JP6712671B2 - 分解型作業機械 - Google Patents
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Description
本発明は、運転室ユニットを含む複数のユニットに分解することができる分解型作業機械に関する。
油圧ショベル等の作業機械の中には、例えば山岳地の送電線用鉄塔工事現場で使用するために、複数のユニットに分解してヘリコプターや索道クレーンで小分けにして輸送できる分解型のものがある(特許文献1等参照)。この種の分解型作業機械はトレーラが立ち入れない現場にも輸送できるため、災害復旧作業用の重機としても近年注目されている。
例えば油圧ショベルやクレーン等のように走行体上に旋回体を旋回可能に連結した作業機械をヘリコプター等で輸送する場合、例えば作業機、走行体、旋回体等に分解することが考えられる。旋回体については、ヘリコプター等の搬送手段の許容積載荷重に収まらない場合、更に運転室の外装が取り外される場合もある。
ただ、電装部品を始めとして環境問題対策や高機能化に伴って組み込まれる機器が増えてきており、作業機械の重量は増加傾向にあり構造も複雑化してきている。そのため、現在では単に運転室の外装を取り外すだけでは旋回体ユニットの重量がヘリコプター等の許容積載荷重に収まらない場合がある。しかも電気配線や構造の複雑化により運転室の外装を取り外す作業も容易ではなくなってきている。また、運転室の外装を取り外してしまうと電装部品がむき出しになるためビニールシート等で養生しなければならない。
そこで、旋回体については運転席等を含む運転室ユニットと旋回フレームを含むフレームユニットに更に分解できるようにすることが考えられる。この場合、旋回フレーム上に運転室ユニットを載せて固定するに当たり、運転室ユニットのベースフレームと旋回フレームを単純に上下に重ねると、運転室が嵩上げされて非分解型の作業機械に比べて機体全高が高くなる。
ここで、ヘリコプター等の特殊な搬送手段でしか搬出入できない現場での稼働予定がない場合は、分解型作業機械も陸路等で繋がった一般的な現場に配備される場合がある。しかし、作業機械は膨大な点数の部品を緻密なレイアウトで組み上げて構成され、それでいて機能や出力、機体寸法に対する要求から、非分解型でも一般道路の輸送制限高さを最大限に利用した設計になっている。そのため、非分解型の作業機械と同程度の仕様を確保しつつ、分解型にするに当たって運転室ユニットを旋回フレームに載せる構成を採用して機体全高が高くなってしまうと、輸送制限高さに収まらなくなってしまう。この場合、分解型作業機械を陸路で輸送する際にも分解しなければならなくなってしまう。
本発明の目的は、非分解型の通常の作業機械と同じようにトレーラ等で輸送することができる分解型作業機械を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、走行体、前記走行体の上部に旋回可能に設けた旋回体、及び前記旋回体に連結した作業機を備えると共に、前記走行体、前記旋回体及び前記作業機に分解可能に構成され、かつ前記旋回体が、旋回フレームを含むフレームユニット及び運転席を含む運転室ユニットに分解可能であると共に、原動機、前記原動機で駆動される油圧ポンプ、前記油圧ポンプから対応する油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御するコントロールバルブ、及び前記コントロールバルブを制御する油圧操作式の操作装置を備えた分解型作業機械において、前記旋回フレームは、作業機取り付け部と運転室取り付け部を有し、前記運転室取り付け部は、前記作業機取り付け部に支持されて左右方向の一方側に延びる第1フレームと、前記第1フレームに支持されて前方に延びる第2フレームと、左右に延びた姿勢で前記第2フレームに支持された第3フレームと、前記第1フレーム及び前記第3フレームの間を覆う底板とを有し、前記第1フレーム、前記第2フレーム及び前記第3フレームで囲われた有底状で上部が開放された凹部を有しており、前記運転室ユニットのベースフレームは、中空の箱型に形成されており、前記第1フレーム及び前記第3フレームでそれぞれ支持される前後の座部と、前記前後の座部の間に位置し前記座部よりも下側に突出して前記運転室取り付け部の凹部に入り込んだ凸部とを有しており、前記運転室ユニットのベースフレームには、前記操作装置に接続する油圧管路が配管され、前記油圧管路の端部に設けた一方の継手が前記凸部に収容されており、前記一方の継手に接続する他方の継手から延びる油圧配管が、前記運転室取り付け部の凹部及び前記第1フレームの内部を通って前記コントロールバルブに接続しており、前記凸部の側面には、前記一方の継手に臨む側部開口と、前記側部開口を開閉する蓋が設けられていることを特徴とする。
また本発明は、走行体、前記走行体の上部に旋回可能に設けた旋回体、及び前記旋回体に連結した作業機を備えると共に、前記走行体、前記旋回体及び前記作業機に分解可能に構成され、かつ前記旋回体が、旋回フレームを含むフレームユニット及び運転席を含む運転室ユニットに分解可能であると共に、原動機、前記原動機で駆動される油圧ポンプ、前記油圧ポンプから対応する油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御するコントロールバルブ、及び前記コントロールバルブを制御する油圧操作式の操作装置を備えた分解型作業機械において、前記旋回フレームは、作業機取り付け部と運転室取り付け部を有し、前記運転室取り付け部は、前記作業機取り付け部に支持されて左右方向の一方側に延びる第1フレームと、前記第1フレームに支持されて前方に延びる第2フレームと、左右に延びた姿勢で前記第2フレームに支持された第3フレームと、前記第1フレーム及び前記第3フレームの間を覆う底板とを有し、前記第1フレーム、前記第2フレーム及び前記第3フレームで囲われた有底状で上部が開放された凹部を有しており、前記運転室ユニットのベースフレームは、中空の箱型に形成されており、前記第1フレーム及び前記第3フレームでそれぞれ支持される前後の座部と、前記前後の座部の間に位置し前記座部よりも下側に突出して前記運転室取り付け部の凹部に入り込んだ凸部とを有しており、前記運転室ユニットのベースフレームには、前記操作装置に接続する油圧管路が配管され、前記油圧管路の端部に設けた一方の継手が前記凸部に収容されており、前記一方の継手に接続する他方の継手から延びる油圧配管が、前記運転室取り付け部の凹部及び前記第1フレームの内部を通って前記コントロールバルブに接続しており、前記運転室ユニットのベースフレームの凸部には、前記操作装置と前記コントロールバルブの接続関係を切り換える操作方式切換弁が収容されていることを特徴とする。
