JP6704526B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スクロール圧縮機を備えた冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機は、固定スクロールと揺動スクロールとを組み合わせて形成した圧縮室にて冷媒を圧縮する圧縮機構と、電動機構と、電動機構の回転力を圧縮機構に伝達する回転軸とを容器内に備えている。このようなスクロール圧縮機では、回転軸の軸受等の摺動部を潤滑したり、圧縮機構の適宜箇所をシールしたりするために冷媒に油が混入されており、油が混入された冷媒が冷凍サイクル装置の配管内を循環している。
そして、スクロール圧縮機の運転中、油は冷媒と一緒にスクロール圧縮機の外部へ流出する。このため、冷凍サイクル装置においてスクロール圧縮機の下流には油分離器が設けられ、油分離器で分離された油を、返油回路を介してスクロール圧縮機の容器の底部の油溜めに返油するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
また、寒冷地域等の高い圧縮比が要求される運転条件では、スクロール圧縮機から吐出した冷媒の吐出温度が上昇し易い。このため、特許文献1では、スクロール圧縮機の容器外からインジェクション配管を接続し、インジェクション配管を介して圧縮機構内に液冷媒をインジェクションし、吐出温度の低減を図っている。
このようなインジェクションが行われるスクロール圧縮機では、圧縮機構内に液冷媒をインジェクションすることで、圧縮機構内の油が液冷媒で希釈され、圧縮機構のシール性が悪化することがある。これに対し、特許文献1では、油分離器で分離した油をスクロール圧縮機へ戻す返油回路を2分岐し、一方は上述したように油溜めに返油し、他方はインジェクション配管に供給し、インジェクション配管の液冷媒に混合して圧縮機構に供給するようにしている。このように、圧縮機構に油を供給することで、圧縮機構のシール性を改善している。
特開平6−229634号公報
特許文献1では、上述したように、油分離器で分離した油を、油溜めと圧縮機構とに分けて戻すようにしているが、圧縮機構に戻された油は、圧縮機構で圧縮された冷媒と共にスクロール圧縮機の外部に再流出しやすい。このため、特に高速運転時に圧縮機構から流出する油量が増大し、油溜めの油が枯渇することで、軸受等の摺動部における給油不足が生じ、スクロール圧縮機の信頼性が低下する課題がある。
本発明はこのような点を鑑みなされたもので、高速運転時における圧縮機外部への油流出を抑制することが可能な冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、スクロール圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器とを備え、油を含む冷媒が循環する主回路と、凝縮器と減圧装置との間から分岐してスクロール圧縮機に接続されるインジェクション回路と、主回路に設けられ、スクロール圧縮機から吐出された冷媒から油を分離する油分離器と、油分離器で分離した油をスクロール圧縮機へ返油する返油回路とを備え、スクロール圧縮機は、底部が油溜めとなる容器と、容器内に収容された電動機構と、容器内に収容され、揺動スクロール及び固定スクロールを組み合わせて形成した圧縮室にて冷媒を圧縮する圧縮機構と、電動機構と圧縮機構とを連結し、電動機構の回転力を圧縮機構に伝達する回転軸と、油溜めの油を、回転軸に形成された軸内流路を介して回転軸の摺動部に供給する容積型ポンプとを備え、返油回路は、下流側が2分岐されて一方の第1返油回路の出口が容積型ポンプに連通し、他方の第2返油回路の出口がインジェクション回路に連通しているものである。
本発明によれば、油分離器で分離した油をスクロール圧縮機へ返油する返油回路の下流側を2分岐し、一方の第1返油回路の出口を容積型ポンプに連通し、他方の第2返油回路の出口をインジェクション回路に連通する構成とした。このように、油分離器で分離した油を、油溜めではなく、容積型ポンプに直接、戻す第1返油回路を構成したことで、高速運転時に、油分離器から第1返油回路を介して回転軸の軸内流路への返油される油量を、低速運転時よりも相対的に増加することができる。その結果、高速運転時における圧縮機外部への油流出を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。 本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。 図3の圧縮機構の水平概略断面図である。 本発明の実施の形態3に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の抵抗要素の一例としてのストレーナの概略図である。 本発明の実施の形態3に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の抵抗要素の一例としてのオリフィス孔の概略図である。 本発明の実施の形態3に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の変形例の全体構成の概略縦断面図である。 本発明の実施の形態4に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。 本発明の実施の形態5に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。 本発明の実施の形態6に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。 