本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る丁合装置1を示す模式正面図であり、図2はこの丁合装置1で作成される丁合セットSを示す外観図である。図2に示すように、この丁合セットSは、複数枚の用紙の束を1枚の折られた用紙の内側に挟んだ形態であり、配達用の新聞に挟まれる新聞広告に好適な形態である。すなわち丁合装置1は、印刷され、新聞販売店に納品された広告を配達用に丁合するのに適したものである。
丁合装置1には、図1に示す左側に10個の給紙機構(給紙装置)2a〜2jが、右側に10個の給紙機構(給紙装置)2k〜2tが各々上下方向に積み重ねるように並べて配置されている。給紙機構2a〜2jと、給紙機構2k〜2tは同一構造のものが逆向きに取り付けられているため、図1では向きが逆になっている。左側の給紙機構2a〜2jの下方には、折り給紙機構3が配置されている。
給紙機構2に積載された用紙束の最上位の1枚が、分離給送機構4によって用紙束から分離して、横搬送路6へ送り出される。丁合装置1の中央には上下方向に縦搬送路7が設けられ、各々の給紙機構2から延びてきた横搬送路6はすべて縦搬送路7に合流するようになっている。各々の給紙機構2は、送り出した用紙が縦搬送路7で合流したときに、互いの先端が揃うようなタイミングで用紙を送り出す。各々の給紙機構2から1枚ずつ送り出されてきた用紙は、縦搬送路7を上方から下方に向かって移動しながら互いに重ねられていく。
折り給紙機構3に積載された用紙束の最上位の1枚は、分離給送機構4によって用紙束から分離して折り搬送路8を図示右方へ搬送され、折りストッパ9に先端が当接する。折り搬送路8の上方には縦搬送路7の下端が面しており、折りストッパ9に当接した用紙は縦搬送路7の下端をふさぐように停止する。その後、折りナイフ10が駆動して、折りストッパ9に当接して停止している用紙を折りローラ11に巻き込んで二つ折りするとともに、その二つ折りの内側に、縦搬送路7を下降してきた用紙束が入って丁合セットSが作成される。丁合セットSはさらに、排紙搬送路12を経由して排紙口13から装置外へ排出され、スタッカ14に蓄積される。
排紙搬送路12から上方に分岐して、振分け搬送路15が設けられ、その下流側に振分けトレイ16が設けられている。振分け搬送路15の上流側端部には、排紙搬送路12から送られてきた丁合セットSを振分け搬送路15へ導く振分け位置Aと、排紙搬送路12から退避した退避位置Bとの間を図示しない駆動機構により移動可能な切り替え部15aが設けられている。
図3は本発明に係る給紙機構2(給紙装置)の拡大正面図、図4は図3における右側から見た側面図、図5は図3における上側から見た上面図である。図3及び図4は丁合装置1に搭載されている給紙機構2のうち、互いに隣り合う2つの給紙機構2x、2yを示している。この給紙機構2x、2yは、図1に示す給紙機構2a〜2j、2k〜2tから、隣り合う任意の給紙機構2を抜き出して示したものである。給紙機構2a〜2jの場合は、図3は図1の背面側から見た向きとなる。
給紙機構2xと2yは同一構造であるので、まとめて給紙機構2として以下説明する。給紙機構2は板状の給紙板21を有する。給紙板21上には用紙Pの束が、上位の用紙ほど前方になるように斜めに捌いた状態で積載される。なお図4と図5においては給紙機構2の説明を容易とするために、用紙Pを省略して、給紙板21は取り付けられる位置を一点鎖線で示している。
この用紙Pの束の給紙方向下流側の端付近に分離給送機構4が設けられており、用紙束から最上位の用紙P1を分離して下流側の横搬送路6へと送り出す。すなわちこの分離給送機構4から横搬送路6にかけての領域で、用紙が分離されて送り出される。
分離給送機構4は、最上位の用紙P1を送り出す給紙ローラ22、給紙ローラ22に下方から圧接するサバキ板23、給紙ローラ22の給紙方向上流側に設けられた補助給紙ローラ24を含む。給紙機構2は、左右のフレーム25、26との間に設けられ、この両フレームに支持された給紙軸27に、給紙ローラ22が支持されている。給紙軸27にはまた、給紙ローラ22に対して図4における左右両サイドには、用紙の搬送を補助する補助コロ40が設けられている(図3においては、分離給送機構4周辺の理解を容易とするために、図4における左側のフレーム25と補助コロ40を省略している)。さらに、両端がフレーム25,26の内側の面に固定されてフレーム間全幅にわたって設けられ、上面が開口した箱状の筐体である収容部材28が、サバキ板23を収容している。サバキ板23の下方には、サバキ板23の給紙ローラ22に対する圧接力(以下、サバキ圧という)を調整する調整部材29が設けられている。調整部材29は図4に示すように、サバキ板23の下方の球体29aを支持する傾斜面29bを有しており、図示しない移動機構を用いて図4における左右方向に移動させることにより、サバキ圧を調整する。この調整部材29及びこれを動かすための駆動伝達機構も、収容部材28に収容されている。
サバキ板23の上流側には、用紙有無検知センサD1が設けられている。この用紙有無検知センサD1は、この給紙機構2に用紙が積載されているか否かを検知する。この用紙有無検知センサD1も収容部材28に収容されている。
上段の給紙機構2xのサバキ板23を収容する収容部材28の底面は、一段下の給紙機構2yの分離給送機構4に対向している。収容部材28の上面は、サバキ板23と用紙有無検知センサD1の部分を除いてガイド板30で覆われ、このガイド板30が分離給送される用紙P1の下側をガイドするようになっている。用紙有無検知センサD1には反射型光学センサであり、このガイド板30上に用紙が存在するか否かを検知する。
給紙軸27には図示しない駆動源から回転駆動力が間欠的に付与され、給紙ローラ22はこの給紙軸27によって間欠的に回転し、最上位の用紙P1を送り出す。補助給紙ローラ24はローラ支持部材31の一端側に支持された補助給紙ローラ軸32に支持される。ローラ支持部材31はまた、他端部が給紙軸27に支持されている。そして給紙軸27と補助給紙ローラ軸32との間に、ローラ支持部材31の内部においてタイミングベルト(図示省略)が掛けられ、ともに用紙を送り出す方向に回転するように駆動伝達される。
補助給紙ローラ24は積載した用紙束の上面に圧接し、最上位の用紙P1を給紙ローラ22に方向へ送り出す。すると用紙P1は給紙ローラ22とサバキ板23の間を通過して、横搬送路へ搬出される。用紙が2枚以上重なっていた場合は、2枚目以降の用紙がサバキ板23で阻止されるので、最上位の1枚のみが横搬送路6へ搬出される。
横搬送路6には、重送検知センサD2と、用紙搬送検知センサD3が設けられている。重送検知センサD2は、横搬送路6を挟んで上下に設けられた超音波発振器と超音波受振器で構成され、横搬送路6を通過した用紙が1枚である場合と2枚以上である場合の、受信する超音波の振幅の違いを利用し、本来1枚ずつ送り出されるところ、2枚以上送り出された場合にこれを検知して、重送エラー信号を発生させる。用紙搬送検知センサD3は、横搬送路6を通過する用紙を検知する光学センサである。用紙有無検知センサD1で用紙が検知されているにもかかわらず、給紙ローラ22が駆動されても、所定時間内に用紙が通過しなかった場合、空送りエラー信号を発生させる。また、用紙搬送検知センサD3が用紙の給紙方向前端を検知したまま後端を検知しない場合や、後端を検知するまでに時間がかかりすぎる場合には、紙詰まりエラー信号を発生させる。
給紙軸27が回転駆動されると、給紙ローラ22及び補助給紙ローラ24が回転して用紙の送り込みが行われるとともに、給紙ローラ22の回転抵抗により、ローラ支持部材31全体が給紙軸27を中心に、図3における時計方向に回動する力が働き、これが補助給紙ローラ24が用紙束上面を押圧する力(以下、給紙圧という)として作用する。
ローラ支持部材31の給紙方向と直交する方向(図3における左右方向、以下「幅方向」という)の一側面には、幅方向に細長い柱33が取り付けられており、この柱33の下方にレバー34の一端付近が当接している。このレバー34の他端は軸35に支持されるとともに、この軸35に巻きつけられたねじりバネ36によって、軸35を中心に図3における反時計方向に回動する方向に付勢されている。この軸35は、フレーム25,26に両端を支持された幅方向に細長いステー37上に固定された支持部材38に両端が支持されている。したがってこのレバー34は、柱33を持ち上げる方向に力を加えるようになっている。このレバー34の力によって、給紙圧が適切な圧に調整されている。
このレバー34の真上の、上段の給紙機構2xの収容部材28の下面に、第1の光源51が設けられている。第1の光源51は、本実施形態ではLEDであるが、小型の白熱電球や放電電球であってもよい。レバー34は第1の光源51から照射された光を受け、その一部を、給紙方向上流側へ反射する。操作者は給紙機構2の内部を視認するときは、給紙方向上流側から見ることになるから、操作者は第1の光源51を直接視認しなくても、その光を反射するレバー34を視認すれば、第1の光源51が点灯しているのか否かが、容易に判別できる。
レバー34は白色の樹脂材料で構成されているので、第1の光源51の光を高い反射率により効率よく反射させることができる。さらにレバー34を乳白色とすることによって、反射光は、高い拡散率によって操作者の目の負担の少ない光になるので、なおよい。
図3に示すように、本実施形態の給紙機構2では、給紙板21が、給紙方向下流側ほど低くなるように傾斜している。操作者はその給紙板21の間から内部を覗くことになるから、目線が下降方向となり、1段上の収容部材28の下面に設けられた第1の光源51を直接視認することはきわめて困難である。しかし、レバー34は1段上の収容部材28の下面よりも低い位置にあり、傾斜した給紙板21の間からでも視認は容易である。本実施形態においては、このレバー34が第1の光源51の光を反射しているから、傾斜した給紙板21の間からでも容易に点灯しているか否かが判断できる。
また、用紙を多量に積載した場合、上段の給紙板21と下段に積載された用紙の上面というわずかな隙間から視認しなければならない。本実施形態の給紙機構2では、上位の用紙ほど下流側に位置するように斜めに捌いた用紙束を、先端が給紙ローラ22の下方に位置するように積載する。このとき、積載時にローラ支持部材31の給紙方向上流側の端を持ち上げて、補助給紙ローラ24を用紙束の上面上に載置するようにする。レバー34もローラ支持部材31に追随して、軸35を中心に回動する。このためローラ支持部材31及びレバー34は常時用紙束よりも上に位置するので、用紙が多量に積載されていても、ユーザは用紙束の上からレバー34を視認することができる。
