JP2014105692A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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遼太 飯島
Takeshi Tsuchiya
豪 土屋
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Abstract

【課題】
低圧力比における背圧室へ必要な油給油量を確保して信頼性を向上しつつ、高圧力比で油供給の過多を抑制することで効率向上を図るスクロール圧縮機を提供する。
【解決手段】
シャフトを回転自在に支持する軸受と、固定スクロールに対して旋回スクロールの背面側に形成され、旋回スクロールを固定スクロールに押付ける圧力に保たれる背圧室と、シャフト内部に形成された穴を介して密閉容器底部に貯留された冷凍機油を軸受に送る給油ポンプと、軸受に送られた冷凍機油を密閉容器底部に戻すための油戻し流路と、を備えたスクロール圧縮機において、穴により冷凍機油が供給される油供給路と背圧室とを連通することで、油供給路から該背圧室に供給する連通流路が形成されるとともに、油戻し流路に冷凍機油の油圧を制御する油圧制御部を備え、油圧制御部により油供給路の冷凍機油の油圧を圧縮室から吐出される流体の圧力よりも大きくなるよう制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷凍用や空調用などの冷凍サイクルに使用される冷媒圧縮機、或いは空気やその他のガスを圧縮するガス圧縮機として好適なスクロール圧縮機に関する。
スクロール圧縮機は、ロータリ圧縮機等の他の形式と比較して高効率で低振動・低騒音であることから、様々な冷凍空調機器等に使用されている。冷凍空調機器では、近年の省電力化の需要から、実負荷に合わせた運転制御の要求が高まっており、スクロール圧縮機としては、従来の運転範囲としての回転数や圧力比(吐出圧力/吸込圧力)に加えて、特に負荷が小さい場合に対応して低速・低圧力比条件においても高効率・高信頼性で運転可能であることが要求される。
スクロール圧縮機の効率や信頼性に重要な影響を及ぼす因子として、背圧室への給油量が挙げられる。背圧室への給油は、オルダムリングの摺動面潤滑や、油による圧縮室のシール性向上などに寄与するため、幅広い運転条件に対して、適切な量を背圧室へ給油することが要求される。以下に、給油量の適正化に関する従来の構造例を示す。
特許文献1に示された圧縮機では、旋回スクロール背面とフレームとの間にシール部を設けることで、ほぼ吐出圧力に保たれた内側の高圧空間と、中間圧に保たれた外側の背圧空間とを仕切る。そして旋回スクロールのボス部端面に、旋回運動によりシール部をまたぐ位置にポケット穴を設け、このポケット穴が交互に高圧空間と背圧空間とを交互に連通することで中間圧側の背圧室に給油を行う。この給油方法によれば、理想的には給油量が回転数にほぼ比例して増加し、背圧室への給油量は溝の容積や個数によって容易に適正化できるとされる。
特許文献2に示された圧縮機は、特許文献1と同様にシール部により旋回軸受を潤滑した高圧の油が貯留する空間と中間圧の背圧室とを分離した構造を採用している。そして、旋回スクロールに、これら2つの空間が常時連通するような貫通穴を複数設け、貫通穴前後の差圧によって給油を行う。これによれば、給油量は差圧によってほぼ決まるため、回転数の変動による給油量の変動を抑制することができるとされる。
特開2003−176794号公報 特開2005−248772号公報
スクロール圧縮機の高効率化、高信頼性化のためには、幅広い回転数、圧力比の範囲において、背圧室への給油量を適正化することが重要であるが、近年さらなる運転範囲の拡大が求められる中、上記した従来の構造に対しては背圧室への給油量適正化について改良の余地がある。
例えば、特許文献1では、旋回運動によってポケット穴がシール部をまたいで背圧室へ給油を行うため、回転数が増加すると単位時間当たりの給油回数が増加し、給油量が増加する。すると低速でも摺動部が焼き付かない程度の給油量を確保するためには、ポケット穴の容積拡大や個数増加を施す必要があり、これにより高速運転時に背圧室への給油量が過剰に多くなる。高温の油が過剰に給油されると、吸込室の過熱による圧縮機効率の低下や、圧縮室に過剰な油が供給されるため攪拌損失の増大を招くので、やはり圧縮室効率が低下する虞がある。また圧縮機外への油流出量(オイルレート)も増加するため、熱交換器の効率低下など冷凍サイクル全体としての効率低下を招く虞がある。
