JP6711138B2 - 自己位置推定装置、及び、自己位置推定方法 - Google Patents
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Description
この装置では、距離に基づくデータを用いて推定された自己位置の信頼度に基づいて画像データの検出範囲を拡げ、検出範囲を拡げて取得された画像データにランドマークが含まれるときに、当該画像データに基づく自己位置推定を実行している。
本発明の一見地に係る自己位置推定装置は、移動体の移動環境における自己位置及び/又は姿勢を推定する。自己位置推定装置は、記憶部と、ローカルマップ取得部と、自己位置推定部と、調節部と、を備える。記憶部は、移動環境に存在する障害物の位置を表す環境地図を記憶する。ローカルマップ取得部は、ローカルマップを取得する。ローカルマップは、移動体の周囲に存在する障害物の移動体に対する相対的な位置を表す地図情報である。
その後、自己位置推定部が、第1推定モードを実行する。具体的には、自己位置推定部は、所定の条件に従って定められた大きさを有し、環境地図に設定されたローカルマップ配置領域内の複数の配置位置(自己位置の候補)のそれぞれに、上記のローカルマップを配置する。また、当該配置位置においてローカルマップを回転する。このとき、自己位置推定部は、ローカルマップ配置領域内の複数の配置位置のうち、ローカルマップが環境地図と最も一致する配置位置を、移動環境における移動体の自己位置(第1自己位置)と推定する。また、必要に応じて、ローカルマップが環境地図と最も一致する配置位置におけるローカルマップの回転角を、第1自己位置における移動体の姿勢(第1姿勢)と推定する。
これにより、無障害領域を移動体が移動中に累積された推定誤差を、ローカルマップ配置領域を拡大したマップマッチングにより解消して、移動体の自己位置及び/又は姿勢の推定精度を維持できる。
これにより、単調形状領域を移動体が移動中に累積された推定誤差を、ローカルマップ配置領域を拡大したマップマッチングにより解消して、移動体の自己位置及び/又は姿勢の推定精度を維持できる。
この場合、調節部は、少なくとも第2推定モードを実行している状態から、第1推定モードのみを実行する状態へと切り替わってから所定の時間、ローカルマップ配置領域を、通常の第1推定モードの実行時の大きさよりも拡大する。
これにより、主輪の回転量に基づいて推定された第2自己位置及び/又は第2姿勢の推定誤差を、ローカルマップ配置領域を拡大した第1推定モードの実行により解消して、移動体の自己位置及び/又は姿勢の推定精度を維持できる。
これにより、一時停止状態から移動を開始したときに発生する自己位置及び/又は姿勢の推定誤差を、ローカルマップ配置領域を拡大した第1推定モードの実行により解消して、移動体の自己位置及び/又は姿勢の推定精度を維持できる。
これにより、環境地図(移動環境)の各位置における状況に応じて、ローカルマップ配置領域の大きさを調節できる。
◎移動環境に存在する障害物の位置を表す環境地図を生成するステップ。
◎移動体の周囲に存在する障害物の移動体に対する相対的な位置を表すローカルマップを取得するステップ。
◎環境地図に設定され、所定の条件に従って大きさが調節されたローカルマップ配置領域内の複数の配置位置にてローカルマップを配置及び/又は回転したときに、ローカルマップが環境地図と最も一致する配置位置を、移動体の移動環境における自己位置と推定し、及び/又は、当該配置位置におけるローカルマップの回転角を、当該自己位置における移動体の姿勢と推定するステップ。
(1)移動体の構成
自己位置推定装置100(後述)が用いられる移動体1について説明する。本実施形態の移動体1は、例えば、ユーザにより教示された経路を再現しながら、自律して走行可能な移動体である。
まず、移動体1の構成を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態が採用された移動体の構成を示す図である。
移動体1は、本体11を有する。本体11は、移動体1の本体を構成する例えば筐体である。本実施形態において、後述する「自己位置」は、移動環境MEを表す環境地図M1上における本体11の中心の位置(座標)と定義する。また、「自身」との語は、移動体1の本体11のことを指すこととする。