図6は第1の光源51の、収容部材28下面の取付例を示す図である。図6(a)に示す例では、収容部材28の下面に穿たれた開口28bにはめ込んだ保護輪51bに、発光体51aが、収容部材28の下面側に若干はみ出すようにはめ込まれている。
また、図6(b)に示す例では、発光体51aが収容部材28下面にはみ出さず、完全に収容されている。この例では、操作者は下から覗き込むようにしない限り、発光体51aを直接確認することはできない。また図6(a)に示す例は発光体51aが収容部材28から一部突出しているが、前記したように操作者は傾斜した給紙板21の隙間から目線が下がる方向に視認するため、やはり発光体51aを直接視認することは難しい。しかし本発明では反射部材を設けたので、図6(a)(b)どちらの構成であっても、操作者は点灯の有無を容易に確認することができる。特に同じ給紙機構2が縦方向に複数並んだ丁合装置においては、この並んだ給紙機構2のうち、どの給紙機構2が点灯しているのか、すぐに判断することができる。
第1の光源51は、白色でも良いが、有色の光源であることが好ましい。反射部材は、外からの自然光や蛍光灯の明かりをも反射しており、これらは通常白色に近いものとなる。第1の光源51を有色の光源とすれば、反射部材もその色を反射するため、点灯しているか否かを一目で把握できるし、複数の給紙機構2が並んだ丁合装置1においても、点灯している給紙機構2と点灯していない給紙機構2とを一目で区別することができる。
本実施形態では、給紙圧を調整するレバー34を反射部材として活用しているが、本発明はこの形態に限られない。例えば図7に示すように、第1の光源51をローラ支持部材31の真上に配置し、ローラ支持部材31に反射面31aを設けてもよい(変形例1)。反射面31aは白色等反射率の高い色とするのが良い。また図8に示すように、反射板81をローラ支持部材31の一側面に取り付けてもよい(変形例2)。反射面31a、反射板81は乳白色が好ましいが、その他の反射率の比較的高い色でもよく、鏡面あるいはこれに近い面によって第1の光源51の反射像を操作者がそのまま視認できるようにしてもよい。
また、反射部材は必ずしもローラ支持部材31に接触あるいは取り付けられている必要はない。例えば図9に示すように、補助コロ40の上方に第1の光源51を設け、補助コロ40を反射部材として機能するようにしてもよい(変形例3)。この補助コロ40は図9では2個取り付けられているが、3個以上であっても、1個であってもよい。補助コロ40が複数個取り付けられている場合は、その上方に第1の光源51が各々設けられる。補助コロ40も乳白色が好ましい。
さらに図10に示すように、収容部材28下面に直接取り付けられた反射部材83を用いてもよい(変形例4)。
さらに、給紙板21の下面を反射部材として機能させてもよい。例えば図11に示すように、給紙板21の下面に固定したブラケット21aに第1の光源51を設け、この光源を一点鎖線の矢印で示すように反射させてもよい(変形例5)。給紙板21の、第1の光源51を反射させる部分は、反射しやすい鏡面、金属光沢面、または白色あるいはそれに近い色の樹脂面等で構成するのがよい。この形態によれば反射光が下方に向かうため、給紙部2の位置がユーザの目線よりも高くても、容易に第1の光源51の光を認識することができる。給紙部2を丁合装置1に適用した場合は、上方寄りに配置された給紙部2のみをこの図11のように構成することにより、より視認しやすい丁合装置1を得ることができる。丁合装置1の最上段の給紙部2の場合は、図1に示すように、その上に反射板39を設け、その下面に同様に取りつけたブラケット(図示せず)に第1の光源51を設け、その光を反射板39の下面に反射させればよい。この場合の反射部材は反射板39である。
このように、反射部材は専用の部材を使用してもよいし、他の機能を有する部材を反射部材として活用してもよく、第1の光源51は、反射部材の位置と、所望の反射光の方向とを考慮して適宜配置位置を決めればよい。
収容部材28の下面であって、第1の光源51とは幅方向に異なる位置に、第2の光源52a、52b、52c、52d(以下第2の光源52と総称する)が設けられている。本実施形態においては4か所、各々幅方向に異なる位置に設けられているが、この第2の光源52は1つであっても、複数であってもよい。この第2の光源52は、第1の光源51と異なり、第2の光源の光を給紙方向上流側へ向けて反射させる反射部材は設けられていない。
第1の光源51は、操作者に対して点灯しているか否か、あるいは複数の給紙機構2のうちのどこが点灯しているのか、が反射部材によって一目でわかるものである。これに対して第2の光源52は、用紙が分離して送り出される領域を十分に明るく照射するためのもので、収容部材28の下方周辺で用紙が紙詰まりを起こした場合等、内部を見やすくするためのものである。その目的から白色等、明度の高い色が望ましい。
また、複数の第2の光源52のうちの一部のみを有色としてもよい。第1の光源51は反射部材に遮られて、用紙が分離されて送り出される領域内部を十分に照射できない可能性がある。そこで、第2の光源52の一部を有色とすることにより、給紙機構2の内部の一部が色つきの光で照らされるので、実際に詰まった用紙を取り除く作業を行う場所で、その給紙機構2が点灯していることを確実に判断することができる。
さらに、フレーム25には第3の光源53が設けられる。第3の光源53は、図4に示すように、収容部材28とほぼ同一の高さ位置に配置されるとともに、図5に示すように、光が収容部材28に向かう方向(図5の矢印方向)を指向するように設けられている。
この構成によって、第3の光源53は、収容部材28の給紙方向上流側の面であって、図4に示す左端付近の受光領域28aを照射する。受光領域28aは照射された光を給紙方向上流側へ反射する反射部材として機能している。
この構成により、操作者は、受光領域28aが第3の光源53からの光を反射して光っているのを視認することにより、第3の光源53が点灯しているか否かを視認することができる。この第3の光源53も、第1の光源51と同様の理由で有色光が望ましい。
図4に示すように、収容部材28の給紙方向上流側の面は、給紙板21の取付部よりも下の部分(図4の一点鎖線よりも下の部分)は、操作者が直接視認することができる面である。その収容部材28の下方に、1段下の給紙機構2の用紙分離機構4が存在する。したがって、収容部材28は、給紙方向上流側から見て、用紙が分離されて送り出される領域の周縁を形成する周縁部材を形成している。これを反射部材として利用することにより、特に丁合装置においては、どの給紙機構2の周縁が光っているかを視認することによって、どれが点灯しているのかをすぐに判断できる。
受光領域28aには、その周囲よりも反射率を高めるように、反射テープやリフレクタを貼付したり、反射率を高める表面処理(明度の高い色の塗装、鏡面処理等)が施されていても良い。
この第3の光源53に代えて、収容部材28の給紙方向上流側の面に直接第4の光源54(図12参照)を設けてもよい(変形例6)。この第4の光源54は細長く形成されたカバーの内側に、長手方向に複数のLEDを配置して形成されている。この形態によれば、操作者が直接光源を視認することができ、第1の光源51と併用して丁合装置1に適用することにより、点灯している給紙機構2をより特定しやすくなる。
以下、第1の光源51、第2の光源52、第3の光源53(あるいは第4の光源54)をまとめて「光源R」と表記し、「給紙機構2の光源R」と表記した場合は、その給紙機構2の位置において反射光を認識できる第1の光源51(本実施形態及び変形例1乃至4の場合は、その給紙機構2の上部にある収容部材28に取り付けられた第1の光源51、変形例5の場合は、その給紙機構2の1段上にある給紙板21(あるいは反射板39)に取り付けられたブラケット21aに配置された第1の光源51)と、その給紙機構2において用紙が分離されて送り出される領域を照射する第2の光源52(本実施形態の場合は、その給紙機構2の上部にある収容部材28に取り付けられた第2の光源52)、及び、その給紙機構2において用紙が分離されて送り出される領域の周縁を形成する周縁部材を照射する第3の光源53(本実施形態においては、その給紙機構2の上部にある収容部材28の受光領域28aを照射する第3の光源53)(変形例6においては給紙機構2において用紙が分離されて送り出される領域の周縁を形成する周縁部材に設けられた第4の光源54)を意味するものとする。
丁合装置1は、複数設けられた給紙機構2のうち、任意の給紙機構2において、光源Rを点灯させることができる。例えば、図1における給紙機構2tにおいて点灯させたい場合は、その1段上の給紙機構2sのサバキ板23を収容している収容部材28の下面に設けられた第1の光源51、第2の光源52が点灯されるとともに、給紙機構2sの収容部材28の受光領域28aを照射する第3の光源53を点灯させる。この点灯により、給紙機構2tの上方の収容部材28(給紙機構2sのサバキ板23を収容)の給紙方向上流側の面が第3の光源53により照射されるとともに、給紙機構2tの用紙を分離して送り出す領域を第1の光源51と第2の光源52とが照射する。操作者は、第3の光源53により照射された給紙機構2sの収容部材28と、第1の光源51に照射された給紙機構2tのレバー34を視認することによって、一目で給紙機構2tが点灯していることが判断できる。
最上段の給紙機構2j、2kの上方にも収容部材28xが設けられ、第1及び第2の光源はこの収容部材28xの下面に設けられ、第3の光源53は、収容部材28xの給紙方向上流側の面を照射する。この収容部材28xの上位には給紙機構2が設けられていないので、サバキ板23は収容されていない。
なお、折り給紙機構3には直上に他の給紙機構が設けられていないが、給紙機構2j、2kと同様に、上方に収容部材28yを設け、第1及び第2の光源はこの収容部材28yの下面に設けられ、第3の光源53は、収容部材28yの給紙方向上流側の面を照射するようになっている。この構成により、折り給紙機構3においても、他の給紙機構2と同様に、光源を点灯させることができる。その他の構成は給紙機構2と同じであり、前記した各々の光源は、折り給紙機構3にも装備することができる。この折り給紙機構3に係る光源を、給紙機構2と同様に「折り給紙機構3の光源R」と表記する。また、給紙機構2と折り給紙機構3をまとめて表記する場合は、「給紙機構2,3」と表記する。
また図13に示すように、折り給紙機構3の給紙板21の下面に第5の光源55を設け、その下位にある振分けトレイ16を照射してもよい(変形例7)。さらに、振分けトレイ16の下面に第6の光源56を設け、その下位にあるスタッカ14を照射してもよい(変形例8)。
