JP4131358B2 - 自動車のサイドエアバッグ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のサイドエアバッグ装置に係り、特に車体の前後方向に沿ってスライド可能なシートに関連して設けられるサイドエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の自動車は、車両の側方から車体に比較的大きな衝撃力が作用した場合、通常時において収縮状態にあるサイドエアバッグを膨張させ、この膨張したサイドエアバッグをシートに着座している乗員と車体との間に介在させて、側方からの衝撃力を緩和するような構成が採られている。
このようなサイドエアバッグ装置は、車室内の種々の箇所に設置されており、例えば、シートバックやヘッドレスト等の側部にエアバッグを内装し、膨出箇所の繊維組織を破断し易くしたもの(実開昭58−130850号公報、特開平4−356246号公報)、シートクッションの側部にエアバッグを内装したもの(特開平8−230591号公報)、フロントシートの運転席シートと助手席シートとの間に位置する車体側にエアバッグを設けたもの(特開平3−281458号公報)等が提示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のサイドエアバッグ装置のうち、シートバック、ヘッドレスト及びシートクッションの側部にエアバッグを内装したものでは、エアバッグ装着部の繊維組織における耐久性が低いことから、経時的変化を生じてエアバッグが正常に膨張しないおそれがある。また、このタイプのものは、ユーザ等がシート全体を市販のシートカバーで覆い、車室内の外観を高めようとした場合に、当該シートカバーがエアバッグの膨出口を塞いでしまうことになるので、サイドエアバッグ装置が作動しないことが起こる。さらに、シートに着座している乗員の体の一部がエアバッグ装着部に当たっている場合には、同エアバッグがスムーズに膨張せず、正常に機能し難いという問題を有している。
【0004】
一方、従来のサイドエアバッグ装置のうち、車体側にエアバッグを内装したものでは、当該エアバッグ装置が車体側に固定されているので、着座する乗員が体の大きさに合わせてフロントシートを車体の前後方向に沿ってスライドさせ、最適の運転位置や座り心地位置等に調整した時、乗員とサイドエアバッグ装置の位置が相対的に変化してしまう。一般的に、サイドエアバッグ装置は、エアバッグの中心を乗員の胴体の中心又は頭部の中心に一致させることが設計的に重要であるため、両者の相対移動を考慮すると、内装するエアバッグを大きく形成しないと、設計通りの機能を発揮させるのが難しいという問題を有している。
【0005】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、シート内装タイプのエアバッグ装置に比べてシートの耐久性及びサービス性が良く、シートカバーによる車室内の外観向上を図ることができると共に、シートがどの位置にあっても、エアバッグを正常に機能する状態でスムーズに膨出させることが可能な自動車のサイドエアバッグ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の課題を解決するために、本発明においては、車体の前後方向に沿ってスライド可能なシートを備え、該シートのスライド方向と同方向へこのシートと同時にスライド可能に設置される自動車のサイドエアバッグ装置において、前記サイドエアバッグ装置のサイドエアバッグモジュールは前記シートのシートクッションの側面部にリンク部材を介して前記シートと同時にスライド可能に配設され、前記サイドエアバッグモジュールにはカバー部材が設けられ、該カバー部材の上部が前記シート側に向かって折り曲げられ、前記シートクッションの乗員着座面より低い位置から上方に向けてサイドエアバッグを膨張展開する際に、前記カバー部材がエアバッグ膨張ガイドとして用いられるとともに、このカバー部材によって車両のサイドドア側の前記シートクッションの下方と前記サイドエアバッグモジュールが覆われている。
また、本発明においては、前記サイドエアバッグモジュールが運転席シート及び助手席シートのサイドドア側にそれぞれ配置されるとともに、これらのシートの前方位置にもエアバッグモジュールがそれぞれ配置されている。
