JP6713983B2 - ペプチド合成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なペプチド合成方法に関し、具体的には、正確なペプチド伸長反応を容易に行うことができるペプチド合成方法に関する。
従来より、化学プロセスにおいては、液体に溶解した特定成分を固体として分離する方法が広く用いられている。特定成分のみを固体化(結晶化)することにより、反応後の分離・精製が容易となるためである。この方法によれば、例えば、近年の医薬品の開発研究等で用いられている化合物ライブラリー合成等の逐次多段階合成において、各反応の終了毎に、必要又は不要な化合物を固体化(結晶化)させることにより、固体化(結晶化)した物質の分離・精製を容易に実施できる。したがって、従来問題となってきた工程の煩雑さを解消することができる。
また、液体の相分離に伴って、溶解している特定成分を、特定の相に選択的に溶解(選択的な分配)させることにより、他の成分との分離を実現する方法も用いられている。この方法によれば、固体化(結晶化)を伴うことなく特定成分を分離することができるため、工程の迅速化、簡便化に寄与することができる。
このような、溶液に溶解した特定成分の固体化(結晶化)あるいは、液体の特定の相への特定成分の選択的な溶解(選択的な分配)は、化合物の化学的性質、物性、及び溶媒との関係において、一定の条件を満たすことにより実現される。しかしながら、固体化(結晶化)や選択的な溶解(選択的な分配)の条件は、多くの場合、試行錯誤を行い、経験的に探索せねばならない。特に、逐次多段階合成においては、それぞれの段階において合成された化合物に特有な性質に基づいて、それぞれの段階の条件の検討が必要となるため、プロセス開発に多大なコストと時間を要していた。
そこで、溶媒組成の変化を敏感に感知して、溶解状態と不溶化(結晶化)状態とが可逆的に変化する、あるいは、液体の相分離に伴って、溶解している特定成分を特定の相に選択的に高濃度に溶解(選択的な分配)させる、リンカーを有する担体分子が提案されている。このような担体分子には、リンカーを介して種々の化合物を結合させることができる。このため、結合された化合物は、担体分子に伴って、溶解状態から不溶化(結晶化)状態又はその逆に、容易に状態変化することができる。あるいは、担体分子と結合した化合物を、複相に分離した液体の特定の相に、選択的に高濃度に溶解(選択的な分配)させることができる。
また、このような担体分子は、逐次化学反応によって結合した化合物の化学構造が変化した場合であっても、ほぼ同一の条件により、溶解状態と不溶化(結晶化)状態を可逆的に繰り返したり、あるいは、複相に分離した液体の特定の相に、選択的に高濃度に溶解(選択的な分配)することができる。このような、溶解状態と不溶化(結晶化)状態とが可逆的に変化する、あるいは、選択的な分配状態を誘導することのできる担体分子を用いれば、有機化学の一般的な液相反応の知見をそのまま利用しつつ、均一な溶液状態から分離対象となる化合物を選択的に分離することができる。すなわち、液相反応の後に、他の可溶性成分を溶液に残したままで、特定の化合物を分離することが可能となる。
溶解状態と不溶化状態を可逆的に繰り返すことができる担体としては、様々な化合物が提案されている。例えば、本発明者らにより提案されている長鎖脂肪酸を導入したベンジルアルコール化合物(特許文献1〜4)、あるいは、長鎖脂肪酸を導入したフルオレン化合物(特許文献5)や長鎖脂肪酸を導入したジフェニルメタン化合物(特許文献6)がある。
ペプチド合成技術には、固相ペプチド合成法(SPPS法)と液相ペプチド合成法(LPPS法)がある。固相ペプチド合成法は、原理的に、アミノ酸伸長反応の各段階で精製することができない。また、合成コストが高く、そのため、少量生産に向いている。一方、液相ペプチド合成法は、大量生産に汎用されているが、ペプチド鎖が長くなると、ペプチド伸長反応が難しくなり、長鎖のペプチド合成に課題がある。
そこで、溶解状態と不溶化状態を可逆的に繰り返すことができる上記の担体を用いてペプチド合成を行うことが提案されている(特許文献1〜6)。
ペプチド合成では、ペプチド伸長反応においてアミノ酸残基の欠落が起こるという問題があり、上記の担体を用いた場合においても問題となっている。アミノ酸残基の欠落の解決策として、アミノ酸および縮合剤の当量を増やすということが行われている。しかしながら、その結果として、反応液中に過剰アミノ酸活性種が残っていると、N末端の脱保護時にダブルヒットが起こるという新たな問題が生じている。それにより、目的のアミノ酸の収率が落ちるという問題がある。ここでダブルヒットとは、目的のペプチドにさらにアミノ酸残基が一つ余分に挿入されることを意味する。
この解決手段としては、脱保護前に、洗浄によりアミノ酸活性種を反応系から取り除くということが行われている。例えば、以下のような方法が提案されている。保護基としてベンジルオキシカルボニル基(CbzまたはZ)またはt−ブチルオキシカルボニル基(Boc)を用いた液相ペプチド合成法において、反応系中に残存するアミノ酸の活性エステルを除去するために、β−アラニン−OBzなどのアニオン成分をもつアミンをスカベンジャーとして添加する方法が提案されている(特許文献7)。この方法においては、保護基をN末端から脱保護する際に、スカベンジ体のアニオン成分保護基も同時に脱離され、水溶性となる。その後、アルカリ性水−有機溶媒で液−液抽出を行い、次いで、水で縮合剤およびアミノ酸成分を除去する。しかしながら、保護基としてCbzを用いた場合は、ペプチド配列にMetやCysがあると、脱保護触媒が失活してしまい適用できない。また、この方法では、ジベンゾフルベンは取り除けないため、保護基としてフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)を用いることはできない。
また、保護基としてBocを用いた液相ペプチド合成法において、反応系中に残存するアミノ酸の活性エステルを除去するために、アルカリ水(例えば、5%炭酸ナトリウム水溶液)で活性エステルを加水分解しながら液−液抽出でアミノ酸成分を取り除く方法が提案されている(特許文献8)。しかしながらこの方法では、pH=11以上のアルカリが強い条件では、エピマー化が起こる恐れがある。また、ジベンゾフルベンは取り除けないため、保護基としてフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)を用いることはできない。
上記の溶解状態と不溶化状態を可逆的に繰り返すことができる担体を用いたペプチド合成においても、過剰アミノ酸活性種によるダブルヒットの問題の解決のために、脱保護前に、洗浄によりアミノ酸活性種を反応系から取り除くということを行うことができる。しかしながら、担体を不溶化するための晶析操作ではアミノ酸活性種が洗浄で完全に除去できない場合があり、また、縮合反応後と脱保護後の2回の洗浄が必要となり、大量の洗浄溶媒を必要とするという問題がある。
また、ペプチド合成におけるFmoc基の除去方法として、FmocをN末端から脱保護した後、チオールカルボン酸を共存させて、ジベンゾフルベンを生成させ、その後、アルカリ性水−有機溶媒で液−液抽出を行い、次いで、水で縮合剤、アミノ酸成分およびジベンゾフルベンを除去することによりアミノ酸活性エステルを取り除く方法が報告されている(特許文献8)。また、Fmocを脱保護する前に、活性エステルを、チオールシリカで除去またはアルカリ水で分解してもよいと開示されており、アミノ酸の活性エステルを水溶性の生成物として除去することが示唆されている。
他に、ペプチド合成におけるFmoc基の除去方法として、FmocをN末端から脱保護した後、アルキルチオールまたは固相チオールを共存させて、ジベンゾフルベンを生成させて、次いで、濃縮後、エーテルでペプチド成分を晶析、固液分離することにより、ジベンゾフルベン付加物を取り除く方法が報告されているが、アミノ酸活性エステルの除去については、記載がない(非特許文献1)。
特開2003−183298号公報 特開2004−059509号公報 WO2007/034812号公報 WO2007/122847号公報 WO2010/104169号公報 WO2010/113939号公報 特開2003−55396号公報 WO2007/099656号公報
James E. Sheppeck II ら, Tetrahedorn Letters 41 (2000)
本発明は、溶解状態と不溶化状態を可逆的に繰り返すことができる担体を用いたペプチド合成反応において、脱保護反応時における反応系中に存在するアミノ酸活性種の問題を容易に解決することができるペプチド合成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を行った結果、脱保護反応前に、特定のスカベンジャーによりアミノ酸活性種を不活性化することにより、N末端の脱保護前にそれらを反応系から取り除かなくても脱保護時にアミノ酸のダブルヒットが防げることを見出し、本発明を完成した。本発明は以下のものを含む。
(1)以下の工程a〜d:
a.縮合剤の存在下で、フルオレニルメトキシカルボニルでN末端が保護された(N−Fmoc保護)アミノ酸またはN−Fmoc保護ペプチドと、溶解している溶媒の組成変化に伴い晶析される担体でC末端が保護された(C−担体保護)アミノ酸、C−担体保護ペプチドまたはC−担体保護アミノ酸アミドとを縮合させて、N−Fmoc−C−担体保護ペプチドを得る工程、
b.反応系に、炭素数が1〜14であるアルキルアミン、炭素数が1〜14である芳香族アミン、ヒドロキシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも一つのアミンを添加する工程、(ここで、アルキルアミンまたは芳香族アミンは、第一級または第二級アミンである)
c.N末端を脱保護する工程、および
d.得られたC−担体保護ペプチドが溶解している溶媒組成を変化させることにより該C−担体保護ペプチドを晶析させて分離する工程、
を含むペプチド合成方法。
(2)前記担体が、
下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「Ka」という場合がある):
(式中、RおよびRは、水素原子であり、R、RおよびRは、炭素数が8〜30、好ましくは12〜22のアルコキシル基である。また、式中、RXは、下記式で表され、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する基である、
(ここでRは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、またはアルコキシ置換ベンジル基を表し、Rは水素原子、フェニル基、またはアルコキシ置換フェニル基を表す)
なお、上記式は、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する前の状態で示している)、
下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「Kb」という場合がある):
(式中、R、RおよびRは、水素原子であり、RおよびRは、炭素数が12〜30、好ましくは18〜22のアルコキシル基である。また、式中、RYは、下記式で表され、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する基である、
(ここでRは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、またはアルコキシ置換ベンジル基を表し、Rは水素原子、フェニル基、またはアルコキシ置換フェニル基を表す)
なお、上記式は、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する前の状態で示している)、および
下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「Kc」という場合がある):
(式中、R、RおよびRは、水素原子であり、RおよびRは、炭素数が12〜30、好ましくは18〜22のアルコキシル基である。また、式中、RZは、下記式で表され、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する基である、
(ここでRは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、またはアルコキシ置換ベンジル基を表し、Rは水素原子、フェニル基、またはアルコキシ置換フェニル基を表す)
なお、上記式は、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する前の状態で示している)、
からなる群より選ばれる化合物である、前記(1)に記載のペプチド合成方法。
(3)前記担体が、
(式中、Xはハロゲンであり、Yは8〜12の整数であり、Zは17〜29の整数である。)、
(式中、Xは、それぞれ独立に7〜21の整数である。)、および
(式中、Xは、それぞれ独立に11〜29の整数である。)、
(なお、上記各式は、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する前の状態で示している)、
からなる群より選ばれる化合物である、前記(1)に記載のペプチド合成方法。
(4)前記担体が、
(3,4,5−トリオクタデシルベンジルアルコール)、
(2,4−ジドコシロキシベンジルアルコール)、
(3,5−ジドコシロキシベンジルアルコール)、
(式中、Xは、FまたはClである。)
(2−(3,4,5−トリオクタデシロキシベンジル)−4−メトキシベンジルアルコール)、および、
(Bis−(4−ドコシロキシフェニル)−メチルアミン)、
(なお、上記各式は、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する前の状態で示している)
からなる群より選ばれる化合物である、前記(1)に記載のペプチド合成方法。
(5)前記アミンが炭素数1〜10のアルキルアミンまたはヒドロキシルアミンである上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
(6)前記アミンが炭素数3または4のアルキルアミンである上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
(7)工程bにおけるアミン当量が、工程aの縮合反応後に理論上残存するアミノ酸当量に対して1〜30倍の量である、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
(8)前記得られたC−担体保護ペプチドが溶解している溶媒組成を変化させる組成変化手段が、溶液の溶媒を濃縮し、その後、貧溶媒を加え固化することによりなされる、上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
(9)前記貧溶媒が、アセトニトリル、任意割合の含水アセトニトリル、メタノール、任意割合の含水メタノール、および水からなる群より選ばれる溶媒ある前記(8)に記載のペプチド合成方法。
(10)工程dで晶析分離されたC−担体保護ペプチドを用いて、工程a〜工程dの繰り返しを1回以上行うことを含む、前記(1)〜(9)のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
(11)さらに以下の工程、
e.晶析分離されたC−担体保護ペプチドの結晶を、有機溶媒で洗浄する工程を含む前記(1)〜(10)に記載のペプチド合成方法。
(12)前記a〜cの工程をワンポット合成で行う、前記(1)〜(11)のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
本発明のペプチド合成方法は、簡便な手段で脱保護反応時における反応系中に存在するアミノ酸活性種の問題を解決することができ汎用性に優れている。本発明により合成されたペプチドはアミノ酸の欠落やダブルヒットの問題が少なく、本発明の方法によれば高収率・高品質のペプチドを合成できる。