具体的には、移動部12は、一対のモータ121a、121bを有する。一対のモータ121a、121bは、本体11の底部に設けられた、例えばサーボモータやブラシレスモータなどの電動モータである。一対のモータ121a、121bは、制御部14(後述)と電気的に接続され、制御部14からの指令に基づいて、それぞれ独立に、任意の回転数及びトルクにてその出力回転軸を回転させる。
上記のように独立回転が可能なことによって、主輪123aと123bの回転数に差を生じさせて本体11の姿勢を変化できる。一方、一対の主輪123a、123bの回転数が同じであれば、本体11を直進できる。
ば、レーザ発振器によりパルス発振されたレーザ光を、移動環境ME中の構造物(例えば、移動環境MEに配置された柱、棚、壁など)である障害物に放射状に照射し、当該障害物から反射した反射光をレーザ受信器により受信することにより、当該障害物に関する情報を取得するレーザレンジファインダ(LRF:Laser Range Finder)である。
レーザレンジセンサ13は、本体11の前部に配置された第1レーザレンジセンサ131と、本体11の後部に配置された第2レーザレンジセンサ133と、を有する。
一方、第2レーザレンジセンサ133は、本体11の後方に左右方向にレーザ光を放射状に発生することにより、第2レーザレンジセンサ133を中心とした本体11の後方の半径5m程度の円内に含まれる障害物に関する情報を取得する。
なお、上記レーザレンジセンサの検出可能距離は、上記の値に限られず、移動体1の用途等に応じて適宜変更できる。
図2を用いて、制御部14の構成を説明する。図2は、制御部の構成を示す図である。
なお、以下に説明する制御部14の各部の機能の一部又は全部は、マイコンシステムにおいて実行可能なプログラムとして実現されていてもよい。また、当該プログラムは、当該マイコンシステムの記憶装置に記憶されていてもよい。又は、上記機能の一部又は全部は、カスタムICなどにより実現されていてもよい。
具体的には、記憶部141は、環境地図M1を記憶する。環境地図M1は、例えば、移動環境MEに存在する障害物の位置を表す地図情報である。具体的には、環境地図M1は、移動環境MEを表す座標平面上の障害物の位置を示す座標値データの集合体である。
環境地図M1が、移動環境MEを表す座標平面上の障害物の位置を示す座標値データとして表されることにより、当該環境地図M1とローカルマップM2(後述)とのマップマッチングにより、移動体1(本体11)の移動環境MEにおける位置及び/又は姿勢を、それぞれ、移動環境MEを表す座標平面上の座標値及び/又は基準座標軸からの回転角として推定できる。
その他、移動平面の座標上に定義される領域の式(不等式)を属性情報AIに記憶することによって、任意の形状を有するローカルマップ配置領域Aを定義してもよい。
例えば、移動体1から障害物までの距離がRと算出され、レーザレンジセンサ13の受光面の角度が移動体1の直進方向(図1)に対してα(反時計回りを正の角度とする)となっている場合、障害物の移動体1に対する相対的な位置は、移動体1の中心を原点とした座標系において、(R*cosα,R*sinα)と算出できる。
本実施形態において、自己位置推定部143は、主輪123a、123bの回転量に基づいて推定された位置及び/又は姿勢の推定誤差を考慮して、上記のローカルマップM2の配置位置や回転角度に幅を持たせる。このような、マップマッチングを実行する際のローカルマップM2の配置位置の範囲や回転角度の変更幅を、「ローカルマップ配置領域A」と呼ぶ。
主輪123a、123bの回転量に基づく自己位置及び/又は姿勢の推定は、例えば、前回推定された自己位置及び/又は姿勢に、主輪123a、123bの回転量に基づいて算出された移動距離及び/又は姿勢変化を加算することにより実行できる。
その他、ローカルマップ配置領域Aを、例えば、半径がRである円と定義した場合には、当該Rの値を所定の条件に従って調節することにより、ローカルマップ配置領域Aの大きさを調節できる。
これにより、走行制御部145は、自律モードの実行時においては、本体11を、上記の走行スケジュールTSに従って、自律的に移動できる。