本発明の実施の形態6に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の変形例の全体構成の概略縦断面図である。 本発明の実施の形態7に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置について図面を参照しながら説明する。ここで、図1を含め、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。また、圧力及び圧縮比の高低については、特に絶対的な値との関係で高低が定まっているものではなく、システム及び装置等における状態及び動作等において相対的に定まるものとする。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。図1において矢印は冷媒及び油の流れを示している。後述の図においても同様である。
スクロール圧縮機100は、圧縮機構3と、電動機構110と、その他の構成部品とを有している。スクロール圧縮機100はこれらの構成部品が、外郭を構成する容器100aの内部に収容された構成を有している。圧縮機構3と電動機構110とは回転軸6を介して連結されており、電動機構110の発生する回転力が回転軸6を介して圧縮機構3に伝達され、その回転力によって圧縮機構3で冷媒が圧縮されるようになっている。
容器100aには、冷媒を吸入するための吸入管101と、冷媒を吐出するための吐出管102と、後述のインジェクション冷媒を圧縮機構3内に吸入するためのインジェクション配管103とが設けられている。インジェクション配管103は吸入管101とは別に、容器100a内の圧縮機構3に冷媒を導入するためのものである。インジェクション配管103は、後述のフレーム7に形成されたインジェクションポート7aに接続されている。
容器100aの内部には、圧縮機構3を容器100aに固定するフレーム7とサブフレーム9とが配置されている。フレーム7は、電動機構110の上側であって圧縮機構3の下側に配置され、焼嵌め又は溶接等によって容器100aの内周面に固着されている。フレーム7には、吸入管101から流入した冷媒を圧縮機構3内に導く連通流路7cが形成されている。
サブフレーム9は、電動機構110の下側に配置され、サブフレームプレート9aを介して焼嵌め又は溶接等によって容器100aの内周面に固着されている。そして、サブフレーム9の下方には、上端面で回転軸6を軸方向に支承するようにして容積型ポンプ111が取り付けられている。
回転軸6には軸内流路6dが設けられている。軸内流路6dは回転軸6の中心部を軸方向に延びる油穴6daと、油穴6daに連通して半径方向に延びる複数の給油穴6dbとを有する。給油穴6dbは、揺動軸受2c、主軸受7b及び副軸受10のそれぞれと対向する位置に形成されており、回転軸6の摺動部である、これらの各軸受に容積型ポンプ111から供給された油を供給するようになっている。揺動軸受2c等に供給された油は、後述の軸受動作空間73から返油パイプ113を通って油溜め100bに戻される。
容積型ポンプ111には吸入パイプ111aの一端が接続され、吸入パイプ111aの他端は油溜め100b内に浸漬しており、油溜め100b内の油を吸い上げて回転軸6の軸内流路6dに供給する。
圧縮機構3は、固定スクロール1と揺動スクロール2とを有している。固定スクロール1は、フレーム7に対して固定配置されている。揺動スクロール2は、固定スクロール1の下側に配置されて回転軸6の後述の偏心軸部6aに揺動自在に支持されている。
固定スクロール1は、固定台板1aと、固定台板1aの一方の面に立てて設けられた固定渦巻体1bと、を有している。揺動スクロール2は、揺動台板2aと、揺動台板2aの一方の面に立てて設けられた揺動渦巻体2bと、を有している。固定スクロール1及び揺動スクロール2は、固定渦巻体1bと揺動渦巻体2bとを回転軸6の回転中心に対して逆位相で噛み合わせた対称渦巻形状の状態で容器100a内に配置されている。そして、固定渦巻体1bと揺動渦巻体2bとの間には、回転軸6の回転に伴い、半径方向外側から内側へ向かうに従って容積が縮小する圧縮室8が形成されている。以下、揺動スクロール2と固定スクロール1とで構成された圧縮機構3のうち、特に揺動渦巻体2bと固定渦巻体1bとを組み合わせた対称渦巻形状の構造体部分を、渦巻部3aという。
また、固定スクロール1の固定台板1aには圧縮室8に連通する吐出ポート1cが貫通形成されており、その吐出ポート1cには吐出バルブ11が設けられている。そして、この吐出ポート1cを覆うように吐出マフラ12が取り付けられている。
揺動スクロール2の揺動台板2aにおいて揺動渦巻体2b形成面とは反対側の面(以下、背面という)の略中心部には、円筒形状のボス部2dが形成されている。ボス部2dの内側には、揺動軸受2cが配置され、揺動軸受2cの内側に、回転軸6の上端部に形成された偏心軸部6aが嵌合されている。
回転軸6は、回転軸6の上部の偏心軸部6aと、主軸部6bと、回転軸6の下部の副軸部6cと、で構成されている。偏心軸部6aは、揺動軸受2cを介して揺動スクロール2のボス部2dに回転自在に嵌め合わされ、油による油膜を介して揺動軸受2cと摺動する。揺動軸受2cは、滑り軸受に使用される銅鉛合金等の軸受材料を圧入するなどしてボス部2d内に固定されている。そして、回転軸6の回転により揺動スクロール2が揺動運動するようになっている。主軸部6bは、フレーム7に設けられた主軸受7bに回転自在に嵌め合わされ、油による油膜を介して主軸受7bと摺動する。主軸受7bは、滑り軸受に使用される銅鉛合金等の軸受材料を圧入するなどしてフレーム7に固定されている。
