JP6711538B2 - 塗料カートリッジ供給システム - Google Patents

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Description

本発明は、塗料カートリッジ方式の塗装ロボットに塗料カートリッジを供給するための塗料カートリッジ供給システムに関する。
塗装ロボットを利用して、自動車ボディやその構成部品などへの塗装を施すための手段として、たとえば特許文献1に記載の手段がある。同文献に記載の手段においては、塗装ロボットの塗装ヘッドに、塗料カートリッジが着脱自在とされている。塗装ヘッドに塗料カートリッジが装着された状態においては、塗料カートリッジから塗装ヘッド内の所定部位に流出する塗料を、回転霧化方式によって霧化することが可能とされている。このような塗料カートリッジ方式によれば、塗装ロボットに配管部材を介して塗料を供給していた従来の伝統的なものと比較すると、塗色の変更が容易であり、多品種・多色の塗装に適する。
しかしながら、特許文献1においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地がある。
すなわち、特許文献1においては、塗装ロボットへの塗料カートリッジの供給手段として、塗装ロボットの近傍に、複数の塗料カートリッジのストッカを設置しておき、所定の取出し装置を利用して前記ストッカから塗料カートリッジを1つずつ取り出した上で、これを所定の部位に配置させるようにしている。ところが、塗装設備のレイアウトやその他の様々な理由により、塗料カートリッジのストッカを塗装ロボットの近傍に設置することが困難な場合がある。このような場合には、塗装ロボットへの塗料カートリッジの供給に苦慮することとなる。加えて、塗装ロボットによって塗料が消費された空カートリッジ(使用済カートリッジ)については、たとえば塗装ロボットからやや離れた箇所に搬送して回収したいような場合がある。これに対し、特許文献1に記載の手段では、そのような要望に的確に応えることも難しいものとなっている。
なお、特許文献2には、エアシュータを利用し、塗料カートリッジを塗装ロボットの設置箇所まで搬送する手段が記載されている。ただし、特許文献2には、エアシュータと塗装ロボットとの相互間において、塗料カートリッジを適切かつ合理的に受け渡すための手段は開示されていない。
特開2005−87811号公報 特開2004−321983号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、塗装ロボットへの塗料カートリッジの供給およびその回収作業を効率よく適切に行なうことが可能な塗料カートリッジ供給システムを提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明により提供される塗料カートリッジ供給システムは、塗料充填状態の塗料カートリッジである塗料充填カートリッジを塗装ロボットに供給するとともに、この塗装ロボットから塗料消費状態の塗料カートリッジである空カートリッジを回収するための塗料カートリッジ供給システムであって、前記塗料カートリッジを一定経路で搬送可能な搬送装置と、この搬送装置と前記塗装ロボットとの相互間に介在して設けられ、かつ前記塗料カートリッジを支持可能な複数の支持部が回転移動可能とされた回転動作部を有する移載装置と、を備えており、前記移載装置には、前記回転動作部の複数の支持部が移動して配置される複数のポジションとして、前記搬送装置から前記回転動作部に前記塗料充填カートリッジを受け渡す動作、および前記回転動作部から前記搬送装置に前記空カートリッジを受け渡す動作が可能な第1の移載ポジションと、前記回転動作部から前記塗装ロボットに前記塗料充填カートリッジを受け渡す動作、および前記塗装ロボットから前記回転動作部に前記空カートリッジを受け渡す動作が可能な第2の移載ポジションと、前記第1または第2の移載ポジションの一部をなし、もしくは前記第1および第2の移載ポジションとは別のポジションとされ、かつ前記塗料充填カートリッジを一時的