特許文献2では差圧による給油を行うため、回転数が大きく変動しても給油量が変動しにくく、より安定した給油が可能となる。しかしながら、差圧の変動に対しては給油量が大きく変わるものであり、低圧力比の運転状態において差圧がなくなれば背圧室への供給ができなくなるため、摺動部の潤滑ができず圧縮機の信頼性低下を招く虞がある。
そこで本発明の目的は、低圧力比における背圧室へ必要な油給油量を確保することで信頼性を向上しつつ、高速運転においても油供給が過多となるのを抑制することで効率向上を図るスクロール圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
「底部に冷凍機油を貯留する密閉容器内に、固定側板部と、該固定側板部の一面に渦巻き形状を保持して立設される固定側ラップと、を有する固定スクロールと、旋回側板部と、該旋回側板部の一面に渦巻き形状を保持して立設される旋回側ラップと、を有し、前記固定側ラップと前記旋回側ラップとが噛み合いながら、前記固定スクロールに対して旋回することにより圧縮室を形成する旋回スクロールと、前記旋回スクロールをシャフトを介して回転駆動させる電動機と、前記シャフトを回転自在に支持する軸受と、前記固定スクロールに対して前記旋回スクロールの背面側に形成される背圧室と、前記シャフト内部に形成された穴を介して前記密閉容器底部に貯留された冷凍機油を前記軸受に送る給油ポンプと、前記軸受に送られた冷凍機油を前記密閉容器底部に戻すための油戻し流路と、を備えたスクロール圧縮機において、前記穴により冷凍機油が供給される油供給路と前記背圧室とを連通することで、前記油供給路から該背圧室に供給する連通流路が形成されるとともに、前記油戻し流路に冷凍機油の油圧を上昇させる油圧制御部を備えたことを特徴とするスクロール圧縮機」である。
本発明によれば、低圧力比における背圧室へ必要な油給油量を確保することで信頼性を向上しつつ、高速運転時においても油供給が過多となるのを抑制することで効率向上を図るスクロール圧縮機を提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1における圧縮機の縦断面図。 コイルバネを用いた油圧制御弁の断面図。 実施例2の油圧制御弁の採用/不採用の場合の給油量特性の比較。 実施例2を示す図であって、リード弁を用いた油圧制御弁の縦断面図。 実施例3を示す図であって、(a)は油の流量が少なく、弁が閉じている時、(b)は流量が増加して弁が開いたときを表す。 実施例3、4において、油流量と昇圧量の関係を示すグラフ。 実施例4を示す図であって、油圧制御弁の縦断面図。 実施例5を示す図であって、油圧制御弁の縦断面図。 実施例5において、油流量と昇圧量の関係を示すグラフ。 実施例6を示す図であって、油圧制御弁の縦断面図。 実施例7における圧縮機の縦断面図。
以下、実施例について、図面を用いて説明する。
本発明の実施例1について図面を用いて説明する。まず、スクロール圧縮機の基本的な構造について説明する。
図1は本発明の第1の実施例を示すスクロール圧縮機の縦断面図である。図に示すように、固定スクロール(固定スクロール部材)7は、円板状の固定側板部7a(台板)と、この固定側板部7aの一面に渦巻き形状を保持して立設された固定側ラップ7bとを有する。固定側板部7aの外周側に位置する筒状の固定支持部7dは、固定側ラップ7bの先端面と連続する固定スクロール下面部7e(鏡板面)を有しており固定側ラップ7bを囲むような構成となっている。この固定スクロール下面部7e(鏡板面)は、固定支持部7dが旋回スクロール(旋回スクロール部材)8の旋回スクロール上面部8e(鏡板面)と接する面である。
固定側ラップ7bが立設された固定側板部7aの表面は、固定側ラップ7bの間にあるため固定側歯底7cと呼ばれる。固定スクロール7は、その固定支持部7dがボルト等によりフレーム17に固定され、固定スクロール7と一体となったフレーム17は溶接等の固定手段によりケース(密閉容器)9に固定されている。
旋回スクロール8は、固定スクロール7に対向して配置され、固定スクロール7の固定側ラップ7bと旋回スクロールの旋回側ラップ8bとが噛み合わされて、フレーム17内に旋回可能に設けられ、固定スクロール8に対して旋回することにより圧縮室13を形成する。旋回スクロール8は、円板状の旋回側板部8a(鏡板)、この旋回側板部8aの表面である旋回側歯底8cから立設され、渦巻き形状を保持して立設された旋回側ラップ8b、及び旋回側板部8aの背面側の中央部に設けられたボス部8dとを有する。また上記したように旋回スクロール8の旋回スクロール上面部8e(鏡板面)は、旋回側板部8aの外周部の固定スクロール7の固定スクロール下面部7e(鏡板面)と接する面である。
