を立ち上げると、橋梁Aの下部は、アーチ型支持枠1と、両側の橋台aの内側面と、橋梁Aの床版bの下面とで包囲した空間を形成することができる。
図5の実施例のように遮断壁3を谷側だけに立ちあげると、山側は自然の地形が遮断壁3を構成することになる。
この遮断壁3と床版bと、アーチ型支持枠1で包囲した遮断予定空間の内部に公知の固結材2を充填する。(図4)
充填高さは橋梁Aの床版b付近まで、すなわち橋梁Aと同一高さ、あるいは床版bを埋設する高さまでである。
固結材2としては、後述するように軽量盛土材として知られている公知の材料を使用することができる。
このような固結材2は、流動化しているので、パイプを利用して、遮断壁3の一部を開口して包囲した遮断予定空間の内部に充填することができる。
橋梁Aの下面において水平梁が縦横に配置してある場合には、橋梁Aの直下の空間には、遮断壁3からではなく、橋梁Aの床版bに充填孔を開口して、そこまで充填用パイプを配置して充填を行うこともできる。
このような固結材2の供給工事は、橋梁Aの床版bの上面をほとんど使用せず、橋梁A以外の周囲の地上空間から行うことができるから、橋梁A上の交通を妨げることがない。
なお、充填前には地表面に防水シートの敷設、モルタルの吹き付け、アンカーボルトの打設、など、固結材2の供給前に一般に行われている各種の公知の予備工事を行う。
<5>固結材による橋梁の支持
この工程によって、アーチ型支持枠1と、遮断壁3と、両橋台aの内側面と、床版bの下面とで包囲した橋梁Aの下部の全体に固結材2を充填すれば一定時間後に固化する。
すると、橋梁Aの全体の荷重は、橋台aや橋脚によるのではなく、その下に位置する固結材2で受けることになる。
すなわち橋台aや橋脚によって得られる支持力を無視して、固結材2のブロックだけで床版bや降雪の死荷重、通行車両の活荷重、地震時の水平荷重のすべてを受けることになる。
いわば、コンクリート製、鋼製の床版bを、地表面に寝かして置いた状態と同じことになる。
したがって単純梁構造の橋梁Aはもちろん、連続梁、ラーメン構造、さらには吊橋、斜長橋もその対象とすることができる。
また、老朽化した橋梁Aのその場しのぎの一部の改修ではなく、基本的な架け替え策、再生策として採用することができる。
この工程によって、アーチ型支持枠1と、遮断壁3と、両橋台aの内側面と、床版bの下面とで包囲した橋梁Aの下部の全体に固結材2を充填すれば一定時間後に固化する。
すると、橋梁Aの全体の荷重は、橋台aや橋脚によるのではなく、その下に位置する固結材2で受けることになる。
すなわち橋台aや橋脚によって得られる支持力を無視して、固結材2のブロックだけで床版bや降雪の死荷重、通行車両の活荷重、地震時の水平荷重のすべてを受けることになる。
いわば、コンクリート製、鋼製の床版bを、地表面に寝かして置いた状態と同じことになる。
したがって単純梁構造の橋梁Aはもちろん、連続梁、ラーメン構造、さらには吊橋、斜長橋もその対象とすることができる。
また、老朽化した橋梁Aのその場しのぎの一部の改修ではなく、基本的な架け替え策、再生策として採用することができる。
<6>固結材の種類
この固結材2としては、軽量盛土を採用することができる。
軽量盛土料とは、道路などの盛土を軽くして地盤に加わる負荷を軽減するために使用する材料である。
軽量盛土材としては、EPSと称する発泡スチロールブロック、FCBと称する気泡混合軽量土、発泡ウレタン軽量土、発泡ビーズ混合軽量土などが知られており、それらを採用する。
この他にもスーパーソル,石炭灰,水砕スラグなどが知られており、それらを採用することもできる。
この固結材2としては、軽量盛土を採用することができる。
軽量盛土料とは、道路などの盛土を軽くして地盤に加わる負荷を軽減するために使用する材料である。