サブフレーム9の中央部は、玉軸受からなる副軸受10を備え、電動機構110の下方で回転軸6を半径方向に軸支する。なお、副軸受10は、玉軸受以外の別の軸受構成としてもよい。回転軸6の副軸部6cは、副軸受10と嵌め合わされ、副軸受10と摺動する。主軸部6b及び副軸部6cの軸心は、回転軸6の軸心と一致している。
ここで、容器100a内の空間を以下のように定義する。容器100aの内部空間のうち、フレーム7の上面に形成された凹部の内壁と、圧縮機構3の揺動渦巻体2bと固定渦巻体1bとを噛み合わせた構造体部分の最外周面とで形成される空間を渦巻設置空間70という。また、容器100aの内部空間のうち、フレーム7よりも下側の空間をシェル吸入空間71という。シェル吸入空間71は吸入管101から流入された吸入冷媒で満たされた低圧空間となっている。また、容器100aの内部空間のうち、圧縮機構3の固定台板1aより吐出管102側の空間をシェル吐出空間72という。また、容器100aの内部空間のうち、揺動軸受2cを収容し、揺動軸受2cが回転動作するためにフレーム7内に形成されている空間を軸受動作空間73という。また、回転軸6の上端と揺動スクロール2の揺動台板2aとの間であってボス部2dの内側空間をボス部内部空間74という。
電動機構110は、電動機固定子110aと電動機回転子110bとを有している。電動機固定子110aは、外部から電力を得るために、フレーム7と電動機固定子110aとの間に存在する図示しないガラス端子に図示しないリード線で接続されている。また、電動機回転子110bは、回転軸6に焼嵌め等によって固定されている。また、スクロール圧縮機100の回転系全体のバランシングを行うため、回転軸6には、第1バランスウェイト60が固定されていると共に、電動機回転子110bには、第2バランスウェイト61が固定されている。
以上のように構成されたスクロール圧縮機100内には、吸入管101から冷媒と共に油が流入する。油は、摺動部の潤滑性向上と、圧縮室8の隙間漏れを抑制するためのシール機能とを目的として用いられている。そして、スクロール圧縮機100の下流には、スクロール圧縮機100から吐出された冷媒から油を分離する油分離器202が配置されている。以下、スクロール圧縮機100と油分離器202とを備えた冷凍サイクル装置300について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。
冷凍サイクル装置300は、スクロール圧縮機100と、油分離器202と、凝縮器301と、膨張弁又はキャピラリーチューブ等で構成された減圧装置302と、蒸発器303とを順に冷媒配管で接続され、冷媒が循環する主回路300aを備えている。
冷凍サイクル装置300は更に、凝縮器301と減圧装置302との間から分離してスクロール圧縮機100のインジェクション配管103に接続されるインジェクション回路305を備えている。インジェクション回路305には、流量調整弁としての膨張弁304が設けられており、インジェクションする流量を調整可能となっている。油分離器202は、スクロール圧縮機100の吐出管102と回路201で接続されている。減圧装置302の開度、膨張弁304の開度及びスクロール圧縮機100の回転数は、図示しない制御装置によって制御される。
なお、冷凍サイクル装置300に更に図示しない四方弁を設け、冷媒の流れ方向を逆に切り替えるようにしてもよい。この場合、スクロール圧縮機100の下流側に設置した凝縮器301を室内機側、蒸発器303を室外機側とすれば暖房運転となり、凝縮器301を室外機側、蒸発器303を室内機側とすれば冷房運転となる。
そして、本実施の形態1の特徴として、油分離器202内の油を、スクロール圧縮機100に戻す返油回路206の下流を2分岐し、一方の返油回路204の出口を、容器100aの底部の油溜め100bではなく、容積型ポンプ111に直接連通した構成としたことにある。そして、他方の返油回路205の出口は、インジェクション回路305に連通した構成としている。なお、返油回路204から戻る油は、主に軸受を潤滑するものであり、返油回路205から戻る油は、圧縮機構3のシール性を向上するものである。ここで、返油回路204が本発明の第1返油回路に相当し、返油回路205が本発明の第2返油回路に相当する。
容積型ポンプ111は、回転軸6の回転数が高くなると、返油回路204からポンプ内に吸入されて軸内流路6dに吐出される油量が増加する。また、吸入パイプ111aからポンプ内に吸入される油量も増加する。よって、高速運転時では、油分離器202から返油回路204を介して軸内流路6dへの返油される油量を、低速運転時よりも相対的に増加することができる。このため、高速運転時には、軸内流路6dに積極的に返油され、インジェクション回路305から圧縮機構3へ供給される返油量が抑制されることになる。その結果、圧縮機構3から圧縮機外部への油流出を抑制することができる。
また、低速運転時は、油分離器202からインジェクション回路305へ積極的に油を供給することで、圧縮機構3のシール性を向上することができる。
ここで、返油回路206の具体的な構成としては、返油回路204を構成する配管が返油回路205との分岐点よりも上流に延長されて油分離器202の底部に接続されている。また、返油回路204を構成する配管の下流端を容器100aを貫通して容積型ポンプ111の吸入口に接続した構成としている。返油回路205の具体的な構成としては、返油回路205を構成する配管の上流端を返油回路204の配管に接続し、下流端をインジェクション回路305の配管に接続した構成としている。
