<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について図1から図8を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置1の説明図である。なお、図1は、電気光学装置1に対する信号伝送系の構成を示す。電気光学装置1は、電気光学パネル100と、ドライバーIC(Integrated Circuit)等の駆動用集積回路200と、フレキシブル回路基板300とを有する。電気光学パネル100は、駆動用集積回路200が搭載されるフレキシブル回路基板300に接続される。また、電気光学パネル100は、フレキシブル回路基板300および駆動用集積回路200を介して、図示しないホストCPU(Central Processing Unit)装置に接続される。駆動用集積回路200は、画像信号および駆動制御のための各種の制御信号をホストCPU装置からフレキシブル回路基板300を介して受信し、フレキシブル回路基板300を介して電気光学パネル100を駆動する装置である。
図2は、第1実施形態に係る電気光学装置1の構成を示すブロック図である。図2の第1方向D1は、電気光学パネル100において、複数本の信号線111のうち一の信号線111における画像信号Sの入力端を始点にして一の信号線111の延在する方向を示す。なお、図2では、図を見やすくするために、第1の検査パッド171以外の検査パッドの記載を省略している。例えば、データ線112の検査パッド、書き込み選択信号線114の検査パッド、プリチャージ制御信号線113の検査パッドおよび図4に示す第2の検査パッド172等の記載を省略している。
電気光学装置1の電気光学パネル100は、m本の走査線110、n本の信号線111、プリチャージ制御信号線113、プリチャージ電源線115、表示領域120、走査線駆動回路130、k個のデマルチプレクサー140[1]〜140[k]、プリチャージ回路150および検査回路160を有する。なお、m、nおよびkは、自然数である。図2に示す例では、n本の信号線111が8個の信号線111を含むk個の信号線群に分類されるため、kはnを8で除算して得られる値である。電気光学装置1の駆動用集積回路200は、信号線111に画像信号Sを供給する信号線駆動回路210、プリチャージ電源220、第1電源230および第2電源232を有する。なお、駆動用集積回路200は、プリチャージ電源220、第1電源230および第2電源232の各電源と信号線駆動回路210とを分離した形態としてもよい。
表示領域120は、画像を表示する領域である。例えば、表示領域120は、m本の走査線110とn本の信号線111との各交差に対応して設けられる画素122を含む。画素122は、図3に示すように、印加電圧に応じて透過率が変化する液晶123cを有する。液晶123cに印加される電圧に応じて液晶123cの透過率が変化することにより、画素122の表示階調が変化する。図2では、図の一番上側に記載されている画素122の行を1行目とし、図の一番左側に記載されている画素122の列を1列目とする。
走査線駆動回路130は、駆動用集積回路200から受ける制御信号に基づいて走査信号G[1]〜G[m]を生成し、走査信号G[1]〜G[m]をm本の走査線110の各々に出力する。例えば、走査線駆動回路130は、垂直走査期間内に各走査線110に対する走査信号G[1]〜G[m]を1水平走査期間毎に順次アクティブにする。
なお、走査線駆動回路130は、第1電源230から低電位側電源線116を介して供給される第1電源電圧VSSYと、第2電源232から高電位側電源線117を介して供給される第2電源電圧VDDYとを電源電圧として動作する。第2電源電圧VDDYは、第1電源電圧VSSYより高い。例えば、走査信号Gは、第2電源232に基づいて生成されるハイレベル等の選択電圧に維持されている期間にアクティブとなり、第1電源230に基づいて生成されるローレベル等の非選択電圧に維持されている期間に非アクティブとなる。すなわち、第2電源232は、選択状態の走査線110に電位を与え、第1電源230は、非選択状態の走査線110に電位を与える。
例えば、第p行に対応する走査信号G[p]が選択電圧に維持されている期間では、第p行に対応する走査線110が選択状態であり、第p行のn個の画素122の各々が有する各液晶123cは、n本の信号線111にそれぞれ電気的に接続される。なお、pは、1〜mの自然数である。また、走査信号G[p]が非選択電圧に維持されている期間では、第p行に対応する走査線110が非選択状態であり、第p行のn個の画素122の各々が有する各液晶123cとn本の信号線111との間の電気的な接続状態は、非導通状態である。
k個のデマルチプレクサー140[1]〜140[k]は、k個の信号線群にそれぞれ対応している。例えば、k個のデマルチプレクサー140[1]〜140[k]は、信号線駆動回路210からk本のデータ線112[1]〜112[k]にそれぞれ供給される画像信号Sをそれぞれ受ける。なお、本実施形態では、信号線111を8本単位で区分しているため、1本のデータ線112に8画素分の画像信号Sが信号線駆動回路210から時分割で供給される。したがって、各デマルチプレクサー140は、対応する信号線群に含まれる8本の信号線111に画像信号Sを時分割で供給する。
各デマルチプレクサー140は、対応する信号線群に含まれる8本の信号線111にそれぞれ接続される8個の書き込みスイッチ142[1]〜142[8]を有する。すなわち、iを1〜kの自然数とすると、デマルチプレクサー140[i]の8個の書き込みスイッチ142[1]〜142[8]の各々の一方の接点は、8×i−7列目から8×i列目までの8本の信号線111にそれぞれ接続される。そして、デマルチプレクサー140[i]の8個の書き込みスイッチ142[1]〜142[8]の各々の他方の接点、すなわち、信号線111に接続されていない接点は、データ線112[i]に共通に接続される。k本のデータ線112[1]〜112[k]は、フレキシブル回路基板300を介して駆動用集積回路200の信号線駆動回路210に接続される。
書き込みスイッチ142[1]〜142[8]は、例えば、TFT(thin film transistor)等で構成されるNチャネル型のトランジスターであり、ゲート等の制御端子で受ける書き込み選択信号SL[1]〜SL[8]のレベルに応じて、導通状態と非導通状態とのいずれかに設定される。なお、書き込みスイッチ142[1]〜142[8]は、TFT以外のスイッチング素子でもよい。以下では、書き込み選択信号SL[j]で制御される書き込みスイッチ142[j]は、第j系列の書き込みスイッチ142とも称される。なお、jは、1以上8以下の自然数である。また、第j系列の書き込みスイッチ142[j]に接続される信号線111は、第j系列の信号線111とも称される。したがって、書き込み選択信号SLの符号の角括弧内の数字等は、制御対象の信号線111の系列番号に対応する。同様に、後述するプリチャージ制御信号PSLの角括弧内の数字等も、制御対象の信号線111の系列番号に対応する。互いに異なる2つの系列の一方の系列の信号線111の1つは、第1信号線の一例であり、他方の系列の信号線の1つは、第2信号線の一例である。
各デマルチプレクサー140の8個の書き込みスイッチ142[1]〜142[8]は、書き込み選択信号SL[1]〜SL[8]を、駆動用集積回路200の信号線駆動回路210から書き込み選択信号線114を介して受ける。書き込み選択信号線114は、フレキシブル回路基板300を介して駆動用集積回路200の信号線駆動回路210に接続される。書き込み選択信号SL[1]〜SL[8]は、信号線111に画像信号Sを出力する開始タイミングを指定する。
例えば、1個の書き込み選択信号SL[1]がハイレベル、他の7個の書き込み選択信号SL[2]〜SL[8]がローレベルである場合には、k個のデマルチプレクサー140[1]〜140[k]の各々に含まれるk個の書き込みスイッチ142[1]のみが導通状態となる。したがって、k個のデマルチプレクサー140[1]〜140[k]の各々は、k本のデータ線112に供給される画像信号Sを各信号線群の第1系列の信号線111にそれぞれ出力する。以下、同様にして、k個のデマルチプレクサー140[1]〜140[k]の各々は、k本のデータ線112に供給される画像信号Sを各信号線群の第2系列、第3系列、第4系列、第5系列、第6系列、第7系列および第8系列の信号線111にそれぞれ出力する。
プリチャージ回路150は、画像を表示する表示領域120に対して、第1方向D1の側に配置される。すなわち、プリチャージ回路150は、表示領域120に対して、k個のデマルチプレクサー140[1]〜140[k]と反対側に配置される。プリチャージ回路150は、プリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]に基づいて、n本の信号線111にプリチャージ信号PRCを所定の順序で供給する。例えば、プリチャージ回路150は、プリチャージ制御信号PSLに基づいて、互いに異なる2つの系列の信号線111の一方の系列の信号線111の1つである第1信号線と、他方の系列の信号線111の1つである第2信号線とにプリチャージ信号PRCを異なるタイミングで供給する。
プリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]は、信号線駆動回路210からプリチャージ制御信号線113を介してプリチャージ回路150に供給される。なお、本実施形態では、信号線111を8個の系列に区分しているため、プリチャージ制御信号線113の数は、8本である。プリチャージ制御信号線113は、第1プリチャージ制御信号線および第2プリチャージ制御信号線の一例である。プリチャージ信号PRCは、プリチャージ電源220からプリチャージ電源線115を介してプリチャージ回路150に供給される。
なお、プリチャージ回路150は、第1電源230から低電位側電源線116を介して供給される第1電源電圧VSSYと、第2電源232から高電位側電源線117を介して供給される第2電源電圧VDDYとを電源電圧として動作する。プリチャージ回路150の詳細は、図4で説明する。
検査回路160は、表示領域120およびプリチャージ回路150に対して、第1方向D1の側に配置される。検査回路160は、n本の信号線111を検査する検査動作において、n本の信号線111のうちの検査対象の信号線111を選択する検査制御信号SOUT[1]〜SOUT[k]をプリチャージ回路150に出力する。なお、検査回路160には、検査動作において、第1の検査パッド171から検査電源線118を介して、第1電源電圧VSSYより高い第3電源電圧VDDXが供給される。検査回路160の詳細は、図4で説明する。
駆動用集積回路200は、信号線駆動回路210と走査線駆動回路130とプリチャージ回路150とを同期制御する。信号線駆動回路210は、8画素分の画像信号Sを時系列的なシリアル信号として、各デマルチプレクサー140に出力する。例えば、信号線駆動回路210は、画像信号S[1]〜S[8]をデマルチプレクサー140[1]に順番に出力するとともに、画像信号S[n−7]〜S[n]をデマルチプレクサー140[k]に順番に出力する。同じ系列の信号線111に供給される画像信号Sは、信号線駆動回路210から各デマルチプレクサー140に並列に出力される。すなわち、信号線駆動回路210は、同じ系列の信号線111に供給するそれぞれの画像信号Sを、複数の信号線群の各々に並列に出力する。
