JP6131716B2 - 円すいころ軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、建設機械、自動車、鉄道車両、印刷機、工作機械、その他の産業機械における回転部に使用される円すいころ軸受に関する。
従来、建設機械をはじめとする各種の駆動装置には、その回転機構を回転自在に支持する軸受として円すいころ軸受が使用されている。この円すいころ軸受は、図4(c)に示すように、円すい状の外輪軌道面2sを有する外輪2と、円すい状の内輪軌道面1sと、該内輪軌道面1sの小径側に位置する小鍔部11と、大径側に位置する大鍔部12とを有する内輪1と、外輪軌道面2sと内輪軌道面1sとの間に転動自在に配された複数の円すいころ3と、円すいころ3を円周方向で所定間隔に保持する保持器4と、を備えて構成される。
円すいころ軸受の保持器は金属製であることが一般的であり、金属性保持器を用いた円すいころ軸受の組立て方法は、図3に示すように、先ず保持器4のポケット41に円すいころ3を保持させ、内輪1に組み込む。そして、保持器加締め治具5を用いて該治具5を押し込み、内輪1、円すいころ3及び保持器4が分離しない任意のポケット隙間になるまで加締める、といった方法(いわゆる加締め方式)が採られる。
しかしながら、金属製保持器は、平板を何度も塑性変形させて製作するため、樹脂製保持器に比べ加工工程が多く、材料費が高く、重量も重いというデメリットがある。
樹脂製保持器を用いた円すいころ軸受の組立て方法は、先ず所定のポケット隙間が残るように射出成型した保持器4のポケット41に円すいころ3を保持させる。その後、金属製保持器と異なり、図4(a)に示すように、円すいころ3を保持した保持器4に内輪1を保持器4の大径側から小径側に向かって押し込むことによって、円すいころ3がポケット41を一時的に押し広げ、円すいころ3の面取り部34が内輪1の小鍔部11を乗り越えて、内輪1に組み込まれる(図4(b))、いわゆる圧入方式をとっている。この樹脂製保持器では、内輪1の小鍔部外径面11aよりもころ内接円(円すいころ3が保持器ポケット隙間分外側に移動し、保持器4に対して、最も外側に位置した状態における円すいころ3の内接円)を小さく設計することで、締め代を持たせ、円すいころ3がポケット41を一時的に押し広げて組み込まれる。
しかしながら、保持器4の組立後を考えると、内輪1から保持器4と円すいころ3が分離しやすいという問題がある。この際、円すいころ3に傷がついて軸受の機能を損なったり、円すいころ3と保持器4がばらばらになってしまい、再度組立を行うこととなり作業性を著しく低下させてしまう虞がある。
これに対し、特許文献1に記載の円すいころ軸受では、保持器ポケットの大径側面に突起を設け、ころ頭部の凹孔に係合させることで保持器に対するころの動き量を制限し、且つ、内輪小鍔部に周溝を設け、その周溝に保持器小径環状部の内周面に設けた突起部を係合させ、円すいころと一体となった保持器が小径側に移動できなくする技術が開示されている。
また、特許文献2に記載の円すいころ軸受では、内輪小鍔部にリングを設け、保持器と一体となった円すいころが小径側に移動できなくする技術が開示されている。
特開2002−227849号公報 特開2011−069426号公報
しかしながら、特許文献1に記載の円すいころ軸受によれば、内輪から円すいころと保持器が分離することを防止できるが、内輪小鍔部の周溝の加工工程が増え、製造コストが増加する虞があった。また、特許文献2に記載の円すいころ軸受によれば、内輪から円すいころと保持器が分離することを防止できるが、部品点数が増え、また、保持器の組立時の工程数の増加にもつながり、製造コストが増加する虞があった。
本発明は、部品点数を増やさず且つ加工工程も増やすことなく、内輪から円すいころと保持器が分離するのを防止可能な円すいころ軸受を提供することにある。
上記目的は以下の構成により達成される。
(1) 円すい状の外輪軌道面を有する外輪と、
円すい状の内輪軌道面と、該内輪軌道面の小径側に位置する小鍔部と、該内輪軌道面の大径側に位置する大鍔部と、を有する内輪と、
前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配された複数の円すいころと、
