JP2005240676A - 圧縮機および空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ハウジング内に、圧縮室Cと、該圧縮室Cで圧縮された流体が吐出される吐出キャビティ23と、前記圧縮室Cと吐出キャビティ23とを区画する側壁として固定スクロールの端板32aとを備え、前記ハウジングの内壁と該内壁が対向する前記端板32aの周面とに挟まれて溝34が形成される。溝34は潤滑油が流れる潤滑油流路を構成する。吐出キャビティ23と溝34とを連通する油吸入孔(油吸入流路)35が端板32aの下部に設けられ、端板32aの上部には溝34と端板32aの他側空間とを連通する連通路(油吐出流路)36が設けられている。油貯め室24の油は、溝34を端板32aの周囲を円周に沿って上昇してドライブブッシュや主軸受け等を潤滑する。
【選択図】 図1
Description
固定スクロール12および旋回スクロール13は、壁体12b、13bを互いに接触させることで複数の圧縮室Cを形成した状態で噛み合わせられている。
しかし、上記のように空間下部に溜まった冷凍機油を掻き上げる潤滑方法では、ドライブブッシュ19等に冷凍機油が届きにくいという問題点があった。
請求項1に記載の発明は、ハウジング内に、圧縮室と、該圧縮室で圧縮された流体が吐出される吐出キャビティと、前記圧縮室と吐出キャビティとを区画する側壁とを備えた圧縮機において、前記ハウジングの内壁と該内壁が対向する前記側壁の周面とに挟まれて潤滑油が流れる潤滑油流路が形成され、前記側壁に対して一側に位置する前記吐出キャビティと前記潤滑油流路とを連通させる油吸入流路が前記側壁の下部に設けられ、前記潤滑油流路と前記側壁に対して他側の空間とを連通させる油吐出流路が前記油吸入流路より上方に位置して前記側壁に設けられていることを特徴とする。
潤滑油流路を通すことで潤滑油を上方に上げて側壁の他側に吐出させ、上方から油を落として必要個所の潤滑を行うことができるから、潤滑必要個所を十分に潤滑させることができる。したがって機器の耐久性を向上させることができる。
また、潤滑油流路を油絞り手段とすることで、従来において油絞り手段として使用していた螺旋ピンを不要とすることができる。
さらに、比較的温度が低いハウジングの内壁に沿って形成された潤滑油流路を潤滑油が通過するので、潤滑油を冷却することができる。これにより、吸入冷媒の温度上昇を抑え、圧縮効率を向上させることができる。
図1において符号32は端板32aの一側面に渦巻き状の壁体32bが立設された固定スクロールであり、固定スクロール12(図6参照)と略同一の構成である。
端板32a(側壁)は圧縮室C側と吐出キャビティ23とを区画し、正面視は円形である。その周面33には、円周方向に沿って、潤滑油流路を構成する溝34が形成されている。溝34に連続した流路を構成する溝として、端板32aの下部には油吸入孔(油吸入流路)35が設けられている。油吸入孔35は、一端が油貯め室24に開口し、他端が溝34の内壁に開口している。油貯め室24側の開口にはフィルタ35aが取り付けられている。
また、同様に溝34に連続した流路を構成する溝として、固定スクロール32の上部に連通孔36(油吐出流路)が形成されている。連通孔36は端板32aから壁体32bの最上部に連続して設けられており、一端が溝34の内壁に開口し、他端が壁体32bのラップ先端37で開口している。
また、溝34の流路経路が十分に長いため、溝34を通過する際に冷凍機油が絞られる。すなわち溝34が油絞り手段として機能するから、従来設けられていた螺旋ピン27aは不要となる。また螺旋ピン27aよりも流路断面積を大きくすることができるから、フィルタ35aは目の粗いものを採用することができる(さらに溝34の流路断面積が十分に大きい場合は、フィルタ35a自体を設ける必要がない)。
さらに、冷凍機油は、比較的温度が低いハウジング本体11aの内周面に沿って形成され、しかも流路経路が長い溝34を通過するので、効果的に冷却されることになる。すなわち従来の油戻し流路27で冷凍機油を戻すより、戻された冷凍機油の温度を下げることができる。これによって、吸入室22の冷媒温度を従来よりも下げることができるから、圧縮の初期温度が下がるため、圧縮効率を向上させることができる。さらに圧縮室Cの温度も下がるため、スクロールの壁体12b、13b先端の熱膨張を抑えてかじりを防止することができる。
またOリング溝38,39の間の端板32aの周面33に溝34を形成した構成であるから、固定スクロール32の固定性、Oリング40,41による冷媒のシール性等は従来と変わらずに構成することができる。
上記の例では固定スクロールの端板32a側に溝34を設けたが、図3のように構成してもよい。本変形例では溝34の替わりに、ハウジング本体11a側に溝47が設けられている。溝47はOリング溝38,39間の周面33aに対向位置し、ハウジング本体11aの内壁に周方向に設けられている。溝47の内壁、端板32aの周壁33a、およびOリング40,41の間の空間が潤滑油流路45となっている。