以下、本発明を、例示的な実施態様を例として、本発明の実施において使用することができる好ましい方法および材料とともに説明する。
なお、文中で特に断らない限り、本明細書で用いるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味をもつ。また、本明細書に記載されたものと同等または同様の任意の材料および方法は、本発明の実施において同様に使用することができる。
また、本明細書に記載された発明に関連して本明細書中で引用されるすべての刊行物および特許は、例えば、本発明で使用できる方法や材料その他を示すものとして、本明細書の一部を構成するものである。
本明細書において使用する用語を以下に説明する。
1.N−Fmoc保護アミノ酸およびペプチド
フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)でN末端が保護されたアミノ酸(N−Fmoc保護アミノ酸)とは、アミノ酸のアミノ基がFmocで保護されており、一方、カルボニル基は保護されておらず反応性であるアミノ酸を意味する。
フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)でN末端が保護されたペプチド(N−Fmoc保護ペプチド)とは、ペプチド鎖のN末端のアミノ基がFmocで保護され、一方、C末端のカルボニル基は保護されておらず反応性であるペプチドを意味する。
なお、N−Fmoc保護アミノ酸またはN−Fmoc保護ペプチドが水酸基、アミノ基、グアニジル基、カルボキシル基、スルフヒドリル基等の反応性に富む官能基を有する場合、これらの官能基にペプチド化学で用いられる一般的な保護基が導入されていてもよく、反応終了後に、必要に応じて保護基を除去することで目的化合物を得ることができる。
水酸基の保護基としてはtBu基、Trt基、Bz基、アセチル基、シリル基等があげられ、アミノ基の保護基としては、Boc基、Fmoc基、Cbz基、Trt基、Mmt基、ivDde基等があげられ、グアニジル基の保護基としては、Pbf基、Pmc基、ニトロ基等があげられ、カルボキシル基の保護基としてはtBu基、メチル基、エチル基、Bz基等があげられ、スルフヒドリル基の保護基としては、Trt基、Acm基、tBu基、S−tBu基等を上げることができる。
2.C−担体保護アミノ酸、ペプチドおよびアミノ酸アミド
溶解している溶媒の組成変化に伴い晶析される担体でC末端が保護されたアミノ酸(C−担体保護アミノ酸)とは、アミノ酸のカルボキシル基が以下に記載の担体で保護され、一方、アミノ基は保護されておらず反応性であるアミノ酸を意味する。
溶解している溶媒の組成変化に伴い晶析される担体でC末端が保護されたペプチド(C−担体保護ペプチド)とは、ペプチド鎖のC末端のカルボキシル基が以下に記載の担体で保護され、一方、N末端のアミノ基は保護されておらず反応性であるペプチドを意味する。
溶解している溶媒の組成変化に伴い晶析される担体でC末端が保護されたアミノ酸アミド(C−担体保護アミノ酸アミド)とは、アミノ酸のカルボキシル基は以下に記載の担体で保護されて、一方、アミノ基は保護されておらず反応性であるアミノ酸アミドを意味する。
なお、C−担体保護アミノ酸またはC−担体保護ペプチドまたはC−担体アミノ酸アミドが水酸基、アミノ基、グアニジル基、カルボキシル基、スルフヒドリル基等の反応性に富む官能基を有する場合、これらの官能基にペプチド化学で用いられる一般的な保護基が導入されていてもよく、反応終了後に、必要に応じて保護基を除去することで目的化合物を得ることができる。
水酸基の保護基としてはtBu基、Trt基、Bz基、アセチル基、シリル基等があげられ、アミノ基の保護基としては、Boc基、Fmoc基、Cbz基、Trt基、Mmt基、ivDde基等があげられ、グアニジル基の保護基としては、Pbf基、Pmc基、ニトロ基等があげられ、カルボキシル基の保護基としてはtBu基、メチル基、エチル基、Bz基等があげられ、スルフヒドリル基の保護基としては、Trt基、Acm基、tBu基、S−tBu基等を上げることができる。
3.溶解している溶媒組成の変化に伴い晶析される担体
溶解している溶媒組成の変化に伴い晶析される担体とは、担体が溶解している溶媒の組成変化により、溶解状態と固体化(結晶化)状態とが可逆的に変化する担体をいう。具体的には、これに限定されないが、例えば以下の化合物をあげることができ、これらの化合物を、アミノ酸またはペプチドのC末端と結合させることにより、本発明で用いる、C末端が担体で保護された、C−担体保護アミノ酸、C−担体保護ペプチド、またはC−担体保護アミノ酸アミドを作ることができる。
3−1.担体A
下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「Ka」という場合がある):
(式中、RおよびRは、水素原子であり、R、RおよびRは、炭素数が8〜30のアルコキシル基である。また、式中、RXは、下記式で表され、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する基である、
(ここでRは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、またはアルコキシ置換ベンジル基を表し、Rは水素原子、フェニル基、またはアルコキシ置換フェニル基を表す))。
上記式中、R、RおよびRは、より好ましくは炭素数が8〜22、さらに好ましくは炭素数が12〜18である。
上記式中、RXは、より好ましくはヒドロキシメチル基、アミノメチル基、メルカプトメチル基であり、さらに好ましくはヒドロキシメチル基である。
上記式に含まれる化合物で、好ましいものは3,4,5−トリオクタデシルベンジルアルコール、3,4,5−トリオクタデシルベンジルアミン、3,4,5−トリオクタデシルベンジルチオールであり、さらに好ましいものは3,4,5−トリオクタデシルベンジルアルコール、3,4,5−トリオクタデシルベンジルアミンであり、最も好ましいものは下記式で表される3,4,5−トリオクタデシルベンジルアルコールである。
上記化合物のアミノ酸またはペプチドのC末端への結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、DIPCIを用いたエステル化により行うことができる。
3−2.担体B
下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「Kb」という場合がある):
(式中、R、RおよびRは、水素原子であり、RおよびRは、炭素数が12〜30のアルコキシル基である。また、式中、RYは、下記式で表され、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する基である、
(ここでRは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、またはアルコキシ置換ベンジル基を表し、Rは水素原子、フェニル基、またはアルコキシ置換フェニル基を表す))。
上記式中、RおよびRは、より好ましくは炭素数が18〜22である。
上記式中、RXは、より好ましくはヒドロキシメチル基、アミノメチル基、メルカプトメチル基であり、さらに好ましくはヒドロキシメチル基である。
上記式に含まれる化合物で、好ましいものは2,4−ジドコシロキシベンジルアルコール、2,4−ジドコシロキシベンジルアミン、2,4−ジドコシロキシベンジルチオールであり、さらに好ましいものは2,4−ジドコシロキシベンジルアルコール、2,4−ジドコシロキシベンジルアミンであり、最も好ましいものは下記式で表される2,4−ジドコシロキシベンジルアルコールである。
上記化合物のアミノ酸またはペプチドのC末端への結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、DIPCIを用いたエステル化により行うことができる。
3−3.担体C
下記の構造を有する化合物(本願明細書中では「Kc」という場合がある):
(式中、R、RおよびRは、水素原子であり、RおよびRは、炭素数が12〜30のアルコキシル基である。また、式中、RZは、下記式で表され、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する基である、
(ここでRは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、またはアルコキシ置換ベンジル基を表し、Rは水素原子、フェニル基、またはアルコキシ置換フェニル基を表す))、
上記式中、RおよびRは、より好ましくは炭素数が18〜22である。
上記式中、RXは、より好ましくはヒドロキシメチル基、アミノメチル基、メルカプトメチル基であり、さらに好ましくはヒドロキシメチル基である。
上記式に含まれる化合物で、好ましいものは3,5−ジドコシロキシベンジルアルコール、3,5−ジドコシロキシベンジルアミン、3,5−ジドコシロキシベンジルチオールであり、さらに好ましいものは3,5−ジドコシロキシベンジルアルコール、3,5−ジドコシロキシベンジルアミンであり、最も好ましいものは下記式で表される3,5−ジドコシロキシベンジルアルコールである。
上記化合物のアミノ酸またはペプチドのC末端への結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、DIPCIによるエステル化により行うことができる。
3−4.担体D
下記の構造を有する化合物:
(式中、Xはハロゲンであり、Yは8〜12の整数であり、Zは17〜29の整数である。)。
上記式中、Xは、好ましくはFまたはClであり、より好ましくはFである。
最も好ましいものは下記式で表される。
(式中、XはFまたはClである。)
上記化合物のアミノ酸またはペプチドのC末端への結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、塩基触媒によるエステル化により行うことができる。
3−5.担体E
下記の構造を有する化合物:
(式中、Xは、それぞれ独立に7〜21の整数である。)
最も好ましいものは下記式で表される、(2−(3,4,5−トリオクタデシロキシベンジル)−4−メトキシベンジルアルコールである。
上記化合物のアミノ酸またはペプチドのC末端への結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、DIPCIによるエステル化により行うことができる。
3−6.担体F
下記の構造を有する化合物:
(式中、Xは、それぞれ独立に11〜29の整数である。)
最も好ましいものは下記式で表される、Bis−(4−ドコシロキシフェニル)−メチルアミンである。
上記化合物のアミノ酸またはペプチドのC末端への結合は、ペプチド合成において一般的に用いられる方法を本発明においても制限なく用いることができ、例えば、DICPI/HOBtによるアミド化により行うことができる。
4.ペプチドの製造方法
本発明のペプチド合成方法は、溶解状態と不溶化状態を可逆的に繰り返すことができる担体を用いたペプチド製造方法に好適に使用することができる。
本発明のペプチド合成方法を含んだペプチド製造方法としては、例えば、以下のような工程を例示することができる。
(i)カップリング工程
縮合剤の存在下、N−Fmoc保護アミノ酸またはペプチドと、C−担体保護アミノ酸またはペプチドを縮合させて、N−Fmoc−C−担体保護ペプチドを得る工程、
(ii)炭素数が1〜14である第一級または第二級のアルキルアミンまたは炭素数が1〜14である第一級または第二級の芳香族アミンまたはヒドロキシルアミン(以下アミンスカベンジャーと呼ぶ)を用いて、アミノ酸活性エステルのスカベンジ体を形成する工程、
(iii)ペプチドのN末端からFmoc基を除去してN末端を脱保護する工程、
(iv)貧溶媒を用いて、ペプチドが結合した担体(C−担体保護ペプチド)を晶析・分離する工程、
(v)上記工程(i)〜(v)を、必要回数繰り返す工程、および
(vi)ペプチドから担体を除去して最終脱保護を行う工程。
さらに前記工程(iv)の後に以下の工程、
(vii)晶析・分離したC−担体保護ペプチドを有機溶媒で洗浄する工程、
を加えることもでき、それにより、アミノ酸活性エステルのスカベンジ体を含む不純物の除去がより完全となる。
以下、それぞれの工程について説明する。
4−1.カップリング工程
本工程では、例えば、溶媒中において、N−Fmoc保護アミノ酸と、C−担体保護ペプチド、C−担体保護アミノ酸またはC−担体保護アミノ酸アミドと、縮合剤(好ましくは縮合剤および活性化剤)とを混合することによって、アミノ酸残基が一つ伸長したN−Fmoc−C−担体保護ペプチドが得られる。また、N−Fmoc保護アミノ酸に替えてN−Fmoc保護ペプチドを用いれば、N−Fmocペプチドのアミノ酸残基の数だけアミノ酸残基が伸長したN−Fmoc−C−担体保護ペプチドが得られる。
各成分の添加の方法や順序は、特に制限なく行うことができ、ペプチド合成におけるカップリング工程において通常用いられている方法を用いることができる。
C−保護担体ペプチドに対する、N−Fmoc保護アミノ酸またはN−Fmoc保護ペプチドの使用量は、C−担体保護ペプチド等に対して、通常1.03〜8当量、好ましくは1.01〜4当量、より好ましくは1.05〜2当量、さらに好ましくは1.1〜1.5当量である。この範囲より少ないと、未反応のC−保護ペプチド等が残りやすく、アミノ酸の欠落を起こし易くなる。本発明のペプチド合成方法では、未反応のアミノ酸の活性エステルをその後に添加するアミンスカベンジャーでスカベンジして(捕獲して)、N−Fmoc−C−担体保護ペプチドのN末端の脱保護後に、有機溶媒を用いてそれらを容易に取り除くことができる。そのため、より多くのN−Fmoc保護アミノ酸またはN−Fmoc保護ペプチドを用いても、従来の方法に比べ残存の問題が生じない。
縮合剤としては、ペプチド合成において一般的に用いられる縮合剤が、本発明においても制限なく用いることができ、これに限定されないが、例えば、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホニウムクロリド(DMT−MM)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU(6−Cl))、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TCTU)、(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ−モルホリノ−カルベニウムヘキサフルオロリン酸塩(COMU)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCI)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC)をあげることができ、好ましくは、DMT−MM、HBTU、HATU、またはCOMUである。縮合剤の使用量は、N−Fmoc保護アミノ酸に対して、通常0.7〜1.5当量、好ましくは0.85〜1.0当量である。
カップリング工程において、反応を促進し、ラセミ化などの副反応を抑制するために、好ましくは、活性化剤が添加される。ここで活性化剤とは、縮合剤との共存化で、アミノ酸を、対応する活性エステル、対称酸無水物などに導いて、ペプチド結合(アミド結合)を形成させやすくする試薬である。活性化剤としては、ペプチド合成において一般的に用いられる活性化剤が、本発明においても制限なく用いることができ、例えば、HOBt、HOCt、HOAt、HOOBt、HOSu、HOPht、HONb、ペンタフルオロフェノール等をあげることができ、好ましくは、HOBt、HOOBt、HOCt、HOAt、HONb、HOSuである。活性化剤の使用量は、N−Fmocアミノ酸に対して、通常0〜4.0当量、好ましくは0.1〜1.5当量である。
