JP4033038B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両後部からの衝撃を吸収するために設けられるエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のエアバッグ装置として、例えば実開平6−65117号公報に開示された装置が知られている。この装置は、最後部座席部分に加わる加速度を検知するセンサと、折り畳まれた状態で最後部座席の内部に収容されたエアバッグとを備えている。そして、センサにより車体の後ろ向きの加速度が検知されると、エアバッグが瞬時に膨張展開して、最後部座席に着座した乗員に対する衝撃が吸収されるようになっている。
【0003】
又、こうしたエアバッグ装置としては他に、上述したように膨張展開するエアバッグが、最後部座席後方の荷室の下部に収容されたものや(実開昭64−7054号公報)、同じく最後部座席後方に設けられたリヤパッケージトレイの下部に収容されたもの(特開平7−186870号公報)なども知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記各従来のエアバッグ装置のうちで、エアバッグを座席の内部に収容する装置にあっては、このエアバッグが嵩張るために、座席の座り心地の悪化を許容した上で、その内部に同エアバッグを収容せざるを得ない。又、最後部座席後方に設けられた荷室やリヤパッケージトレイの下部にエアバッグを収容する構成にあっては、同エアバッグの膨張展開に支障をきたすおそれがあるためにその上部に荷物を置くことができなくなり、利便性の低下を招くこととなる。
【0005】
又、従来のエアバッグ装置は、車両が衝突したときの乗員の移動を予測して構成されていない。このため、例えば車両同士が進行方向に関して左方又は右方にオフセットされた状態で衝突したような場合には、乗員が左方向又は右方向に移動されて、車室内のリヤピラーに衝突する恐れがある。さらに、事故の状況によっては最後部座席の隣接する乗員同士が互いに衝突するような場合もある。
【0006】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その第1の目的は、座席の座り心地や利便性の悪化を招くことなく、車両後方に加えられた衝撃を吸収することができるとともに、乗員が後側上方に移動した場合にも頭部の保護を図ることができるエアバッグ装置を提供することにある。
【0007】
本発明の第2の目的は、座席の座り心地や利便性の悪化を招くことなく、車両後方に加えられた衝撃を吸収することのできるとともに、乗員の左方向又は右方向への移動による衝撃を緩和することができるエアバッグ装置を提供することにある。
【0008】
本発明の第3の目的は、座席の座り心地や利便性の悪化を招くことなく、車両後方に加えられた衝撃を吸収することができるとともに、最後部座席の乗員相互の衝突による衝撃を緩和することができるエアバッグ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、車両に後方から加えられた衝撃を検知するセンサ又は車両の後方からの衝突を予知するセンサと、折り畳まれた状態で車両上部の後端部に収容されるものであって前記センサにより所定以上の衝撃が検知されるか衝突が予知されたときに複数列の座席のうち最後部座席の後方に膨張展開するエアバッグとを備えるエアバッグ装置において、当該車両は、前記車両上部の後端部に設けられる中空状のものであって、前記車両上部の最も後端から最後部座席の上方までにわたる車両前後方向に延びて所定の長さを有するリヤルーフレールを備え、前記エアバッグは、前記車両上部の後端部における前記リヤルーフレールの車両前方側の端部付近に収容されるものであって、前記リヤルーフレールの車室内側の面を覆う態様で車両後方へ向けて膨張展開した後に車両上部から最後部座席の後方に向けて膨張展開するものであることを要旨とする。
【0010】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエアバッグ装置において、前記エアバッグは、前記車両のルーフパネルとその内面を覆うように設けられるルーフヘッドライニングとの間に収容され、その膨張展開時にルーフパネルからルーフヘッドライニングを浮上させるように構成されていることを要旨とする。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のエアバッグ装置において、前記リヤルーフレールは、前記車両のルーフパネルとインナーパネルとにより構成される中空状のものであり、前記インナーパネルの車室内側の面により当該リヤルーフレールの車室内側の面が形成されることを要旨とする。
【0011】
(4)請求項4に記載の発明は、車両に後方から加えられた衝撃を検知するセンサ又は車両の後方からの衝突を予知するセンサと、折り畳まれた状態で車両上部の後端部に収容されるものであって前記センサにより所定以上の衝撃が検知されるか衝突が予知されたときに複数列の座席のうち最後部座席の後方に膨張展開するエアバッグとを備えるエアバッグ装置において、前記エアバッグは、前記最後部座席の後方に膨張展開する座席後方展開部と、この座席後方展開部の車幅方向の両端部に設けられてリヤピラーの車室内側の面全体を覆うピラー側展開部とを含むことを要旨とする。
