JP6716958B2 - 円すいころ軸受の製造方法及び円すいころ軸受の製造用の治具 - Google Patents

円すいころ軸受の製造方法及び円すいころ軸受の製造用の治具 Download PDF

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Description

本開示は、円すいころ軸受の製造方法、及び円すいころ軸受の製造に用いられる治具に関する。
円すいころ軸受は、外輪と、内輪と、複数の円すいころと、保持器とを備える。複数の円すいころは、保持器によって円周方向に等間隔に保持される。円すいころ軸受は、各円すいころの外径面の母線、並びに外輪及び内輪の軌道面の各母線が軸受中心軸上の一点に集まるように構成されている。
円すいころ軸受の製造では、一般に、保持器の各ポケットに円すいころを仮入れした状態で、保持器に内輪を組み付ける。内輪は、その小つばによって円すいころを径方向外方に押し広げながら、円すいころを保持した保持器に挿入される。このため、円すいころと内輪との接触部分に傷が発生する。
これに対して、特許文献1では、円すいころの転動面における傷の発生を防止するための円すいころ軸受の製造方法が提案されている。特許文献1では、樹脂製の保持器に内輪を組み付ける際、テーパ状の外径面を有する治具を内輪の小つばの端面に装着する。治具の外径面の角度は、保持器に保持された円すいころの内径側の角度よりも小さい。また、治具の最小外径は円すいころの内接円径よりも小さく、治具の最大外径は内輪の小つばの端面の外径以上である。よって、円すいころが内輪の小つばを乗り越える際、小つばが円すいころの転動面に接触しない。
特開2013−40634号公報
特許文献1の円すいころ軸受の製造方法では、円すいころが内輪の小つばを乗り越える際、小つばが円すいころの小端面側の面取部に接触する。このため、円すいころの面取部に傷が発生する可能性がある。また、内輪の小つばにも傷が発生する可能性がある。
本開示は、円すいころ及び内輪における傷の発生を抑制することができる円すいころ軸受の製造方法、及び円すいころ軸受の製造に用いられる治具を提供することを目的とする。
本開示に係る円すいころ軸受の製造方法は、工程a)と、工程b)と、工程c)と、工程d)とを備える。円すいころ軸受は、外輪と、内輪と、複数の円すいころと、保持器とを含む。工程a)は、複数の円すいころが円周方向に並ぶように、樹脂製の保持器に複数の円すいころを保持させる。工程b)は、複数の円すいころの最小の内接円径が内輪の小つばの最大外径よりも大きくなるように、複数の円すいころを保持した保持器を径方向外方に広げる。工程c)は、径方向外方に広げられた保持器に内輪を小つば側から挿入し、複数の円すいころ及び保持器に内輪を組み付けて内輪アセンブリを作製する。工程d)は、内輪アセンブリに外輪を組み付ける。
本開示に係る治具は、円すいころ軸受の製造に用いられる。円すいころ軸受は、外輪と、内輪と、複数の円すいころと、保持器とを含む。治具は、第1筒状部材と、第2筒状部材とを備える。第1筒状部材は、複数の円すいころを保持した樹脂製の保持器のころ大端面側の端部に、軸方向の一端部で接触する。第2筒状部材は、拡径部を有する。拡径部は、第2筒状部材の軸方向の一端部に設けられる。拡径部は、第2筒状部材の軸方向の一端側から他端側に向かって拡径する。第2筒状部材は、複数の円すいころを保持した保持器のころ小端面側の端部に、拡径部で接触する。
本開示によれば、円すいころ及び内輪における傷の発生を抑制することができる。
図1は、実施形態に係る製造方法によって製造される円すいころ軸受の概略構成を示す縦断面図である。 図2は、上記製造方法の一工程を説明するための図である。 図3は、上記製造方法に使用する治具の概略構成を示す斜視図である。 図4は、上記製造方法の別の工程を説明するための図である。 図5は、上記製造方法のさらに別の工程を説明するための図である。 図6は、上記製造方法のさらに別の工程を説明するための図である。 図7は、上記製造方法のさらに別の工程を説明するための図である。 図8は、上記製造方法のさらに別の工程を説明するための図である。 図9は、上記製造方法のさらに別の工程を説明するための図である。
