JP3766917B2 - 多色少量塗装システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多色少量塗装システム、即ち、種々の色の塗料を貯蔵しかつ所要の色の塗料を少量の単位で選択的に塗装機に供給することができる塗装システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば実公平 4-46846号公報、実公平 4-46847号公報等に参照されるように、従来より、塗装色の多様化に対応しかつ多色塗装の作業性の向上を図るべく、様々な多種少量塗料供給システムが提案され、開発されている。
そして、近年では、自動車ボディ等の塗装には塗装ロボットがよく利用されることから、最近では、数種ないし十数種の色の塗料を選択的に塗装ロボットに供給できるようにするべく考案されたところのいくつかの多色塗装システムが提案されている。
例えば、特公平 7-34882号公報は、各塗料色の複数の供給路P1〜P3をそれぞれ塗装ロボット14の作業域内に導き設け、ボトル形の貯槽22を各供給路の固定箇所にて連結し、そして、塗装時には、前記ロボット14の動作によって該貯槽は同ロボット14に担持されそしてロボット内の吹付け器20と連結されて、吹付け塗装をなしうるところの吹付け塗装器を開示している。
また、特開平 4-83549号公報は、各塗料色の塗装ガン35a 〜35n および塗料中間タンク21a 〜21n を塗装ロボット51の近くに、塗料色別に分けられた塗料循環系とそれぞれ接続・分離可能に配置し、そして装着ロボット41を使用して、選択的に塗装ガンおよび塗料中間タンクの一方または両方を塗装ロボット51に装着・離脱し、定流量手段61により塗料を吐出せしめることにより、選択的な多色塗装を可能にする多色塗装装置を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の吹付け塗装器の発明にあっては、次のような問題がある。各塗料色の供給路を塗装ロボットの作業域内まで導く必要があるため、供給できる塗料色の数が一般に数種の程度に制限され、多色塗装の多様化を図る上で、一定の限界がある。その上、各塗料色の供給路を塗装ロボットの作業域内まで導くために、全体として大変大掛かりな設備を必要とする。さらに、塗料色の交換を塗装ロボット自体で行うため、色交換と塗装とを同時進行でなすことができず、しかも、色交換の度に貯槽22内の洗浄を行う必要があるため、多色塗装の作業効率が大変悪い。
また、上記の多色塗装装置の発明にあっては、塗装作業の効率の面で上記吹付け塗装器より改良されているが、なお次のような問題がある。塗料色の数を増やして一層の多色化を図る程、装着ロボットの作業域をより広い範囲に拡大することが必要とされ、設備の大型化とともに、塗装作業スペースの著しい広域化を招くという弊害が生じる。また、各塗料色ごとに塗料循環系を備えるため、塗装設備は全体として大規模なものになる。
さらに、上述のような従来の多色塗装システムは、1色当り比較的大量の塗料を塗装ロボットに選択的に供給する場合に適するものであった。しかし、最近では、自動車の購入者たる各個人が希望する夫々の塗料色で各自動車ボディを塗装できるようにすることが求められている。この状況より、自動車ボディの塗装に使用されうる塗料の色は数十種ないしそれ以上の種類にも及び、塗装の多色化が一層進行し、これに伴い、白色塗料等の大量使用の塗料を除き、各色の塗料の使用量が相対的により少ないものとなってきている。したがって、かように数多い色の塗料をより少量の単位で選択的に塗装ロボット等の塗装機に供給することができる多色塗装システムの開発が求められていた。しかし、これまでに開発された従来の多色塗装システムは、いずれも、この要求を十分に満たすことができないものであった。
【0004】
本発明は、かかる背景の下、従来の多色塗装技術をさらに改良するべくなされたものであって、その課題は、新たな多色少量塗装システム、即ち、数多い色種の塗料を少量の単位で貯蔵しかつ所要の色の塗料を選択的に塗装ロボット等の塗装機に供給することができ、しかも色交換を含む塗装作業全体の効率が高く、さらに設備全体が大変小型であるところの塗装システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ストック装置にて数多い塗料色の塗料を塗料カートリッジの形態で貯蔵し、そして移載装置を用いて、所要の色の塗料カートリッジをストック装置より選択的に取り出して運搬し、塗装ロボット等に搭載し、その後、塗料給送機構により、搭載された塗料カートリッジ内の塗料を塗装ロボット等の塗装機に供給することができるようにしたものである。
【0006】
より明確に述べると、本発明は、種々の色の塗料を少量の単位で貯蔵するとともに、所要の色の塗料を選択的に塗装機に供給することができる塗装システムであって、各々特定の塗料色の少量の塗料が充填された適当数の塗料カートリッジと、前記適当数の塗料カートリッジを保持するエンドレスコンベア機構を備え、そして所要の色の塗料カートリッジを取出位置まで回し運ぶことができるストック装置と、塗料カートリッジを搭載することができる構造を備えた塗装ロボットまたは自動塗装装置と、前記所要の色の塗料カートリッジを前記ストック装置の取出位置より取り出して運搬し、前記塗装ロボットまたは自動塗装装置の搭載部に搭載する移載装置であって、塗料カートリッジを運搬する軌跡が予め定まっているところの自動移載装置と、搭載された塗料カートリッジと結合可能であり、結合時、該塗料カートリッジ内の塗料を押出して前記塗装ロボットまたは自動塗装装置の塗装機に供給する塗料給送機構とを備えてなる、多色少量塗装システムに関する。