に待機させておくことが可能な待機ポジションと、が設けられており、前記第2の移載ポジションにおいて、前記塗装ロボットから前記回転動作部に前記空カートリッジを受け渡す動作は、前記待機ポジションに前記塗料充填カートリッジが配置されている状態において実行されるように構成されており、前記搬送装置は、前記塗料カートリッジを内部に進入させることが可能なチューブを有し、かつこのチューブ内に圧縮エアを供給することにより、前記塗料カートリッジを前記チューブの長手方向に移動させることが可能なエアシュータであり、前記チューブの長手方向途中箇所には、前記塗料カートリッジの入出口としての開口部が設けられており、前記回転動作部の前記複数の支持部は、前記第1の移載ポジションに位置するときには、前記開口部と対面する方向に移動可能であり、かつ前記第1の移載ポジションにおいて前記空カートリッジを支持しているときには、前記開口部側に前進移動することにより、前記空カートリッジを前記開口部から前記チューブ内に進入させて前記開口部を塞いだ状態とする動作が実行されるとともに、前記開口部を塞いだ状態において、前記チューブ内の前記開口部に対向する箇所に塗料充填カートリッジが新たに搬送されてきたときには、この塗料充填カートリッジを支持して前記第1の移載ポジションの元の位置に後退するように構成されていることを特徴としている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、搬送装置によって搬送した塗料カートリッジ(塗料充填カートリッジ)については、移載装置を経由して塗装ロボットに供給することができ、かつ塗装ロボットで使用された塗料カートリッジ(空カートリッジ)については、前記移載装置を経由して搬送装置に戻すことができる。したがって、塗装ロボットへの塗料充填カートリッジの供給と、塗装ロボットで使用された空カートリッジの回収とを適切に行なうことが可能である。
第2に、移載装置の回転動作部において、塗料充填カートリッジを第1の移載ポジションから第2の移載ポジションに移動させて塗装ロボットに供給する動作と、空カートリッジを第2の移載ポジションから第1の移載ポジションに移動させて搬送装置に受け渡す動作とは、少なくとも一部の動作を並行して実行させることが可能である。したがって、作業効率がよい。
第3に、第2の移載ポジションにおいて、塗装ロボットから回転動作部への空カートリッジの受け渡し動作は、待機ポジションに塗料充填カートリッジが配置されている状態において実行されるために、前記受け渡し動作の完了後の早期に、または前記受け渡し動作と同時に、待機ポジションの塗料充填カートリッジを塗装ロボットに受け渡すことが可能となる。したがって、塗装ロボットから空カートリッジを取り外してから塗料充填カートリッジを装着する迄の所要時間の短縮化を図り、塗装ロボットの稼働効率を高めることも可能である。
第4に、搬送装置で搬送される塗料カートリッジが移載装置を介して塗装ロボットに受け渡されるために、特許文献1とは異なり、塗料カートリッジのストッカを塗装ロボットの近傍に設置するような必要はなくなる。また、空カートリッジの搬送先も、とくに限定されない。したがって、塗装設備の設計の自由度も高まる。
第5に、空カートリッジの回収は、塗料充填カートリッジを搬送する搬送装置を利用して行なうことができるため、空カートリッジを回収するための専用の搬送装置を設ける必要がなく、設備の簡素化、低コスト化を図ることもできる。
第6に、エアシュータと回転動作部の支持部との相互間において、空カートリッジおよび塗料充填カートリッジの受け渡しを適切に行なうことが可能である。また、エアシュータを稼働させる際には、エアシュータの開口部を回転動作部の支持部によって塞ぎ、前記開口部からのエア漏れを防止または抑制することができるので、空カートリッジおよび塗料充填カートリッジの搬送を適切に行なうことが可能である。図6を参照して後述するように、空カートリッジおよび塗料充填カートリッジの同時搬送も可能である。さらに、エアシュータは、モータを利用した機械式の搬送装置と比較すると、構造が簡素であり、塗装設備全体の製造コストやメンテナンスコストなどの低減化を図る上でも好ましいものとなる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
