JP6713306B2 - 車両の側面衝突時の乗員保護構造 - Google Patents
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その結果、車体の側面にたとえば他の車体が衝突した場合、シートに着座した乗員の上体が車幅方向へ向かって大きく振れて倒れてしまう可能性がある。車幅方向外側へ大きく倒れた乗員の上体は、下がった状態で、他の車体が直接衝突する車体の側面に当たる可能性がある。
また、衝撃により、シートに着座した乗員が、車輪ハウスの上へ移動してしまう可能性がある。
そして、自動車では、車体の側面に沿って上からカーテンエアバッグが展開可能である。車幅方向外側へ大きく倒れた乗員の上体がカーテンエアバッグに当たれば、大きく倒れた乗員の上体が車体の側面に直撃することを避けることができる。しかしながら、上述したようにシートに着座した乗員の上体が車幅方向へ向かって大きく倒れる場合、上体は下がるため、カーテンエアバッグの下側から外へすり抜けて、車体の側面に当たる可能性がある。車体の側面に沿って上から展開するカーテンエアバッグでは、車幅方向へ向かって大きく倒れる乗員の上体を適切に保護できるとは言えない。
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車1の車体2の車幅方向部分断面図である。
自動車1は、車両の一例である。
フロアパネル3とサイドパネル4との間には、車輪ハウスパネル5が設けられる。車輪ハウスパネル5は、サイドパネル4より車幅方向内側に窪んだ車輪ハウス6を、フロアパネル3より上側に画成する。車輪ハウス6内には、ホイールおよびゴムタイヤからなる車輪7が格納される。一対の車輪7は、車軸8により、ホイールの中心同士が連結される。車軸8は、フロアパネル3下のサイドフレーム9の下側に取り付けられたクロスメンバ10により回転可能に軸支される。
サイドパネル4および車輪ハウスパネル5の内側には、サイドパネル4および車輪ハウスパネル5の内側を覆うサイドトリム11が設けられる。
しかしながら、自動車1の三列目シート12では、その車幅方向両側に車輪ハウス6が位置する。車輪ハウス6内には車輪7が配置される。このため、三列目シート12では、シート13と車体2の側面との間に空間が形成される。
その結果、車体2の側面にたとえは他の車体が衝突した場合、三列目シート12に着座した乗員の上体は、車幅方向へ大きく振れ得る。そして、乗員の上体は、車幅方向外側へ向かって大きく振れて倒れることにより、高い速度で、下がった状態で、他の車体が直接衝突するサイドパネル4に当たる可能性がある。下がった上体は、カーテンエアバッグの下側から外へすり抜け、車体2の側面に当たる可能性がある。
また、衝撃により、シート13に着座した乗員が、車輪ハウス6の上へ移動してしまう可能性がある。
このように、車体2の側面に沿って上から展開するカーテンエアバッグでは、三列目シート12に着座し、車幅方向へ向かって大きく倒れる乗員の上体を適切に保護しているとは言えない。
図2(A)は、通常時の状態である。図2(B)は、側面衝突時の状態である。
図2の自動車1の乗員保護構造は、車輪ハウスパネル5の上に設けられるハウス上エアバッグ装置31、を有する。
エアバッグ本体32は、車輪ハウスパネル5の上面部に設けられる。エアバッグ33は、エアバッグ本体32から、車体2の上方向へ向かって展開される。エアバッグ33は、車輪ハウスパネル5の上面部からシート13の背部15の上端までに至る縦長の形状を有する。
この他の車体を検出すると、ハウス上エアバッグ装置31は、インフレータ内の圧縮ガスをエアバッグ33へ注入し、エアバッグ33の展開を開始する。エアバッグ33は、車輪ハウスパネル5の上面部から、車体2の上方向へ向かって展開する。
これにより、図2(B)に示すように、エアバッグ33は、車輪ハウス6の上方の空間で膨張する。
展開したエアバッグ33は、車輪ハウスパネル5の上から、背部15に対応する高さで展開する。また、展開したエアバッグ33の車幅方向内側は、下側より上側が車幅方向外側となる傾斜面に形成される。図2では、傾斜面は、車輪ハウス6の内上隅と乗員室の外上隅とを結ぶ仮想線よりも下側が内側へ張り出している。展開したエアバッグ33の下端部は、シート13の着座面の上に到達している。この他にもたとえば、傾斜面は、仮想線に沿って形成されてもよい。
その結果、三列目シート12に着座した乗員の上体は、車幅方向外側へ向かって高い速度で、かつ下がった状態で、他の車体が直接衝突するサイドパネル4に当たることが起き難くなる。
特に、展開したエアバッグ33の車幅方向内側は、下側より上側が車幅方向外側となる傾斜面に形成される。よって、この傾斜面により、たとえばシート13に着座したまま外側へ倒れる上体を上から下までを、その倒れる姿勢のままで全体的に支えることができる。なお、仮想線に沿った傾斜面でも、同様の効果を期待できる。