また、本発明の好ましい態様は、前記記載の自動移載装置は、前記ストック装置と前記塗装ロボットまたは前記自動塗装装置との間で往復移動自在に設けられた移動体と、該移動体に一緒に取り付けられ、前記移動体がストック装置側に並びに塗装ロボット又は自動塗装装置の側に位置するとき、それぞれ、塗料カートリッジに接近してこれを掴持するか又は掴持していた塗料カートリッジを解放することができる2つのチャック手段を備えてなることを特徴とする、上記の多色少量塗装システムに関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の多色少量塗装システムは、種々の色の塗料を少量の単位で貯蔵するとともに、所要の色の塗料を選択的に塗装機に供給することができる塗装システムであり、塗料カートリッジ、ストック装置、塗装ロボットまたは自動塗装装置、移載装置、および、塗料給送機構より構成される。
【0008】
塗料カートリッジは、相対的に少量の塗料が入れられた二重構造の容器、例えば筒形の塗料袋(合成樹脂製)を詰め替え可能に例えば略円筒形のカートリッジ本体内に装填してなり、そして、外からの押圧力によって、例えば空気をカートリッジ後端側よりカートリッジ内に圧入することによって、カートリッジ内の塗料袋を押し潰し、塗料をカートリッジの先端側より外部に押出すことができる構造を備えてなる。
塗料カートリッジには、各々特定の塗料色(例えば、自動車の購入者たる各個人が希望するそれぞれの塗料色(モスグリーン色等の特別な色)の少量の塗料が充填される。本発明の塗装システムには、適当な数、通常約20個ないし100個ぐらいの塗料カートリッジが備えられる。
【0009】
ストック装置は、数多くの(例えば20種ないし100種前後の)塗料色の塗料を塗料カートリッジの形態で貯蔵しかつ塗料カートリッジ内の塗料を攪拌することを目的とする装置であり、以下に述べるように、所要の色の塗料カートリッジの取り出しと新しい塗料カートリッジの装入とが可能となっており、さらに、より好ましくは、ストック装置は、移載装置により運び戻された使用済みの塗料カートリッジを回収する機構を備えてなる。
ストック装置は、塗料カートリッジを、その装入箇所およびその取出位置を通って回し運ぶように配備されたエンドレスコンベア機構と、エンドレスコンベア機構に組み付けられ、各塗料カートリッジをそれぞれ着脱可能に保持する適当数の保持手段と、そして、装入された塗料カートリッジのアドレス情報に基づいてもしくは光学的に検知された塗料カートリッジの種類情報に基づいてエンドレスコンベア機構の駆動装置を動作せしめて、所要の色の塗料カートリッジを移載装置による取出位置まで回し運ぶ制御装置とを備えてなる。
かかる構成により、ストック装置は、数多くの塗料色の塗料カートリッジを貯蔵するともに、それらの塗料カートリッジの中から所要の塗料カートリッジを選択的に取出位置まで回し運ぶことができ、よって、移載装置による取り出しに供することができる。しかも、ストック装置は、貯蔵する塗料カートリッジを、その軸方向を中心として回転しながら、回し運ぶので、回し運びの間において塗料カートリッジ内の塗料を攪拌し、より均質に混和することができる。
エンドレスコンベア機構は、無端のコンベア経路を有し、その経路に沿って塗料カートリッジを回し運ぶことができるコンベア機構であり、例えばエンドレスチェーンコンベア機構よりなる。このコンベア機構は、塗料カートリッジの装入箇所と塗料カートリッジの取出位置とを通る循環経路を有する。塗料カートリッジの装入箇所は例えばストック装置の下部に設けられ、塗料カートリッジの取出位置は例えばストック装置の上面に設けられる。
【0010】
保持手段は、各塗料カートリッジをそれぞれ着脱可能に保持する手段であり、上記のエンドレスコンベア機構に組み付けられる。保持手段は、ストック装置に貯蔵される数多くの(例えば20種ないし100種前後の)塗料色の塗料カートリッジの数だけ、設けられる。
保持手段は、ストック装置の非稼働時だけでなく、エンドレスコンベア機構の運転時においても、即ちその無端コンベア経路に沿って塗料カートリッジが回し運ばれている間においても、塗料カートリッジを確実に保持することができる手段であることが求められ、また同時に、移載装置の下記のチャック手段による掴持動作により、塗料カートリッジが容易に取り出されうるような構成のものであることが求められる。さらに、保持手段は、塗料カートリッジの装入が容易な構成のものであることが求められる。
この観点より、より好ましい保持手段は、塗料カートリッジを受け取り収めうる収納枠と、収納枠の外側にて、屈曲部を中心に回動自在に支持された左右一組の屈曲した保持アームと、塗料カートリッジが掴持されるように左右の保持アームを内向きに付勢せしめるバネ手段より成り、左右の保持アームの各一腕部が外向きに押し広げられたとき、その他腕部がそれぞれ、収納枠内に装入された塗料カートリッジを押し出すことにより、塗料カートリッジは、移載装置によってストック装置より取り出し可能となるように構成される。とりわけ好ましい保持手段は、下記のトグル機構のように構成される。
収納枠は、塗料カートリッジを受け取り、収めることができる枠であり、例えば、塗料カートリッジが円筒形のカートリッジであるとき、収納枠は、該塗料カートリッジがその中に収められたとき、その前端面、後端面および外周面のうち適当な部位と当接して塗料カートリッジを安定に保持するように複数の枠棒を設けてなる。