また図14に示すように、収容部材28の下面において、第1の光源51の向きを変更可能に構成してもよい(変形例9)。この方向変換機構は、収容部材28に回転可能に支持されたホイール501に第1の光源51を設け、このホイール501の収容部材28の上面側にギヤ部501aを形成し、このギヤ部501aを軸503に固定支持されたウォームギヤ502とかみ合わせる。軸503は収容部材28の給紙方向上流側、すなわちユーザ側に向いた面に突出し、その突出部にツマミ504を有する。ユーザはこのツマミ504を回すと、ウォームギヤ502が回転し、ホイール501が矢印方向に回動することにより、第1の光源51の向きを変更する。
この構成により、ユーザは必要に応じて、第1の光源51の向きを手前側、奥側に向けることができる。例えば用紙が奥の方で紙詰まりを起こした場合に奥の方へ向けたり、サバキ板23を清掃したり交換したりする場合にサバキ板23の方向へ、各センサを清掃又は交換する場合には該当するセンサの方向へ向けたり等の使い方が可能となる。反射部材は、第1の光源51の向きがどの向きであっても、その光の一部を反射できるように配置する。また、第1の光源51ではなく第2の光源52の一部または全部を各々個別に方向を変えられるように構成してもよく、第2の光源と第1の光源の両方を同様に構成してもよい。
さらに、この変形例9のツマミ504に代えて、軸503をステッピングモータ等で回転させることにより、光源の方向を制御可能としてもよい(変形例10)。
次に、給紙機構2,3あるいは丁合装置1において、これらの光源の点灯の形態について説明する。丁合装置1電源投入している間、全段を常時点灯させていてもよいが、消費電力を考慮して、必要なときに必要な給紙機構2,3を点灯させるのが良い。以下、そのような例を挙げる。なお、以下に示す複数の例におけるフローチャートにおいては、特に記載のない限り、スタート時はすべての給紙機構2,3の光源Rが消灯しているものとする。
第1の例は、装置が停止している間だけ点灯させておくものである。図15はこの第1の例を示すフローチャートである。最初に装置の電源を投入すると(S101)、すべての給紙機構2の光源Rが点灯する(S102)。操作者は用紙を給紙機構2,3に積載して、図示していないが装置側面等に適宜設けられた操作パネルのテンキーでカウント数(作成したい丁合セットSの数値)を入力する(S103)。続いて操作者がスタートスイッチ(操作パネル等に配置)を押下(S104)すると、メインモータが起動して(S105)すべての給紙機構2の光源Rが消灯する(S106)。その後CPUより給紙信号が発生すると、給紙モータが所定時間だけ駆動されて(S107)、給紙ローラ22、補助給紙ローラ24が所定時間だけ回転駆動して、最上位の1枚が分離されて送り出される。
次に給紙エラーが発生したか否かを検知する(S108)。給紙エラーである場合とは、重送検知センサD2で重送が検知された場合、用紙搬送検知センサD3で用紙が所定時間内に到来しないことが検知された場合、用紙搬送検知センサD3で用紙の通過にかかる時間が所定よりも長いことが検知された場合であって、各々重送、空送り、ジャムの各エラー信号を出力する(S108のY,S111)。エラーであった場合は、メインモータを停止させ(S112)、すべての給紙機構2の光源Rを点灯させる(S113)。給紙エラーでなかった場合(S108のN)、操作者が入力したカウント数を1だけ減算し(S109)、カウント数がゼロであるか否か、積載されている用紙がなくなった給紙機構2,3が発生したか否か、操作者がストップスイッチを押下したか否か、が判断される(S110)。いずれかがYであれば、メインモータを停止させ(S112)、すべての給紙機構2の光源Rを再点灯させる(S113)。いずれもNであれば、S107へ戻って次の用紙の送り出しを行う。給紙機構2,3において、積載されている用紙が無くなったか否かは、用紙有無検知センサD1が用紙を検知しなくなったか否かで判定される。各給紙機構2から送り出された用紙は縦搬送路7で互いに重ねられ、折り給紙機構3から送り出されて2つ折りされた用紙の内側に挿入される。こうして形成された丁合セットSは排紙搬送路12を経由して排出口13から排出され、スタッカ14に蓄積される。
なお、重送、空送りエラーが発生した場合は、そのエラーを含む丁合セットSを振分けトレイ16へ送り込み、装置は停止させず、後続の丁合動作を継続させてもよい。具体的には、CPUは重送、空送りエラー信号に応じて、切り替え部15aを退避位置Bから振分け位置Aに切替えて、丁合セットSを振分け搬送路15に送り込んで、振分けトレイ16に排出させる。後続の丁合セットSに重送、空送りエラーが発生していなかった場合には、切り替え部15aは退避位置Bに戻り、後続の丁合セットSはスタッカ14に送る。すなわち、振分けトレイ16には、重送、空送りが発生した、すなわち用紙に過不足が生じた丁合セットSが排出される。ユーザはこの振分けトレイ16に排出された丁合セットSに対し、本来よりも多く入っている用紙を取り除き、あるいは本来入っているべき欠品用紙を補うという作業を行う。
そして、振分けトレイ16に収容可能な丁合セットS数を満杯数として予め定めておき、振分けトレイ16に蓄積された丁合セットSがこの満杯数に達すると、その次に生じた重送、空送りエラーを含む丁合セットSは振分けトレイ16ではなくスタッカ14に送り込んで装置が停止するようにして、この停止時に、すべての給紙機構2,3の光源Rを点灯させるようにしてもよい。振分けトレイ16には、振分けトレイ16上の丁合セットSの有無を検知する不図示のセンサが設けられており、空の状態の振分けトレイ16に初めて丁合セットSが排出されるとこのセンサで検知される。以後、切り替え部15aを切替えて、振分け搬送路15へ丁合セットSを送り込んだ回数を計数し、振分けトレイ16に積載されている丁合セットS数を把握し、その数が満杯数に達したら、満杯と判断する。振分けトレイ16から用紙が取り出され、再び空になったことが不図示のセンサにより検知されれば、満杯数に達しているかどうかにかかわらず、計数値はゼロに戻す。
この第1の例によれば、メインモータが停止している間はすべての給紙機構2の光源Rが点灯しているから、紙詰まりの除去や内部の清掃等がしやすいとともに、メインモータが稼働中は消灯するから、消費電力を下げることができる。
この第1の例において、使用していない給紙機構2は常時消灯としておいてもよい。本発明の丁合装置1には、各給紙機構2ごとに、該給紙機構2を使用するか否かを切り換えるスイッチを有している。このスイッチにより、処理前に予め使用しないと設定された給紙機構2は、機械を稼働させても分離給送機構4が駆動せず、用紙の送り込みも行われない。装置が停止しているとき、各給紙機構2ごとに、このスイッチにより「使用しない」と設定されているか否かを参照し、使用しないと設定された給紙機構2がある場合は、当該給紙機構2では光源Rを点灯させず、それ以外の給紙機構2において点灯させるようにしてもよい。そうすれば、使用する、しないの設定状態を一目で判断することができる。
また、第1の例において、紙無しやエラー検知の場合は、S112におけるメインモータの停止を行わず、メインモータを回したまま給紙機構2、3の動作を行わないアイドリング状態として、このアイドリング状態の間にすべての給紙機構2の光源Rを点灯、あるいは「使用する」と設定されている給紙機構2のみ光源Rを点灯させるようにしてもよい。アイドリング状態において、再度スタートスイッチを操作者が押下すれば、再び消灯して給紙機構2,3が稼働し、丁合動作が再開される。
また、第1の例において、各給紙機構2の光源Rに加えて、前記した変形例7における第5の光源55を備え、この第5の光源55も各給紙機構2の光源Rと同時に点灯、消灯させてもよい。さらに、前記した変形例8における第6の光源56を備え、この第6の光源56も各給紙機構2の光源Rと同時に点灯、消灯させてもよい。
また、第5の光源55を備え、重送、空送りエラーが生じた丁合セットSを振分けトレイ16に送り込むようにした場合は、各給紙機構2の光源Rと同時ではなく、振分けトレイ16に丁合セットSが積載されている間だけ点灯させ、積載されている丁合セットSを照射するようにしてもよい。具体的には、不図示のセンサにより空の振分けトレイ16に丁合セットSが排出されたことが検知された時に第5の光源55を点灯させ、振分けトレイ16上の用紙に光を照射する。振分けトレイ16は折り給紙機構3のすぐ下方に設けられており、操作者の目線からは振分けトレイ16上に丁合セットSが排出されているかどうか、視認しにくい位置にある。しかしこの第5の光源によって、使用者は振分けトレイ16上に丁合セットSが送られてきたことをすぐに知ることができ、その修正作業を行うことができる。ユーザが振分けトレイ16から丁合セットSを取り出したことにより、振分けトレイ16が空になればセンサでこれを検知し、第5の光源55を消灯する。
また第5の光源55は、振分けトレイ16に丁合セットSが存在している間は常時点灯するのではなく、振分けトレイ16上に排出された丁合セットSが、予め定めた所定数に達した場合に点灯するようにしてもよい。このようにすれば、振分けトレイ16に排出された丁合セットSが予め決められた所定数に達したことをユーザはすぐに知ることができ、所定数分の丁合セットSをまとめて取り出すことができるので、振分けトレイ16から取り出す回数を減らし、作業を効率化することができる。さらにこの所定数を、満杯数よりも1〜2部少ない数としておけば、ユーザはこの点灯に応じて振分けトレイ16から丁合セットSを取り出すことにより、振分けトレイ16の収容力を最大限に生かして取出し回数を抑制させながら、かつ装置を満杯で停止させることなく、作業することができる。
なお、いずれかの給紙機構2,3でジャムまたは紙無しが発生した場合は、その他の給紙機構2,3から用紙を送り出して形成した丁合セットSを振分けトレイ16へ送り込み、装置が停止する。その場合は、該丁合セットSが振分けトレイ16に送り込まれたとき、あるいはその後に装置が停止した時に、第5の光源55を点灯させればよい。
また、第6の光源56を備えていた場合は、各給紙機構2の光源Rと同時ではなく、スタッカ14が満杯になった時に点灯するようにしてもよい。スタッカ14に蓄積された丁合セットSのスタックが所定の高さを超えた場合、不図示のセンサの光軸をふさぐことにより、満杯として検知され、装置が停止するようになっている。このとき、第6の光源56を点灯させる。ユーザはスタッカ14が満杯になったことを一目で認識できる。ユーザがスタッカ14から丁合セットSのスタックを取出したとき、あるいはその後再度装置をスタートさせたときに、第6の光源56を消灯させる。