【0012】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のエアバッグ装置において、前記エアバッグは、ほぼ同じ幅で下方に膨張展開されるものであることを要旨とする。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のエアバッグ装置において、前記エアバッグは、下方に膨張展開された後、左右両側方に膨張展開されるものであることを要旨とする。
【0013】
(7)請求項7に記載の発明は、車両に後方から加えられた衝撃を検知するセンサ又は車両の後方からの衝突を予知するセンサと、折り畳まれた状態で収容されるものであって前記センサにより所定以上の衝撃が検知されるか衝突が予知されたときに複数列の座席のうち最後部座席の後方に膨張展開するエアバッグとを備えるエアバッグ装置において、前記エアバッグは、前記車両の後端部の上部に収容されて下方に膨張展開するとともに、左右一対の後部座席に着座した乗員の間に膨張展開されるものであることを要旨とする。
【0014】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエアバッグ装置において、前記エアバッグは、前記車両のルーフパネルと、その内面を覆うように設けられるルーフヘッドライニングとの間の空間内に膨張するルーフ側膨張部と、前記車両の車室内に表出しながら膨張する車室側膨張部とを有するものであり、前記エアバッグを、前記ルーフ側膨張部の少なくとも一部が展開された状態で前記空間内に収容したことを要旨とする。
【0015】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のエアバッグ装置において、前記ルーフ側膨張部は、前記車両に固定される固定部を有することを要旨とする。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のエアバッグ装置において、前記固定部を、前記ルーフ側膨張部の端部に設けたことを要旨とする。
【0016】
(11)請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載のエアバッグ装置において、前記固定部を、複数設けたことを要旨とする。
(12)請求項12に記載の発明は、請求項9〜11のいずれか一項に記載のエアバッグ装置において、前記固定部は、ベルトを有することを要旨とする。
【0017】
(作用)
この請求項1に記載の発明では、座席の座り心地や利便性の悪化を招くことなく、車両後方に加えられた衝撃を吸収することが可能になる。また、車両の衝突時に乗員が上方に持ち上げられたとしてもエアバッグにより頭部が保護され、その頭部とルーフレールとの接触が抑制される。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の作用に加えて、エアバッグの収容スペースを容易に確保でき、しかも、エアバッグがルーフヘッドライニングで覆われるようになって、見栄えをよくすることもできる。
【0019】
請求項4〜6のいずれか一項に記載の発明は、座席の座り心地や利便性の悪化を招くことなく、車両後方に加えられた衝撃を吸収することが可能となるとともに、乗員の左方向又は右方向への移動によるリヤピラーとの衝突を回避することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明では、座席の座り心地や利便性の悪化を招くことなく、車両後方に加えられた衝撃を吸収することが可能となるとともに、乗員相互の衝突による衝撃を緩和することができる。
【0021】
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、エアバッグ内に供給されたガスがルーフ側膨張部と車室側膨張部とに流入することにより、両膨張部がそれぞれ膨張される。ここで、ルーフ側膨張部は、既に展開された状態でルーフパネルとルーフヘッドライニングとの間の空間内に収容されている。これにより、ルーフ側膨張部を膨張させるための抵抗が小さくなり、ルーフ側膨張部が逸早く均一に、しかもスムーズに膨張される。このため、ルーフ側膨張部が局部的に膨張されたり、車両上下方向に変位しながら膨張されたりすることが抑制される。これにより、ルーフヘッドライニングが過剰に下方へと変位することが抑制される。この結果、車両の最後列の座席上に、比較的高さのある荷物等が載置されている場合において、その荷物等にルーフヘッドライニングの後方部分が干渉することが抑制される。
【0022】
また、エアバッグの膨張展開の初期において、ルーフライニングが、車両左右方向の全体にわたって均一に押し下げられることになり、車室側膨張部が表出するための開口部が過不足なく形成される。このため、車室側膨張部の膨張展開もスムーズなものとなる。
【0023】
さらに、ルーフパネルとルーフヘッドライニングとの間の空間内において、ルーフ側膨張部と対応する部位のルーフパネルとルーフヘッドライニングとの対向面間の距離を小さくすることが可能となる。これにより、最後列の座席に着座する乗員の頭部とルーフヘッドライニングとの間の距離、すなわちヘッドクリアランスを確保し易くなる。
【0024】
請求項9または10に記載の発明では、請求項8に記載の発明の作用に加えて、ルーフ側膨張部を所定の位置で膨張展開させることが可能となり、ルーフ側膨張部の展開状態の安定化を図ることができる。
【0025】
請求項11に記載の発明では、請求項9または10に記載の発明の作用に加えて、ルーフ側膨張部の膨張展開状態をさらに安定化させることができる。