保持アームは、収納枠の外側において取り付けられた、左右一組の屈曲したアームであって、その屈曲部を中心に回動自在に支持される。
バネ手段は、少なくとも、左右の保持アームを内向きに付勢せしめるバネ手段(例えばコイルバネ)であって、その付勢力によって、保持アームが収納枠内に装入された塗料カートリッジを押え込むことにより、該塗料カートリッジは収納枠内に掴持されるように構成される。
特に好ましくは、保持手段は、保持アームの一腕部がある姿勢(例えば直立の姿勢)より内側に傾くと、左右の保持アームが内向きに付勢され、反対に、保持アームの一腕部がある姿勢より外側に傾くと、左右の保持アームが外向きに付勢されるという機構(所謂、トグル機構)を備えてなる。
従って、より好ましい態様にあっては、左右の保持アームがそれぞれ外向きに押し回され、左右の一腕部がある姿勢より外側に傾いたとき、左右の保持アームは、バネ手段の外向きの作用力によって外向きに勢いよく回動し、これにより、左右の保持アームの他腕部が収納枠内に装入された塗料カートリッジを収納枠内より外へ押し出す。従って、塗料カートリッジの容易な取り出しが可能である。また、その後、左右の保持アームはそれぞれ外向きに押し広げられた状態に保たれる。そして、塗料カートリッジを収納枠内に装入する際、装入された塗料カートリッジが左右の保持アームの他腕部を内向きに押し回し、そして左右の一腕部がある姿勢より内側に傾いたとき、左右の保持アームは、バネ手段の内向きの作用力によって内向きに勢いよく回動し、これにより、左右の保持アームの一腕部が収納枠内に装入された塗料カートリッジを押え付け、よって該塗料カートリッジは収納枠内に強固に掴持される。従って、塗料カートリッジの容易な装入が可能であり、また、その後において、塗料カートリッジを収納枠内に安定に保持することができる。
したがって、本発明においては、より好ましくは、移載装置のチャック手段が塗料カートリッジを掴持すると同時に、例えばチャック手段の押し広げ部材が、例えば保持アームの一腕部に設けたピンに当接しながら、左右の一腕部をそれぞれ外向きに押し回すことによって、左右の保持アームの一腕部がそれぞれ所定の姿勢より外側に傾いたとき、左右の保持アームの他腕部がそれぞれ収納枠内に装入された塗料カートリッジを外へ押し出す(例えば上方へ押し上げる)ことにより、該塗料カートリッジが上記チャック手段によって容易に掴持され運ばれるように、即ち、移載装置によって容易に取り出し可能となるように構成される。
【0011】
ストック装置の制御装置は、エンドレスコンベア機構の駆動装置を動作せしめることにより、所要の塗料カートリッジを、移載装置により取り出されるところの取出位置まで回し運ぶという制御動作をなすものであり、その動作は、装入された塗料カートリッジのアドレス情報に基づいて、または、センサで検知された塗料カートリッジの種類情報に基づいて行われる。
アドレス情報に基づいて制御動作をなす場合には、制御装置として、エンドレスコンベア機構の駆動量に基づいて、装入された塗料カートリッジの無端コンベ経路内の位置を計算できる装置を使用し、そして、装入箇所において各塗料カートリッジを装入する際、その塗料カートリッジのアドレスを自動読み取りまたは手入力によって制御装置に入力することにより、制御装置は、無端のコンベア経路を循環する塗料カートリッジがいかなるアドレス順序で配列されているかを算出し、さらに、そのアドレス情報に基づいて、取り出そうとする塗料カートリッジを取出位置まで回し運ぶのに必要な量を算出し、そして、その必要な回し運びの量だけエンドレスコンベア機構を駆動させることにより、取り出そうとする塗料カートリッジを取出位置まで回し運ぶという制御がなされる。
また、種類情報に基づいて制御動作をなす場合には、例えば、各塗料色についての識別マークが予め付された塗料カートリッジを準備し、これをストック装置に装入するとともに、該識別マークが表わす各塗料色の情報を光学的に読み取ることができる読み取り手段を、塗料カートリッジの取出位置またはその近くに配置し、そして、該センサが、回し運ばれる塗料カートリッジ群の中から、取り出そうとする塗料カートリッジを識別して検出し、続いて、その種類情報に基づいて取り出そうとする塗料カートリッジを取出位置にて停止させるという制御がなされる。
また、種類情報に基づく別の制御動作も可能である。例えば、ストック装置内の各々の保持手段についてそのアドレスを表わす識別マークを付するとともに、各塗料色についての識別マーク(例えばバーコードマーク)が予め付された塗料カートリッジを準備し、かつこれら識別マークが表わすアドレスおよび塗料色の情報を光学的に読み取ることができる読み取り手段(例えばバーコードリーダ)をストック装置内の所定の位置に配置し、そして、装入された各塗料カートリッジについて読み取られたアドレスおよび塗料色の情報に基づいて、取り出そうとする塗料カートリッジを取出位置まで回し運びそしてその位置にて停止させるという制御動作も可能である。
【0012】
本発明の多色少量塗装システムは、塗装ロボット、自動塗装装置またはそれら双方を備えてなる。
塗装ロボットおよび自動塗装装置は、その構成について特に限定されないが、塗料カートリッジを例えば塗装ロボットの頭部(第1アームの先端部または第2アームの後端部)において搭載することができ、かつ、これと同時に塗料カートリッジを塗装ロボットまたは自動塗装装置の塗装機(例えばベル型静電塗装機)とも接続されるようにする構造を有するものが利用される。