カップリング工程で使用する溶媒は、ペプチド合成において一般的に用いられる溶媒が、本発明においても制限なく用いることができ、これに限定されないが、例えば、DMF、NMP、酢酸エチル、THF、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレンまたはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好ましくは、THF、DMFまたはそれらの混合物である。溶媒の使用量は、C−担体保護ペプチド等を溶解した濃度が、通常0.3M〜0.1mMとなる量であり、好ましくは0.2M〜1mMとなる量である。
反応温度は、ペプチド合成において一般的に用いられる温度が、本発明においても用いられ、例えば、通常−20〜40℃、好ましくは0〜30℃の範囲内である。反応時(1サイクル)間は、通常0.5〜30時間である。
4−2.アミンスカベンジャーによるアミノ酸活性エステルのスカベンジ体形成工程
本発明を用いたペプチド製造方法においては、アミノ酸のカップリング工程の後に、アミンスカベンジャーを反応系に添加して、未反応のアミノ酸活性エステルをスカベンジ(捕獲)することを特徴とする。
本発明において用いることができるアミンスカベンジャーとしては、第一級または第二級のアルキルアミン、または第一級または第二級芳香族アミン、またはヒドロキシルアミンをあげることができる。これに限定されないが、本発明で用いることができるアルキルアミンとしては、例えば、炭素数1〜14のアルキルアミンをあげることができ、好ましくは炭素数2〜10のアルキルアミン、より好ましくは炭素数2〜8のアルキルアミン、さらに好ましくは炭素数3〜4のアルキルアミンである。また本発明で用いることができる芳香族アミンとしては、たとえば炭素数1〜14の芳香族アミンをあげることができ、好ましくは炭素数6〜10の芳香族アミンである。具体的なアミンスカベンジャーとしては、これに限定されないが、例えば、プロピルアミン、メチルアミン、ヘキシルアミン、アニリン、トルイジン、2,4,6−トリメチルアニリン、アニシジン、フェネチジン、ヒドロキシルアミンをあげることができ、特に好ましくは、プロピルアミンである。
アミンスカベンジャーの添加量は、理論上残存するアミノ酸当量に対して、通常1〜30当量、好ましくは1〜15当量、より好ましくは2〜6当量、さらに好ましくは3〜4当量である。アミンスカベンジャーの添加量がこの範囲より少ないと、アミノ酸活性エステルのスカベンジ(捕獲)が不充分となり、N−Fmoc保護アミノ酸またはペプチドを後の工程で除去しにくくなり、一方、この範囲より多いと、未反応アミンスカベンジャーの除去が困難になる。
4−3.N末端脱保護工程
本発明の方法を用いたペプチド製造方法においては、N−Fmoc−C−担体保護ペプチドからのFmoc基の除去を、反応系中のアミノ酸活性エステルをアミンスカベンジャーによりスカベンジ(捕獲)してスカベンジ体を形成させた後に行う。N末端からのFmoc基の除去は、ペプチド合成において一般的に用いられる除去方法が、本発明においても制限なく用いることができる。これに制限されないが、例えば、DBU及びピペリジンを用いて行うことができる。また、この後に塩化アンモニウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液、またはその両方を用いる水洗を行ってもよい。
4−4.担体保護ペプチドの晶析・分離工程
本発明の方法を用いたペプチド製造方法においては、Fmoc基を除去したC−担体保護ペプチドを不溶化して(結晶させ)分離することができる。不溶化は、例えば、C−担体保護ペプチドが溶解している溶液の組成を変化させることにより行うことができる。不溶化(晶析)させるための条件は、用いる担体の種類や合成されたC−担体保護ペプチドの種類や長さに応じて、適宜選択できる。例えば、これに限定されないが、以下のような手段をあげることができる。
(組成変化手段)
本発明の方法において好ましく用いられる溶液組成を変化させる手段としては、C−担体保護ペプチドが溶解している溶液の組成を変化させることのできる手段であれば、特に制限されるものではない。溶液組成を変化させる好ましい手段としては、例えば、C−担体保護ペプチドが溶解している溶液にそのまま、または溶液の溶媒を濃縮した後、貧溶媒を加えて晶析する手段が挙げられる。ここで、濃縮とは、溶媒の一部または全部を留去することをいう。その後、析出した結晶を、例えばろ過や遠心分離により分離することができる。分離した結晶は、好ましくは、有機溶媒で洗浄することにより、結晶と一緒に分離された不純物等を結晶化したC−担体保護ペプチドから完全に除去できる。
本発明における貧溶媒は、C−保護アミノ酸アミドが貧溶、すなわち、C−保護アミノ酸アミドが溶解しにくい、または溶解しない溶媒をいう。C−保護アミノ酸アミドが溶解しにくい、又は溶解しないとは、C−保護アミノ酸アミドの溶解度が25℃において1質量%未満となる常温で液状の溶媒であればよく、アセトニトリル、任意割合の含水アセトニトリル、メタノール、任意割合の含水メタノール、水であることが好ましい。
以上のように、本発明の方法を用いれば、縮合反応(カップリング反応)から脱保護反応までをワンポット合成で行うことができる。
4−5.最終脱保護工程
最終脱保護工程で、所望のアミノ酸残基数を有するC−担体保護ペプチドのC末端の担体を除去することによって、最終目的物であるペプチドを得ることができる。
C末端の担体の除去の方法には特に限定は無く、自体公知の脱保護法を使用すればよい。
例えば、TFAを用いた脱保護法を用いることができ、より具体的には、Kaを用いた場合は50〜100%トリフルオロ酢酸で、Kbを用いた場合は1〜100%トリフルオロ酢酸で、Kcを用いた場合は95〜100%トリフルオロ酢酸で、担体D及び担体Eを用いた場合は1〜100%トリフルオロ酢酸で、担体Fを用いた場合は95〜100%トリフルオロ酢酸で脱保護するのが好ましい。
得られた最終目的物であるペプチドは、ペプチド化学で常用される方法に従って、単離精製することができる。例えば、反応混合物を抽出洗浄、晶析、クロマトグラフィーなどによって、最終目的物であるペプチドを単離精製することができる。
本発明のペプチド合成方法により製造されるペプチドの種類は特に限定されないが、ペプチドのアミノ酸残基数が、例えば、数十以下程度であることが好ましい。本発明のペプチド合成方法によって得られるペプチドは、既存のまたは未知の合成ペプチドや天然ペプチドと同様に、様々な分野、例えばこれに限定されないが、医薬、食品、化粧品、電子材料等の分野に利用できる。
以下、下記に示された配列のペプチドを例として合成方法を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(ペプチドA)H−Lys(Boc)Ala−OKb
(ペプチドB)Fmoc−Gly−Arg(Pbf)−Met−Asp(OtBu)−Arg(Pbf)−Ile−Gly−OH
(ペプチドC)H−Gln(Trt)−Ser(ψMe,Me Pro)−Gly−Leu−Gly−Cys(Trt)−Asn(Trt)−Ser(tBu)−Phe−Arg(Pbf)−Tyr(tBu)−OKb
(ペプチドD)H-D-Arg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−D-Tic−Oic−Arg−OH
(ペプチドE)H−Ala−Gln(Trt)−Ser(ψMe,Me Pro)−Gly−Leu−Gly−Cys(Trt)−Asn(Trt)−Ser(tBu)−Phe−Arg(Pbf)−Tyr(tBu)−Leu−OKb
(ペプチドF)Fmoc−Ser(tBu)−Leu−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Cys(Trt)−Phe−Gly−OH
(ペプチドG)HCl・H−Ser(tBu)−Leu−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Cys(Trt)−Phe−Gly−Gly−Arg(Pbf)−Met−Asp(OtBu)−Arg(Pbf)−Ile−Gly−Ala−Gln(Trt)−Ser(ψMe,Me Pro)−Gly−Leu−Gly−Cys(Trt)−Asn(Trt)−Ser(tBu)−Phe−Arg(Pbf)−Tyr(tBu)−OKb
(ペプチドH)H−Ser−Leu−Arg−Arg−Ser−Ser−Ser−Phe−Gly−Gly−Arg−Met−Asp−Arg−Ile−Gly−Gln−Ser−Gly−Leu−Gly−Cys−Asn−Ser−Phe−Arg−Tyr−OH(7Cys−23Cys,SS結合)
(ペプチドI)H−Glu(OtBu)−Ile−Pro−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Tyr(tBu)−Leu−OKb
(ペプチドJ)Fmoc−Gly−Gly−Asn(Trt)−Gly−Asp(OtBu)−Phe−Glu(OtBu)−OH
(ペプチドK)Fmoc−D−Phe−Pro−Arg(Pbf)−Pro−Gly−Gly−OH
(ペプチドL)H−D-Phe−Pro−Arg(Pbf)−Pro−Gly−Gly−Gly−Gly−Asn(Trt)−Gly−Asp(OtBu)−Phe−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Ile−Pro−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Tyr(tBu)−Leu−OKb
(ペプチドM)H−D−Phe−Pro−Arg−Pro−Gly−Gly−Gly−Gly−Asn−Gly−Asp−Phe−Glu−Glu−Ile−Pro−Glu−Glu−Tyr−Leu−OH
(ペプチドN)H−Lys(Boc)−Pro−Pro−Ala−Lys(Boc)−Leu−Gln(Trt)−Pro−Arg(Pbf)−OKb
(ペプチドO)Fmoc−Lys(Boc)Leu−Gln(Trt)−Gln(Trt)−Arg(pbf)−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Ser(tBu)−Lys(Boc)−OH
(ペプチドP)Boc−Gly−Ser(tBu)−Ser(n−Octanoyl)−Phe−Leu−Ser(tBu)−Pro−Glu(OtBu)−His(Trt)−Gln(Trt)−OH
(ペプチドQ)Boc−Gly−Ser(tBu)−Ser(n−Octanoyl)−Phe−Leu−Ser(tBu)−Pro−Glu(OtBu)−His(Trt)−Gln(Trt)−Lys(Boc)−Leu−Gln(Trt)−Gln(Trt)−Arg(pbf)−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Ser(tBu)−Lys(Boc)−Lys(Boc)−Pro−Pro−Ala−Lys(Boc)−Leu−Gln(Trt)−Pro−Arg(Pbf)−OKb
(ペプチドR)H−Gly−Ser−Ser(n−Octanoyl)−Phe−Leu−Ser−Pro−Glu−His−Gln−Lys−Leu−Gln−Gln−Arg−Lys−Glu−Ser−Lys−Lys−Pro−Pro−Ala−Lys−Leu−Gln−Pro−Arg−OH
本明細書中および以下の実施例においては、下記の略号を用いた。
AAs:1以上の任意のアミノ酸残基
AAx:任意のアミノ酸残基
Boc:tert−ブトキシカルボニル
COMU:(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ−モルホリノ−カルベニウムヘキサフルオロリン酸塩
CPME:シクロペンチルメチルエーテル
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
DCM:ジクロロメタン
DIPCI:ジイソプロピルカルボジイミド
DMAP:N,N−ジメチル−4−アミノピリジン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMT−MM:4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホニウムクロリド
EDT:1,2−エタンジチオール
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HBTU:O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HOAt:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
Ka:3,4,5−トリオクタデシロキシベンジル
Kb:2,4−ジドコシロキシベンジル
Kc:3,5−ジドコシロキシベンジル
Me:メチル
Oxyma:シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル
Pbf:2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル
Su:スクシンイミドイル
tBu:tert−ブチル
TFA:トリフルオロ酢酸
TFE:2,2,2−トリフルオロエタノール
THF:テトラヒドロフラン
TIS:トリイソプロピルシラン
WSC・HCl:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
(一般合成法)
以下に本実施例で用いた一般合成法を示す。
(1)脱−Fmoc一般合成法
出発原料をTHF:DMF(9/1)の混合液に0.05Mになるよう溶解し、ピペリジン(1.5equiv)およびDBU(1equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えて減圧下溶媒を留去した。残渣にアセトニトリル:水=9:1の混合液を加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル:水=9:1の混合液で懸洗し、さらにアセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、脱Fmoc体を得た。
(2)アミノ酸縮合一般合成法
出発原料をTHF:DMF(9/1)の混合液に0.05Mになるように溶解し、Fmoc−AAx−OH(1.3equiv)、DMT−MM(1.13equiv)、およびDIPEA(1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣にアセトニトリルを加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル懸洗2回を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、アミノ酸縮合物を得た。
以下は、本発明の実施例で用いた、本発明の方法の特徴であるアミンスカベンジャー存在下での脱保護法を示す。アミンスカベンジャーの例として、プロピルアミンを用いた例を示す。
(3)アミンスカベンジャーを加える1pot縮合脱保護法
出発原料をTHF:DMF(9/1)の混合液に0.05Mになるように溶解し、Fmoc−AAx−OH(1.3equiv)、DMT−MM(1.13equiv)、およびDIPEA(1.13equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(1.2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBT(1equiv)、ピペリジン(1.5equiv)およびDBU(8equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えて減圧下溶媒を留去した。残渣にアセトニトリル:水=1:1の混合液を加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル:水=9:1の混合液で懸洗し、さらにアセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、アミノ酸縮合物を得た。
(4)アミンスカベンジャーを加え、塩化アンモニウム水溶液で洗浄を行う1pot縮合脱保護法

