JP2007186999A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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茂幸 小山
Tomokazu Naruta
知和 鳴田
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泰隆 根岸
Akira Tsukamoto
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Abstract

【課題】 オリフィスチューブの配設を要しないオイル戻し流路が形成されたスクロール型圧縮機を提供する。
【解決手段】 端板と端板に立設された渦巻体とを有する固定スクロールと、端板と端板に立設され固定スクロールの渦巻体と噛み合って複数の作動空間を形成する渦巻体とを有する可動スクロールと、主軸と、主軸の回転を旋回運動に変換して可動スクロールに伝達する旋回駆動機構と、可動スクロールの自転防止機構と、固定スクロールと可動スクロールと旋回駆動機構と自転防止機構とを収容する空間を内部に形成するハウジングとを備え、固定スクロールの端板はハウジングに嵌合固定され、前記嵌合部をシールしてハウジングの内部空間を吸入室と吐出室とに区画するOリングが配設され、OリングとOリング収容溝とにより形成される第1流路と、第1流路と吐出室とを連通させる第2流路と、第1流路と吸入室とを連通させる第3流路とにより、吐出室から吸入室へ至るオイル戻し流路が形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明はスクロール型圧縮機に関するものである。
端板と端板に立設された渦巻体とを有する固定スクロールと、端板と端板に立設され固定スクロールの渦巻体と噛み合って複数の作動空間を形成する渦巻体とを有する可動スクロールと、主軸と、主軸の回転を旋回運動に変換して可動スクロールに伝達する旋回駆動機構と、可動スクロールの自転防止機構と、固定スクロールと可動スクロールと旋回駆動機構と自転防止機構とを収容する空間を内部に形成するハウジングとを備え、固定スクロールの端板はハウジングに嵌合固定され、前記嵌合部をシールしてハウジングの内部空間を吸入室と吐出室とに区画するOリングが配設されたスクロール型圧縮機が特許文献1等に開示されている。
上記構成のスクロール型圧縮機においては、一般に、圧縮後の冷媒ガスから分離され吐出室の底部に溜まった潤滑油を吸入室へ戻すためのオイル戻し流路が、固定スクロールの端板と渦巻体とを貫通して形成されている。吐出室から吸入室へ戻されるオイルの流量を適正な微小値に制御する必要がある。前記オイル戻し流路は直線的に延在していたので全長が短く、また流路径の微小化にも限度があって、オイル戻し流路の流路抵抗を適正値まで高めることができないことを勘案して、従来、オイル戻し流路にオリフィスチューブを装着して、吐出室から吸入室へ戻されるオイルの流量を適正な微小値に制御していた。
特開平9−310685号公報
従来の、オイル戻し流路にオリフィスチューブを装着したスクロール型圧縮機には、オリフィスチューブの購入コスト、オリフィスチューブ装着部の加工コストにより、製造コストが高くなるという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、端板と端板に立設された渦巻体とを有する固定スクロールと、端板と端板に立設され固定スクロールの渦巻体と噛み合って複数の作動空間を形成する渦巻体とを有する可動スクロールと、主軸と、主軸の回転を旋回運動に変換して可動スクロールに伝達する旋回駆動機構と、可動スクロールの自転防止機構と、固定スクロールと可動スクロールと旋回駆動機構と自転防止機構とを収容する空間を内部に形成するハウジングとを備え、固定スクロールの端板はハウジングに嵌合固定され、前記嵌合部をシールしてハウジングの内部空間を吸入室と吐出室とに区画するOリングが配設されたスクロール型圧縮機であって、オリフィスチューブの配設を要しないオイル戻し流路が形成されたスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、端板と端板に立設された渦巻体とを有する固定スクロールと、端板と端板に立設され固定スクロールの渦巻体と噛み合って複数の作動空間を形成する渦巻体とを有する可動スクロールと、主軸と、主軸の回転を旋回運動に変