プリチャージ電源220は、プリチャージ電源線115に電位を与える。この結果、例えば、プリチャージ電源線115にプリチャージ信号PRCが供給される。第1電源230は、低電位側電源線116に電位を与える。この結果、低電位側電源線116に第1電源電圧VSSYが供給される。第2電源232は、低電位側電源線116に与えられる電位より高い電位を、高電位側電源線117に与える。この結果、第1電源電圧VSSYより高い第2電源電圧VDDYが高電位側電源線117に供給される。次に、図3を用いて、画素122の構成を説明する。
図3は、画素122の構成を示す回路図である。各画素122は、液晶素子123、保持容量124および画素トランジスター125を有する。液晶素子123は、互いに対向する画素電極123aおよびコモン電極123bと、画素電極123aおよびコモン電極123b間に配置される液晶123cとを含む電気光学素子である。画素電極123aとコモン電極123bとの間の印加電圧に応じて液晶123cの透過率が変化することにより、表示階調が変化する。なお、コモン電極123bには、図示しないコモン線を介して、一定の電圧であるコモン電圧Vcomが供給される。
保持容量124は、液晶素子123と並列に設けられている。保持容量124の一方の端子は、画素トランジスター125に接続され、他方の端子は、図示しない容量線を介してコモン電極123bに接続される。
画素トランジスター125は、例えば、TFT等で構成されるNチャネル型のトランジスターであり、液晶素子123と信号線111との間に設けられる。そして、画素トランジスター125は、ゲートに接続される走査線110に供給される走査信号Gのレベルに応じて、導通状態と非導通状態とのいずれかに設定される。すなわち、画素トランジスター125は、液晶素子123と信号線111との間の電気的な接続を制御する。例えば、走査信号G[p]が選択電圧に設定されることで、第p行目の各画素122における画素トランジスター125が同時またはほぼ同時に導通状態に遷移する。
画素トランジスター125が導通状態に制御されると、液晶素子123には、信号線111から供給される画像信号Sが印加される。液晶123cは、画像信号Sが印加されることにより、画像信号Sに基づく透過率に設定される。この結果、各画素122の階調は、画像信号Sで指定される階調に設定される。例えば、図示しない光源が点灯状態になると、光源から出射される光は、画素122が有する液晶素子123の液晶123cを透過して、電気光学装置1の外部に出力される。すなわち、液晶素子123に画像信号Sが印加され、かつ、光源が点灯状態となることで、画素122は、画像信号Sに基づく階調を表示する。
また、液晶素子123と並列に設けられる保持容量124は、液晶素子123に印加される電圧に充電される。すなわち、各画素122は、画像信号Sに対応する電位を保持容量124に保持する。
なお、電気光学装置1では、電気光学材料の電気的な劣化を防止するため、液晶素子123に印加する電圧の極性を一定周期毎に反転する極性反転駆動が採用される。例えば、電気光学装置1は、信号線111を介して画素122に供給する画像信号Sのレベルを、画像信号Sの中心電圧に対して1垂直走査期間毎に反転する。なお、極性を反転させる周期は任意に設定することができ、例えば、垂直走査期間の自然数倍であってもよい。本明細書においては、画像信号Sの電圧が中心電圧等の所定電圧に対して高電圧となる場合を正極性とし、画像信号Sの電圧が所定電圧に対して低電圧となる場合を負極性とする。次に、図4を参照して、プリチャージ回路150および検査回路160の構成を説明する。
図4は、図2のプリチャージ回路150および検査回路160の構成を示す回路図である。図4の第1方向D1の意味は、図2の第1方向D1と同じである。図4に示す第1の検査パッド171から第6の検査パッド176は、検査工程等で使用される。例えば、第1の検査パッド171には、第1電源電圧VSSYより高い第3電源電圧VDDXが供給される。第2の検査パッド172には、第1クロック信号CLKが供給され、第3の検査パッド173には、第1クロック信号CLKの反転信号である第2クロック信号CLKBが供給される。また、第4の検査パッド174には、スタートパルスDXが供給され、第5の検査パッド175には、検査モード信号TXが供給される。また、第6の検査パッド176は、プリチャージ電源線115に接続される。
プリチャージ回路150は、k個の信号線群にそれぞれ対応して設けられるk個のプリチャージ選択回路152[1]〜152[k]と、k個のプリチャージ選択回路152[1]〜152[k]にそれぞれ対応して設けられるk個のスイッチ駆動回路154[1]〜154[k]とを有する。
各プリチャージ選択回路152は、対応する信号線群に含まれる8本の信号線111にそれぞれ接続される8個のプリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]を有する。すなわち、プリチャージスイッチ152aは、信号線111に対応して設けられる。例えば、プリチャージ選択回路152[i]の8個のプリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]の各々の一方の接点は、8×i−7列目から8×i列目までの8本の信号線111にそれぞれ接続される。そして、プリチャージ選択回路152[i]の8個のプリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]の各々の他方の接点、すなわち、信号線111に接続されていない接点は、プリチャージ電源線115に共通に接続される。プリチャージ電源線115は、フレキシブル回路基板300を介して駆動用集積回路200のプリチャージ電源220に接続される。
プリチャージ選択回路152[i]のプリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]は、接続制御信号CL[1,i]〜CL[8,i]に基づいて、信号線111とプリチャージ電源線115との間の電気的な接続状態を導通状態と非導通状態との間で切り替える。例えば、プリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]は、TFT等で構成されるNチャネル型のトランジスターであり、ゲート等の制御端子で受ける接続制御信号CLのレベルに応じて、導通状態と非導通状態とのいずれかに設定される。なお、プリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]は、TFT以外のスイッチング素子でもよい。プリチャージスイッチ152aは、第1スイッチおよび第2スイッチ等のスイッチの一例である。接続制御信号CLは、第1接続制御信号および第2接続制御信号の一例である。
画像信号Sに応じて画像を表示する通常動作では、接続制御信号CL[1,i]〜CL[8,i]として、プリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]が、スイッチ駆動回路154[i]からプリチャージ選択回路152[i]のプリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]に供給される。図4では、プリチャージスイッチ152aの動作を通常動作を中心に説明する。
通常動作では、各プリチャージ選択回路152のプリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]は、プリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]を、駆動用集積回路200の信号線駆動回路210からプリチャージ制御信号線113およびスイッチ駆動回路170を介して受ける。プリチャージ制御信号線113は、フレキシブル回路基板300を介して駆動用集積回路200の信号線駆動回路210に接続される。プリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]は、信号線111にプリチャージ信号PRCを出力する開始タイミングを指定する。
例えば、1個のプリチャージ制御信号PSL[1]がハイレベル、他の7個のプリチャージ制御信号PSL[2]〜PSL[8]がローレベルである場合には、k個のプリチャージ選択回路152[1]〜152[k]の各々に含まれるk個のプリチャージスイッチ152a[1]のみが導通状態となる。したがって、k個のプリチャージ選択回路152[1]〜152[k]の各々は、プリチャージ電源線115に供給されるプリチャージ信号PRCを各信号線群の第1系列の信号線111にそれぞれ出力する。以下、同様にして、k個のプリチャージ選択回路152[1]〜152[k]の各々は、プリチャージ電源線115に供給されるプリチャージ信号PRCを各信号線群の第2系列、第3系列、第4系列、第5系列、第6系列、第7系列および第8系列の信号線111にそれぞれ出力する。
各スイッチ駆動回路154は、第1電源230および第2電源232から供給される電源電圧で動作する8個の論理積回路154a[1]〜154a[8]を有する。論理積回路154aは、第1信号選択回路および第2信号選択回路等の信号選択回路の一例であり、プリチャージスイッチ152aに対応して設けられる。すなわち、プリチャージスイッチ152aと、プリチャージスイッチ152aに対応して設けられる論理積回路154aとを含む回路群は、n本の信号線111と1対1に対応して設けられる。したがって、プリチャージ回路150は、n本の信号線111と1対1に対応して設けられるn個の処理回路として、プリチャージスイッチ152aおよび論理積回路154aを含むn個の回路群を有する。
各論理積回路154aは、2つの入力端子で受ける信号の論理積の演算結果を出力する。例えば、各論理積回路154aは、第1の否定論理積回路154bと、第1の否定論理積回路154bの出力端子に入力端子が接続される第1のインバーター154cとを有する。第1の否定論理積回路154bは、2つの入力端子で受ける信号の否定論理積の演算結果を、第1のインバーター154cに出力する。また、第1のインバーター154cは、入力端子で受ける信号の反転信号を出力する。
例えば、スイッチ駆動回路154[i]の論理積回路154a[j]は、2つの入力端子で受ける信号の論理積の演算結果を、プリチャージ選択回路152[i]のプリチャージスイッチ152a[j]の制御端子に出力する。なお、iは、1〜kの自然数であり、jは、1以上8以下の自然数である。
スイッチ駆動回路154[i]の論理積回路154a[j]の2つの入力端子は、第1の否定論理積回路154bの2つの入力端子であり、後述する単位回路162[i]の第4のインバーター162eの出力端子および第j系列のプリチャージ制御信号線113にそれぞれ接続される。また、スイッチ駆動回路154[i]の論理積回路154a[j]の出力端子は、第1のインバーター154cの出力端子であり、プリチャージ選択回路152[i]のプリチャージスイッチ152a[j]の制御端子に接続される。