実施形態に係る円すいころ軸受の製造方法は、工程a)と、工程b)と、工程c)と、工程d)とを備える。円すいころ軸受は、外輪と、内輪と、複数の円すいころと、保持器とを含む。工程a)は、複数の円すいころが円周方向に並ぶように、樹脂製の保持器に複数の円すいころを保持させる。工程b)は、複数の円すいころの最小の内接円径が内輪の小つばの最大外径よりも大きくなるように、複数の円すいころを保持した保持器を径方向外方に広げる。工程c)は、径方向外方に広げられた保持器に内輪を小つば側から挿入し、複数の円すいころ及び保持器に内輪を組み付けて内輪アセンブリを作製する。工程d)は、内輪アセンブリに外輪を組み付ける(第1の構成)。
上記製造方法によれば、円すいころを保持した保持器に内輪を組み付ける際、樹脂製の保持器は、その延性によって径方向外方に広げられる。これに伴い、円すいころの内接円径も径方向外方に広がって、内輪の小つばの最大外径よりも大きくなる。このため、円すいころと内輪の小つばとを接触させることなく、円すいころを保持した保持器に内輪を挿入することができる。これにより、円すいころ及び内輪における傷の発生を抑制することができる。
上記製造方法において、工程b)は、複数の円すいころを保持した保持器を軸方向の少なくとも一方から押圧して径方向外方に広げてもよい(第2の構成)。
第2の構成では、円すいころを保持した保持器を軸方向の少なくとも一方から押圧する。このようにすることで、保持器を径方向外方に容易に広げることができ、円すいころ及び保持器に内輪を組み付ける際の作業性を向上させることができる。
上記製造方法において、工程b)は、工程b−1)を含んでいてもよい。工程b−1)では、治具を準備する。治具は、第1筒状部材と、第2筒状部材とを有する。第2筒状部材は、軸方向の一端部に設けられる拡径部を含む。拡径部は、第2筒状部材の軸方向の一端側から他端側に向かって拡径する。工程b)は、複数の円すいころを保持した保持器のころ大端面側の端部に第1筒状部材の軸方向の一端部を接触させるとともに、複数の円すいころを保持した保持器のころ小端面側の端部に拡径部を接触させた状態で、第1筒状部材と第2筒状部材とを近づけることができる(第3の構成)。
第3の構成では、円すいころを保持した保持器を軸方向に押圧する際、第1及び第2筒状部材を有する治具を使用する。具体的には、第1筒状部材と第2筒状部材との間に保持器を配置して、両筒状部材を近づける。このとき、円すいころを保持した保持器のころ小端面側の端部は、第2筒状部材の拡径部に接触している。拡径部は、第2筒状部材の軸方向の一端側から他端側に向かって拡径しており、保持器のころ小端面側の端部を径方向外方に案内する。よって、保持器を径方向外方にスムーズに広げることができる。その結果、円すいころ及び保持器に内輪を組み付ける際の作業性をより向上させることができる。
第2筒状部材は、小つばの最大外径よりも大きい内径を有していてもよい(第4の構成)。
第4の構成では、第2筒状部材の内径が内輪の小つばの最大外径よりも大きい。このため、上記治具を用いて円すいころ及び保持器に内輪を組み付ける際、小つばが第2筒状部材に接触するのを防止することができる。
実施形態に係る治具は、円すいころ軸受の製造に用いられる。円すいころ軸受は、外輪と、内輪と、複数の円すいころと、保持器とを含む。治具は、第1筒状部材と、第2筒状部材とを備える。第1筒状部材は、複数の円すいころを保持した樹脂製の保持器のころ大端面側の端部に、軸方向の一端部で接触する。第2筒状部材は、拡径部を有する。拡径部は、第2筒状部材の軸方向の一端部に設けられる。拡径部は、第2筒状部材の軸方向の一端側から他端側に向かって拡径する。第2筒状部材は、複数の円すいころを保持した保持器のころ小端面側の端部に、拡径部で接触する(第5の構成)。