換して可動スクロールに伝達する旋回駆動機構と、可動スクロールの自転防止機構と、固定スクロールと可動スクロールと旋回駆動機構と自転防止機構とを収容する空間を内部に形成するハウジングとを備え、固定スクロールの端板はハウジングに嵌合固定され、前記嵌合部をシールしてハウジングの内部空間を吸入室と吐出室とに区画するOリングが配設され、OリングとOリング収容溝とにより形成される第1流路と、第1流路と吐出室とを連通させる第2流路と、第1流路と吸入室とを連通させる第3流路とにより、吐出室から吸入室へ至るオイル戻し流路が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機を提供する。
本発明に係るスクロール型圧縮機が備えるオイル戻し流路は、OリングとOリング収容溝とにより形成される第1流路と、第1流路と吐出室とを連通させる第2流路と、第1流路と吸入室とを連通させる第3流路とにより形成されている。オイル戻し流路の一部を、固定スクロールの端板の周側面に沿って延在させることにより、オイル戻し流路長を従来に比べて増加させ、オイル戻し流路の流路抵抗を適正値まで高めることができる。この結果、オリフィスチューブを廃止することができる。
本発明の好ましい態様においては、Oリング収容溝は固定スクロールの端板の周側面に形成されており、第2流路と第3流路とは固定スクロールの端板の周側面に形成された溝又は固定スクロールの端板に形成された穴を有している。
本発明の好ましい態様においては、Oリング収容溝はハウジングの内周面に形成されており、第2流路と第3流路とはハウジング内周面に形成された溝又はハウジングに形成された穴を有している。
Oリング収容溝は固定スクロールの端板の周側面に形成しても良く、或いはハウジングの内周面に形成しても良い。Oリング収容溝を固定スクロールの端板の周側面に形成した場合には、第2流路と第3流路とを固定スクロールの端板の周側面に形成された溝又は固定スクロールの端板に形成された穴又は固定スクロールの端板と渦巻体とに形成された穴で構成し、Oリング収容溝をハウジングの内周面に形成した場合には、第2流路と第3流路とをハウジング内周面に形成された溝又はハウジングに形成された穴で構成する。
本発明の好ましい態様においては、Oリング収容溝の第1流路を形成する部位の断面積が拡大されている。
第1流路の適正な断面積を確保するために、Oリング収容溝の第1流路を形成する部位を掘り込んで当該部位の断面積を拡大させても良い。
本発明においては、端板と端板に立設された渦巻体とを有する固定スクロールと、端板と端板に立設され固定スクロールの渦巻体と噛み合って複数の作動空間を形成する渦巻体とを有する可動スクロールと、主軸と、主軸の回転を旋回運動に変換して可動スクロールに伝達する旋回駆動機構と、可動スクロールの自転防止機構と、固定スクロールと可動スクロールと旋回駆動機構と自転防止機構とを収容する空間を内部に形成するハウジングとを備え、固定スクロールの端板はハウジングに嵌合固定され、前記嵌合部をシールしてハウジングの内部空間を吸入室と吐出室とに区画するOリングが二つ配設され、隣接するOリングの間で延在する固定スクロールの端板の周側面とハウジング内周面との間の隙間によって形成される第1流路と、第1流路と吐出室とを連通させる第2流路と、第1流路と吸入室とを連通させる第3流路とにより、吐出室から吸入室へ至るオイル戻し流路が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機を提供する。
OリングとOリング収容溝とにより第1流路を形成するのに代えて、固定スクロールの端板のハウジングへの嵌合部をシールするOリングを二つ配設し、隣接するOリングの間で延在する固定スクロールの端板の周側面とハウジング内周面との間の隙間によって第1流路を形成しても良い。
本発明の好ましい態様においては、Oリング収容溝は固定スクロールの端板の周側面に形成されており、第2流路と第3流路とはハウジング内周面に形成された溝又はハウジングに形成された穴を有している。
本発明の好ましい態様においては、Oリング収容溝はハウジングの内周面に形成されており、第2流路と第3流路とは固定スクロールの端板の周側面に形成された溝又は固定スクロールの端板に形成された穴を有している。