特に、ハウス上エアバッグ装置31を車輪ハウスパネル5の上に設け、エアバッグ33を下から上へ展開させているので、シート13に着座した乗員の上体をたとえば腰から肩までを全体的に支えることができる。上体を上から下まで全体的に支えることができる。これに対して、たとえばカーテンエアバッグなどを頭部横で展開させた場合には、上体を上から下まで全体的に支えることは難しい。
図3において、展開したエアバッグ33の車幅方向内側の面は、前記シート13に着座した乗員の体形に対応する凹凸面に形成される。具体的には、エアバッグ33の中央部から下部にかけては、下側より上側が車幅方向外側となる傾斜面に形成され、上部は該傾斜面より車幅方向内側へ突出している。
このようにエアバッグ33の車幅方向内側の面を、シート13に着座した乗員の体形に対応する凹凸を有する傾斜面に形成することにより、シート13に着座したまま外側へ倒れる上体は、その倒れる姿勢のままで頭部を含めて上から下まで全体的にエアバッグ33に当接して支えられるようになる。その結果、頭部を含めて、支えた上体に局所的な力が作用し難くなり、より一層の乗員保護効果を期待できる。
図4は、本発明の第2実施形態に係る自動車1の側面衝突時の乗員保護構造の説明図である。
図4の自動車1の乗員保護構造は、車輪ハウスパネル5の上に設けられるハウス上エアバッグ装置31、を有する。
ハウス上エアバッグ装置31のエアバッグ33は、車輪ハウスパネル5の上面部からシート13の座部14に着座した乗員の腰の高さ、またはそれより少し高い、略円柱状のひじ掛け形状を有する。
これにより、シート13に着座した乗員の腰は、その外側からエアバッグ33により支持される。
図5は、本発明の第3実施形態に係る自動車1の側面衝突時の乗員保護構造の説明図である。
図5の自動車1の乗員保護構造は、車輪ハウスパネル5の上に設けられるハウス上エアバッグ装置31、車輪ハウスパネル5の上方向から下へ向かって展開するカーテンエアバッグ装置34、を有する。
ハウス上エアバッグ装置31のエアバッグ33は、車輪ハウスパネル5の上面部からシート13の座部14に着座した乗員の腰の高さ、またはそれより少し高い、略円柱状のひじ掛け形状を有する。
カーテンエアバッグ装置34のエアバッグ35は、サイドパネル4の内側において上から下へ展開する。カーテンエアバッグ装置34のエアバッグ35は、下端が、展開したハウス上エアバッグ装置31のエアバッグ33の上に当接する長さを有する。
これにより、シート13に着座した乗員の腰は、その外側からエアバッグ33により支持される。
また、カーテンエアバッグ装置34は、ハウス上エアバッグ装置31のエアバッグ33の展開後に、エアバッグ35を展開させる。カーテンエアバッグ装置34のエアバッグ35は、展開しているハウス上エアバッグ装置31のエアバッグ33の上に当接する。
2…車体
3…フロアパネル
4…サイドパネル
5…車輪ハウスパネル
6…車輪ハウス
7…車輪
8…車軸
9…サイドフレーム
10…クロスメンバ
11…サイドトリム
12…三列目シート
13…シート
14…座部
15…背部
16…脚部
31…ハウス上エアバッグ装置
32…エアバッグ本体
33…エアバッグ
34…カーテンエアバッグ装置
35…エアバッグ
Claims (6)
- フロアパネルの車幅方向端縁に沿って車体の側面となるサイドパネルが立設される車体と、
前記フロアパネルより上側において、前記サイドパネルより車幅方向内側に窪んだ車輪ハウスを画成する車輪ハウスパネルと、
前記車輪ハウスの車幅方向内側において前記フロアパネルの上に設けられるシートと、
前記車輪ハウスパネルの上に設けられるハウス上エアバッグ装置と、
を有し、
前記シートには座部を含み、当該座部の上面は、前記車輪ハウスパネルの上面より上側に位置し、
前記ハウス上エアバッグ装置は、車両の側面衝突の際に前記車輪ハウスパネルの上面からエアバッグを展開する、
車両の側面衝突時の乗員保護構造。 - 前記シートは、着座した乗員の上体を支える背部を有し、
前記ハウス上エアバッグ装置のエアバッグは、前記車輪ハウスパネルの上から、前記背部に対応する高さで展開する、
請求項1記載の車両の側面衝突時の乗員保護構造。 - 展開した前記ハウス上エアバッグ装置のエアバッグの車幅方向内側は、下側より上側が車幅方向外側となるように傾斜しており、
当該傾斜は、前記背部に対応する高さで展開したエアバッグの車幅方向内側全体にわたり形成される、
請求項2記載の車両の側面衝突時の乗員保護構造。 - 展開した前記ハウス上エアバッグ装置のエアバッグの車幅方向内側の傾斜面は、前記シートに着座した乗員の体形に対応する凹凸面に形成される、
請求項3記載の車両の側面衝突時の乗員保護構造。 - 前記サイドパネルの内側において上から下へ展開するカーテンエアバッグ装置を有し、
展開した前記ハウス上エアバッグ装置のエアバッグと展開した前記カーテンエアバッグ装置のエアバッグとは、上下から当接する、
請求項1から4のいずれか一項記載の車両の側面衝突時の乗員保護構造。 - 前記ハウス上エアバッグ装置は、前記カーテンエアバッグ装置より先に展開する、
請求項5記載の車両の側面衝突時の乗員保護構造。
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