溝47に連続した流路を構成する溝として、ハウジング本体11aに連通孔48(油吐出流路)が形成されている。連通孔48は、一端が溝47の内壁に開口し、他端が吸入室22に開口している。図示は省略するが同様にハウジング11aの下部では溝47と油貯め室24とを連通する油吸入流路がハウジング11aに設けられている。
本変形例でも、上記の例と同様に油貯め室24内の冷凍機油は、吐出キャビティ23(具体的には油貯め室24)と吸入室22側との差圧により、油吸入流路から溝47に流入し、溝47をハウジング本体11aの円周方向上方に流れて連通孔48から吸入室22に吐出する。したがって上記の例と同様の効果を得ることができる。
また、連通孔36に相当する構成として、端板32aおよび壁体32bに連通孔51(油吐出流路)が形成されている。連通孔51は、一端がOリング溝38,39の間の周面33aに開口し、他端が吸入室22に開口している。図示は省略するが同様にハウジング11aの下部では潤滑油流路45と油貯め室24とを連通する油吸入流路が設けられている。
本変形例においても、上記の例と同様の効果を得ることができる。
さらに、これら図2〜図4に示した変形例の組み合わせとしてもよい。
これにより、冷凍機油が不足しやすい上部により多くの冷凍機油を供給することができる。
また、溝34,47等は端板32aの周面を1周させて設けてもよいし、半周以下(端板32a周面の弧に沿った一本の溝とする)であってもよい。
さらにまた、本発明を適用するのはスクロール型の圧縮機に限るものではない。
12 固定スクロール
12a 端板(側壁)
12b 壁体
13 旋回スクロール
13a 端板
13b 壁体
17b 主玉軸受
33 周面
34、47 溝
35 油吸入孔(油吸入流路)
36,48,51,52,53 連通孔(油吐出流路)
40,41 Oリング(シール材)
45 潤滑油流路
Claims (9)
- ハウジング内に、圧縮室と、該圧縮室で圧縮された流体が吐出される吐出キャビティと、前記圧縮室と吐出キャビティとを区画する側壁とを備えた圧縮機において、
前記ハウジングの内壁と該内壁が対向する前記側壁の周面とに挟まれて潤滑油が流れる潤滑油流路が形成され、前記側壁に対して一側に位置する前記吐出キャビティと前記潤滑油流路とを連通させる油吸入流路が前記側壁の下部に設けられ、前記潤滑油流路と前記側壁に対して他側の空間とを連通させる油吐出流路が前記油吸入流路より上方に位置して前記側壁に設けられていることを特徴とする圧縮機。 - 前記潤滑油流路を構成する溝が前記側壁の周面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
- 前記ハウジング内壁には、前記潤滑油流路を構成する溝が前記側壁の周面に対向位置して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機。
- 前記油吐出流路として前記側壁に連通孔が複数設けられ、上方に位置する前記連通孔ほど流路断面積が大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の圧縮機。
- 前記油吐出流路として前記側壁に連通孔が複数設けられ、上方ほど多くの前記連通孔が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の圧縮機。
- 前記潤滑油流路は、前記潤滑油を減圧させる油絞り手段であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の圧縮機。
- 前記ハウジングの内壁と該内壁が対向する前記側壁の周面との間には、前記側壁に対して一側の空間と他側の空間とをシールする一対のシール材が設けられ、前記潤滑油流路が前記シール材の間に位置していることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の圧縮機。
- 前記ハウジング内に、端板の一側面に渦巻き状の壁体が立設された固定スクロールと、端板の一側面に渦巻き状の壁体が立設され、前記各壁体どうしをかみ合わせて自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持された旋回スクロールとを備え、
前記側壁は、前記固定スクロールの前記端板であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の圧縮機。 - 冷媒と室内気との間で熱交換を行う室内熱交換器と、冷媒と室外気との間で熱交換を行う室外熱交換器と、冷媒を圧縮し吐出する圧縮機と、冷媒を減圧膨張させる膨張機構を備えた空気調和装置において、
前記圧縮機は、請求項1から8のいずれかに記載の圧縮機であることを特徴とする空気調和装置。
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