JP5781985B2 - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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本発明は、車両の側突時などに、シートの側部付近から乗員の側方へ向かって膨張展開するエアバッグを備えたサイドエアバッグ装置に関するものである。
通常、車両に横方向からの衝撃が加わった場合、乗員は、車幅方向に移動する。例えば、助手席側のサイドドアに他の車両や電柱などの物体(衝突物)が衝突した場合、衝突物接触側の乗員(ニアサイド側乗員;この場合は助手席側乗員)から遠い方の座席の乗員(ファーサイド側乗員;この場合はドライバ側乗員)は、慣性によって大きく移動し、ニアサイド側乗員や車室内の硬い物体に衝突して障害を負うおそれがある。
このような事態を想定して、例えば特許文献1の車両用エアバッグシステムは、エアバッグが運転席と助手席との間のセンタコンソールから上方へ膨張展開する構成となっている。このエアバッグであれば、横方向からの衝撃が加えられても、乗員の車両中央側への移動を防いで、乗員を他の物体への衝突から守ることができる。
実開平5−3055号公報
サイドエアバッグを含め、現在では各種エアバッグに対して、乗員拘束性能の向上および乗員への加害性減らす対策が求められている。しかし、特に特許文献1のエアバッグのようにファーサイドで展開するエアバッグ(ファーサイドエアバッグ)は、ニアサイドで展開するエアバッグ(ニアサイドエアバッグ)と異なり、サイドドアのような支えになる物体と隣接していない。そのため、ファーサイドエアバッグは、膨張展開しても乗員を受け止めた際の衝撃によって倒れ、乗員拘束性能に支障が出るおそれがある
本発明は、このような課題に鑑み、乗員拘束性能の向上および乗員への加害性の低減を図ることが可能なサイドエアバッグ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるサイドエアバッグ装置の代表的な構成は、シートバックおよびシートクッションを含むリクライニング式の車両用シートにおけるシートバックの側面に埋設され、インフレータから供給されるガスによって乗員の側方へ膨張展開するエアバッグと、帯状であって、一端がシートバックの上部に接続され、埋設されているエアバッグのうち乗員から見た外側を通ってシートバックおよびシートクッションの側面に沿って設置され、他端がシートクッションの前部に接続され、膨張展開したエアバッグによって張力を与えられてエアバッグの外側に張られる帯状部材と、を備え、エアバッグは、その外側の側面にガスを排出するベントホールを有し、ベントホールは、シートバックの起立時にエアバッグが膨張展開すると帯状部材によって覆われ、シートバックの傾斜時にエアバッグが膨張展開すると帯状部材から外れる位置に設けられることを特徴とする。
上記構成によれば、膨張展開したエアバッグはその外側(エアバッグから見て、乗員とは反対側)に位置する帯状部材によって支えられる。したがって、エアバッグは展開挙動が安定し、また、乗員が接触した場合には乗員を受け止めて十分に拘束することができる。さらに、帯状部材はそれ自体でも乗員を受け止めることができる。特に、乗員の腰部や大腿部付近を受け止めることができる。このようにして、上記構成であれば、高い乗員拘束性能を発揮することが可能となっている。
加えて、上記構成では、リクライニングシートを起立させているか傾斜させているかによって、エアバッグの内圧を変えることが可能になっている。上記のエアバッグにはガスの排出孔であるベントホールが設けられているが、このベントホールは、シートバックの起立時において帯状部材が重なる位置に設けられている。したがって、シートバックの起立時には、ガスの単位時間あたりの排出量が抑えられてエアバッグの内圧は高められる。これは、通常の着座姿勢の乗員は、横からの衝撃によって上半身が車内側へ倒れやすく、この上半身を十全に受け止めて拘束するためには、より高い内圧が必要になるからである。