また、容積型ポンプ111において、吸入パイプ111aと返油回路204とのように導入圧力の異なる複数の供給源から油を容積型ポンプ111内に導入するためには、以下の構成とされていればよい。すなわち、例えば、容積型ポンプ111内のポンプ室(図示せず)は、まず低圧の吸入パイプ111aにつながり、回転するにつれて容積が拡大して吸入パイプ111aから油を吸入し、その後、吸入パイプ111aとのつながりを閉じる。次いで、ポンプ室(図示せず)は、高圧の返油回路204の配管につながり、更に容積が拡大して返油回路204の油を吸入し、その後、返油回路204の配管とのつながりを閉じる。その後、ポンプ室(図示せず)は軸内流路6dにつながり、容積が減少して吸入した油を軸内流路6dに吐出し、軸内流路6dとのつながりを閉じて最初に戻る。容積型ポンプ111には、このように動作する構成の容積型ポンプを使用できる。
次に冷媒の流れについて説明する。
主回路300aにおいて、スクロール圧縮機100から吐出された冷媒は、油分離器202に流入する。油分離器202では、冷媒と冷媒に混ざっている油とが分離され、分離された冷媒は、凝縮器301で冷却される。凝縮器301で冷却された冷媒は、減圧装置302で減圧された後、蒸発器303で加熱され、冷媒ガスとなる。蒸発器303から流出した冷媒ガスはスクロール圧縮機100に戻る。スクロール圧縮機100に戻る冷媒は、吸入管101から容器100a内に流入する。
吸入管101から容器100a内のシェル吸入空間71に流入した低圧冷媒は、フレーム7に形成された連通流路7cを通過して渦巻設置空間70に流入する。渦巻設置空間70に流入した冷媒は、インジェクション配管103からインジェクションポート7aを介して流入した冷媒と混合する。そして、混合した冷媒は、固定スクロール1の固定渦巻体1bと揺動スクロール2の揺動渦巻体2bとの相対的な揺動動作に伴って圧縮室8へと吸い込まれる。吸い込まれた冷媒は、揺動スクロール2の動作に伴う圧縮室8の幾何学的な容積変化によって低圧から高圧へと昇圧される。
そして、圧縮室8の冷媒の圧力がシェル吐出空間72の圧力よりも大きくなると、吐出バルブ11が開口し、固定スクロール1に設置された吐出ポート1cより冷媒がシェル吐出空間72へと吐出される。その後、吐出された冷媒は、シェル吐出空間72を経由して吐出管102から高圧冷媒として圧縮機外部の回路201へと吐出される。スクロール圧縮機から吐出された回路201の冷媒は、油分離器202に流入し、冷媒中に含まれる油を分離したのち、凝縮器301へ向かう回路203へと流出する。
また、凝縮器301で冷却された冷媒の一部は、インジェクション回路305に流入し、膨張弁304を経てスクロール圧縮機100のインジェクション配管103に流入する。インジェクション配管103に流入した液又は二相のインジェクション冷媒は、渦巻設置空間70を通り、圧縮機構3内の吸入室に流入する。
次に、油の流れについて説明する。
スクロール圧縮機100から流出した油は、油分離器202で分離され、返油回路206を通り、スクロール圧縮機100へ供給される。返油回路206において、返油回路204は容積型ポンプ111の吸入口に接続されている。このため、油分離器202内に溜められた油は、容積型ポンプ111の吸入口から回転軸6の軸内流路6dへ供給される。そして、軸内流路6dに供給された油は、揺動軸受2c、主軸受7b及び副軸受10等の摺動部に供給される。
摺動部に供給された油の一部は、揺動軸受2c及び主軸受7bの下流側に設置された軸受動作空間73に供給される。その後、軸受動作空間73に供給された油は、返油パイプ113を通って容器100aの油溜め100bに貯蔵される。油溜め100bに貯蔵された油の一部は、回転軸6の回転により容積型ポンプ111が動作することで、吸入パイプ111aから吸い上げられ、再び摺動部に供給される。また、油溜め100bに貯蔵された油の一部は、吸入管101から流入した冷媒の流れによって巻き上げられ、連通流路7cを通って圧縮機構3に流入した後、スクロール圧縮機100の外部へと流出する。
また、返油回路205は、下流側がインジェクション回路305に接続されている。このため、油分離器202内に溜められた油は、返油回路205からインジェクション回路305のインジェクション冷媒に供給され、インジェクション冷媒と共に、圧縮機構3の渦巻設置空間70に流入する。渦巻設置空間70に流入した油は、圧縮室8に流入し、スクロール圧縮機100の外部へと流出する。
このように、本実施の形態1では、油分離器202からの返油回路206を2分岐し、一方の返油回路204が、油溜め100bではなく容積型ポンプで構成された容積型ポンプ111に連通し、他方の返油回路205がインジェクション回路305に連通する構成とした。容積型ポンプは、回転数が高くなるにつれて油の吐出量も多くなるため、高速運転時に、油分離器202から返油回路204を介して軸内流路6dへ戻される返油量を、低速運転時よりも相対的に増加することができる。このため、スクロール圧縮機100外への油流出量が増大し易い高速運転時に、軸内流路6dに対して積極的に返油され、インジェクション回路305から圧縮機構3へ供給される返油量が抑制されることになる。その結果、圧縮機構3から圧縮機外部への油流出を抑制することができる。
また、漏れ損失の寄与度が大きい低速運転時は、油分離器202からインジェクション回路305へ積極的に返油することで、圧縮機構3のシール性を向上することができる。