請求項12に記載の発明では、請求項9〜11のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、ベルトの長さを、ルーフ側膨張部の大きさや形状、あるいは車両ボディの構造等に応じたものとすることが可能となる。これにより、ルーフ側膨張部の大きさや形状、あるいは車両ボディの構造を変更することなく固定部を車両に固定することが可能となる。このため、本発明のエアバッグ装置の適用自由度を高めることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下に、本発明を、エアバッグ装置としての後突用エアバッグ装置に具体化した第1実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
【0027】
図3に示す車両20のルーフ21は、図1にその後方端における側面断面構造を示すように、外装部材であるルーフパネル22と、装飾部材であるルーフヘッドライニング23と、インナーパネル24とから構成されている。ルーフヘッドライニング23は、例えば合成樹脂等の可撓性を有する材料により、前記ルーフパネル22の車室内側の面全体を覆うように設けられている。インナーパネル24は、前記ルーフパネル22及びルーフヘッドライニング23の間に設けられ、ルーフパネル22とともに中空状のリヤルーフレール24aを形成している。前記ルーフパネル22の後端部にはリヤドア25がヒンジ機構26を介して開閉可能に装着されている。このリヤドア25にはリヤウインドウガラス25aが装着されている。
【0028】
図1及び図3に示すように、車両20の後方側におけるルーフ21の端部には、袋状に形成されたエアバッグ31と、信号が入力されることで膨張用のガスを同エアバッグ31に供給するインフレータ32とが設けられている。
【0029】
車両20の後方側における前記インナーパネル24の前端部には、複数の取付孔24bが形成されるとともに、これら取付孔24bに対応するように取付ナット33が溶接されている。これら取付ナット33は、前記エアバッグ31及びインフレータ32の取付けに用いられる。ここで、リヤルーフレール24aは、車両20に後方から衝撃が加えられた場合における変形が比較的小さくなるように剛性が高くされている。そこで、本実施の形態の装置では、こうしたルーフ21(インナーパネル24)に、上記取付ナット33を通じて、エアバッグ31及びインフレータ32が固定されている。
【0030】
図1に示すように、前記インナーパネル24には前記取付孔24bから前記取付ナット33に螺合される取付ボルト34を利用して2つのブラケット35a,35bが取り付けられている。一方のブラケット35aには前記エアバッグ31の中間部がかしめ等によって連結されている。他方のブラケット35bには前記インフレータ32が取り付けられている。前記エアバッグ31は、図5に一点鎖線で示すように、膨張している状態で略四角形状に形成され、図5に実線で示すように、車両20への取付けに際し折り畳まれている。そのエアバッグ31の上記四角形状の中間にあたる部分が前記ブラケット35aの先端縁に連結され、この連結点Pを境としてエアバッグ31がドア側展開部31aとルーフ側展開部31bに区分されている。これらエアバッグ31及びインフレータ32は、ルーフヘッドライニング23とインナーパネル24との間に収容されている。
【0031】
前記ルーフヘッドライニング23は、前記インナーパネル24と接する部分をなす車両後方側の端部23aが、インナーパネル24の後端部に設けたシール用のウエザーストリップ36を支持するフレーム36aに取り付けられたカバー片36bによって覆われている。このルーフヘッドライニング23は、エアバッグ31の膨張展開に際し、インナーパネル24から下方に離隔してインナーパネル24との間に所定容積の空間を形成するようになっている(図2参照)。
【0032】
前記エアバッグ31は、その膨張時における展開方向が、前記ブラケット35aとの連結点Pを基点として上記ルーフヘッドライニング23の車両後方側の端部23aに向かう方向と、車両前方向との二方向になるように固定されている。エアバッグ31のドア側展開部31aは、その膨張に際し、図3に一点鎖線で示すように、車両20のリヤドア25に取付けられたリヤウインドウガラス25aと複数列の座席のうち最後部に配置される最後部座席27との間を仕切るように展開するようになっている。この実施形態では、エアバッグ31はリヤウインドウガラス25aを覆うようにして該リヤウインドウガラス25aに沿うように展開される。
【0033】
図3に示すように、車両20の後部バンパ28の近傍にはセンサ37が設けられている。このセンサ37は、車両20に後方から所定以上の衝撃が加えられたときに、その旨の信号を出力する。なお、上記車両20としては、その後部バンパ28と最後部座席27との距離が短い車両であって、かつルーフ21の後方側の端部が最後部座席27よりも後方側に位置する車両(例えば、1ボックスカーや2ボックスカー)を想定している。
【0034】
本実施の形態のエアバッグ装置は、例えばマイクロコンピュータ等から構成される電子制御装置38を備えている。この電子制御装置38は、上記センサ37の出力信号を取り込むとともに、同信号に基づき車両20に衝撃が加えられたか否かを演算し、その演算結果に応じて上記インフレータ32に作動信号を出力する。
【0035】