Oリング収容溝は固定スクロールの端板の周側面に形成しても良く、或いはハウジングの内周面に形成しても良い。Oリング収容溝を固定スクロールの端板の周側面に形成した場合には、第2流路と第3流路とをハウジング内周面に形成された溝又はハウジングに形成された穴で構成し、Oリング収容溝をハウジングの内周面に形成した場合には、第2流路と第3流路とを固定スクロールの端板の周側面に形成された溝又は固定スクロールの端板に形成された穴又は固定スクロールの端板と渦巻体とに形成された穴で構成する。
本発明の好ましい態様においては、第2流路との接続部から第3流路との接続部に至る二股の第1流路の一方が閉鎖されている。
第1流路が全通している場合には、第1流路の最大長は、固定スクロールの端板の外周長さの1/2である(二股の第1流路の一方が固定スクロールの端板の外周長さの1/2を超えると、他方は前記外周長さの1/2よりも短くなるので、第2流路を通って第1流路へ流入したオイルは、流路抵抗の小さな前記他方の第1流路を通って第3流路へ流出する)。第2流路との接続部から第3流路との接続部に至る二股の第1流路の一方を閉鎖して短絡的な流れを禁止することにより、第1流路の最大長を固定スクロールの端板の外周長さ近傍値まで延長することができる。
本発明においては、端板と端板に立設された渦巻体とを有する固定スクロールと、端板と端板に立設され固定スクロールの渦巻体と噛み合って複数の作動空間を形成する渦巻体とを有する可動スクロールと、主軸と、主軸の回転を旋回運動に変換して可動スクロールに伝達する旋回駆動機構と、可動スクロールの自転防止機構と、固定スクロールと可動スクロールと旋回駆動機構と自転防止機構とを収容する空間を内部に形成するハウジングとを備え、固定スクロールの端板はハウジングに嵌合固定され、前記嵌合部をシールしてハウジングの内部空間を吸入室と吐出室とに区画するOリングが三つ以上配設され、隣接するOリングの間で延在する固定スクロールの端板の周側面とハウジング内周面との間の隙間によって形成される複数の第1流路と、最も吐出室側の第1流路を吐出室に連通させる第2流路と、最も吸入室側の第1流路を吸入室に連通させる第3流路と、隣接する第1流路を互いに連通させる第4流路とにより、吐出室から吸入室へ至るオイル戻し流路が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機を提供する。
第1流路の流路長を更に延長したい場合には、固定スクロールの端板のハウジングへの嵌合部をシールしてハウジングの内部空間を吸入室と吐出室とに区画するOリングを三つ以上配設し、隣接するOリングの間で延在する固定スクロールの端板の周側面とハウジング内周面との間の隙間によって複数の第1流路を形成しても良い。この場合、最も吐出室側の第1流路を第2流路を介して吐出室に連通させ、最も吸入室側の第1流路を第3流路を介して吸入室に連通させ、隣接する第1流路を第4流路を介して互いに連通させる。
本発明の好ましい態様においては、Oリング収容溝は固定スクロールの端板の周側面に形成されており、第2流路、第3流路、第4流路はハウジング内周面に形成された溝又はハウジングに形成された穴を有している。
本発明の好ましい態様においては、Oリング収容溝はハウジングの内周面に形成されており、第2流路、第3流路、第4流路は固定スクロールの端板の周側面に形成された溝又は固定スクロールの端板に形成された穴を有している。
Oリング収容溝は固定スクロールの端板の周側面に形成しても良く、或いはハウジングの内周面に形成しても良い。Oリング収容溝を固定スクロールの端板の周側面に形成した場合には、第2流路、第3流路、第4流路をハウジング内周面に形成された溝又はハウジングに形成された穴で構成し、Oリング収容溝をハウジングの内周面に形成した場合には、第2流路、第3流路、第4流路を固定スクロールの端板の周側面に形成された溝又は固定スクロールの端板に形成された穴又は固定スクロールの端板と渦巻体とに形成された穴で構成する。
本発明の好ましい態様においては、第2流路との接続部から第4流路との接続部に至る最も吐出室側の二股の第1流路の一方が閉鎖されている。
本発明の好ましい態様においては、吐出室側の第4流路との接続部から吸入室側の第4流路との接続部に至る二股の第1流路の一方が閉鎖されている。
本発明の好ましい態様においては、第4流路との接続部から第3流路との接続部に至る最も吸入室側の二股の第1流路の一方が閉鎖されている。
上記構成により第1流路の最大長を固定スクロールの端板の外周長さ近傍値まで延長することができる。
