以下に、本発明の実施形態の荷揃えシステムついて、図面を参照しながら説明する。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
また、以下で説明する実施の形態は、本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
[構成]
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態1における荷揃えシステム1の構成の概要を説明する。
図1は、実施の形態1における荷揃えシステムの平面図である。図2は、実施の形態1における荷揃えシステムの機能ブロック図である。
荷揃えシステム1は、冷凍環境で保管されている商品に対するオーダーを受け付けて、受け付けたオーダーに応じた商品を出荷するためのシステムである。図1及び図2に示すように、実施の形態1における荷揃えシステム1は、冷凍倉庫100と、ピッキングステーション200と、保管装置300と、荷合わせステーション400と、コントローラ500とを備える。また、荷揃えシステム1は、さらに、返却装置600を備えていてもよい。
冷凍倉庫100は、冷凍環境で在庫商品10を保管する倉庫である。冷凍倉庫100は、荷物(在庫商品10)を載置する棚を有するラックと、当該荷物の搬送を行う搬送車(例えば、スタッカクレーン)とを備える自動倉庫であって、当該ラックが設けられている環境が、例えば−25℃の冷凍環境となるように温度調整が行われている自動倉庫である。冷凍倉庫100は、コントローラ500から在庫商品の出庫指示(商品出庫指示)を受けた場合、商品出庫指示に応じた在庫商品を搬送車によって出庫させる。
冷凍倉庫100には、例えば、アイスクリームや冷凍食品などの商品が、当該冷凍商品を製造しているメーカから出荷されたままの状態、例えば、段ボール箱などの容器に収容されている状態で、在庫商品10として保管されている。つまり、在庫商品10は、所定の個数の商品が収容されている所定の容器により構成されている。在庫商品10は、例えば、24個のアイスクリームが収容されている1つの段ボール箱により構成されている。なお、商品は、冷凍環境での保管が必要な物品であり、上述したようなアイスクリームや冷凍食品などの食品であってもよいし、食品以外の物品であってもよい。また、在庫商品10は、複数の商品が収容されている段ボール箱が、さらに複数載置されたパレット単位でラックに保管されていてもよい。
ピッキングステーション200は、冷凍倉庫100から取り出した在庫商品10が搬入されるステーションである。また、ピッキングステーション200には、商品が収容されていない、空の保冷容器20が返却装置600によって供給される。ピッキングステーション200では、搬入された在庫商品10のうちの必要数量の商品が、例えば、作業者によって保冷容器20に移し替えられる。本実施の形態では、ピッキングステーション200には、移し替える作業(ピッキング作業)を行うことのできる作業領域が複数設けられている。
ピッキングステーション200は、冷凍倉庫100に隣接して配置されており、例えば5〜10℃の冷蔵環境となるように温度調整が行われている。冷凍倉庫100とピッキングステーション200との間は、断熱壁(図示せず)で区切られており、冷凍倉庫100の出入り口には、開閉可能な断熱シャッター(図示せず)が設けられている。これにより、冷凍倉庫100の冷凍環境と、ピッキングステーション200の冷蔵環境とがそれぞれ維持される。このように、ピッキングステーション200では、冷蔵環境が維持されているため、作業者は、冷凍環境よりも温度が高い冷蔵環境でピッキング作業を行うことができる。このため、ピッキング作業において作業者にかかる負担を軽減できる。
保冷容器20は、オーダーを受けた商品が一時的に収容される容器であって、断熱材により構成される容器である。保冷容器20は、保冷容器20の内部空間を冷凍状態に維持するための蓄冷プレートを当該内部空間内に有する。これにより、冷蔵環境にあるピッキングステーション200、保管装置300及び荷合わせステーション400においても、収容された商品を冷凍環境に置いたまま維持することが容易にできる。
なお、保冷容器20が使用されていないときに、保冷容器20に収容されている蓄冷プレートは、冷凍倉庫100とは別の冷凍庫で保管されていてもよいし、冷凍倉庫100で保管されていてもよい。なお、保冷容器20が使用されていないときとは、例えば、荷揃えシステム1が1日中稼働していない場合には、稼働していない時間帯であってもよい。
