JP6706231B2 - 濃淡付与材 - Google Patents

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Description

本願発明は、色の濃淡変化(濃淡)を対象に付与する、特に焼成パン及び菓子の生地の調整とともに濃淡を付与し、焼成後もその模様を保持することができる、加工食品用の濃淡付与材に関する。さらに濃淡付与材を使用した加工食品に関する。
発明者は、これまでに、パン・菓子生地等に添加して焼成することによりジャム様に変化する顆粒に関する発明を特許出願しており、いずれも特許を得ている(特許文献1、2)。
特許文献1には、糖類と澱粉を主原料とする錠剤にフルーツの果汁やエキスを添加することにより、安定した形状、栄養素、色彩、風味及び食感を維持できる打錠製品及びそれを利用した小麦粉加工食品が開示されている。
特許文献1の請求項1に係る特許発明は、「フルーツ、糖類及び5%より多く20%以下の澱粉を含む練り混ぜた混合生地を乾燥、打錠した又は打錠、乾燥したことを特徴とする小麦粉加工食品用打錠製品。」である。
また、特許文献2には、糖類、澱粉、呈味原料を主原料に、澱粉量の添加量を高め、総水分量を少なく調整し、乾燥時間を短縮した製菓製パン材料と、それを用いて低価格で、見た目に鮮やかでジューシーな食感の穀粉加熱加工食品が開示されている。
特許文献2の請求項1に係る特許発明は「糖類、澱粉、呈味原料を必須原料とし、全原料の総水分量を12−27重量%の範囲に調整し、混練し混合生地とし、続いて前記混合生地を1MPa/m以上の高加圧下で浸潤させ、成型し、乾燥してなることを特徴とする製菓製パン用材料」であり、請求項2に係る特許発明は「請求項1に記載の製菓製パン用材料を、穀粉加熱加工食品の生地に配合し、加熱することを特徴とする穀粉加熱加工食品。」である。
いずれの特許発明に係る製品も、菓子・パン生地等に、添加、混合され、生地の焼成等の加熱とともに加熱されることで、生地から発生する蒸気により、澱粉が膨潤し、ジューシーな食感、まるでジャムのような物性に変化するタブレット、顆粒などである(図2、3)。これら素材は、従来の製菓・製パン業界にない画期的な商品で、メーカー及び消費者にも注目され、機能性、食感、味において、高い評価を得ている。さらに、それらの販売量は増加し、海外にも輸出され高い評価を得ている。
そして、特許文献1、2の特許発明に係る商品は、製菓・製パン生地に添加され、焼成された場合、賞味期限が3日程度の一般的な菓子パン(販売保証期間5日間程度)などではジューシーな物性を十分維持することができる(図2)。
しかし、残念ながら、1週間を経過すると、ジャム様化した部分が縮小して、生地に空洞が形成されるとともに、糖の再結晶が発生し、見た目、食感的には異物のようであり、特に、寒い時期や冷蔵冷凍保管品、流通製品において顕著であった。またカッティングなどの際にベト付いて製品の断面や包装材を汚したり、焼成用の天板などに汚れを生じさせたりして作業性を著しく損ねることとなっていた。
糖の結晶化を抑制するため、特許文献2に係る製品において、糖の配合量を減少させても糖の再結晶は抑制することができなかった。これは、加熱でジャム様化した部分の水分が、菓子、パン生地に移行することが原因であると思われる。
なお、菓子、パン生地の水分、油分などによって、水分移行速度が異なるため、使用できる菓子・パン生地組成を調整すること、使用する用途、例えばデニッシュ、パイなどであれば上記期間以上であっても、ジャム様化した形状を維持することもできる。しかし、メーカーにパン生地の組成の調整を依頼し、或いは用途限定することは、加熱によってジャム様化する商品の販路拡大の障害であった。