一方、シートバックを傾斜させた場合、具体的にはシートバックを後ろに倒した場合には、ベントホールは帯状部材から外れる。これは、帯状部材はシートバックの上部からシートクッションの前部にかけて斜めに張るよう設けられていて、シートバックを後ろへ倒すにつれ、帯状部材はこれらシートバックおよびシートクッションに近づく方向へとその位置が変わるからである。このようにしてベントホールが露出することで、シートバックの起立時に比べて、ベントホールからのガスの単位時間あたりの排出量は増え、エアバッグの内圧は下げられる。寝そべっている姿勢の乗員は、通常の着座姿勢の場合に比べて、横からの衝撃を受けても移動しづらい。そのためエアバッグには高い内圧は必要なく、むしろ内圧を下げることで加害性を減らす効果を得ることができる。
上記の帯状部材は、その一端または他端に、シートバックまたはシートクッションに回転可能に取り付けられる回転固定具をさらに備えてもよい。この構成により、帯状部材は、シートバックの傾斜動作に合わせて、よりスムーズに位置を変えることが可能になる。
上記のエアバッグは、外表面に、帯状部材が通される帯状部材通過部をさらに有し、帯状部材通過部は、帯状部材が外表面上の所定範囲にわたって移動可能になるようこれを支持するとよい。この帯状部材通過部によって、帯状部材が有するエアバッグを支えるという機能をより好適に発揮することが可能になる。
上記のエアバッグは、膨張展開時に成人乗員の少なくとも肩部または頭部を支えるように、シートバックに埋設されまたは所定の形状を有するとよい。このように、成人乗員の身体のうち、より重量のある頭部付近を拘束することで、成人乗員の車内側への移動を効率よく防ぐことができる。なお、本願での成人乗員とは、一般的かつ平均的な体格の成人男性および女性、並びに小柄な成人女性までを含む。これら成人乗員の体格は、各国で自動車の安全規格(前面衝突用ダミーAF05,AM50や、側突用ダミーSID−IIs,ES−2など)によって定められており、本願において成人乗員の肩部、頭部といった場所は、これらのダミーの各部位の位置を示している。
上記のエアバッグの上縁部は、エアバッグが膨張展開すると、帯状部材の一端から見てシートクッションから遠ざかる方向へ離れた場所に位置し、帯状部材は、一端からエアバッグの上縁部側に迂回して他端へ向かって伸びていることを特徴とするとよい。この構成によると、エアバッグの膨張展開時には、帯状部材はエアバッグの上縁部に折り返されるようにかかるため、エアバッグから張力を効率よく受けて、たるみを迅速にとることが可能になる。
上記のエアバッグは、外表面であって帯状部材が接触する領域に補強布または補強縫製により構成される補強領域をさらに有するとよい。これにより、エアバッグの、帯状部材との摩擦に対する耐久性を向上させることが可能になる。
上記のエアバッグは、シートバックの車幅方向の車内側の側面に埋設され、帯状部材は、埋設されたエアバッグの車内側を通るように設けられ、ベントホールは、エアバッグの車内側の側面に設けられてもよい。この構成は、乗員よりも車内側の位置で膨張展開するいわゆるファーサイドエアバッグの構成である。通常のファーサイドエアバッグには、そのさらに車内側において支えとなる物が存在しない。しかし、上記構成であれば、エアバッグのさらに車内側には帯状部材が存在し、これによってエアバッグを支えることができる。したがって、エアバッグは、乗員が接触した際にこれを十分に受け止めて拘束することが可能になる。
本発明によれば、乗員拘束性能の向上および乗員への加害性の低減を図ることが可能なサイドエアバッグ装置を提供することができる。
本発明の実施形態におけるサイドエアバッグ装置が適用される車両の一部を例示した図である。 図1のサイドエアバッグ装置の収容状態を例示した図である。 図2のエアバッグが膨張展開した状態を例示した図である。 図3(a)のサイドエアバッグ装置を車両前側から見て例示した図である。 図3(b)のシートバックを後ろへ倒した状態を例示した図である。 図3(a)のエアバッグを拡大して例示した図である。 図3(a)のサイドエアバッグ装置の変形例を例示した図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施形態におけるサイドエアバッグ装置100が適用される車両102の一部を例示した図である。サイドエアバッグ装置100は、車両用シート104と、この車両用シート104に埋設されているエアバッグ106などによって構成されている。車両用シート104は、シートバック104aをシートクッション104bに対して傾斜させることができるリクライニング式シートである。