また本発明は、走行体、前記走行体の上部に旋回可能に設けた旋回体、及び前記旋回体に連結した作業機を備えると共に、前記走行体、前記旋回体及び前記作業機に分解可能に構成され、かつ前記旋回体が、旋回フレームを含むフレームユニット及び運転席を含む運転室ユニットに分解可能であると共に、原動機、前記原動機で駆動される油圧ポンプ、前記油圧ポンプから対応する油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御するコントロールバルブ、及び前記コントロールバルブを制御する油圧操作式の操作装置を備えた分解型作業機械において、前記旋回フレームは、作業機取り付け部と運転室取り付け部を有し、前記運転室取り付け部は、前記作業機取り付け部に支持されて左右方向の一方側に延びる第1フレームと、前記第1フレームに支持されて前方に延びる第2フレームと、左右に延びた姿勢で前記第2フレームに支持された第3フレームと、前記第1フレーム及び前記第3フレームの間を覆う底板とを有し、前記第1フレーム、前記第2フレーム及び前記第3フレームで囲われた有底状で上部が開放された凹部を有しており、前記運転室ユニットのベースフレームは、中空の箱型に形成されており、前記第1フレーム及び前記第3フレームでそれぞれ支持される前後の座部と、前記前後の座部の間に位置し前記座部よりも下側に突出して前記運転室取り付け部の凹部に入り込んだ凸部とを有しており、前記運転室ユニットのベースフレームには、前記操作装置に接続する油圧管路が配管され、前記油圧管路の端部に設けた一方の継手が前記凸部に収容されており、前記一方の継手に接続する他方の継手から延びる油圧配管が、前記運転室取り付け部の凹部及び前記第1フレームの内部を通って前記コントロールバルブに接続しており、前記第2フレームの下側から左右方向の一方側に延びて前記凹部の前後方向の中間部を左右に渡る補強材を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、分解型作業機械にあって非分解型の通常の作業機械と同じようにトレーラ等で輸送することができる。
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
(構成)
1.分解型作業機械
図1は本実施形態の分解型作業機械の外観を表す側面図である。以降、運転席に座ったオペレータの前側(同図中左側)、後側(同図中右側)、左側(同図中の紙面直交方向手前側)、右側(同図中の紙面直交方向奥側)を分解型作業機械の前、後、左、右とし、それぞれ単に前側、後側、左側、右側と記載する。
1.分解型作業機械
図1は本実施形態の分解型作業機械の外観を表す側面図である。以降、運転席に座ったオペレータの前側(同図中左側)、後側(同図中右側)、左側(同図中の紙面直交方向手前側)、右側(同図中の紙面直交方向奥側)を分解型作業機械の前、後、左、右とし、それぞれ単に前側、後側、左側、右側と記載する。
図1に示した分解型作業機械は、分解してヘリコプターや索道クレーン等で輸送するために複数のユニットへの分解作業がし易いように考慮された構成である点で非分解型の作業機械と異なり、その他の点については非分解型の作業機械と同様である。本実施形態では作業機のアタッチメントとしてバケットを装着した油圧ショベルを作業機械の例として説明する。但し、バケット以外のアタッチメントを備える油圧ショベル、クレーン等の他種の作業機械であっても、走行体に対して旋回可能に設けた旋回体に運転室が設けられた作業機械であれば本発明は適用可能である。
作業機械は、作業機械本体10及びこの作業機械本体10に取り付けた作業機(フロント作業機)20を備えている。作業機械本体10は、走行体11及び旋回体12を備えている。作業機械は、ヘリコプターや索道クレーン等の輸送手段で輸送できるように、走行体11、旋回体12及び作業機20等の複数のユニットに分解可能に構成されている。
走行体11は作業機械の基部構造体をなすものであり、左右の履帯を備えたクローラ式の走行体である。左右の履帯はそれぞれ個別の走行モータ(例えば油圧モータ)により駆動される。
旋回体12は、走行体11上に旋回輪13を介して旋回可能に設けられており、旋回輪13を旋回モータ32(図3等)で駆動することによって鉛直に延びる旋回中心を支点に走行体11に対して旋回する。旋回体12は前部左側に運転室(キャブ)14、前部右側に作動油タンク(不図示)等を備えている。運転室14内には、オペレータが座る運転席61(図14等)、及びオペレータが操作する油圧操作式の操作装置62,63(図14等)が配置されている。旋回モータ32は例えば油圧モータであるが、電動モータを用いても良い。旋回体12の後部には建屋カバー15が設けられている。建屋カバー15は、図示していないが、原動機、油圧ポンプ、コントロールバルブ33(図3等)、パイロットポンプ、ラジエータ等を覆っている。原動機は、例えばエンジン(内燃機関)であるが電動機を用いることもできる。原動機で油圧ポンプが駆動されると、油圧アクチュエータを駆動する圧油が油圧ポンプから吐出される。コントロールバルブ33はパイロットポンプから吐出される作動油を元圧として操作量に応じて操作装置62,63等から出力される油圧信号によって駆動され、油圧ポンプから対応する油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御する。これによりブームシリンダ25等の油圧アクチュエータの動作が制御される。