特に、大手中小菓子メーカーの製品やお土産製品など1ヶ月以上の賞味期間を有するロングライフの菓子、パン製品に利用においては、ジャム様化した部分の空洞、糖の再結晶は極めて重大な問題である。
また、酸味を強調した、例えばオレンジ、いちご、レモンなど特許文献1、2に係る商品では、酸が澱粉質を切断する作用を有するため焼成後、適正な硬さを発現させることが困難である上、焼成品内で長期内在させる場合には澱粉質の軟化が進み、適正な硬さを維持することが困難であった。
空洞化、糖の再結晶の問題を解決するため、特許文献1、2の改良を繰り返した。例えば寒天、セルロースなど添加して、加熱物を固化させる水分移行を遅らせる試みは、酸の影響でそれらゲル化剤は固化せず、うまくいかなかった。
そこで、発明者は、特許文献3の発明を開発した。その請求項1に係る発明は、糖及び穀物粉を必須成分とする固形物であって、水分を多く含む食品素材中においても難分解性、難溶性を示し、かつ焼成などの加熱を受けることで、当初の形状をほぼ留めつつ、食品素材の水分で糖が溶解するとともに穀物粉が加熱され、物性変化を起こし、さらに加熱食品中に長期間保持されても加熱食品内でその形を維持して空洞化せず、糖の再結晶も抑制する加熱食品用材料及びそれを用いた加熱食品であって、「水分を含む食品素材中に於いて難分解性及び難溶性を示すとともに加熱を受けることで加熱前の形状を留めることができる加熱食品用材料であって、前記加熱食品用材料を前記食品素材に加えて加熱することで加熱食品として完成し、前記食品素材を加熱して得られる食感と異なる食感を前記加熱食品に付与するためのものであって、糖類、穀物粉(穀物から抽出した澱粉単体を除く)、呈味原料を必須原料とし、水分を調整して混合生地とし、圧力下で前記混合生地に水分を浸潤させて混練生地とし、成形し、乾燥してなることを特徴とする加熱食品用材料。」である(図3)。
これまで発明者が開発してきた上記発明(図2,3)は、いずれも、加工食品中に点在する色、パン部と異なる食感であって、ゴマやドライフルーツ、豆類などを生地中に点在させる手法と同様に、視覚的効果、存在を感知する特徴的な食感を付与して、パン、菓子のバラエティ化を可能にするものであった。なお、焼成後の図2の材料はジューシー感があるジャム様物性で、図3の材料は弾力があるグミ様物性をしている。そして、いずれも、点在するものであって、焼成生地に着色はなく、もちろん濃淡もない。材料と生地の境界は明りょうである。
他方、加工食品の生地に、模様を描き、色調変化を付与するものとしては、2色の生地を折り込む方式、発明者の特許文献4、フルーツピューレなどがある。特許文献4の発明による着色は、パン製造者は、着色材料の入手、準備が簡単であるが、生地に濃淡を付与して着色するには、添加量、タイミング、撹拌強度、時間を見極める必要があり、それらが過剰であれば、生地全体がモノトーンに着色され、少なければ、殆ど濃淡を付与することはできない。特許文献4による加工食品への濃淡の付与は、熟練の技術が必要であった。
特許第4072778号公報/打錠(粒ジャム) 特許第4258784号公報/押出し(粒ジャム) 特許第5509235号公報/ナゲット 特許第3707058号公報/ビルベリーピューレ 特願2014−19644号/回転体
そこで、本願発明は、着色対象に色を点在させるのでなく、簡易かつ再現性よく、美しい色の濃淡変化(濃淡)を対象に付与する、特に焼成パン及び菓子の生地のミキシング調整とともに濃淡を付与し、焼成後もその模様を保持することができる、濃淡付与材、さらに濃淡付与材を利用した加工食品を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本願発明は、
糖類と、穀物粉と、色素材からなる粒状の乾燥成形物であって、
着色する対象の加工食品の原料に投入され、原料の混合調整に伴い濃淡を対象に付与する濃淡付与材(被覆されたものを除く)であり、