そして、この装置では、車両20に後方から所定以上の衝撃が加えられると、上記センサ37が信号を出力し、この出力信号が電子制御装置38に取り込まれる。このとき、電子制御装置38は、車両20に衝撃が加えられたと判断するとともに、上記インフレータ32に作動信号を出力する。これにより、インフレータ32から袋状のエアバッグ31の内部に膨張用のガスが供給され、同エアバッグ31のドア側展開部31aがリヤウインドウガラス25aとリヤルーフレール24aとの内面に沿うように膨張展開される。これにより、リヤウインドウガラス25aと最後部座席27に着座した乗員とがドア側展開部31aを介して隔離される。従って、膨張展開されたドア側展開部31aにより、後方からの飛散物や、進入物等による車室20a内への影響が低減され、車両20の後方に加えられた衝撃が吸収される。
【0036】
一方、前記エアバッグ31のルーフ側展開部31bは前記ブラケット35aとの連結点Pを基点として車両の前方へ展開される。このため、図2に示すようにカバー片36bから端部23aが離れるととともに、ルーフヘッドライニング23が、膨張展開されるルーフ側展開部31bによってインナーパネル24から離れる方向への押圧力を受ける。この押圧力により、ルーフヘッドライニング23がインナーパネル24から下方へ離隔される。従って、ルーフヘッドライニング23とリヤルーフレール24aの前部との間にもルーフ側展開部31bによって十分な厚みのあるクッションが形成される。このため、仮に、最後部座席27にシートベルトを締めずに着座した乗員が座席の背もたれに案内されて上方へ移動され、乗員の頭部がリヤルーフレール24aの下方のルーフヘッドライニング23に接触したとしても、その際の衝撃を緩和することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)エアバッグ31を車両20の後方側におけるルーフ21の端部に設けるようにしたために、最後部座席27にエアバッグ装置を埋設したり、荷室の使用を制約したりする必要がない。従って、座席の座り心地や利便性の悪化を招くことなく、車両20の後方に加えられた衝撃を吸収することができる。
【0038】
(2)エアバッグ31を、車両20に後方から衝撃が加えられた場合における変形が小さいルーフ21に固定した。このため、同エアバッグ31の展開に支障が生じたり、展開方向が不用意に変化したりすることが抑制される。従って、後突用エアバッグ装置30の作動時に、エアバッグ31をより確実に所望の展開状態とすることができる。
【0039】
(3)エアバッグ31及びインフレータ32を、ルーフ21内に収容するようにしたために、それらエアバッグ31及びインフレータ32の収容スペースを容易に確保することができる。しかも、ルーフヘッドライニング23とインナーパネル24との間にエアバッグ31及びインフレータ32を収容するようにしたために、それらエアバッグ31及びインフレータ32がルーフヘッドライニング23で覆われるようになり、見栄えをよくすることもできる。
【0040】
(4)エアバッグ31のドア側展開部31aを、リヤルーフレール24aを覆うように膨張させている。このため、シートベルトを締めずに最後部座席27に着座している乗員が背もたれに沿って上方に持ち上げられて、剛性の高いリヤルーフレール24aに向かって移動されて、該部に乗員が接触したとしても、膨張したエアバッグ31によりその衝撃を緩和できる。さらに、エアバッグ31のルーフ側展開部31bを形成したので、リヤルーフレール24aの前端部にも、十分な厚みのあるエアバッグ31を配置できる。
【0041】
(5)エアバッグ31を、リヤウインドウガラス25aと最後部座席27との間を仕切るように展開させるようにした。このため、車両20の後方に衝撃が加えられたときに、リヤウインドウガラス25aと最後部座席27に着座する乗員とがエアバッグ31を介して隔離される。そして、後方からの飛散物、進入物等による車室20a内への影響が低減される。特に、最後部座席27と後部バンパ28との距離が短い車両20に、こうした後突用エアバッグ装置30を搭載することで、前記効果を顕著に奏することができる。
【0042】
(第2実施形態)
つぎに、本発明の第2実施形態について、前記第1実施形態と異なる部分を中心に、図6〜図9を参照して説明する。
【0043】
この第2実施形態では、エアバッグ31は、車両20のルーフパネル22のルーフヘッドライニング23との間の後方部に収容され、後突用エアバッグ装置30の作動により、リヤルーフレール24aを被覆するように膨張展開する点で前記第1実施形態と同じである。しかし、第2実施形態では、エアバッグ31の構成と、エアバッグ31の車両20に対する固定構造とが前記第1実施形態と異なっている。
【0044】
図6に示すように、エアバッグ31は、例えば袋状に織る袋織り等により形成された基布40から構成され、この基布40を平面状に広げたときに略四角形をなすように形成されている。また、エアバッグ31は、前記インフレータ32に、例えばアルミニウム製のガス供給管(図示略)を介して接続される接続部41を有し、その接続部41には、供給口41aが形成されている。
【0045】
また、エアバッグ31には、接続部41の近傍に、車両20のルーフ21に取り付けるための一対の取付片42が形成されている。この取付片42は、基布40に一体的に形成されている。そして、この取付片42には、固定用の金具43が取着されるとともに、その金具43と取付片42とを貫通する貫通孔が形成されている。
【0046】