本発明に係るスクロール型圧縮機においては、オイル戻し流路の一部を、固定スクロールの端板の周側面に沿って延在させたので、オイル戻し流路長を従来に比べて増加させ、オイル戻し流路の流路抵抗を適正値まで高めることができる。この結果、オリフィスチューブを廃止することができる。
本発明の実施例に係るスクロール型圧縮機を説明する。
図1に示すように、スクロール型圧縮機Aは、端板1aと渦巻体1bとを有する固定スクロール1と、端板2aと渦巻体2bとを有する可動スクロール2とを備えている。渦巻体1b、2bは互いに噛み合い、複数対の作動空間3を形成している。
スクロール型圧縮機は、ケーシング4aとフロントハウジング4bとを備えている。ケーシング4aとフロントハウジング4bとは一体に接合され、固定スクロール1と可動スクロール2とを収容するハウジング4を形成している。
固定スクロールの端板1aはケーシング4aに嵌合固定されている。端板1aを境にして、ハウジング4内に吸入室5と吐出室6とが形成されている。
固定スクロールの端板1aの中心に吐出孔1cが形成されている。吐出孔1cは端板1aに取り付けられた吐出弁を介して吐出室6に連通している。
ケーシング4aに形成された図示しない吸入ポートが吸入室5に連通している。吸入ポートは外部冷媒回路の低圧側に接続している。
ケーシング4aに形成された図示しない吐出ポートが吐出室6に連通している。吐出ポートは外部冷媒回路の高圧側に接続している。
吸入室5内に主軸7が配設されている。主軸7はラジアルベアリング8、9を介してフロントハウジング4bに回転可能に支持されている。主軸7の一端はフロントハウジング4bの外部へ突出している。
電磁クラッチ10が、ラジアルベアリング11を介してフロントハウジング4bに回転可能に支持されている。
主軸7の他端に偏心ピン12が固定されている。ブッシュ13が偏心ピン12に摺動可能に外嵌合している。ブッシュ13はラジアルベアリング14を介して可動スクロール2の端板2aの背面に形成されたボス2c内に収容されている。
可動スクロール2とフロントハウジング4bとの間にボールカップリング15が配設されている。
図1、2に示すように、固定スクロールの端板1aのケーシング4aへの嵌合部をシールしてハウジング4の内部を吸入室5と吐出室6とに区画するOリング16が配設されている。Oリング16は、端板1aの周側面に形成された周溝17内に収容されている。
周溝17の吸入室5側の隅部とOリング16とに囲まれて第1流路18aが形成されている。端板1aの周側面の、図上最下部に形成された溝が、第1流路18aを吐出室6の図上最下部に連通させる第2流路18bを形成している。端板1aの周側面の図上最上部に形成された溝が、第1流路18aを吸入室5の図上最上部に連通させる第3流路18cを形成している。
第1流路18aと第2流路18bと第3流路18cとにより、吐出室6から吸入室5へ至るオイル戻し流路18が形成されている
本実施例に係るスクロール型圧縮機においては、図示しない駆動源の動力が電磁クラッチ10を介して主軸7の一端に伝達され、主軸7が回転駆動される。主軸7の回転が偏心ピン12とブッシュ13とにより旋回運動に変換されて可動スクロール2に伝達され、可動スクロール2が旋回運動する。吸入ポートを通って吸入室5へ吸引された冷媒ガスが、作動空間3内に取り込まれる。ボールカップリング15により可動スクロール2の自転が阻止される。
作動空間3が体積を減少させつつ固定スクロール1の中心へ向けて移動し、作動空間3内の冷媒ガスが圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、固定スクロール1の端板1aに形成された吐出孔1cと吐出弁とを介して吐出室6へ吐出し、図示しない吐出ポートを介して外部冷媒回路の高圧側へ流出する。
圧縮後の冷媒から分離され吐出室6の下部に溜まったオイルが、高圧の吐出室6から、オイル戻し流路18を通って、低圧の吸入室5の上部、より具体的には固定スクロールの端板1aのケーシング4aへの嵌合部の上部隙間へ戻され、吸入室5内で分散して、吸入室5内に配設された諸部材の摺動部を潤滑する。
クロール型圧縮機Aが備えるオイル戻し流路18は、Oリング16とOリング収容溝17とにより形成される第1流路18aと、第1流路18aと吐出室6とを連通させる第2流路18bと、第1流路18aと吸入室5とを連通させる第3流18cとにより形成されている。オイル戻し流路18の一部である第1流路18aを、固定スクロールの端板1aの周側面に沿って延在させることにより、オイル戻し流路長を従来に比べて増加させ、オイル戻し流路18の流路抵抗を適正値まで高めることができる。この結果、オリフィスチューブを廃止することができる。