作業機20は、作業腕21と油圧アクチュエータ付きの作業具22を備えている。本実施形態における作業腕21は、ブーム23、アーム24、ブームシリンダ25、アームシリンダ26、及び作業具シリンダ27を含む多関節型の作業装置である。ブーム23は旋回体12のベースフレームである旋回フレーム31の前部(運転室14と作動油タンク等の間)に左右に延びる軸を介して回動可能に連結されている。アーム24はブーム23の先端に左右に延びる軸を介して回動可能に連結されている。作業具22はアーム24の先端に左右に延びる軸を介して回動可能に連結されている。ブームシリンダ25は旋回体12及びブーム23に、アームシリンダ26はブーム23及びアーム24に、それぞれ両端が連結されている。作業具シリンダ27は、アーム24の基部側に基端が連結される一方、リンクを介して作業具22に先端が連結されている。ブームシリンダ25、アームシリンダ26及び作業具シリンダ27はいずれも油圧シリンダである。
2.旋回体
図2−図5は本実施形態に係る分解型作業機械を構成する旋回体の要部の外観構造を表す図であり、図2は側面図、図3は平面図、図4は前面図、図5は斜視図である。これらの図においては、作業機20及び運転室14の建屋カバー15や作動油タンク等、及び旋回フレーム31におけるそれら建屋カバー等を支持する後側及び右側の部分を取り付けていない状態を図示している。図2−図5に示した旋回体12は、旋回フレーム31を含むフレームユニット30及び運転席61を含む運転室ユニット60に分解可能な構成である。本願明細書にいう分解可能な構成とは、単に分解することができる構成ではなく、フレームユニット30と運転室ユニット60の連結及び切り離しの際にケーブル類の脱着がし易く電装部品の養生の必要性が低いように配慮された構成である。次にフレームユニット30及び運転室ユニット60の構成について説明する。
図2−図5は本実施形態に係る分解型作業機械を構成する旋回体の要部の外観構造を表す図であり、図2は側面図、図3は平面図、図4は前面図、図5は斜視図である。これらの図においては、作業機20及び運転室14の建屋カバー15や作動油タンク等、及び旋回フレーム31におけるそれら建屋カバー等を支持する後側及び右側の部分を取り付けていない状態を図示している。図2−図5に示した旋回体12は、旋回フレーム31を含むフレームユニット30及び運転席61を含む運転室ユニット60に分解可能な構成である。本願明細書にいう分解可能な構成とは、単に分解することができる構成ではなく、フレームユニット30と運転室ユニット60の連結及び切り離しの際にケーブル類の脱着がし易く電装部品の養生の必要性が低いように配慮された構成である。次にフレームユニット30及び運転室ユニット60の構成について説明する。
2−1.フレームユニット
図6−図9はフレームユニットの要部の外観構造を表す図であり、図6は側面図、図7は平面図、図8は前面図、図9は斜視図である。フレームユニット30は、旋回フレーム31、旋回モータ32、コントロールバルブ33、複数の油圧管路34(図7、図19にのみ図示)等を含んでいる。
図6−図9はフレームユニットの要部の外観構造を表す図であり、図6は側面図、図7は平面図、図8は前面図、図9は斜視図である。フレームユニット30は、旋回フレーム31、旋回モータ32、コントロールバルブ33、複数の油圧管路34(図7、図19にのみ図示)等を含んでいる。
旋回フレーム31は旋回体12のベースフレームであり、水平方向に複数のパーツに分割された構造である。本実施形態の場合、センターフレーム35、左側のサイドフレーム36の他、右側のサイドフレーム(不図示)及びリアフレーム37(図1)を備えている。
・センターフレーム
センターフレーム35は、前述した旋回輪13(図1)を介して走行体11のトラックフレームの上部に設けられており、旋回中心Cを中心にして走行体11に対して旋回可能である。センターフレーム35は旋回輪13を取り外すことで走行体11から取り外すことができる。特に図示していないが、旋回輪13の内側にはスイベルジョイント(不図示)が配置されており、旋回体12に這い回した油圧管路等のケーブルと走行体11に這い回したケーブルとがスイベルジョイントで接続される。センターフレーム35には、旋回輪13の付近に上記旋回モータ32が搭載されていて、旋回モータ32の出力軸が旋回輪13に設けた歯車と噛み合うことで、走行体11に対して旋回体12が旋回する。
センターフレーム35は、前述した旋回輪13(図1)を介して走行体11のトラックフレームの上部に設けられており、旋回中心Cを中心にして走行体11に対して旋回可能である。センターフレーム35は旋回輪13を取り外すことで走行体11から取り外すことができる。特に図示していないが、旋回輪13の内側にはスイベルジョイント(不図示)が配置されており、旋回体12に這い回した油圧管路等のケーブルと走行体11に這い回したケーブルとがスイベルジョイントで接続される。センターフレーム35には、旋回輪13の付近に上記旋回モータ32が搭載されていて、旋回モータ32の出力軸が旋回輪13に設けた歯車と噛み合うことで、走行体11に対して旋回体12が旋回する。
センターフレーム35における旋回中心Cの前側には、作業機20のブーム23及びブームシリンダ25の基部を連結するブラケット38が設けられている。ブーム23及びブームシリンダ25は左右に延びる軸を介してブラケット38に連結される。このブラケット38を有するセンターフレーム35は、旋回フレーム31における作業機取り付け部を構成する。センターフレーム35における旋回中心Cの後側には、上記コントロールバルブ33が設けられている。
センターフレーム35の後端部にはリアフレーム37の取り付け部39、右端部には右側のサイドフレーム(不図示)の取り付け部40が設けられている。取り付け部39,40の構成は特別限定されないが、図示したように、センターフレーム35の上面に設けた上向きのピン41を含む構造を例示することができる。この構造の場合、例えばリアフレーム37やサイドフレームの穴(不図示)をピン41に掛けて位置決めをした状態で、センターフレーム35に対してリアフレーム37やサイドフレームをボルト等で締結する。これによりセンターフレーム35、リアフレーム37及び右側のサイドフレームが一体となる。なお、本実施形態では、センターフレーム35、リアフレーム37及び右側のサイドフレームを分割できる構造としたが、これらは溶接等で一体に構成されたものとしても良い。
・サイドフレーム