塗装ロボットおよび自動塗装装置は、塗装機の他に、通常、塗料色替装置(CCV)および流量調節手段(ギアポンプ)などを備え、さらに、シンナーおよびエアの供給源とも接続され、これらの圧入により塗料流路を洗浄しうる機構をも備えてなる。
そして、塗装ロボットおよび自動塗装装置は、下記の塗料給送機構とも連係して諸動作をなす構成となっている。
【0013】
移載装置は、所要の色の塗料カートリッジをストック装置より取り出して運搬し、塗装ロボットまたは自動塗装装置に搭載する装置であり、そして、塗装後に使用済みの塗料カートリッジを塗装ロボットまたは自動塗装装置より取り出してストック装置に回収する機能を併せて有するものがより好ましい。
本発明では、移載装置としては、移載の動作に関して自由度がより低く、塗料カートリッジを運搬する軌跡が予め定まっているところの自動移載装置が適用される。
自動移載装置は、例えば、装置本体の他、移動体、2つのチャック手段、駆動装置および制御装置より成り、塗料カートリッジを吊持しながらストック装置と塗装ロボットまたは自動塗装装置との間で往復運搬し、そして、塗料カートリッジをストック装置より取り出して塗装ロボット等に搭載するとともに、使用済みの塗料カートリッジを塗装ロボット等より取り出してストック装置に回収することができるものが利用されうる。
移載装置、特にその本体は、塗料カートリッジのストック装置および塗装ロボットまたは自動塗装装置の近くに、例えばそれらの上方または側方に、配置される。
移動体は、装置本体に対して、ストック装置と塗装ロボットまたは自動塗装装置とにわたって、往復移動自在に、例えば装置本体に敷設された案内レールに沿って往復摺動自在に、支持された治具あるいは構造体などである。
2つのチャック手段は、上記の移動体に一緒に取り付けられ、そして、各々のチャック手段は、チャック対を開閉する機構と、移動体がストック装置側に位置するとき、該チャック対をストック装置内の塗料カートリッジに接近させそしてそれより離隔し、また移動体が塗装ロボットまたは自動塗装装置の側に位置するとき、該チャック対を搭載された塗料カートリッジに接近させそしてそれより離隔する機構とを備え、これらの動作により、各々、塗料カートリッジを掴持および解放することができるものである。塗料カートリッジへの接近・離隔をなす機構は、例えば、移載装置がストック装置および塗装ロボット等の上方に配置される場合には、チャック対を、ストック装置内の塗料カートリッジに向けて、および塗装ロボット等に搭載された塗料カートリッジに向けて、上下動させる機構よりなる。
駆動装置は、上記の移動体の往復運動と2つのチャック手段の動作とを行なう駆動手段であって、必ずしも一体の装置である必要はない。例えば、移動体を往復運動させるコンベア機構(好ましくは防爆ACサーボモータ)と、チャック対を上下動させるシリンダ装置と、チャック対を開閉させるシリンダ装置との組合せよりなる。
従って、以上の構成より、2つのチャック手段で以てそれぞれ、塗料カートリッジを掴持しながら、それを移動体の往復動によりストック装置と塗装ロボットまたは自動塗装装置との間で運搬し、その後、必要なときに、それを解放するという動作をなすことができる。
【0014】
また、移載装置の制御装置は、移載装置の動作全体を制御する装置であり、より好ましくは、移動体がストック装置側に位置するときには、使用済みの塗料カートリッジを運搬してきた一方のチャック手段が、ストック装置内の回収口(塗料カートリッジを回収するための投入口)に接近し、続いて、その使用済み塗料カートリッジを解放してストック装置の回収口に投入するとともに、他方のチャック手段が、ストック装置内の取出位置に接近し、続いて、その取出位置に予め運ばれている次に塗装しようとする塗料色の、即ち所要の塗料色の塗料カートリッジを掴持してストック装置より取り出し、また、移動体が塗装ロボットまたは自動塗装装置の側に位置するときには、一方のチャック手段が、塗装ロボットまたは自動塗装装置の搭載部(塗料カートリッジを搭載する箇所)に接近し、既にそこに搭載されそして塗装に利用された使用済みの塗料カートリッジを掴持して塗装ロボットまたは自動塗装装置より取り出し、これに続いて、所要の塗料色の塗料カートリッジを運搬してきた他方のチャック手段が、塗装ロボットまたは自動塗装装置の搭載部に接近し、その所要の塗料カートリッジを解放して塗装ロボットまたは自動塗装装置に搭載するという一連の動作を制御する。
この場合、以上の一連の動作で以て、塗装しようとする塗料色の塗料カートリッジのストック装置から塗装ロボットまたは自動塗装装置への搭載と、使用済みの塗料カートリッジの塗装ロボットまたは自動塗装装置からストック装置への回収とを、同時に為すことができる。
【0015】
最後に、塗料給送機構は、塗装ロボットまたは自動塗装装置において塗料カートリッジの搭載部から塗装機に通じるまでの塗料流路を備え、そして、例えばエアシリンダ装置の動作によって、該搭載部に搭載された塗料カートリッジと結合することができ(つまり、該塗料カートリッジを塗料流路と接続させることができ)、そして結合時、例えば加圧エアを該塗料カートリッジ内に注入し、内部の塗料袋を押し潰すことにより、塗料カートリッジ内の塗料を外部に押出し、そして、上記塗料流路を経て塗装機に供給することができるものである。
以上述べたように、本発明の多色少量塗装システムは、ストック装置にて数多い塗料色の塗料を塗料カートリッジの形態で(つまり少量の単位で)それぞれ貯蔵し、そして、移載装置を用いて、所要の色の塗料カートリッジをストック装置より選択的に取り出して運搬し、続いてこれを塗装ロボットまたは自動塗装装置に搭載し、その後、塗料給送機構により、搭載された塗料カートリッジ内の塗料を外へ押出して塗装ロボットまたは自動塗装装置の塗装機に供給することができるものである。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面により説明する。この実施例は、非制限的な例であって、本発明がこれに限定されないことは、言うまでもない。