その結果、移動体1の自己位置及び/又は姿勢の推定精度を維持しつつ、マップマッチングによるこれらの推定に要する演算量が無駄に増大することを回避できる。また、これらの推定にかかる時間を減少できる。
図3を用いて、移動環境MEを移動中の移動体1の動作を説明する。図3は、移動体の動作を示すフローチャートである。
以下では、ユーザによる移動体1の操作を移動体1に教示するとともに環境地図M1を作成し、当該教示された操作に従って、移動体1を自律的に移動させる場合の動作を説明する。
具体的には、ユーザの操作により移動体1を移動環境MEにて移動中に、まず、ローカルマップ取得部142が、所定の時間間隔毎に、ローカルマップM2を取得する。次に、自己位置推定部143が、現段階までに作成された環境地図M1とローカルマップM2とをマップマッチングすることにより、移動体1(本体11)の自己位置及び/又は姿勢を推定する。
また、環境地図M1及び走行スケジュールTSを移動体1に教示中に、ユーザは、必要に応じて、移動体1を操作する入力装置を用いて、ローカルマップ配置領域Aの大きさを設定する。ユーザによりローカルマップ配置領域Aの大きさが設定されると、自己位置推定部143は、上記の入力装置から入力したローカルマップ配置領域Aの大きさと、当該ローカルマップ配置領域Aが設定された時の移動体1の自己位置及び/又は姿勢と、を関連付けて、属性情報AIとして記憶部141に記憶する。
移動体1が移動中の通路が下り坂になっており、当該下り坂の通過後に水平面が存在する場合、移動体1が当該下り坂を移動中に、レーザレンジセンサ13から出力された赤外光が、水平面にて反射され、当該反射された赤外光をレーザレンジセンサ13が受光してしまうことがある。
このような誤推定を回避するために、図4Cの一点鎖線にて示すようなローカルマップ配置領域Aを環境地図M1に設定し、第1推定モードの実行時に、自己位置推定部143が、ローカルマップM2を本来の位置から過剰に遠い位置に配置して、上記の図4Cに示すような誤推定を発生させないようにする。
また、上記のように、ローカルマップM2に本来存在しない障害物が含まれる結果、環境地図M1においても本来存在しない障害物が含まれてしまった場合には、環境地図M1を編集して、当該存在しない障害物の像を削除する。
走行モードが自律モードに切り替わり、移動体1が自律的な移動を開始すると、まず、ローカルマップ取得部142が、上記にて説明したようにしてローカルマップM2を取得して、記憶部141に記憶する(ステップS2)。
そのため、自己位置推定部143は、まず、移動環境MEにおいて、障害物が少数しか存在しない、又は、全く存在しない無障害領域を移動体1が移動中であるか否かを判定する(ステップS3)。
移動体1が無障害領域を移動中であると判定すると、自己位置推定部143は、第1推定モードを実行しないと決定する。なぜなら、無障害領域にて取得されるローカルマップM2は、マップマッチングを正確に実行できるだけの十分な障害物の情報を含んでいないからである。
この場合、自己位置推定部143は、第2推定モードのみを実行し、主輪123a、123bの回転量に基づいて推定された第2自己位置及び/又は第2姿勢を、移動体1の自己位置及び/又は姿勢として推定する(ステップS4)。
第1推定モードを実行可能と決定後、自己位置推定部143は、調節部144に対して、ローカルマップ配置領域Aの大きさを調節するよう指令する(ステップS5)。ステップS5におけるローカルマップ配置領域Aの調節方法については、後ほど詳しく説明する。
具体的には、自己位置推定部143は、環境地図M1及び/又はローカルマップM2が単調な形状を有する単調形状領域を移動体1が移動中であるか否かを判定する(ステップS6)。
その他、例えば、ローカルマップ配置領域Aを半径がRである円と定めた場合には、当該座標平面において、(X−X1)2+(Y−Y1)2≦R2との不等式を定義することにより、環境地図M1上にローカルマップ配置領域Aを設定できる。
ローカルマップM2はローカルマップ取得部142により取得されたものであるので、ローカルマップM2も、環境地図M1と同様に、移動環境MEを表す座標平面上の障害物の位置を示す座標値データの集合体である。