この場合、1日の最初のピッキング作業時に、作業者が蓄冷プレートを保冷容器20に収容するようにしてもよい。具体的には、作業者は、30分〜1時間分の時間帯において受信したオーダーを1バッチとしたときに、当該1バッチ分のオーダーにかかるピッキング作業において必要な数の保冷容器20に蓄冷プレートを順次投入する作業を予め行ってもよい。また、保冷容器20に蓄冷プレートを投入する作業を予め行わなくてもよく、最初のピッキング作業時において商品を保冷容器20に移し替える時に、商品と一緒に蓄冷プレートを保冷容器20に投入してもよい。
なお、一旦、保冷容器20に収容された蓄冷プレートは、蓄冷プレートの冷凍能力がなくなる前までであれば、保冷容器20に収容されたまま使用され続ける。蓄冷プレートは、例えば、16時間の間、冷凍能力が有効に持続する場合には、15時間使用され続けてもよい。したがって、例えば、荷揃えシステム1が日中の12時間稼働しており、夜間稼働していない場合には、荷揃えシステム1が稼働している間中に使用され続けてもよい。
また、保冷容器20が使用されていないときとは、複数の保冷容器20を所定の時間帯毎や所定の期間毎に使用するグループと使用しないグループとに分けてローテーションで使用している場合には、当該グループが使用されていない時間帯または期間であってもよい。
また、ピッキングステーション200は、作業者に、冷凍倉庫100から取り出した在庫商品10の中から保冷容器20に移し替える数量の指示(数量指示)を行う指示装置201を有する。指示装置201は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、当該数量指示を示す画像又は文字列を表示部に表示する。指示装置201は、コントローラ500から受信した数量指示情報に応じて、在庫商品10の中から空の保冷容器20に移し替える数量を示す画像又は文字列を表示することで、作業者に数量を指示する。これにより、作業者は、受け付けたオーダーに含まれる商品の数量を知ることができるため、在庫商品10の箱の中から必要数量を取り出して、保冷容器20に移し替える作業を適切に行うことができる。
また、数量指示情報には、1つのオーダーのうちの1種類の商品の数量が含まれ、他の種類の商品の数量は含まれない。このため、作業者は、当該作業者が担当するピッキングステーション200に搬入された在庫商品10の中から必要数量を保冷容器20に移し替える作業を行えばよい。よって、作業者は、オーダーには含まれていない商品を保冷容器20に誤って投入することを低減でき、作業効率を向上させることができる。よって、商品がピッキングステーション200において冷蔵環境にさらされる時間を短縮することができる。
なお、指示装置201は、表示装置に限らずに、当該指示を示す画像又は文字列を紙などの媒体に印刷する印刷装置であってもよい。なお、必要数量の商品が移し替えられた残りの在庫商品10は、ベルトコンベアなどにより冷凍倉庫100に戻される。
保管装置300は、商品が移し替えられた保冷容器20a、20bが入庫され、当該保冷容器20a、20bを一時的に保管する装置である。具体的には、保管装置300は、1つのオーダーに含まれる商品が収容された保冷容器20a、20bが全て揃うまで待機する。つまり、保管装置300は、1つのオーダーに含まれる商品のうち最後の商品が収容された保冷容器が保管装置300に入庫されるまで待機する。
保管装置300は、ピッキングステーション200に隣接して配置されており、ピッキングステーション200と同様に、例えば、5〜10℃の冷蔵環境となるように温度調整が行われている。保管装置300は、例えば、スタッカクレーンなどの移載装置を有する自動倉庫である。
荷合わせステーション400は、保管装置300から出庫された保冷容器20a、20bが搬入されるステーションである。荷合わせステーション400は、保管装置300に隣接して配置されており、ピッキングステーション200及び保管装置300と同様に、例えば、5〜10℃の冷蔵環境となるように温度調整が行われている。