(a),(b)は、塗料カートリッジ供給システムの一例を示す要部斜視図である。 (a)は、図1(a)のIIa−IIa断面図であり、(b)は、(a)のIIb−IIb要部断面図であり、(c)は、(b)の動作状態を示す要部断面図である。 (a)〜(f)は、図1に示す塗料カートリッジ供給システムの動作を模式的に示す平面説明図である。 本発明に係る塗料カートリッジ供給システムの例を示す要部斜視図である。 図4に示すエアシュータおよびこれに付属する塗料カートリッジのストッカの概略構成を示す斜視図である。 (a)〜(c)は、図4に示すエアシュータの動作状態を示す概略断面図である。 (a)〜(e)は、図4に示す塗料カートリッジ供給システムの動作を模式的に示す平面説明図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1に示す塗料カートリッジ供給システムS1は、塗料カートリッジ1用の搬送装置2、およびこの搬送装置2と塗装ロボット3(図面では、塗装ロボット3の可動アーム31およびその先端に設けられた塗装ヘッド30のみを示している)との相互間に介在して設けられた移載装置Aを具備している。移載装置Aは、塗料カートリッジ1を載置保持可能な4つの支持部40を有する回転動作部4と、プッシャ5とを組み合わせて構成されている。
塗料カートリッジ1および塗装ロボット3の塗装ヘッド30の基本的な構成は、たとえば特許文献1に記載されたものと同様である。具体的には、塗装ヘッド30の上部には、凹溝部30aが形成され、かつ塗料カートリッジ1の底面には、凹溝部30aにスライド嵌合させることが可能な凸状部10が形成されており、これらの嵌合により、塗装ヘッド
30への塗料カートリッジ1の装着がなされる。凸状部10を凹溝部30aからスライド離脱させることにより、塗料カートリッジ1の取り外しが可能である。塗装ヘッド30は、塗料カートリッジ1から塗装ヘッド30内の所定の流路に流出した塗料を、たとえば回転霧化方式により霧化する機能を備えている。塗装ロボット3は、たとえば自動車ボディ、またはその構成部品などへの塗装を施すものである。ただし、塗装対象が限定されないことは勿論である。
搬送装置2は、塗料カートリッジ1を支持可能な走行ユニット20を、レール21に沿って走行可能としたモノレール方式である。より具体的には、搬送装置2は、図2(a)に示すような断面構造であり、走行ユニット20は、この走行ユニット20をレール21に吊り下げ支持するための複数の支持ローラ22、塗料カートリッジ1の上部両側面に設けられた一対の凹部11に屈曲状の下部が係入することにより塗料カートリッジ1を吊り下げ保持可能な一対の保持片23、およびレール21の下面に沿って設けられたエアチューブ24に当接する受けローラ25を備えている。エアチューブ24の内部には、圧縮エアが供給可能である。図2(b)に示すように、エアチューブ24のうち、受けローラ25の後方側(同図の左側方)の部分を圧縮エアの供給側にすると、この部分は受けローラ25の前方側部分よりも膨らんだ状態となる。このため、同図(c)に示すように、エアチューブ24内への圧縮エアの供給量を多くすると、受けローラ25はエアチューブ24の膨んだ部分によって押され、走行ユニット20の全体がレール21に沿って前進する。走行ユニット20は、このような原理により走行する。圧縮エアの供給を停止することにより、走行ユニット20を所望の位置で停止させることが可能である。
図面では省略するが、搬送装置2には、複数の塗料充填カートリッジ1Aをストックしたストッカ(後述の図5に示すストッカ90と同様な構成)から塗料充填カートリッジ1Aを1つずつ取り出して走行ユニット20に保持させるための装置が付属して設けられている。また、搬送装置2は、後述するように、空カートリッジ1Bを回収して搬送するが、この空カートリッジ1Bを走行ユニット20から取り外してから、これをたとえば空カートリッジ1Bへの塗料充填処理工程位置などの所望位置に移送するための装置も付属して設けられている。好ましくは、搬送装置2は、複数の走行ユニット20を一定の経路で循環走行させることが可能な構成とされている。