従って、ローカルマップM2の環境地図M1上のローカルマップ配置領域Aへの配置は、例えば、座標値データであるローカルマップM2を配置位置へ平行移動させる行列を用いた演算により達成できる。また、ローカルマップM2の配置位置における回転は、座標値データであるローカルマップM2を回転させる行列を用いた演算により達成できる。
自己位置推定部143は、上記のようにして推定した第1自己位置を、移動体1の移動環境MEにおける自己位置であると推定する。また、上記の第1姿勢を、当該自己位置(第1自己位置)における移動体1の姿勢であると推定する。
この場合、自己位置推定部143は、第1推定モードと第2推定モードとの両方を実行して、移動体1の自己位置及び/又は姿勢を推定する(ステップS8)。単調形状領域を移動体1が移動中、自己位置推定部143は、第2推定モードを用いて移動体1の自己位置を推定し、第1推定モードを用いて移動体の姿勢を推定する。
次に、自己位置推定部143は、第2推定モードにて推定された第2自己位置に、上記のようにしてローカルマップ配置領域Aを設定する。その後、自己位置推定部143は、第1推定モードを実行して、ローカルマップ配置領域Aに定められた回転角度の範囲内でローカルマップM2を回転し、環境地図M1とローカルマップM2とが最も一致したときの回転角度である第1姿勢を、上記の自己位置における移動体1の姿勢と推定する。
なお、ローカルマップM2が、直線的な経路の幅方向(経路の延長方向に垂直な方向)において環境地図M1とずれている場合には、第1推定モードの実行により、直線的な経路の幅方向における移動体1の自己位置は推定できる。
具体的には、走行制御部145は、まず、走行スケジュールTSにおいて、上記にて推定された自己位置及び/又は姿勢に最も近い位置及び/又は姿勢の次の位置及び/又は姿勢を、移動体1が移動すべき目標位置及び/又は目標姿勢と設定する。
次に、走行制御部145は、当該目標位置及び/又は目標姿勢と、上記にて推定された自己位置及び/又は姿勢との差に基づいて、モータ121a、121bのそれぞれの制御量を算出して、算出された制御量に基づいた駆動電力を、これらのモータに出力する。これにより、移動体1は、上記の目標位置及び/又は目標姿勢に向かって移動できる。
一方、走行スケジュールTSに示された最終の目標位置に到達したか、又は、移動体1の移動がユーザなどにより停止された場合(ステップS10において「Yes」の場合)、制御部14は、移動体1の移動を停止する。
その一方、マップマッチングにより移動体1の自己位置及び/又は姿勢が推定できない場合には、第2推定モードを実行して推定される第2自己位置及び/又は第2姿勢を、移動体1の自己位置及び/又は姿勢として推定できる。
その結果、走行制御部145は、移動体1がどの領域を移動している場合でも、移動体1の自己位置及び/又は姿勢の推定結果を入力して、当該推定結果に基づいて、モータ121a、121b(主輪123a、123b)を制御できる。
次に、上記のステップS5において実行される、ローカルマップ配置領域Aの調節方法について、図6を用いて説明する。図6は、ローカルマップ配置領域の調節方法を示すフローチャートである。
本実施形態において、調節部144は、ローカルマップ配置領域Aを調節すべき所定の条件に従って、ローカルマップ配置領域Aの大きさを調節する。具体的には、調節部144は、(i)ローカルマップ配置領域Aの大きさが属性情報AIにより指定された場合、(ii)第2推定モードが停止されて第1推定モードのみの推定が開始された場合、(iii)一時停止から移動を開始した場合、(iv)障害物により移動体1が囲まれた場合、及び(v)移動体1が一時停止中、との5つの条件が発生した時に、ローカルマップ配置領域Aの大きさを調節する。
現在の自己位置にて設定された属性情報AIが存在する場合(ステップS501において「Yes」の場合)、調節部144は、ローカルマップ配置領域Aの大きさを、属性情報AIに示された大きさに調節し(ステップS502)、プロセスを終了する。
ローカルマップ配置領域Aの拡大を開始してから所定の時間が経過していない場合(ステップS505において「No」の場合)、調節部144は、ローカルマップ配置領域Aを拡大したマップマッチングによる第1自己位置及び/又は第1領域の推定が、累積された推定誤差を解消できるだけ実行されていないと判定する。この場合、調節部144は、ローカルマップ配置領域Aを拡大したまま保持する。