すなわち、スイッチ駆動回路154[i]は、プリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]の各々と検査制御信号SOUT[i]との論理積により生成される接続制御信号CL[1,i]〜CL[8,i]を、プリチャージ選択回路152[i]のプリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]に出力する。検査制御信号SOUTのハイレベルおよびローレベルは、第1論理レベルおよい第2論理レベルの一例である。
信号線111を検査する検査動作では、スイッチ駆動回路154[i]の論理積回路154a[j]は、検査制御信号SOUT[i]がハイレベルである場合、プリチャージ制御信号PSL[j]を接続制御信号CL[j,i]として、プリチャージ選択回路152[i]のプリチャージスイッチ152a[j]の制御端子に出力する。
また、スイッチ駆動回路154[i]の論理積回路154a[j]は、検査制御信号SOUT[i]がローレベルである場合、ローレベルの検査制御信号SOUT[i]を接続制御信号CL[j,i]として、プリチャージ選択回路152[i]のプリチャージスイッチ152a[j]の制御端子に出力する。すなわち、スイッチ駆動回路154[i]は、検査制御信号SOUT[i]がローレベルである場合、プリチャージスイッチ152aを非導通状態に設定する接続制御信号CLを、プリチャージ選択回路152[i]のプリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]に出力する。
また、通常動作では、検査制御信号SOUT[1]〜SOUT[k]は、ハイレベルに維持される。したがって、通常動作では、スイッチ駆動回路154[i]の論理積回路154a[j]は、プリチャージ制御信号PSL[j]を接続制御信号CL[j,i]として、プリチャージ選択回路152[i]のプリチャージスイッチ152a[j]の制御端子に出力する。すなわち、スイッチ駆動回路154[i]の論理積回路154a[j]は、検査制御信号SOUT[i]とプリチャージ制御信号PSL[j]との論理演算により接続制御信号CL[j,i]を生成する。
なお、検査制御信号SOUT[i]は、プリチャージ選択回路152[i]に接続される信号線111が検査対象であるかを示す。例えば、プリチャージ選択回路152[i]のプリチャージスイッチ152aに接続される信号線111が検査対象として選択される場合、検査制御信号SOUT[i]がハイレベルに設定される。すなわち、プリチャージ選択回路152[i]のプリチャージスイッチ152aに接続される信号線111が検査対象として選択されていない場合、検査制御信号SOUT[i]は、ローレベルに設定される。
したがって、論理積回路154aは、検査動作では、対応するプリチャージスイッチ152aが検査制御信号SOUTにより選択されている場合、プリチャージ制御信号PSLを接続制御信号CLとしてプリチャージスイッチ152aに出力する。例えば、スイッチ駆動回路154[1]の論理積回路154a[1]は、検査動作では、第1系列の信号線111が検査対象であることを検査制御信号SOUT[1]が示す場合、プリチャージ制御信号PSL[1]を接続制御信号CL[1,1]として、プリチャージ選択回路152[1]のプリチャージスイッチ152a[1]に出力する。
また、論理積回路154aは、検査動作では、対応するプリチャージスイッチ152aが検査制御信号SOUTで選択されていない場合、プリチャージスイッチ152aを非導通状態に設定する接続制御信号CLを、プリチャージスイッチ152aに出力する。例えば、スイッチ駆動回路154[1]の論理積回路154a[1]は、検査動作では、第1系列の信号線111が検査対象でないことを検査制御信号SOUT[1]が示す場合、プリチャージ選択回路152[1]のプリチャージスイッチ152a[1]を非導通状態に設定する接続制御信号CL[1,1]を、プリチャージ選択回路152[1]のプリチャージスイッチ152a[1]に出力する。
そして、論理積回路154aは、通常動作では、プリチャージ制御信号PSLを接続制御信号CLとしてプリチャージスイッチ152aに出力する。例えば、スイッチ駆動回路154[1]の論理積回路154a[1]は、通常動作では、プリチャージ制御信号PSL[1]を接続制御信号CL[1,1]として、プリチャージ選択回路152[1]のプリチャージスイッチ152a[1]に出力する。
検査回路160は、例えば、シフトレジスターであり、検査対象の信号線111を含む信号線群を示す検査制御信号SOUTをスイッチ駆動回路154に出力する。例えば、検査回路160は、第1のクロックドインバーター161a、第2のインバーター161b、第2のクロックドインバーター161cおよびk個の単位回路162[1]〜162[k]を有する。なお、以下では、第1のクロックドインバーター161a等のクロックドインバーターがクロック信号を受ける2つの端子を第1クロック端子および第2クロック端子として、検査回路160の動作等を説明する。
第1のクロックドインバーター161aの入力端子は、第4の検査パッド174に接続され、第1のクロックドインバーター161aの出力端子は、第2のインバーター161bの入力端子に接続される。そして、第1のクロックドインバーター161aは、第1クロック端子で受ける第1クロック信号CLKと第2クロック端子で受ける第2クロック信号CLKBとに基づいて動作する。例えば、第1のクロックドインバーター161aは、第1クロック信号CLKがハイレベルで、かつ、第2クロック信号CLKBがローレベルの場合にインバーターとして動作し、第1クロック信号CLKがローレベルで、かつ、第2クロック信号CLKBがハイレベルの場合には出力端子をハイインピーダンスにする。
第2のインバーター161bは、入力端子で受ける信号の反転信号を出力する。第2のインバーター161bの入力端子は、第1のクロックドインバーター161aの出力端子および第2のクロックドインバーター161cの出力端子に接続される。第2のインバーター161bの出力端子は、第2のクロックドインバーター161cの入力端子および単位回路162[1]の入力端子に接続される。
第2のクロックドインバーター161cの入力端子は、第2のインバーター161bの出力端子に接続され、第2のクロックドインバーター161cの出力端子は、第2のインバーター161bの入力端子に接続される。そして、第2のクロックドインバーター161cは、第1クロック端子で受ける第2クロック信号CLKBと第2クロック端子で受ける第1クロック信号CLKとに基づいて動作する。例えば、第2のクロックドインバーター161cは、第2クロック信号CLKBがハイレベルで、かつ、第1クロック信号CLKがローレベルの場合にインバーターとして動作し、第2クロック信号CLKBがローレベルで、かつ、第1クロック信号CLKがハイレベルの場合には出力端子をハイインピーダンスにする。
k個の単位回路162[1]〜162[k]の各々は、例えば、シフトレジスターの各段に対応する。例えば、各単位回路162は、第3のクロックドインバーター162a、第3のインバーター162b、第4のクロックドインバーター162c、第2の否定論理積回路162d、第4のインバーター162eおよび検査モード制御スイッチ162fを有する。単位回路162[1]等の奇数番目の単位回路162では、第3のクロックドインバーター162aは、第1クロック端子で受ける第2クロック信号CLKBと第2クロック端子で受ける第1クロック信号CLKとに基づいて動作し、第4のクロックドインバーター162cは、第1クロック端子で受ける第1クロック信号CLKと第2クロック端子で受ける第2クロック信号CLKBとに基づいて動作する。また、単位回路162[2]等の偶数番目の単位回路162では、第3のクロックドインバーター162aは、第1クロック端子で受ける第1クロック信号CLKと第2クロック端子で受ける第2クロック信号CLKBとに基づいて動作し、第4のクロックドインバーター162cは、第1クロック端子で受ける第2クロック信号CLKBと第2クロック端子で受ける第1クロック信号CLKとに基づいて動作する。
単位回路162[i]が単位回路162[1]である場合、第3のクロックドインバーター162aの入力端子は、第2のインバーター161bの出力端子に接続され、第3のクロックドインバーター162aの出力端子は、第3のインバーター162bの入力端子に接続される。単位回路162[i]が単位回路162[2]〜162[k]のいずれかである場合、第3のクロックドインバーター162aの入力端子は、前段の単位回路162[i−1]の第3のインバーター162bの出力端子に接続され、第3のクロックドインバーター162aの出力端子は、第3のインバーター162bの入力端子に接続される。
単位回路162[i]が奇数番目の単位回路162である場合、第3のクロックドインバーター162aは、第2クロック信号CLKBがハイレベルで、かつ、第1クロック信号CLKがローレベルの場合にインバーターとして動作し、第2クロック信号CLKBがローレベルで、かつ、第1クロック信号CLKがハイレベルの場合には出力端子をハイインピーダンスにする。また、単位回路162[i]が偶数番目の単位回路162である場合、第3のクロックドインバーター162aは、第1クロック信号CLKがハイレベルで、かつ、第2クロック信号CLKBがローレベルの場合にインバーターとして動作し、第1クロック信号CLKがローレベルで、かつ、第2クロック信号CLKBがハイレベルの場合には出力端子をハイインピーダンスにする。
単位回路162[i]の第3のインバーター162bは、入力端子で受ける信号の反転信号を出力する。第3のインバーター162bの入力端子は、第3のクロックドインバーター162aの出力端子および第4のクロックドインバーター162cの出力端子に接続される。単位回路162[i]が単位回路162[1]〜162[k−1]のいずれかである場合、第3のインバーター162bの出力端子は、第4のクロックドインバーター162cの入力端子および次段の単位回路162[i+1]の入力端子に接続される。単位回路162[i]が単位回路162[k]である場合、第3のインバーター162bの出力端子は、第4のクロックドインバーター162cの入力端子に接続される。
単位回路162[i]の第4のクロックドインバーター162cの入力端子は、第3のインバーター162bの出力端子に接続され、第4のクロックドインバーター162cの出力端子は、第3のインバーター162bの入力端子に接続される。単位回路162[i]が奇数番目の単位回路162である場合、第4のクロックドインバーター162cは、第1クロック信号CLKがハイレベルで、かつ、第2クロック信号CLKBがローレベルの場合にインバーターとして動作し、第1クロック信号CLKがローレベルで、かつ、第2クロック信号CLKBがハイレベルの場合には出力端子をハイインピーダンスにする。また、単位回路162[i]が偶数番目の単位回路162である場合、第4のクロックドインバーター162cは、第2クロック信号CLKBがハイレベルで、かつ、第1クロック信号CLKがローレベルの場合にインバーターとして動作し、第2クロック信号CLKBがローレベルで、かつ、第1クロック信号CLKがハイレベルの場合には出力端子をハイインピーダンスにする。