【0007】
また、本発明においては、前記サイドエアバッグモジュールは、収縮させた前記エアバッグ及びインフレータを内蔵するケーシングを備え、該ケーシングのエアバッグ膨出側の上部が車両のサイドドアに向かう湾曲面形状に形成されているか又は前記カバー部材が車両のサイドドアに向かう湾曲面形状に形成されている。
さらに、本発明においては、前記サイドエアバックモジュールは、前記シートの脚部材が載置されるシートレールと略平行に設けたスライドレール上を前記シートと同時にスライド可能とされている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1〜図6は、本発明に係る自動車のサイドエアバッグ装置の第1実施形態を示している。本実施形態に係る自動車1の左右両側であって、車体前後の側部2a,2b及び前後のサイドドア3,4には、図1に示す如く、車両の側方から比較的大きな衝撃力を受けたことを検出する感知センサ5が単独又は複数配置でそれぞれ取付けられており、これら感知センサ5は、後述する検出診断モジュール(SDM)のマイクロコンピュータにそれぞれ電気的に接続されている。
このような自動車1は、図2及び図3に示す如く、車体の前後方向に沿ってスライド可能なフロントシート6,7を備えており、運転席シート6の前方位置のステアリングホイール8には運転席エアバッグモジュール9が内装され、助手席シート7の前方位置のインストルメントパネルトレイ10には助手席エアバッグモジュール11が内装されている。
【0010】
上記フロントシート6,7は、乗員Mが着座するシートクッション12と、乗員Mの背部を受けるシートバック13と、乗員Mの頭部を受けるヘッドレスト14とによってそれぞれ構成されており、その周囲には、着座した乗員Mを拘束するためのシートベルト15が設けられている。
一方、フロントシート6,7のシートクッション12の下面には、図4に示す如く、下方へ延びる左右一対の脚部材16が幅方向へ間隔を開けて配設されている。また、フロントシート6,7の下方に位置するフロア17の上面には、前後方向へ延びる左右一対のシートレール18が脚部材16と対応した間隔で配設されている。このため、フロントシート6,7は、脚部材16の下端部をシートレール18上に載置して係合させることにより、車体の前後方向に沿ってスライド可能となっている。
【0011】
また、上記フロントシート6,7のシートクッション12と左右両側のフロントサイドドア(車体側部)3との間には、図2〜図5に示す如く、フロントシート6,7のスライド方向(図5中の矢印X方向)と同方向(図5中の矢印X′方向)へ移動可能なサイドエアバッグモジュール19を配設してなるサイドエアバッグ装置20が設置されている。このサイドエアバッグ装置20のサイドエアバッグモジュール19は、リンク部材(リンク部)21を介してシートクッション12の側面部に連結され、シートレール18と略平行に設けた1本のスライドレール22上を移動するように構成されており、フロントシート6,7のスライド運動に常に連動するようになっている。このため、サイドエアバッグモジュール19のケーシング(後述する)の下面中央には、スライドレール22と係合するガイド溝23が車体の前後方向に沿って設けられている。
ここで、リンク部材21としては、係合ピン、ネジ、磁石等が挙げられるが、サイドエアバッグモジュール19をシートクッション12に確実に取付けることができれば、他の手段でも良い。また、スライドレール22は、支持ブラケット22a等を用いて車体の前後方向に沿ってフロア17上に設置されている。
【0012】
さらに、上記サイドエアバッグモジュール19は、図2及び図6に示す如く、収縮させたエアバッグ24及びインフレータ(ガス発生装置)25を内蔵するボックス状のケーシング26を備えている。このケーシング26のエアバッグ膨出側(サイドドア3側)の上部は、平坦面を極力減らすべく、シートクッション12からサイドドア3側に向かって下がっていく傾斜面形状(又は湾曲面形状)に形成されており、乗員Mが車室内に持ち込む傘27などの持ち物が上部に載り、エアバッグ24の膨出の妨げにならないようになっている。なお、図5中の符号28は、運転席シート6の全体を被覆する市販のシートカバーである。
【0013】