例えば、調節部144は、エンコーダ125a、125bから出力されるパルス数が、ほぼ0から急激に上昇した場合に、移動体1が一時停止後に移動を開始したと判定できる。
移動体1が一時停止状態から移動を開始したときに、ローカルマップ配置領域Aの大きさを、通常の第1推定モードの実行時よりも拡大することにより、自己位置推定部143は、一時停止状態から移動を開始したときに発生する自己位置及び/又は姿勢の推定誤差(主に、主輪123a、123bと移動面との間の滑りにより発生する)を、ローカルマップ配置領域Aを拡大した第1推定モードの実行により解消して、移動体の自己位置及び/又は姿勢の推定精度を維持できる。
ここで、図7Aに示すように、移動環境MEにおいて、壁W1に囲まれた領域に1つの障害物O1が存在する領域に、移動体1が存在する場合を考える。また、環境地図M1は、図7Aに示す、壁W1に囲まれた領域に1つの障害物O1が存在する状態の時に生成されたものとする。
その後、移動体1が、上記の領域に自律的に移動してきたときに、図7Bに示すように、障害物O1の近傍に複数の障害物O2〜O7が存在したとする。図7A及び図7Bは、囲われ判定が実行される場合の一例を示す図である。
図8Aは、未知の障害物が存在しない場合に取得された環境地図の一例を示す図である。図8Bは、未知の障害物が存在する場合に取得されたローカルマップの一例を示す図である。
例えば、調節部144は、ローカルマップ配置領域Aの大きさを、(予め決められた大きさ)−(囲まれ度*0.5)との関係式により算出される大きさに縮小する。ここで、「囲まれ度」は、例えば、囲われ判定時に囲われ判定領域SA内に含まれると判断された、未知の障害物に対応する像の数に基づいて決定できる。
ローカルマップ配置領域Aの大きさを0とすることにより、第1自己位置及び/又は第1姿勢の誤推定を回避できる。
これにより、自己位置及び/又は姿勢にほとんど変化がない場合に、小さいローカルマップ配置領域Aを用いて、ローカルマップM2を必要以上に移動させることなく、第1自己位置及び/又は第1姿勢の推定に必要な演算量を減少できる。
これにより、ローカルマップ配置領域Aの大きさを調節すべき上記の条件がいずれも発生していない場合に、調節部144は、ローカルマップ配置領域Aの大きさを、予め決められた大きさとできる。
すなわち、図6に示すように、調節部144が、上記の(i)〜(v)の条件を順番に判定することにより、これらの条件が同時に複数発生しても、より優先度の高い条件に従って、ローカルマップ配置領域Aの大きさが調節される。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)囲われ検知の他の実施形態
上記の第1実施形態において、ステップS508において実行される囲まれ検知は、1つの囲まれ判定領域SAのみを用いて実行されていた。しかし、これに限られず、ステップS508において、調節部144は、複数の判定領域を用いて囲まれ検知を実行してもよい。例えば、図11に示すように、所定の中心角を有する扇形の複数の囲まれ判定領域SA1〜SA6を用いて、各囲まれ判定領域にいくつ未知の障害物を示す像が含まれているかを判定してもよい。図11は、囲まれ検知の他の実施形態を示す図である。
例えば、移動体1が広告宣伝ロボットである場合には、未知の障害物が最も多く含まれる囲まれ判定領域が存在する方向に向けて、宣伝広告を集中的に実行してもよい。
その他、例えば、障害物の像が全く含まれない囲まれ判定領域が存在する場合には、当該方向に移動体1を移動させてもよい。
上記の第1実施形態において、環境地図M1は移動環境ME全体を表す1つの地図情報としていた。しかし、環境地図M1は移動環境MEを表していればよいので、環境地図M1を1つの地図情報としなくてもよい。
例えば、環境地図M1を複数の副環境地図に分割してもよい。この場合、副環境地図が移動環境MEのどの位置の地図情報であるかを判別するために、例えば、副環境地図を取得した時刻を、当該副環境地図に関連付けてもよい。