このエアバッグ31は、インフレータ32からのガスの供給により、車両20のルーフパネル22とルーフヘッドライニング23との間の空間内に膨張するルーフ側膨張部31cと、車室20a内に表出しながら膨張する車室側膨張部31dとを有している。本実施形態では、ルーフ側膨張部31cは、エアバッグ31が膨張展開したときに車両上方に位置する上辺部31eから、基布40と前記取付片42との接続部のやや下辺部31fよりの部分までの間に対応している。一方、車室側膨張部31dは、前記基布40と前記取付片42との接続部のやや下辺部31fよりの部分から下辺部31fまでの間に対応している。
【0047】
本実施形態では、ルーフ側膨張部31cには、車両20に固定するための固定部44が設けられている。この固定部44は、所定の長さを有する帯状に形成されたベルトとしての固定ベルト44aから構成されている。また、この固定ベルト44aは、例えば基布40と同一の繊維等からなる布から形成されている。この固定ベルト44aは、ルーフ側膨張部31cの上辺部31e側の端部における車両左右方向の両端部に設けられ、両固定ベルト44aは、その一方端が基布40に縫着されている。さらに、各固定ベルト44aの先端部には、小径のクリップ孔45が形成されている。
【0048】
次に、エアバッグ31の固定構造について、以下に説明する。
図7に示すように、インナーパネル24には、その前端部でエアバッグ31の取付片42と対応する位置に挿通孔60が形成されている。また、その挿通孔60にリヤルーフレール24aの内部から車室20aに向かって挿入された固定ボルト61が溶接されている。この固定ボルト61を、エアバッグ31の前記取付片42の貫通孔内に挿入した状態で、固定ナット62を固定ボルト61に螺着する。これにより、前記エアバッグ31が、取付片42を介してインナーパネル24に固定される。
【0049】
また、ルーフパネル22には、車室20a側の側面に、インナーパネル24よりも車両前方側にて車両左右方向へ延びるように配設されるルーフボウ63が設けられている。このルーフボウ63には、エアバッグ31の固定ベルト44aと対応する位置に取着孔(図示略)が形成されている。この取着孔に、固定ベルト44aのクリップ孔45を貫通させたクリップ64を係入することにより、エアバッグ31のルーフ側膨張部31cがルーフボウ63に固定される。
【0050】
このように、エアバッグ31がインナーパネル24とルーフボウ63とに固定された状態では、ルーフ側膨張部31cにおける取付片42よりも上辺部31e側の部分が、略平面状をなすように展開された状態でルーフパネル22とルーフヘッドライニング23との間に収容される。また、エアバッグ31における取付片42よりも下辺部31f側の部分は、エアバッグ31の膨張時の展開方向が、前記リヤドア25に向かう方向となるように所定の形状に折り畳まれた状態でルーフパネル22とルーフヘッドライニング23との間に収容される。これにより、エアバッグ31は、ルーフパネル22とルーフヘッドライニング23との間にて車両左右方向へ延びるように収容される。
【0051】
次に、後突用エアバッグ装置30の作動態様について、以下に説明する。
まず、車両20に後方から所定以上の衝撃が加えられると、前記センサ37からの信号が電子制御装置38に入力され、電子制御装置38は、インフレータ32に作動信号を出力する。これにより、インフレータ32内でガスが発生し、そのガスが、前記ガス供給管及び接続部41を介してエアバッグ31内に導入される。
【0052】
そして、図8に示すように、エアバッグ31は、インフレータ32からのガス供給によって、まず、ルーフ側膨張部31cの圧力が速やかに高められるとともに膨張される。このルーフ側膨張部31cの膨張により、ルーフヘッドライニング23の車両後方部が下方へと押圧される。この押圧により、ルーフヘッドライニング23の車両後方部におけるルーフパネル22との係合が解除されるとともに、その車両後方部が全体的に下方へと変位する。そして、このルーフヘッドライニング23の車両後方部の変位によって、ルーフヘッドライニング23とインナーパネル24との間に開口が形成される。引き続き、インフレータ32からエアバッグ31の内部へガスが供給されると、図9に示すように、エアバッグ31は、その車室側膨張部31dがリヤウインドウガラス25aに沿って膨張展開する。
【0053】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(5)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(6)エアバッグ31を、そのルーフ側膨張部31cにおける取付片42よりも上辺部31e側の部分が展開された状態で、車両20のルーフパネル22とルーフヘッドライニング23との間の空間内に収容した。これにより、ルーフ側膨張部31cを、折り畳んだ状態からインフレータ32からのガスにより膨らませつつ、折り畳みを解除させていく必要がないため、膨張させる際の抵抗が小さくなり、ルーフ側膨張部31cが逸早く、均一に膨張展開される。このため、後突用エアバッグ装置30の作動時において、エアバッグ31の膨張展開初期におけるルーフ側膨張部31cを迅速かつスムーズに膨張させることができる。
【0054】