以上より、高速運転時の圧縮機外部への油流出を抑制しながら、低速運転時の圧縮機構3のシール性を確保することができ、性能と信頼性に優れたスクロール圧縮機を提供することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、図1に示した実施の形態1においてインジェクション配管103の接続位置を変更した構成に関する。以下、実施の形態2が実施の形態1と異なる構成を中心に説明する。
図3は、本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。図4は、図3の圧縮機構の水平概略断面図である。なお、図4中に記載している、0deg、90deg、180deg及び270degの各位相は、圧縮機構の回転位相を示している。
実施の形態2では、インジェクション配管103が、容器100aを外部から貫通して内部に挿入され、固定台板1aに形成されたインジェクションポート207に接続されている。そして、インジェクション配管103の流出口103aを圧縮機構3の内部と連通し、圧縮過程途中の圧縮室8、言い換えれば内部が中間圧となっている中間圧空間75にインジェクション冷媒を流入する構成とした。ここで、中間圧とは吸入圧と吐出圧との間の圧力を言う。
このようにインジェクション配管103が中間圧空間75と連通している構成では、上記実施の形態1に比べて、油分離器202からインジェクション配管103へ流れる油量を抑制することができる。これは以下の理由による。すなわち、インジェクション配管103が中間圧空間75と連通している構成では、上記実施の形態1のようにインジェクション配管103を低圧空間と連通している場合に比べて、油分離器202とインジェクション配管103の流出口103aとの圧力差が小さくなる。よって、インジェクション冷媒流量が同等であっても、油分離器202からインジェクション配管103へ流れる油量を抑制することができる。
このため、実施の形態2は、実施の形態1に比べて、高低圧差が大きい運転条件においても、インジェクション配管103から圧縮機構3への過剰給油を抑制し、油流出量を低減することが可能となる。よって、広い運転範囲において高い性能と信頼性を有するスクロール圧縮機を提供することができる。
なお、図4では、インジェクションポート207が1箇所である例を示したが、複数箇所設け、インジェクション配管103と圧縮機構3の内部とが複数箇所で連通する構成としてもよい。この場合でも、同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
実施の形態3は、図1に示した実施の形態1の構成に更に抵抗要素を設けた構成としたものである。以下、実施の形態3が実施の形態1と異なる構成を中心に説明する。
図5は、本発明の実施の形態3に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。
実施の形態3では、インジェクション回路305において返油回路205との接続部205aの下流に、抵抗要素として毛細管210を設置した構成を有する。毛細管210は、インジェクション回路305から圧縮機構3内に流入するインジェクション冷媒の流量を低減するものである。
実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、インジェクション回路305において返油回路205との接続部205aの下流に毛細管210を設置したことで以下の効果が得られる。すなわち、毛細管210の設置前に比べて、設置後は、スクロール圧縮機100に流入するインジェクション冷媒の流量を低減することができる。このため、実施の形態2の場合と同様にして、圧縮機構3への過剰給油を抑制することが可能となる。
また、抵抗要素を毛細管210で構成した場合、毛細管210部分で流速が増加するため、インジェクション回路305を通過する冷媒と、返油回路205からインジェクション回路305に流入した油とを対流撹拌することができる。よって、冷媒と油とをより均一な混合状態で混合してから、圧縮機構3の渦巻部3aに供給することができる。その結果、実施の形態3は、実施の形態1及び実施の形態2の場合に比べて更に圧縮機構3のシール性を向上することができる。このため、実施の形態3は、実施の形態1及び実施の形態2の場合よりも更に高い性能を有するスクロール圧縮機100を提供することができる。
なお、抵抗要素として、ここでは毛細管210を例に挙げて説明したが、他に例えば図6に示すようなストレーナ217又は図7に示すようなオリフィス孔218のような固定抵抗を用いても良い。また、次の図8に示すように、流量調整弁のような可変抵抗を用いても良い。
図8は、本発明の実施の形態3に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の変形例の全体構成の概略縦断面図である。
図8では、抵抗要素として、例えば開度調整可能な膨張弁等で構成された流量調整弁211を用いている。流量調整弁211を用いることで、例えばスクロール圧縮機100を運転する圧力条件が同じ場合でも、回転速度条件毎にインジェクション冷媒の流量を可変とすることが可能である。
具体的には例えば、高速運転時の場合は流量調整弁211の開度を絞ることで、油分離器202から返油回路204を介して容積型ポンプ111側に流入する油の量を、返油回路205側よりも相対的に増やすことが可能である。また、低速運転時には、流量調整弁211の開度を大きくすることで、インジェクション回路305から圧縮機構3に流入する油量を増やして、圧縮機構3のシール性を向上することが可能となる。
このように、インジェクション冷媒の流量を可変とすることで、実施の形態2の場合よりも更に広い運転範囲において高い性能と信頼性を有するスクロール圧縮機を提供することができる。
実施の形態4.