ケース9(密閉容器)は、固定スクロール7と旋回スクロール8からなるスクロール部、モータ部16(16a:回転子、16b:固定子)などを内部に収納したケース構造となっており、スクロール部に潤滑油である冷凍機油が供給される構成となっている。モータ部16の回転子16aと一体に固定されたシャフト(回転軸)10は、フレーム17に主軸受5を介して回転自在に支持され、固定スクロール7の中心軸線と同軸となっている。
シャフト10の先端にはクランク部10aが設けられており、このクランク部10aは旋回スクロール8のボス部8dに設けられた旋回軸受11に挿入され、旋回スクロール8はシャフト10の回転に伴い旋回可能に構成されている。旋回スクロール8の中心軸線は固定スクロール7の中心軸線に対して所定距離だけ偏心した状態となる。また、旋回スクロール8の旋回側ラップ8bは、固定スクロール7の固定側ラップ7bに周方向に所定角度だけずらして重ね合わせられている。オルダムリング12は、旋回スクロール8を固定スクロール7に対して、自転しないように拘束しながら相対的に旋回運動させるための機構である。
モータ部16(電動機)によりシャフト10を回転駆動すると、シャフト10のクランク10aから旋回軸受11を介して旋回スクロール8が駆動し、旋回スクロール8は固定スクロール7の中心軸線を中心に、所定距離の旋回半径をもって旋回運動する。この旋回軸受11はシャフト10を回転自在に支持する。この旋回運動時に旋回スクロール8が自転しないように、オルダムリング12によって拘束される。また、旋回運動によってシャフト10に働く不均衡力を打ち消すため、バランスウェイト40が、モータ部16上方にシャフト10と一体で回転するように取り付けられる。
旋回スクロール8の旋回運動によって、固定側ラップ7bと旋回側ラップ8bとの間にできる圧縮室13は中央に連続的に移動し、その移動に従って圧縮室13の容積が連続的に縮小する。これにより、吸込ポート14から吸込まれた流体(例えば、冷凍サイクルを循環する冷媒ガス)を各圧縮室13内で順次圧縮し、圧縮された流体は吐出ポート15からケース上部の吐出空間54に吐出される。吐出された流体は、吐出空間54からケース9内のモータ室52に入り、吐出パイプ6から圧縮機外、例えば冷凍サイクルに供給される。
冷凍機油はケース9の底部に貯留されており、シャフト10の下端には容積型または遠心式の給油ポンプ21を設けている。シャフトの回転に連動して給油ポンプ21も回転し、冷凍機油を給油ポンプケース22に設けた冷凍機油吸込口から吸入して、給油ポンプの吐出口28から吐出する。吐出された冷凍機油はシャフトに設けた穴3(貫通穴)を通り、シャフト10のクランク10a上部へ供給された後、クランク10aに設けた油溝57を通って旋回軸受11を潤滑する。
ここで、上記したように圧縮室13内で圧縮された流体は吐出ポート15からケース上部の吐出空間54に吐出された後、モータ室52に入り、吐出パイプ6から圧縮機外に吐出されるが、このモータ室52とケース9下部の油溜まり53とは連通した空間となっているため、油溜まり53も吐出圧力に近い高圧圧力となる。また油溜まり53と連通するシャフト10内の穴3や油溝57、旋回軸受11で形成される空間や、主軸受5を収める空間(フレーム17、シャフト10、フレームシール56、旋回スクロール8のボス部8dのつば部で形成された空間)も同様に高圧圧力となる。これらの吐出圧力と近い圧力に保たれ冷凍機油が充満している空間を以降においては高圧側空間と呼ぶ。
フレーム17に円形に設けられた溝には環状のシールリング60が設けられ、給油ポンプ21汲み上げ後の高圧側空間と、外側の背圧室18とを仕切る。この背圧室28は高圧側空間より低圧で吸込圧力よりも高圧の中間圧に保たれている。つまり背圧弁61にばねにより一定の力が背圧室側に付勢されることにより、背圧室18の圧力(背圧)は吸込ポート14の圧力である吸込圧力に一定のばね力を加えた値にほぼ保たれる。背圧は、圧縮室13の圧力に対抗して旋回スクロール8を固定スクロール7に押しつけるために必要な圧力であり、背圧が低すぎると旋回スクロール8が離脱して正常な圧縮ができなくなる。一方、背圧が高すぎると押し付け力が過大となって摺動損失が大きく増加し、圧縮機の効率が低下する。