エアバッグ106は、シートバック104aの車幅方向の車内側の側面108に埋設されている、いわゆるファーサイドエアバッグである。しかし、これに限らず、シートバック104aの車外側の側面にていわゆるニアサイドエアバッグとして実施することも可能である。また、車両用シート104の車両中央側には車両用シート110も配置されているが、当該サイドエアバッグ装置100はこの車両用シート110の側面にも埋設することが可能である。
図2は、図1のサイドエアバッグ装置100の収容状態を例示した図である。なお、図2では、紙面手前側が車幅方向車内側、紙面奥側が車外側である。エアバッグ106は、シートバック104aの内部に設置されたハウジング112に収納されている。そして、通常はその上からシートカバー等によって覆われているため、外部からは視認が不可能になっている。エアバッグ106にはガス発生装置であるインフレータ114が接続していて、インフレータ114から供給されるガスを受け、シートカバー等を裂いて外部へ膨張展開する。
本実施形態では、エアバッグ106の乗員拘束性能を向上させる部材として、帯状部材(以下、ベルト116)が備えられている。ベルト116は、エアバッグ106を車内側から支える帯状の部材である。ベルト116は、一端がシートバック104aの上部に接続され、他端がシートクッション104bの前部に接続されている。そして、エアバッグ106の外側を通ってシートバック104aおよびシートクッション104bの側面に沿って設置されている。なお、エアバッグ106の外側とは、乗員から見て遠い側であって、さらに言い換えると、エアバッグ106のシートバック104aとの接触面とは反対に位置する面側のことである。
ベルト116は、エアバッグ106が膨張展開した際には、このエアバッグ106とともに外部へ展開し、エアバッグ106によって張力を与えられてエアバッグ106の車内側に張られる。そのため、ベルト116の長さは、膨張展開したエアバッグ106から張力を受けて緊張することを見越した長さに設定されている。
ベルト116の端部には回転固定具であるスルーアンカ118a・118bが設けられていて、ベルト116はこれらスルーアンカ118a・118bによってシートバック104aおよびシートクッション104bに回転可能にとりつけら接続されている。端部が回転可能であることで、ベルト116は、エアバッグ106の展開挙動に応じて姿勢を変化させながら、よじれることなく展開することができる。なお、この回転固定具としては、スルーアンカ118a・118b以外にも、Dリングと呼ばれる固定具などが適宜使用可能である。
以下、エアバッグ106が膨張展開した状態について説明する。図3は、図2のエアバッグ106が膨張展開した状態を例示した図である。図3(a)は、膨張展開したエアバッグ106を車両中央側から見た状態で例示している。
図3(a)を含む各図では、乗員として、成人乗員を模したダミー120を示している。このダミー120はAM50と呼ばれるモデルであって、成人男性の50%に適合する体格(身長178cm、体重72kg)を想定したモデルである。なお、本願での成人乗員とは、一般的かつ平均的な体格の成人男性および女性、並びに小柄な成人女性までを含む。これら成人乗員の体格は、各国で自動車の安全規格(前面衝突用ダミーAF05,や、側突用ダミーSID−IIs,ES−2など)によって定められており、本願において成人乗員の肩部、頭部といった場所は、AM50の他にもこれらダミーの各部位の位置を含めて示している。
車両に衝撃等が発生すると、不図示の加速度センサ等から衝撃の検知信号が送信され、それに起因してインフレータ114(図3(b)参照)の内部でガス発生剤が燃焼し、その燃焼ガスがエアバッグ106へと供給される。そして、エアバッグ106は、車両用シート104のシートカバー等を裂いて、乗員の車内側にて膨張展開する。