前記穀物粉の配合量が、濃淡付与材において5−35重量%であり、
アルファ化澱粉を、濃淡付与材において0.1以上5重量%未満含み、
食物繊維を、濃淡付与材において0.01−10重量%含むことを特徴とする濃淡付与材。

増粘多糖類を、濃淡付与材において0.01以上5重量%未満含むことを特徴とする(1)に記載の濃淡付与

(1)又は(2)に記載の濃淡付与材を、加工食品材料に添加して、撹拌し、撹拌に伴って、濃淡付与材が崩壊、分散して、前記加工食品材料に濃淡を付与することを特徴とする加工食品の製造方法。
の構成とした。
ここで、「濃淡」とは、例えば粒状の濃淡付与材が、色素付与対象中で徐々に崩壊、分散することで、対象に付与される模様であり、色素の濃淡を含む線、帯状、にじみ状の色調、形状の模様である。
本発明の濃淡付与材の主原料は「糖類」と、「穀物粉」と、色素材である。模様、物性保持のため、必要に応じて、「アルファ化澱粉」、「増粘多糖類」及び「食物繊維」の内1種又は2種以上を添加することができる。さらに魅力的な風味、視覚にするために「呈味原料」を加えるとよい。
「糖類」としてはブドウ糖、砂糖類、果糖、乳糖、麦芽糖、水あめ、それらの糖アルコール等食品に使用できる糖が採用でき、単独もしくは複数の糖類を使用することができる。ここでは、糖類には食品添加物に区分される甘味料も含まれるものとし、必要に応じて、甘味料を添加してもよい。濃淡付与材における糖類の配合量としては、20−98重量%、より好ましくは30−96重量%である。
また、配合量(重量%)とは、製品を成形・押出しする際に配合される原料の配合割合である。成形後に香料など後から添加される原料は含まれていないこととする。また、配合時に水分の代わりとして使用されるピューレやフルーツなど多くの水分を含む原料がある場合はその水分を差し引いた値とする。正確には水分活性値が0.90以下程度時の配合量として計算することとする。
「穀物粉」としては、穀物を碾いた粉、例えば、トウモロコシ粉、小麦粉、豆粉、芋粉、米粉、粟粉、ひえ粉、きな粉、大麦粉、ライ麦粉などそれらの加工穀物粉等、一般に利用できる穀物粉が使用でき、単独もしくは複数の穀類を使用することができる。澱粉単体と穀物粉は、タンパク質、繊維質、ミネラル、その他組成において、本願発明においては全く異なる物質である。
穀物粉は、価格や性状、濃淡付与材の品質から「トウモロコシ粉」や「小麦粉」が望ましい。また、「トウモロコシ粉」と「小麦粉」の二種混合粉もしくはそれ以上の混合粉でもいい。穀物粉は原料によりその崩壊、分散性が異なり、複数組み合わせることで希望する濃淡を提供する物性になる。
通常は、濃淡付与材には、「トウモロコシ粉」だけでよいが、少し粘り気を加え、濃淡付与材の崩壊遅延をさせたい場合には「小麦粉」、「米粉」を追加する。「えんどう豆粉」及び「きな粉」はそのままだと香りがきつく粉自体がかなり茶色を呈しているので用途選択が重要である。「ひえ粉」は大変もろく粘りがないためまとまりが悪く、小麦粉や米粉などと併用するのがよい。いずれにしても穀物粉をある程度の量を配合することで、濃淡付与材の崩壊、分散性、引いては、濃淡を実現し、添加量の増減で、模様、濃淡、形状を調節することができる。
他方、穀物粉を添加することで、押出し造粒(特許文献2)においては、押出し圧力を低下させることができる。穀物粉は、繊維質、油分を含み、濃淡付与材の混合生地の段階ではスクリーン通過時の滑りをよくする。その結果、押出し造粒効率を向上させることができる。
穀物粉のなかでも、小麦粉は、濃淡付与材の混合生地自体の一体性、結着性を高める効果がある。薄力粉、中力粉、強力粉の順に一体性を高める効果が増す。即ち、押出し造粒した場合、小麦粉を添加すると、スクリーンの孔が円形であれば、押し出された生地が円柱状、棒状に連続して押し出される(特許文献2)。