出発原料をTHF:DMF(9/1)の混合液に0.05Mになるように溶解し、Fmoc−AAx−OH(1.3equiv)、DMT−MM(1.13equiv)、およびDIPEA(1.13equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(1.2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBT(1equiv)、ピペリジン(1.5equiv)およびDBU(8equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えた。反応液に反応溶媒の倍量の飽和塩化アンモニウム水溶液:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに反応溶媒の倍量の飽和食塩水:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに、反応溶媒の倍量の飽和食塩水を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセトニトリル:水=1:1の混合液を加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル:水=9:1の混合液で懸洗し、さらにアセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、アミノ酸縮合物を得た。
次いで、本発明で用いた担体をペプチドから脱保護する(切り離す)方法を示す。
(5)Kb保護基一般脱保護法
原料をDCMに0.01Mになるように溶解し、そのDCMの1/10量のTFEを加え、更にそのDCM量の1/100量のTFAを加えて室温で30分間攪拌した。沈殿物をろ過し、ろ液をDIPEAでpH=9になるように調整し、溶媒を減圧下留去した。残渣に水を加えて析出した沈殿物をろ過し、得られた固形物をTHF及びトルエンに溶解後、減圧下留去した。得られた固形物にジイソプロピルエーテルを加える懸洗を3回行い、得られた固形物を減圧乾燥し、脱Kb保護体を得た。
以下、本発明の方法を用いたペプチド合成を示す。
(実施例1)中間体(化合物2)の合成
化合物1の合成
2,4−ジドコシロキシベンジルアルコール(「Kb−OH」と表記する)(3.79g,5.00mmol)をDCM(50mL)に溶解し、Fmoc−Ala−OH(2.34g,7.50mmol,1.5equiv)、DIPCI(1169μL,7.50mmol,1.5equiv)、およびDMAP(31mg,0.25mmol,0.05equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。プロピルアミン(411μL,5.00mmol,1.0eqiv)を加えて室温で30分間撹拌した。沈殿物をろ過し、ろ液を減圧下留去した。残渣にMeOHを加えて析出した沈殿物をろ過し、MeOH懸洗を2回、アセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物1(5.02g,95.5%)を得た。
化合物2の合成
化合物1(5.00g,4.76mmol)をTHF(86mL)とDMF(10ml)の混合液に溶解し、ピペリジン(707μL,7.14mmol,1.5equiv)およびDBU(712μL,4.76mmol,1equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えて減圧下溶媒を留去した。残渣にアセトニトリル:水=9:1の混合液を加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル:水=9:1の混合液で懸洗し、さらにアセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物2(4.05g,98.3%)を得た。
(比較例1)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)の2段階合成
化合物3の合成
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.2ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、DMT−MM(32mg,0.113mmol,1.13equiv)、およびDIPEA(21μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣にアセトニトリルを加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル懸洗2回を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物3(128.5mg,quant)を得た。
化合物4の合成
化合物3(119mg,0.093mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.2ml)の混合液に溶解し、ピペリジン(14μL,0.14mmol,1.5equiv)およびDBU(28μL,0.28mmol,2equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えて減圧下溶媒を留去した。残渣にアセトニトリル:水=1:1の混合液を加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル:水=9:1の混合液で懸洗し、さらにアセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物4(92.5mg,90.7%)を得た。
(実施例2)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)のアミンスカベンジャーを加えた合成(1)
実施例1で得られた化合物2(173mg,0.2mmol)をTHF(4mL)とDMF(0.4ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(122mg,0.26mmol,1.3equiv)、DMT−MM(65mg,0.226mmol,1.13equiv)、およびDIPEA(42μL,0.24mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(19.7μL,0.24mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBT(30.6mg,0.26mmol,1equiv)、ピペリジン(30μL,0.3mmol,1.5equiv)およびDBU(239μL,1.6mmol,8equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えて減圧下溶媒を留去した。残渣にアセトニトリル:水=1:1の混合液を加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル:水=9:1の混合液で懸洗し、さらにアセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物4(92.5mg,90.7%)を得た。
(実施例3)H−Lys(Boc)Lys(Boc)Ala−OKb(化合物5)のアミンスカベンジャーを加えた合成
実施例2で得られた化合物4(109mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.2ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、DMT−MM(32mg,0.113mmol,1.13equiv)、およびDIPEA(21μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(9.9μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。ピペリジン(15μL,0.15mmol,1.5equiv)およびDBU(105μL,1.4mmol,7equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物5(115.2mg,87.2%)を得た。
(実施例4)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)のアミンスカベンジャーを加えた合成(2)
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.2ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、HBTU(44mg,0.113mmol,1.13equiv)、HOBt(18mg,0.113mmol,1.13equiv)およびDIPEA(87μL,0.5mmol,5equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(9.9μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。ピペリジン(15μL,0.15mmol,1.5equiv)およびDBU(120μL,1.6mmol,8equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物4(109.2mg,99.9%)を得た。
(実施例5)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)のアミンスカベンジャーを加えた合成(3)
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.2ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、HATU(44mg,0.113mmol,1.13equiv)、HOAt(16mg,0.113mmol,1.13equiv)およびDIPEA(87μL,0.5mmol,5equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(9.9μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。ピペリジン(15μL,0.15mmol,1.5equiv)およびDBU(120μL,1.6mmol,8equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物4(103.5mg,94.7%)を得た。
(実施例6)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)のアミンスカベンジャーを加えた合成(4)
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.2ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、COMU(50mg,0.113mmol,1.13equiv)、Oxyma(17mg,0.113mmol,1.13equiv)およびDIPEA(87μL,0.5mmol,5equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(9.9μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。ピペリジン(15μL,0.15mmol,1.5equiv)およびDBU(120μL,1.6mmol,8equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物4(105.7mg,96.7%)を得た。
(実施例7)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)のアミンスカベンジャーを加えた合成(5)
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.1ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、DMT−MM(32mg,0.113mmol,1.13equiv)、およびDIPEA(21μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(2.5μL,0.03mmol,0.3equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBT(30.6mg,0.26mmol,1equiv)、ピペリジン(30μL,0.3mmol,1.5equiv)およびDBU(239μL,1.6mmol,8equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物4(105.3mg,96.3%)を得た。
(実施例8)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)のアミンスカベンジャーを加えた合成(6)
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.1ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、DMT−MM(32mg,0.113mmol,1.13equiv)、およびDIPEA(21μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(4.9μL,0.06mmol,0.6equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBT(30.6mg,0.26mmol,1equiv)、ピペリジン(30μL,0.3mmol,1.5equiv)およびDBU(239μL,1.6 mmol,8equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物4(105.6mg,96.6%)を得た。
(実施例9)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)のアミンスカベンジャーを加えた合成(7)
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.1ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、DMT−MM(32mg,0.113mmol,1.13equiv)、およびDIPEA(21μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(19.7μL,0.24mmol,2.4equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBT(30.6mg,0.26mmol,1equiv)、ピペリジン(30μL,0.3mmol,1.5equiv)およびDBU(239μL,1.6mmol,8equiv) を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物4(105.6mg,96.6%)を得た。
(実施例10)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)のアミンスカベンジャーを加えた合成(8)