左側のサイドフレーム36は旋回フレーム31における運転室14を取り付ける運転室取り付け部であり、第1フレーム42,43、第2フレーム44,45、第3フレーム46、底板47を備えている。第1フレーム42,43、第3フレーム46が横根太、第2フレーム44,45が縦根太を構成する。
左側のサイドフレーム36は旋回フレーム31における運転室14を取り付ける運転室取り付け部であり、第1フレーム42,43、第2フレーム44,45、第3フレーム46、底板47を備えている。第1フレーム42,43、第3フレーム46が横根太、第2フレーム44,45が縦根太を構成する。
第1フレーム42,43はセンターフレーム35に支持されて左側に延びる。第1フレーム42はサイドフレーム36の後部(本例では後端部)に位置し、前後位置がコントロールバルブ33に一部重なっている。第1フレーム43はサイドフレーム36の前後方向の中間部に位置している。また、サイドフレーム36の後部に配置された第1フレーム42がサイドフレーム36の左右方向の全幅に延在しているのに対し、サイドフレーム36の中央部に配置された第1フレーム43は第1フレーム42よりも短い。第1フレーム43の先端(本例では左端)はサイドフレーム36の幅方向の中間部に位置している。
第1フレーム42,43は樋状の鋼材でなり、上下反転させた(断面で見て開口を下側に向けた)姿勢で基端側の端面(本例では右側の端面)がセンターフレーム35の側部壁面(本例では左側壁面)に溶接により強固に固定されている。即ち第1フレーム42,43は中空のフレームである。第1フレーム42,43は下面が底板47で塞がれるので、結果として筒状を構成する。言い換えれば、サイドフレーム36における第1フレーム42,43の部分は、底板47を下階、第1フレーム42,43の上面を上階とした二床構造になっている。但し、前側の第1フレーム43については中実にしても良い。
また、図9等に示したように、後側の第1フレーム42の上面におけるセンターフレーム35及びコントロールバルブ33に近い右側の部分には開口48が、前面の左側の部分には開口49が設けられている。更に、第1フレーム42の上面には、有底状で上向きに開口したピン穴50(図9等)が設けられている。ピン穴50はテーパ穴であり、少なくとも1つ(本例では第1フレーム42の左右に各1つ)設けられている。
第2フレーム44,45は、第1フレーム42,43に支持されて前方に延びている。左側の第2フレーム44はサイドフレーム36の左右方向の中間部に位置し、右側の第2フレーム45はサイドフレーム36の右側の部分(本例では右端部)に位置している。第1フレーム42,43と同様、第2フレーム44,45も上下反転させた樋状の鋼材でなるが、中実構造としても良い。サイドフレーム36の中央部分を前後に延びる第2フレーム44は、基端側の端面(後端面)が後側の第1フレーム42の前面に溶接により強固に固定され、右側の側面に第1フレーム43の先端面(左側の端面)が溶接等により連結している。サイドフレーム36の右側部分を前後に延びる第2フレーム45は、基端側の端面(後端面)が前側の第1フレーム43の前面に溶接により強固に固定されている。
第3フレーム46は、左右に延びた姿勢で第2フレーム44,45に支持されている。第3フレーム46はサイドフレーム36の前部(本例では前端部)にあり、センターフレーム35の前部よりも前方に位置している。また、第3フレーム46は第1フレーム42と同様にサイドフレーム36の左右方向の全幅に延在している。第1フレーム42等と同様、第3フレーム46も上下反転させた樋状の鋼材でなる中空の部材であるが、中実の部材としても良い。第3フレーム46の後面には第2フレーム44,45の先端面(本例では前側の端面)が溶接により強固に連結している。また、図9等に示したように、第3フレーム46の上面には、上向きに延びるピン51(図9等)が設けられている。ピン51はテーパピンであり、少なくとも1つ(本例では第3フレーム46の左右に各1つ)設けられている。
上記第1フレーム42,43、第2フレーム44及び第3フレーム46の下部はカバー55(図9等)でカバーされている。このカバー55は、第1フレーム42,43、第2フレーム44及び第3フレーム46に沿って形成された部分の他、図示したように第2フレーム44の下側から左側に延び凹部52の前後方向の中間部を左右に渡る部分が強度調整部材55aとして設けてある。
底板47はサイドフレーム36の下部構造物をなす板状の部材であり、サイドフレーム36の全体をカバーしている。この底板47は、第1フレーム42,43、第2フレーム44,45及び第3フレーム46(厳密にはカバー55)の下部に固定されている。従って、第1フレーム42及び第3フレーム46の間の空間の下部は底板47で覆われており、サイドフレーム36の左側の部分には、第1フレーム42、第2フレーム44及び第3フレーム46で囲われた有底状で上部が開放された凹部52が形成されている。また、サイドフレーム36の右側の後部には、センターフレーム35、第1フレーム42,43及び第2フレームで囲われた有底状で上部が開放された凹部53が形成されている。サイドフレーム36の右側の前部には、第1フレーム43、第2フレーム44及び第3フレーム46で囲われた有底状で上部が開放された凹部54が形成されている。サイドフレーム36の前側及び後側にそれぞれ位置する右側の凹部53,54に比べ、サイドフレーム36の第1フレーム42から第3フレーム46に掛けて存在する左側の凹部52は水平方向に広い面積が確保されている。前述した強度調整部材55aは凹部52の水平方向の面積に応じて必要な場合に設けられ、底板47における凹部52の床板部分の強度を適宜調整する役割を果たしている。
第1フレーム42の前面に設けた上記開口49は、凹部52の後部に臨んでいる。そして、運転室ユニット60がフレームユニット30に組み付けられていない状態では、複数の継手56(図7等)が凹部52に収容されている。継手56はホースや鋼製のパイプ等で適宜構成された上記複数の油圧管路34の端部にそれぞれ取り付けられている。継手56から延びる油圧管路34は、開口49を介して第1フレーム42の内部に導かれ、第1フレーム42の内部を通り開口48を介して第1フレーム42の外に取り出され、コントロールバルブ33に接続されている。
2−2.運転室ユニット