また、天然の穀物粉に限らず、澱粉と、タンパク質と、油脂と、繊維質とで調合され、穀物粉に相当する成分比率とした混合物でも代用できる。その際、異なる素材からの各種成分を混合してもよい。
濃淡付与材中の穀物粉の配合量は、濃淡付与材の加熱食品中での撹拌における崩壊、模様、品質保持を抑制するため、好ましくは概ね5−35重量%、より好ましくは5以上25重量%未満、さらに好ましくは5−15重量%とするとよい。
色素材は、合成色素、天然色素、さらにココアパウダーやブルーベリー、ビルベリーなど色を含む食品素材であり、添加物、製剤、素材の如何を問わず色素材に含まれる。その添加量は、目的の色調に応じて、適宜調節する。
「アルファ化澱粉」とは、澱粉を加熱、膨潤させ乾燥させたもので、加水するだけ膨潤状態に戻り、粘度を生じるものである。加工食品の生地の物性に合わせた、好適な粘性を示すよう、必要な粘度に生じる澱粉を選択すればよい。具体的には、アルファ化澱粉には、トウモロコシ、タピオカ、馬鈴薯、浮粉、米、さつまいも、クズ由来のものがあり、非加工澱粉、加工澱粉であるかは問わない。特に老化、冷蔵、冷凍耐性のあるアミロペクチン比率の高いワキシーコーン、もち米や、アルファ化後に粘性のあるタピオカ、馬鈴薯由来澱粉が好適である。
濃淡付与材の加熱食品中での撹拌における崩壊性調整のため、濃淡付与材中に、アルファ化澱粉は、好適には概0.01−30重量%、より好ましくは0.1−20重量%、さらには概ね0.1以上5重量%未満の範囲にするとよい。
「増粘多糖類」は、ペクチン、アラビアガム、グアーガム、タマリンドガム、ローカーストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、ジュランガム、セルロースガム、寒天、それらの加工品、混合製剤化品(他の添加物を含むこともある)などの水溶性食物繊維を言う。特に、加熱することなく、溶解によって粘度を発現するものが好適である。
濃淡付与材の加熱食品中での撹拌における崩壊性調のため、濃淡付与材中に、増粘多糖類は、概ね0.01以上5重量%未満、より好ましくは0.1以上5重量%未満の範囲にするとよい。
ここでの「食物繊維」は、セルロース、リグニンなどの不溶性食物繊維を言う。食物繊維を添加することで、焼成後のべとつきを抑制することができる。濃淡付与材の崩壊、分散性、模様の形状、その後の形状保持を考慮すると、濃淡付与材中の食物繊維の配合量は、好ましくは概ね0.01−10重量%、より好ましくは0.1以上5重量%未満とするとよい。添加量が少ないと、完成した加工食品において、給水、軟化(液垂れ)を起こして、加工食品がベト付いたものとなり、好ましくない。
この食物繊維は、一般的には粉末状の製品であるが、意図的にフルーツ加工品やココアパウダー等の呈味原料や添加物に加えられている場合(特定保健用食品など)も、その作用は有効である。従って、本製品をつくる場合、実際には食物繊維を添加しない場合であっても、その前段階で標準的な呈味原料や添加物の割合を超えてこの食物繊維が添加されている原料を使用した場合は、標準的な割合を超えた部分の食物繊維を加えたに等しいこととする。すなわち、予め呈味原料、添加物に含まれる食物繊維も本発明の食物繊維の組成物を構成する。なお、この食物繊維は食品として供されるものと、食品添加物として供されるものがあるが、そのどちらでも問題ないこととする。増粘多糖類も同様である。
「呈味原料」としては、フルーツ、生クリームやバター、ヨーグルト、チーズ等の乳製品や乳加工品、卵や卵加工品、カスタードクリーム他各種クリーム、はちみつ、抹茶、コーヒー、紅茶、メープルシロップ、チョコレート、ココア等の応用が可能である。