軽量盛土材としては、EPSと称する発泡スチロールブロック、FCBと称する気泡混合軽量土、発泡ウレタン軽量土、発泡ビーズ混合軽量土などが知られており、それらを採用する。
この他にもスーパーソル,石炭灰,水砕スラグなどが知られており、それらを採用することもできる。
<7>橋梁の拡幅(図6,7)
以上の説明は橋梁Aの下部空間に固結材2を充填して、橋梁A全体を支持する工法であった。
本発明の工法は、再生策の一つとして、橋梁Aを拡幅する場合にも採用することができる。
その際にはアーチ型支持枠1は、平面視で橋梁Aの外側まで張り出した状態で設置する。
以上の説明は橋梁Aの下部空間に固結材2を充填して、橋梁A全体を支持する工法であった。
本発明の工法は、再生策の一つとして、橋梁Aを拡幅する場合にも採用することができる。
その際にはアーチ型支持枠1は、平面視で橋梁Aの外側まで張り出した状態で設置する。
<8>離れた位置に遮断壁を構築
平面視で橋梁Aの外側まで張り出した張出端部11の上に遮断壁3を鉛直に構築する。
あるいは張出端部11に接する状態で、遮断壁3を鉛直に設置する。
したがって遮断壁3は、橋梁Aの側面から離れた位置に形成することになる。
遮断壁3を鉛直に構築した場合には、その離れた距離が、拡幅寸法となり、遮断壁3を橋梁A側に傾斜して構築すると、遮断壁3の上端と、橋梁Aの高欄c付近との離れた距離が拡幅寸法ということになる。
その場合にも上記の方法と同様に、遮断壁3の下部はアーチ型支持枠1の端部11の上に載っているか、接しているから、アーチ型支持枠1の下に流路空間を開放してあり、遮断予定空間だけを遮断する形状となる。
そしてアーチ型支持枠1と、遮断壁3と、両橋台aの内側面と、床版bの下面とで包囲した橋梁Aの下部の全体に固結材2を充填する
その際に、遮断壁3の端部に、道路側に向けて袖壁状に妻板型枠を設ければ遮断壁3の端部から固結材が流出することはない。
固結材は、橋梁Aの高欄cの下端の位置まで充填し、その上面に舗装を施して拡幅部分を新たな歩道として利用することができる。
橋梁A部以外の取り付け道路を拡幅する場合には、遮断壁3の延長上に土止め壁を構築して、現在の道路との間隔に固結材を充填する。
平面視で橋梁Aの外側まで張り出した張出端部11の上に遮断壁3を鉛直に構築する。
あるいは張出端部11に接する状態で、遮断壁3を鉛直に設置する。
したがって遮断壁3は、橋梁Aの側面から離れた位置に形成することになる。
遮断壁3を鉛直に構築した場合には、その離れた距離が、拡幅寸法となり、遮断壁3を橋梁A側に傾斜して構築すると、遮断壁3の上端と、橋梁Aの高欄c付近との離れた距離が拡幅寸法ということになる。
その場合にも上記の方法と同様に、遮断壁3の下部はアーチ型支持枠1の端部11の上に載っているか、接しているから、アーチ型支持枠1の下に流路空間を開放してあり、遮断予定空間だけを遮断する形状となる。
そしてアーチ型支持枠1と、遮断壁3と、両橋台aの内側面と、床版bの下面とで包囲した橋梁Aの下部の全体に固結材2を充填する
その際に、遮断壁3の端部に、道路側に向けて袖壁状に妻板型枠を設ければ遮断壁3の端部から固結材が流出することはない。
固結材は、橋梁Aの高欄cの下端の位置まで充填し、その上面に舗装を施して拡幅部分を新たな歩道として利用することができる。
橋梁A部以外の取り付け道路を拡幅する場合には、遮断壁3の延長上に土止め壁を構築して、現在の道路との間隔に固結材を充填する。
<9>自立型アーチ型支持枠(図8)
アーチ型支持枠1を、その下端を橋脚に依存するのではなく、自立した閉空間である自立型のアーチ型支持枠4を利用することができる。