単位回路162[i]の第2の否定論理積回路162dは、2つの入力端子で受ける信号の否定論理積の演算結果を出力する。第2の否定論理積回路162dの2つの入力端子は、第3のクロックドインバーター162aの入力端子および第3のインバーター162bの出力端子にそれぞれ接続され、第2の否定論理積回路162dの出力端子は、第4のインバーター162eの入力端子に接続される。
単位回路162[i]の第4のインバーター162eは、入力端子で受ける信号の反転信号を出力する。第4のインバーター162eの入力端子は、第2の否定論理積回路162dの出力端子に接続される。また、単位回路162[i]の第4のインバーター162eの出力端子は、スイッチ駆動回路154[i]の論理積回路154a[1]〜154a[8]の入力端子に共通に接続される。すなわち、単位回路162[i]の第4のインバーター162eは、検査制御信号SOUT[i]をスイッチ駆動回路154[i]の論理積回路154a[1]〜154a[8]に出力する。
単位回路162[i]の検査モード制御スイッチ162fの一方の接点は、単位回路162[i]の第4のインバーター162eの入力端子に接続される。単位回路162[i]の検査モード制御スイッチ162fの他方の接点、すなわち、第4のインバーター162eの入力端子に接続されていない接点には、低電位側の電源である第1電源230から第1電源電圧VSSYが供給される。例えば、検査モード制御スイッチ162fの他方の接点は、低電位側電源線116に接続される。検査モード制御スイッチ162fの制御端子は、検査モード信号TXが供給される第5の検査パッド175に接続される。なお、第5の検査パッド175は、第2電源電圧VDDYが供給される高電位側電源線117にプルアップ抵抗164を介して接続される。
検査モード制御スイッチ162fは、例えば、TFT等で構成されるNチャネル型のトランジスターであり、ゲート等の制御端子で受ける検査モード信号TXのレベルに応じて、導通状態と非導通状態とのいずれかに設定される。なお、検査モード制御スイッチ162fは、TFT以外のスイッチング素子でもよい。
第3のクロックドインバーター162a、第3のインバーター162b、第4のクロックドインバーター162cおよび第2の否定論理積回路162dは、例えば、第1の検査パッド171から供給される第3電源電圧VDDXと低電位側電源線116から供給される第1電源電圧VSSYとを電源電圧として動作する。第4のインバーター162eおよび検査モード制御スイッチ162fは、高電位側電源線117から供給される第2電源電圧VDDYと低電位側電源線116から供給される第1電源電圧VSSYとを電源電圧として動作する。
図4に示す例では、プリチャージスイッチ152aは、表示領域120に対して第1方向D1の側に配置され、スイッチ駆動回路154は、プリチャージスイッチ152aに対して第1方向D1の側に配置され、検査回路160は、スイッチ駆動回路154に対して第1方向D1の側に配置される。
スイッチ駆動回路154をプリチャージスイッチ152aの近くに配置することにより、プリチャージスイッチ152aを駆動する際の駆動負荷の増加を低減することができる。次に、図5を参照して、電気光学装置1の通常動作について説明する。
図5は、第1実施形態に係る電気光学装置1の動作タイミングの一例を示す図である。なお、図5は、正極性駆動における各水平走査期間Hの通常動作の動作タイミングを示す。通常動作では、例えば、第1の検査パッド171、第2の検査パッド172、第3の検査パッド173、第4の検査パッド174、第5の検査パッド175および第6の検査パッド176等は、ハイインピーダンスに設定される。
通常動作では、第5の検査パッド175がハイインピーダンスに設定されるため、検査モード信号TXは、プルアップ抵抗164により、ハイレベルに維持される。この場合、検査モード制御スイッチ162fが導通状態に設定されるため、検査制御信号SOUT[1]〜SOUT[k]がハイレベルに維持される。したがって、通常動作では、論理積回路154aは、プリチャージ制御信号PSLを接続制御信号CLとしてプリチャージスイッチ152aに出力する。この結果、プリチャージ回路150は、プリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]にしたがって、プリチャージを実行する。
第1の水平走査期間H[1]は、画像信号Sに基づくビデオ電圧を1行目の画素122に書き込むための水平走査期間Hである。第1の水平走査期間H[1]では、1行目の走査線110に供給される走査信号G[1]の電位がハイレベルに設定される。1行目以外の走査線110に供給される走査信号G[2]〜G[m]は、ローレベルに維持される。書き込み選択信号SL[1]〜SL[8]の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SL[1]〜SL[8]の順に切り替わる。すなわち、第1系列の信号線111から第8系列の信号線111までの各系列の信号線111に対して、画像信号Sの供給期間が順番に割り当てられる。この結果、各系列の信号線111に画像信号Sが順番に供給される。
また、書き込み選択信号SL[1]〜SL[7]の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ制御信号PSL[2]〜PSL[8]の各々のハイレベル期間が切り替わる。例えば、プリチャージ制御信号PSL[2]は、書き込み選択信号SL[1]がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。プリチャージ制御信号PSL[2]がハイレベルに維持されている第2系列のプリチャージ期間に、第2系列の信号線111に対するプリチャージが実行される。すなわち、第2系列のプリチャージ期間に、第2系列の信号線111にプリチャージ信号PRCが供給される。このため、第2系列の信号線111は、プリチャージ信号PRCに基づく正極性のプリチャージ電圧Vprcpに充電される。なお、第1の水平走査期間H[1]では、プリチャージ制御信号PSL[1]は、ローレベルに維持される。
第2の水平走査期間H[2]では、2行目の走査線110に供給される走査信号G[2]の電位がハイレベルに設定され、2行目以外の走査線110に供給される走査信号Gは、ローレベルに維持される。第2の水平走査期間H[2]では、第1系列から第8系列までの各系列の信号線111に画像信号Sを順番に供給する際の順番が第1の水平走査期間H[1]と異なる。例えば、書き込み選択信号SL[1]〜SL[8]の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SL[2]〜SL[8]、SL[1]の順に切り替わる。書き込み選択信号SL[2]〜SL[8]の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ制御信号PSL[3]〜PSL[8]、PSL[1]の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。なお、第2の水平走査期間H[2]では、プリチャージ制御信号PSL[2]は、ローレベルに維持される。
第mの水平走査期間H[m]では、m行目の走査線110に供給される走査信号G[m]の電位がハイレベルに設定され、m行目以外の走査線110に供給される走査信号Gは、ローレベルに維持される。図5に示す例では、mは8の倍数である。第mの水平走査期間H[m]では、第1系列から第8系列までの各系列の信号線111に画像信号Sを順番に供給する際の順番が第1の水平走査期間H[1]と異なる。例えば、書き込み選択信号SL[1]〜SL[8]の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SL[8]、SL[1]〜SL[7]の順に切り替わる。書き込み選択信号SL[8]、SL[1]〜SL[6]の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[7]の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。なお、第mの水平走査期間H[m]では、プリチャージ制御信号PSL[8]は、ローレベルに維持される。図5に示す動作タイミングでは、電気光学装置1は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線111を8つの水平走査期間Hで異ならせる。
なお、負極性駆動における各水平走査期間Hの動作タイミングでは、プリチャージ動作で、プリチャージ信号PRCに基づく負極性のプリチャージ電圧に信号線111が充電される。走査信号G、書き込み選択信号SLおよびプリチャージ制御信号PSLは、正極性駆動の場合と同様に制御される。次に、図6を参照して、信号線111の状態を検査する際に電気光学パネル100に供給する信号について説明する。
図6は、信号線111の状態を検査する際に電気光学パネル100に供給する信号の一例を示す図である。信号線111の状態を検査する検査動作では、第1クロック信号CLKが第2の検査パッド172に供給され、第2クロック信号CLKBが第3の検査パッド173に供給され、ローレベルの検査モード信号TXが第5の検査パッド175に供給される。この場合、検査モード制御スイッチ162fは、非導通状態に設定される。
検査動作では、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの1周期分のスタートパルスDXが、第4の検査パッド174に供給される。この場合、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの0.5周期分の検査制御信号SOUT[1]〜SOUT[k]が、第1クロック信号CLKの立ち上がりおよび第2クロック信号CLKBの立ち上がりに同期して、順次出力される。なお、各系列のプリチャージ制御信号線113の検査パッドには、検査制御信号SOUTがハイレベルの期間T内にプリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]を順番に導通状態に設定するプリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]が供給される。
例えば、期間T[2]では、検査制御信号SOUT[1]〜SOUT[k]のうちの検査制御信号SOUT[1]のみがハイレベルであるため、プリチャージ選択回路152[1]のプリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]が順番に導通状態に設定される。すなわち、期間T[2]では、1列目から8列目までの信号線111がプリチャージ電源線115に順次接続される。