【0017】
本実施例の多色少量塗装システムは、図1に示すように、塗装ブース内(図示せず)において塗装ロボット1と、その側方に配置された塗料カートリッジ2・・のストック装置3と、このストック装置3の上方に配備された移載装置4と、そして、塗装ロボット1の頭部、即ち第2アームの後端部に設けられた塗料給送機構5よりなる。
この塗装システムは、図2に示す水平に搬送されるワーク(自動車ボディ)Aの塗装をなすために、種々の色の塗料を少量の単位で(つまり塗料カートリッジ2の形態で)ストック装置3に貯蔵するとともに、移載装置4が塗装しようとする塗料色の塗料カートリッジ2をストック装置3より取り出して塗装ロボット1に搭載することにより、所要の色の塗料を選択的に塗装ロボット1の塗装機6に供給することができる塗装システムである。なお、図2中、fはワークAの搬送方向を示し、cは塗装ロボット1の旋回中心を示す。
【0018】
塗料カートリッジ2は、円筒形の金属またはプラスチック容器であって、図11に示すように、その内部に、筒状の可撓性の塗料袋(合成樹脂チューブ)7を装填し、かつ、その先端側に、塗料袋7と連通する結合部8を備え、さらに、その後端側に、エア流入口部9を設けてなる。
本塗装システムにおいては、適当な数、例えば、各々塗料色が異なる約20個ないし約100個の塗料カートリッジ2・・が準備される。つまり、塗料カートリッジ2の塗料袋7には、各々特定の塗料色の少量の塗料、例えばワーク1台の塗装においてその色について必要とされる量の塗料が充填されている。
【0019】
ストック装置3は、適当数の塗料カートリッジ2・・を保持するエンドレスコンベア機構を備え、そして所要の色の塗料カートリッジを取出位置まで回し運ぶことができる装置である(図中、枠線sはその設置場所を表わす。)。
より詳しく述べると、ストック装置3は、図3、図4に示すようなエンドレスチェーンコンベア機構10およびこれに組み付けられた約30個の保持手段11・・を備え、さらにコンベア機構10の運転を制御する制御装置(図示せず)を備えてなり、約30種の塗料色の塗料カートリッジ2・・を貯蔵するとともに、それらの中より所要の塗料カートリッジ2が移載装置4によって選択的に取り出されうる構成となっている。さらに、図3に示すようにストック装置3は、使用済みの塗料カートリッジ2を回収する回収機構12をもエンドレスチェーンコンベア機構10に併設してなる。
エンドレスチェーンコンベア機構10は、左右一対のエンドレスチェーン13、13(各チェーン13はそれぞれ5個のスプロケット14・・に巻き掛けられている)を一定の間隔を開けて並設し、そして、一つのスプロケット軸15を防爆インバータモータ16および減速機17とカップリング18を介して接続してなり、これら駆動機構19の運転によって、左右のエンドレスチェーン13、13間に保持された塗料カートリッジ2を回し運ぶことができる。
ストック装置3の上部には、取出位置(塗料カートリッジ2を取り出す箇所)20が設けられ、また、その下部には、塗料カートリッジ2の装入箇所(新しい塗料カートリッジ2が外部より追加される箇所)21が設けられており、上記のエンドレスチェーンコンベア機構10は、塗料カートリッジ2の取出位置20および装入箇所21を通る無端のコンベア経路を有するものとなっている。
【0020】
保持手段11は、各塗料カートリッジ2をそれぞれ着脱可能に保持する手段であり、ストック装置3に貯蔵される約30種の塗料カートリッジ2・・の数だけ設けられる。この保持手段11は、図5および図6に示すように、塗料カートリッジ2を受け取り収めうる収納枠22と、左右一組の屈曲した保持アーム23、23と、該保持アーム23、23に付設されたコイルバネ24、24よりなる。
収納枠22は、塗料カートリッジ2を囲いうるようにいくつかの直立した枠棒25・・を枠ベース26に配設してなり、塗料カートリッジ2をその中に収めたとき、枠棒25が塗料カートリッジ2の前端面、後端面および外周面と隙間なく当接することにより、塗料カートリッジ2を安定に保持することができる。
また、左右の保持アーム23、23はそれぞれ、略直角に屈曲したアームであって、収納枠22の外側にて、その屈曲部27を中心に回動自在にそしてそれぞれの内角側が対向するように支持されている。保持アーム23の上腕部28の先端には、押え部材29が取り付けられ、一方、その下腕部30の先端には、押出し部材31が取り付けられている。
コイルバネ24、24はそれぞれ、保持アーム23の上腕部28と収納枠22の枠ベース26との間に介装され、これにより上腕部28が直立の姿勢より内側に傾くと、左右の保持アーム23、23はそれぞれ内向きに付勢され、反対に、上腕部28が直立の姿勢より外側に傾くと、左右の保持アーム23、23はそれぞれ外向きに付勢されるという機構(所謂、トグル機構)が備えられている(図5参照)。従って、左右のコイルバネ24、24の内向きの作用力によって、保持アーム23、23の上腕先端の押え部材29、29がそれぞれ収納枠22内に装入された塗料カートリッジ2を押圧することにより、該塗料カートリッジ2は強固に掴持されるようになっている。