図10−図12は運転室ユニットの要部の外観構造を表す図であり、図10は側面図、図11は前面図、図12は斜視図である。運転室ユニット60は旋回フレーム31のサイドフレーム36の上部に支持され、旋回フレーム31の旋回中心Cの左右方向の一方側(本例では旋回中心Cよりも左側)に位置している。但し、運転室ユニット60の配置は機体の右側であっても構わない。運転室ユニット60は、運転室14及びベースフレーム(キャブベッド)64を備えている。
図10−図12は運転室ユニットの要部の外観構造を表す図であり、図10は側面図、図11は前面図、図12は斜視図である。運転室ユニット60は旋回フレーム31のサイドフレーム36の上部に支持され、旋回フレーム31の旋回中心Cの左右方向の一方側(本例では旋回中心Cよりも左側)に位置している。但し、運転室ユニット60の配置は機体の右側であっても構わない。運転室ユニット60は、運転室14及びベースフレーム(キャブベッド)64を備えている。
・運転室
図13は運転室の内部構造物を抜き出して表した側面図、図14はその平面図である。図13及び図14に示したように、運転室14は、ボディ65(図10等)、運転席61、操作装置62,63、コンソールボックス66、ゲートロックレバー67等を備えている。ボディ65は運転席61を包囲する運転室14の外殻であり、ベースフレーム64に固定されている。本実施形態ではボディ65の左側壁に開閉扉65aが設けられており、オペレータは開閉扉65aを介して運転室14に対して乗降する。運転席61はオペレータが座る座席であり、床板68上に固定されている。床板68はベースフレーム64上に固定される。操作装置62は前後左右に傾斜操作する油圧パイロット操作式で十字操作式のレバー装置であり、運転席61の左右に配置されている。左右の操作装置62によって作業機20及び旋回体12の動作が指示される。操作装置63は前後に傾斜操作するパイロット操作式のレバー装置であり、運転席61の前側に左右に並べて配置されている。これら操作装置63は走行操作用である。
図13は運転室の内部構造物を抜き出して表した側面図、図14はその平面図である。図13及び図14に示したように、運転室14は、ボディ65(図10等)、運転席61、操作装置62,63、コンソールボックス66、ゲートロックレバー67等を備えている。ボディ65は運転席61を包囲する運転室14の外殻であり、ベースフレーム64に固定されている。本実施形態ではボディ65の左側壁に開閉扉65aが設けられており、オペレータは開閉扉65aを介して運転室14に対して乗降する。運転席61はオペレータが座る座席であり、床板68上に固定されている。床板68はベースフレーム64上に固定される。操作装置62は前後左右に傾斜操作する油圧パイロット操作式で十字操作式のレバー装置であり、運転席61の左右に配置されている。左右の操作装置62によって作業機20及び旋回体12の動作が指示される。操作装置63は前後に傾斜操作するパイロット操作式のレバー装置であり、運転席61の前側に左右に並べて配置されている。これら操作装置63は走行操作用である。
その他、コンソールボックス66は、それぞれ運転席61の左右でアームレストの下側に配置されている。これらコンソールボックス66には、作動油温や燃料の残量等のインジケータ、作業モード及びエンジンの目標回転数の設定を行うスイッチ類、エアコンユニット、ラジオ等が適宜備えられている。ゲートロックレバー67は、寝かせた倒伏姿勢で操作者の降車を妨げるように運転席61の乗降側(本例では左側)に設置されたバーであり、ゲートロックレバー67を引き上げて運転席61に対する乗降部を開放しなければ降車できないようになっている。ゲートロックレバー67のポジションとして、寝かせた倒伏姿勢を操作系の「ロック解除位置」、引き上げた起立姿勢を操作系の「ロック位置」と記載する。
・ベースフレーム
図15はベースフレームの側面図、図16はその平面図、図17はフレームユニットにベースフレームを載せた状態を表す平面図、図18は図17中のA矢視断面図である。また、図19はフレームユニットにベースフレームを載せた状態を油圧管路を合わせて表した側面図である。図15−図19に示したように、ベースフレーム64は中空の箱型に形成されており、前後の座部71,72と凸部73を備えている。座部71,72は、ベースフレーム64のうちフレームユニット30の第1フレーム42、第3フレーム46でそれぞれ支持される部分である。座部71,72はベースフレーム64の左右方向の全幅に延在している。また、図15等に示したように、後側の座部71の下面には、下向きに延びるピン74が設けられている。ピン74はテーパピンであり、少なくとも1つ(本例ではサイドフレーム36のピン穴50に対応する位置に各1つ)設けられている。また、前側の座部72の下面には、有底状で下向きに開口したピン穴75(図16)が設けられている。ピン穴75はテーパ穴であり、少なくとも1つ(本例ではサイドフレーム36のピン51に対応する位置に各1つ)設けられている。運転室ユニット60のベースフレーム64及びフレームユニット30のピンが対応するピン穴に挿し込まれてボルト等で固定され、フレームユニット30に対して運転室ユニット60が精度良く位置決めされる。
図15はベースフレームの側面図、図16はその平面図、図17はフレームユニットにベースフレームを載せた状態を表す平面図、図18は図17中のA矢視断面図である。また、図19はフレームユニットにベースフレームを載せた状態を油圧管路を合わせて表した側面図である。図15−図19に示したように、ベースフレーム64は中空の箱型に形成されており、前後の座部71,72と凸部73を備えている。座部71,72は、ベースフレーム64のうちフレームユニット30の第1フレーム42、第3フレーム46でそれぞれ支持される部分である。座部71,72はベースフレーム64の左右方向の全幅に延在している。また、図15等に示したように、後側の座部71の下面には、下向きに延びるピン74が設けられている。ピン74はテーパピンであり、少なくとも1つ(本例ではサイドフレーム36のピン穴50に対応する位置に各1つ)設けられている。また、前側の座部72の下面には、有底状で下向きに開口したピン穴75(図16)が設けられている。ピン穴75はテーパ穴であり、少なくとも1つ(本例ではサイドフレーム36のピン51に対応する位置に各1つ)設けられている。運転室ユニット60のベースフレーム64及びフレームユニット30のピンが対応するピン穴に挿し込まれてボルト等で固定され、フレームユニット30に対して運転室ユニット60が精度良く位置決めされる。