エアバッグ106の車内側(乗員から見た外側、つまり遠い側)の外表面である側面126には、帯状部材通過部(以下、ループ部122)が設けられている。このループ部122は、ベルト116を通すための部位である。このループ部122によってエアバッグ106とベルト116を連結させることで、ベルト116のエアバッグ106に対しての位置ずれが防止でき、ベルト116が有するエアバッグ106を支えるという機能をより好適に発揮することが可能になる。そして、ベルト116は、ループ部122に通されていることで、エアバッグ106の膨張展開と共に車内へと展開し、さらに、膨張展開するエアバッグ106によって張力が与えられ、エアバッグ106の車内側に張られる。なお、ループ部122を設ける位置は、エアバッグ106の車内側の側面126に限られない。例えば、本実施形態ではベルト116をエアバッグ106の車内側に張る構成としているが、ループ部122をエアバッグ106の車外側(乗員側)の側面のスルーアンカ118aの近くに設けたとしても、ベルト116をエアバッグ106の車内側に張ることは可能である。
図3(b)は、図3(a)のエアバッグ106を透過して表した図である。図3(b)に例示しているように、ベルト116は、エアバッグ106の上縁部121側に迂回するようにしてこれにかかっている。そして、エアバッグ106は、シートバック104aの起立時においてエアバッグ106が膨張展開した際に、上縁部121がスルーアンカ118aのシートバック104aへの接続点124よりも上方に位置するよう、設定されている。この構成によると、エアバッグ106の膨張展開時に、ベルト116はエアバッグ106の上縁部121に折り返されるようにかかる。そのため、エアバッグ106から張力を効率よく受けることが可能になり、これによってたるみを迅速にとることができる。
ここで、シートバック104aの起立とは、シートバック104aが、通常の車両運行時において運転者が運転動作を行える程度のリクライニング範囲内にある状態のことである。また言い換えると、運転席にかかわらず、シートバック104aが、通常の着座状態の乗員に対してシートベルト(図示省略)の拘束が有効に働くリクライニング範囲内にある状態のことであって、すなわち、正規に乗員が着座可能な範囲を意味している。加えて、シートバック104aの傾斜とは、シートバック104aが、通常の車両運行時において運転手が運転動作をすることが困難なリクライニング範囲にあることを言う。また言い換えると、通常の着座状態の乗員に対してシートベルトの拘束が有効に働かないリクライニング範囲であり、すなわち、非正規に乗員が着座する状態のリクライニング範囲を言う。
なお、上記では、エアバッグ106は、膨張展開した際に上縁部121が接続点124よりも上方に位置すると説明した。しかし、これはシートバック104aの起立時においての上方であって、シートバック104aが傾斜した場合における上方ではない。より詳細に表現すると、上縁部121は、接続点124から見て、シートクッション104bから遠ざかる方向へ離れた場所に位置するという意味である。なお、本実施形態において下方と記載した場合、下方とは、シートバック104bの起立時に下向きとなる方向であって、シートクッション104bに近づく方向のことである。
図4は、図3(a)のサイドエアバッグ装置100を車両前側から見て例示した図である。矢印Aは、側突に伴って車両に生じる横方向の衝撃を表している。そして、矢印Bは、ダミー120が慣性によって受ける、車両中央側に向かう横方向の衝撃を表している。このように、側突に伴うダミー120の動線軸は、これら矢印A、Bで示される横方向、すなわち車幅方向となっている。
エアバッグ106は、膨張展開時に成人乗員(ダミー120)の頭部120aまたは肩部120bを支えることを想定し、シートバック104aに埋設され、かつ、形状が設計されている。頭部120aは乗員の身体のなかでも重量があり、エアバッグ106はこの頭部付近を拘束することで、乗員の車内側への移動を効率よく防ぐことが可能になっている。さらに、エアバッグ106は、さらに車内側からベルト116によって支えられて、これにより、乗員を受け止めて十分に拘束することができる。
ベルト116は、エアバッグ106の膨張展開の過程において、急激に膨らむエアバッグ106を押さえ、これによってエアバッグ106の展開挙動を安定させる効果を有している。また、ベルト116は、それ自体でも乗員を受け止めることができる。特に、乗員の腰部120cや大腿部120d付近を受け止めることができる。このようにして、当該サイドエアバッグ装置100は、高い乗員拘束性能を発揮することが可能となっている。