小径環状部と、大径環状部と、該小径環状部と該大径環状部とを連結する複数の柱部と、を有し、これら小径環状部、大径環状部及び隣接する柱部で構成されるポケットに前記円すいころを収容することにより前記複数の円すいころを円周方向で所定間隔に保持する樹脂製の保持器と、を備えた円すいころ軸受であって、
前記小鍔部の外径をdsf
前記内輪の前記内輪軌道面の小径側外径をd rs
前記保持器の前記小径環状部の内径をd sa
前記小鍔部が下方、前記大鍔部が上方となるように該円すいころ軸受の軸芯が鉛直方向となる姿勢で、且つ、前記外輪が外されて前記保持器と前記複数の円すいころが前記内輪によって保持された状態において、前記複数の円すいころが保持器ポケット隙間分外側に移動し、前記保持器に対して最も外側に位置したときの、前記複数の円すいころの内接円径をdin、この状態から前記複数の円すいころを保持した前記保持器が前記内輪に対して半径方向に移動可能な最大移動許容量をvmaxとすると、
sf>din、且つ、
(dsf−din)/2≧vmax
であり、
(d in −d rs )/2≧(d sa −d sf )/2のとき、
(d sf −d in )/2≧(d sa −d sf )/2
を満たすことを特徴とする円すいころ軸受。
本発明の円すいころ軸受によれば、円すいころ軸受から一時的に外輪が外され、内輪、円すいころ及び保持器のみによって構成されているとき、円すいころがポケット隙間分移動し、保持器に対して円すいころが最も外側に位置するときのころ内接円径dinよりも、内輪1の小鍔部外径dsfを大径とし、且つ、このときの(dsf−din)/2の値が、円すいころと一体となった保持器が内輪と中立位置にある状態から内輪に対して半径方向に最も動くことができる最大移動許容量vmax以上に設定され、内輪の内輪軌道面の小径側外径をd rs 、保持器の小径環状部の内径をd sa とすると、(d in −d rs )/2≧(d sa −d sf )/2のとき、(d sf −d in )/2 ≧(d sa −d sf )/2に設定されているので、変形後のころ内接円が内輪の小鍔部外径面を乗り越えることはなく、内輪から保持器と円すいころが分離することを防止できる。
(a)は第1実施形態の円すいころ軸受の断面図であり、(b)は(a)の一点鎖線で囲まれた部分の部分拡大図である。 (a)は第2実施形態の円すいころ軸受の断面図であり、(b)は(a)の一点鎖線で囲まれた部分の部分拡大図である。 金属製保持器を備える従来の円すいころ軸受における、内輪に円すいころを保持した保持器を組み付ける方法を説明する説明図である。 (a)は樹脂製保持器を備える一般的な円すいころ軸受における、円すいころを保持した保持器に内輪を組み付ける途中の断面図であり、(b)は円すいころを保持した保持器に内輪を組み付けた状態の断面図であり、(c)は(b)にさらに外輪を組み付けた状態の断面図である。 (a)は一般的な円すいころ軸受の断面図であり、(b)は(a)の一点鎖線で囲まれた部分の部分拡大図であり、(c)は(b)のC−C線断面図である。 従来の円すいころ軸受において、一体となった円すいころと保持器が内輪と軸芯を同一とする中立位置にあるときから、半径方向の動き量分だけ動き、内輪に対して偏心した状態を示す図である。 (a)は従来の円すいころ軸受において、一体となった円すいころと保持器が内輪と軸芯を同一とする中立位置にあるときを示す図であり、(b)は(a)の状態から半径方向の動き量分だけ動き、内輪に対して偏心した状態を示す図である。 図7(b)の外輪が一時的に外された従来の円すいころ軸受を内輪の小鍔部側から見た図である。 (a)は図8の状態から、円すいころが小鍔部外径面に沿うようにころ内接円が変形し、内輪の小鍔部外径面を乗り越え、内輪から保持器と円すいころが分離する状態を示す従来の円すいころ軸受の断面図であり、(b)は(a)の従来の円すいころ軸受を内輪の小鍔部側から見た図である。 (a)は外輪が一時的に外された本発明の円すいころ軸受において、一体となった円すいころと保持器が内輪と軸芯を同一とする中立位置にあるときから、半径方向の動き量分だけ動き、内輪に対して偏心した状態を示す断面図であり、(b)は(a)の本発明の円すいころ軸受を内輪の小鍔部側から見た図である。 (a)は外輪が一時的に外された本発明の円すいころ軸受において、一体となった円すいころと保持器が内輪と軸芯を同一とする中立位置にあるときから、半径方向の動き量分だけ開き、内輪に対して変形した状態を示す図であり、(b)は(a)の本発明の円すいころ軸受を内輪の小鍔部側から見た図である。