図1において、移載装置Aの回転動作部4は、既述した4つの支持部40が、連結部材42を介して互いに連結され、かつ連結部材42の中心部がアーム41に取り付けられた構成であり、連結部材42の中心部周りに水平回転可能とされている。各支持部40は、プレート状であり、その上面部には、塗料カートリッジ1の底面の凸状部10をスライド嵌合させることが可能な凹溝部40aが設けられている。回転動作部4は、アーム41の昇降動作によって高さ変更も可能であり、図1(a)に示すように、回転動作部4に支持されている塗料カートリッジ1と、搬送装置2で搬送されている塗料カートリッジ1とが不当に干渉しない高さ関係に設定可能である。一方、同図(b)に示すように、回転動作部4を上昇させて搬送装置2に接近させることも可能である。
回転動作部4は、複数の支持部40上に塗料カートリッジ1を載置させ、これらを同時に回転移動させることが可能である。複数の支持部40が回転移動して配置される複数のポジションとしては、第1および第2の移載ポジションP1,P2、ならびに待機ポジションPwが設けられている。
第1の移載ポジションP1は、回転動作部4のうち、搬送装置2のレール21の直下領域であり、本実施形態においては、この第1の移載ポジションP1は、前部P1fおよび後部P1rにさらに区分される。図1(b)に示すように、それら前部P1fおよび後部P1rの相互間の中間部C1には、走行ユニット20に保持された塗料充填カートリッジ
1Aの下部を配置させることが可能である。その際、後部P1rの支持部40上に空カートリッジ1Bを配置させておき、かつこの空カートリッジ1Bをプッシャ5によって前方に押動すると、この空カートリッジ1Bは塗料充填カートリッジ1Aを押し、この塗料充填カートリッジ1Aは前部P1fの支持部40上に移動する(第1の受け渡し動作)。また、これと同時に、空カートリッジ1Bは、中間部C1に移動し、走行ユニット20の一対の保持片23に保持される(第2の受け渡し動作)。
第2の移載ポジションP2は、回転動作部4のうち、前記した第1の移載ポジションP1以外の部分、すなわちレール21の直下領域から水平方向にオフセットした領域であり、前部P2fおよび後部P2rにさらに区分される。これら前部P2fおよび後部P2rの相互間の中間部C2には、塗装ヘッド30に装着されている空カートリッジ1Bを配置させることが可能である。その際、後部P2rの支持部40上に塗料充填カートリッジ1Aを配置させておき、かつこの塗料充填カートリッジ1Aをプッシャ5によって前方に押動すると、この塗料充填カートリッジ1Aは空カートリッジ1Bを押し、空カートリッジ1Bは前部P2fの支持部40上に移動する(第3の受け渡し動作)。また、これと同時に、塗料充填カートリッジ1Aは、中間部C2に移動し、塗装ヘッド30に装着される(第4の受け渡し動作)。
待機ポジションPwは、後述するように、搬送装置2から回転動作部4に受け渡された塗料充填カートリッジ1Aを、その後に前記第3および第4の受け渡し動作が開始される迄一時的に待機させておくためのポジションである。本実施形態では、第2の移載ポジションP2の後部P2rが、待機ポジションPwに該当する。
プッシャ5は、既述したように、塗料カートリッジ1を所定のタイミングで押動するためのものである。このプッシャ5も、搬送装置2で搬送される塗料カートリッジ1との干渉を回避し得るように昇降可能である。
次に、図3を参照しつつ、前記した塗料カートリッジ供給システムS1の動作例、ならびに作用について説明する。
なお、図3において、クロスハッチ模様が付された塗料カートリッジ1は、塗料充填カートリッジ1Aであり、網点模様が付された塗料カートリッジ1は、空カートリッジ1Bである(この点は、後述の図7も同様)。