そして、エアバッグ31を、ルーフ側膨張部31cを折り畳んだ状態でルーフパネル22とルーフヘッドライニング23との間の空間内に収容する場合に比べ、そのルーフ側膨張部31cの膨張時の車両上下方向における変位量を低減することができる。また、ルーフ側膨張部31cを車両左右方向において局部的に膨張することを抑制することができる。これにより、ルーフ側膨張部31cの膨張時に、ルーフヘッドライニング23に対して車両下方向の押圧力が過剰に、また局部的に作用することを抑制することができる。このため、ルーフヘッドライニング23がエアバッグ31の膨張時に過剰に下方へと変位することを抑制することができる。この結果、車両20の最後部座席27上に、比較的高さのある荷物等が載置されている場合において、その荷物等にルーフヘッドライニング23の後方部分が干渉することを抑制することができる。
【0055】
また、エアバッグ31の膨張展開初期において、ルーフヘッドライニング23が、膨張したルーフ側膨張部31cによって車両左右方向の全体にわたって均一に押し下げられることになり、車室側膨張部31dが車室20a内に表出するための開口部が過不足なく形成される。このため、車室側膨張部31dの膨張展開もスムーズなものとなる。
【0056】
さらに、エアバッグ31のルーフ側膨張部31cを折り畳んでいないため、そのルーフ側膨張部31cを収容するために大きなスペースを必要としない。このため、ルーフパネル22とルーフヘッドライニング23との間の空間内において、ルーフ側膨張部31cと対応する部位のルーフパネル22とルーフヘッドライニング23との対向面間の距離を小さくすることができる。この結果、最後部座席27に着座する乗員の頭部とルーフヘッドライニング23との間の距離、すなわちヘッドクリアランスを確保し易くなる。
【0057】
(7)ルーフ側膨張部31cには、車両20に固定するための固定部44を設けている。これにより、ルーフ側膨張部31cを所定の位置で膨張させることができる。このため、ルーフ側膨張部31cの安定した展開状態が維持され、インフレータ32からのガスを、ルーフ側膨張部31cの全体に供給し易くなる。
【0058】
(8)固定部44を、ルーフ側膨張部31cの上辺部31e側の端部における車両左右方向の両端部にそれぞれ設けている。このため、ルーフ側膨張部31cの展開状態をさらに安定化させることができる。
【0059】
(9)固定部44は、固定ベルト44aを有する構成としている。これにより、固定ベルト44aの長さを、ルーフ側膨張部31cの大きさや形状、あるいは車両ボディの構造等に応じたものとすることが可能となる。これにより、エアバッグ31のルーフ側膨張部31cの大きさや形状、あるいは車両ボディの構造を変更することなく、固定ベルト44aを車両20のルーフボウ63に固定することができる。また、エアバッグ31のルーフ側膨張部31cの膨張形状等を、固定ベルト44aの長さの調節などにより調整することができ、後突用エアバッグ装置30の適用自由度を高めることができる。
【0060】
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変形してもよい。
・上記実施形態において、固定ベルト44aの先端部に、例えば、図10に示すような引掛け部47aを有する固定金具47を設ける構成としてもよい。そして、この固定金具47の引掛け部47aを、例えばルーフボウ63に設けられた貫通孔63a等に係合させることにより、ルーフ側膨張部31cを車両20に固定する構成としてもよい。
【0061】
また、クリップ64や固定金具47の他に、例えば、ボルトやナット、リベット、タッピングスクリュー、ウエルドナット、粘着テープ、接着剤などを用いる構成としてもよい。また、固定ベルト44aの先端部に金具を設け、その金具を車両20のルーフパネル22とルーフボウ63との間の隙間に係合させることにより、ルーフ側膨張部31cを車両20に固定する構成としてもよい。
【0062】
・上記実施形態において、固定ベルト44aが固定される部位は、ルーフボウ63でなくてもよい。
・上記実施形態では、帯状の固定ベルト44aによりエアバッグ31のルーフ側膨張部31cを車両20に固定する構成とした。これに対して、例えば紐等をルーフ側膨張部31cに接続して、その紐等により、ルーフ側膨張部31cを車両20に固定する構成としてもよい。
【0063】
・固定ベルト44aをなす繊維の材質は、基布40をなす繊維の材質と同一のものには限定されず、ルーフ側膨張部31cを展開状態を維持可能であれば、固定ベルト44aをなす繊維の材質は、任意である。
【0064】
・固定ベルト44aを、例えば、基布40における取付片42と上辺部31eとの間に接続する構成としてもよい。
・固定ベルト44aを、1つまたは3つ以上設ける構成としてもよい。なお、この固定ベルト44aを1つのみ設ける場合には、ルーフ側膨張部31cの展開状態を維持するために、例えば、硬質樹脂材料からなる棒状体などを、エアバッグ31の上辺部31eに沿って設けることが望ましい。
【0065】
・上記実施形態において、固定部44を省略してもよい。
・上記実施形態において、エアバッグ31を、平面状に広げたときに略四角形をなすように形成されたシート状の一対の基布から構成するようにしてもよい。この場合、エアバッグ31は、例えば、前記一対の基布を重ね合わせた状態で、それらの基布の外周縁を縫着することにより袋状に形成される。また、基布40の縫製態様は、図6に示したものには限定されず、例えば、エアバッグ31の大きさや形状等に応じて適宜に変更可能である。
【0066】
その他、前記各実施形態に共通した変更可能な要素としては、以下のようなものがある。
・図11に示すように、エアバッグ31のドア側展開部31aに対しリヤピラー29の内面を被覆するように展開されるリヤピラー側展開部31gを形成してもよい。このリヤピラー側展開部31gは、最初からほぼ同じ幅でルーフ21の後端部から下方に膨張展開するようにしてもよい。又、ドア側展開部31aが下方に膨張展開した後、このドア側展開部31aの左右両側部からリヤピラー側展開部31gがリヤピラー29を覆うように膨張展開するようにしてもよい。