フルーツとしては、ブルーベリー、ビルベリー、ストロベリー、クランベリー、リンゴンベリー、レモン、ブドウ、オレンジ、リンゴ、トマト、バナナ、桃、さくらんぼ、マンゴー、メロン、スイカ、パイナップル、梨、グレープフルーツ等の一般に入手できるものであり、その形態は果汁、果実、ピューレ、ジュース、濃縮果汁、粉末、エキス(特定成分)またはシロップやジュース、糖分や酸味料等を加えた加工品などが例示できる。
さらに、低糖化にすれば、カレー、ガーリック、ケチャップ、マヨネーズ、シナモン、黒糖、しょうゆ、酢、塩、マスタード、テリヤキソース、とんかつソース、チリソース、ゆず等の各種調味量、辛子、胡椒等の各種香辛料、小豆、かぼちゃ、アロエ、パセリ、トマト、セロリ等の野菜およびその加工品、キャラメル、ラムネ等の各種嗜好品等、食せるものであればあらゆるものを本願発明の呈味原料とすることが可能となる。
その他の「呈味原料」としてはデキストリン、植物油脂、動物油脂およびその加工品、タンパク、例えば大豆タンパクなども有益である。
「添加物」としては酸味料、着色料、香料、乳化剤、増粘剤、結着剤、ゲル化剤、甘味料、pH調整剤、カルシウム粉末、トレハロース等のミネラル原料等の食品に添加できるものなら利用することができる。
上述の材料を混合、湿潤させ、成形、乾燥して、濃淡付与材が完成する。ここで、「成形」としては、この製品を実現するためには押出し機/エクストルーダーと呼ばれるものが最も効率的であるが、このほかの方法として円筒形式押出し機(バスケット型や押出し機)、加圧ニーダー、プレス機、製丸機、整粒機など生地に一定以上の力を加えて、混合・混練させ、湿潤させるものが採用できる。好適には、特許文献4に開示の押し出し機による、成形が好ましい。
「加熱食品」としては、生地に水分を含む、もしくは水分を加えて混合された材料をもとに、加熱工程を経て完成する食品全般を含み、さらには、菓子・パン、料理、その他水分を含み、もしくは水分を加えて加熱して完成する食品全般を含む。市場への供給形態はドライ、常温、冷蔵、冷凍いずれでも構わないこととする。より具体的には、加熱食品としては、パンや菓子などの小麦粉加工食品のほかに、米飯、餅製品、麺製品、卵や乳加工製品、畜肉或いはかまぼこなどの魚肉加工製品、コロッケなどの総菜が例示できる。
「加熱工程」とは、加工食品の原料(生地)に一定の圧力をかけて混合して成形したのち、オーブン、ガス・電気などの熱を鉄板や型などで用いる加熱、フライ、蒸し器、圧力なべ、ボイル、燻煙や電磁調理器、電子レンジなどによる加熱を指す。
本願発明は、上記構成であるので、次の効果を奏する。本願発明である濃淡付与材を、水分を含んだ加工食品材料、例えば、パン、菓子の生地に添加し、生地のミキシングの際にほどよく崩壊、分散し、その生地に適度ににじんだ色合い、濃淡を付与することができる。
本願発明である濃淡付与材を使用したパン生地の写真(A)、その焼成物の断面(B)である。 特許文献2の発明を使用したパン生地の焼成物の断面である。 特許文献3の発明を使用したパン生地の焼成物の断面である。
以下、本願発明について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
以下、濃淡付与材(ブルーベリーチップ)の製造方法について説明する。各種原材料の配合量は次の通りである。

原材料 配合割合(重量%)
ブドウ糖 68.4
上白糖 15
コーンフラワー 10
α化澱粉 3
食物繊維(セルロース) 2
ブルーベリー果実 1(固形成分(水分を除いた値))
ブルーベリーエキス 0.5
酸味料(クエン酸) 0.1
合計100<8,901g>

必要な水分(押出し加工を行うには、概ね上記原料の7〜15重量%の加水)
なお、本発明では、水分量を除いた原料を配合基準とする。水分/加水は、成形後の乾燥工程で半分程度蒸発するためである。
上記原料を混合して、特許文献1−3,5に示すように、打錠成形或いは押出し成形、カット、乾燥、香料付けを経て完成し、その後、計量、包装、検査を経て、梱包され市場に流通する。