実施の形態4は、図1に示した実施の形態1の返油回路204に更に抵抗要素を設置した構成を有する。以下、実施の形態4について、実施の形態1と異なる構成を中心に説明する。
図9は、本発明の実施の形態4に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。
実施の形態4では、返油回路204に、抵抗要素として毛細管212を設置している。毛細管212は、油分離器202からインジェクション回路305に流入する油を減圧するものである。
実施の形態4によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、返油回路204に毛細管212を設置したことで以下の作用効果が得られる。すなわち、返油回路204に毛細管212を設置したことで、油分離器202から供給される高圧の油を、毛細管212によって十分に減圧した状態で容積型ポンプ111に供給することができる。このため、吸入パイプ111aから容積型ポンプ111に供給される低圧の油と、返油回路204から容積型ポンプ111に供給される高圧の油との圧力差を小さくすることができる。
ここで、吸入パイプ111aから容積型ポンプ111に供給される低圧の油と、返油回路204から容積型ポンプ111に供給される油との圧力差が仮に大きいと、以下の不都合が生じる。すなわち、返油回路204から容積型ポンプ111に供給された油が、圧力差によって吸入パイプ111aを通って容器100aの油溜め100bに逆流する。つまり、返油回路204から容積型ポンプ111に供給された油が、軸内流路6dに流れず、油溜め100bに流れてしまう。この場合、軸受等の摺動部に供給される油量が低下してしまう。
しかし、ここでは、返油回路204に毛細管212を設置したことで、上述したように、吸入パイプ111aから容積型ポンプ111に供給される低圧の油と、返油回路204から容積型ポンプ111に供給される油との圧力差を小さくできる。その結果、返油回路204から容積型ポンプ111に供給された油が油溜め100bに流れることを抑制して、軸受等の摺動部に供給される油量が低下するのを抑制することができる。これにより、実施の形態4は、実施の形態1の場合よりも更に高い信頼性を有するスクロール圧縮機を提供することができる。
また、ここでは、抵抗要素として毛細管212を用いた場合を例に挙げて説明したが、毛細管に限られない。実施の形態3の場合と同様に、抵抗要素として、例えばストレーナ又はオリフィス孔のような固定抵抗を用いても良いし、流量調整弁のような可変抵抗を用いてもよい。これらの抵抗を用いた場合でも、同様の効果を得ることができる。
実施の形態5.
実施の形態5は、図1に示した実施の形態1の返油回路205に更に抵抗要素を設置した構成を有する。以下、実施の形態5について、実施の形態1と異なる構成を中心に説明する。
図10は、本発明の実施の形態5に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。
実施の形態5では、返油回路205に抵抗要素として毛細管213を設置している。毛細管213は、インジェクション回路305に流入する油量を低減するものである。ここで、図5に示した実施の形態3と比較すると、実施の形態3では、インジェクション回路305に毛細管210を設置している。このため、実施の形態3では、油だけでなく冷媒の流量も低減する構成であった。これに対し、実施の形態5では、返油回路205に毛細管213を設けているため、インジェクション配管103に供給される油自体の量を低減できる。
このように、実施の形態5によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、返油回路205に毛細管213を設置したことで、以下の効果が得られる。すなわち、インジェクション配管103から供給される冷媒流量を確保しながら、返油回路205から圧縮機構3への過剰給油を抑制できる。その結果、圧縮機構3における圧縮過程の冷媒ガスをインジェクション冷媒によって効率よく冷却しながら、過剰給油による圧縮機構3からの油流出の増大を抑制することができる。よって、実施の形態1の場合よりも更に高い信頼性を有するスクロール圧縮機を提供することができる。
また、ここでは、抵抗要素として毛細管213を用いた場合を例に挙げて説明したが、毛細管に限られない。実施の形態3の場合と同様に、抵抗要素として、例えばストレーナ又はオリフィス孔のような固定抵抗を用いても良いし、流量調整弁のような可変抵抗を用いてもよい。これらの抵抗を用いた場合でも、同様の効果を得ることができる。
実施の形態6.