図2に一点鎖線で示すように、第1流路18aの適正な断面積を確保するために、Oリング収容溝17の第1流路18aを形成する部位を掘り込んで当該部位の断面積を拡大させても良い。
端板1aに形成した穴で第2流路18bを構成しても良い。端板1aに形成した穴で第3流路18cを構成しても良い。端板1aと渦巻体1bとに形成した穴で第3流路18cを構成しても良い。
Oリング収容溝17をケーシング4aの内周面に形成しても良い。この場合は、ケーシング4aの内周面に形成した溝又はケーシング4aに形成した穴で、第2流路18b、18cを構成することになる。
第1流路18aは、第2流路18bとの接続部から二股に分かれて第3流路18cとの接続部まで延在しているが、二股に分かれた流路の一方を、Oリング16に付着させた接着剤等により塞いで閉鎖しても良い。
第1流路18aが全通している場合には、第1流路18aの最大長は、固定スクロールの端板1aの外周長さの1/2である(二股の第1流路18aの一方が固定スクロールの端板1aの外周長さの1/2を超えると、他方は前記外周長さの1/2よりも短くなるので、第2流路18bを通って第1流路18aへ流入したオイルは、流路抵抗の小さな他方の第1流路18aを通って第3流路へ流出する)。第2流路18bとの接続部から第3流路18cとの接続部に至る二股の第1流路の一方を接着剤等を用いて閉鎖し、短絡的なオイルの流れを禁止することにより、第1流路18aの最大長を固定スクロールの端板1aの外周長さ近傍値まで延長することができる。
第3流路18cの配設位置は、図1、2の図上最上部に限定されない。
Oリング16とOリング収容溝17とにより第1流路18aを形成するのに代えて、図3に示すように、固定スクロールの端板1aのケーシング4aへの嵌合部をシールしてハウジング4の内部空間を吸入室5と吐出室6とに区画するOリング16を二つ配設し、隣接するOリング16の間で延在する固定スクロールの端板1aの周側面とケーシング4a内周面との間の隙間によって第1流路18a’を形成しても良い。
図3に示すように、固定スクロールの端板1aの周側面にOリング収容溝17’を形成した場合には、ケーシング4a内周面の図上最下部に形成した溝或いはケーシング4aの図上最下部に形成した穴によって第1流路18a’と吐出室6とを連通させる第2流路18b’を構成し、ケーシング4a内周面の図上最上部に形成した溝或いはケーシング4aの図上最上部に形成した穴によって第1流路18a’と吸入室5とを連通させる第3流路18c’を構成する。第2流路18b’と第1流路18a’と第3流路18c’とにより、吐出室6から吸入室5へ至るオイル戻し流路18’を構成する。
図3の構成において、固定スクロールの端板1aの周側面にOリング収容溝17’を形成するのに代えて、ケーシング4aの内周面にOリング収容溝17’を形成しても良い。この場合には、端板1aの周側面の図上最下部に形成した溝或いは端板1aの図上最下部に形成した穴によって第1流路18a’と吐出室6とを連通させる第2流路18b’を構成し、端板1aの周側面の図上最上部に形成した溝或いは端板1aの図上最上部に形成した穴、又は端板1aと渦巻体1bとに形成した穴、によって第1流路18a’と吸入室5とを連通させる第3流路18c’を構成する。
第3流路18c’の配設位置は、図3の図上最上部に限定されない。
第1流路18a’は、第2流路18b’との接続部から二股に分かれて第3流路18c’との接続部まで延在しているが、二股に分かれた流路の一方を、Oリング16や端板1aの周側面に付着させた接着剤等により塞いで閉鎖しても良い。第1流路18a’の最大長を固定スクロールの端板1aの外周長さ近傍値まで延長することができる。
図3の第1流路18a’の流路長を延長したい場合には、図4に示すように、固定スクロールの端板1aのケーシング4aへの嵌合部をシールしてハウジング4の内部空間を吸入室5と吐出室6とに区画するOリング16を三つ以上配設し、隣接するOリング16の間で延在する固定スクロールの端板1aの周側面とケーシング4a内周面との間の隙間によって複数の第1流路18a”を形成しても良い。