このように、環境地図M1を複数の副環境地図に分割することにより、移動環境MEが環状である場合に、移動体1の移動開始位置にて取得したローカルマップを用いて作成した環境地図の部分と、環状の移動環境MEを移動開始位置の近傍まで戻ってきたときに取得したローカルマップを用いて作成した環境地図の部分とが、一致しなくなるという問題が発生しにくくなる。
上記の第1実施形態において、ローカルマップ配置領域Aは、主輪123a、123bの回転量に基づいて推定される位置及び/又は姿勢の推定誤差を考慮した範囲として定義されていた。しかし、ローカルマップ配置領域Aは、これに限られない。
主輪123a、123bの回転量に基づいて推定される自己位置及び/又は姿勢には、推定誤差が含まれるものの、あまりにも大きな推定誤差が発生する可能性は低い。また、主輪123a、123bの回転量に基づいて推定された自己位置及び/又は姿勢は、実際の移動体1の自己位置及び/又は姿勢に近い傾向にある。
この場合、調節部144は、例えば、ローカルマップ配置領域Aの大きさを、当該正規分布関数の標準偏差の大きさを調節することにより調節できる。
1 移動体
11 本体
12 移動部
121a、121b モータ
123a、123b 主輪
125a、125b エンコーダ
13 レーザレンジセンサ
131 第1レーザレンジセンサ
133 第2レーザレンジセンサ
14 制御部
141 記憶部
142 ローカルマップ取得部
143 自己位置推定部
144 調節部
145 走行制御部
15 補助輪部
15a、15b 補助車輪
A ローカルマップ配置領域
AI 属性情報
M1 環境地図
M2 ローカルマップ
ME 移動環境
O1〜O7 障害物
SA 判定領域
Claims (14)
- 移動環境における移動体の自己位置及び/又は姿勢を推定する自己位置推定装置であって、
前記移動環境に存在する障害物の位置を表す環境地図を記憶する記憶部と、
前記移動体の周囲に存在する前記障害物の前記移動体に対する相対的な位置を表すローカルマップを取得するローカルマップ取得部と、
前記環境地図に設定されるローカルマップ配置領域内の複数の配置位置にて前記ローカルマップを配置及び/又は回転したときに、前記ローカルマップが前記環境地図と最も一致する前記配置位置を、前記移動体の前記移動環境における前記自己位置である第1自己位置と推定し、及び/又は、当該配置位置における前記ローカルマップの回転角を、前記第1自己位置における前記移動体の第1姿勢と推定する、第1推定モードを実行する自己位置推定部と、
所定の条件に従って前記ローカルマップ配置領域の大きさを調節する調節部と、
を備え、
前記移動環境において、前記障害物が少数しか存在しない、又は、全く存在しない無障害領域から、前記障害物が存在する障害領域へと前記移動体が移動した場合、前記調節部は、前記ローカルマップ配置領域の大きさを、所定の時間、予め決められた大きさよりも拡大する、
自己位置推定装置。 - 前記無障害領域を前記移動体が移動中に、前記自己位置推定部は、前記第1推定モードを実行しない、請求項1に記載の自己位置推定装置。
- 移動環境における移動体の自己位置及び/又は姿勢を推定する自己位置推定装置であって、
前記移動環境に存在する障害物の位置を表す環境地図を記憶する記憶部と、
前記移動体の周囲に存在する前記障害物の前記移動体に対する相対的な位置を表すローカルマップを取得するローカルマップ取得部と、
前記環境地図に設定されるローカルマップ配置領域内の複数の配置位置にて前記ローカルマップを配置及び/又は回転したときに、前記ローカルマップが前記環境地図と最も一致する前記配置位置を、前記移動体の前記移動環境における前記自己位置である第1自己位置と推定し、及び/又は、当該配置位置における前記ローカルマップの回転角を、前記第1自己位置における前記移動体の第1姿勢と推定する、第1推定モードを実行する自己位置推定部と、
所定の条件に従って前記ローカルマップ配置領域の大きさを調節する調節部と、
を備え、
前記環境地図が単調な形状を有する単調形状領域から、前記環境地図が特徴的な形状を有する特徴形状領域へと前記移動体が移動した場合、前記調節部は、前記ローカルマップ配置領域の大きさを、所定の時間、予め決められた大きさよりも拡大する、