上記治具の第2筒状部材は、軸方向の一端部に拡径部が設けられている。拡径部は、第2筒状部材の軸方向の一端側から他端側に向かって拡径しており、円すいころを保持した保持器のころ小端面側の端部に接触する。よって、第1及び第2筒状部材によって保持器を軸方向に押圧したとき、保持器のころ小端面側の端部が拡径部に沿って第2筒状部材の径方向外方に移動して、円すいころの内接円径が大きくなる。この状態で保持器に内輪を挿入すれば、円すいころと内輪との接触を抑制することができる。結果として、円すいころ及び内輪において傷が発生するのを抑制することができる。
第2筒状部材は、内輪の小つばの最大外径よりも大きい内径を有していてもよい(第6の構成)。
第6の構成によれば、第2筒状部材の内径が内輪の小つばの最大外径よりも大きい。よって、円すいころを保持した保持器を第1筒状部材と第2筒状部材との間に配置した状態で保持器に内輪を挿入する際、内輪の小つばが第2筒状部材に接触するのを防止することができる。
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。図中同一及び相当する構成については同一の符号を付し、同じ説明を繰り返さない。説明の便宜上、各図において、構成を簡略化又は模式化して示したり、一部の構成を省略して示したりする場合がある。
[円すいころ軸受の構成]
図1において、本実施形態に係る製造方法によって製造される円すいころ軸受1の概略構成を示す。図1は、直線Xを通る平面で円すいころ軸受1を切断した縦断面図である。円すいころ軸受1は、直線Xを軸心とする筒状をなす。以下、直線Xが延びる方向を軸方向という。
図1に示すように、円すいころ軸受1は、外輪11と、内輪12と、複数の円すいころ13と、保持器14とを備える。
外輪11及び内輪12は、直線Xを軸心とする筒状をなす。内輪12は、外輪11の径方向内方に配置される。
外輪11は、内周面に軌道面111を有する。内輪12は、外周面に軌道面121を有する。軌道面111,121上を円すいころ13が転動する。軌道面111,121は、円すいころ13の小端面側から大端面側に向かって拡径する環状テーパ面である。内輪12の軌道面121のテーパ角は、外輪11の軌道面111のテーパ角よりも小さい。
内輪12は、小つば122と、大つば123とを有する。小つば122及び大つば123は、直線Xを軸心とする環状をなす。大つば123の最大外径D123は、小つば122の最大外径D122よりも大きい。
小つば122及び大つば123は、軸方向において、軌道面121の両側に配置されている。軌道面121、小つば122、及び大つば123により、内輪12の外周面には、円すいころ13が配置される環状凹部が形成されている。小つば122は、円すいころ13の小端面を支持する。大つば123は、円すいころ13の大端面を支持する。
円すいころ13は、外輪11と内輪12との間に配置される。円すいころ13は、軌道面111,121に接触して配置されている。円すいころ13は、直線Xの周りにおいて等間隔に配置される。各円すいころ13は、円すい台状をなす。
各円すいころ13の軸心は、小端面側に向かうにつれて円すいころ軸受1の軸心に接近するように、円すいころ軸受1の軸心に対して傾斜している。円すいころ13の外径面の母線及び軌道面111,121の各母線は、円すいころ軸受1の中心軸上の一点で交差する。
各円すいころ13は、保持器14によって保持される。保持器14は、外輪11と内輪12との間に配置される。保持器14は、概ね、直線Xを軸心とするテーパ筒状をなす。保持器14は、円すいころ13の小端面側から大端面側に向かって拡径している。
保持器14の周壁部には、複数の円すいころ13に対応して、複数のポケット141が設けられている。ポケット141は、直線Xの周りにおいて等間隔に配置されている。ポケット141の各々に、円すいころ13が収納される。各ポケット141は、円すいころ13の形状に対応する台形状をなす。