ベースフレーム64の凸部73は、ベースフレーム64のうち左側で前後の座部71,72の間に位置し、座部71,72よりも下側に突出してサイドフレーム36の凹部52に入り込む部分である。そのため、ベースフレーム64の外観は、前後から見ると矩形状、左右から見るとアルファベットのTを上下反転させたような形状をしている。前後方向及び左右方向の長さで比較して、凸部73は凹部52と同程度か僅かに小さい程度である。また、座部71,72に対する凸部73の突出量(座部71,72の下面から凸部73の下面までの距離)は、凹部52の深さ(第1フレーム42及び第3フレーム46の上面から底板47の上面までの距離)よりも短く設定されている。これにより、ベースフレーム64の凸部73の下面と旋回フレーム31のサイドフレーム36の凹部52の上面との間に、サイドフレーム36側の油圧管路34を配管する一定の厚みの薄い直方体状の空間76(図18)が確保されている。
ベースフレーム64の内部には、ロックバルブ70、走行バルブ69、アタッチメントバルブ77、継手78等が収容されている。
ロックバルブ70はパイロットポンプから操作装置62,63等への作動油の供給経路を開閉するバルブであり、運転室14内のゲートロックレバー67により操作され、ゲートロックレバー67がロック位置にあれば閉じ、ロック解除位置にあれば開く。ロックバルブ70が閉じると操作装置62,63等への作動油が遮断され、作業機20等の動作が禁止される。ロックバルブ70は運転席61の下方近辺に配置されている。走行バルブ69は操作装置63の油圧信号の出力装置であり、パイロットポンプからの作動油を元圧にして操作装置63の操作量に応じた油圧信号を出力する。走行バルブ69は座部72における操作装置63の下方、つまりベースフレーム64の前部に配置されている。アタッチメントバルブ77は油圧アクチュエータを持つアタッチメントを作業腕21に装着した場合に、パイロットポンプからの作動油を元圧にして対応する操作装置(例えば図14で操作装置63の右側に図示したペダル)の操作量に応じた油圧信号を出力する。本実施形態においては、アタッチメントバルブ77は座部72における走行バルブ69の右側に配置されている。
継手78はホースや鋼製のパイプ等で適宜構成された複数の油圧管路79の端部にそれぞれ設けられたもので、凸部73の前部に集約して配置され収容されている。複数の油圧管路79は操作装置62,63等の運転室ユニット60に搭載された油圧操作系にそれぞれ接続しており、ベースフレーム64内を適宜配管されている。操作装置62に対しては、ベースフレーム64の天板(又は図16の床板68)に設けた孔80(図16)を介して運転室14内に取り回されている。このとき、凸部73の底部には底部開口81が設けられている。継手78はブラケット82を介して凸部73の底面に固定して配置されており、底部開口81の上方に臨んでいる。底部開口81には、フレームユニット30のサイドフレーム36側に配置された油圧管路34の継手56が通され、凸部73内で継手56,78が連結される。このとき、凸部73の側面(本例では左側面)の前部には、継手78に臨む側部開口83(図19等)、及びこの側部開口83を開閉する蓋84(図12等)が設けられている。蓋84を開けて側部開口83を露出させることで、機外から凸部73の内部にアクセスでき、継手56,78の着脱作業が容易にできるように配慮されている。特に継手56,78にワンタッチ着脱式の迅速流体継手(クイックジョイント)を用いることで継手56,78の着脱作業が容易になる。
なお、ベースフレーム64の凸部73には、操作装置62とコントロールバルブ33との接続関係を切り換える操作方式切換弁85が更に収容されている。操作方式切換弁85は、凸部73の後部の底部に固定して配置されている。操作方式切換弁85は継手78と操作装置62を接続する油圧管路79の途中に設けられている。操作方式切換弁の詳細については、特開2001−107908号公報等に記載されている。凸部73の側面(本例では左側面)の後部には、操作方式切換弁85に臨む側部開口86(図19等)、及びこの側部開口86を開閉する蓋87(図12等)が設けられている。また、ベースフレーム64の前面には走行バルブ69やアタッチメントバルブ77に臨む蓋88(図5等)が設けられている。蓋87,88を開けることで機外から操作方式切換弁85や走行バルブ69、アタッチメントバルブ77のメンテナンスがし易いように配慮されている。
また、本実施形態においては、凸部73の他にも、凸部89,90(図11等)が設けられている。凸部89,90は、ベースフレーム64のうち右側で前後の座部71,72の間に位置し、座部71,72よりも下側に突出してサイドフレーム36の凹部53,54にそれぞれ入り込む部分である。凸部89,90には、例えばオプション部品や工具その他の目的物を収容することができる。凸部89,90は蓋91,92(図17)を開閉することで運転室14内からアクセスできるようになっている。
なお、サイドフレーム36の第1フレーム42,43及び第3フレーム46の厚み(上下方向寸法)は、稼働時を含めて運転室ユニット60の重量を支持するのに十分な支持強度が確保されるように設定されている。それに対し、運転室ユニット60のベースフレーム64の座部71,72の厚み(上下方向寸法)は、運転室14の最高部が一般道路の輸送制限高さを超えないように設定されている。
3.効果
本発明によれば、次のような効果が得られる。
本発明によれば、次のような効果が得られる。
(1)機体全高の低減