また、例えば、期間T[k+1]では、検査制御信号SOUT[1]〜SOUT[k]のうちの検査制御信号SOUT[k]のみがハイレベルであるため、プリチャージ選択回路152[k]のプリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]が順番に導通状態に設定される。すなわち、期間T[k+1]では、n−7列目からn列目までの信号線111がプリチャージ電源線115に順次接続される。次に、図7を参照して、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査について説明する。
図7は、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査の説明図である。なお、図7では、デマルチプレクサー140[1]に接続される信号線111の短絡を検査する場合を例にして、短絡検査を説明する。例えば、プリチャージスイッチ152a[1]が導通状態に設定されている期間では、第1系列の信号線111に隣接する第2系列および第8系列の信号線111に接続される書き込みスイッチ142[2]および142[8]が書き込み選択信号SL[2]およびSL[8]により導通状態に設定される。
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との間に短絡部SH1が存在する場合、第6の検査パッド176とデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。このため、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との短絡を検出することができる。なお、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111とが短絡していない場合、第6の検査パッド176とデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えても、電流は流れない。次に、図8を参照して、信号線111の断線を検査する断線検査について説明する。
図8は、信号線111の断線を検査する断線検査の説明図である。なお、図8では、デマルチプレクサー140[1]に接続される信号線111の断線を検査する場合を例にして、断線検査を説明する。例えば、プリチャージスイッチ152a[1]が導通状態に設定されている期間では、第1系列の信号線111に接続される書き込みスイッチ142[1]が書き込み選択信号SL[1]により導通状態に設定される。図8のバツ印は、断線を示す。
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111に断線部DC1が存在する場合、第6の検査パッド176とデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えても、電流は流れない。これに対し、信号線111が断線していない場合、例えば、第6の検査パッド176とデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。すなわち、第6の検査パッド176とデータ線112との間に電位差を与えることにより、信号線111の断線を検出することができる。
電気光学装置1では、検査動作において、プリチャージスイッチ152aが検査用のスイッチとして、検査対象の信号線111を示す検査制御信号SOUTとプリチャージ制御信号PSLとの論理積に基づいて生成される接続制御信号CLにより制御される。すなわち、電気光学装置1では、プリチャージスイッチ152aが検査用のスイッチを兼用する。このため、電気光学装置1では、プリチャージスイッチ152aと検査用のスイッチとをそれぞれ設ける構成に比べて、信号線111に接続されるスイッチの数を低減することができる。すなわち、電気光学装置1では、プリチャージスイッチ152aと検査用のスイッチとをそれぞれ設ける構成に比べて、プリチャージスイッチ152aおよび信号線111等の配置間隔を狭くすることができる。この結果、電気光学装置1では、プリチャージスイッチ152aおよび信号線111等を狭ピッチで配置することができる。
以上、第1実施形態では、電気光学装置1は、n本の信号線111のうち一の信号線111における画像信号Sの入力端を始点にして一の信号線111の延在する方向を第1方向D1とする場合、画像を表示する表示領域120に対して第1方向D1の側に配置されるプリチャージ回路150および検査回路160を有する。検査回路160は、n本の信号線111を検査する検査動作において、n本の信号線111のうちの検査対象の信号線111を選択する検査制御信号SOUTをプリチャージ回路150に出力する。
また、プリチャージ回路150は、プリチャージ制御信号PSLに基づいてn本の信号線111にプリチャージ信号PRCを所定の順序で供給する。例えば、プリチャージ回路150は、n本の信号線111と1対1に対応して設けられるn個の処理回路として、プリチャージスイッチ152aおよび論理積回路154aを含むn個の回路群を有する。すなわち、1個の処理回路は、プリチャージスイッチ152aおよび論理積回路154aを有する。
プリチャージスイッチ152aは、1本の信号線111とプリチャージ信号PRCが供給されるプリチャージ電源線115との間の電気的な接続状態を接続制御信号CLに基づいて導通状態と非導通状態との間で切り替える。
信号選択回路として機能する論理積回路154aは、検査動作において、プリチャージスイッチ152aが検査制御信号SOUTに基づいて選択される場合、プリチャージ制御信号PSLを接続制御信号CLとしてプリチャージスイッチ152aに出力する。また、論理積回路154aは、検査動作において、プリチャージスイッチ152aが検査制御信号SOUTで選択されない場合、プリチャージスイッチ152aを非導通状態に設定する接続制御信号CLをプリチャージスイッチ152aに出力する。また、論理積回路154aは、画像信号Sに応じて画像を表示する通常動作では、プリチャージ制御信号PSLを接続制御信号CLとしてプリチャージスイッチ152aに出力する。
すなわち、電気光学装置1では、プリチャージスイッチ152aが検査用のスイッチを兼用する。このため、電気光学装置1では、プリチャージスイッチ152aと検査用のスイッチとをそれぞれ設ける構成に比べて、プリチャージスイッチ152aおよび信号線111等の配置間隔を狭くすることができる。この結果、電気光学装置1では、プリチャージスイッチ152aおよび信号線111等を狭ピッチで配置することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態と第1実施形態の主な相違点は、8本のプリチャージ制御信号線113が4本のプリチャージ制御信号線113を含む2個の信号線群に分けられ、2個の信号線群の間に論理積回路154aが配置される点である。
図9は、第2実施形態に係る電気光学装置1の構成を示すブロック図である。図1から図8で説明済みの要素と同一の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図9の第1方向D1の意味は、図2の第1方向D1と同じである。また、第2方向D2は、電気光学パネル100において、m本の走査線110のうち一の走査線110の延在する方向を示す。
図9に示す電気光学装置1は、電気光学パネル100内の論理積回路154a等の配置を除いて、図1の電気光学装置1と同一である。例えば、電気光学装置1は、電気光学パネル100と、駆動用集積回路200と、図1のフレキシブル回路基板300とを有する。駆動用集積回路200は、図2の駆動用集積回路200と同一である。
図9に示す電気光学パネル100は、図2のプリチャージ回路150の代わりにプリチャージ回路150Aを有し、1系統のプリチャージ電源線115の代わりに2系統のプリチャージ電源線115aおよび115bを有する。図9の電気光学パネル100のその他の構成は、図2の電気光学パネル100と同一である。例えば、電気光学パネル100は、m本の走査線110、n本の信号線111、プリチャージ制御信号線113、プリチャージ電源線115aおよび115b、表示領域120、走査線駆動回路130、k個のデマルチプレクサー140[1]〜140[k]、プリチャージ回路150Aおよび検査回路160を有する。なお、本実施形態では、信号線111を8個の系列に区分しているため、プリチャージ制御信号線113の数は、8本である。
なお、図9では、図2と同様に、図を見やすくするために、第1の検査パッド171以外の検査パッドの記載を省略している。図9以降では、プリチャージ電源線115aに供給されるプリチャージ信号PRCは、プリチャージ信号PRCaとも称され、プリチャージ電源線115bに供給されるプリチャージ信号PRCは、プリチャージ信号PRCbとも称される。
プリチャージ回路150Aには、2系統のプリチャージ電源線115aおよび115bからプリチャージ信号PRCaおよびPRCbがそれぞれ供給される。プリチャージ回路150Aの詳細は、図10で説明する。
図10は、図9のプリチャージ回路150Aおよび検査回路160の構成を示す回路図である。図10の第1方向D1および第2方向D2の意味は、図9の第1方向D1および第2方向D2と同じである。図10に示すプリチャージ回路150Aでは、プリチャージ電源線115aおよび115bが第6の検査パッド176aおよび176bにそれぞれ接続される。検査回路160は、図4の検査回路160と同一である。このため、図10では、プリチャージ回路150Aを中心に説明する。
プリチャージ回路150Aは、2系統のプリチャージ電源線115aおよび115bからプリチャージ信号PRCaおよびPRCbがそれぞれ供給されることとスイッチ駆動回路154の配置とを除いて、図4のプリチャージ回路150と同一である。例えば、プリチャージ回路150Aは、k個の信号線群にそれぞれ対応して設けられるk個のプリチャージ選択回路152[1]〜152[k]と、k個のプリチャージ選択回路152[1]〜152[k]にそれぞれ対応して設けられるk個のスイッチ駆動回路154[1]〜154[k]とを有する。
プリチャージ選択回路152[i]の8個のプリチャージスイッチ152a[1]〜152a[8]の各々の一方の接点は、図4のプリチャージスイッチ152aと同様に、8×i−7列目から8×i列目までの8本の信号線111にそれぞれ接続される。そして、各プリチャージ選択回路152の奇数系列のプリチャージスイッチ152a[1]、152a[3]、152a[5]および152a[7]の各々の他方の接点、すなわち、信号線111に接続されていない接点は、プリチャージ電源線115aに共通に接続される。また、各プリチャージ選択回路152の偶数系列のプリチャージスイッチ152a[2]、152a[4]、152a[6]および152a[8]の各々の他方の接点、すなわち、信号線111に接続されていない接点は、プリチャージ電源線115bに共通に接続される。プリチャージ回路150Aのその他の構成は、図4のプリチャージ回路150と同一である。