【0067】
車両同士が例えば車両の幅方向に変位したオフセット状態で追突した場合にはシートベルトを着用していたとしても乗員は車室内の側部に接触する恐れがある。しかし、この別例では乗員の側部への移動をリヤピラー側展開部31gによって受け止め、その保護を図ることができる。
【0068】
・図12に示すように、エアバッグ31のドア側展開部31aに対し中央展開部31hを形成してもよい。この別例においては最後部座席27に着座している2人の乗員の間に中央展開部31hが進入するので、乗員間の相互衝突による衝撃を軽減することができる。この別例においてリヤピラー側展開部31gを省略してもよい。
【0069】
・上記各実施形態では、後突用エアバッグ装置30をルーフヘッドライニング23とインナーパネル24との間に収容するようにした。これに対して、後突用エアバッグ装置30を、例えばエアバッグ31の膨張展開時に開放可能なケース等に収容した状態でルーフヘッドライニング23上に取着してもよい。この場合にはルーフヘッドライニング23がルーフ側展開部31bによって被覆され、このルーフ側展開部31bにより衝撃の緩衝が図られる。
【0070】
・上記各実施形態では、車両20の後方側におけるルーフ21の端部にエアバッグ31を設けるようにしたが、これを、車両20のリヤドア25の上部に設けるようにしてもよい。又、この場合には、エアバッグ31の一部をリヤドア25の側方部分に収容するようにしてもよい。
【0071】
・上記各実施形態では、インフレータ32を車両20の後方側におけるルーフ21の端部に設けるようにしたが、エアバッグ31に、インフレータ32からのガスを確実に供給することができるのであれば、そのインフレータ32を設ける場所を任意に変更してもよい。
【0072】
・上記各実施形態では、エアバッグ31及びインフレータ32をそれぞれ1つずつ設けるようにしたが、車両後方に加えられた衝撃を好適に吸収できるのであれば、これらエアバッグ31及びインフレータ32の少なくとも一方を複数設けてもよい。
【0073】
・エアバッグ31を、車両20の後方側におけるルーフ21の端部から略重力方向に垂下されるように膨張展開させるようにしてもよい。
・前記センサ37に代えて、車両の衝突を予知するためのセンサを用いてもよい。
【0074】
・前記各実施形態では、本発明を1ボックスタイプまたは2ボックスタイプの車両20において具体化したが、本発明は3ボックスタイプの車両において具体化してもよい。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、座席の座り心地や利便性の悪化を招くことなく、車両後方に加えられた衝撃を吸収することができる。また、仮に、乗員が最後部座席の背もたれに沿って後側上方に移動したとしても、頭部の保護を図ることができる。
【0076】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、エアバッグの収容スペースを容易に確保でき、しかも、見栄えをよくすることもできる。
請求項4〜6のいずれか一項に記載の発明によれば、座席の座り心地や利便性の悪化を招くことなく、車両後方に加えられた衝撃を吸収することのできるとともに、乗員の左方向又は右方向への移動によるリヤピラーとの衝撃を緩和することができる。
【0077】
請求項7に記載の発明によれば、座席の座り心地や利便性の悪化を招くことなく、車両後方に加えられた衝撃を吸収することのできるとともに、乗員相互の衝突による衝撃を緩和することができる。
【0078】
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、エアバッグ装置の作動時にルーフ側膨張部を迅速かつスムーズに膨張させることができる。また、ルーフヘッドライニングがエアバッグの膨張時に過剰に下方へと変位することを抑制することができ、車両の最後列の座席上に、比較的高さのある荷物等が載置されている場合において、その荷物等にルーフヘッドライニングの後方部分が干渉することを抑制することができる。さらに、ヘッドクリアランスを確保し易くなる。
【0079】
請求項9〜11のいずれか一項に記載の発明では、請求項8に記載の発明の効果に加えて、ルーフ側膨張部を、展開状態の安定化を図ることができ、ガスをルーフ側膨張部の全体に供給し易くなる。
【0080】
請求項12に記載の発明では、請求項9〜11のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、ルーフ側膨張部の大きさや形状、あるいは車両ボディの構造を変更することなく固定部を車両に固定することができる。また、本発明のエアバッグ装置の適用自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態が適用される車両の後方部分の要部の拡大断面図。
【図2】エアバッグが膨張展開した状態を示す要部の拡大断面図。
【図3】車両の後方部分の側面図。
【図4】同車両の背面図。
【図5】エアバッグ及びインフレータの平面図。
【図6】第2実施形態にかかるエアバッグの正面図。
【図7】膨張展開する前のエアバッグを示す車両の後方部分の拡大断面図。
【図8】膨張展開初期のエアバッグを示す車両の後方部分の拡大断面図。
【図9】膨張展開終期のエアバッグを示す車両の後方部分の拡大断面図。