本実施形態においては、まず、旋回フレーム31のサイドフレーム36に、第1フレーム42、第2フレーム44及び第3フレーム46で囲われた有底状で上部が開放された凹部52を設けている。そして、第1フレーム42及び第3フレーム46で支持される座部71,72と座部71,72の間に位置し座部71,72よりも下側に突出して凸部73とで、運転室ユニット60のベースフレーム64の下部を段差構造にしている。これにより、運転室ユニット60のベースフレーム64の一部が旋回フレーム31に入り込み、旋回フレーム31とベースフレーム64とが高さ方向に一部重なっている。そして、コントロールバルブ33からの油圧管路34を第1フレーム42を通して旋回フレーム31の凹部52に導き、凹部52に挿し込まれた運転室ユニット60の凸部73内の継手78に接続している。このような緻密なレイアウトによって、旋回フレーム31とベースフレーム64とが高さ方向に一部重なった構成としつつ、運転室14をユニット化した場合に懸念される操作系の油圧配管の接続及び切り離しの問題にも巧みに対応している。
本実施形態においては、まず、旋回フレーム31のサイドフレーム36に、第1フレーム42、第2フレーム44及び第3フレーム46で囲われた有底状で上部が開放された凹部52を設けている。そして、第1フレーム42及び第3フレーム46で支持される座部71,72と座部71,72の間に位置し座部71,72よりも下側に突出して凸部73とで、運転室ユニット60のベースフレーム64の下部を段差構造にしている。これにより、運転室ユニット60のベースフレーム64の一部が旋回フレーム31に入り込み、旋回フレーム31とベースフレーム64とが高さ方向に一部重なっている。そして、コントロールバルブ33からの油圧管路34を第1フレーム42を通して旋回フレーム31の凹部52に導き、凹部52に挿し込まれた運転室ユニット60の凸部73内の継手78に接続している。このような緻密なレイアウトによって、旋回フレーム31とベースフレーム64とが高さ方向に一部重なった構成としつつ、運転室14をユニット化した場合に懸念される操作系の油圧配管の接続及び切り離しの問題にも巧みに対応している。
仮に旋回フレーム31のサイドフレーム36と運転室ユニット60のベースフレーム64が共に単純な直方体状の箱型であれば、サイドフレーム36の厚みにベースフレーム64の厚みが単純に加算され、運転室14の最高部が高くなる。それに比べ、本実施形態ではサイドフレーム36の凹部52にベースフレーム64の凸部73が挿入され、運転室ユニット60側に配置した継手78や油圧管路79等の油圧機器が旋回フレーム31の第1フレーム42及び第3フレーム46の内法空間に入り込む。これによって機体全高を輸送制限高さに収めることができるので、本実施形態に係る分解型作業機械を陸路で繋がった現場に輸送する場合には、必要以上に分解することなく非分解型の通常の作業機械と同じようにトレーラ等で輸送することができる。また、通常の分解型作業機械と同様、本実施形態に係る分解型作業機械は、フレームユニット30や運転室ユニット60等のユニット単位でヘリコプター等の輸送手段で分解輸送できることは言うまでもない。
(2)分解組立の効率向上
運転室ユニット60側に配管した操作系の油圧管路79と旋回フレーム31側に配管した油圧管路34とが、凸部73内で継手56,78によって接続される構造である。そのため、油圧系統の接続及び切り離しがユニットの連結部で行え、フレームユニット30と運転室ユニット60の分解組立の作業効率を向上させることができる。特に本実施形態の場合、運転室ユニット60のベースフレーム64の側面の蓋84を開けることで、運転室ユニット60をフレームユニット30に取り付けてから側部開口83を介して継手56,78の結線作業ができ、極めて効率的である。
運転室ユニット60側に配管した操作系の油圧管路79と旋回フレーム31側に配管した油圧管路34とが、凸部73内で継手56,78によって接続される構造である。そのため、油圧系統の接続及び切り離しがユニットの連結部で行え、フレームユニット30と運転室ユニット60の分解組立の作業効率を向上させることができる。特に本実施形態の場合、運転室ユニット60のベースフレーム64の側面の蓋84を開けることで、運転室ユニット60をフレームユニット30に取り付けてから側部開口83を介して継手56,78の結線作業ができ、極めて効率的である。
また、運転室ユニット60のベースフレーム64の凸部73の下面と前記運転室取り付け部の凹部の上面との間に旋回フレーム31側の油圧管路34を配管する空間76が確保されている。これにより、運転室ユニット60を単純に上からサイドフレーム36に嵌め込んでも、油圧管路34に凸部73が緩衝しないようにすることができる。空間76がない場合、例えば凸部73の後面に開口を設け、運転室ユニット60をサイドフレーム36に嵌め込む前に開口に油圧管路34を通して凸部73に継手56を入れておく作業を間に挟まなければならない。本実施形態では、このような面倒な作業の発生を省略することができる。
また、運転室ユニット60の外装(ボディ65)を取り外す必要もないので、電装品が露出することもなく、ビニールシート等で養生する必要もない。
これらのことにより分解型作業機械として重要な分解組立作業の効率を大きく向上させることができる。
(3)その他
本実施形態においては、運転室ユニット60の下側に設けた中空の凸部73,89,90が旋回フレーム31の凹部52,53,54に入り込む構造である。そのため、継手56,78のみならず、操作方式切換弁85やオプション部品その他を旋回フレーム31と高さが重なる位置に更に収容することができる。この点も、機体全高を抑えるのに不利な分解型作業機械にあって余裕のないスペースを有効に活用し、必要な仕様を確保しつつ機体寸法を抑えるのに大いに貢献し得る。
本実施形態においては、運転室ユニット60の下側に設けた中空の凸部73,89,90が旋回フレーム31の凹部52,53,54に入り込む構造である。そのため、継手56,78のみならず、操作方式切換弁85やオプション部品その他を旋回フレーム31と高さが重なる位置に更に収容することができる。この点も、機体全高を抑えるのに不利な分解型作業機械にあって余裕のないスペースを有効に活用し、必要な仕様を確保しつつ機体寸法を抑えるのに大いに貢献し得る。
11…走行体、12…旋回体、14…運転室、20…作業機、30…フレームユニット、31…旋回フレーム、33…コントロールバルブ、34…油圧管路、35…センターフレーム(作業機取り付け部)、36…サイドフレーム(運転室取り付け部)、42,43…第1フレーム、44,45…第2フレーム、46…第3フレーム、47…底板、52−54…凹部、55a…強度調整部材(補強材)、56…継手(他方の継手)、60…運転室ユニット、61…運転席、62,63…操作装置、64…ベースフレーム、71,72…座部、73,89,90…凸部、76…空間、78…継手(一方の継手)、79…油圧配管、81…底部開口、83,86…側部開口、84…蓋、85…操作方式切換弁