本発明の第1実施形態に係るサイドエアバッグ装置20を設置した自動車1では、フロントシート6,7のシートクッション12の側方であって、該シートクッション12とフロントサイドドア3との間にサイドエアバッグモジュール19を配設し、このサイドエアバッグモジュール19をリンク部材21でシートクッション12の側面部に連結すると共に、ケーシング26のガイド溝23をスライドレール22に移動可能に係合させているため、乗員Mの体格の大小などに応じてシートレール18上のフロントシート6,7を車体の後方あるいは前方へスライドさせた場合、これに連動してスライドレール22上のサイドエアバッグモジュール19も常にフロントシート6,7のスライド方向と同方向へ移動し、エアバッグ24の中心を乗員Mの胴体(又は頭部)の中心に一致させることが可能になる。
【0014】
したがって、車両の側方から比較的大きな衝撃力が自動車1の車体前後の側部2a,2bやサイドドア3,4に作用すると、感知センサ5がこの衝撃力を検出し、当該検出信号は、図6に示すSDMのマイクロコンピュータに送られる。このマイクロコンピュータにおいては、感知センサ5が検出する衝撃力を監視しており、すでに設定されている値(エアバッグ24を膨張展開させるべき衝撃力)と比較している。そして、感知センサ5が検出する衝撃力がこの値を越えると、マイクロコンピュータは、サイドエアバッグモジュール19のインフレータ25へ送られ、当該インフレータ25を作動させる。これに伴い、エアバッグ24は、正常に機能する状態で膨出して展開することになる(図2及び図4参照)。サイドエアバッグモジュール19とSDM等とは、ハーネスH等で接続されている。
また、車両の前方から比較的大きな衝撃力が自動車1の前部に作用すると、感知センサがこの衝撃力による減速度を検出し、当該検出信号は、図6に示すSDMのマイクロコンピュータに送られる。このマイクロコンピュータは、サイドエアバッグと同じように、運転席エアバッグモジュール9及び助手席エアバッグモジュール11を作動させ、運転席エアバッグ及び助手席エアバッグが膨張して展開する。
【0015】
また、サイドエアバッグモジュール19のケーシング26において、エアバッグ膨出側(サイドドア3側)の上部は、シートクッション12からサイドドア3側に向かって下がっていく傾斜面形状に形成されているため、傘27などの持ち物を車室内に持ち込んでも、当該傘27がケーシング26の上部に載らずにサイドドア3側へ寄せられ、エアバッグ24の膨出の妨げになることはない。
さらに、サイドエアバッグ装置20が作動しても、従来のようにフロントシート6,7が破損することはないため、シートの交換が容易であり、サービス性の向上が図れる。しかも、フロントシート6,7の全体を市販のシートカバー28で被覆しても、サイドエアバッグ装置20の作動に影響がないため、シートカバー28によって車室内を自由にドレスアップできる。
【0016】
図7は、本発明に係る自動車のサイドエアバッグ装置の第2実施形態を示しており、本実施形態のサイドエアバッグ装置20のサイドエアバッグモジュール19は、リンク部材のステー29,30及び脚部材16を介してシートレール18に連結され、フロントシート6,7のスライド運動に常に連動するようになっている。このため、ステー29,30は断面L字状に形成され、一方のステー29はケーシング26の対向面に固着されていると共に、他方のステー30は脚部材16の対向面に固着されており、両ステー29,30はボルト31及び溶接ナット32によって互いに結合されている。なお、ステー29,30は、ボルト31及び溶接ナット32以外に嵌め込み、磁石等の手段で結合しても良い。
本実施形態のサイドエアバッグ装置20は、サイドエアバッグモジュール19を持って上方からケーシング26のガイド溝23をフロア17上のスライドレール22に嵌め込んで係合させ、ステー29,30を重ね合わせた状態で、ボルト31を溶接ナット32に螺合させて締結することにより組立てられる。
【0017】
また、上記サイドエアバッグモジュール19のケーシング26の上部には、支点33をフロントサイドドア(車体側部)3側に設けたリッド34が回動可能に取付けられており、該リッド34によってケーシング26の上部開口が開閉されるように構成されている。しかも、リッド34の上面は、シートクッション12からフロントサイドドア3に向かって下がる湾曲面形状(又は傾斜面形状)に形成されている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0018】
