JP6708040B2 - 車両の床カバー - Google Patents
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Description
この特許文献1には、車体部材に設置されたベース部材と、ベース部材に支持され、車体部材に設けられた所定の表示記号の上方に位置する開口を備えたフロアカーペットと、開口を開閉可能に覆う蓋部材とを有し、さらに、ベース部材およびフロアカーペットのいずれか一方が、開口に対応する位置に収納空間を形成する箱状部を有し、開口を通じて所定の表示記号を外部に露出させるようにしたことが開示されている。
この凹陥部を開閉自在に覆うカバーと、このカバーに設けられた取っ手孔と、このカバーを覆うカーペットと、このカーペットであって上記カバーの取っ手孔に対応する部分に設けられ、押し込まれることで上記取っ手孔内に落ち込む切り込み部と、この切り込み部の切り込みの周囲を除く部分にウェルダ加工され、この切り込み部を補強する塩化ビニルシートとを具備する構成が示されている。
さらに、第2リッドをフロアカーペット部材に取り付けるリッド取付部も、第2リッドが開状態のときに露出され、閉状態のときに該第2リッドで覆われるので、リッド取付部による見栄えの悪化も防止される。
すなわち、第2リッド構成部材だけによって、例えば、カーペット表皮部材だけによって、第2リッドを形成した場合には、熱変形が生じて第2ヒンジ部及び第2リッドの形状が安定せずにカールしてしまう問題が生じやすいが、本実施形態ではこのような変形はなく第2リッドの形状の安定化が図れる。
また、板状部材の先端部であって第2リッドを開いた際に、露出される部分にリッド取付部が形成されるので、その露出されたリッド取付部において、第2リッドをカーペットの上面に取り付け(固定)できる。
しかも、乗員の足元に設置しても、第2リッドがフロアカーペット部材の上面より突出しないので、乗員の足が引っ掛かりにくい。このため、乗員への安全性で好ましい。また、第2リッドの耐久性においても好ましい。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、電気をエネルギ源とし、電動機を動力源として走行するハイブリッド車両又は電気自動車を含む電動車両3のフロントシートとリアシートの間の床部5、すなわち、リアシートに着座した乗員の足元付近の床部5の構造を概略的に示す斜視図である。また、電動車両3の左側の床部5である。
点検穴13a、13bの形状は、特に限定されるものではなく、点検すべき領域が目視できるように形成される。例えば、円形状、楕円形状(長円形状)、矩形状、円形と矩形とが合体したような形状である。
上層を形成するカーペット表皮部材17は、例えば、タクトカーペット、ニードルパンチカーペットなどのカーペット部材からなり、下層を形成するインシュレータ部材19は、例えば、ポリエステル、ポリエチレンなど、プレス加工時の加熱により変形可能か熱可塑性樹脂からなる吸音材からなる。
そして、リッド取付部29(29a、29b)は、第2リッド27(27a、27b)が開状態のとき露出され、閉状態のとき、この第2リッド27(27a、27b)によって覆われるようになっている。
図1に示すように、フロアカーペット15には、平面視においてコ字形状の切込部23a、23bが、コ字形状の底部を対向させるように2箇所に形成される。切込部23a、23bは、重ね合された上層のカーペット表皮部材17及び下層のインシュレータ部材19を共に切断するように切り込まれている。そして、切り込まれずに残された部分は第1ヒンジ部31a、31bとされ、切込部23a、23bによって囲まれた内側の部分は第1ヒンジ部31a、31bを中心に開閉可能な第1リッド25a、25bとして構成される。
2箇所の第1リッド25a、25bは、フロアカーペット15が、フロアパネル9及びカバー11の上面に装着されると、カバー11に形成された2つの点検穴13a、13bの上方に位置する部分に形成される。
図1、3に示すように、第2リッド27a、27bは、フロアカーペット15の上面に取り付けられて、切込部23a、23b及び第1リッド25a、25bを上方より開閉可能に覆うよう形成されている。そして、第2リッド27a、27bは、閉状態で切込部23a、23b及び第1リッド25a、25bを覆い、開状態で切込部23a、23b及び第1リッド25a、25bを露出するよう構成されている。
第2リッド構成部材28は、板状部材39より長く形成され、板状部材39と接合されない部位が第2リッド27a、27bを構成し、板状部材39と接合された部位と第2リッド27a、27bとなる部位との境界部分で第2ヒンジ部37a、37bを構成している。