また、図10に示す例では、8本のプリチャージ制御信号線113は、第1系列、第3系列、第5系列および第7系列の4本のプリチャージ制御信号線113を含む第1群と、第2系列、第4系列、第6系列および第8系列の4本のプリチャージ制御信号線113を含む第2群とに分けられる。なお、複数本のプリチャージ制御信号線113の分け方は、奇数系列のプリチャージ制御信号線113の群と偶数系列のプリチャージ制御信号線113の群とに分けることに限定されない。例えば、8本のプリチャージ制御信号線113は、第1系列、第2系列、第3系列および第4系列の4本のプリチャージ制御信号線113を含む群と、第5系列、第6系列、第7系列および第8系列の4本のプリチャージ制御信号線113を含む群とに分けられてもよい。
第1群のプリチャージ制御信号線113の配線の一部分は、プリチャージ選択回路152に対して、第1方向D1の側に配置される。すなわち、第1群のプリチャージ制御信号線113の配線の一部分は、プリチャージスイッチ152aに対して、第1方向D1の側に配置される。なお、プリチャージ制御信号線113の配線の一部分は、電気光学パネル100内のプリチャージ制御信号線113の配線のうち、第2方向D2に延在する部分である。
スイッチ駆動回路154は、第1群のプリチャージ制御信号線113の配線の一部分に対して、第1方向D1の側に配置される。すなわち、信号選択回路として機能する論理積回路154aは、第1群のプリチャージ制御信号線113の配線の一部分に対して、第1方向D1の側に配置される。
そして、第2群のプリチャージ制御信号線113の配線の一部分は、スイッチ駆動回路154に対して、第1方向D1の側に配置される。すなわち、第2群のプリチャージ制御信号線113の配線の一部分は、論理積回路154aに対して、第1方向D1の側に配置される。検査回路160は、第2群のプリチャージ制御信号線113の配線の一部分に対して、第1方向D1の側に配置される。
図10に示すように、スイッチ駆動回路154は、第1群のプリチャージ制御信号線113の配線のうちの第2方向D2に延在する部分と、第2群のプリチャージ制御信号線113の配線のうちの第2方向D2に延在する部分との間に配置される。このため、スイッチ駆動回路154にプリチャージ制御信号PSLを2方向から入力するレイアウトが可能になる。この結果、プリチャージ制御信号線113の配線のうちの第2方向D2に延在する部分から第1の否定論理積回路154bの入力端子であるゲート電極までの支線113aの長さを、図4の構成に比べて短くすることができる。図10では、プリチャージ制御信号線113の配線のうち、支線113aに対応する部分を太線で示す。プリチャージ回路150Aは、プリチャージ制御信号線113の支線113aの長さを短くすることができるため、プリチャージ制御信号線113の駆動負荷となる寄生容量を低減でき、プリチャージスイッチ152aを高速に駆動できる。
また、検査回路160からスイッチ駆動回路154までの配線は、第2群のプリチャージ制御信号線113の配線と交差する前に8本に分岐している。この結果、プリチャージ回路150Aでは、検査回路160からスイッチ駆動回路154までの配線と第2群のプリチャージ制御信号線113の配線との交差数と、第1のインバーター154cの出力端子からプリチャージスイッチ152aの接点までの配線と第1群のプリチャージ制御信号線113の配線との交差数とは、互いに同じである。この構成により、第1群のプリチャージ制御信号線113と第2群のプリチャージ制御信号線113の駆動負荷がほぼ同一となるので、スイッチ駆動回路154単位でみた場合の各画素列に対するプリチャージ動作の信号線111間の遅延差を抑制することができ、表示上の不具合の発生を抑制することができる。
詳細に説明すると、ある水平走査期間Hの時刻T1に第1系列の信号線111にプリチャージを行いたい場合、プリチャージ制御信号PSL[1]が供給される第1系列のプリチャージ制御信号線113の末端部で制御される第1系列の信号線111へのプリチャージは時刻T1+δT1に実施される。ここで、δT1は、第1系列のプリチャージ制御信号線113の駆動負荷と配線抵抗によって生じる遅延時間である。同様にして、時刻T2に第2系列の信号線111にプリチャージを行いたい場合、プリチャージ制御信号PSL[2]が供給される第2系列のプリチャージ制御信号線113の末端部で制御される第2系列の信号線111へのプリチャージは時刻T2+δT2に実施される。ここで、δT2は、第2系列のプリチャージ制御信号線113の駆動負荷と配線抵抗によって生じる遅延時間である。プリチャージ制御信号線113の駆動負荷を近しくするとδT1=δT2とできるので、表示上の不具合の発生を抑制することができる。
さらに、第2群のプリチャージ制御信号線113のうち、第2系列のプリチャージ制御信号線113の配線についてみると、一方側にはスイッチ駆動回路154が隣接し、他方側には第4系列のプリチャージ制御信号線113が隣接している。同様に、第1群のプリチャージ制御信号線113のうち、第1系列のプリチャージ制御信号線113の配線についてみると、一方側にはスイッチ駆動回路154が隣接し、他方側には第3系列のプリチャージ制御信号線113が隣接している。プリチャージ制御信号線113と他ノードとの寄生容量関係が互いに近しくなるので、隣接する2つの信号線111へのプリチャージ動作を制御する第1系列および第2系列のプリチャージ制御信号線113は近しい駆動負荷を有する。同様にして、第3系列および第4系列のプリチャージ制御信号線113は近しい駆動負荷となり、第5系列および第6系列のプリチャージ制御信号線113は近しい駆動負荷となり、第7系列および第8系列のプリチャージ制御信号線113は近しい駆動負荷となる。この構成も表示上の不具合の発生の抑制に有効である。
ここで、図4の構成と図10の構成とを比較して、プリチャージ制御信号線113の駆動負荷について説明する。例えば、プリチャージ制御信号線113の支線113aがゲート電極層であり、プリチャージ制御信号線113の配線のうちの第2方向D2に延在する部分が第1金属層配線層であり、検査回路160からスイッチ駆動回路154までの配線のうちのプリチャージ制御信号線113と重なる部分が第2金属配線層である場合を考える。
例えば、ゲート電極層と第1金属層配線層との間に介在する絶縁層による交差配線容量を1Aとし、第1金属層配線層と第2金属層配線層との間に介在する絶縁層による交差配線容量を0.4Aとする。なおここで、Aは2つの容量比を表すために便宜上設定している単位であって固有の数値を示すものではない。この場合、図4の構成における第8系列のプリチャージ制御信号線113では、1つのスイッチ駆動回路154あたりの交差配線容量の合計は、1A×7箇所と0.4×1箇所との和で7.4Aとなる。これに対し、図10の構成における第2系列のプリチャージ制御信号線113では、1つのスイッチ駆動回路154あたりの交差配線容量の合計は、1A×3箇所と0.4×8箇所との和で6.2Aとなる。したがって、図10の構成では、図4の構成に比べて、交差配線容量を小さくすることができる。
さらに、図10の構成では、図4の構成に比べて、互いに隣接する支線113aの間隔が約2倍になる。このため、図10の構成では、図4の構成に比べて、支線113a間の並行配線容量も小さくすることができる。図10の構成では、図4の構成に比べて、交差配線容量および支線113a間の並行配線容量等を小さくできるため、プリチャージ制御信号線113の駆動負荷を小さくすることができる。
電気光学装置1の通常動作における動作タイミングは、例えば、図5の動作タイミングと同じである。また、信号線111の状態を検査する検査動作では、図6の信号タイミングと同じタイミングで電気光学パネル100に信号が供給されてもよいし、図6の信号タイミングと異なるタイミングで電気光学パネル100に信号が供給されてもよい。次に、図11および図12を参照して、図6の信号タイミングと同じタイミングで信号を電気光学パネル100に供給して信号線111の状態を検査する例について説明する。
図11は、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査の一例の説明図である。図11に示す短絡検査では、検査モード信号TX、第1クロック信号CLK、第2クロック信号CLKB、スタートパルスDXおよびプリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]が、図7の短絡検査と同じように、電気光学パネル100に供給される。例えば、プリチャージスイッチ152a[1]が導通状態に設定されている期間では、第1系列の信号線111に隣接する第2系列および第8系列の信号線111に接続される書き込みスイッチ142[2]および142[8]が書き込み選択信号SL[2]およびSL[8]により導通状態に設定される。
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との間に短絡部SH2が存在する場合、第6の検査パッド176aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。このため、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との短絡を検出することができる。次に、図12を参照して、信号線111の断線を検査する断線検査について説明する。
図12は、信号線111の断線を検査する断線検査の一例の説明図である。図12に示す断線検査では、検査モード信号TX、第1クロック信号CLK、第2クロック信号CLKB、スタートパルスDXおよびプリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]が、図8の断線検査と同じように、電気光学パネル100に供給される。例えば、プリチャージスイッチ152a[1]が導通状態に設定されている期間では、第1系列の信号線111に接続される書き込みスイッチ142[1]が書き込み選択信号SL[1]により導通状態に設定される。図12のバツ印は、断線を示す。
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111に断線部DC2が存在する場合、第6の検査パッド176aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えても、電流は流れない。これに対し、信号線111が断線していない場合、例えば、第6の検査パッド176aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。すなわち、第6の検査パッド176aおよび176bの一方とデータ線112との間に電位差を与えることにより、信号線111の断線を検出することができる。次に、図13から図15を参照して、図6の信号タイミングと異なるタイミングで信号を電気光学パネル100に供給して信号線111の状態を検査する例について説明する。
図13は、信号線111の状態を検査する際に電気光学パネル100に供給する信号の一例を示す図である。信号線111の状態を検査する検査動作では、第1クロック信号CLKが第2の検査パッド172に供給され、第2クロック信号CLKBが第3の検査パッド173に供給され、ローレベルの検査モード信号TXが第5の検査パッド175に供給される。この場合、検査モード制御スイッチ162fは、非導通状態に設定される。