スタッカ14の前記センサを、満杯よりも若干低めの位置に光軸を合わせておき、光軸をふさいでから予め定めた所定数の丁合セットSが排出されてから、満杯として装置を停止させるようにするとともに、光軸をふさいだ時点で第6の光源56を点灯させるようにしてもよい。このようにすれば、光源56の点灯により、ユーザはスタッカ14が満杯に近くなっていることを認識することができるので、光源56の点灯に応じてスタックを取り出すようにすれば、装置を停止させずに作業を継続することができるので、作業効率がアップする。満杯を検知するセンサと満杯が近いことを検知するセンサの両方を設けて、満杯が近いことを検知したときに光源56を点灯させてもよいことはいうまでもない。
この第1の例において、電源を投入したとき、すべての給紙機構2の光源Rが一斉に点灯するのではなく、下方から上方へ、あるいは上方から下方へ時間差をおいて順次点灯していくようにして、起動時の光のデザイン性を考慮してもよい。また、この第1の例において、給紙機構2の光源Rが同時に点灯または消灯するとき、折り給紙機構3の光源Rも同時に点灯または消灯するようにしてもよい。
続いて第2の例を説明する。第2の例は、異なる2個以上の給紙機構2同士をまとめて「連段グループ」として設定したとき、同一の連段グループとして設定されている給紙機構2のうち、給紙動作が行われていない給紙機構2について、光源を点灯させるものである。
図16はこの第2の例を示すフローチャートである。最初に装置の電源を投入し(S201)、操作者は操作パネル等で、給紙機構2a〜2tのうち、隣り合う任意の2個以上の給紙機構2の組み合わせを選択し、連段グループとして設定する。この例では、給紙機構2s、2tを連段グループに設定する(S202)。続いて、操作者は用紙を給紙機構2に積載して、図示していないが装置側面等に適宜設けられた操作パネルのテンキーでカウント数(作成したい丁合セットSの数値)を入力する(S203)。この時、同一の連段グループに属する給紙機構2s、2tには、同一の用紙を積載する。続いて操作者がスタートスイッチ(操作パネル等に配置)を押下する(S204)と、同一の連段グループに設定された給紙機構2のうち、1つの給紙機構2の給紙フラグを1とし、その他の給紙機構2の給紙フラグを0とする。この例では、給紙機構2s、2tが連段グループに設定されているので、そのうちの一つである給紙機構2sの給紙フラグを1とし、他方の給紙機構2tの給紙フラグを0とする(S205)。
続いて、連段グループのうち、給紙フラグが0の方すなわち給紙機構2tの光源Rが点灯する(S206)。さらにメインモータが起動して(S207)、CPUより給紙信号が発生すると、給紙機構2の給紙モータが所定時間だけ駆動されて、給紙ローラ22、補助給紙ローラ24が所定時間だけ回転駆動して、最上位の1枚が分離されて送り出される。この時、給紙フラグが0の給紙機構2では給紙が行われないため、給紙機構2tの送り出しは行われない(S208)。
続いて第1の例と同様に給紙エラーか否か判断(S209)し、Yであればエラー信号を発生して(S216)メインモータを停止(S217)、Nであればカウント数を1減算(S210)する。さらにカウント数がゼロであるか、あるいはストップスイッチが押されたか否かを判断(S211)し、Yであればメインモータ停止(S217)する。Nであれば、給紙機構2sの用紙有無検知センサD1の検知結果により、積載された用紙が無くなった給紙機構2が存在するか否かが判断される(S212)。存在しなかった場合は(S212のN)、S208に戻って次の用紙の送り出しを行う。存在した場合は(S212のY)、用紙が無くなった給紙機構2が連段グループに属しているか否かが判断される(S213)。連段グループに属していなければ(S213のN)、メインモータを停止させる(S217)。属していれば、用紙無しとなった給紙機構2の給紙フラグが1から0に変更し、変更した給紙機構2の光源Rが点灯する(S214)とともに、用紙無しとなった給紙機構2と同一の連段グループに属する他の給紙機構2のうちの1つの給紙フラグを0から1に変更し、変更した給紙機構2の光源Rを消灯する(S215)。その後S208に戻って次の用紙の送り出しを行う。各給紙機構2,3から送り出された用紙は縦搬送路7で互いに重ねられ、折り給紙機構3から送り出されて2つ折りされた用紙の内側に挿入される。こうして形成された丁合セットSは排紙搬送路12を経由して排出口13から排出され、スタッカ14に蓄積される。なお第1の例と同様に、重送、空送りエラーが発生した場合は、そのエラーを含む丁合セットSを振分けトレイ16へ送り込み、装置は停止させず、後続の丁合動作を継続させてもよい。
すなわち同一の連段グループに指定されている複数の給紙機構2のうち、常に給紙フラグが1になっている1つの給紙部のみから用紙を送り出し、その結果用紙が無くなった場合は、その給紙機構2の給紙フラグを0とする代わりに、同一の連段グループに属する他の給紙機構のうちの1つの給紙フラグを1にすることによって、自動的に用紙を送り出す給紙機構2を移行させる。
そして、第2の例によれば、連段グループに設定されている給紙機構2のうち、用紙の送り出しを行っていない給紙機構2の光源Rを点灯させることから、操作者は用紙の補給が必要な給紙機構2をすぐに特定することができるとともに、積載作業がしやすくなるというメリットがある。
続いて第3の例を説明する。第3の例は、所望の丁合セットSの全数であるカウント数(以下全カウント数という)の他に、丁合装置1が有する複数の給紙機構2のうちの任意の給紙機構2について、その給紙機構2固有の固有カウント数が設定可能なものである。固有カウント数は全カウント数よりも小さな数であって、固有カウント数が設定された給紙機構2では、固有カウント数分の丁合セットSが作成された時点で、以後の給紙が行われなくなる。全カウント数分の丁合セットSが出来上がるものの、そのうち、固有カウント数が設定された給紙機構2に積載された用紙は、そのうち固有カウント数分の丁合セットSにのみ入っていることになる。全配達戸数に満たない指定数だけ広告を混入させる場合に使用する機能である。
図17はこの第3の例を示すフローチャートである。最初に装置の電源を投入し(S301)、操作者は用紙を給紙機構2、3に積載して、図示していないが装置側面等に適宜設けられた操作パネルのテンキーで、全カウント数(作成したい丁合セットSの数値)を入力する(S302)。次に操作者は任意の給紙機構2を指定し、全カウント数よりも少ない固有カウント数を入力する(S303)。この例では、全カウント数が500であって、給紙機構2sに固有カウント数300を入力したとして説明する。続いて操作者がスタートスイッチ(操作パネル等に配置)を押下すると(S304)、メインモータが起動して(S305)、CPUより給紙信号が発生すると、給紙機構2,3の給紙モータが所定時間だけ駆動されて(S306)、給紙ローラ22、補助給紙ローラ24が所定時間だけ回転駆動して、最上位の1枚が分離されて送り出される。続いて第1の例と同様に給紙エラーか否か判断(S307)し、Yであればエラー信号を発生(S314)するとともにメインモータ停止(S315)、Nであれば全カウント数を1減算(S308)して499とする。
さらにカウントゼロあるいはストップスイッチが押されたか否かを判断(S309)し、Yであればメインモータ停止(S312)する。Nであれば、給紙機構2sの固有カウント数がゼロであるかを判断し(S310)、ゼロでなければ固有カウントを1減算し、300から299とする(S311)。その後固有カウント数が0となったか否かを判断する(S312)が、固有カウント数は299であって0ではないので、S312ではNとなり、S306に戻って、次の用紙の送り出しを行う。各給紙機構2,3から送り出された用紙は縦搬送路7で互いに重ねられ、折り給紙機構3から送り出されて2つ折りされた用紙の内側に挿入される。こうして形成された丁合セットSは排紙搬送路12を経由して排出口13から排出され、スタッカ14に蓄積される。なお第1の例と同様に、重送、空送りエラーが発生した場合は、そのエラーを含む丁合セットSを振分けトレイ16へ送り込み、装置は停止させず、後続の丁合動作を継続させてもよい。
こうしてS306〜S312を300回繰り返すと(すなわち丁合セットSが300セット作成されると、全カウント数が200、固有カウント数が0となる。するとS312においてYとなり、固有カウント数が設定された給紙機構2sを停止状態(「給紙しない」と設定された状態)とするとともに、給紙機構2sの光源Rを点灯させて(S313)から、S306に戻る。以後はS306では停止状態となっている給紙機構2sからの送り出しは行われずに、S306〜S310を繰り返して全カウント数がゼロになるまで丁合動作を継続する。この第3の例によれば、丁合動作1を継続しながら、固有カウント数を設定した給紙機構2の給紙動作が終了していることを、操作者は一目で確認することができ、その給紙機構2において、残りの用紙を取り除いたり、新たな別の用紙を積載したりする場合、操作が行いやすい。
第3の例において、固有カウント数を設定した給紙機構2においては、丁合スタート時点では送り出しは行わず、全カウント数から既に作成完了した丁合セットSの数を差し引いた残りの数が固有カウント数と一致した時点から、用紙の送り出しを開始してもよい。すなわち固有カウント数が設定された給紙機構2から送り出された用紙は、全カウント数分の丁合セットSを作成する作業の後半寄りに作成される丁合セットSに入ることになる。この場合は、固有カウント数が設定された給紙機構2では、丁合スタートしてから当該給紙機構2で送り出した開始されるまでの間は、当該給紙機構2の光源Rを点灯または点滅させておき、送り出し開始後は消灯させる。このようにすれば、固有カウント数が設定され、給紙が待機の状態であることを一目で視認できる。
第3の例において、固有カウント数を設定した給紙機構2においては、その設定された固有カウント数分の送り出しを、全カウント数の中で均等に割り振って送り出すようにしてもよい(以下、間引き給紙という)。例えば、全カウント数が1000の場合、固有カウント数を600と設定した給紙機構2においては、丁合セットSを5部作成するとき、そのうちの3部にのみ入るように間引いて送り出す。この場合、固有カウント数を設定した給紙機構2においては、丁合動作の間光源Rを点灯させておく。こうすることにより、どの給紙機構2において間引き給紙が行われているかを一目で視認できる。
また、固有カウント数に代えて、給紙機構2ごとに給紙率を設定可能とし、この給紙率に従って間引き給紙を行ってもよい。給紙率とは、(設定した給紙機構2から送り出される用紙を含む丁合セットSの数/全丁合セットSの数)である。例えば、全カウント数が1000の場合、給紙率を80%(あるいは4/5)と設定した給紙機構2からは、5部作成される丁合セットSのうち4部にのみ入るように間引き給紙する。この場合も、給紙率を設定した給紙機構2においては、丁合動作の間光源Rを点灯させておく。こうすることにより、どの給紙機構2において間引き給紙が行われているかを一目で視認できる。