板状部材39の先端部分は、第2リッド構成部材28とは接合されずに第2リッド27a、27bの下部まで延びており、第2リッド27a、27bを開いた際に露出される部分となっている。そして、板状部材39の先端部分にフロアカーペット15の上面に取り付けられるリッド取付部29a、29bが形成されている。つまりリッド取付部29a、29bは、第2リッド27a、27bが開状態のときに露出され、閉状態のときに覆われるよう構成されている。
これによって、第1リッド25a、25bの閉状態の保持が確実になされる。すなわち、外側の第2リッド27a、27bが開方向に乗員の足等などの何らかの作用によって回動されたとしても、下側に設けられた第1リッド25a、25bにおいては閉じ方向の作用力のため開作動しにくい。また、前述したように一方の第1リッド25aと、他方の第1リッド25bとは、それぞれ、反対方向に開放するようになっていることと組み合わされて、第1リッド25a、25bの閉状態の保持が一層確実になる。
そして、第2リッド構成部材28の長手方向の中央部に、板状部材39が積層され、該板状部材39の両端部に、それぞれリッド取付部29a、29bが形成される。
このリッド取付部29a、29bは、第2リッド27a、27bを開いた際に露出して、その露出したリッド取付部29a、29bを上方から固定手段、例えば、鋲打機(タッカー)によって、コの字状の金属針42をリッド取付部29a、29bの表面からフロアカーペット15に向かって打ち込むことで固定される。
従って、床カバー1は、車両の床を覆うフロアカーペット15と第2リッド形成体43を組み合わせて結合することによって構成されている。この第2リッド形成体43によって、フロアカーペット15に開口が2箇所設けられる床カバー1を、簡単な構造によって達成できる。
また、第2リッド27a、27bの開放端が面ファスナ45a、45bによってフロアカーペット15に閉状態に保持されるので第2リッド27a、27bが乗員の足等などの何らかの作用によって容易に開放されることがなく、変形等により捲れ上がることも防止することができる。
さらに、図5に示すように、第1リッド25a、第2リッド27aをそれぞれ開状態にすることで、フロアカーペット15の下方に配置された点検穴13a内の点検を容易に行うことができる。図5は、一方の点検穴13aを示すが他方の点検穴13bも同様である。
図2のように、板状部材39、及び両側の面ファスナ45a、45bは、第2リッド形成体43(第2リッド構成部材28)の長手方向中心に対称に配置されている。
図2に示す実施形態では、板状部材39の形状が長手方向中心位置に対して対称の略8角形状に形成されており、板状部材39は、長手方向両端部分のリッド取付部29a、29bが端部に向かうに従って次第に幅が狭くなる形状とされている。これによって、第2リッド構成部材28と板状部材39と面ファスナ45a、45bとが一つの縫製接合部47で縫製接合された場合でも、第2リッド27a、27bを開いた際にリッド取付部29a、29bを確実に露出させることができるので、フロアカーペット15への固定作業を確実かつ容易に行うことができる。
このような構成によると、第2リッド27a、27bの下面にあって第2リッド27a、27bの開閉時に接することによる第2リッド27a、27bの破れの発生を防止することができる。
しかも、乗員の足元に設置しても、第2リッド27a、27bがフロアカーペット15の上面より突出しないので、引っ掛けることがない。このため、乗員への安全性で好ましい。また、引っ掛けることがないため、第2リッド27a、27bの耐久性においても好ましい。
図2のように、第2リッド形成体43をフロアカーペット15の製造とは別に、図4の実施形態で説明した縫製手順に従ってあらかじめ作成しておく、また、フロアカーペット15を点検穴13a、13bへの態様仕様として、切込部23a、23bが形成されて第1リッド25a、25bが設けられ、及び凹形状の収容部49が形成されたものを準備する。
その後、図3のように、第2リッド27a、27bをそれぞれ開いて、リッド取付部29a、29bを露出させ、その後、第1リッド25a、25bを開いて、その第1リッド25a、25bの開によって開放された開口口から鋲打機の射出口部分を挿入して、リッド取付部29a、29bとフロアカーペット15とを挟み込むようにしてコの字状の金属針(鋲)をリッド取付部29a、29bの表面からフロアカーペット15に向かって打ち込む。第2リッド形成体43の板状部材39の両端のそれぞれのリッド取付部29a、29bに対して同様の取付け作業(固定作業)を行って、第2リッド形成体43をフロアカーペット15に組付けることができる。