検査動作では、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの1周期分のスタートパルスDXが、第4の検査パッド174に供給される。この場合、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの0.5周期分の検査制御信号SOUT[1]〜SOUT[k]が、第1クロック信号CLKの立ち上がりおよび第2クロック信号CLKBの立ち上がりに同期して、順次出力される。
なお、各系列のプリチャージ制御信号線113の検査パッドには、検査制御信号SOUTがハイレベルの期間T内にプリチャージスイッチ152aの組毎に順番に導通状態に設定するプリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]が供給される。図11に示す例では、プリチャージスイッチ152aの組は、プリチャージスイッチ152a[1]および152a[2]の組と、プリチャージスイッチ152a[3]および152a[4]の組と、プリチャージスイッチ152a[5]および152a[6]の組と、プリチャージスイッチ152a[7]および152a[8]の組とである。
例えば、期間T[2]では、検査制御信号SOUT[1]〜SOUT[k]のうちの検査制御信号SOUT[1]のみがハイレベルであるため、プリチャージ選択回路152[1]のプリチャージスイッチ152aの組が順番に導通状態に設定される。すなわち、期間T[2]では、1列目および2列目の信号線111の組と、3列目および4列目の信号線111の組と、5列目および6列目の信号線111の組と、7列目および8列目の信号線111の組とがプリチャージ電源線115に順次接続される。
また、例えば、期間T[k+1]では、検査制御信号SOUT[1]〜SOUT[k]のうちの検査制御信号SOUT[k]のみがハイレベルであるため、プリチャージ選択回路152[k]のプリチャージスイッチ152aの組が順番に導通状態に設定される。すなわち、期間T[k+1]では、n−7列目およびn−6列目の信号線111の組と、n−5列目およびn−4列目の信号線111の組と、n−3列目およびn−2列目の信号線111の組と、n−1列目およびn列目の信号線111の組とがプリチャージ電源線115に順次接続される。次に、図14を参照して、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査について説明する。
図14は、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査の一例の説明図である。図14に示す短絡検査では、検査モード信号TX、第1クロック信号CLK、第2クロック信号CLKB、スタートパルスDXおよびプリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]が、図13の信号タイミングで、電気光学パネル100に供給される。
例えば、プリチャージスイッチ152a[1]および152a[2]が導通状態に設定されている期間では、第1系列および第2系列の信号線111の組に隣接する第3系列および第8系列の信号線111に接続される書き込みスイッチ142[3]および142[8]が書き込み選択信号SL[3]およびSL[8]により導通状態に設定される。
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との間に短絡部SH2が存在する場合、第6の検査パッド176aおよび176b間に電位差を与えることにより電流が流れる。このため、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との短絡を検出することができる。
また、例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第2系列の信号線111と第3系列の信号線111との間に短絡部SH3が存在する場合、第6の検査パッド176bとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。このため、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第2系列の信号線111と第3系列の信号線111との短絡を検出することができる。すなわち、第6の検査パッド176a、176bおよびデータ線112の図示しない検査パッドの3つの検査パッド間に電位差を与えることにより、互いに隣接する信号線111の短絡を検査することができる。次に、図15を参照して、信号線111の断線を検査する断線検査について説明する。
図15は、信号線111の断線を検査する断線検査の一例の説明図である。図15に示す断線検査では、検査モード信号TX、第1クロック信号CLK、第2クロック信号CLKB、スタートパルスDXおよびプリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]が、図13の信号タイミングで、電気光学パネル100に供給される。
例えば、プリチャージスイッチ152a[1]および152a[2]が導通状態に設定されている期間では、第1系列および第2系列の信号線111に接続される書き込みスイッチ142[1]および142[2]が書き込み選択信号SL[1]およびSL[2]により導通状態に設定される。図15のバツ印は、断線を示す。
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111に断線部DC2が存在する場合、第6の検査パッド176aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えても、電流は流れない。これに対し、信号線111が断線していない場合、例えば、第6の検査パッド176aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。すなわち、第6の検査パッド176aとデータ線112との間に電位差を与えることにより、信号線111の断線を検出することができる。
また、図15に示す例では、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第2系列の信号線111が断線していないため、第6の検査パッド176bとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えると電流が流れる。なお、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第2系列の信号線111が断線している場合、第6の検査パッド176bとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えても、電流は流れない。すなわち、第6の検査パッド176bとデータ線112との間に電位差を与えることにより、信号線111の断線を検出することができる。次に、図16を参照して、互いに隣接する信号線111の短絡の有無を検査する短絡検査について説明する。
図16は、互いに隣接する信号線111の短絡の有無を検査する短絡検査の一例の説明図である。図16に示す短絡検査では、例えば、第1の検査パッド171、第2の検査パッド172、第3の検査パッド173、第4の検査パッド174および第5の検査パッド175は、ハイインピーダンスに設定される。この場合、検査モード信号TXがプルアップ抵抗164によりハイレベルに維持されるため、検査制御信号SOUT[1]〜SOUT[k]がハイレベルに維持される。なお、各系列のプリチャージ制御信号線113の検査パッドには、ハイレベルの電圧が印加される。
すなわち、図16に示す短絡検査では、全ての検査制御信号SOUT[1]〜SOUT[k]を強制的にハイレベルに設定し、全てのプリチャージ制御信号PSL[1]〜PSL[8]をハイレベルに設定することにより、全てのプリチャージスイッチ152aを導通状態に設定する。
互いに隣接する信号線111間に短絡部SH2等が存在する場合、第6の検査パッド176aおよび176b間に電位差を与えることにより電流が流れるため、互いに隣接する信号線111間の短絡部SHの有無を検出することができる。
なお、図16に示す短絡検査では、検査モード信号TX、第1クロック信号CLKおよび第2クロック信号CLKBが、図7の短絡検査と同じように、電気光学パネル100に供給され、スタートパルスDXがハイレベルに維持されてもよい。この場合でも、全ての検査制御信号SOUT[1]〜SOUT[k]は、ハイレベルに維持される。
以上、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2実施形態では、複数本のプリチャージ制御信号線113が第1群のプリチャージ制御信号線113と第2群のプリチャージ制御信号線113とに分けられる。そして、スイッチ駆動回路154は、第1群のプリチャージ制御信号線113の配線のうちの第2方向D2に延在する部分と、第2群のプリチャージ制御信号線113の配線のうちの第2方向D2に延在する部分との間に配置される。
このため、第2実施形態では、スイッチ駆動回路154にプリチャージ制御信号PSLを2方向から入力するレイアウトが可能になる。この結果、プリチャージ制御信号線113の配線のうちの第2方向D2に延在する部分から第1の否定論理積回路154bの入力端子であるゲート電極までの支線113aの長さを、図4の構成に比べて短くすることができる。プリチャージ制御信号線113の支線113aの長さを短くすることができるため、プリチャージ制御信号線113の駆動負荷となる寄生容量を低減することができ、プリチャージスイッチ152aを高速に駆動することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態と第2実施形態の主な相違点は、論理積回路154aの配置の仕方である。
図17は、第3実施形態に係る電気光学装置1のプリチャージ回路150Aおよび検査回路160の構成を示す回路図である。図1から図16で説明済みの要素と同一の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第3実施形態に係る電気光学装置1は、プリチャージ回路150A内の論理積回路154aの配置の仕方を除いて、第2実施形態の電気光学装置1と同一である。したがって、図17では、プリチャージ回路150A内の論理積回路154aの配置について説明する。なお、図17では、図を見やすくするために、論理積回路154aに含まれる第1の否定論理積回路154bおよび第1のインバーター154cの記載を省略していが、図17に示す論理積回路154aは、図10の論理積回路154aと同一である。
論理積回路154aは、第1群のプリチャージ制御信号線113の配線のうちの第2方向D2に延在する部分と、第2群のプリチャージ制御信号線113の配線のうちの第2方向D2に延在する部分との間に配置される。さらに、第2群のプリチャージ制御信号線113に接続される論理積回路154aは、第1群のプリチャージ制御信号線113に接続される論理積回路154aに対して、第1方向D1の側に配置される。図17に示す例では、論理積回路154a[2]は、論理積回路154a[1]に対して第1方向D1の側に配置され、論理積回路154a[4]は、論理積回路154a[3]に対して第1方向D1の側に配置される。また、論理積回路154a[6]は、論理積回路154a[5]に対して第1方向D1の側に配置され、論理積回路154a[8]は、論理積回路154a[7]に対して第1方向D1の側に配置される。