まず、図3(a)に示す状態は、図1(b)に示した状態と同一である。この状態を簡単に再説明しておく。すなわち、図3(a)においては、第1の移載ポジションP1の後部P1rの支持部40上には、空カートリッジ1Bが存在し、中間部C1には、走行ユニット20に保持された塗料充填カートリッジ1Aが存在している。第2の移載ポジションP2の後部P2r(待機ポジションPw)の支持部40上には、塗料充填カートリッジ1Aが存在し、中間部C2には、塗装ヘッド30に装着された空カートリッジ1Bが存在している。このような状態において、プッシャ5が矢印Ncに示す方向に前進する。すると、図3(b)に示すように、第1の移載ポジションP1側においては、走行ユニット20に保持されていた塗料充填カートリッジ1Aが前部P1fの支持部40上に受け渡される第1の受け渡し動作、および空カートリッジ1Bが走行ユニット20に受け渡される第2の受け渡し動作が行なわれる。第2の移載ポジションP2側においては、塗装ヘッド30に装着されていた空カートリッジ1Bが前部P2fの支持部40上に受け渡される第3の受け渡し動作、および塗料充填カートリッジ1Aが塗装ヘッド30上に受け渡される第4の受け渡し動作が行なわれる。前記した第1ないし第4の受け渡し動作は、同時に行なわれ、その所要時間は短いものとなる。
次いで、図3(c)に示すように、プッシャ5を後退させた後には、回転動作部4およ
びプッシャ5を下降させる。回転動作部4の下降により、同図(d)に示すように、走行ユニット20に保持された空カートリッジ1Bを塗料充填カートリッジ1Aに干渉させないようにしつつ、矢印Ndに示すように搬送することができる。この搬送により、空カートリッジ1Bの回収を図ることができる。プッシャ5の下降は、同図(f)において、搬送装置2により搬送される塗料充填カートリッジ1Aとプッシャ5との干渉を回避するのに役立つ。同図(c)に示す状態では、塗装ヘッド30上に塗料充填カートリッジ1Aが装着されているため、塗装ロボット3においては、同図(d)の矢印Neに示すように、可動アーム31を移動させ、所望の塗装対象物への塗装作業を直ちに開始することが可能である。図面では、可動アーム31の移動が同図(d)のタイミングで行なわれているが、これとは異なり、同図(b)の状態が設定された直後の早期の段階で可動アーム31を塗装作業工程位置に移動させることが可能である。
図3(d)に示す状態においては、回転動作部4が矢印Nfに示す方向に約180°の角度で回転する動作も実行される。このことにより、同図(e)に示すように、塗料充填カートリッジ1Aを第2の移載ポジションP2の後部P2rに配置させる動作と、空カートリッジ1Bを第1の移載ポジションP1の後部P1rに配置させる動作とを同時に行なわせることができる。その後は、同図(f)に示すように、次の新たな塗料充填カートリッジ1Aを搬送装置2によって搬送し、中間部C1に配置させる。このタイミングで回転動作部4およびプッシャ5を上昇させる。塗装ロボット3においては、塗装ヘッド30に装着されている塗料カートリッジ1の塗料が消費され、その残量がなくなると(空カートリッジ1Bになると)、この空カートリッジ1Bを第2の移載ポジションP2の中間部C2に配置させる動作が実行される。すると、塗料カートリッジ供給システムS1においては、図3(a)に示した最初の状態と同様な状態となる。したがって、その後は前記した一連の工程を繰り返すことができる。
前記した一連の工程によれば、搬送装置2によって搬送されてきた塗料充填カートリッジ1Aを塗装ヘッド30に装着する動作、および塗装ロボット3によって塗料が消費された空カートリッジ1Bを搬送装置2に受け渡して回収する動作を、効率良く適切に行なうことが可能である。とくに、図3(b)に示したように、前記した第1ないし第4の受け渡し動作は、プッシャ5を前進させるだけの簡単な動作によって、同時に行なうことが可能であり、合理的である。さらに、塗装ロボット3に塗料充填カートリッジ1Aを装着させてからその塗料が消費される迄の間において、第2の移載ポジションP2の後部P2r(待機ポジションPw)には、塗料充填カートリッジ1Aを配置させて待機させており、塗装ヘッド30を中間部C2に復帰させた後には、この塗装ロボット3への塗料充填カートリッジ1Aの装着を即座に実行することが可能である。このため、塗装ロボット3に装着された塗料カートリッジ1の交換作業の所要時間を短くし、塗装ロボット3の稼働効率を高めることができる。