本実施形態では、ベルト116を利用することで、シートバック104aを起立させているか傾斜させているかに応じて、エアバッグ106の内圧を変えることが可能になっている。再び、図3(b)を参照する。図3(b)に例示しているように、エアバッグ106の車内側の側面126には、ガスの排出孔であるベントホール128が設けられている。ベントホール128は、シートバック104aの起立時にエアバッグ106が膨張展開すると、ベルト116に覆われる位置に設けられている。したがって、シートバック104aの起立時には、ガスの単位時間あたりの排出量が抑えられてエアバッグ106の内圧は高められる。これは、通常の着座姿勢の乗員は、横からの衝撃によって上半身が車内側へ倒れやすく、この上半身を十全に受け止めて拘束するためには、より高い内圧が必要になるからである。
図5は、図3(b)のシートバック104aを後ろへ倒した状態を例示した図である。図5に例示しているように、シートバック104aを後ろに倒した場合には、ベントホール128はベルト116から外れる。これは、ベルト116はシートバック104aの上部からシートクッション104bの前部にかけて斜めに張るよう設けられていて、シートバック104aを後ろへ倒すにつれ、ベルト116はこれらシートバック104aおよびシートクッション104bに近づく方向へとその位置が変わるからである。
ベントホール128が露出することで、シートバック104aの起立時に比べて、ベントホール128からのガスの単位時間あたりの排出量は増え、エアバッグ106の内圧は下げられる。寝そべっている姿勢の乗員は、通常の着座姿勢の場合に比べて、横からの衝撃を受けても移動しづらい。そのためエアバッグ106には高い内圧は必要なく、むしろ内圧を下げることで加害性を減らす効果を得ることができる。
このように、本実施形態では、シートバック104aの傾斜角度に応じて、エアバッグ106に対するベルト116の相対的な位置が変わる構成となっている。そのため、ループ部122は、ベルト116がエアバッグ106の側面の所定範囲にわたって移動できるよう、この所定範囲にわたる広いループを形成する構成となっている。また、図2を参照して説明したように、ベルト116の端部にスルーアンカ118a・118bが取り付けられていて、ベルト116は、シートバック104aの傾斜動作に合わせて、よりスムーズに位置を変えることが可能になっている。
本実施形態では、エアバッグ106におけるベルト116との摩擦に対しても対策をとっている。図6は、図3(a)のエアバッグ106を拡大して例示した図である。図6に例示しているように、エアバッグ106のうち、ベルト116が接触する領域は、補強布130が貼られた補強領域となっていて、これによってベルト116との摩擦に対する耐久性が向上されている。なお、補強領域は、補強布130以外にも、補強縫製などによって構成することも可能である。
(変形例)
図7は、図3(a)のサイドエアバッグ装置100の変形例を例示した図である。図7(a)は、シートバック104aが起立している状態で稼動したサイドエアバッグ装置200を例示している。サイドエアバッグ装置200に含まれるエアバッグ202は、図3(a)等に例示したエアバッグ106に比べて、ベントホール204の径が大きく、かつ、このベントホール204が覆えるようにベルト206も太く、大型のスルーアンカ208を使用している。このサイドエアバッグ装置200は、シートバック104aが起立している状態においては、図3(a)等のサイドエアバッグ装置100と同様の機能を発揮する。
図7(b)は、シートバック104aを後ろに倒した状態で稼動したサイドエアバッグ装置200を例示している。図7(b)に例示しているように、ベントホール204の径が大きいため、エアバッグ202は、エアバッグ106(図5参照)に比べて単位時間あたりのガス排出量が増え、内圧が著しく抑えられてしぼんでいる。このように、径の大きなベントホール204は、シートバック104aを後ろに倒した状態において、エアバッグ202の機能を抑えるキャンセラーとして働く。したがって、エアバッグ202の乗員への加害性を失くすことができる。