本発明の第2実施形態に係るサイドエアバッグ装置20では、サイドエアバッグモジュール19のケーシング26の上部に湾曲面形状のリッド34を回動可能に取付け、該リッド34の支点33をフロントサイドドア(車体側部)3側に設けているため、フロントサイドドア3等が車室側に向かって変形しても、開いた状態のリッド34は、エアバッグ24の膨出面積を確保しながら、湾曲面によってエアバッグ24を乗員M側の斜め上方位置に案内することができる。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
【0019】
なお、図8及び図9は、上記第2実施形態の変形例を示している。図8における変形例1では、リンク部材として第2実施形態のステー29,30、ボルト31及び溶接ナット32の代わりにプレート35が用いられ、ケーシング26の対向面から突設させたプレート35の先端部は、溶接などで脚部材16の対向面に結合されている。したがって、サイドエアバッグモジュール19は、プレート35及び脚部材16を介してシートレール18に連結され、フロントシート6,7のスライド運動に常に連動するようになっている。
【0020】
また、図9における変形例2では、第2実施形態のガイド溝23の代わりに、ケーシング26の下面に左右一対の係合片36が突設されており、サイドエアバッグモジュール19は、ケーシング26の係合片36をスライドレール22に係合させることによって移動可能に設置されている。このため、左右一対の係合片36は、スライドレール22の幅寸法に対応した間隔を開けて配設されている。一方、ケーシング26の上部に取付けたリッド34の支点33は、フロア17側に近い下方位置に設けられており、フロントサイドドア3等の変形によるリッド34の支点33に及ぼす影響の確率の低下が図られている。
このような変形例においては、上記第2実施形態と同様、リッド34の支点33をフロントサイドドア3側に設けると共に、リッド34の上部を湾曲面形状(又は傾斜面形状)に形成しているため、車両の側方からの衝撃力Fによってサイドエアバッグ装置20が作動した時、エアバッグ24を乗員Mの方向へ斜めに案内し易い上に、フロントサイドドア3などが車室側に向かって変形しても、湾曲面によりリッド34の開くスペースを確保することができる。
【0021】
図10は、本発明に係る自動車のサイドエアバッグ装置の第3実施形態を示しており、本実施形態におけるサイドエアバッグ装置20のサイドエアバッグモジュール19には、エアバッグ膨張ガイドとして用いるカバー部材37が設けられ、該カバー部材37によってシートクッション12の下方及びサイドエアバッグモジュール19が覆われている。このカバー部材37は、スライドレール22のレールカバーを利用してこれと一体成形されており、その上部は、これを折り曲げてサイドエアバッグモジュール19のケーシング26の外側面からフロントシート6,7側へ向かって斜め上方へ突出すべく形成されている。また、サイドエアバッグモジュール19のケーシング26の上部には、支点33をフロントサイドドア(車体側部)3側に設けたリッド34が回動可能に取付けられている。その他の構成は上記第1及び第2実施形態と同様である。
本発明の第3実施形態に係るサイドエアバッグ装置20では、スライドレール22のレールカバーを利用し、上部がケーシング26の外側面からフロントシート6,7側へ向かって斜め上方へ折り曲げられたカバー部材37をサイドエアバッグモジュール19に設けているため、部品点数を増やすことなく、膨出するエアバッグ24を簡単に乗員M側へ向かって案内することができ、同エアバッグ24を確実に機能させることができると共に、カバー部材37がシートクッション12の下方及びサイドエアバッグモジュール19を覆うことにより外観の向上を図ることができる。その他の作用効果は上記第1及び第2実施形態と同様である。
【0022】