図4〜図7は、本発明の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付すこととし、重複説明は省略する。
図4に示す塗料カートリッジ供給システムS2は、搬送装置としてのエアシュータ2A、および回転動作部4Aを有する移載装置Aaを具備している。回転動作部4Aは、回転テーブル49と、この回転テーブル49と連動して水平回転可能なように回転テーブル49に設けられた3つのリフタ48とを具備している。各リフタ48の上面部は、塗料カートリッジ1を載置させて支持可能な支持部40Aであり、この支持部40Aには、塗料カートリッジ1の凸状部10がスライド嵌合可能な凹溝部40aが設けられている。各リフタ48は、通常時においては、支持部40Aが回転テーブル49の上面部と略同等高さにあるが、後述するように、第1の移載ポジションP1に位置する際には、所定のタイミン
グで昇降動作を行なうように構成されている。
移載装置Aaには、3つの支持部40Aが回転移動して配置される複数のポジションとして、第1および第2の移載ポジションP1,P2、ならびに待機ポジションPwが設けられており、これら3つのポジションP1,P2,Pwは、回転動作部4Aの回転中心周りに等角度間隔で並んでいる。回転動作部4Aは、各支持部40Aがそれぞれ第1の移載ポジションP1、待機ポジションPw、および第2の移載ポジションP2の順序で順次配置されるように回転する。
第1の移載ポジションP1は、エアシュータ2Aとの相互間において塗料カートリッジ1の受け渡しを双方向で行なうことが可能なポジションであり、具体的には、エアシュータ2Aの後述する開口部28の直下である。第2の移載ポジションP2は、塗装ヘッド30との相互間において塗料カートリッジ1の受け渡しを双方向で行なうことが可能なポジションであり、この第2の移載ポジションP2と塗装ヘッド30の配置箇所との間には、塗料カートリッジ1の受け渡し動作を補助するためのガイド60が設けられている。このガイド60の上面部には、支持部40Aの凹溝部40aと同様に、塗料カートリッジ1の底面の凸状部10がスライド嵌合可能な凹溝部60aが設けられている。図面では省略されているが、第2の移載ポジションP2に位置する塗料カートリッジ1を塗装ヘッド30側に押圧し、また塗装ヘッド30上に位置する塗料カートリッジ1を第2の移載ポジションP2側に押圧するためのプッシャも設けられている。待機ポジションPwは、塗料充填カートリッジ1Aを一時的に待機させておくためのポジションである。
エアシュータ2Aは、塗料カートリッジ1を起立状態で内部に進入させることが可能なチューブ29を有している。図5に示すように、チューブ29の一端部側は、複数の塗料カートリッジ1(塗料充填カートリッジ1A)がストックされたストッカ90の近傍に配されており、不図示の塗料カートリッジ用投入装置によってチューブ29内に塗料充填カートリッジ1Aを所定のタイミングで1つずつ投入可能とされている。チューブ29内には、その一端部側から圧縮エアを供給可能である。チューブ29内に投入された塗料充填カートリッジ1Aは、前記した圧縮エアの供給により前進する。チューブ29の他端部は、空カートリッジ回収先に位置している。