また、保持アーム23の上腕部28は、左右それぞれ、図5、図6に示すように細長いピン51を水平に植設してなる。一方、下記に述べる移載装置4のチャック手段32bは、図5、図6に示すようにそのベース部46の左右両端に、押し広げ部材33、33をそれぞれ付設してなる。しかして、保持手段11が塗料カートリッジ2の取出位置20に停止するとき、その位置の直上方に到来したチャック手段32bが下降し、これとともに、押し広げ部材33、33が左右のピン51、51に当接しながら、左右の保持アーム23、23の上腕部28、28をそれぞれ外向きに押し回し、そして左右の上腕部28、28が直立姿勢より外側に傾いたとき、左右の保持アーム23、23は、左右のコイルバネ24、24の外向きの作用力によって、外向きに勢いよく回動し、よって、その下腕先端の押出し部材31、31がそれぞれ、収納枠22内に装入された塗料カートリッジ2を上方へ押し上げる。かかる構成により、チャック手段32bは、取出位置20において塗料カートリッジ2を容易に掴持して運び去ることができ、つまり、移載装置4による塗料カートリッジ2の容易な取り出しが可能となっている。
塗料カートリッジ2の取り出し後において、保持手段11は、左右の保持アーム23、23がそれぞれ外向きに押し広げられた状態に保たれる。しかして、この保持手段11が塗料カートリッジ2の装入箇所21にまで回し運ばれ、そして作業者が新たな塗料カートリッジ2を装入する際、装入された塗料カートリッジ2が左右の保持アーム23、23の押出し部材31、31を下方へ押し、左右の下腕部30、30を内向きに押し回し、そして、左右の上腕部28、28が直立姿勢より内側に傾いたとき、左右の保持アーム23、23は内向きに勢いよく回動し、よって、その上腕先端の左右の押え部材29、29がそれぞれ、装入された塗料カートリッジ2を上方より押え付け、収納枠22に保持する。かかる構成により、塗料カートリッジ2の容易な装入が可能となっている。
【0021】
塗料カートリッジ2の制御装置は、エンドレスチェーンコンベア機構10の駆動機構を適当量動作せしめることにより、所要の塗料カートリッジ2を取出位置20まで回し運ぶという制御を、塗料カートリッジ2のアドレス情報に基づいて行なう装置である。すなわち、この制御装置は、エンドレスチェーンコンベア機構10の駆動量(チェーンコンベア13の進行量)に基づいて、装入された塗料カートリッジ2の無端コンベア経路内の位置を計算できる装置であり、各塗料カートリッジ2の装入の際に自動読み取りまたは手入力により入力されたアドレス情報に基づいて、無端コンベア経路を循環する塗料カートリッジ2・・が原位置を基にいかなるアドレス順序で配列されているかを算出し、そして、これに基づいて、取り出そうとする塗料色の塗料カートリッジ2を取出位置20まで回し運ぶのに必要な駆動量を算出し、そして、その必要な回し運びの量だけエンドレスチェーンコンベア機構10を駆動させることにより、取り出そうとする塗料色の塗料カートリッジ2を取出位置20まで回し運ぶという制御を行なう。
また、制御装置は、上記の構成に代えて、光学的な読み取り手段(バーコードリーダ)を塗料カートリッジ2の回し運び経路の側方に備え、これで以て、各保持手段11に付されたアドレスマークおよび各塗料カートリッジ2に付された塗料色についてマーク(バーコードマーク)を光学的に読み取り、読み取られたアドレスおよび塗料色の情報に基づいて、次に塗装しようとする塗料色の塗料カートリッジ2を取出位置20にまで回し運ぶという制御を為すものでもよい。
なお、図中、34は、取出位置20において回し運ばれた塗料カートリッジ2の停止を検知する停止確認センサ(近接スイッチ)であり、また35は、取出位置20の近上方より、取出位置20に到来する塗料カートリッジ2の塗料色種等の塗装データを光学的に読み取るセンサである。
而して、ストック装置3は、約30種の数多い色の塗料をその中に貯蔵することができるとともに、塗装すべき塗料色をストック装置3の制御装置に指定すると、その制御に従って、まず、エンドレスチェーンコンベア機構10がその運転を開始し、その塗料色の塗料カートリッジ2を取出位置20まで回し運ぶことができるものとなっている。
なお、ストック装置3は、貯蔵する塗料カートリッジ2をその軸方向を中心として回転しながら回し運ぶので、塗料カートリッジ2内の塗料を攪拌し、より均質に混和することができる。
【0022】
また、回収機構12は、図3に示すように、塗料カートリッジ2の回収口36より下方に、略U字形の受けバー37・・を左右交互に斜め下がりの姿勢で配置して、塗料カートリッジ2がジグザグに滑り落ちる通路38を上下に形成し、さらにこの通路38に続いて、水平に延びる通路39をストック装置3側面の取出し口40とともに形成してなり、従って、使用済みの塗料カートリッジ2は、回収口36より投入されたとき、これらの通路38、39を通って、最終的に取出し口40より回収されるようになっている。
【0023】
また、移載装置4は、塗料カートリッジ2の塗装ロボット1への搭載および塗装ロボット1からの回収を同時に為すための装置であって、図7ないし図9に示されるように、装置本体41の他、移動体42、2つのチャック手段32a、32b、駆動装置49および制御装置(図示せず)よりなる。
装置本体41は、案内レール43を水平に、塗装ロボット1上方とストック装置3上方とにわたって敷設するところの構造体である。
移動体42は、装置本体41の案内レール43に往復摺動自在に支持された部品であって、コンベア機構44、即ち防爆ACサーボモータ48の運転によって案内レール43に沿って水平に滑り往復移動することができる。
また、移動体42は、左右2つのチャック手段32a、32bを一緒に所定の間隔で平行に吊持してなる。