荷合わせステーション400には、受信したオーダーについて、当該オーダーに含まれる商品が収容されている保冷容器が全て同じタイミングで搬入される。具体的には、荷合わせステーション400には、オーダーが複数種類の商品を含む場合には、所定の時間帯(例えば1分間)に当該オーダーに含まれる複数種類の商品が種類毎に収容されている複数の保冷容器の全てが連続して搬入される。荷合わせステーション400では、搬入された、複数の保冷容器に収容されている商品が、作業者によって、発泡スチロールなどから構成される出荷用容器30に移し替えられる。本実施の形態では、荷合わせステーション400には、移し替える作業(荷合わせ作業)を行うことのできる作業領域が複数設けられている。
このように、1つのオーダーに含まれる商品が収容されている保冷容器が全て同じタイミングで荷合わせステーション400に搬入されるため、作業者は、当該オーダーに含まれる商品の種類が複数ある場合であっても、全ての保冷容器に収容されている商品を出荷用容器30に移し替えればよい。このため、他のオーダーに含まれる商品を誤って出荷用容器30に移し替えることを低減でき、荷合わせ作業にかかる作業効率を向上させることができる。よって、商品が荷合わせステーション400において冷蔵環境にさらされる時間を短縮することができる。
また、荷合わせステーション400は、作業者に、保管装置300から出庫された保冷容器であって、1つのオーダーに含まれる全ての保冷容器を認識させる指示(認識指示)を行う指示装置401を有する。指示装置401は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、認識指示を示す画像又は文字列を表示部に表示する。指示装置401は、コントローラ500から受信した認識指示情報に応じて、当該1つのオーダーに含まれる全ての商品を認識させるための画像又は文字列を表示することで、作業者に保冷容器から出荷用容器30に移し替える全ての商品を認識させる作業を行わせる。
これにより、作業者は、1つのオーダーに含まれる商品を、保冷容器から出荷用容器30にもれなく移し替えることが容易にできる。このため、荷合わせ作業にかかる作業効率を向上させることができる。よって、商品が荷合わせステーション400において冷蔵環境にさらされる時間を短縮することができる。
コントローラ500は、通信ネットワークを介して外部からオーダーを受信し、受信したオーダーに応じて、ピッキング作業及び荷合わせ作業が作業者によって効率よく行われるように、冷凍倉庫100、ピッキングステーション200、保管装置300及び荷合わせステーションを制御する情報処理装置である。コントローラ500は、図2に示すように、オーダー取得部501と、商品出庫指示部502と、移し替え指示部503と、容器出庫指示部504と、荷合わせ指示部505とを備える。
オーダー取得部501は、商品及び当該商品の必要数量を含むオーダーを発注者から取得する指示を行う。オーダー取得部501は、通信ネットワークを介して外部からオーダーを受信する。オーダー取得部501は、例えば、通信ネットワークとの間で無線通信または有線通信可能な通信モジュールなどにより実現される。なお、通信ネットワークは、インターネットなどの汎用ネットワークでもよいし、荷揃えシステム1の専用のネットワークなどでもよい。
商品出庫指示部502は、オーダー取得部501に取得されたオーダーのうち第1オーダーに含まれる所定の商品を含む所定の在庫商品を冷凍倉庫100から出庫させる指示を行う。
移し替え指示部503は、第1オーダーに含まれる所定の商品の数量を、ピッキングステーション200において保冷容器20に移し替えるべき当該所定の商品の必要数量として指示する。移し替え指示部503は、具体的には、ピッキングステーション200の指示装置201に、オーダー取得部501により取得されたオーダーに応じて生成した数量指示情報を送信する。
容器出庫指示部504は、保管装置300において第1オーダーに含まれる商品が移し替えられた、全ての保冷容器20が揃うと、第1オーダーに含まれる商品が移し替えられた全ての保冷容器20を保管装置300から出庫させる指示を行う。容器出庫指示部504は、具体的には、保管装置300において第1オーダーに含まれる商品の全てが収容された保冷容器20が揃ったか否かを判定し、第1オーダーに含まれる商品の全てが収容された保冷容器20が揃ったと判定した場合、当該保冷容器20を出庫する。このとき、容器出庫支持部504は、第1オーダーに含まれる商品の全てが収容された保冷容器20が複数の場合には、当該複数の保冷容器20を同一の期間において連続して保管装置300から荷合わせステーション400へ出庫する。容器出庫指示部504は、保管装置300において第1オーダーに含まれる商品の全てが収容された保冷容器20が揃ったか否かを判定した結果を保管装置300から受信したときに、第1オーダーに含まれる商品の全てが収容された保冷容器20が揃ったと判定してもよい。