あるいは、間引き給紙を行っている給紙機構2については、給紙動作を行ったときだけ光源Rを所定時間点灯させるようにしてもよい。こうすることにより、どの給紙機構2において間引き給紙が行われているかに加え、その給紙の頻度についても一目で視認できる。
続いて第4の例を説明する。第4の例は、給紙エラーが生じた場合に、そのエラーが発生した給紙機構2,3の光源Rを点灯するものである。
図18はこの第4の例を示すフローチャートである。最初に装置の電源を投入し(S401)、操作者は用紙を給紙機構2,3に積載して、図示していないが装置側面等に適宜設けられた操作パネルのテンキーで、カウント数(作成したい丁合セットSの数値)を入力する(S402)。続いて操作者がスタートスイッチ(操作パネル等に配置)を押下すると(S403)、メインモータが起動して(S404)、CPUより給紙信号が発生すると、給紙機構2,3の給紙モータが所定時間だけ駆動され(S405)、給紙ローラ22、補助給紙ローラ24が所定時間だけ回転駆動して、最上位の1枚が分離されて送り出される。続いて給紙エラーか否か判断(S406)される。給紙エラーの検知は第1の例に記載した方法と同様に、重送、空送り、紙詰まりのいずれかかが検知される。いずれかの給紙機構2,3で給紙エラーが検知された場合(S406のY)、エラーの種類に応じたエラー信号を発生させる(S409)とともに、給紙エラーが検知された給紙機構2,3の光源Rを点灯させ(S410)、メインモータを停止させる(S411)。給紙エラーが検知されなければ(S406のN)、カウント数がゼロであるか否か、積載されている用紙がなくなった給紙機構2,3が発生したか否か、操作者がストップスイッチを押下したか否か、が判断される(S408)。いずれかがYであれば、メインモータを停止させる(S411)。いずれもNであれば、S405へ戻って次の用紙の送り出しを行う。
この第4の例によれば、給紙エラーまたは紙無しの給紙機構2,3がどこであるか一目で判断することができ、加えて特に紙無しや紙詰まりの場合は、第2の光源52によって用紙の搬送路が明るく照らし出されているので、詰まった用紙の取り除きや新たな用紙の積載がしやすくなるというメリットがある。
なお第1の例と同様に、重送、空送りエラーが発生した場合は、そのエラーを含む丁合セットSを振分けトレイ16へ送り込み、装置は停止させず、後続の丁合動作を継続させてもよい。その場合は、丁合セットSを振分けトレイ16へ送り込むたびに、送り込んだ丁合セットSについて、どの給紙機構2,3でどの種類のエラーが発生したのか、の情報(以下、エラー情報という)をCPUに記憶させ、ユーザが振分けトレイ16から丁合セットSを取り出したときに、取り出した丁合セットSについて記憶されているエラー情報に基づいて、エラーが発生したすべての給紙機構2,3の光源Rを点灯させてもよい。それと同時に、エラー情報の詳細を操作パネル等の表示手段に表示してもよい。また、表示手段にタッチパネルを使用して、取り出した丁合セットSをパネル上で個別に指定可能とし、ユーザがパネル上で丁合セットSを指定すると、指定された丁合セットSについてエラーが発生した給紙機構2,3の光源Rを点灯させてもよい。例えば、振分けトレイ16に積載された順序そのままにタッチパネルに欄を表示して、丁合セットSを指定できるようにすればよい。
また、最上位のあるいは最下位の給紙機構2,3から順々に、点灯箇所が移動して、エラーの発生した給紙機構2,3に到達するようにしてもよい。例えば最上位から6段目の給紙機構2pでエラーが発生した際、最上位の給紙機構2kの光源Rを点灯させ、続いて給紙機構2kの光源Rを消灯させるとともに、最上位から2段目の給紙機構2lの光源Rを点灯させる。これを繰り返して点灯部位を順次下方に転移させる。エラーの発生した給紙機構2pに点灯部位が達したら、それよりも下位へ転移することはなく、給紙機構2pの光源Rが点灯したままとなる。見かけ上光が移動してエラー部位に至るように見えるため、ユーザに対してよりわかりやすくエラー発生を報知することができる。
また、発生したエラー信号によって特定したエラーの種類によって、点灯の仕方を変えてもよい。例えば、重送または空送りエラーの場合は、第1の光源51と第3の光源53のみ点灯させ、紙詰まりの場合のみ、第2の光源52を含めてすべて点灯する。エラーが発生したのがどの給紙機構2,3であるか、ということはエラーの種類を問わずに知る必要があるが、給紙機構2,3内部での作業が必要になるのは紙詰まりの場合のみであるからである。もちろんこれに加え、紙無しの場合も第2の光源52を含めて点灯させ、積載がしやすいようにしてもよい。
あるいは、エラーの種類がすべて区別できるように、点灯場所を変えるようにしてもよい。例えば、重送の場合は第1の光源51に加えて第2の光源52のうちの左側の2つ(52a、52b)を点灯、空送りの場合は第1の光源51に加えて第2の光源52のうちの右側の2つ(52c、52d)を点灯、ジャムの場合は第1の光源51と、すべての第2の光源52を点灯、空送りの場合は第1の光源51のみを点灯、のように、エラーの種類によって第1の光源51、複数の第2の光源52の点灯と消灯のパターンを変える。そうすれば、点灯箇所を視認することによって、発生したエラーの種類を特定できる。第3の光源53(あるいは第4の光源54)をも組み合わせてもよいことはもちろんである。エラーの種類によって組合せが違ってさえいれば、エラー種類の特定は可能であるが、そのエラーの対処に必要な作業がしやすいように点灯させることが望ましい。従って、ジャムエラーの場合は、詰まった紙の取出しがしやすいように、できる限り多くの光源を点灯させるのが良い。空送りの場合は、給紙機構2,3の調整等は不要であるため、発生個所が視認できる程度の光源だけ点灯させれば良い。
また図19に示すように、第1の光源51に加えて、より給紙方向下流側を照射する第7の光源57を設け、ジャムエラーの場合に点灯させるようにしてもよい。この第7の光源により、明かりが届きにくい給紙経路の奥の方において、詰まった用紙の取り除きがしやすくなる。
また給紙機構2,3は表面状態の異なる様々な用紙に対応するため、給紙圧、サバキ圧が調整できるようになっている。具体的には、補助給紙ローラ軸32の外周面に図示しないブレーキシューを圧接させ、この圧接力を図示しない給紙圧調整ツマミを回すことによって調整できるようになっている。この圧接力が強くなると、給紙軸27を回転駆動させたときの給紙ローラ22の回転抵抗が大きくなるため、ローラ支持部材31全体に係るモーメントが増加し、すなわち補助給紙ローラ24が用紙束上面を押圧する力である給紙圧が増加する。また、調整部材29を移動させることによりサバキ圧が調整可能であり、図示しないサバキ圧調整ツマミを回すことによって、調整部材29を移動させ、サバキ圧を調整する機構を備えている。
重送や空送りエラーが発生した場合は、その後のエラー発生を防ぐために、サバキ圧の調整が必要になることがあるため、給紙ローラ22とサバキ板23の接触部を照射する光源を別途設け、これを点灯させてもよい。
また前記した変形例10を採用し、すなわち光源の照射角度をステッピングモータ等の駆動手段で変更可能として、エラーの種類に応じて、照射角度を変更するようにしてもよい。例えばジャムエラーの場合はより奥の方を照射するように、光源を給紙方向下流側に指向させる。重送や空送りの場合は、サバキ圧の調整がしやすいように、給紙ローラ22とサバキ板23の接触部に光源を指向させる。
また、給紙圧調整ツマミ、サバキ圧調整ツマミを照射する光源を各給紙機構2,3に設け、重送や空送りが発生したときには、このツマミを照射するようにしてもよい。また、各ツマミの内部に光源を設けてツマミを透明、あるいは半透明材料で構成し、重送や空送りが発生した場合に、ツマミの内側の光源を点灯させてもよい。そうすると、ツマミ操作により今後の発生を防ぐことができる可能性があるエラーであることが一目で認識できる。
また、エラーの種類によって、ツマミの回すべき方向を表示できるようにしてもよい。このようなツマミの例を図20に示す。ツマミ41は、手でつまんで回すホイール部41aと、指針部41bから成り、その外周の外側に、目盛が環状に刻印された目盛板42が設けられ、指針部41bを各目盛に合わせるように、ホイール部41aを回して調整する。そのさらに外側に、左矢印43aと、右矢印43bとが配置されており、この矢印の内部側に各々少なくとも1つの光源が設けられていて、これらの光源が点灯することにより、矢印が光っているようにユーザが認識することができる。
このツマミ41をサバキ圧調整ツマミとして適用した場合は、左矢印43aの方向に回すことによって調整部材29が図4に示す左側に移動する。すると球体29aとともにサバキ板23を押し上げるので、サバキ圧は増加する。右矢印43bの方向に回すと、調整部材29は図4に示す右側へ移動する。すると球体29bとともにサバキ板23は下降するので、サバキ圧は減少する。給紙ローラ22とサバキ板23の間に用紙が2枚以上送られると、2枚目以下の用紙がサバキ板23との摩擦力により前進を阻止されるので、最上位の1枚のみが送られる。
重送が発生した場合はこの摩擦力が小さいことが考えられるので、これを大きくするように調整する、すなわち左矢印43aの方向にツマミを回し、サバキ圧を増加させると、以降の重送発生の可能性を減らすことができる。空送りが発生した場合は摩擦力が大きすぎて、最上位の1枚目さえも給紙ローラ22とサバキ板23との間を通過できないことが考えられる。したがって、摩擦力を小さくするように調整する、すなわち右矢印43bの方向にツマミを回し、サバキ圧を減少させると、以降の空送り発生の可能性を減らすことができる。従って重送が発生したときは、左矢印43aの内部に設けられた光源を点灯させ、空送りが発生したときは右矢印43bの内部に設けられた光源を点灯させることによって、ユーザに対し、以後の同一エラーの発生を抑制するための調整を促すことができる。
ツマミ41を給紙圧調整ツマミとして適用した場合は、左矢印43aの方向に回すことによって、補助給紙ローラ軸32に対するブレーキシューのブレーキ圧が強くなるので、給紙圧が増加する。右矢印43bの方向に回すと、補助給紙ローラ軸32に対するブレーキシューのブレーキ圧が弱くなるので、給紙圧が減少する。給紙圧は補助給紙ローラ24によって最上位の用紙を給紙ローラ22とサバキ圧23との間に送り込む力である。重送が発生した場合はこの送り込み力が強すぎて、2枚目以降の用紙がサバキ板23で前進を阻止できていないことが考えられ、空送りが発生した場合はこの送り込み力が弱すぎて、最上位用紙が給紙ローラ22に達していないことが考えられる。