固定スクロールの端板1aの周側面にOリング収容溝17”を形成した場合には、ケーシング4a内周面の図上最下部に形成した溝或いはケーシング4aの図上最下部に形成した穴によって、最も吐出室側の第1流路18a”と吐出室6とを連通させる第2流路18b”を形成し、ケーシング4a内周面に形成した溝或いはケーシング4aに形成した穴によって、最も吸入室側の第1流路18a”と吸入室5とを連通させる第3流路18c”を形成し、ケーシング4a内周面に形成した溝或いはケーシング4aに形成した穴によって、互いに隣接する第1流路18a”同士を連通させる第4流路18d”を形成する。
第2流路18b”と第1流路18a”と第4流路18d”と第3流路18c”とにより、吐出室6から吸入室5へ至るオイル戻し流路18”を形成する。
図4の構成において、固定スクロールの端板1aの周側面にOリング収容溝17”を形成するのに代えて、ケーシング4aの内周面にOリング収容溝17”を形成しても良い。この場合には、端板1aの周側面の図上最下部に形成した溝或いは端板1aの図上最下部に形成した穴によって、最も吐出室側の第1流路18a”と吐出室6とを連通させる第2流路18b”を形成し、端板1aの周側面に形成した溝或いは端板1aに形成した穴、又は端板1aと渦巻体1bとに形成した穴によって、最も吸入室5側の第1流路18a’と吸入室5とを連通させる第3流路18c”を形成し、端板1aの周側面に形成した溝或いは端板1aに形成した穴によって、互いに隣接する第1流路18a”同士を連通させる第4流路18d”を形成する。
第3流路18c”、第4流路18d”の配設位置は、図示の位置に限定されない。
第1流路18a”は、吐出室側の流路との接続部から二股に分かれて吸入室側の流路との接続部まで延在しているが、二股に分かれた流路の一方を、Oリング16や端板1aの周側面に付着させた接着剤等により塞いで閉鎖しても良い。第1流路18a’の最大長を固定スクロールの端板1aの外周長さ近傍値まで延長することができる。
上述のオイル戻し流路18、18’、18”の流路抵抗は適正値まで高められているが、勿論オイル戻し流路18、18’、18”の途上にオリフィスチューブを設けることを拒むものではない。この場合、オリフィスチューブを従来に比べて短くできるという利点を生ずる。
本発明は、スクロール型圧縮機に広く利用可能である。
本発明の実施例に係るスクロール型圧縮機の断面図である。 図1の部分拡大図である。 本発明の他の実施例に係るスクロール型圧縮機の、図2に相当する部分拡大図である。 本発明の他の実施例に係るスクロール型圧縮機の、図2に相当する部分拡大図である。
符号の説明
1 固定スクロール
1a 端板
1b 渦巻体
2 可動スクロール
2a 端板
2b 渦巻体
3 作動空間
4 ハウジング
5 吸入室
6 吐出室
16 Oリング
17、17’、17” Oリング収容溝
18、18’、18” オイル戻し流路
18a、18a’、18a” 第1流路
18b、18b’、18b” 第2流路
18c、18c’、18c” 第3流路
18d” 第4流路

Claims (14)

  1. 端板と端板に立設された渦巻体とを有する固定スクロールと、端板と端板に立設され固定スクロールの渦巻体と噛み合って複数の作動空間を形成する渦巻体とを有する可動スクロールと、主軸と、主軸の回転を旋回運動に変換して可動スクロールに伝達する旋回駆動機構と、可動スクロールの自転防止機構と、固定スクロールと可動スクロールと旋回駆動機構と自転防止機構とを収容する空間を内部に形成するハウジングとを備え、固定スクロールの端板はハウジングに嵌合固定され、前記嵌合部をシールしてハウジングの内部空間を吸入室と吐出室とに区画するOリングが配設され、OリングとOリング収容溝とにより形成される第1流路と、第1流路と吐出室とを連通させる第2流路と、第1流路と吸入室とを連通させる第3流路とにより、吐出室から吸入室へ至るオイル戻し流路が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. Oリング収容溝は固定スクロールの端板の周側面に形成されており、第2流路と第3流路とは固定スクロールの端板の周側面に形成された溝又は固定スクロールの端板に形成された穴を有していることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  3. Oリング収容溝はハウジングの内周面に形成されており、第2流路と第3流路とはハウジング内周面に形成された溝又はハウジングに形成された穴を有していることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  4. Oリング収容溝の第1流路を形成する部位の断面積が拡大されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のスクロール型圧縮機。