実施の形態6は、図1に示した実施の形態1に更に気液分離器を設置した構成を有する。以下、実施の形態6について、実施の形態1と異なる構成を中心に説明する。
図11は、本発明の実施の形態6に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。
実施の形態6では返油回路204と返油回路205との分岐箇所に、気液分離器214を設置している。気液分離器214は、ここでは、分離容器214aと、分離容器214aに接続された入口配管214bと、分離容器214aの底面に接続された出口配管214cと、分離容器214aの側面に接続された出口配管214dとを有する。なお、出口配管214cが本発明の第1出口配管に相当し、出口配管214dが本発明の第2出口配管に相当する。
出口配管214cは返油回路204に接続され、出口配管214dは返油回路205に接続される。気液分離器214の上流にある油分離器202では、上述したように冷媒と油とが分離され、分離された油が気液分離器214に流入する。しかし、油分離器202に流入する冷媒流量が少ない場合、油分離器202から油単体ではなく、油を含む冷媒が流出することがある。
これを踏まえ、返油回路205よりも返油回路204に優先的に油が供給されるように、返油回路204と返油回路205の分岐箇所に気液分離器214を備えている。気液分離器214では、入口配管214bから流入した冷媒から油が分離され、分離された油が分離容器214aの底部に溜まる。分離容器214aの底部に溜まった油は、分離容器214aの側面に接続された出口配管214dに比べて、分離容器214aの底面に接続された出口配管214cから優先して流出する。
実施の形態6によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、返油回路204と返油回路205の分岐箇所に気液分離器214を備えたことで、返油回路205に比べて返油回路204に優先的に油が供給される。このため、容積型ポンプ111への返油量を確保することができる。これにより、給油不足による摺動部の損傷を抑制することができ、実施の形態1の場合よりも更に高い信頼性を有するスクロール圧縮機を提供することができる。
なお、気液分離器として、ここでは、分離容器214aに複数の配管が接続された気液分離器214を例に挙げて説明したが、次の図12に示すように、T字管を用いても良い。
図12は、本発明の実施の形態6に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の変形例の全体構成の概略縦断面図である。
この変形例では、気液分離器としてT字管215を備えている。T字管215は、上下方向に延びて上端開口が流入口215aa、下端開口が流出口215abとなる垂直管215aと、垂直管215aに直交して接続され、開放端が流出口215baとなる水平管215bとを備えている。そして、流入口215aaが油分離器202の底面に連通し、流出口215abが返油回路204に連通し、流出口215baが返油回路205に連通している。なお、流出口215abが本発明の第1流出口、流出口215baが本発明の第2流出口に相当する。
このようなT字管215を返油回路204と返油配管20との分岐箇所に備えた構成とした場合も、流入口215aaからT字管215に流入した油は、重力分離によって流出口215baに比べて流出口215abから優先的に流出する。このため、図11に示した気液分離器214と同様の効果を得ることができる。
実施の形態7.
実施の形態7は、軸受の潤滑向上を図るようにしたものである。以下、実施の形態7について、実施の形態1と異なる構成を中心に説明する。
図13は、本発明の実施の形態7に係る冷凍サイクル装置を構成するスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。
実施の形態7は、図1に示した実施の形態1のボス部2dに、ボス部内部空間74と軸受動作空間73とを連通する貫通穴216を設けた構成を有する。
実施の形態7によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、ボス部2dに貫通穴216を設けたことにより、以下の作用効果を得ることができる。返油回路204内は高圧であるのに対し、容積型ポンプ111の設置空間は低圧である。このため、返油回路204内の高圧の油が、低圧の容積型ポンプ111に供給された際、急激な圧力の低下が生じ、油に溶解した冷媒ガスが発泡することがある。このように発泡した冷媒ガスは、回転軸6の油穴6daを上昇し、油穴6daの上端からボス部内部空間74に流出する。
このように発泡した冷媒が油穴6daに流入すると、揺動軸受2c及び主軸受7bといった軸受へ油が供給され難くなり、油による潤滑が不充分となって軸受が損傷する可能性がある。よって、図13に示したように、ボス部2dに貫通穴216を設けてボス部内部空間74と軸受動作空間73とを連通させることで、発泡した冷媒ガスを、ボス部内部空間74から軸受動作空間73に逃すことができる。これにより、軸受の損傷を抑制することができる。このため、実施の形態7は、実施の形態1の場合よりも更に高い信頼性を有するスクロール圧縮機を提供することができる。
なお、上記では、各実施の形態1〜7においてそれぞれ別の実施の形態として説明したが、各実施の形態の特徴的な構成を適宜組み合わせて冷凍サイクル装置を構成してもよい。たとえば、実施の形態2と実施の形態7とを組み合わせ、図3のスクロール圧縮機100のボス部2dに貫通穴216を設けた構成としてもよい。