保持器14は、樹脂で構成されている。このため、保持器14は、延性を有する。すなわち、保持器14に外力を加えることにより、保持器14を一時的に変形させることができる。保持器14の材料としては、例えば、ナイロン46(PA46)、ナイロン66(PA66)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)等の樹脂系材料を挙げることができる。
[円すいころ軸受の製造方法]
以下、円すいころ軸受1の製造方法について、図2〜図9を参照しつつ説明する。
まず、図2に示すように、円すいころ13が円周方向に並ぶように、円すいころ13を保持器14のポケット141に内側から嵌め入れて、円すいころ13を保持器14に保持させる。すなわち、保持器14のポケット141の各々に、円すいころ13を仮入れする。
次に、円すいころ13を保持した状態の保持器14を径方向外方に広げる。例えば、軸方向の少なくとも一方から保持器14を押圧することにより、保持器14を径方向外方に広げることができる。
保持器14は、図3に示す治具2によって軸方向に押圧することができる。治具2は、筒状部材21,22を有する。筒状部材21,22は、治具2を押圧したときに変形しないように、保持器14の材料よりも剛性が高い材料で構成されていることが好ましい。筒状部材21,22の材料としては、例えば、SS400、SUJ2、SUS404等の一般鉄鋼材料又はステンレス鋼材料を挙げることができる。
筒状部材22は、テーパ面221を有する。テーパ面221は、筒状部材22において、軸方向の一端部の外周面に形成されている。テーパ面221は、筒状部材22において、軸方向の一端側から他端側に向かって拡径する拡径部である。言い換えると、テーパ面221は、軸方向の端側に向かうにつれて先細りになる環状面である。テーパ面221を上に向けて筒状部材22を配置した状態では、テーパ面221は、径方向外方且つ下方に向かって傾斜する。
図4に示すように、円すいころ13及び保持器14に内輪12を組み付ける前に、保持器14は、筒状部材21,22によって軸方向に押圧される。保持器14の押圧に際し、筒状部材21,22は、それぞれ、保持器14の上方及び下方に配置される。保持器14は、円すいころ13の大端面を上にして、筒状部材21,22の間に配置される。保持器14の大径側の端部には、筒状部材21の下端面211が接触する。保持器14の小径側の端部には、筒状部材22のテーパ面221が接触する。
本実施形態の筒状部材22は、拡径部としてテーパ面221を有する。しかしながら、筒状部材22の拡径部は、テーパ面221でなくてもよい。拡径部は、その外接円が、軸方向の一端側から他端側に向かって拡径するように構成されていればよい。筒状部材22は、複数の円すいころ13を保持した保持器14のころ小端面側の端部に、拡径部で接触する。拡径部は、その外接円が拡径し、外接円の母線が微分可能な直線又は曲線であればよい。拡径部の軸方向の延在する範囲において、全ての外接円は、3点以上の点で画定されればよい。
筒状部材21の壁厚、つまり下端面211の径方向長さL211は、保持器14の壁厚以上であることが好ましい。筒状部材22のテーパ面221の径方向長さL221は、保持器14の小径側の端部の内径D14から円すいころ13の内接円径D13aを減じた長さdよりも大きい。例えば、d=(D14−D13a)/2として、L221(mm)≧d(mm)+5mmを満たすことが好ましい。
D13aは、保持器14が実質的に軸方向に押圧されていない状態における円すいころ13の最小の内接円径である。円すいころ13の最小の内接円径とは、周方向に並ぶ複数の円すいころ13の内側に配置されたときに各円すいころ13に接触する円筒のうち、最も直径が小さい円筒の直径をいう。言い換えると、円すいころ13の最小の内接円径は、周方向に並ぶ複数の円すいころ13の小端面の内径である。
詳しくは後述するが、円すいころ13及び保持器14に内輪12を組み付ける際、筒状部材21には内輪12が挿入される。このため、筒状部材21の内径は、大つば123の最大外径D123よりも大きい。筒状部材22の内径D22は、小つば122の最小外径D122よりも大きい。