各チャック手段32a、32bは、揺動自在な2つのチャック対45a、45bをベース部46に取り付け、そしてシリンダ装置の運転によって開閉動作をするように備え、これとともに、該ベース部46をシリンダ装置47の運転によって上下動可能に備えてなる。したがって、各チャック手段32a、32bは、ベース部46の昇降動作によってチャック対45a、45bを、下方に位置する塗料カートリッジ2に接近させあるいはそれより離隔させることができ、また、これに伴うチャック対45a、45bの開閉動作によって塗料カートリッジ2を掴持および解放することができる。
以上のように、移載装置4は、2つのチャック手段32a、32bによりそれぞれ、塗料カートリッジ2を掴持・解放し、そして塗料カートリッジ2を吊持しながら、移動体42の往復動により塗装ロボット1とストック装置3との間で往復運搬することができる。
【0024】
制御装置は、移載装置4の動作全体を制御する装置であり、移動体42がストック装置3側に位置するとき、使用済みの塗料カートリッジ2を運搬してきたチャック手段32aが、下降してストック装置3の回収口36に接近し、続いて、その使用済み塗料カートリッジ2を解放して回収口36内に投入し、その後上昇し、これとともに、チャック手段32bが、下降してストック装置3の取出位置20に接近し、続いて、塗装しようとする塗料色の所要の塗料カートリッジ2を掴持してストック装置3より取り出し、その後上昇し、また、移動体42が塗装ロボット1側に位置するとき、チャック手段32aが、下降して塗装ロボット1の搭載用スペース部50に接近し、既にそこに搭載されている使用済みの塗料カートリッジ2を掴持して塗装ロボット1より取り出し、その後上昇し、これに続いて、所要の塗料カートリッジ2を運搬してきたチャック手段32bが、子下降して塗装ロボット1の搭載用スペース部50に接近し、その所要の塗料カートリッジ2を解放して塗装ロボット1に搭載し、その後上昇するという一連の動作を制御する。
なお、本例においては、各チャック手段32a、32bはそれぞれ、ベース部46の左右両端に押し広げ部材33、33を備えており、図5および図6に示すように、チャック対45a、45bが保持手段11によって保持された塗料カートリッジ2に接近するとき、左右の押し広げ部材33、33はそれぞれ、左右の上腕部28、28のピン51に当接しながら、保持アーム23、23(押え部材29、29)を外向きに押し回し、そして、左右の上腕部28、28が直立の姿勢より外側に傾いたとき、左右の保持アーム23、23の上腕部28、28は勢いよく回動し、その下腕部30先端の押出し部材31、31がそれぞれ、収納枠22内に装入された塗料カートリッジ2を上方へ押し上げ、従って、チャック対45a、45bによる塗料カートリッジ2の掴持が容易になされうるようになっている。なお、図中、62は、塗料カートリッジ2が掴持されているかどうかを検知するセンサである。
【0025】
塗装ロボット1は、図10および図2に示すように、コンベア機構52によりワークAの搬送方向fに往復移動することができ、また、塗装機6を旋回、変向する機構を備えており、これらの運動動作により、ワークAに対する自動塗装を為しうる構成となっている。
さらに、塗装ロボット1は、図10に示すように、その頭部(第2アームの後端部)53の上面に、塗料カートリッジ2を搭載することができる構造のスペース部50を有し、そのスペース部50には、さらに塗料給送機構5が備えられている。
塗料給送機構5は、塗料カートリッジ2が搭載されたとき、その塗料カートリッジ2と結合し、そして、結合状態において、塗料カートリッジ2内の塗料を押出して塗装ロボット1の塗装機6に供給することができるものである。
その構成を図11および図12の概略図に基づいてさらに説明すると、図11は、塗装ロボット1のスペース部50を示し、図12は、スペース部50から塗装機6までの塗料流路を示す。搭載された塗料カートリッジ2の先端側には、エアシリンダ装置54の動作によって結合管55がカートリッジ2の長手方向(図中、矢印p方向)に変位可能に備えられ、また、塗料カートリッジ2の後端側には、エアシリンダ装置56の動作によってエア流入管57がカートリッジ2の長手方向(図中、矢印q方向)に変位可能に備えられている。結合管55は塗料流路Bと接続されており、一方、エア流入管57は加圧エア源(図示せず)と接続されている。従って、塗料カートリッジ2がスペース部50に搭載されたとき、結合管55が塗料カートリッジ2の結合部8と連結することにより、塗料カートリッジ2内の塗料袋7が塗料流路Bと連通し、また、エア流入管57が塗料カートリッジ2のエア流入口部9と結合することにより、加圧エアが塗料カートリッジ2の内部に流入しうるようになっている。
結合管55(塗料流路B)は、塗料色替え(CCV)装置58、流量調節用ギアポンプ59を経由して、ベル型静電塗装機6と接続されている。従って、上記の結合動作により、塗料カートリッジ2内の塗料袋7が塗料流路Bと連通した時点で、加圧エアを塗料カートリッジ2の内部に流入せしめると、そのエア圧力によって塗料カートリッジ2内の塗料袋7が圧縮され、塗料袋7内の塗料が外へ押出され、結合管55、色替え(CCV)装置58、ギアポンプ59を通って塗装ロボット1の塗装機6に給送され、最終的にワークAの塗装に利用される。
なお、上記の結合管55は、その取付け治具60上を横方向(図中、矢印r方向)に移動することもでき、塗料カートリッジ2の側方に備えられた洗浄用シンナー・エアバルブユニット61と結合することにより、その内部および塗料流路Bの洗浄が可能となっている。