従って重送が発生した場合は給紙圧を小さくするように、右矢印43bの方向にツマミを回す。空送りが発生した場合は給紙圧を大きくするように、左矢印43aの方向にツマミを回す。従って重送が発生したときは、右矢印43bの内部に設けられた光源を点灯させ、空送りが発生したときは左矢印43aの内部に設けられた光源を点灯させることによって、ユーザに対し、以後の同一エラーの発生を抑制するための調整を促すことができる。
第1の光源51に複数の色の異なるLEDを設け、エラーの種類によって、異なる色のLEDを点灯させるようにしてもよい。操作者はこれを反射するレバー34等の反射部材の色を視認して、エラーの種類を一目で判断することができる。
続いて第5の例を説明する。第5の例は、積載された用紙の給紙が進行し、用紙が残り少なくなった場合に、その給紙機構2,3の光源が点灯するというものである。
図21は、給紙機構2,3に積載された用紙が残り少なくなったとき、これを検知するニアエンプティ検知手段を示す図である。ローラ支持部材31の給紙方向下流側上方に、被検知部材31bが設けられており、その上方にニアエンプティ検知センサD4が設けられている。ニアエンプティ検知センサD4は反射型センサである。図21(a)に示すように、用紙が多量に積載されている場合には、ローラ支持部材31が持ち上がっているので、被検知部材31bがニアエンプティ検知センサD4に検知されている。図21(b)に示すように、用紙が残り少なくなった場合には、ローラ支持部材31の傾斜が緩くなるので、被検知部材31がニアエンプティ検知センサD4の検知範囲から外れる。ニアエンプティ検知センサD4はこれを検知してニアエンプティ信号を発生させる。
図22はこの第5の例を示すフローチャートである。最初に装置の電源を投入し(S501)、操作者は用紙を給紙機構2,3に積載して、図示していないが装置側面等に適宜設けられた操作パネルのテンキーで、カウント数(作成したい丁合セットSの数値)を入力する(S502)。続いて操作者がスタートスイッチ(操作パネル等に配置)を押下すると(S503)、メインモータが起動して(S504)、CPUより給紙信号が発生すると、給紙機構2,3の給紙モータが所定時間だけ駆動されて(S505)、給紙ローラ22、補助給紙ローラ24が所定時間だけ回転駆動して、最上位の1枚が分離されて送り出される。続いて給紙エラーか否か判断(S506)され、給紙エラーであれば(S506のY)、エラー信号を発生させ(S512)、メインモータを停止させる(S513)。給紙エラーが検知されなければ(S506のN)、カウント数を1減じ(S507)、いずれかの給紙機構2,3において紙無し信号が出ているかどうか、あるいはカウント数がゼロになったか、ストップスイッチが押されたか否かが判断され(S508)、紙無し信号が出ていた場合、カウント数がゼロ、ストップスイッチ押下のいずれかであった場合(S508のY)はメインモータを停止させる(S513)。そうでなければ(S508のN)ニアエンプティ検知センサD4の検知結果を参照し、いずれかの給紙機構2,3でニアエンプティが検知された状態であるか否かを判断する(S509)。
いずれかの給紙機構2,3でニアエンプティが検知された状態であった場合には(S509のY)、該当する給紙機構2,3の光源が消灯であればこれを点灯してから(S511)、S505に戻る。ニアエンプティ状態の給紙機構2,3が無い場合(S509のN)、光源が点灯している給紙機構2,3が存在する場合は、これを消灯してから(S510)、S505に戻って次の用紙の送り出しを行う。各給紙機構2,3から送り出された用紙は縦搬送路7で互いに重ねられ、折り給紙機構3から送り出されて2つ折りされた用紙の内側に挿入される。こうして形成された丁合セットSは排紙搬送路12を経由して排出口13から排出され、スタッカ14に蓄積される。なお第1の例と同様に、重送、空送りエラーが発生した場合は、そのエラーを含む丁合セットSを振分けトレイ16へ送り込み、装置は停止させず、後続の丁合動作を継続させてもよい。
本発明の給紙機構2,3は、既に積載された用紙束の給紙方向上流側の端を持ち上げて、その下に新しい用紙を積載することによって、丁合装置1を停止させずに用紙を補給することができる。ニアエンプティが検知された場合、この補給を早急に行わなければ、紙無しとなって丁合装置1がいったん停止するため、作業効率が落ちる。この第5の例によれば、ニアエンプティが検知された給紙機構2,3の光源が点灯するので、用紙補給が必要な給紙機構2,3が一目でわかるため、作業の効率化に寄与する。また、S510の処理によって、用紙の補給後はその棚の光源を再び消灯させることができる。
続いて第6の例を説明する。第6の例は、テスト給紙を行った場合に、そのテスト給紙を行っている給紙機構の光源が点灯するというものである。本発明の給紙機構は、通常の給紙動作を行うスタート、ストップボタンの他に、テスト給紙ボタンを有する。このテスト給紙ボタンは、操作者が押している間だけ給紙機構が用紙の分離給送を繰りかえすというものである。操作者がテスト給紙ボタンから手を離すと、その時点で分離給送中であった用紙を送り出して、装置が停止する。また、この給紙機構を複数重ねて設けた丁合装置も本発明である。丁合装置においては、複数設けられた給紙機構2,3の各々に、テスト給紙ボタンが設けられている。このテスト給紙ボタンは、各々の給紙機構2,3に隣接して設けてもよいし、操作パネル等に給紙機構2,3の数分まとめて設けてもよく、あるいは給紙動作をさせる給紙機構2,3を操作パネルで予め選択し、選択した給紙機構のみを1つのテスト給紙ボタンで動作させてもよい。
用紙を積載した後、このテスト給紙を押すことによって給紙動作を行わせる。テスト給紙で給紙エラーが発生した場合は、給紙圧、サバキ圧等の給紙条件を変更し、再びテスト給紙ボタンを押し、給紙エラーが発生せず安定して分離給送できることを確認して、調整を完了させる。すなわちこのテスト給紙ボタンは、様々な紙質に合わせて最適な給紙圧、サバキ圧に調整するために、簡単な操作で試し用給紙動作を行わせることができるものである。丁合装置に設けられた場合は、テスト給紙ボタンが押された給紙機構2,3のみで給紙動作が行われ、給紙された用紙は横搬送路6、縦搬送路7を経由して、スタッカ14に排出される。
図23はこの第6の例を示すフローチャートである。図23は本発明に係る丁合装置1の給紙機構2aにおいてテスト給紙を行った場合を示しているが、他の給紙機構2,3であっても同様である。最初に装置の電源を投入し(S601)、操作者は用紙を給紙機構2,3に積載する(S602)。続いて操作者は給紙機構2aに併設されたテスト給紙ボタンを押すと(S603)、給紙機構2aの光源Rが点灯して(S604)メインモータが回転開始する(S605)。操作者はそのままテスト給紙ボタンを押し続けると、CPUより給紙機構2aのみに対し給紙信号を送り、給紙機構2aのみ給紙ローラ22、補助給紙ローラ24が所定時間だけ回転駆動して、最上位の1枚が分離されて送り出される(S606)。続いて給紙エラーか否か判断(S607)され、給紙エラーであれば(S607のY)、エラー信号を発生させ(S610)、給紙機構2aの光源Rを消灯させる(S611)とともに、メインモータを停止させる(S612)。給紙エラーが検知されなければ(S607のN)、操作者がテスト給紙ボタンから手を離したか否かが判断され(S608)、手を離したと判断されれば(S608のY)、その時点で送り出し中であった用紙の送り出しを完了させて(S609)、給紙機構2aの光源Rを消灯させる(S611)とともに、メインモータを停止させる(S612)。給紙機構2,3が複数設けられた丁合装置の場合は、このテスト給紙動作を給紙機構2,3一つ一つにおいて行いながら調整を行う。その調整後、丁合作業に入ることになる。
この第6の例によれば、操作者がテスト給紙ボタンを押すと、給紙機構2,3が給紙動作を開始するとともに光源Rが点灯し、テスト給紙ボタンから手を離すと、給紙動作が停止するとともに、光源Rが消灯することとなる。テスト給紙は実際に給紙を行わせて、その動作が安定するまで給紙圧、サバキ圧の調整を行うためのものであるから、テスト給紙動作中の分離給送が安定しているか否かを常時観察する必要があり、この第6の例ではその際に分離給送部分を光源Rが照射するから、調整中の観察が行いやすい給紙装置を得ることができる。また、テスト給紙中にエラーが発生した場合は、これに応じて給紙圧またはサバキ圧を調整し、再度テスト給紙を行うことになる。そこで、エラーで停止した場合は消灯せず、操作者が手を離してテスト給紙が停止した場合のみ消灯するようにしてもよい。また、テスト給紙完了後すぐではなく、所定時間後に消灯するようにしてもよい。
続いて第7の例を説明する。第7の例は、各給紙機構2に係る設定をユーザが行っているときに、その設定対象の給紙機構2の光源Rが点灯または消灯することにより、設定対象がどの給紙機構であるのか、ユーザが一目でわかるというものである。以下、具体的な設定例を挙げる。
本発明の丁合装置1においては、各給紙機構2を使用するか否かを設定できるようになっている。装置をスタートさせたとき、使用しないと設定されている給紙機構2は動作せず、したがって用紙が積載されていたとしても、その用紙を送り出さない。また、その給紙機構2を前記第2の例で述べた連段グループの一部とするか否かをも設定することができる。
図24はこれらの設定を行うための表示パネル70の表示を示す図である。この表示パネル70は丁合装置1の適宜の位置に取り付けられたタッチパネルである。図24において、画面の左寄りが各給紙機構2に対する設定を行う部分であり、給紙機構表示部73に、各給紙機構2が番号で示されており、その下方に折り給紙機構3を示す「折」が表示されている。この給紙機構表示部73の両サイドに、給紙機構設定部72が設けられ、給紙機構ごとに分割されたタッチ領域が表示されている。給紙機構表示部73に表示された番号の1乃至10が、図1における給紙機構2a乃至2jを示し、11乃至20が、給紙機構2k乃至2tを示す。
給紙機構設定部72の各タッチ領域をタッチすることにより、各給紙機構2の使用不使用設定、連段グループ設定を行うことができる。タッチ領域に表示されている文字「停」は、その領域に隣接する給紙機構標示部73に表示された給紙機構2が、不使用に設定されていることを意味する。「単」は、使用はするが、連段グループには属さない単体使用の給紙機構2として設定されていることを意味する。「連」は、使用する、且つ連段グループに属していることを示す。「連」は連段グループの最上位の給紙機構2のタッチ領域にのみ表示され、それよりも下位の無地の領域は、最上位の「連」と同一の連段グループに属していることを意味する。図24においては、番号が1乃至3と表示されている給紙機構(給紙機構2a、2b、2c)と、8乃至10と表示されている給紙機構(給紙機構2h、2i、2j)と、13,14と表示されている給紙機構(給紙機構2m、2n)が、連段グループとして設定されていることを示す。番号16乃至20と表示されている給紙機構(給紙機構2p、2q、2r、2s、2t)は「停」すなわち不使用とされており、その他の給紙機構2は単体で使用されるように設定されている。