以下、本発明の円すいころ軸受の各実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態の円すいころ軸受10Aは、図4(c)に示す円すいころ軸受と基本的構成を同一にするので、先ず図4(c)を参照して、円すいころ軸受の基本的構成について説明する。
円すいころ軸受10Aは、図4(c)に示すように、円すい状の外輪軌道面2sを有する外輪2と、円すい状の内輪軌道面1sと、該内輪軌道面1sの小径側に小鍔部11と、大径側に大鍔部12を有する内輪1と、外輪軌道面2sと内輪軌道面1sとの間に転動自在に配された複数の円すいころ3と、円すいころ3を円周方向で所定間隔に保持する保持器4と、を備えて構成される。
保持器4は、樹脂から構成され、小径環状部42と、大径環状部43と、小径環状部42と大径環状部43とを連結して周方向に略等間隔で配置される複数の柱部44とを備え、これら小径環状部42の内面、大径環状部43の内面、および隣接する柱部44の内面とで円すいころ3を保持するポケット41を構成する。各ポケット41には、それぞれ円すいころ3が転動自在に保持される。
続いて、このような基本的構成を有する従来の円すいころ軸受10において、内輪1から円すいころ3が分離するメカニズムについて説明する。
円すいころ3が内輪1の小鍔部11を最も乗り越えやすい状況は、図4(b)で示した、円すいころ軸受10から一時的に外輪2が外され、内輪1、円すいころ3及び保持器4のみによって構成されているときである。このとき内輪1から円すいころ3と保持器4が分離するメカニズムは以下の通りである。
内輪1、外輪2、円すいころ3が組立てられた状態のとき、保持器4は円すいころ軸受10に対して半径方向に適切な遊び量を持たせるために、ポケット隙間が設けられている(図5参照)。従って、内輪1の小鍔部11が下方、大鍔部12が上方となるように円すいころ軸受10の軸芯Oが鉛直方向となる姿勢で、且つ、外輪2が一時的に外されて保持器4と円すいころ3が内輪1によって保持された状態では、円すいころ3が保持器ポケット隙間分、外側に移動した状態となる。
ここで、一体となった円すいころ3と保持器4が内輪1と軸芯を同一とする中立位置にあるとき、内輪1に対して円すいころ3は半径方向に隙間がある状態となり、動き量を持つことになる(図6の実線)。内輪1から保持器4と円すいころ3が分離するときは、この中立位置から、半径方向の動き量分だけ動き、内輪1に対して偏心が起こる(図6の二点鎖線)。
図7(a)は、図6の実線で示した一体となった円すいころ3と保持器4が内輪1と軸芯Oを同一とする中立位置にあるときである。このとき、軸芯Oを挟んで対称位置にある円すいころ3は、それぞれ内輪1の内輪軌道面1sとの間に隙間tがあり、隙間t分だけ半径方向に動くことができる。図7(b)は、図6の二点鎖線で示した、一体となった円すいころ3と保持器4が隙間t分だけ右方向に動き内輪1に対して偏心した状態を示している。このとき、軸芯Oを挟んで内輪1に最も近づく位相の円すいころ3と内輪1の内輪軌道面1sとの間に隙間はなく、内輪1から最も離れる位相の円すいころ3と内輪1の内輪軌道面1sとの間に隙間2tが生じる。図8は、図7(b)の外輪2が一時的に外された従来の円すいころ軸受10を内輪1の小鍔部11側から見た正面図である。なお、保持器4は省略している。