チューブ29の長手方向途中箇所には、塗料カートリッジ1の入出口としての開口部28が下向き開口状に設けられている。図4および図6(a)に示すように、第1の移載ポジションP1に位置するリフタ48は、塗料カートリッジ1(空カートリッジ1B)を支持した状態で上昇可能である。この上昇により、図6(b)に示すように、支持部40Aは、空カートリッジ1Bを開口部28からチューブ29内に進入させるようにして支持し、開口部28を塞ぐ。開口部28を塞ぐと、開口部28から外部に圧縮エアが多く漏出することが防止される。このような状態において、チューブ29の一端部内に塗料充填カートリッジ1Aが投入され、かつ圧縮エアが供給されると、図6(c)に示すように、空カートリッジ1Bおよび塗料充填カートリッジ1Aは、ともに前方に搬送される。このため、空カートリッジ1Bについては、所定の回収先に搬送することができるとともに、塗料充填カートリッジ1Aについては、支持部40A上に搬送することができる。支持部40A上に塗料充填カートリッジ1Aが搬送された段階で圧縮空気の供給を停止し、リフタ48を下降させれば、塗料充填カートリッジ1Aを第1の移載ポジションP1に配置させることが可能である。移載装置Aaとエアシュータ2Aとは、前記したような動作が実行されるように互いに連動して制御されている。
次に、図7を参照しつつ、前記した塗料カートリッジ供給システムS2の動作例、ならびに作用について説明する。
まず、図7(a)に示す状態においては、待機ポジションPwに塗料充填カートリッジ1Aが配置された待機状態にある。この状態において、塗装ロボット3に装着された塗料カートリッジ1の塗料が消費されて空カートリッジ1Bになると、同図(b)に示すように、塗装ヘッド30がガイド60の近傍に移動し、空カートリッジ1Bが第2の移載ポジションP2の支持部40A上に受け渡される。この動作後においては、同図の矢印Na方向に回転動作部4Aが回転する。すると、同図(c)に示すように、第1および第2の移載ポジションP1,P2には、空カートリッジ1Bおよび塗料充填カートリッジ1Aがそれぞれ位置した状態となる。
次いで、図7(d)に示すように、第1の移載ポジションP1においては、空カートリッジ1Bがエアシュータ2Aに受け渡される動作が実行される。これと同時に、第2の移載ポジションP2においては、塗料充填カートリッジ1Aが塗装ヘッド30に受け渡される動作が実行される。したがって、その後は、同図(e)に示すように、塗装ヘッド30を第2の移載ポジションP2の近傍から離間させて、塗装作業を直ちに再開することが可能である。一方、エアシュータ2Aによる空カートリッジ1Bの搬送は、図6を参照して説明した態様で行なわれるため、図7(e)に示すように、第1の移載ポジションP1には、新たな塗料充填カートリッジ1Aを配置させることが可能である。その後、矢印Nbの方向に回転動作部4Aを回転させると、図7(a)に示した初期状態と同様となり、前記した一連の作業工程を繰り返すことが可能である。
本実施形態においては、エアシュータ2Aによって搬送されてきた塗料充填カートリッジ1Aを塗装ヘッド30に装着する動作、および塗装ロボット3によって塗料が消費された空カートリッジ1Bをエアシュータ2Aに受け渡して回収する動作を、効率良く適切に行なうことが可能である。また、図7(b)で示すように、塗装ロボット3から第2の移載ポジションP2に空カートリッジ1Bを受け渡す動作は、待機ポジションPwに塗料充填カートリッジ1Aが配置された状態において行なわれているため、第2の移載ポジションP2に空カートリッジ1Bを受け渡した後には、回転動作部4Aを回転させることにより、塗料充填カートリッジ1Aを第2の移載ポジションP2に迅速に配置させてから塗装ロボット3に即座に装着させることが可能である。したがって、塗装ロボット3から空カートリッジ1Bを取り外してから塗料充填カートリッジ1Aを装着する迄の所要時間の短縮化を適切に図ることができる。その他、本実施形態では、搬送装置としてエアシュータ2Aを用いているが、このエアシュータ2Aは、構造が簡素であり、その製造コストや運転コストも廉価なものとすることが可能である。とくに、本実施形態では、エアシュータ2Aにおいて、空カートリッジ1Bと塗料充填カートリッジ1Aとを同時搬送することができるため、効率がよい。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る塗料カートリッジの各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