荷合わせ指示部505は、荷合わせステーション400において、保管装置300から出庫された保冷容器20であって、第1オーダーに含まれる商品が収容された全ての保冷容器20を認識させる指示を行う。荷合わせ指示部505は、具体的には、荷合わせステーション400の指示装置401に、オーダー取得部501により取得されたオーダーに応じて生成した認識指示情報を送信する。
なお、商品出庫指示部502、移し替え指示部503、容器出庫指示部504及び荷合わせ指示部505は、例えば、プロセッサ及びプログラムが記憶されているメモリにより実現されている。
返却装置600は、荷合わせステーション400において商品が取り出された空の保冷容器20をピッキングステーション200に供給する。返却装置600は、例えば、コンベアなどにより実現される。
[全体動作]
次に、荷揃えシステム1の動作について、図3〜図7を用いて説明する。図3は、実施の形態1における荷揃えシステムの動作を示すフローチャートである。図4は、荷揃えシステムにおける動作の流れを説明するための図である。図5は、外部から取得するオーダーの一例を示す図である。図6は、ピッキングステーションの指示装置の一例を示す図である。図7は、荷合わせステーションの指示装置の一例を示す図である。
荷揃えシステム1は、まず、コントローラ500のオーダー取得部501が外部からオーダーを取得する(S101)。オーダー取得部501は、例えば、図5に示すように、オーダーA及びオーダーBを含む複数のオーダーを取得する。各オーダーは、商品と商品の数量とを含む情報である。なお、図2で示すオーダーは、図5に示すオーダーAである。つまり、図2では、オーダーAに対する荷揃えシステム1の各動作が示されている。
次に、コントローラ500は、オーダー取得部501により取得されたオーダーに含まれる商品の種類ごとに、商品出庫処理及びピッキング処理を行う(S102)。コントローラ500は、オーダーに含まれる商品が同一種類の商品のみの場合には、当該商品の商品出庫処理及びピッキング処理を行う。一方で、コントローラ500は、オーダーに含まれる商品が複数種類の商品の場合には、複数種類の商品のそれぞれについて商品出庫処理及びピッキング処理を繰り返す。なお、商品出庫処理は、コントローラ500が、冷凍倉庫100から在庫商品を出庫させる処理である。ピッキング処理は、ピッキングステーション200において保冷容器20へ移し替える数量を指示する処理である。
商品出庫指示部502は、オーダー取得部501に取得されたオーダーのうち第1オーダーに含まれる所定の商品を含む所定の在庫商品を冷凍倉庫100から出庫させる指示を行う(S103)。商品出庫指示部502は、具体的には、商品出庫指示を冷凍倉庫100に送信する。これにより、例えば、商品出庫指示を受信した冷凍倉庫100は、当該商品の在庫商品を出庫する(図2の冷凍倉庫100及び図4の「1:在庫商品出庫」)。
そして、移し替え指示部503は、第1オーダーに含まれる所定の商品の数量を、ピッキングステーション200において保冷容器20に移し替えるべき当該所定の商品の必要数量として指示する(S104)。これにより、ピッキングステーション200の指示装置201には、出庫された在庫商品10から空の保冷容器20に対して移し替えるべき数量が表示される。これにより、例えば作業者は、ピッキングステーション200において、図4の「2:ピッキング作業」に示すように、指示装置201に表示された指示に従って在庫商品10から空の保冷容器20に対して移し替えるピッキング作業を行う。
ここで、指示装置201に表示される指示について図6を用いて説明する。図6は、ピッキングステーションにおけるピッキング作業の具体例について説明するための図である。
図6に示すように、指示装置201は、表示部202と、バーコードリーダ203とを備える。表示部202は、数量指示を示す画像又は文字列を表示する。図6の例では、オーダーAに含まれる商品Aについての数量指示が表示されている。作業者は、表示部202に表示されている数量指示に従って、ピッキングステーション200に出庫されている在庫商品Aから2つの商品Aを取り出して、ピッキングステーション200に用意されている1つの空の保冷容器20に、取り出した2つの商品Aを投入する。なお、空の保冷容器20には、上述したように、蓄冷プレート21が収容されているものとする。具体的には、保冷容器20は、図6に示すように、保冷容器20の内方における保冷容器20の上部(例えば、蓋の裏側)に収容されている。