図11及び図12は、本発明に係る自動車のサイドエアバッグ装置の第4実施形態を示しており、本実施形態におけるサイドエアバッグ装置20のサイドエアバッグモジュール19には、第3実施形態と同構造のエアバッグ膨張ガイドとして用いるカバー部材37が設けられている。また、サイドエアバッグモジュール19のケーシング26の上部には、支点33をフロントシート6,7側に設けたリッド34が回動可能に取付けられており、該リッド34の開方向がフロントシート6,7側となり、シートクッション12をリッド34のストッパとして利用する構成となっている。その他の構成は上記第1実施形態〜第3実施形態と同様である。
本発明の第4実施形態に係るサイドエアバッグ装置20では、スライドレール22のレールカバーを利用し、上部がケーシング26の外側面からフロントシート6,7側へ向かって斜め上方へ折り曲げられたカバー部材37をサイドエアバッグモジュール19に設ける一方、リッド34の支点33をフロントシート6,7側に設けているため、上記第3実施形態と同様の効果を得ることができると共に、フロントサイドドア3などが車室側へ向かって大きく変形しても、リッド34をより一層確実に開放させることができる。その他の作用効果は上記第1及び第2実施形態と同様である。
【0023】
図13及び図14は、本発明に係る自動車のサイドエアバッグ装置の第5実施形態を示している。本実施形態では、サイドエアバッグ装置20のサイドエアバッグモジュール19側に位置するシートクッション12の側部であって、その前後方向の中間部分が、L寸法だけシート中心側に向かって凹んでおり、なだらかな湾曲面状の凹部38となっている。なお、図14において、符号39はシーベルト15の固定具である。その他の構成は上記第2実施形態と同様である。
本発明の第5実施形態に係るサイドエアバッグ装置20では、サイドエアバッグモジュール19側に位置するシートクッション12の側部にL寸法だけシート中心側に向かう湾曲面状の凹部38を設けているため、フロントシート6,7とサイドエアバッグモジュール19との中心間距離Sを短く、即ち、サイドエアバッグモジュール19をシートクッション12側に近づけても、リンク部材のステー29,30のボルト締めが可能である上、シートクッション12がエアバッグ24の膨張に邪魔にならず、かつ同エアバッグ24が乗員Mの胴体側に接近し易くなる。したがって、本実施形態のサイドエアバッグ装置20は、特に車幅の小さい軽小型自動車などに適用すると有利である。
【0024】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。例えば、本発明のサイドエアバッグ装置20は、フロントシート6,7に限らず、車体の前後方向に沿ってスライド可能なミドルシートやリヤシートにも適用することができる。
【0025】
【発明の効果】
上述の如く、本発明に係る自動車のサイドエアバッグ装置は、車体の前後方向に沿ってスライド可能なシートを備え、該シートのスライド方向と同方向へこのシートと同時にスライド可能に設置されるものであって、前記サイドエアバッグ装置のサイドエアバッグモジュールは前記シートのシートクッションの側面部にリンク部材を介して前記シートと同時にスライド可能に配設され、前記サイドエアバッグモジュールにはカバー部材が設けられ、該カバー部材の上部が前記シート側に向かって折り曲げられ、前記シートクッションの乗員着座面より低い位置から上方に向けてサイドエアバッグを膨張展開する際に、前記カバー部材がエアバッグ膨張ガイドとして用いられるとともに、このカバー部材によって車両のサイドドア側の前記シートクッションの下方と前記サイドエアバッグモジュールが覆われているので、シートがどの位置にあっても、エアバッグの膨出に無関係で正常に機能させることができる。また、本発明のサイドエアバッグ装置は、従来のシート内装タイプのエアバッグ装置に比べてシート(表皮、繊維組織)の耐久性が良くなると共に、サイドエアバッグモジュールの作動によってシートが破損することがなくなるので、シートの交換を容易に行うことができ、サービス性の向上を図ることができる。さらに、本発明のサイドエアバッグ装置は、シートの全体を市販のシートカバーで被覆した場合でも、サイドエアバッグモジュールの作動に影響を与えないので、ユーザ等の趣味により車室内を自由にドレスアップして外観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るサイドエアバッグ装置が適用された自動車の全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るサイドエアバッグ装置が設けられた車室内を右側後方より見た斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るサイドエアバッグ装置が設けられた車室内を上部後方より見た斜視図である。