前記の実施例ではアーチ型支持枠4の下端はアーチの両端を橋台aの下端などで固定することを条件としているが、アーチの両端にかかる荷重大きく、両端のアーチ荷重に対して橋台aの反力が不足する場合も想定できる。
その場合には、上向きに凸に形成したアーチ型支持枠1の下端を水平の弦材41で連結して自立型のアーチ型支持枠1を形成する。
弦材41としては、鋼材や網材で構成した水平材、あるいは水平の床面を利用できる。
この自立型アーチ型支持枠4を橋梁Aの外で組み立てて橋梁Aの下に引き込んだり、あるいは橋梁Aの下で組み立てる。
その後に自立型アーチ型支持枠4の外側の張出端部11に遮断壁3を構築し、包囲した空間に固結材2を充填することは前記の実施例と同様である。
アーチ型支持枠1を、その下端を橋脚に依存するのではなく、自立した閉空間である自立型のアーチ型支持枠4を利用することができる。
前記の実施例ではアーチ型支持枠4の下端はアーチの両端を橋台aの下端などで固定することを条件としているが、アーチの両端にかかる荷重大きく、両端のアーチ荷重に対して橋台aの反力が不足する場合も想定できる。
その場合には、上向きに凸に形成したアーチ型支持枠1の下端を水平の弦材41で連結して自立型のアーチ型支持枠1を形成する。
弦材41としては、鋼材や網材で構成した水平材、あるいは水平の床面を利用できる。
この自立型アーチ型支持枠4を橋梁Aの外で組み立てて橋梁Aの下に引き込んだり、あるいは橋梁Aの下で組み立てる。
その後に自立型アーチ型支持枠4の外側の張出端部11に遮断壁3を構築し、包囲した空間に固結材2を充填することは前記の実施例と同様である。
A:橋梁A
1:アーチ型支持枠
2:固結材
3:遮断壁
4:自立型アーチ型支持枠
1:アーチ型支持枠
2:固結材
3:遮断壁
4:自立型アーチ型支持枠
Claims (3)
- 橋台と橋台、あるいは橋台と橋脚、橋脚と橋脚の間に床板をかけ渡した既設の橋梁において、
前記の橋台と橋台などの間に上向きに凸のアーチ型にアーチ型支持枠を設置し、
このアーチ型支持枠の上面と、既設の橋梁の下面で遮断予定空間を形成し、
この遮断予定空間の少なくとも谷側の鉛直面を遮蔽する状態で、橋梁の谷側に橋梁の中心軸と平行に遮断壁を形成し、
この遮断壁とアーチ型支持枠の上面と既設の橋梁の下面と、橋台等の内側面で包囲した空間の内部に固結材を充填して行う、
橋梁の再生方法。 - 橋台と橋台、あるいは橋台と橋脚、橋脚と橋脚との間に床板をかけ渡した既設の橋梁において、
前記の橋台と橋台などの間に上向きに凸のアーチ型にアーチ型支持枠を設置し、
このアーチ型支持枠を、平面視で橋梁の外側まで張り出して設置し、
このアーチ型支持枠の張出端部に接して遮断壁を構築し、
この遮断壁の山側の空間の内部、
およびに、遮断壁とアーチ型支持枠の上面と既設の橋梁の下面と、橋台等の内側面で包囲した空間の内部に、
固結材を充填して行う、
橋梁の再生方法。 - 橋台と橋台、あるいは橋台と橋脚、橋脚と橋脚との間に床板をかけ渡した既設の橋梁において、
前記の橋台と橋台などの間に、
上向きに凸に形成したアーチ型支持枠の下端を水平材で連結した自立型のアーチ型支持枠を設置し、
この自立型アーチ型支持枠の張り出し端部に接して遮断壁を構築し、
この遮断壁の山側の空間の内部、および、
遮断壁と自立型アーチ型支持枠の上面と既設の橋梁の下面と、橋台等の内側面で包囲した空間の内部に、
固結材を充填して行う、
橋梁の再生方法。
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2012
- 2012-05-11 JP JP2012109592A patent/JP2013237989A/ja active Pending
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