  5. 端板と端板に立設された渦巻体とを有する固定スクロールと、端板と端板に立設され固定スクロールの渦巻体と噛み合って複数の作動空間を形成する渦巻体とを有する可動スクロールと、主軸と、主軸の回転を旋回運動に変換して可動スクロールに伝達する旋回駆動機構と、可動スクロールの自転防止機構と、固定スクロールと可動スクロールと旋回駆動機構と自転防止機構とを収容する空間を内部に形成するハウジングとを備え、固定スクロールの端板はハウジングに嵌合固定され、前記嵌合部をシールしてハウジングの内部空間を吸入室と吐出室とに区画するOリングが二つ配設され、隣接するOリングの間で延在する固定スクロールの端板の周側面とハウジング内周面との間の隙間によって形成される第1流路と、第1流路と吐出室とを連通させる第2流路と、第1流路と吸入室とを連通させる第3流路とにより、吐出室から吸入室へ至るオイル戻し流路が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  6. Oリング収容溝は固定スクロールの端板の周側面に形成されており、第2流路と第3流路とはハウジング内周面に形成された溝又はハウジングに形成された穴を有していることを特徴とする請求項5に記載のスクロール型圧縮機。
  7. Oリング収容溝はハウジングの内周面に形成されており、第2流路と第3流路とは固定スクロールの端板の周側面に形成された溝又は固定スクロールの端板に形成された穴を有していることを特徴とする請求項5に記載のスクロール型圧縮機。
  8. 第2流路との接続部から第3流路との接続部に至る二股の第1流路の一方が閉鎖されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のスクロール型圧縮機。
  9. 端板と端板に立設された渦巻体とを有する固定スクロールと、端板と端板に立設され固定スクロールの渦巻体と噛み合って複数の作動空間を形成する渦巻体とを有する可動スクロールと、主軸と、主軸の回転を旋回運動に変換して可動スクロールに伝達する旋回駆動機構と、可動スクロールの自転防止機構と、固定スクロールと可動スクロールと旋回駆動機構と自転防止機構とを収容する空間を内部に形成するハウジングとを備え、固定スクロールの端板はハウジングに嵌合固定され、前記嵌合部をシールしてハウジングの内部空間を吸入室と吐出室とに区画するOリングが三つ以上配設され、隣接するOリングの間で延在する固定スクロールの端板の周側面とハウジング内周面との間の隙間によって形成される複数の第1流路と、最も吐出室側の第1流路を吐出室に連通させる第2流路と、最も吸入室側の第1流路を吸入室に連通させる第3流路と、隣接する第1流路を互いに連通させる第4流路とにより、吐出室から吸入室へ至るオイル戻し流路が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  10. Oリング収容溝は固定スクロールの端板の周側面に形成されており、第2流路、第3流路、第4流路はハウジング内周面に形成された溝又はハウジングに形成された穴を有していることを特徴とする請求項9に記載のスクロール型圧縮機。
  11. Oリング収容溝はハウジングの内周面に形成されており、第2流路、第3流路、第4流路は固定スクロールの端板の周側面に形成された溝又は固定スクロールの端板に形成された穴を有していることを特徴とする請求項9に記載のスクロール型圧縮機。
  12. 第2流路との接続部から第4流路との接続部に至る最も吐出室側の二股の第1流路の一方が閉鎖されていることを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載のスクロール型圧縮機。
  13. 吐出室側の第4流路との接続部から吸入室側の第4流路との接続部に至る二股の第1流路の一方が閉鎖されていることを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載のスクロール型圧縮機。
  14. 第4流路との接続部から第3流路との接続部に至る最も吸入室側の二股の第1流路の一方が閉鎖されていることを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載のスクロール型圧縮機。
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