このような構成によると、床カバー1を組み立てる工数もかからずに簡単に組み立て作業を行うことができる。
この第2リッド形成体51は、図7のように、矩形状をしており、第2リッド53と第2ヒンジ部55とを構成する第2リッド構成部材56有し、第2リッド53は第2ヒンジ部55によって開閉可能とされている。第2ヒンジ部55は、第2リッド構成部材56と該第2リッド構成部材56の下面に積層される板状部材57との2重構造からなり、第2リッド構成部材56の板状部材39に接合された部位と接合されずに第2リッド53となる部位との境界部分で形成されている。そして、板状部材57の先端部であって第2リッド53を開いた際に露出する部分にリッド取付部59が形成されている。
また、板状部材57は、図7のように略6角形状をなし、該板状部材57の先細の先端部はリッド取付部59として形成される。材料や先端形状等については、図2の実施形態のものと同様である。
図8で示すように、図4の実施形態で説明したA〜Hの経路と同様に、A´〜H´の経路をたどって、面ファスナ61及び板状部材57を連続して縫製によって接合することで、接合強度の確保とともに、接合作業の効率化が期待できる。
その他の構成及び作用効果は、2つの点検穴の場合に説明した事項と同様の構成及び作用効果を得ることができる。
3 電動車両(車両)
5 床部
11 カバー
15 フロアカーペット(フロアカーペット部材)
17 カーペット表皮部材
19 インシュレータ部材
23a、23b 切込部
25a、25b 第1リッド
27a、27b 第2リッド
28、56 第2リッド構成部材
29a、29b、59 リッド取付部
31a、31b 第1ヒンジ部
37a、37b、55 第2ヒンジ部
42 金属針
39、57 板状部材
43、51 第2リッド形成体
49 収容部
47、63 縫製接合部
45a、45b、61 面ファスナ
Claims (6)
- 車両の床を覆うフロアカーペット部材と、
前記フロアカーペット部材に第1ヒンジ部を中心に開閉可能に形成され、開時には前記フロアカーペット部材の下方を目視可能にする第1リッドと、
閉状態で前記第1リッドを覆い、開状態で前記第1リッドを露出するよう第2ヒンジ部を中心に開閉可能に形成され、前記フロアカーペット部材の上面に取り付けられる第2リッドと、
前記第2リッドの下方に設けられ、該第2リッドを前記フロアカーペット部材に取り付けるリッド取付部と、を備え、
前記リッド取付部は、前記第2リッドが開状態のときに露出され、閉状態のときに該第2リッドで覆われるように構成される
ことを特徴とする車両の床カバー。 - 前記第2リッドを構成する第2リッド構成部材と、
前記第2リッド構成部材の下面に積層して接合される板状部材と、を備え、
前記板状部材の先端部であって前記第2リッドを開いた際に露出する部分に前記リッド取付部が形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の床カバー。 - 前記第1ヒンジ部を中心にした前記第1リッドの開方向と、前記第2ヒンジ部を中心にした前記第2リッドの開方向とが互いに逆方向となるように前記第1リッド及び前記第2リッドが配設される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の床カバー。 - 前記フロアカーペット部材の上面には、前記第2リッドが載置される領域に該第2リッドが収容される凹形状の収容部が形成され、前記フロアカーペット部材の上面と前記第2リッドの上面とが略同一面に配置される
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の車両の床カバー。 - 前記第2リッドの開放端となる端部の下面には、前記フロアカーペット部材の表面に接離可能であって前記第2リッドを閉状態に保持する面ファスナが設けられる
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の車両の床カバー。 - 前記第1リッドが、開方向が互いに反対方向となるよう2箇所に形成され、
前記第2リッド構成部材が矩形状を成すとともに長手方向の両端部分に前記2箇所の前記第1リッドをそれぞれ覆う前記第2リッドを有し、
前記板状部材が前記第2リッド構成部材の長手方向の中央部の下面に接合され、
前記板状部材の両端部にそれぞれ前記リッド取付部が形成される
ことを特徴とする請求項2に記載の車両の床カバー。
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