図5に示すように、筒状部材21,22は、保持器14に接触した状態で、軸方向において相対的に近づけられる。例えば、筒状部材22を移動しないように固定しておき、筒状部材21を下方に移動させる。これにより、円すいころ13を保持した保持器14に対して、軸方向の荷重が付与される。
筒状部材21からの荷重により、保持器14の小径側の端部は筒状部材22のテーパ面221に沿って径方向外方に移動する。これに伴い、保持器14の小径側の端部が径方向外方に広がって、保持器14に保持されている円すいころ13の内接円径が大きくなる。保持器14を径方向外方に広げた後の円すいころ13の内接円径D13bは、小つば122の最大外径D122よりも大きい。
筒状部材21からの荷重によって、保持器14の大径側の端部も径方向外方に広がる。ただし、保持器14において、大径側の端部の径方向外方への移動量は、小径側の端部の径方向外方への移動量と比較して小さくてもよい。保持器14を径方向外方に広げた後、円すいころ13の大端面側の内径D13cが、小つば122の最大外径D122よりも大きくなっていればよい。ただし、保持器14を径方向外方に広げた状態において、円すいころ13の大端面側の内径D13cは、大つば123の最大外径D123よりも小さい。
次に、図6に示すように、径方向外方に広げられた状態の保持器14に対し、内輪12を小つば122側から挿入する。内輪12は、筒状部材21の上側から挿入される。内輪12は、主に自重によって、筒状部材21内を円すいころ13及び保持器14に向かって移動する。内輪12は、小つば122を円すいころ13に接触させることなく下降する。内輪12は、筒状部材21、円すいころ13、及び保持器14のいずれにも接触せずに下降することができる。
図7に示すように、内輪12は、筒状部材21内を通過し、大つば123で円すいころ13の大端面に接触する。大つば123が円すいころ13の大端面に接触することにより、内輪12が停止する。
内輪12が停止した後、図8に示すように、筒状部材21を上方に移動させる。これにより、保持器14は、治具2からの軸方向の押圧力を受けなくなるため、径方向外方に広げられた形状から元の形状に復帰する。
保持器14の形状の復帰に伴い、円すいころ13の内接円径も復帰する。つまり、円すいころ13及び保持器14は、ともに径方向内方に移動する。これにより、軌道面121、小つば122、及び大つば123で構成された内輪12の環状凹部に、円すいころ13が嵌め込まれる。よって、円すいころ13及び保持器14に内輪12が組み付けられた状態になり、内輪アセンブリ12Aが完成する。
その後、図9に示すように、内輪アセンブリ12Aに外輪11を組み付ける。外輪11を内輪アセンブリ12Aの径方向外方に配置して、内輪アセンブリ12Aに取り付ける。これにより、円すいころ軸受1が完成する。
[効果]
本実施形態では、円すいころ13を保持した保持器14に内輪12を組み付ける際、保持器14が径方向外方に広げられる。これにより、円すいころ13の内接円径D13bが小つば122の最大外径D122よりも大きくなる。このため、内輪12を保持器14に挿入する際、小つば122が円すいころ13に接触しない。よって、円すいころ13及び内輪12における傷の発生を抑制することができ、円すいころ軸受1の外観品質を向上させることができる。また、傷による回転振動への影響の発生も抑制することができる。
本実施形態では、保持器14を軸方向に押圧する。このようにすることで、保持器14を径方向外方に容易に広げることができ、円すいころ13及び保持器14に内輪12を組み付ける際の作業性を向上させることができる。
本実施形態では、保持器14を軸方向に押圧する際、治具2を使用する。治具2の筒状部材21,22は、保持器14に接触した状態で、軸方向において相対的に近づけられる。保持器14の小径側の端部は、筒状部材22のテーパ面221に沿い、径方向外方に自然に移動する。よって、保持器14を径方向外方にスムーズに広げることが可能となり、円すいころ13及び保持器14に内輪12を組み付ける際の作業性を向上させることができる。