以下、タッチした給紙機構設定部72のタッチ領域に隣接する給紙機構2を、「タッチした給紙機構2」と呼ぶこととする。丁合装置1の電源を投入すると、すべての給紙機構2の光源Rが点灯するとともに、表示パネル70のすべてのタッチ領域に「単」が表示される。そのタッチ領域のいずれかに1回タッチすると、タッチした領域は無地に変わり、その1段上にあるタッチ領域の表示が「連」に変わる。この時、タッチした給紙機構2の光源Rと、その1段上の給紙機構2の光源Rが1秒間だけ消灯して再点灯する。この操作により、タッチした給紙機構2と、その1段上にある給紙機構2とが、連段グループに設定されるとともに、ユーザはその連段グループとされた給紙機構2の光源Rが1秒間消灯するのを視認することにより、一目でどの給紙機構2が連段グループとなったのかを、視認することができる。
連段グループの一部となって無地となったタッチ領域にさらにもう1回タッチすると、タッチした領域の表示は「停」に変わり、その1段上のタッチ領域の表示は「連」から「単」に戻る。このとき、タッチした給紙機構2の光源Rが消灯する。この操作により、タッチした給紙機構2を含む連段グループが解除されるとともに、タッチした給紙機構2が不使用に設定されたこととなる。さらに「停」と表示されたタッチ領域をタッチすると、表示は「単」に戻り、タッチした給紙機構2の光源Rが点灯する。ユーザは該当する給紙機構2が消灯したのを視認することにより、その給紙機構2が不使用に設定されたことが一目で確認でき、また、点灯したのを視認して単体使用に設定されたことが一目で確認できる。
また、本発明の丁合装置1は、前記第3の例で述べた固有カウント数の設定を行うことができる。給紙機構選択部71は、この固有カウント数の設定対象とする給紙機構2を選択するための選択ボタンが表示され、各々のボタンをタッチすることにより、そのボタンに対して給紙機構設定部72のタッチ領域を挟んで隣接する給紙機構2が選択される。この選択を行うと、選択した給紙機構2を残して、他の給紙機構2の光源Rが消灯する。すなわち選択した給紙機構2のみが点灯状態で残るため、どの給紙機構2を選択したのか一目で視認できる。
選択した給紙機構2の固有カウント数の設定は、固有カウント数設定部75において操作する。給紙機構2を選択すると、選択された給紙機構2の番号が、選択給紙機構表示部76に表示される。全カウント数表示部77には、予め入力設定された全カウント数が表示されている。その状態で全カウント数よりも少ない固有カウント数をテンキー74を使って入力すると、固有カウント数表示部78に入力した数値が表示される。その状態でセットキー80にタッチすると、固有カウント数として入力が完了する。この入力完了時に、消灯していた他の給紙機構2,3の光源Rが全て点灯する。この後装置をスタートさせると、この固有カウント数を設定した給紙機構2においては、設定した固有カウント数分の給紙が完了すると給紙が停止し、その他の給紙機構2,3においては、全カウント数分の給紙が完了するまで丁合動作を継続することは前記第3の例において述べた通りである。
なお、この固有カウント数に代えて、給紙率を設定することも可能である。給紙率を設定する場合は、予め固有カウント数設定部75の割合キー79にタッチしておく。そして、「30%」「1/3」等の「給紙率」をテンキー74で設定する。この後丁合装置をスタートさせると、「給紙率」を設定した給紙機構2に積載された用紙は、全カウント数に「給紙率」を掛けた部数のみが、均等に間引かれて給紙される。例えば「1/3」と設定されている給紙機構2に積載された用紙は、3回の丁合動作のうち1回のみ給紙が行われる。この設定時にも同様に、給紙機構2が選択されると、その給紙機構2を残して他の給紙機構2,3の光源Rが消灯し、設定が完了すると点灯する。
なお、この点灯形態に限らず、選択した給紙機構2の光源Rを点滅させ、その他の給紙機構2,3は点灯させたままとしてもよいし、選択前はすべての給紙機構2,3が消灯状態で、選択した給紙機構2のみが点灯するようにしてもよい。要するに、選択した給紙機構2が、その他の給紙機構2,3に対し、光源Rの点灯状態が異なっていればよい。
また、表示パネル70とは異なる画面で、各給紙機構2に対して、各種センサの使用不使用設定が可能である。その設定画面が表示されている間は、センサを使用すると設定した給紙機構2の光源Rを点灯させ、不使用と設定された給紙機構2の光源Rを消灯させてもよい。また、給紙機構2を選択して、各種センサの感度を設定することもできる。この場合も設定対象とした給紙機構2のみ点灯させるなどして、その他の給紙機構2,3と点灯状態が異なるようにしてもよい。
さらに、縦搬送路7にも複数の縦搬送紙詰まりセンサ(不図示)が設けられている。この縦搬送紙詰まりセンサは、各給紙機構2から送られた用紙が合流した直後に各々設けられ、すなわち各給紙機構2の縦方向の段数分(図1においては10段分)の数が配置されている。このセンサのいずれかが、用紙を検知したままとなった場合は、その位置で用紙が詰まって滞留したと判断し、縦搬送紙詰まり信号を出して装置を停止させる。このセンサの使用不使用設定が可能であり、不使用設定された場合はセンサから信号を発生しないか、あるいはその信号を無効にする。その使用不使用設定画面が表示されている間、使用と設定されたセンサの両側に位置する給紙機構2の光源Rを点灯させ、不使用と設定されたセンサの両側に位置する給紙機構2の光源Rを消灯させる。こうすることにより、縦搬送路7の各々のセンサの設定状態を、一目で認識することができる。
上記した各光源の形態や配置の例、及びその変形例1乃至10、光源の点灯の形態の第1ないし第7の例は、一実施形態であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素の組み合わせもまた、本発明の実施形態として有効である。例えば第1の例と第5の例を組み合わせ、装置が停止状態である時には常時全段点灯させるとともに、装置稼働中は、ニアエンプティが検知された給紙機構2,3のみ、点灯するようにしてもよい。また、第2ないし第6の例をすべて組合せ、連段給紙部組のうち停止している給紙機構2、固有カウント数分の給紙が完了した給紙機構2、給紙エラーが発生した給紙機構2、紙無しの給紙機構2、ニアエンプティ検知した給紙機構2,3、テスト給紙中の給紙機構2,3をすべて点灯としてもよい。またこのとき、点灯の理由によって、点灯する光源を変えたり、色、点灯方法(点滅等)を変えるようにしてもよい。
また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
各々の光源について、光量の調整を可能としてもよい。調整は、各光源ごとに個別でも良いし、第1乃至第6の光源の各々個別でもよく、すべての光源を一斉に調整できるようにしてもよい。
本発明の丁合装置1は図1に示すように、中央の縦搬送路7を挟んで、左側に給紙機構2a〜2j(以下、左側の給紙機構2という)、右側に給紙機構2k〜2s(以下、右側の給紙機構2という)が設けられている。この左側の給紙機構2と、右側の給紙機構2とを、各々一斉に光量調整可能としてもよい(変形例11)。丁合装置1が使用される周囲の環境は様々であり、周囲の明るさも様々である。周囲が明るい環境では、光源も明るくしなければ、光源が点灯していることが視認しづらくなる。周囲が暗い環境では、光源が明るすぎると、操作者の目の負担になる可能性がある。したがって、周囲の環境によって適切な明るさが選択できるとよい。
各光源ごと、あるいは各給紙機構2ごとに調整が可能であってもよいが、調整に手間がかかる。しかし同じ側を向いている給紙機構2であれば、周囲の明るさもほぼ同じであると考えられる。一方で、左側と右側とでは、例えばどちらか一方が室内照明や窓に近い方が明るいというケースが考えられる。この変形例11によれば、左側の給紙機構2と、右側の給紙機構2とを分けて、各々一斉に光量調整可能としたので、周囲の環境に合わせた調整が、手間を掛けずに可能である。尚折り給紙機構3の光源Rは給紙機構2とは別に調整可能としてもよいが、折り給紙機構3は左側にあるので、左側の給紙機構2とともに調整可能としても良い。調整は、操作パネルに調整画面を表示させ、タッチ操作によって調整する。
なお、下方の給紙機構2よりも上方の給紙機構2の方が室内照明に近いため、周囲が明るいというケースも考えられる。したがって、例えば左側、右側の給紙機構2をさらに上5段と下5段に分け、合計4グループが各々一斉に調整できるようにしてもよい。その分割数を、操作パネル等で設定できるようにしてもよい。
また、周囲の明るさを検知する光量センサを設け、検知した周囲の光量が大きければ各光源の発光量も大きく、周囲の光量が小さければ光源の発光量も小さくなるように、自動調整を行ってもよい。光量センサは、図1に示す装置左側と右側に1つずつ設け、左側のセンサの検知結果を左側の給紙機構2の光源Rに、右側のセンサの検知結果を右側の給紙機構2の光源Rに、各々反映させればよい。あるいは光量センサを左右各々複数ずつ設け、各々の検知結果をもとに、その光量センサの付近に配置された給紙機構2の光源Rの発光量調整を行ってもよい。
上記した各形態において、点灯中の光源Rをスイッチ等で消灯可能としてもよい(変形例12)。スイッチは給紙機構2,3の近傍に設け、操作者が作業中に、光源の光が眩しいと感じた時に、消灯できるようにするとよい。また、点灯したままで所定時間経過したら、自動的に消灯するようにしてもよい。丁合装置1は所定時間何ら操作が行われない場合省電力モードに入る。省電力モードにおいては、操作パネルのバックライト、センサの発光素子の発光がオフとなる。この省電力モードに入った時に、各光源を消灯させてもよい。
本発明の丁合装置1は、各給紙機構2に用紙有無検知センサD1が設けられており、給紙機構2に積載された用紙がすべて送り出され、給紙板21上に用紙が無くなった場合にこれを検知し、紙無しとして認識して装置を停止させる。操作者は検知された給紙機構2に用紙を追加して再度スタートさせる。しかし、追加するべき用紙が無くなっている場合等、紙無しになったときにその給紙機構2のみ停止させ、その他の給紙機構2から用紙を取り出して丁合を継続することがある。特に新聞広告を丁合する場合は、必ずしもすべての広告が配達部数分用意されているわけではないからである。したがって、丁合装置1は、紙無しになった時にはその給紙機構2のみを停止させ、その他の給紙機構2は連続的に用紙の送り出しを継続する「紙無し非停止モード」という設定が、給紙機構2全体に対して可能になっている。この紙無し非停止モードでの丁合中に、紙がなくなって送り出しを止めた給紙機構2の光源Rを点灯すれば、どの給紙機構2の送り出しが止まっているのかを、一目で把握することができる(変形例13)。