載装置は、複数の塗料カートリッジを支持して同時に移送させることが可能な回転動作部を有するものであって、本発明における第1および第2の移載ポジション、および待機ポジションが設けられていればよい。待機ポジションは、図1〜図3に示す実施形態のように、第2の移載ポジションの一部であってもよい他、第1の移載ポジションの一部であってもよい(たとえば、図1における第1の移載ポジションP1の前部P1fを待機ポジションとする構成)。搬送装置と回転動作部との相互間、および塗装ロボットと回転動作部との相互間において、塗料カートリッジを受け渡すための具体的な手段などは、限定されるものではない。塗装ロボットおよび塗料カートリッジの具体的な構成も限定されない。
S1,S2 塗料カートリッジ供給システム
A,Aa 移載装置
P1 第1の載置ポジション
P2 第2の載置ポジション
Pw 待機ポジション
1 塗料カートリッジ
1A 塗料充填カートリッジ(塗料カートリッジ)
1B 空カートリッジ(塗料カートリッジ)
2 搬送装置
2A エアシュータ(搬送装置)
28 開口部(エアシュータのチューブの)
29 チューブ(エアシュータの)
3 塗装ロボット
30 塗装ヘッド
4,4A 回転動作部
40,40A 支持部
48 リフタ

Claims (1)

  1. 塗料充填状態の塗料カートリッジである塗料充填カートリッジを塗装ロボットに供給するとともに、この塗装ロボットから塗料消費状態の塗料カートリッジである空カートリッジを回収するための塗料カートリッジ供給システムであって、
    前記塗料カートリッジを一定経路で搬送可能な搬送装置と、
    この搬送装置と前記塗装ロボットとの相互間に介在して設けられ、かつ前記塗料カートリッジを支持可能な複数の支持部が回転移動可能とされた回転動作部を有する移載装置と、
    を備えており、
    前記移載装置には、前記回転動作部の複数の支持部が移動して配置される複数のポジションとして、
    前記搬送装置から前記回転動作部に前記塗料充填カートリッジを受け渡す動作、および前記回転動作部から前記搬送装置に前記空カートリッジを受け渡す動作が可能な第1の移載ポジションと、
    前記回転動作部から前記塗装ロボットに前記塗料充填カートリッジを受け渡す動作、および前記塗装ロボットから前記回転動作部に前記空カートリッジを受け渡す動作が可能な第2の移載ポジションと、
    前記第1または第2の移載ポジションの一部をなし、もしくは前記第1および第2の移載ポジションとは別のポジションとされ、かつ前記塗料充填カートリッジを一時的に待機させておくことが可能な待機ポジションと、
    が設けられており、
    前記第2の移載ポジションにおいて、前記塗装ロボットから前記回転動作部に前記空カートリッジを受け渡す動作は、前記待機ポジションに前記塗料充填カートリッジが配置されている状態において実行されるように構成されており、
    前記搬送装置は、前記塗料カートリッジを内部に進入させることが可能なチューブを有し、かつこのチューブ内に圧縮エアを供給することにより、前記塗料カートリッジを前記チューブの長手方向に移動させることが可能なエアシュータであり、
    前記チューブの長手方向途中箇所には、前記塗料カートリッジの入出口としての開口部が設けられており、
    前記回転動作部の前記複数の支持部は、前記第1の移載ポジションに位置するときには、前記開口部と対面する方向に移動可能であり、かつ前記第1の移載ポジションにおいて前記空カートリッジを支持しているときには、前記開口部側に前進移動することにより、前記空カートリッジを前記開口部から前記チューブ内に進入させて前記開口部を塞いだ状態とする動作が実行されるとともに、前記開口部を塞いだ状態において、前記チューブ内の前記開口部に対向する箇所に塗料充填カートリッジが新たに搬送されてきたときには、この塗料充填カートリッジを支持して前記第1の移載ポジションの元の位置に後退するように構成されていることを特徴とする、塗料カートリッジ供給システム。
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