Claims (3)
- 走行体、前記走行体の上部に旋回可能に設けた旋回体、及び前記旋回体に連結した作業機を備えると共に、前記走行体、前記旋回体及び前記作業機に分解可能に構成され、かつ前記旋回体が、旋回フレームを含むフレームユニット及び運転席を含む運転室ユニットに分解可能であると共に、原動機、前記原動機で駆動される油圧ポンプ、前記油圧ポンプから対応する油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御するコントロールバルブ、及び前記コントロールバルブを制御する油圧操作式の操作装置を備えた分解型作業機械において、
前記旋回フレームは、作業機取り付け部と運転室取り付け部を有し、
前記運転室取り付け部は、前記作業機取り付け部に支持されて左右方向の一方側に延びる第1フレームと、前記第1フレームに支持されて前方に延びる第2フレームと、左右に延びた姿勢で前記第2フレームに支持された第3フレームと、前記第1フレーム及び前記第3フレームの間を覆う底板とを有し、前記第1フレーム、前記第2フレーム及び前記第3フレームで囲われた有底状で上部が開放された凹部を有しており、
前記運転室ユニットのベースフレームは、中空の箱型に形成されており、前記第1フレーム及び前記第3フレームでそれぞれ支持される前後の座部と、前記前後の座部の間に位置し前記座部よりも下側に突出して前記運転室取り付け部の凹部に入り込んだ凸部とを有しており、
前記運転室ユニットのベースフレームには、前記操作装置に接続する油圧管路が配管され、前記油圧管路の端部に設けた一方の継手が前記凸部に収容されており、
前記一方の継手に接続する他方の継手から延びる油圧配管が、前記運転室取り付け部の凹部及び前記第1フレームの内部を通って前記コントロールバルブに接続しており、
前記凸部の側面には、前記一方の継手に臨む側部開口と、前記側部開口を開閉する蓋が設けられていることを特徴とする分解型作業機械。 - 走行体、前記走行体の上部に旋回可能に設けた旋回体、及び前記旋回体に連結した作業機を備えると共に、前記走行体、前記旋回体及び前記作業機に分解可能に構成され、かつ前記旋回体が、旋回フレームを含むフレームユニット及び運転席を含む運転室ユニットに分解可能であると共に、原動機、前記原動機で駆動される油圧ポンプ、前記油圧ポンプから対応する油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御するコントロールバルブ、及び前記コントロールバルブを制御する油圧操作式の操作装置を備えた分解型作業機械において、
前記旋回フレームは、作業機取り付け部と運転室取り付け部を有し、
前記運転室取り付け部は、前記作業機取り付け部に支持されて左右方向の一方側に延びる第1フレームと、前記第1フレームに支持されて前方に延びる第2フレームと、左右に延びた姿勢で前記第2フレームに支持された第3フレームと、前記第1フレーム及び前記第3フレームの間を覆う底板とを有し、前記第1フレーム、前記第2フレーム及び前記第3フレームで囲われた有底状で上部が開放された凹部を有しており、
前記運転室ユニットのベースフレームは、中空の箱型に形成されており、前記第1フレーム及び前記第3フレームでそれぞれ支持される前後の座部と、前記前後の座部の間に位置し前記座部よりも下側に突出して前記運転室取り付け部の凹部に入り込んだ凸部とを有しており、
前記運転室ユニットのベースフレームには、前記操作装置に接続する油圧管路が配管され、前記油圧管路の端部に設けた一方の継手が前記凸部に収容されており、
前記一方の継手に接続する他方の継手から延びる油圧配管が、前記運転室取り付け部の凹部及び前記第1フレームの内部を通って前記コントロールバルブに接続しており、
前記運転室ユニットのベースフレームの凸部には、前記操作装置と前記コントロールバルブの接続関係を切り換える操作方式切換弁が収容されていることを特徴とする分解型作業機械。 - 走行体、前記走行体の上部に旋回可能に設けた旋回体、及び前記旋回体に連結した作業機を備えると共に、前記走行体、前記旋回体及び前記作業機に分解可能に構成され、かつ前記旋回体が、旋回フレームを含むフレームユニット及び運転席を含む運転室ユニットに分解可能であると共に、原動機、前記原動機で駆動される油圧ポンプ、前記油圧ポンプから対応する油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御するコントロールバルブ、及び前記コントロールバルブを制御する油圧操作式の操作装置を備えた分解型作業機械において、
前記旋回フレームは、作業機取り付け部と運転室取り付け部を有し、
前記運転室取り付け部は、前記作業機取り付け部に支持されて左右方向の一方側に延びる第1フレームと、前記第1フレームに支持されて前方に延びる第2フレームと、左右に延びた姿勢で前記第2フレームに支持された第3フレームと、前記第1フレーム及び前記第3フレームの間を覆う底板とを有し、前記第1フレーム、前記第2フレーム及び前記第3フレームで囲われた有底状で上部が開放された凹部を有しており、
前記運転室ユニットのベースフレームは、中空の箱型に形成されており、前記第1フレーム及び前記第3フレームでそれぞれ支持される前後の座部と、前記前後の座部の間に位置し前記座部よりも下側に突出して前記運転室取り付け部の凹部に入り込んだ凸部とを有しており、
前記運転室ユニットのベースフレームには、前記操作装置に接続する油圧管路が配管され、前記油圧管路の端部に設けた一方の継手が前記凸部に収容されており、
前記一方の継手に接続する他方の継手から延びる油圧配管が、前記運転室取り付け部の凹部及び前記第1フレームの内部を通って前記コントロールバルブに接続しており、
前記第2フレームの下側から左右方向の一方側に延びて前記凹部の前後方向の中間部を左右に渡る補強材を備えていることを特徴とする分解型作業機械。
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