自己位置推定装置。 - 前記単調形状領域を前記移動体が移動中、又は、前記所定の時間の経過後、前記調節部は、前記ローカルマップ配置領域の大きさを、前記予め決められた大きさとする、請求項3に記載の自己位置推定装置。
- 移動環境における移動体の自己位置及び/又は姿勢を推定する自己位置推定装置であって、
前記移動環境に存在する障害物の位置を表す環境地図を記憶する記憶部と、
前記移動体の周囲に存在する前記障害物の前記移動体に対する相対的な位置を表すローカルマップを取得するローカルマップ取得部と、
前記環境地図に設定されるローカルマップ配置領域内の複数の配置位置にて前記ローカルマップを配置及び/又は回転したときに、前記ローカルマップが前記環境地図と最も一致する前記配置位置を、前記移動体の前記移動環境における前記自己位置である第1自己位置と推定し、及び/又は、当該配置位置における前記ローカルマップの回転角を、前記第1自己位置における前記移動体の第1姿勢と推定する、第1推定モードを実行する自己位置推定部と、
所定の条件に従って前記ローカルマップ配置領域の大きさを調節する調節部と、
を備え、
前記移動体は前記移動環境を移動するための主輪を有し、
前記自己位置推定部は、前記主輪の回転量に基づいて、前記移動体の前記移動環境における自己位置及び/又は姿勢を、それぞれ、第2自己位置及び/又は第2姿勢と推定する第2推定モードをさらに実行可能であり、
少なくとも前記第2推定モードを実行している状態から、前記第1推定モードのみを実行する状態へと切り替わってから所定の時間、前記調節部は、前記ローカルマップ配置領域を、通常の前記第1推定モードの実行時の大きさよりも拡大する、
自己位置推定装置。 - 移動環境における移動体の自己位置及び/又は姿勢を推定する自己位置推定装置であって、
前記移動環境に存在する障害物の位置を表す環境地図を記憶する記憶部と、
前記移動体の周囲に存在する前記障害物の前記移動体に対する相対的な位置を表すローカルマップを取得するローカルマップ取得部と、
前記環境地図に設定されるローカルマップ配置領域内の複数の配置位置にて前記ローカルマップを配置及び/又は回転したときに、前記ローカルマップが前記環境地図と最も一致する前記配置位置を、前記移動体の前記移動環境における前記自己位置である第1自己位置と推定し、及び/又は、当該配置位置における前記ローカルマップの回転角を、前記第1自己位置における前記移動体の第1姿勢と推定する、第1推定モードを実行する自己位置推定部と、
所定の条件に従って前記ローカルマップ配置領域の大きさを調節する調節部と、
を備え、
前記移動体が、前記環境地図に表されていない未知の障害物に囲まれている場合、前記調節部は、前記ローカルマップ配置領域の大きさを、前記未知の障害物に囲まれていないときよりも縮小する、
自己位置推定装置。 - 前記移動体が一時停止状態から移動を開始したら、前記調節部は、前記ローカルマップ配置領域の大きさを、通常の前記第1推定モードの実行時よりも拡大する、請求項1〜6のいずれかに記載の自己位置推定装置。
- 前記移動体が一時停止したら、前記調節部は、前記ローカルマップ配置領域の大きさを、通常の前記第1推定モードの実行時よりも縮小する、請求項1〜7のいずれかに記載の自己位置推定装置。
- 前記記憶部は、前記環境地図の所定の位置における前記ローカルマップ配置領域の大きさを定める属性情報をさらに記憶し、
前記調節部は、前記属性情報に従って、前記ローカルマップ配置領域の大きさを設定する、請求項1〜8のいずれかに記載の自己位置推定装置。 - 前記ローカルマップ配置領域の大きさを調節すべき前記所定の条件が同時に複数発生したら、前記調節部は、当該複数の条件のうち、優先度がより高い条件に従って前記ローカルマップ配置領域の大きさを設定する、請求項1〜9のいずれかに記載の自己位置推定装置。
- 移動環境における移動体の自己位置及び/又は姿勢を推定する自己位置推定方法であって、
前記移動環境に存在する障害物の位置を表す環境地図を生成するステップと、
前記移動体の周囲に存在する前記障害物の前記移動体に対する相対的な位置を表すローカルマップを取得するステップと、