図1及び図2も参照して、このときの半径方向の動き量、即ち、内輪1の小鍔部11が下方、大鍔部12が上方となるように円すいころ軸受10の軸芯Oが鉛直方向となる姿勢で、且つ、外輪2が外されて保持器4と円すいころ3が内輪1によって保持された状態において、円すいころ3が保持器ポケット隙間分外側に移動し、保持器4に対して最も外側に位置したときの、円すいころ3を保持した保持器4が内輪1に対して半径方向に移動可能な最大移動許容量vmaxは、このときの円すいころ3の内接円径をdinとすると、(din−drs)/2≧(dsa−dsf)/2のとき、(dsa−dsf)/2であり、(din−drs)/2≦(dsa−dsf)/2のとき、(din−drs)/2である。なお、drsは、内輪1の内輪軌道面1sの小径側外径であり、dsaは、保持器4の小径環状部42の内径であり、dsfは、内輪1の小鍔部11の外径である。
言い換えると、(din−drs)/2≧(dsa−dsf)/2のときとは、内輪1から最も離れる位相の円すいころ3が、軸芯Oを挟んで反対側における保持器4の小径環状部42と小鍔部外径面11aとの間の隙間分移動可能なときであり、このときの最大移動許容量vmaxは、軸芯Oを挟んで反対側における保持器4の小径環状部42と小鍔部外径面11aとの間の径方向距離((dsa−dsf)/2)となる(図参照)。
また、(din−drs)/2≦(dsa−dsf)/2のときとは、内輪1から最も離れる位相の円すいころ3が、軸芯Oを挟んで反対側に位置する円すいころ3と内輪軌道面1sとの間の隙間分移動可能なときであり、このときの最大移動許容量vmaxは、軸芯Oを挟んで反対側に位置する円すいころ3と内輪軌道面1sとの間の径方向距離((din−drs)/2)となる(図参照)。なお、図7は、(din−drs)/2≦(dsa−dsf)/2のとき、即ち、最大移動許容量vmaxが、(din−drs)/2=tの場合を例示している。
しかしながら、樹脂製の保持器4は低剛性であるため、図7(b)で生じた隙間t分、ころ内接円Pは自在に変形できるようになり、図8で締め代sを生じていた位置Q1、Q2(内輪1から最も離れる位相の円すいころ3から略45°の位置)において、円すいころ3が小鍔部外径面11aに沿うようにころ内接円Pが変形し、内輪1の小鍔部外径面11aを乗り越え、内輪1から保持器4と円すいころ3が分離する(図9)。
そこで、本発明の円すいころ軸受10A、10Bは、円すいころ3と一体となった保持器4が内輪1から分離しない、つまり、ころ内接円Pが内輪1の小鍔部外径面11aを乗り越えないようにするために、円すいころ3と一体となった保持器4の偏心後、内輪1から最も離れる位相の円すいころ3が、内輪1の小鍔部外径面11aとの間に隙間を生じさせないように設定したものである。このことにより、円すいころ3を保持した保持器4が内輪1に対して半径方向に移動可能な最大移動許容量vmax分移動して、樹脂製の保持器4が変形したとしても、図10に示すように、内輪1から最も離れる方向の位相の円すいころ3が内輪1の小鍔部外径面11aと締め代sを持つので、変形後のころ内接円Pが内輪1の小鍔部外径面11aを乗り越えることはなく、内輪1から保持器4と円すいころ3が分離することを防止できる。図8で締め代を生じていた位置Q1、Q2(内輪1から最も離れる位相の円すいころ3から略45°の位置)においても、円すいころ3が内輪1の小鍔部外径面11aと締め代sを持つ。
図11は、図8で締め代を生じていた位置Q1、Q2の円すいころ3を内輪1の小鍔部外径面11aに合わせた状態を示しており、このとき、図8で締め代を生じていた位置Q1、Q2から約45°に位置する円すいころ3が内輪1の小鍔部外径面11aと締め代sを持つ。従って、変形後のころ内接円Pが内輪1の小鍔部外径面11aを乗り越えることはなく、内輪1から保持器4と円すいころ3が分離することを防止できる。
上記条件を満足するためには、一時的に外輪2が外され、内輪1、円すいころ3及び保持器4のみによって円すい軸受10A、10Bが構成されているとき、円すいころ3がポケット隙間分移動し、保持器4に対して円すいころ3が最も外側に位置するときのころ内接円径dinよりも、小鍔部11の外径dsfを大径とし、且つ、このときの(dsf−din)/2の値を、円すいころ3と一体となった保持器4が内輪1と中立位置にある状態から内輪1に対して半径方向に最も動くことができる最大移動許容量vmax以上にする必要がある。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態の円すいころ軸受10Aを示す図であり、第1実施形態の円すいころ軸受10Aは、(din−drs)/2≧(dsa−dsf)/2に設定されている。このとき、dsf、in、drsが以下の関係式(1)且つ(2)を満たすように設定されている。