本実施形態では、筒状部材21を保持器14の上方に配置し、筒状部材22を保持器14の下方に配置して、筒状部材21の上側から内輪12を挿入する。このようにすることで、筒状部材21の自重を利用して保持器14を拡径させ、円すいころ13及び保持器14と内輪12との組み付けを行うことができる。よって、組み付けの作業性をさらに向上させることができる。
本実施形態では、筒状部材22の内径D22は、小つば122の最大外径D122よりも大きい。このため、保持器14に内輪12を組み付ける際、小つば122が筒状部材22に接触しない。よって、小つば122における傷の発生をより確実に抑制することができる。
[変形例]
以上、実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、円すいころを保持した保持器を径方向外方に広げる際、治具を使用して保持器を軸方向に押圧しているが、治具を使用しないで保持器を軸方向に押圧してもよい。
上記実施形態では、保持器に対して大径側から軸方向の荷重を付与している。しかしながら、保持器に対し、小径側から軸方向の荷重を付与することもできるし、大径側及び小径側の双方から軸方向の荷重を付与することもできる。
上記実施形態では、保持器を軸方向に押圧しているが、保持器を径方向外方に引っ張ることにより、保持器を径方向外方に広げることもできる。
1:円すいころ軸受
11:外輪
12:内輪
13:円すいころ
14:保持器
12A:内輪アセンブリ
2:治具
21,22:筒状部材
221:拡径部

Claims (5)

  1. 外輪と、内輪と、複数の円すいころと、保持器とを含む円すいころ軸受の製造方法であって、
    a)前記複数の円すいころが円周方向に並ぶように、樹脂製の前記保持器に前記複数の円すいころを保持させる工程と、
    b)前記複数の円すいころの最小の内接円径が前記内輪の小つばの最大外径よりも大きくなるように、前記複数の円すいころを保持した前記保持器を軸方向の少なくとも一方から押圧して径方向外方に広げる工程と、
    c)径方向外方に広げられた前記保持器に前記内輪を前記小つば側から挿入し、前記複数の円すいころ及び前記保持器に前記内輪を組み付けて内輪アセンブリを作製する工程と、
    d)前記内輪アセンブリに前記外輪を組み付ける工程と、
    を備える、製造方法。
  2. 請求項に記載の円すいころ軸受の製造方法であって、
    前記工程b)は、
    b−1)第1筒状部材と、軸方向の一端部に設けられ且つ軸方向の一端側から他端側に向かって拡径する拡径部を含む第2筒状部材と、を有する治具を準備する工程、
    を含み、
    前記工程b)は、前記複数の円すいころを保持した前記保持器のころ大端面側の端部に前記第1筒状部材の軸方向の一端部を接触させるとともに、前記複数の円すいころを保持した前記保持器のころ小端面側の端部に前記拡径部を接触させた状態で、前記第1筒状部材と前記第2筒状部材とを近づける、製造方法。
  3. 請求項に記載の円すいころ軸受の製造方法であって、
    前記第2筒状部材は、前記小つばの最大外径よりも大きい内径を有する、製造方法。
  4. 外輪と、内輪と、複数の円すいころと、保持器とを含む円すいころ軸受の製造に用いられる治具であって、
    前記複数の円すいころを保持した樹脂製の前記保持器のころ大端面側の端部に、軸方向の一端部で接触する第1筒状部材と、
    軸方向の一端部に設けられ且つ軸方向の一端側から他端側に向かって拡径する拡径部を有し、前記複数の円すいころを保持した前記保持器のころ小端面側の端部に、前記拡径部で接触する第2筒状部材と、
    を備える、治具。
  5. 請求項に記載の治具であって、
    前記第2筒状部材は、前記内輪の小つばの最大外径よりも大きい内径を有する、治具。
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