旋回スクロール8のボス部8d端面には径方向に給油溝62が設けられ、給油溝によって高圧側空間と背圧室18とが連通する。これにより旋回軸受11を潤滑した油の一部は、給油溝62を経由して常時または間欠的に差圧によって背圧室18へと給油される。差圧による給油方式を採用することによって、高速運転時において過剰な給油による効率低下やオイルレート増大を抑制することができる。背圧室18へ給油された油は、オルダムリング12等の摺動面を潤滑した後、背圧弁61を通じて吸込ポート14に給油され、固定スクロール7と旋回スクロール8の摺動面を潤滑する。また、摺動面にできる隙間に粘度の高い油が流入することによって、冷媒が隙間から漏洩するのを抑制する役割も果たし、これにより冷媒の圧縮効率を向上させることができる。
図1ではボス部8d端面を給油溝62が貫通し、高圧側空間と背圧室18とが常時連通する構造を示しているが、給油溝62を貫通させず、高圧側空間と背圧室18のどちらか一方と給油溝62の開口部とが旋回運動によって間欠的に連通する構造としても良い。一方で、旋回軸受11を潤滑し、背圧室18に給油されなかった残りの大部分の油は旋回軸受11下方へ落下し、主軸受5を潤滑した後、排油パイプ26によってフレーム17の外部へと誘導される。本実施例では、油排出経路として排油パイプ26を用いているが、必ずしも排油パイプを用いる必要はなく、油溜まり53への流路が形成されていればよい。本実施例では排油パイプ26の出口側の開口部(下端部)は圧縮機下方の油溜まり53の中またはその液面付近に設けられる。ここで、給油ポンプ21から排油パイプ26出口までの間に給油経路として形成される高圧側空間は、背圧室18へ連通する微小な給油溝62や、フレームシール56とシャフト10の間の微小な隙間等を除いて他の空間からは仕切られており、密閉性は高い。
また、給油溝62を用いて背圧室18への給油を高圧側空間と背圧室18との差圧によって行う構造では、低速運転時にも背圧室への給油量が確保可能であるという反面、差圧が小さくなると背圧室への給油量が低下する問題があった。なお、背圧室18の背圧を低くすれば、給油量を増加させることはできるが、上記したように背圧室18の背圧は旋回スクロール8を固定スクロール7に押しつけるために必要な圧力に保たれている。したがって、給油量を変える目的で背圧を変更させれば、背圧が低すぎて正常な圧縮ができない、あるいは逆に背圧が高すぎて圧縮効率の低下を招くという問題が生じるため、このような背圧変更はできない。
すると、低圧力比の運転状態において高圧側空間と背圧室18との差圧がなくなれば背圧室へ給油ができなくなり、摺動部の潤滑ができなくなることからスクロール圧縮機の信頼性低下を招く虞がある。この問題を解決する方法として、高圧側空間の油圧を吐出圧力よりもさらに昇圧させることが考えられる。しかしながら、給油圧の増加は給油ポンプ21の動力増加を引き起こし、特に給油ポンプ21の吐出量が増大する高速回転域において、圧縮機の効率を低下させる損失となる。
そこで本実施例においては、高速運転時において過剰に給油圧を上昇させないことで給油ポンプ21による損失を抑制しつつ、低圧力比の運転状態においても背圧室への給油量が確保可能となるように、排油パイプ26に油溜まり53と仕切るための油圧制御弁70を設けたものである。以下、この油圧制御弁70について説明する。
図2は油圧制御弁70の詳細な構造例について説明するための図である。本実施例の油圧制御弁70は、弁体70aとコイルバネ70bと固定リング70cにより構成される。コイルバネ70bの一方の端は固定リング70cを挟むように配置され、もう一方の端は弁体70aを挟むように配置される。図2においては明示されていないが、固定リング70cは上方向から見るとその断面形状がC型になるように切れ目が入っており、内側には凹凸が設けられ、内径の最小部分は排油パイプ26よりもわずかに大きい。この固定リング70cを排油パイプ26に通し、固定リング70cに外側から力を加えてリングを絞り、塑性変形によって固定リング70cと排油パイプ26とを固定する。また、コイルバネ70bと固定リング70cとは、固定リング70cの切れ目にフック状の構造を設け、互いに引っかかるようにして固定する。
コイルバネ70bの固定位置は、コイルバネ70bを固定リング70cと固定した状態で、自然長のコイルバネ70bの下端が排油パイプ26の下端面よりも上側に位置するようにする。これによりコイルバネ70bの下端に接続した弁体70aが上側方向に付勢されるため、排油パイプ26の下端面と接触し、これにより排油パイプ26の流路を閉じることが可能となる。