なお、さらなる変形例として、ベントホールの設置数を増やした構成、また、その複数のベントホールの径をそれぞれ異ならせた構成とすることも可能である。これにより、エアバッグの内圧を、状況に応じてより細かく設定することが可能になる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記実施形態においては本発明にかかるエアバッグ装置100を自動車に適用した例を説明したが、自動車以外にも航空機や船舶などに適用することも可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、車両の側突時などに、シートの側部付近から乗員の脇へ向かって膨張展開するエアバッグを備えたサイドエアバッグ装置に利用することができる。
100・200 …サイドエアバッグ装置、102 …車両、104 …車両用シート、104a …シートバック、104b …シートクッション、106・202 …エアバッグ、108 …シートバックの側面、110 …車両用シート、112 …ハウジング、114 …インフレータ、116・206 …ベルト、118a・118b・208 …スルーアンカ、120 …ダミー、120a …頭部、120b …肩部、120c …腰部、120d …大腿部、121 …上縁部、122 …ループ部、124 …接続点、126 …エアバッグの側面(エアバッグの外側)、128・204 …ベントホール、130 …補強布

Claims (7)

  1. シートバックおよびシートクッションを含むリクライニング式の車両用シートにおける該シートバックの側面に埋設され、インフレータから供給されるガスによって乗員の側方へ膨張展開し、支えになる物体と隣接していないエアバッグと、
    帯状であって、一端が前記シートバックの上部に接続され、前記埋設されているエアバッグのうち乗員から見た外側を通って該シートバックおよび前記シートクッションの側面に沿って設置され、他端が該シートクッションの前部に接続され、膨張展開した前記エアバッグによって張力を与えられて該エアバッグの前記外側に張られる帯状部材と、を備え、
    前記エアバッグは、その前記外側の側面に前記ガスを排出するベントホールを有し、
    前記ベントホールは、前記シートバックの起立時に前記エアバッグが膨張展開すると前記帯状部材によって覆われ、該シートバックの傾斜時に前記エアバッグが膨張展開すると該帯状部材から外れる位置に設けられることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  2. 前記帯状部材は、その前記一端または他端に、前記シートバックまたはシートクッションに回転可能に取り付けられる回転固定具を備えることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  3. 前記エアバッグは、外表面に、前記帯状部材が通される帯状部材通過部をさらに有し、
    前記帯状部材通過部は、前記帯状部材が前記外表面上の所定範囲にわたって移動可能になるようこれを支持することを特徴とする請求項1または2に記載のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグは、膨張展開時に成人乗員の少なくとも肩部または頭部を支えるよう所定の形状を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
  5. 前記エアバッグの上縁部は、該エアバッグが膨張展開すると、前記帯状部材の前記一端から見て前記シートクッションから遠ざかる方向へ離れた場所に位置し、
    前記帯状部材は、前記一端から前記エアバッグの上縁部側に迂回して前記他端へ向かって伸びていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
  6. 前記エアバッグは、前記外表面であって前記帯状部材が接触する領域に補強布または補強縫製により構成される補強領域をさらに有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
  7. 前記エアバッグは、前記シートバックの車幅方向の車内側の側面に埋設され、
    前記帯状部材は、前記埋設されたエアバッグの前記車内側を通るように設けられ、
    前記ベントホールは、前記エアバッグの前記車内側の側面に設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
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