作業者は、商品Aを空の保冷容器20に投入する際に、バーコードリーダ203を用いて、在庫商品A、商品A及び保冷容器20のそれぞれに設けられているバーコードを指示装置201に認識させることで、1つのピッキング作業の対象となった在庫商品A、商品A及び保冷容器20をコントローラ500に認識させる。これにより、コントローラ500は、在庫商品Aの残りの数量、保冷容器20へ移し替えられた商品Aの数量、及び、オーダーAの商品Aが収容されている保冷容器20を適切に管理することができる。
ピッキング作業により商品が収納された在庫商品は、保管装置300に一時的に保管される(S105)。
次に、容器出庫指示部504は、保管装置300において第1オーダー(図2では、オーダーA)に含まれる商品の全てが収容された保冷容器20が揃ったか否かを判定する(S106)。容器出庫指示部504は、例えば、ピッキングステーション200において認識した、オーダーAの商品Aが収容された保冷容器20aと、商品Bが収容された保冷容器20bとが、保管装置300に入庫されたか否かを判定することにより、ステップS106の処理を行う。
容器出庫指示部504は、保管装置300において第1オーダーに含まれる商品の全てが収容された保冷容器20が揃ったと判定した場合(S106でYes)、第1オーダーに含まれる商品の全てが収容された保冷容器20の出庫を保管装置300に指示する(S107)。
一方で、容器出庫指示部504は、保管装置300において第1オーダーに含まれる商品の全てが収容された保冷容器20が揃っていないと判定した場合(S106でNo)、ステップS107を繰り返すことにより、第1オーダーに含まれる商品の全てが収容された保冷容器20が揃うまで待機する。例えば、保管装置300では、オーダーAに含まれる商品Aが収容された保冷容器20aと、商品Bが収容された保冷容器20bとが保管装置300に入庫されるまで、オーダーAの商品が収容された保冷容器の保管装置300からの出庫を待機する(図2の保管装置300及び図4の「3:一時保管」)。そして、オーダーに含まれる2個の商品Aが収容された保冷容器20aと、2個の商品Bが収容された保冷容器20bとが保管装置300に入庫された時点で、保冷容器20a及び保冷容器20bは荷合わせステーション400へ出庫される。よって、1つのオーダーに含まれる最後の保冷容器20へのピッキング作業が完了していれば、保管装置300では、当該保冷容器20を一時保管せずに、そのまま荷合わせステーション400に待機している他の保冷容器とともに出庫してもよい。もちろん、1つのオーダーに含まれる商品が1種類のみの場合は、保管装置300に一時保管せずに、そのまま荷合わせステーション400に出庫してもよい。
ステップS107が終了すると、荷合わせ指示部505は、荷合わせステーション400において、保管装置300から出庫された保冷容器20であって、第1オーダーに含まれる全ての保冷容器20を認識させる指示を行う(S108)。これにより、例えば作業者は、荷合わせステーション400において、図4の「4:荷合わせ作業」に示すように、指示装置401に表示された指示に従って保冷容器20a、20bから空の出荷用容器30に対して移し替える荷合わせ作業を行う。
そして、荷合わせ指示部505は、第1オーダーに含まれる商品が収容された全ての保冷容器20を認識したか否かを判定する(S109)。荷合わせ指示部505は、全ての保冷容器20を認識した場合(S109でYes)、動作を終了し、全てに保冷容器20を認識していない場合(S109でNo)、ステップS109を繰り返すことにより、全ての保冷容器20を認識するまで待機する。荷合わせ作業がされた出荷用容器30には、ドライアイスなどの冷却材が梱包されて、出荷される(図4の「5:梱包・出荷」)。
ここで、指示装置401に表示される指示について図7を用いて説明する。図7は、荷合わせステーションにおける荷合わせ作業の具体例について説明するための図である。