ここでは、押出し成形を採用し、直径5mmの穴が穿設されたダイスを用いて、棒、或いは紐状に押し出した。続いて、成形された生地を長さ5mm程度にカットした。
カットした、成形生地を、乾燥用のトレーに移し替えて乾燥庫に入れて乾燥させた。乾燥の目安は水分活性値が0.60以下になるころ終了する。乾燥後に、香料を添加した。コーヒーやシナモンなど一部製品ではこの作業は行わない。規定の重量で袋詰めした後、金属探知機などの検査を実施し、箱詰めして市場に提供される。
次に、実施例1の濃淡付与材の使用方法、それを利用したパンの製造方法について説明する。各種原材料の配合量は次の通りである。
原材料 配合割合(部)
強力粉 400
砂糖 20
塩 6
マーガリン 20
水 220〜260
ドライイースト 6
ブルーベリーチップ 60
ドライイースト及びブルーベリーチップ(実施例1の濃淡付与材)以外の原材料をミキサーに投入し、撹拌する。生地としてまとまったら、ドライイーストを添加、混合し、生地休めを15分間取った。
休ませていた生地に濃淡付与材を投入し、しっかりと生地に混合した。この時の混合圧力(手成形の場合は手のひらで作業台との間の押さえつけられる力と生地自体が持つグルテンの力であり、ミキサーを使用する場合は回転するフックと生地を入れた容器・ボールとの間で起こる力)により粒は崩壊して糸を引くように生地の中にブルーベリー特有の紫色の模様を描き出す。さらに生地を混合していくとその模様は徐々に広がり白い生地の中に美しいブルーベリー色の濃淡を描くようになる。時間的には30秒から長くて3分位の混合となる。
ここで大切なことはこの混合をあまり長くしてしまうと生地全体にブルーベリーの色が広がりすぎて、薄く均一なブルーベリー色になってしまい、見た目のインパクトや美しさがなくなってしまうことである。白い生地がまだ半分から30%程度残っているところで終了することが望ましい。また混合した濃淡付与材のブルーベリーチップが少し残っていると、その部分は核となり、パン生地の中で深く濃い色合いを呈し、そこから流れるような模様を描き、視覚的に色彩を楽しむことができる。
生地を60gに分割成形して、最終の発酵を取る。最後に、オーブンに入れて180〜200℃で20分程度焼成して完成させた。その切断面を図1(B)に示す。図1(B)では、着色がない部分、本発明の粒残り部分、さらにキレイな濃淡が形成、保持されている。
実施例2の製法は、極めて一般的なパンの作り方であり、この他にも使用する原材料、機器、作業手順が多種多様にある。重要な点は、水分を含んだ生地に、濃淡付与材を混合して、一定の力を付加して濃淡付与材を崩壊させ、生地中に濃淡を分散させることである。食物繊維をさらに添加すれば、濃淡付与材が分散後、液垂れをおこすことなく、品質が保持される。

Claims (3)

  1. 糖類と、穀物粉と、色素材からなる粒状の乾燥成形物であって、
    着色する対象の加工食品の原料に投入され、原料の混合調整に伴い濃淡を対象に付与する濃淡付与材(被覆されたものを除く)であり、
    前記穀物粉の配合量が、濃淡付与材において5−35重量%であり、
    アルファ化澱粉を、濃淡付与材において0.1以上5重量%未満含み、
    食物繊維を、濃淡付与材において0.01−10重量%含むことを特徴とする濃淡付与材。
  2. 増粘多糖類を、濃淡付与材において0.01以上5重量%未満含むことを特徴とする請求項1に記載の濃淡付与
  3. 請求項1又は請求項2に記載の濃淡付与材を、加工食品材料に添加して、撹拌し、撹拌に伴って、濃淡付与材が崩壊、分散して、前記加工食品材料に濃淡を付与することを特徴とする加工食品の製造方法。
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