図17の構成では、2個の論理積回路154aが第1方向D1に沿って配置されるため、論理積回路154aを、第2方向D2に沿って、2画素間隔で配置することができる。例えば、論理積回路154a[1]、154a[3]、154a[5]および154a[7]を2画素ピッチで配置することができる。したがって、図10の構成において、信号線111等を狭ピッチで配置する際のボトルネックが論理積回路154aの配置間隔である場合、図17の構成にすることにより、図10の構成に比べて、信号線111等を狭ピッチで配置することができる。
以上、第3実施形態においても、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第3実施形態では、第2群のプリチャージ制御信号線113に接続される論理積回路154aは、第1群のプリチャージ制御信号線113に接続される論理積回路154aに対して、第1方向D1の側に配置される。この結果、論理積回路154aを第2方向D2に沿って2画素ピッチで配置することができ、信号線111等を狭ピッチで配置することができる。したがって、第3実施形態の電気光学装置1は、高精細パネルに適用可能である。
図18は、電気光学パネル100の端子配置の一例を示す図である。なお、図18は、第2実施形態および第3実施形態の電気光学パネル100の端子配置の一例を示す。第1実施形態の電気光学パネル100の端子配置は、プリチャージ回路150Aと、プリチャージ電源線115aおよび115bと、プリチャージ信号PRCaおよびPRCbとを、それぞれ、プリチャージ回路150とプリチャージ電源線115とプリチャージ信号PRCとに読み替えることにより、図18で説明される。
画像信号端子PN10は、信号線駆動回路210から画像信号Sを受ける端子である。プリチャージ制御信号端子PN11は、プリチャージ制御信号線113が接続される端子である。なお、図18では、図を見やすくするために、複数のプリチャージ制御信号端子PN11のうちの1つを記載している。符号180は、上下導通点を示す。第1電源端子PN21は、スイッチ駆動回路154の低電位側電源線116が接続される端子である。また、プリチャージ電源端子PN22aおよびPN22bは、プリチャージ電源線115aおよび115bが接続される端子である。以下では、プリチャージ電源端子PN22aおよびPN22bは、プリチャージ電源端子PN22aおよびPN22bを区別する必要が無い場合等、単に、プリチャージ電源端子PN22とも称される。
図18に示す例では、電気光学パネル100において、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22の両方は、画像信号端子PN10が配置される辺に対向する辺に配置される。この場合、プリチャージ回路150Aに近い辺に配置される端子からプリチャージ信号PRC等が供給されるため、画像信号端子PN10が配置される辺と同じ辺に第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22が配置される場合に比べて、配線抵抗を小さくすることができる。この結果、プリチャージ回路150Aへの電力供給を強化することができる。
なお、電気光学パネル100において、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22の両方は、画像信号端子PN10が配置される辺に対向する辺以外で、画像信号端子PN10が配置される辺とは異なる辺に配置されてもよい。また、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22の一方が、画像信号端子PN10が配置される辺とは異なる辺に配置されてもよい。
また、電気光学パネル100において、プリチャージ制御信号端子PN11は、画像信号端子PN10が配置される辺と同じ辺に配置される。この場合、プリチャージ制御信号端子PN11を第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22が配置される辺と同じ辺に配置する場合に比べて、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22等の端子の配置間隔を広くすることができる。また、高速駆動すべき信号端子を同一辺に集約することになるので、駆動用集積回路200までの接続に好適な構成となる。同一の集積回路からプリチャージ制御信号PSL、画像信号S、書き込み選択信号SL等の各種信号を出力する構成が容易になるので、各信号間で精度よく同期させた駆動を実現できる。なお、プリチャージ制御信号端子PN11は、画像信号端子PN10が配置される辺と異なる辺に配置されてもよい。
また、フレキシブル回路基板300は、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22の両方を含む第2端子群PNG2に接続される。フレキシブル回路基板300のコネクター部320は、例えば、駆動用集積回路200に接続される。図18では、画像信号端子PN10を含む第1端子群PNG1に接続されるフレキシブル回路基板300の記載を省略している。なお、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22の一方が、画像信号端子PN10が配置される辺とは異なる辺に配置される場合、図18のフレキシブル回路基板300は、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22の一方を含む端子群に接続される。
また、フレキシブル回路基板300の複数の配線のうち、プリチャージ電源端子PN22に接続される配線と第1電源端子PN21に接続される配線との間に、安定化容量が設けられてもよい。さらに、フレキシブル回路基板300の複数の配線のうち、コモン電圧Vcomが供給される配線と第1電源端子PN21に接続される配線との間に、安定化容量が設けられてもよい。
プリチャージ電源端子PN22の大きさがプロービング可能な大きさである場合、プリチャージ電源線115aおよび115bの検査パッドは、省かれてもよい。同様に、第1電源端子PN21の大きさがプロービング可能な大きさである場合、低電位側電源線116の検査パッドは、省かれてもよい。なお、電気光学パネル100の端子配置は、図18に示す例に限定されない。
<変形例>
第1実施形態から第3実施形態までの各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択される2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
<変形例1>
第1実施形態から第3実施形態までの各形態において、n本の信号線111は、k個の信号線群に分類されなくてもよい。
<変形例2>
第1実施形態から第3実施形態までの各形態において、論理積回路154aの低電位側の電源は、走査線駆動回路130の低電位側の電源から分離されてもよい。この場合、論理積回路154aが駆動することにより発生するノイズが走査線駆動回路130の低電位側の電源に重畳することを抑止でき、画像信号Sに基づく電位を保持している画素122からリーク電流が発生することを低減できる。
<変形例3>
第1実施形態から第3実施形態までの各形態において、各スイッチ駆動回路154は、論理積回路154aの代わりに、論理和回路を有してもよい。この場合、第4のインバーター162eが省かれてもよいし、第4のインバーター162eの出力端子と論理和回路の入力端子との間にインバーターが追加されてもよい。
<変形例4>
第1実施形態から第3実施形態までの各形態において、電気光学パネル100は、反射型の電気光学装置でもよい。また、電気光学パネル100は、反射型とする場合、信号線111等が形成される素子基板に半導体基板を用いるLCOS(Liquid Crystal on Silicon)型としてもよい。
<応用例>
この発明は、各種の電子機器に利用され得る。図19から図21は、この発明の適用対象となる電子機器の具体的な形態を例示するものである。
図19は、電子機器の一例であるパーソナルコンピューター2000を示す斜視図である。パーソナルコンピューター2000は、各種の画像を表示する電気光学装置1と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置される本体部2010とを有する。
図20は、電子機器の一例であるスマートフォン3000を示す正面図である。スマートフォン3000は、操作ボタン3001と、各種の画像を表示する電気光学装置1とを有する。操作ボタン3001の操作に応じて電気光学装置1に表示される画面内容が変更される。
図21は、電子機器の一例である投射型表示装置4000を示す模式図である。投射型表示装置4000は、例えば、3板式のプロジェクターである。図21に示す電気光学装置1rは、赤色の表示色に対応する電気光学装置1であり、電気光学装置1gは、緑の表示色に対応する電気光学装置1であり、電気光学装置1bは、青色の表示色に対応する電気光学装置1である。
すなわち、投射型表示装置4000は、赤、緑および青の表示色に各々対応する3個の電気光学装置1r、1g、1bを有する。照明光学系4001は、光源である照明装置4002からの出射光のうち赤色成分rを電気光学装置1rに供給し、緑色成分gを電気光学装置1gに供給し、青色成分bを電気光学装置1bに供給する。各電気光学装置1r、1g、1bは、照明光学系4001から供給される各単色光を表示画像に応じて変調するライトバルブ等の光変調器として機能する。投射光学系4003は、各電気光学装置1r、1g、1bからの出射光を合成して投射面4004に投射する。
前述のパーソナルコンピューター2000、スマートフォン3000および投射型表示装置4000の各々は、前述の電気光学装置1を有するため、表示画像の画質を向上できる。
なお、本発明が適用される電子機器としては、図19、図20および図21に例示される機器のほか、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、車載用の表示器、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話およびPOS(Point of sale)端末等が挙げられる。さらに、本発明が適用される電子機器としては、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤーまたはタッチパネルを備える機器等が挙げられる。
以上、本発明の液晶装置および電子機器は、前述の各実施形態に限定されない。また、本発明の各部の構成は、前述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換でき、また、任意の構成を付加できる。