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1 mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.1ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、DMT−MM(32mg,0.113mmol,1.13equiv)、およびDIPEA(21μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(37μL,0.45mmol,4.5equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBT(30.6mg,0.26mmol,1equiv)、ピペリジン(30μL,0.3mmol,1.5equiv)およびDBU(239μL,1.6mmol,8equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物4(105.2mg,96.2%)を得た。
(実施例11)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)のアミンスカベンジャーを加えた合成(9)
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.1ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、DMT−MM(32mg,0.113mmol,1.13equiv)、およびDIPEA(21μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとして40%のメチルアミン水溶液(10.3μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBT(30.6mg,0.26mmol,1equiv)、ピペリジン(30μL,0.3mmol,1.5equiv)およびDBU(239μL,1.6mmol,8equiv) を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物4(101.6mg,93.0%)を得た。
(実施例12)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)のアミンスカベンジャーを加えた合成(10)
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.1ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、DMT−MM(32mg,0.113mmol,1.13equiv)、およびDIPEA(21μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとして50%のヒドロキシルアミン水溶液(7.1μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBT(30.6mg,0.26mmol,1equiv)、ピペリジン(30μL,0.3mmol,1.5equiv)およびDBU(239μL,1.6mmol,8equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物4(104.1mg,95.2%)を得た。
(実施例13)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)のアミンスカベンジャーを加えた合成(11)
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.1ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、DMT−MM(32mg,0.113mmol,1.13equiv)、およびDIPEA(21μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてヘキシルアミン(15.9μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBT(30.6mg,0.26mmol,1equiv)、ピペリジン(30μL,0.3mmol,1.5equiv)およびDBU(239μL,1.6mmol,8equiv) を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物4(104.6mg,95.7%)を得た。
(実施例14)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)のアミンスカベンジャーを加えた合成(12)
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.1ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、DMT−MM(32mg,0.113mmol,1.13equiv)、およびDIPEA(21μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてデシルアミン(15.9μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBT(30.6mg,0.26mmol,1equiv)、ピペリジン(30μL,0.3mmol,1.5equiv)およびDBU(239μL,1.6mmol,8equiv) を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物4(107.5mg,98.4%)を得た。
(比較例2)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)の本発明以外のアミンスカベンジャーを加えた合成(13)
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.1ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(61mg,0.13mmol,1.3equiv)、DMT−MM(32mg,0.113mmol,1.13equiv)、およびDIPEA(21μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとして2−アミノエタノール(7.2μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBT(30.6mg,0.26mmol,1equiv)、ピペリジン(30μL,0.3mmol,1.5equiv)およびDBU(239μL,1.6mmol,8equiv) を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物4(103.6mg,94.8%)を得た。
(実施例15)H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4)のアミンスカベンジャーを加えた合成(14)
実施例1で得られた化合物2(86mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.1ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Lys(Boc)−OH(187mg,0.4mmol,4.0equiv)、DMT−MM(100mg,0.36mmol,3.6equiv)、およびDIPEA(21μL,0.12mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(99μL,1.2mmol,12equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBT(30.6mg,0.26mmol,1equiv)、ピペリジン(30μL,0.3mmol,1.5equiv)およびDBU(239μL,1.6mmol,8equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。以下、実施例2と同様にして、化合物4(104.2mg,95.3%)を得た。
(実施例16)H−Ala−OKb(化合物2),H−Lys(Boc)Ala−OKb(化合物4),H−Lys(Boc)Lys(Boc)Ala−OKb(化合物5)のHPLCによる純度測定
(1)サンプル作成(共通)
上記各実施例および比較例で得られた化合物1mgを量りとり、0.5mLのTHFに溶解し、0.1M Fmoc−OSu THF溶液(20μL,0.02mmol,約2equiv)及び0.2M DIPEA THF溶液(10μL,0.02mmol,約2equiv)を加え室温で1時間撹拌した。風乾後、アセトニトリルで3回懸洗し、減圧乾燥した。得られた固形物にHPLC用THF(安定剤不含有)を1ml加え溶解し、0.2μmのメンブレンフィルターでろ過を行い、得られたろ液をHPLC用サンプルとし、HPLC測定に供した。
(2)HPLC測定
以下の条件でHPLC測定を行った。
<逆相HPLC>
カラム:逆相C4カラム
移動相A:THF:CHCN=8:2混合液
移動相B:0.1%TFA含有水
流速:0.2ml/分
グラジエント:A 70%から100%30分
検出波長:254nm
<順相HPLC>
カラム:順相シリカゲルカラム
移動相A:Ethyl Acetate
移動相B:n−Hexane
流速:0.2ml/分
グラジエント:移動相A 0%から100%30分
検出波長:280nm
結果を以下の表1に示す。
(実施例17)HCl・H−Ile−Gly−OKb(化合物14)の合成
化合物6の合成
2,4−ジドコシロキシベンジルアルコール(「KbOH」と表記する)(1.51g,2.00mmol)をDCM(50mL)に溶解し、Fmoc−Gly−OH(892mg,3.0mmol,1.5equiv)、DIPCI(467μL,3.0mmol,1.5equiv)、およびDMAP(12mg,0.1mmol,0.05equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。沈殿物をろ過し、ろ液を減圧下留去した。残渣にMeOHを加えて析出した沈殿物をろ過し、MeOH懸洗を2回、アセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物6(2.01g,97.1%)を得た。
化合物7の合成
得られた化合物6(2.01g,0.1mmol)を脱−Fmoc一般合成法に従って、脱Fmoc操作を行い、化合物7(1.84g,quant)を得た。
化合物8の合成
得られた化合物7(1.84g,0.1mmol)にアミノ酸一般縮合法に従って、Fmoc−Ile−OHを縮合し、化合物8(1.99g,88.9%)を得た。
化合物9の合成
得られた化合物8(662mg,0.58mmol)を脱−Fmoc一般合成法に従って、脱Fmoc操作を行い、化合物9(505mg,91%)を得た。
(比較例3)Fmoc−Gly−Arg(Pbf)−Met−Asp(OtBu)−Arg(Pbf)−Ile−Gly−OKb(化合物10)の合成
実施例17で得られた化合物9に対し以下のアミノ酸をアミノ酸一般縮合法及び脱−Fmoc一般合成法を繰り返す方法で導入し、化合物10を得た。
3残基目:Fmoc−Arg(Pbf)−OH
4残基目:Fmoc−Asp(OtBu)−OH
5残基目:Fmoc−Met−OH
6残基目:Fmoc−Arg(Pbf)−OH
7残基目:Fmoc−Gly−OH
(比較例4)Fmoc−Gly−Arg(Pbf)−Met−Asp(OtBu)−Arg(Pbf)−Ile−Gly−OH(化合物11)の合成
比較例2で得られた化合物10に対し、Kb保護基一般脱保護法に従って脱Kb操作を行い、化合物11を得た。得られた化合物をLC−MSで測定したところ、1643.7[M+Gly+H],1995.2[M+Arg(Pbf)+H],1758.1[M+Asp(OtBu)+H],1718.0[M+Met+H]が観測された。
(実施例18)Fmoc−Gly−Arg(Pbf)−Met−Asp(OtBu)−Arg(Pbf)−Ile−Gly−OKb(化合物10)のアミンスカベンジャーを加える1pot縮合脱保護法による合成
実施例18で得られた化合物9に対し以下のアミノ酸を、アミンスカベンジャーを加える1pot縮合脱保護法を繰り返す方法で導入し、化合物10を得た。
3残基目:Fmoc−Arg(Pbf)−OH
4残基目:Fmoc−Asp(OtBu)−OH
5残基目:Fmoc−Met−OH
6残基目:Fmoc−Arg(Pbf)−OH
7残基目:Fmoc−Gly−OHの導入はアミノ酸一般縮合法に従って行った。
(実施例19)Fmoc−Gly−Arg(Pbf)−Met−Asp(OtBu)−Arg(Pbf)−Ile−Gly−OH(化合物11)の合成
実施例18で得られた化合物10に対し、Kb保護基一般脱保護法に従って脱Kb操作を行い、化合物11を得た。得られた化合物をLC−MSで測定したところ、1643.7[M+Gly+H],1995.2[M+Arg(Pbf)+H],1758.1[M+Asp(OtBu)+H],1718.0[M+Met+H]は観測されなかった。
(実施例20)H−Gly−Leu−Gly−Cys(Trt)−Asn(Trt)−Ser(tBu)−Phe−Arg(Pbf)−Tyr(tBu)−Okb(化合物14)の合成
化合物12の合成
2,4−ジドコシロキシベンジルアルコール(「Kb−OH」と表記する)(3.79g,5.00mmol)をDCM(50mL)に溶解し、Fmoc−Tyr(tBu)−OH(3.45g,7.50mmol,1.5equiv)、DIPCI(1169μL,7.50mmol,1.5equiv)、およびDMAP(31mg,0.25mmol,0.05equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。プロピルアミン(811μL,10.0mmol,2.0eqiv)を加えて室温で30分間撹拌した。沈殿物をろ過し、ろ液を減圧下留去した。残渣にMeOHを加えて析出した沈殿物をろ過し、MeOH懸洗を2回、アセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物12(6.06g,quant)を得た。
化合物13の合成
化合物12(6.06g,5.00mmol)をTHF(86mL)とDMF(10ml)の混合液に溶解し、ピペリジン(743μL,7.5mmol,1.5equiv)およびDBU(748μL,5.00mmol,1equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えた。反応液に反応溶媒の倍量の飽和食塩水:水=2:1の溶液を加えて洗浄し、分液後水層を廃棄し、さらに反応溶媒の倍量の飽和食塩水で洗浄し分液後水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒を留去した。残渣にアセトニトリル:水=9:1の混合液を加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル:水=9:1の混合液で懸洗し、さらにアセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物13(4.70g,92.9%)を得た。
(実施例21)H−Ser(tBu)−Phe−Arg(Pbf)−Tyr(tBu)−Okb(化合物14)の合成
化合物13に対し以下のアミノ酸を、アミンスカベンジャーを加え、塩化アンモニウム水溶液で洗浄を行う1pot縮合脱保護法を繰り返す方法で導入し、化合物14を得た。
1残基目:Fmoc−Arg(Pbf)−OH
2残基目:Fmoc−Phe−OH
3残基目:Fmoc−Ser(tBu)−OH
(実施例22)H−Asn(Trt)−Ser(tBu)−Phe−Arg(Pbf)−Tyr(tBu)−Okb(化合物15)の合成