さらに、紙無し非停止を給紙機構2ごとに設定できるようにしてもよい。たとえば給紙機構2aのみ紙無し非停止に設定すると、給紙機構2aにおいて給紙板21上の用紙がすべて送り出され、紙無し状態となっても、その他の給紙機構2,3からの送り出しが継続し、丁合が行われる。この場合は、丁合動作をスタートしたときに、紙無し非停止に設定されている給紙機構2のみ点滅させておき、当該給紙機構2が紙無しになった後は点灯に変わるようにしておけば、紙無し非停止に設定されている給紙機構2がどれであるのか、及びその給紙機構2が紙無しとなる前であるのか、既に紙無しになっているのか、が一目で把握できる。
また、丁合動作中に、任意の給紙機構2を紙無し非停止に設定可能として、追加積載すべき用紙が無くなったときに設定するようにしてもよい。この場合は、設定した時点から、設定した給紙機構2の光源Rを点灯させ、さらに紙無しになった後は点灯させるようにしてもよい。
各給紙機構2がユニット化され、丁合装置1本体に対して着脱可能であり、その装着時に光源を点灯させてもよい(変形例14)。図25(a)はユニット化された給紙機構2が丁合装置1から取り外された状態を示す図である。丁合装置1には取付部1aが形成され、ここに給紙機構2が矢印方向に挿入して装着される。図25(b)は挿入された状態を示す図である。この挿入時に、本体CPUと給紙機構2内の制御部、各種アクチェータとの電気的な連結を行うコネクタが接続される。このコネクタが接続されたときに、光源Rを所定時間(例えば1秒間)点灯させる。このようにすれば、給紙機構2が丁合装置1に確実に装着されたことがわかりやすく視認できる。
なお新聞販売店は、配達地域を複数の地区に分けて各々の配達戸数を管理していることが多く、したがって丁合装置1には、複数地区のについて各々カウント数が予約入力できるようになっている。例えばA地区に500部、B地区に700部、C地区に400部配達する場合は、A、B,C各々の地区に対して各々カウント数500,700,400が入力、記憶可能になっている。丁合装置1をスタートさせると、まずA地区の500部の丁合セットSを作成する。作成完了するといったん装置は停止し。次のB地区のカウント数700が自動的に出力され、B地区の丁合作業の準備状態とする。その状態でスタートさせるとB地区の700部の丁合セットSの作成が開始される。
この場合に、装置が停止した時、すべての地区の丁合が完了したのか、未完了の地区が残った状態であるのかを、一目で区別できるように光源Rを点灯または消灯させてもよい(変形例15)。例えば前記第1の例においては、装置の停止に応じてすべての給紙機構2,3の光源Rを点灯させる際に、未完了の地区が残っている場合は1回点滅してから点灯し、全地区が完了した場合は2回点滅してから点灯させる。または、未完の場合は全給紙機構2,3が同時に点灯し、全完了の場合は下方の給紙機構2,3から上方へ順々に点灯させるようにしてもよい。
また、A地区終了後、各給紙機構2,3の給紙モータは停止しているが、各搬送機構の駆動源であるメインモータは回転したままの状態(以下、アイドリングという)となり、所定時間経過後に自動的に次地区の丁合が開始されるようにしてもよい。この場合も、未完地区が残っていてアイドリングに入る場合と、全地区が完了して装置が停止する場合とで、点灯または点滅状態が異なるようにしても良い。
丁合装置1に対する設定内容をパーソナルコンピュータ(以下PCという)上においてアプリケーションソフトウェアを使用して作成し、これを丁合装置1に有線又は無線で転送可能とし、この転送されたときに光源を所定時間(例えば1秒間)点灯させてもよい(変形例16)。図26は転送するデータの一例を示したものである。図26は、各給紙機構2における「連」「単」「停」の設定と、給紙率設定により間引き給紙設定を、配達地区別に一覧表示したもので、PCの表計算アプリケーションで作成されるものである。横軸に地区(1地区乃至6地区)を示し、縦軸に給紙機構2(1段目乃至10段目)を示す。この1段目乃至10段目は、図1における左側の給紙機構2a乃至2jに相当する。この表の他に、右側の給紙機構2k乃至2sの設定を行う表が存在する。
図26では、1段目と2段目の給紙機構2a、2bにおいては、1,4,5,6地区において連段設定され、2,3地区においては使用しない(停)と設定されている。3段目の給紙機構2cにおいては、3地区では使用しないが、その他の地区では単体使用される。8段目の給紙機構2hにおいては、4,5,6地区で給紙率「3/10」が設定されている。9段目の給紙機構2iにおいては、4,5,6地区では使用せず、その他の地区で単体使用さあれる。その他の給紙機構2においては全地区で単体使用される・・・という設定がなされている状態である。この図26の表に加え、給紙機構2k乃至2sについての表の設定をPC上で行い、これを丁合装置1に転送する。丁合装置1はUSB端子を備え、USBケーブルを介してPCと接続し、これを通じて丁合装置1にデータを送る。そして送信が完了すると、すべての給紙機構2,3の光源Rが所定時間(例えば1秒間)点灯する。ユーザはこの点灯により、確実に丁合装置1へデータが転送されたことを、丁合装置1本体から離れた位置でも確認することができる。転送された丁合装置1は、1地区から6地区まで順々に、この設定データに従って丁合動作する。
各光源をユーザが取り外して使うことができるようにしてもよい(変形例17)。図27はユーザが収容部材28から取外し可能に構成した第1の光源151と、第2の光源152を装着した給紙機構2,3を示す正面図、図28はその側面図、図29は第1の光源151、第2の光源152の取付部の拡大図である。第1の光源151は反射部材であるレバー34の上方にあるが、第2の光源152はそうではないという点が相違点であるが、光源の構成及び取付構成は全く同一であるので、図29は第1の光源151,第2の光源152(以下、光源151,152という)に共通する構成を示す図である。
図29(a)は光源151,152と、その取付部の正面図、図29(‘b)はその側面図、図29(c)は光源151,152を取り外したときの正面図である。収容部材28の下面に取付座91が固定されている。この取付座91に光源ベース92を挿入してはめ込むようになっている。はめ込むと、コネクタ93を介して装置本体と接続され、装置本体のCPUから発光部94の点灯、消灯の制御が可能となる。光源ベース92内にはバッテリーが組み込まれており、光源ベース92を取付座91から取り外すと、バッテリーによって発光部94は点灯する。したがって、光源を取り外して見えにくいところを照射することができる。また、光源ベース92の上面92aは磁石で形成されているので、装置の適宜の場所に磁着させて照明として使用することが可能である。コネクタ93を接続させておくことにより、バッテリーを充電させておくことができるので、バッテリー切れの心配がない。
サバキ板23を用紙の幅方向に2枚並列させ、その並列方向にスライド移動可能として、どちらか一方を給紙ローラ22の直下に位置させるように設け、その並列した2枚のサバキ板のどちらが給紙ローラ22に対向しているのか、によって、光源Rの点灯状態が変化するようにしてもよい(変形例18)。
図30及び図31は、この変形例18に係る給紙機構2,3において、サバキ板23とそのスライド移動機構を上方から見た図である。図30は左側に配置されたサバキ板23aが給紙ローラ22と対向している状態、図31は右側に配置されたサバキ板23bが給紙ローラ22と対向している状態を示す図である。サバキ板23a、23bは各々サバキベース101a、101bに貼り付けられている。サバキベース101a、101bは互いに並列してスライド枠102の収容部に収容されている。給紙ローラ22の直下のサバキ板23のさらに下方には球体29aと、傾斜面29bを備えた調整部材29が収容されていて、給紙ローラ22に対向するサバキ板23のみがスライド枠102に対して上下動し、給紙ローラ22に圧接離間できるようになっている。スライド枠102には下方に軸102aが立設され、この軸102aがレバー103のスリット部103aに挿通されている。レバー103の収容部材28の前面側(給紙方向上流側)に突出した部分に設けられた取っ手103cをスライドさせることにより、レバー103を回動軸103bを中心に回動させる。すると、軸102aを介してスライド枠102は、長穴102b、102cに挿通され、収容部材28に立設された柱104a、104bにガイドされて、左右にスライド移動する。給紙ローラ22に対向したサバキ板23を下降させて、給紙ローラ22の外周面から離間させた状態で、スライド移動が可能となる。このスライド移動により、給紙ローラ22に対向するサバキ板23を、サバキ板23a、サバキ板23bのいずれか1つに選択することができる。
スライド枠102が図示左側にあるときは、スライド枠102の左端がセンサ105により検知される。スライド枠102が図示右側にあるときは、スライド枠102の右側がセンサ106により検知される。すなわち、センサ105がスライド枠102を検知していれば、給紙ローラ22にはサバキ板23bが対向していることになり、センサ106がスライド枠102を検知していれば、給紙ローラ22にはサバキ多23aが対向していることになる。したがって、ユーザが操作パネルで「サバキ板確認ボタン」にタッチすると、各給紙機構2,3において、センサ105、106のどちらがスライド枠102を検知しているかによって、光源Rを点灯させるか否かを決めるか、あるいは点灯位置や、点灯色、点滅回数等が異なるように点灯させる。するとユーザは各給紙機構2,3でどちらのサバキ板23が給紙ローラ22に対向しているのかを知ることができる。
さらに、サバキベース101に、貼付されているサバキ板23の材質情報を記憶させたRFIDタグを設け、給紙ローラ22の下方にアンテナを設けて情報を読み取ることにより、給紙ローラ22に対向しているサバキ板の材質を特定することができる。また、給紙ローラ22の下方にサバキ板23を1個のみ交換可能に装着できる給紙機構2,3においても、装着されているサバキベース101のRFIDタグを読むことによって、装着されているサバキ板23の材質を特定することができる。この特定したサバキ板23の材質によって、光源Rを点灯あるいは消灯させたり、あるいは点灯位置や、点灯色、点滅回数が異なるように点灯させれば、ユーザは各給紙機構2,3に装着されているサバキ板23の材質を知ることができる。