【図4】図2のA矢視図である。
【図5】図2のB矢視図である。
【図6】自動車の車室内各所に設置されたエアバッグ装置の作動システムを示す概念図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るサイドエアバッグ装置が設けられた車室内を車体後方より見た正面図である。
【図8】上記第2実施形態の変形例1に係るサイドエアバッグ装置を車体後方より見た正面図である。
【図9】上記第2実施形態の変形例2に係るサイドエアバッグ装置が設けられた車室内を車体後方より見た正面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るサイドエアバッグ装置が設けられた車室内を車体後方より見た正面図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るサイドエアバッグ装置が設けられた車室内を車体後方より見た正面図である。
【図12】図11におけるC部拡大図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係るサイドエアバッグ装置が設けられた車室内を車体後方より見た正面図である。
【図14】本発明の第5実施形態に係るサイドエアバッグ装置が設けられた車室内を上方より見た平面図である。
【符号の説明】
1 自動車
2a,2b 車体前後の側部
3,4 サイドドア
5 感知センサ
6,7 フロントシート
12 シートクッション
16 脚部材
17 フロア
18 シートレール
19 サイドエアバッグモジュール
20 サイドエアバッグ装置
21 リンク部材
22 スライドレール
23 ガイド溝
24 エアバッグ
25 インフレータ
26 ケーシング
29,30 ステー
31 ボルト
32 溶接ナット
33 支点
34 リッド
35 プレート
36 係合片
37 カバー部材
38 凹部
Claims (4)
- 車体の前後方向に沿ってスライド可能なシートを備え、該シートのスライド方向と同方向へこのシートと同時にスライド可能に設置される自動車のサイドエアバッグ装置において、
前記サイドエアバッグ装置のサイドエアバッグモジュールは前記シートのシートクッションの側面部にリンク部材を介して前記シートと同時にスライド可能に配設され、前記サイドエアバッグモジュールにはカバー部材が設けられ、該カバー部材の上部が前記シート側に向かって折り曲げられ、前記シートクッションの乗員着座面より低い位置から上方に向けてサイドエアバッグを膨張展開する際に、前記カバー部材がエアバッグ膨張ガイドとして用いられるとともに、このカバー部材によって車両のサイドドア側の前記シートクッションの下方と前記サイドエアバッグモジュールが覆われていることを特徴とする自動車のサイドエアバッグ装置。 - 前記サイドエアバッグモジュールが運転席シート及び助手席シートのサイドドア側にそれぞれ配置されるとともに、これらのシートの前方位置にもエアバッグモジュールがそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車のサイドエアバッグ装置。
- 前記サイドエアバッグモジュールは、収縮させた前記エアバッグ及びインフレータを内蔵するケーシングを備え、該ケーシングのエアバッグ膨出側の上部が車両のサイドドアに向かう湾曲面形状に形成されているか又は前記カバー部材が車両のサイドドアに向かう湾曲面形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車のサイドエアバッグ装置。
- 前記サイドエアバックモジュールは、前記シートの脚部材が載置されるシートレールと略平行に設けたスライドレール上を前記シートと同時にスライド可能とされていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の自動車のサイドエアバッグ装置。
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