図7に示すように、指示装置401は、表示部402と、バーコードリーダ403とを備える。表示部402は、認識指示を示す画像又は文字列を表示する。図7の例では、オーダーAについての認識指示が示されている。具体的には、認識指示には、オーダーAに含まれる全ての商品である商品A及び商品Bと各商品の数量と各商品のバーコードを読み取ったかを示すチェックマークとが示されている。作業者は、表示部402に表示されている認識指示に従って、荷合わせステーション400に出庫されている保冷容器20a及び保冷容器20bのそれぞれに収容されている各商品を取り出して、荷合わせステーション400に用意されている出荷用容器30に、取り出した2個の商品A及び2個の商品Bを投入する。
作業者は、取り出した2個の商品A及び2個の商品Bを出荷用容器30に投入する際に、バーコードリーダ403を用いて、2個の商品A及び2個の商品Bと、保冷容器20a及び保冷容器20bと、出荷用容器30とのそれぞれに設けられているバーコードを指示装置401に認識させることで、1つの荷合わせ作業の対象となった及び2個の商品Bを出荷用容器30に投入する際に、バーコードリーダ403を用いて、2個の商品A及び2個の商品Bと、保冷容器20a及び保冷容器20bと、出荷用容器30とをコントローラ500に認識させる。よって、コントローラ500は、保冷容器20a及び保冷容器20bが空の状態になったか否かと、オーダーAの各商品が1つの出荷用容器30に収容されたか否かとを適切に管理することができる。
本実施の形態に係る荷揃えシステム1によれば、保冷容器20を利用することで作業者が作業するピッキングステーション200及び荷合わせステーション400の温度環境を冷凍環境よりも高い温度環境(冷蔵環境)とすることができる。また、ピッキングステーション200及び荷合わせステーション400に、それぞれ、ピッキング作業及び荷合わせ作業にかかる適切な指示を行うことができるため、ピッキング作業及び荷合わせ作業にかかる作業効率を向上させることができる。よって、商品がピッキングステーション200及び荷合わせステーション400において冷蔵環境にさらされる時間を短縮することができる。
また、荷揃えシステム1は、荷合わせステーション400において荷物が取り出された空の保冷容器20をピッキングステーション200に供給する返却装置を備える。このため、空の保冷容器20をピッキングステーション200へ返却することで、蓄冷プレート21を保冷容器20に投入する時間を減らすことができ、ピッキング数を増やすことができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態2は、実施の形態1と比較して、荷揃えシステム1の構成は同様であるが、移し替え指示部503の動作が異なる。
移し替え指示部503は、実施の形態1の動作にさらに、次の動作を行う。移し替え指示部503は、ピッキングステーション200において保冷容器20へ移し替える作業の1つが完了すると、当該作業において移し替えた在庫商品と同じ商品を含む、第1オーダー(オーダーA)とは別の第2オーダー(オーダーB)に含まれる同じ商品の数量を、在庫商品から別の保冷容器へ移し替えるべき必要数量として指示する。移し替え指示部503は、具体的には、ピッキングステーション200において保冷容器20へ移し替える作業の1つが完了した場合、当該作業において移し替えた在庫商品がピッキングステーション200に出庫されているか否かを判定する。そして、移し替え指示部503は、判定の結果、当該作業において移し替えた在庫商品がピッキングステーション200に出庫されている場合、ピッキングステーション200の指示装置201に、当該ピッキングステーション200に出庫されている在庫商品から、さらに、別の保冷容器20に当該第2オーダーに含まれる当該同じ商品の数量を含む数量指示情報を送信する。
図8は、実施の形態2における荷揃えシステムの動作を示すフローチャートである。
実施の形態2における荷揃えシステムの動作では、実施の形態1と比較して商品出庫処理及びピッキング処理の内容が異なる。図8では、実施の形態1と異なるステップのみに異なる符号を付し、実施の形態1と同様のステップには同じ符号を付すことで説明を省略する。
商品出庫処理及びピッキング処理が開始される(S102a)と、まず、移し替え指示部503は、現在出庫中の在庫商品があるか否かを判定する(S111)。