【0026】
以上述べたように、本実施例の塗装システムは、数多くの塗料色の塗料を少量の単位で(塗料カートリッジ2の形態で)ストック装置3に貯蔵するとともに、それら塗料群の中から、移載装置4が特定の塗料色の塗料カートリッジ2をストック装置3より取り出して塗装ロボット1に搭載することにより、所要の塗料色の塗料を選択的に塗装ロボット1の塗装機6に供給し、ワークAの多色少量塗装に供することができるものである。
その上、本例の塗装システムは、各塗料色ごとの塗料供給路(循環系)を塗装ロボット1の作業域内まで導くという構成でなく、よって、設備が大掛かりなものとはならない。
さらに、本例の塗装システムは、塗料色の交換(移載装置4による塗料カートリッジ2の往復)を塗装ロボット1による塗装と同時に進行させることができ、よって、多色塗装の作業効率が大変高いものになる。
また、本例の塗装システムは、塗料カートリッジ2の貯蔵の間、それを回転しながら回し運ぶので、塗料カートリッジ2内の塗料を攪拌し、より均質に混和することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の多色少量塗装システムは、数多い塗料色の塗料をそれぞれ少量の単位で貯蔵するとともに、それら塗料色の群の中から所要の塗料色の塗料を選択的に塗装ロボットまたは自動塗装装置の塗装機に供給して、塗装を為すことができるという効果が得られる。
その上、本発明の塗装システムは、塗装ロボットまたは自動塗装装置において塗装が行われている間に、次に塗装すべき塗料色の塗料を塗装カートリッジの形態でストック装置より塗装ロボットまたは自動塗装装置に運搬し、搭載前の態勢まで準備しておくことができる。したがって、本発明によれば、色交換を含む塗装作業全体の効率が大変高いものになるという効果が得られる。
さらに、本発明の塗装システムは、相対的に小型なストック装置と移載装置を備えるだけで済み、設置スペースの面において有利である。したがって、本発明によれば、塗装の設備全体の小型化に寄与できるという効果も得られる。
また、本発明の塗装システムは、ストック装置にて塗料カートリッジ内の塗料が効率よく攪拌され、従って、より均質に混和された塗料を塗装機に供給し、塗装に使用することができ、また、数多い塗料色の塗料をそれぞれ長期間安定して貯蔵することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の多色少量塗装システムを示す全体図である。
【図2】図1に示す多色少量塗装システムを上方より見た図である。
【図3】実施例の多色少量塗装システムに使用されるストック装置の内部を概略的に示す正面図である。
【図4】図3に示すストック装置を側方より見た側面図である。
【図5】図3に示すストック装置に備えられる保持手段および移載装置のチャック手段の下部を示す図である。
【図6】塗料カートリッジの保持(左半図)およびその取り出し(右半図)の様子を示す図である。
【図7】実施例の多色少量塗装システムに使用される移載装置の全体を示す正面図である。
【図8】図7に示す移載装置の移動体とチャック手段を拡大して示す正面図である。
【図9】図7に示す移載装置のチャック手段を拡大して示す側面図である。
【図10】実施例の多色少量塗装システムに使用される塗装ロボットの全体を示す正面図である。
【図11】図10に示す塗装ロボットの頭部における塗料カートリッジ搭載部の構成を示す概略図である。
【図12】塗料カートリッジ搭載部から塗装機までの塗料流路を示す図である。
【符号の説明】
1 塗装ロボット
2 塗料カートリッジ
3 ストック装置
4 移載装置
5 塗料給送機構
6 塗装機
7 塗料袋
10 エンドレスコンベア機構
11 保持手段
20 取出位置
32a,32b チャック手段
42 移動体
50 搭載用スペース部

Claims (2)

  1. 種々の色の塗料を少量の単位で貯蔵するとともに、所要の色の塗料を選択的に塗装機に供給することができる塗装システムであって、
    各々特定の塗料色の少量の塗料が充填された適当数の塗料カートリッジと、
    前記適当数の塗料カートリッジを保持するエンドレスコンベア機構を備え、そして所要の色の塗料カートリッジを取出位置まで回し運ぶことができるストック装置と、
    塗料カートリッジを搭載することができる構造を備えた塗装ロボットまたは自動塗装装置と、
    前記所要の色の塗料カートリッジを前記ストック装置の取出位置より取り出して運搬し、前記塗装ロボットまたは自動塗装装置の搭載部に搭載する移載装置であって、塗料カートリッジを運搬する軌跡が予め定まっているところの自動移載装置と、
    搭載された塗料カートリッジと結合可能であり、結合時、該塗料カートリッジ内の塗料を押出して前記塗装ロボットまたは自動塗装装置の塗装機に供給する塗料給送機構とを備えてなる、
    多色少量塗装システム。
  2. 前記記載の自動移載装置は、前記ストック装置と前記塗装ロボットまたは前記自動塗装装置との間で往復移動自在に設けられた移動体と、該移動体に一緒に取り付けられ、前記移動体がストック装置側に並びに塗装ロボット又は自動塗装装置の側に位置するとき、それぞれ、塗料カートリッジに接近してこれを掴持するか又は掴持していた塗料カートリッジを解放することができる2つのチャック手段を備えてなることを特徴とする、請求項1に記載の多色少量塗装システム。
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