sf>din (1)
(dsf−din)/2≧(dsa−dsf)/2 (2)
<第2実施形態>
図2は、本発明の第2実施形態の円すいころ軸受を示す図であり、第2実施形態の円すいころ軸受10は、(din−drs)/2≦(dsa−dsf)/2に設定されている。このとき、dsf、in、dsaが以下の関係式(1)且つ(3)を満たすように設定されている。
sf>din (1)
(dsf−din)/2≧(din−drs)/2 (3)
第1及び第2実施形態の円すいころ軸受10A、10Bによれば、円すいころ3と一体となった保持器4が内輪1に対して偏心した後、内輪1から最も離れる位相の円すいころ3が、内輪1の小鍔部外径面11aとの間に隙間を生じないため、内輪1から保持器4と円すいころ3が分離することを防止できる(図10、11)。
以上説明したように上記実施形態の円すいころ軸受10A、10Bによれば、円すいころ軸受10A、10Bから一時的に外輪2が外され、内輪1、円すいころ3及び保持器4のみによって構成されているとき、円すいころ3がポケット隙間分移動し、保持器4に対して円すいころ3が最も外側に位置するときのころ内接円径dinよりも、内輪1の小鍔部外径dsfを大径とし、且つ、このときの(dsf−din)/2の値が、円すいころ3と一体となった保持器4が内輪1と中立位置にある状態から内輪1に対して半径方向に最も動くことができる最大移動許容量vmax以上に設定されているので、樹脂製の保持器4が変形したとしても内輪1から最も離れる方向の位相の円すいころ3が内輪1の小鍔部外径面11aと締め代を持つ。これにより、変形後のころ内接円Pが内輪1の小鍔部外径面11aを乗り越えることはなく、内輪1から保持器4と円すいころ3が分離することを防止できる。
1 内輪
1s 内輪軌道面
2 外輪
2s 外輪軌道面
3 円すいころ
4 保持器
11 小鍔部
12 大鍔部
41 ポケット
42 小径環状部
43 大径環状部
44 柱部
O 軸芯
in 円すいころの内接円径
sa 保持器の小径環状部内径
sf 内輪の小鍔部外径
rs 内輪軌道面の小径側外径
max 最大移動許容量

Claims (1)

  1. 円すい状の外輪軌道面を有する外輪と、
    円すい状の内輪軌道面と、該内輪軌道面の小径側に位置する小鍔部と、該内輪軌道面の大径側に位置する大鍔部と、を有する内輪と、
    前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配された複数の円すいころと、
    小径環状部と、大径環状部と、該小径環状部と該大径環状部とを連結する複数の柱部と、を有し、これら小径環状部、大径環状部及び隣接する柱部で構成されるポケットに前記円すいころを収容することにより前記複数の円すいころを円周方向で所定間隔に保持する樹脂製の保持器と、を備えた円すいころ軸受であって、
    前記小鍔部の外径をdsf
    前記内輪の前記内輪軌道面の小径側外径をd rs
    前記保持器の前記小径環状部の内径をd sa
    前記小鍔部が下方、前記大鍔部が上方となるように該円すいころ軸受の軸芯が鉛直方向となる姿勢で、且つ、前記外輪が外されて前記保持器と前記複数の円すいころが前記内輪によって保持された状態において、前記複数の円すいころが保持器ポケット隙間分外側に移動し、前記保持器に対して最も外側に位置したときの、前記複数の円すいころの内接円径をdin、この状態から前記複数の円すいころを保持した前記保持器が前記内輪に対して半径方向に移動可能な最大移動許容量をvmaxとすると、
    sf>din、且つ、
    (dsf−din)/2≧vmax
    であり、
    (d in −d rs )/2≧(d sa −d sf )/2のとき、
    (d sf −d in )/2≧(d sa −d sf )/2
    を満たすことを特徴とする円すいころ軸受。
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