前記環境地図に設定され、所定の条件に従って大きさが調節されたローカルマップ配置領域内の複数の配置位置にて前記ローカルマップを配置及び/又は回転したときに、前記ローカルマップが前記環境地図と最も一致する前記配置位置を、前記移動体の前記移動環境における前記自己位置と推定し、及び/又は、当該配置位置における前記ローカルマップの回転角を、当該自己位置における前記移動体の姿勢と推定するステップと、
を含み、
前記自己位置と前記姿勢を推定するステップにおいて、前記移動環境において、前記障害物が少数しか存在しない、又は、全く存在しない無障害領域から、前記障害物が存在する障害領域へと前記移動体が移動した場合、前記ローカルマップ配置領域の大きさを、所定の時間、予め決められた大きさよりも拡大する、
自己位置推定方法。 - 移動環境における移動体の自己位置及び/又は姿勢を推定する自己位置推定方法であって、
前記移動環境に存在する障害物の位置を表す環境地図を生成するステップと、
前記移動体の周囲に存在する前記障害物の前記移動体に対する相対的な位置を表すローカルマップを取得するステップと、
前記環境地図に設定され、所定の条件に従って大きさが調節されたローカルマップ配置領域内の複数の配置位置にて前記ローカルマップを配置及び/又は回転したときに、前記ローカルマップが前記環境地図と最も一致する前記配置位置を、前記移動体の前記移動環境における前記自己位置と推定し、及び/又は、当該配置位置における前記ローカルマップの回転角を、当該自己位置における前記移動体の姿勢と推定するステップと、
を含み、
前記自己位置と前記姿勢を推定するステップにおいて、前記環境地図が単調な形状を有する単調形状領域から、前記環境地図が特徴的な形状を有する特徴形状領域へと前記移動体が移動した場合、前記ローカルマップ配置領域の大きさを、所定の時間、予め決められた大きさよりも拡大する、
自己位置推定方法。 - 移動環境を移動するための主輪を備える移動体の自己位置及び/又は姿勢を推定する自己位置推定方法であって、
前記移動環境に存在する障害物の位置を表す環境地図を生成するステップと、
前記移動体の周囲に存在する前記障害物の前記移動体に対する相対的な位置を表すローカルマップを取得するステップと、
前記環境地図に設定され、所定の条件に従って大きさが調節されたローカルマップ配置領域内の複数の配置位置にて前記ローカルマップを配置及び/又は回転したときに、前記ローカルマップが前記環境地図と最も一致する前記配置位置を、前記移動体の前記移動環境における前記自己位置である第1自己位置と推定し、及び/又は、当該配置位置における前記ローカルマップの回転角を、前記第1自己位置における前記移動体の第1姿勢と推定する、第1推定モードを実行するステップと、
前記主輪の回転量に基づいて、前記移動体の前記移動環境における自己位置及び/又は姿勢を、それぞれ、第2自己位置及び/又は第2姿勢と推定する第2推定モードを実行するステップと、
少なくとも前記第2推定モードを実行している状態から、前記第1推定モードのみを実行する状態へと切り替わってから所定の時間、前記ローカルマップ配置領域を、通常の前記第1推定モードの実行時の大きさよりも拡大するステップと、を含む、
自己位置推定方法。 - 移動環境における移動体の自己位置及び/又は姿勢を推定する自己位置推定方法であって、
前記移動環境に存在する障害物の位置を表す環境地図を生成するステップと、
前記移動体の周囲に存在する前記障害物の前記移動体に対する相対的な位置を表すローカルマップを取得するステップと、
前記環境地図に設定され、所定の条件に従って大きさが調節されたローカルマップ配置領域内の複数の配置位置にて前記ローカルマップを配置及び/又は回転したときに、前記ローカルマップが前記環境地図と最も一致する前記配置位置を、前記移動体の前記移動環境における前記自己位置と推定し、及び/又は、当該配置位置における前記ローカルマップの回転角を、当該自己位置における前記移動体の姿勢と推定するステップと、
を含み、
前記自己位置と前記姿勢を推定するステップにおいて、前記移動体が前記環境地図に表されていない未知の障害物に囲まれている場合、前記ローカルマップ配置領域の大きさを、前記未知の障害物に囲まれていないときよりも縮小する、
自己位置推定方法。
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