得られた化合物14(7.58g,4.43mmol)をTHFに0.05Mになるように溶解し、DIPEA(1.93ml,11.1mmol,2.5equiv)を加えた。Fmoc−Asn(Trt)−OH(3.44g,5.76mmol,1.3equiv)、COMU(2.28g,5.32mmol,1.3equiv)、Oxyma(0.76g,5.32mmol,1.3equiv)をDMF8.9mlに溶解しDIPEA(1.93ml,11.1mmol,2.5equiv)を加えて室温で2分間撹拌した。得られた混合液を化合物14のTHF溶液に加え室温で10分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(728μL,8.86mmol,2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。ピペリジン(658μL,6.65mmol,1.5equiv)およびDBU(4.64ml,31.0mmol,7equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えた。反応液に反応溶媒の倍量の飽和塩化アンモニウム水溶液:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに反応溶媒の倍量の飽和食塩水:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに、反応溶媒の倍量の飽和食塩水を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセトニトリル:水=9:1の混合液を加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにアセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物15(8.74g,95.4%)を得た。
(実施例23)H−Gly−Leu−Gly−Cys(Trt)−Asn(Trt)−Ser(tBu)−Phe−Arg(Pbf)−Tyr(tBu)−Okb(化合物16)の合成
得られた化合物15に対し以下のアミノ酸を、アミンスカベンジャーを加え、塩化アンモニウム水溶液で洗浄を行う1pot縮合脱保護法を繰り返す方法で導入し、化合物16を得た。
6残基目:Fmoc−Cys(Trt)−OH
7残基目:Fmoc−Gly−OH
8残基目:Fmoc−Leu−OH
9残基目:Fmoc−Gly−OH
(実施例24)H−Gln(Trt)−Ser(ψMe,MePro)−Gly−Leu−Gly−Cys(Trt)−Asn(Trt)−Ser(tBu)−Phe
−Arg(Pbf)−Tyr(tBu)−Okb(化合物17)の合成
実施例23で得られた化合物16(10.68g,4.06mmol)をTHF:DMF(9/1)の混合液に0.05Mになるように溶解し、Fmoc−Gln(Trt)−Ser(ψMe,Me Pro)−OH(3.88g,5.28mmol,1.3equiv)、DMT−MM(1.30g,4.59mmol,1.13equiv)、およびDIPEA(845μL,4.87mmol,1.2equiv) を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(665μL,8.12mmol,2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。ピペリジン(601μL,6.09mmol,1.5equiv)およびDBU(6.05ml,40.6mmol,10equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えた。反応液に反応溶媒の倍量の飽和塩化アンモニウム水溶液:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに反応溶媒の倍量の飽和食塩水:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに、反応溶媒の倍量の飽和食塩水を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣に水を加えて析出した沈殿物をろ過し、n−ヘキサンで懸洗し、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物17(12.85g,100.0%)を得た。得られた化合物17をTLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて分析を行ったところ、ジベンゾフルベンの存在を認めなかった。
(実施例25)H-D−Arg−Arg−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser−D−Tic−Oic−Arg−OH(化合物21)の合成
化合物18の合成
3,4,5−トリオクタデシロキシベンジルアルコール(「Ka−OH」と表記する)(9.14g,10.00mmol)をDCM(100mL)に溶解し、Fmoc−Arg(Pbf)−OH(9.73g,15.00mmol,1.5equiv)、DIPCI(2337μL,15.00mmol,1.5equiv)、およびDMAP(61mg,0.50mmol,0.05equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。プロピルアミン(1644μL,20.0mmol,2.0eqiv)を加えて室温で30分間撹拌した。沈殿物をろ過し、ろ液を減圧下留去した。残渣にMeOHを加えて析出した沈殿物をろ過し、MeOH懸洗を行い、さらにアセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物18(15.40g,99.7%)を得た。
化合物19の合成
化合物18(15.40g,10.00mmol)をTHF(179mL)とDMF(20ml)の混合液に溶解し、ピペリジン(1480μL,14.9mmol,1.5equiv)およびDBU(1490μL,9.96mmol,1equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えた。反応液に反応溶媒の倍量の飽和食塩水:水=2:1の溶液を加えて洗浄し、分液後水層を廃棄し、さらに反応溶媒の倍量の飽和食塩水で洗浄し分液後水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒を留去した。残渣にアセトニトリルを加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリルで懸洗し、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物19(14.39g,quant)を得た。
化合物20(HCl・H−D−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−Pro−Hyp−Gly−Thi−Ser(tBu)−D−Tic−Oic−Arg(Pbf)−OKa)の合成
化合物19(13.52g,9.95mmol)に対し、以下の方法を繰り返し用いることで化合物20(24.31g,81.6%)を得た。
出発原料をTHF:DMF(9/1)の混合液に0.05Mになるように溶解し、Fmoc−AAx−OH(当量を反応条件表のAA当量に示す)、下表に示す縮合剤(当量を反応条件表の縮合剤当量に示す)、下表に示す縮合助剤(当量を反応条件表の縮合剤当量に示す)、およびDIPEA(当量を反応条件表の塩基当量に示す)を加えて縮合反応を反応条件表に示すように行った。次に、アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(当量を反応条件表のスカベンジャー当量に示す)を加えて室温で30分間撹拌した。その後、HOBt(当量を反応条件表のHOBt当量に示す)、ピペリジン(1.5equiv)およびDBU(当量を反応条件表のDBU当量に示す)を加えて室温で10分間攪拌した。次に、反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えた。
反応液に、洗浄条件表に示す1回目洗浄液を反応溶媒の倍量加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。必要に応じ、洗浄条件表に示す2回目洗浄液を反応溶媒の倍量加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに、反応溶媒の倍量の飽和食塩水を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣に洗浄条件表に示す貧溶媒を加えて析出した沈殿物をろ過し、さらに洗浄条件表に示す懸洗溶媒を加えて懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、アミノ酸縮合物を得た。
化合物21の合成
化合物20(10.0g、3.1mmol)をTFA:TIS:水=90:2.5:7.5の混合液155mlに溶解し、4時間室温で撹拌した。反応液をセライトを用いて濾過し、ろ過残渣を30mlのTFAで洗浄、ろ過し、得られたろ液と合わせて、1.85Lの冷イソプロピルエーテル中に撹拌しながら投入した。得られた固形物をろ過し、ろ過残渣をさらに2回冷イソプロピルエーテルで懸洗、ろ過した。得られた固形物を乾燥し、化合物21(5.17g,Quant%、HPLC純度77.36%)を得た。得られた化合物をLC−MSで測定したところ、652.9[M+2H]/2が観測された。
(実施例26)H−Ala−Gln(Trt)−Ser(ψMe,MePro)−Gly−Leu−Gly−Cys(Trt)−Asn(Trt)−Ser(tBu)−Phe−Arg(Pbf)−Tyr(tBu)−OKb(化合物22)の合成
実施例24で得られた化合物17に対し、Fmoc−Ala−OHを、アミンスカベンジャーを加え、塩化アンモニウム水溶液で洗浄を行う1pot縮合脱保護法で導入し、化合物22(12.42g,Quant%)を得た。
(実施例27)Fmoc−Ser(tBu)−Leu−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Cys(Trt)−Phe−Gly−OH(化合物26の合成)の合成
化合物23(HCl・H−Gly−OKb)の合成
Kb−OH(7.57g,10.0mmol)に対しFmoc−Gly−OHを実施例17と同様に用いて化合物23(7.90g,93.1%)を得た。
化合物24(HCl・H−Leu−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Cys(Trt)−Phe−Gly−OKb)の合成
2残基目Fmoc−Phe−OH
3残基目Fmoc−Cys(Trt)−OH
4残基目Fmoc−Ser(tBu)−OH
5残基目Fmoc−Ser(tBu)−OH
6残基目Fmoc−Arg(Pbf)−OH
7残基目Fmoc−Arg(Pbf)−OH
8残基目Fmoc−Leu−OHの導入
化合物23(7.89g,9.25mmol)に対し以下の方法を繰り返すことでアミノ酸を順次導入し、化合物24(20.27g,85.5%)を得た。
出発原料を、アミンスカベンジャーを加え、塩化アンモニウム水溶液で洗浄を行う1pot縮合脱保護法(ただし、Fmoc−アミノ酸(1.3equiv)、DMT−MM(1.13equiv)を用い、塩化アンモニウム水洗浄を省く方法)を用いて、アミノ酸縮合物を得た。
化合物25(Fmoc−Ser(tBu)−Leu−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Cys(Trt)−Phe−Gly−OKb)の合成
化合物24(20.26g,7.91mmol)に対し、Fmoc−Ser(tBu)−OHをアミノ酸縮合一般合成法によって導入し化合物25(22.56g,Quant)を得た。
化合物26(Fmoc−Ser(tBu)−Leu−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Cys(Trt)−Phe−Gly−OH)の合成
化合物25(22.56g,7.80mmol)に対しKb保護基一般脱保護法を用いることで化合物26(22.56g,Quant)を得た。
(実施例28)HCl・H−Ser(tBu)−Leu−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Cys(Trt)−Phe−Gly−Gly−Arg(Pbf)−Met−Asp(OtBu)−Arg(Pbf)−Ile−Gly−Ala−Gln(Trt)−Ser(ψMe,Me Pro)−Gly−Leu−Gly−Cys(Trt)−Asn(Trt)−Ser(tBu)−Phe−Arg(Pbf)−Tyr(tBu)−OKb(化合物28)の合成
化合物27(HCl・H−Gly−Arg(Pbf)−Met−Asp(OtBu)−Arg(Pbf)−Ile−Gly−Ala−Gln(Trt)−Ser(ψ Me,Me Pro)−Gly−Leu−Gly−Cys(Trt)−Asn(Trt)−Ser(tBu)−Phe−Arg(Pbf)−Tyr(tBu)−OKb)の合成
実施例19で得られた化合物11(11.33g,5.8mmol,1.5equiv)をDMF(38.7ml)に溶解し、THF(348mL)を加え希釈し、実施例26で得られた化合物22(12.42g,3.87mmol,1.0equiv)に、HATU(1.99g,5.22mmol,1.35equiv)、HOAt(711mg,5.22mmol,1.35equiv)、およびDIPEA(3369μL,19.3mmol,5.0equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(318μL,3.87mmol,1equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。さらに、ピペリジン(575μL,5.80mmol,1.0equiv)およびDBU(5.79mL,38.7mmol,10equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えた。反応液に反応溶媒の倍量の飽和塩化アンモニウム水溶液:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに反応溶媒の倍量の飽和食塩水:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに、反応溶媒の倍量の飽和食塩水を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセトニトリル:水=9:1の混合液を加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物27(15.29g,quant)を得た。
化合物28(HCl・H−Ser(tBu)−Leu−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−Ser(tBu)−Ser(tBu)−Cys(Trt)−Phe−Gly−Gly−Arg(Pbf)−Met−Asp(OtBu)−Arg(Pbf)−Ile−Gly−Ala−Gln(Trt)−Ser(ψ Me,Me Pro)−Gly−Leu−Gly−Cys(Trt)−Asn(Trt)−Ser(tBu)−Phe−Arg(Pbf)−Tyr(tBu)−OKb)の合成
化合物27(17.63g,3.87mmol)に対し、実施例27で得られた化合物26(12.47g,5.80mmol,1.5equiv)を用いて化合物27の合成と同様に反応を行い、化合物28(26.83g,quant)を得た。
(実施例29)H−Ser−Leu−Arg−Arg−Ser−Ser−Ser−Phe−Gly−Gly−Arg−Met−Asp−Arg−Ile−Gly−Gln−Ser−Gly−Leu−Gly−Cys−Asn−Ser−Phe−Arg−Tyr−OH(7Cys−23Cys,SS結合)(化合物30)の合成

化合物29の合成(H−Ser−Leu−Arg−Arg−Ser−Ser−Ser−Phe−Gly−Gly−Arg−Met−Asp−Arg−Ile−Gly−Gln−Ser−Gly−Leu−Gly−Cys−Asn−Ser−Phe−Arg−Tyr−OH)の合成