移し替え指示部503は、当該作業において移し替えた在庫商品がピッキングステーション200に出庫されていると判定した場合(S111でYes)、ピッキングステーション200の指示装置201に、当該ピッキングステーション200に出庫されている在庫商品から、さらに、次の保冷容器20に当該第2オーダーに含まれる当該同じ商品の数量を含む数量指示情報を送信する(S112)。
以下、図9を用いて、上記の動作の具体例について説明する。
図9は、実施の形態2におけるピッキング作業の具体例について説明するための図である。
図5に示したように、オーダー取得部501は、オーダーAの他にもオーダーBを取得している。オーダーBには、オーダーAに含まれる商品と同一の商品Bが含まれている。
図9の(a)及び(b)に示すように、ピッキングステーション200において、オーダーAの商品Bについて、在庫商品BからオーダーAの商品Bの数量(2個)の分だけ保冷容器に移し替え作業が行われる。次のタイミングで、オーダーBの商品Bに対する商品出庫処理が行われるときに、ステップS111によって、商品Bがピッキングステーション200に出庫しているか否かが判定されることになる。
このため、オーダーBの商品Bに対する商品出庫処理が行われるときに、図9の(c)及び(d)に示すように、既にピッキングステーション200に出庫されている在庫商品Bを利用することができる。よって、作業者は、オーダーAの商品Bに対するピッキング処理が終了した時点で、在庫商品Bを冷凍倉庫100に戻すことなく、別のオーダーBの商品Bに対するピッキング処理を連続して行うことができる。このように、異なるオーダーのピッキング作業を連続して行うことができ、単位時間あたりのピッキング数を増加させることができる。
(その他の実施の形態)
上記実施の形態1及び2では、冷凍倉庫100は、自動倉庫であるとしたが、自動倉庫に限らずに、搬送車を有していない冷凍環境に設けられたラックのみを有する倉庫であってもよい。この場合、冷凍倉庫100には作業者に商品出庫指示するための指示装置が配置されていてもよい。当該指示装置は、商品出庫指示に応じてオーダーに応じた在庫商品を出庫することを作業者に促す指示が表示される表示部を備えた装置である。
また、上記実施の形態1及び2では、保管装置300は、自動倉庫であるとしたが、自動倉庫に限らずに、トレイソーターやクロスベルトソーターなどの仕分装置であってもよいし、保冷容器を一時的に保管することが可能な倉庫であってもよい。保管装置300を仕分装置とする場合、1つのオーダー分の保冷容器が全て揃うまではトレイ上に載せたまま移動を続け、オーダー分の保冷容器が全て揃った時点で荷合わせステーション400(シュート)に払い出す。また、保管装置300を倉庫とする場合、保管装置300には、作業者に1つのオーダーに含まれる商品が収容された全ての保冷容器が保管装置300に揃ったことと、当該全ての保冷容器とを指示するための指示装置が配置されていても良い。当該指示装置は、当該指示に応じて、1つのオーダーに含まれる商品が収容された全ての保冷容器を出庫することを作業者に促す指示が表示される表示部を備えた装置である。
また、上記実施の形態1及び2では言及していないが、商品出庫指示部502は、冷凍倉庫100から当該所定の在庫商品が出庫されたことを検出し、検出結果を移し替え指示部503に通知してもよい。移し替え指示部503による数量指示情報の送信のタイミングは、当該数量指示情報に対応する商品の商品出庫指示によってピッキングステーション200に、当該数量指示情報に対応する在庫商品が到着していることを確認した後が好ましい。また、商品出庫指示部502が数量指示情報の送信のタイミングを図らなくてもよく、指示装置201が表示部202に当該数量指示情報が示す数量指示を在庫商品が到着したタイミングで表示してもよい。
上記実施の形態1及び2では、ピッキングステーション200、保管装置300及び荷合わせステーション400の温度環境を冷蔵環境としたが、冷蔵環境に限らずに、常温の温度環境でもよい。
上記実施の形態1及び2では、返却装置600が空の保冷容器20を荷合わせステーション400からピッキングステーション200に返却するとしたが、これに限らない。例えば、返却装置600を設けずに、保管装置300が空の保冷容器20を荷合わせステーション400からピッキングステーション200に返却してもよい。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係る荷揃えシステムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。