【図10】この発明の別例を示す固定部の部分断面図。
【図11】この発明の別例を示す車両の後部略体平断面図。
【図12】この発明の別例を示す車両の後部略体平断面図。
【符号の説明】
20…車両、20a…車室、21…ルーフ、22…ルーフパネル、23…ルーフヘッドライニング、24…インナーパネル、24a…リヤルーフレール、27…最後部座席、29…リヤピラー、31…エアバッグ、31c…ルーフ側膨張部、31d…車室側膨張部、37…センサ、44…固定部、44a…ベルトとしての固定ベルト。
Claims (12)
- 車両に後方から加えられた衝撃を検知するセンサ又は車両の後方からの衝突を予知するセンサと、折り畳まれた状態で車両上部の後端部に収容されるものであって前記センサにより所定以上の衝撃が検知されるか衝突が予知されたときに複数列の座席のうち最後部座席の後方に膨張展開するエアバッグとを備えるエアバッグ装置において、
当該車両は、前記車両上部の後端部に設けられる中空状のものであって、前記車両上部の最も後端から最後部座席の上方までにわたる車両前後方向に延びて所定の長さを有するリヤルーフレールを備え、
前記エアバッグは、前記車両上部の後端部における前記リヤルーフレールの車両前方側の端部付近に収容されるものであって、前記リヤルーフレールの車室内側の面を覆う態様で車両後方へ向けて膨張展開した後に車両上部から最後部座席の後方に向けて膨張展開するものである
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1に記載のエアバッグ装置において、
前記エアバッグは、前記車両のルーフパネルとその内面を覆うように設けられるルーフヘッドライニングとの間に収容され、その膨張展開時にルーフパネルからルーフヘッドライニングを浮上させるように構成されている
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1または2に記載のエアバッグ装置において、
前記リヤルーフレールは、前記車両のルーフパネルとインナーパネルとにより構成される中空状のものであり、前記インナーパネルの車室内側の面により当該リヤルーフレールの車室内側の面が形成される
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 車両に後方から加えられた衝撃を検知するセンサ又は車両の後方からの衝突を予知するセンサと、折り畳まれた状態で車両上部の後端部に収容されるものであって前記センサにより所定以上の衝撃が検知されるか衝突が予知されたときに複数列の座席のうち最後部座席の後方に膨張展開するエアバッグとを備えるエアバッグ装置において、
前記エアバッグは、前記最後部座席の後方に膨張展開する座席後方展開部と、この座席後方展開部の車幅方向の両端部に設けられてリヤピラーの車室内側の面全体を覆うピラー側展開部とを含む
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項4に記載のエアバッグ装置において、
前記エアバッグは、ほぼ同じ幅で下方に膨張展開されるものである
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項4に記載のエアバッグ装置において、
前記エアバッグは、下方に膨張展開された後、左右両側方に膨張展開されるものである
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 車両に後方から加えられた衝撃を検知するセンサ又は車両の後方からの衝突を予知するセンサと、折り畳まれた状態で収容されるものであって前記センサにより所定以上の衝撃が検知されるか衝突が予知されたときに複数列の座席のうち最後部座席の後方に膨張展開するエアバッグとを備えるエアバッグ装置において、
前記エアバッグは、前記車両の後端部の上部に収容されて下方に膨張展開するとともに、左右一対の後部座席に着座した乗員の間に膨張展開されるものである
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載のエアバッグ装置において、
前記エアバッグは、前記車両のルーフパネルと、その内面を覆うように設けられるルーフヘッドライニングとの間の空間内に膨張するルーフ側膨張部と、前記車両の車室内に表出しながら膨張する車室側膨張部とを有するものであり、前記エアバッグを前記ルーフ側膨張部の少なくとも一部が展開された状態で前記空間内に収容した
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項8に記載のエアバッグ装置において、
前記ルーフ側膨張部は、前記車両に固定される固定部を有する
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項9に記載のエアバッグ装置において、
前記固定部を前記ルーフ側膨張部の端部に設けた
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項9または10に記載のエアバッグ装置において、
前記固定部を複数設けた
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項9〜11のいずれか一項に記載のエアバッグ装置において、
前記固定部はベルトを有する
ことを特徴とするエアバッグ装置。
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