1 固定スクロール、1a 固定台板、1b 固定渦巻体、1c 吐出ポート、2 揺動スクロール、2a 揺動台板、2b 揺動渦巻体、2c 揺動軸受、2d ボス部、3 圧縮機構、3a 渦巻部、6 回転軸、6a 偏心軸部、6b 主軸部、6c 副軸部、6d 軸内流路、6da 油穴、6db 給油穴、7 フレーム、7a インジェクションポート、7b 主軸受、7c 連通流路、8 圧縮室、9 サブフレーム、9a サブフレームプレート、10 副軸受、11 吐出バルブ、12 吐出マフラ、20 返油配管、60 第1バランスウェイト、61 第2バランスウェイト、70 渦巻設置空間、71 シェル吸入空間、72 シェル吐出空間、73 軸受動作空間、74 ボス部内部空間、75 中間圧空間、100 スクロール圧縮機、100a 容器、100b 油溜め、101 吸入管、102 吐出管、103 インジェクション配管、103a 流出口、110 電動機構、110a 電動機固定子、110b 電動機回転子、111 ポンプ要素、111a 吸入パイプ、113 返油パイプ、201 回路、202 油分離器、203 回路、204 返油回路、205 返油回路、205a 接続部、206 返油回路、207 インジェクションポート、210 毛細管、211 流量調整弁、212 毛細管、213 毛細管、214 気液分離器、214a 分離容器、214b 入口配管、214c 出口配管、214d 出口配管、215 T字管、215a 垂直管、215aa 流入口、215ab 流出口、215b 水平管、215ba 流出口、216 貫通穴、217 ストレーナ、218 オリフィス孔、300 冷凍サイクル装置、300a 主回路、301 凝縮器、302 減圧装置、303 蒸発器、304 膨張弁、305 インジェクション回路。

Claims (13)

  1. スクロール圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器とを備え、油を含む冷媒が循環する主回路と、
    前記凝縮器と前記減圧装置との間から分岐して前記スクロール圧縮機に接続されるインジェクション回路と、
    前記主回路に設けられ、前記スクロール圧縮機から吐出された前記冷媒から油を分離する油分離器と、
    前記油分離器で分離した油を前記スクロール圧縮機へ返油する返油回路とを備え、
    前記スクロール圧縮機は、
    底部が油溜めとなる容器と、
    前記容器内に収容された電動機構と、
    前記容器内に収容され、揺動スクロール及び固定スクロールを組み合わせて形成した圧縮室にて前記冷媒を圧縮する圧縮機構と、
    前記電動機構と前記圧縮機構とを連結し、前記電動機構の回転力を前記圧縮機構に伝達する回転軸と、
    前記油溜めの油を、前記回転軸に形成された軸内流路を介して前記回転軸の摺動部に供給する容積型ポンプとを備え、
    前記返油回路は、下流側が2分岐されて一方の第1返油回路の出口が前記容積型ポンプに連通し、他方の第2返油回路の出口が前記インジェクション回路に連通している冷凍サイクル装置。
  2. 前記スクロール圧縮機は、前記容器を外部から貫通して前記容器の内部に接続され、前記インジェクション回路の前記冷媒を前記容器内にインジェクションするインジェクション配管を備え、
    前記インジェクション配管の流出口が、圧縮過程途中の前記圧縮室に連通している請求項1記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記インジェクション回路において前記第2返油回路との接続部の下流に、前記インジェクション回路から前記スクロール圧縮機内に流入する前記冷媒の流量を低減する抵抗要素を備えた請求項1又は請求項2記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記第1返油回路に、前記容積型ポンプに流入する油の流量を低減する抵抗要素を備えた請求項1又は請求項2記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記第2返油回路に、前記インジェクション回路に流入する油の流量を低減する抵抗要素を備えた請求項1又は請求項2記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記抵抗要素は毛細管である請求項3〜請求項5の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記抵抗要素は開度調整可能な流量調整弁である請求項3〜請求項5の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記抵抗要素はストレーナである請求項3〜請求項5の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記抵抗要素は、前記スクロール圧縮機の内部に設置したオリフィス孔である請求項3〜請求項5の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  10. 前記返油回路の、前記第1返油回路と前記第2返油回路との分岐箇所に、気液分離器を備えた請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  11. 前記気液分離器は、
    分離容器と、
    前記油分離器の底面に一端が接続され、他端が前記分離容器に接続される入口配管と、
    前記分離容器の底面に一端が接続され、他端が前記第1返油回路に接続される第1出口配管と、
    前記分離容器の側面に一端が接続され、他端が前記第2返油回路に接続される第2出口配管とを備えた請求項10記載の冷凍サイクル装置。
  12. 前記気液分離器は、上下方向に延びて上端開口が流入口、下端開口が第1流出口となる垂直管と、前記垂直管に直交して接続され、開放端が第2流出口となる水平管とからなるT字管であり、
    前記流入口が前記油分離器の底面に連通し、
    前記第1流出口が前記第1返油回路に連通し、
    前記第2流出口が前記第2返油回路に連通している請求項10記載の冷凍サイクル装置。
  13. 前記揺動スクロールの前記圧縮室と反対側の背面に形成され、前記回転軸の偏心軸部が揺動軸受を介して挿入される円筒形状のボス部と、
    前記揺動スクロールの前記背面で前記揺動スクロールを支持し、前記揺動軸受を前記ボス部と共に収容する軸受動作空間を形成するフレームとを備え、
    前記回転軸の前記軸内流路は、前記回転軸の中心部を軸方向に延びる油穴を有し、前記油穴の下流端が、前記ボス部の内側のボス部内部空間に連通しており、前記ボス部内部空間と前記軸受動作空間とを連通する貫通穴が前記ボス部に形成されている請求項1〜請求項12の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
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