化合物28(6.93g、1.0mmol)をTFA:TIS:水:EDT=80:5:10:5の混合液200mlに溶解し、4時間室温で撹拌した。反応液を、セライトを用いて濾過し、ろ過残渣を100mlのTFAで洗浄、ろ過し、得られたろ液と合わせて、3.0Lの冷イソプロピルエーテル中に撹拌しながら投入した。得られた固形物をろ過し、ろ過残渣をさらに2回冷イソプロピルエーテルで懸洗、ろ過した。得られた固形物を乾燥し、化合物29(3.90g,Quant、HPLC純度55.22%)を得た。
化合物30(H−Ser−Leu−Arg−Arg−Ser−Ser−Ser−Phe−Gly−Gly−Arg−Met−Asp−Arg−Ile−Gly−Gln−Ser−Gly−Leu−Gly−Cys−Asn−Ser−Phe−Arg−Tyr−OH(7Cys−23Cys,SS結合))の合成
化合物29(3.90g,1.0mmol)を水3.77Lに溶解し、ピリジンでpH7.1に調整し、一晩撹拌した。得られた反応液を凍結乾燥し、化合物30(3.47g、92.2%、HPLC純度65.07%)を得た。得られた化合物をLC−MSで測定したところ、1027.2[M+3H]/3が観測された。
(実施例30)H−Glu(OtBu)−Ile−Pro−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Tyr(tBu)−Leu−OKb(化合物33)の合成
化合物31の合成
Kb−OH(2.27g,3.00mmol)に対し、Fmoc−Leu−OHを実施例18と同様に用いて、化合物31(3.26g,99.6%)を得た。
化合物32の合成
化合物31(3.26g,2.98mmol)に対し、脱−Fmoc一般合成法を用いて、化合物32(2.72g,Quant)を得た。
化合物33(H−Glu(OtBu)−Ile−Pro−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Tyr(tBu)−Leu−OKb)の合成
2残基目Fmoc−Tyr(tBu)−OH
3残基目Fmoc−Glu(OtBu)−OH
4残基目Fmoc−Glu(OtBu)−OH
5残基目Fmoc−Pro−OH
6残基目Fmoc−Ile−OH
7残基目Fmoc−Glu(OtBu)−OHの導入
化合物32(2.70g,2.98mmol)に対し以下の方法を繰り返すことでアミノ酸を順次導入し化合物33(4.40g,77.7%)を得た。
出発原料をTHF:DMF(9/1)の混合液に0.05Mになるように溶解し、Fmoc−アミノ酸(1.3equiv)、DMT−MM(1.2equiv)、およびDIPEA(1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBt(1equiv)(2残基目のみ)、ピペリジン(1.5equiv)およびDBU(7equiv、2残基目のみ8equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えた。反応液に反応溶媒の倍量の飽和食塩水:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに、反応溶媒の倍量の飽和食塩水を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセトニトリルを加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリルで懸洗し、得られた固形物を減圧乾燥し、アミノ酸縮合物を得た。
(実施例31)Fmoc−Gly−Gly−Asn(Trt)−Gly−Asp(OtBu)−Phe−Glu(OtBu)−OH(化合物38)の合成
化合物34の合成
Kb−OH(3.41g,4.50mmol)に対し、Fmoc−Glu(OtBu)−OHを実施例18と同様に用いて、化合物34(5.05g,96.3%)を得た。
化合物35の合成
化合物34(5.04g,4.33mmol)に対して、脱−Fmoc一般合成法を用いて、化合物35(4.24g,Quant)を得た。
化合物36(HCl・H−Gly−Asn(Trt)−Gly−Asp(OtBu)−Phe−Glu(OtBu)−OKb)の合成
化合物35(4.23g,4.33mmol)に対し、下に示す反応条件表、及び洗浄条件表に従って、化合物20の合成と同様の方法で化合物36(7.05g,90.8%)を得た。
化合物37の合成
化合物36(7.04g,3.90mmol)をTHF(65mL)とDMF(7.2ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Gly−OH(1.39g,4.68mmol,1.2equiv)、DMT−MM(1.20g,4.32mmol,1.11equiv)、およびDIPEA(753μL,4.32mmol,1.11equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(888μL,10.8mmol,2.77equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセトニトリル:水=9:1の溶液を加えて冷却し、析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル懸洗を行い、さらにアセトニトリル懸洗を行い得られた固形物を減圧乾燥し、化合物37(7.16g,90.4%)を得た。
化合物38(Fmoc−Gly−Gly−Asn(Trt)−Gly−Asp(OtBu)−Phe−Glu(OtBu)−OH)の合成
化合物37(2.20g,1.09mmol)に対しKb保護基一般脱保護法を用いることで化合物38(1.21g,83.0%)を得た。
(実施例32)Fmoc−D−Phe−Pro−Arg(Pbf)−Pro−Gly−Gly−OH(化合物42の合成)の合成
化合物39(HCl・H−Gly−OKb)の合成
Kb−OH(3.41g,4.5mmol)に対しFmoc−Gly−OHを実施例17と同様に用いて、化合物39(3.58g,90.2%)を得た。
化合物40(HCl・H−Pro−Arg(Pbf)−Pro−Gly−Gly−OKb)の合成
2残基目Fmoc−Gly−OH
3残基目Fmoc−Pro−OH
4残基目Fmoc−Arg(Pbf)−OH
5残基目Fmoc−Pro−OHの導入
化合物39(3.33g,3.91mmol)に対し、以下の方法を繰り返すことでアミノ酸を順次導入し化合物40(5.11g,85.7%)を得た。
出発原料をTHF:DMF(9/1)の混合液に0.05Mになるように溶解し、Fmoc−アミノ酸(1.3equiv)、DMT−MM(1.2equiv)、およびDIPEA(1.2equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。HOBt(1equiv)、ピペリジン(1.5equiv)およびDBU(7equiv、2残基目のみ8equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えた。反応液に反応溶媒の倍量の飽和食塩水:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに、反応溶媒の倍量の飽和食塩水を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセトニトリルを加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリルで懸洗し、得られた固形物を減圧乾燥し、アミノ酸縮合物を得た。
化合物41の合成
化合物40(5.10g,3.38mmol)をTHF(61mL)とDMF(6.7ml)の混合液に溶解し、Fmoc−D−Phe−OH(1.70g,4.39mmol,1.3equiv)、DMT−MM(1.12g,4.05mmol,1.2equiv)、およびDIPEA(705μL,4.05mmol,1.2equiv)を加えて室温で30分攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(555μL,6.75mmol,2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセトニトリル:水=9:1の溶液を加えて冷却し、析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル懸洗を行い、さらにアセトニトリル懸洗を行い得られた固形物を減圧乾燥し、化合物41(5.92g,95.2%)を得た。
化合物42(Fmoc−D−Phe−Pro−Arg(Pbf)−Pro−Gly−Gly−OH)の合成
合物41(1.84g,1.0mmol)に対しKb保護基一般脱保護法を用いることで化合物42(0.942g,85.3%)を得た。
(実施例33)H−D−Phe−Pro−Arg(Pbf)−Pro−Gly−Gly−Gly−Gly−Asn(Trt)−Gly−Asp(OtBu)−Phe−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Ile−Pro−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Tyr(tBu)−Leu−OKb(化合物44)の合成
化合物43(HCl・H−Gly−Gly−Asn(Trt)−Gly−Asp(OtBu)−Phe−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Ile−Pro−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Tyr(tBu)−Leu−OKb)の合成
実施例30で得られた化合物33(568mg,0.3mmol)に対し、実施例31で得られた化合物38(573mg,0.45mmol,1.5equiv)を用い、化合物27の合成と同様に反応、液々洗浄を行い、濃縮残渣にアセトニトリル:水=9:1の混合液を加えて析出した沈殿物を遠心分離し、メタノールで懸洗し、更にアセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物43(725mg,82.6%)を得た。
化合物44(HCl・H−D−Phe−Pro−Arg(Pbf)−Pro−Gly−Gly−Gly−Gly−Asn(Trt)−Gly−Asp(OtBu)−Phe−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Ile−Pro−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Tyr(tBu)−Leu−OKb)の合成
化合物43(715mg,0.245mmol)に対し、実施例32で得られた化合物42(405mg,0.33mmol,1.5equiv)を用いて、化合物32の合成と同様の操作を行い、化合物44(863mg,93.2%)を得た。
(実施例34)H−D−Phe−Pro−Arg−Pro−Gly−Gly−Gly−Gly−Asn−Gly−Asp−Phe−Glu−Glu−Ile−Pro−Glu−Glu−Tyr−Leu−OH(化合物45)の合成
化合物44(300mg、0.079mmol)をTFA:TIS:水=95:2.5:2.5の混合液8mlに溶解し、3時間室温で撹拌した。反応液を、セライトを用いて濾過し、ろ過残渣を3mlのTFAで洗浄、ろ過し、得られたろ液と合わせて、120mLの冷イソプロピルエーテル中に撹拌しながら投入した。得られた固形物を遠心分離し、ろ過残渣をさらに4回冷イソプロピルエーテルで懸洗、遠心分離した。得られた固形物を乾燥し、化合物45(147.7mg,77.4%,HPLC純度74.49%)を得た。
(実施例35)H−Lys(Boc)−Pro−Pro−Ala−Lys(Boc)−Leu−Gln(Trt)−Pro−Arg(Pbf)−OKb(化合物50)の合成
化合物46の合成
Kb−OH(2.27g,3.0mmol)に対し、Fmoc−Arg(Pbf)−OH(2.92g,4.5mmol,1.5equiv)を実施例17と同様に用いて、化合物46(4.20g,Quant)を得た。
化合物47の合成
化合物46(4.15g,2.99mmol)に対し、脱−Fmoc一般合成法を用いて、化合物47(3.51g,97.6%)を得た。
化合物48の合成
化合物47(3.5g,2.91mmol)をTHF(52mL)とDMF(5.8ml)の混合液に溶解し、Fmoc−Pro−OH(1.28g,3.78mmol,1.3equiv)、DMT−MM(943mg,3.41mmol,1.17equiv)、およびDIPEA(913μL,5.24mmol,1.8equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(479μL,5.82mmol,2equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。得られた反応液を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセトニトリルを加えて析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物48(4.24g,98.0%)を得た。
化合物49の合成
化合物48(4.23g,2.85mmol)をTHF(51mL)とDMF(6ml)の混合液に溶解し、HOBt(388mg,2.85mmol,1.0equiv)、ピペリジン(423μL,4.27mmol,1.5equiv)およびDBU(852μL,5.69mmol,2equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えた。反応液に反応溶媒の倍量の飽和塩化アンモニウム水溶液:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに反応溶媒の倍量の飽和食塩水:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに、反応溶媒の倍量の飽和食塩水を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。減圧下溶媒を留去した。残渣にアセトニトリルを加えて析出した沈殿物をろ過し、さらにアセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物49(3.75g,Quant)を得た。
化合物50(H−Lys(Boc)−Pro−Pro−Ala−Lys(Boc)−Leu−Gln(Trt)−Pro−Arg(Pbf)−OKb)の合成
化合物49(3.69g,2.84mmol)に対し、下に示す反応条件表、及び洗浄条件表に従って、化合物20の合成と同様の方法で化合物50(6.02g,79.9%)を得た。
(実施例36)Fmoc−Lys(Boc)−Leu−Gln(Trt)−Gln(Trt)−Arg(pbf)−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Ser(tBu)−Lys(Boc)−OH(化合物55)の合成
化合物51の合成
Kb−OH(1.52g,2.0mmol)に対して、Fmoc−Lys(Boc)−OHを実施例18と同様に用いて、化合物51(2.48g,Quant)を得た。
化合物52の合成
化合物51(2.41g,1.99mmol)に対し、脱−Fmoc一般合成法を用いて、化合物52(2.01g,98.9%)を得た。
化合物53(HCl・H−Leu−Gln(Trt)−Gln(Trt)−Arg(pbf)−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Ser(tBu)−Lys(Boc)−OKb)の合成
化合物52(2.01g,1.96mmol)に対し、下に示す反応条件表、及び洗浄条件表に従って、化合物20の合成と同様の方法で化合物53(4.38g,78.2%)を得た。
化合物54の合成
化合物53(4.36g,1.53mmol)に対して、Fmoc−Lys(Boc)−OH(934mg,1.99mmol,1.3equiv)、およびDIPEA(481μL,2.76mmol,1.8equiv)を用いて、化合物48と同様の操作を行い、化合物54(5.11g,Quant)を得た。
化合物55(Fmoc−Lys(Boc)−Leu−Gln(Trt)−Gln(Trt)−Arg(pbf)−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Ser(tBu)−Lys(Boc)−OH)の合成
化合物54(2.55g,0.764mmol)に対しKb保護基一般脱保護法を用いることで化合物55(2.26g,Quant)を得た。
(実施例37)Boc−Gly−Ser(tBu)−Ser(n−octanoyl)−Phe−Leu−Ser(tBu)−Pro−Glu(OtBu)−His(Trt)−Gln(Trt)−OH(化合物61)の合成
化合物56の合成
Kb−OH(2.27g,3.0mmol)に対して、Fmoc−Gln(Trt)−OHを実施例18と同様に用いて、化合物56(4.21g,Quant)を得た。
化合物57の合成
化合物56(4.04g,2.99mmol)脱−Fmoc一般合成法を用いて、化合物57(3.62g,Quant)を得た。
化合物58(HCl・H−Ser(tBu)−Ser−Phe−Leu−Ser(tBu)−Pro−Glu(OtBu)−His(Trt)−Gln(Trt)−OKb)の合成
化合物57(3.48g,2.99mmol)に対し、下に示す反応条件表、及び洗浄条件表に従って、化合物20の合成と同様の方法で化合物58(4.60g,72.1%)を得た。
化合物59の合成
化合物58(4.59g,1.87mmol)に対し、Boc−Gly−OH(425mg,2.43mmol,1.3equiv)、およびDIPEA(1170μL,6.72mmol,3.6equiv)を用いて、化合物48と同様の操作を行い、化合物59(4.55g,94.5%)を得た。
化合物60の合成
化合物59(4.55g,1.76mmol)をDCM(35ml)に溶解し、カプリル酸(628mg,3.96mmol,2.25equiv)、WSC・HCl(760mg,3.96mmol,2.2gequiv)、およびDMAP(11mg,0.088mmol,0.05equiv)を加えて室温で30分間、40℃で1時間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(1086μL,13.2mmol,7.5equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。反応液に反応溶媒の倍量の飽和塩化アンモニウム水溶液:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに反応溶媒の倍量の飽和食塩水:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに、反応溶媒の倍量の飽和食塩水を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にアセトニトリルを加えて、析出した沈殿物をろ過し、アセトニトリル懸洗を行い得られた固形物を減圧乾燥し、化合物60(4.48g,94.1%)を得た。
化合物61(Boc−Gly−Ser(tBu)−Ser(n−Octanoyl)−Phe−Leu−Ser(tBu)−Pro−Glu(OtBu)−His(Trt)−Gln(Trt)−OH)の合成
化合物60(4.47g,1.65mmol)に対しKb保護基一般脱保護法を用いることで化合物61(3.26g,Quant)を得た。
(実施例38)Boc−Gly−Ser(tBu)−Ser(n−Octanoyl)−Phe−Leu−Ser(tBu)−Pro−Glu(OtBu)−His(Trt)−Gln(Trt)−Lys(Boc)−Leu−Gln(Trt)−Gln(Trt)−Arg(Pbf)−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Ser(tBu)−Lys(Boc)−Lys(Boc)−Pro−Pro−Ala−Lys(Boc)−Leu−Gln(Trt)−Pro−Arg(Pbf)−OKb(化合物63)の合成
化合物62(HCl・H−Lys(Boc)−Leu−Gln(Trt)−Gln(Trt)−Arg(Pbf)−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Ser(tBu)−Lys(Boc)−Lys(Boc)−Pro−Pro−Ala−Lys(Boc)−Leu−Gln(Trt)−Pro−Arg(Pbf)−OKb)の合成
実施例35で得られた化合物50(251mg,0.1mmol)をTHF(9mL)とDMF(1.0ml)の混合液に溶解し、実施例36で得られた化合物61(443mg,0.15mmol,1.5equiv)、DMT−MM(40.0mg,0.405mmol,1.45equiv)、およびDIPEA(63μL,0.36mmol,3.6equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(25.0μL,0.3mmol,3equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。ピペリジン(15μL,0.45mmol,1.5equiv)およびDBU(150μL,3.0mmol,10equiv)を加えて室温で10分間攪拌した。反応液のpHが6前後になるまで濃塩酸を加えた。反応液に反応溶媒の倍量の飽和食塩水:水=1:2の溶液を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。さらに、反応溶媒の倍量の飽和食塩水を加え、洗浄、分液し、水層を廃棄した。得られた有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣に冷アセトニトリルを加えて析出した沈殿物をろ過し、更に冷アセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物62(485mg,Quant)を得た。
化合物63(Boc−Gly−Ser(tBu)−Ser(n−Octanoyl)−Phe−Leu−Ser(tBu)−Pro−Glu(OtBu)−His(Trt)−Gln(Trt)−Lys(Boc)−Leu−Gln(Trt)−Gln(Trt)−Arg(Pbf)−Lys(Boc)−Glu(OtBu)−Ser(tBu)−Lys(Boc)−Lys(Boc)−Pro−Pro−Ala−Lys(Boc)−Leu−Gln(Trt)−Pro−Arg(Pbf)−OKb)の合成
化合物62(251mg,0.1mmol)をTHF(2mL)とDMF(0.2ml)の混合液に溶解し、実施例37で得られた化合物61(295g,0.15mmol,1.5equiv)、DMT−MM(40.0mg,0.405mmol,1.45equiv)、およびDIPEA(62μL,0.36mmol,3.6equiv)を加えて室温で30分間攪拌した。アミンスカベンジャーとしてプロピルアミン(25.0μL,0.3mmol,3equiv)を加えて室温で30分間撹拌した。反応液を減圧下で溶媒留去した。残渣に冷アセトニトリルを加えて析出した沈殿物をろ過し、更に冷アセトニトリル懸洗を行い、得られた固形物を減圧乾燥し、化合物63(562mg,84.4%)を得た。
(実施例39)H−Gly−Ser−Ser(n−Octanoyl)−Phe−Leu−Ser−Pro−Glu−His−Gln−Lys−Leu−Gln−Gln−Arg−Lys−Glu−Ser−Lys−Lys−Pro−Pro−Ala−Lys−Leu−Gln−Pro−Arg−OH(化合物64)の合成
実施例38で得られた化合物63(555mg、0.083mmol)をTFA:TIS:水:EDT=95:2.5:2.5の混合液8mlに溶解し、3時間室温で撹拌した。反応液をセライトを用いて濾過し、ろ過残渣を3mlのTFAで洗浄、ろ過し、得られたろ液と合わせて、室温で4.5mlになるまで減圧濃縮した。残渣に45mLの冷イソプロピルエーテル中に撹拌しながら投入した。得られた固形物を遠心分離し、ろ過残渣をさらに2回冷イソプロピルエーテルで懸洗、遠心分離した。得られた固形物を乾燥し、化合物64(351mg,Quant,HPLC純度68.92%)を得た。得られた化合物をLC−MSで測定したところ、1119.3[M+3H]/3が観測された。
上記の詳細な記載は、本発明の目的及び対象を単に説明するものであり、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。添付の特許請求の範囲から離れることなしに、記載された実施態様に対しての、種々の変更及び置換は、本明細書に記載された教示より当業者にとって明らかである。
本発明のペプチド合成方法を用いると、N末端の脱保護前に特定のスカベンジャーを用いてアミノ酸活性種を不活性化することにより、それらを反応系から取り除かなくても脱保護時にアミノ酸のダブルヒットが防げる。本発明の方法は、簡便な手段により、脱保護反応時における反応系中に存在するアミノ酸活性種の問題を解決することができ汎用性に優れ有用である。また、本発明により合成されたペプチドはアミノ酸の欠落やダブルヒットの問題が少なく、本発明の方法によれば高収率・高品質のペプチドを合成できる。

Claims (13)

  1. 以下の工程a〜d:
    a.縮合剤の存在下で、フルオレニルメトキシカルボニルでN末端が保護された(N−Fmoc保護)アミノ酸またはN−Fmoc保護ペプチドと、溶解している溶媒の組成変化に伴い晶析される担体でC末端が保護された(C−担体保護)アミノ酸、C−担体保護ペプチドまたはC−担体保護アミノ酸アミドとを縮合させて、N−Fmoc−C−担体保護ペプチドを得る工程、
    b.工程(a)に続いて、反応系に、炭素数が1〜14であるアルキルアミン、炭素数が1〜14である芳香族アミン、ヒドロキシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも一つのアミンを添加する工程、(ここで、アルキルアミンまたは芳香族アミンは、第一級または第二級アミンである。但し、アミンは樹脂に固定されたものは除く。
    c.N末端を脱保護する工程、および
    d.得られたC−担体保護ペプチドが溶解している溶媒組成を変化させることにより該C−担体保護ペプチドを晶析させて分離する工程、
    を含むペプチド合成方法。
  2. 前記担体が、
    下記の構造を有する化合物:
    (式中、RおよびRは、水素原子であり、R、RおよびRは、炭素数が8〜30のアルコキシル基である。また、式中、RXは、下記式で表され、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する基である、
    (ここでRは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、またはアルコキシ置換ベンジル基を表し、Rは水素原子、フェニル基、またはアルコキシ置換フェニル基を表す)
    なお、上記式は、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する前の状態で示している)、
    下記の構造を有する化合物:
    (式中、R、RおよびRは、水素原子であり、RおよびRは、炭素数が12〜30のアルコキシル基である。また、式中、RYは、下記式で表され、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する基である、
    (ここでRは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、またはアルコキシ置換ベンジル基を表し、Rは水素原子、フェニル基、またはアルコキシ置換フェニル基を表す)
    なお、上記式は、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する前の状態で示している)、および
    下記の構造を有する化合物:
    (式中、R、RおよびRは、水素原子であり、RおよびRは、炭素数が12〜30のアルコキシル基である。また、式中、RZは、下記式で表され、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する基である、
    (ここでRは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、またはアルコキシ置換ベンジル基を表し、Rは水素原子、フェニル基、またはアルコキシ置換フェニル基を表す)
    なお、上記式は、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する前の状態で示している)、
    からなる群より選ばれる化合物である、請求項1に記載のペプチド合成方法。
  3. 前記担体が、
    (3)前記担体が、
    (式中、Xはハロゲンであり、Yは8〜12の整数であり、Zは17〜29の整数である。)、
    (式中、Xは、それぞれ独立に7〜21の整数である。)、および
    (式中、Xは、それぞれ独立に11〜29の整数である。)、
    (なお、上記各式は、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する前の状態で示している)、
    からなる群より選ばれる化合物である、請求項1に記載のペプチド合成方法。
  4. 前記担体が、




    (式中、Xは、FまたはClである。)
    、および

    (なお、上記各式は、アミノ酸またはペプチドのC末端に結合する前の状態で示している)
    からなる群より選ばれる化合物である、請求項1に記載のペプチド合成方法。
  5. 前記アミンが炭素数1〜10のアルキルアミンまたはヒドロキシルアミンである請求項1〜4のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
  6. 前記アミンが炭素数3または4のアルキルアミンである請求項1〜5のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
  7. 工程bにおけるアミン当量が、工程aの縮合反応後に理論上残存するアミノ酸当量に対して1〜30倍の量である、請求項1〜6のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
  8. 前記アミンが活性エステルをスカベンジするために添加される請求項1〜7のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
  9. 前記得られたC−担体保護ペプチドが溶解している溶媒組成を変化させる組成変化手段が、溶液の溶媒を濃縮し、その後、貧溶媒を加え固化することによりなされる、請求項1〜のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
  10. 前記貧溶媒が、アセトニトリル、含水アセトニトリル、メタノール、含水メタノール、および水からなる群より選ばれる溶媒ある請求項に記載のペプチド合成方法。
  11. 工程dで晶析分離されたC−担体保護ペプチドを用いて、工程a〜工程dの繰り返しを1回以上行うことを含む、請求項1〜10のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
  12. さらに以下の工程、
    e.晶析分離されたC−担体保護ペプチドの結晶を、有機溶媒で洗浄する工程を含む請求項1〜11のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
  13. 前記a〜cの工程をワンポット合成で行う、請求項1〜12のいずれか一つに記載のペプチド合成方法。
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