次に給油ポンプ21により油溜まりから冷凍機油が穴3を通って上部に供給され、旋回軸受11や主軸受5を潤滑した後に排油パイプ26を上側から下側に向かって流れると、油圧制御弁70により流路が閉じられているため、冷凍機油の油圧が弁体70aを押し下げるだけの圧力まで上昇しないと、排油パイプ26から流れ出ることができない。
すなわち、油圧制御弁70を設けたことにより、給油ポンプ21から油圧制御弁70に至るまでの冷凍機油が充満した高圧側空間の圧力を油圧制御弁70による差圧分だけ大きくすることができる。つまり、高圧側空間の圧力は上記したように圧縮室13からの吐出圧力とほぼ同一であったことから、高圧側空間の圧力を圧縮室13からの吐出圧力に加え、弁体70aを開くのに必要な圧力分だけ大きくすることになる。
以上に説明したように本実施例のスクロール圧縮機は軸受(旋回軸受11、主軸受5)に送られた冷凍機油を密閉容器の底部(油溜まり53)に戻すための油戻し流路(排油パイプ26)を備え、シャフト内部の穴3により冷凍機油が供給される油供給路(穴3、油溝57)と背圧室18とを連通することで、油供給路(穴3、油溝57などから形成される高圧側空間)から背圧室18に供給する連通流路(給油溝62)が形成される。そのうえで、油戻し流路(排油パイプ26)に冷凍機油の油圧を制御する油圧制御部(油圧制御弁70)を備え、油圧制御部(油圧制御弁70)により、油供給路(穴3、油溝57などから形成される高圧側空間)の冷凍機油の油圧を圧縮室13から吐出される流体の圧力よりも大きくなるように制御する。
これにより、給油溝62前後の差圧が圧縮室13からの吐出圧力と背圧との差よりも大きくなり、吐出圧力と背圧の差が小さくなる低圧力比条件においても、背圧室18への適正な給油量を確保することができる。
ここで排油パイプ26を通過する油の流量は、給油ポンプ21の給油量によってほとんど決まるため、高速運転においては流量が大きく増加する。このとき、排油パイプ26の開口部が微小な固定穴などによって絞られていると、絞りによる差圧はおよそ流量の2乗に比例するため、高速運転時に給油経路全体の圧力が大きく増加し、給油ポンプ21の動力損失が増加してしまう。
これに対して本実施例では、上記した通り排油パイプ26出口で差圧を設けるようにするために、油圧制御部(油圧制御弁70)によって、油供給路(高圧側空間)から密閉容器底部(油溜まり53)への冷凍機油の流路の開度を小さくすることで、油供給路(高圧側空間)の冷凍機油の油圧を大きくする。より具体的には、油戻し流路の開閉を行う開閉部材(弁体70a)を弾性部材(コイルバネ70b)により引っ張ることで油戻し流路(排油パイプ26)の下端部を閉止するものである。
そして油圧制御部(油圧制御弁70)は、油供給路(高圧側空間)の冷凍機油の油圧が所定の大きさを超えると流路の開度を大きくすることにより、油供給路(高圧側空間)から密閉容器底部(油溜まり53)へ冷凍機油を戻す。より具体的には、油圧制御部(油圧制御弁70)は、油戻し流路(排油パイプ26)に固定される弾性部材(コイルバネ70b)と、該弾性部材(コイルバネ70b)と接続し油戻し流路(排油パイプ26)の開閉を行う開閉部材(弁体70a)と、を備えている。そして油供給路(高圧側空間)の冷凍機油の油圧により開閉部材を押す力(弁体70a)が弾性部材(コイルバネ70b)により開閉部材(弁体70a)を引っ張る力よりも大きくなった場合に、開閉部材(弁体70a)により油戻し流路(排油パイプ26)の開度を大きくすることにより、油供給路(高圧側空間)から密閉容器底部(油溜まり53)へ冷凍機油を戻す。
また、油圧制御部(油圧制御弁70)は、油供給路(高圧側空間)の冷凍機油の油圧が上記した所定の大きさよりも大きくなった場合に、流路の開度をさらに大きくする。より具体的には、高速運転により流量が増加した場合、油供給路(高圧側空間)の冷凍機油の油圧により開閉部材を押す力(弁体70a)がさらに大きくなるため、弾性部材(コイルバネ70b)により開閉部材(弁体70a)を引っ張る力との差がさらに大きくなり、開閉部材(弁体70a)による油戻し流路(排油パイプ26)の開度がさらに大きくなる。つまり、開閉部材(弁体70a)は油戻し流路(排油パイプ26)の下端部とさらに離れることになる。
このように本実施例では、流量が増大して油供給路(高圧側空間)の冷凍機油の油圧が上昇した場合に、油戻し流路(排油パイプ26)の開度を大きくするようにしているため、この分だけ油供給路(高圧側空間)の冷凍機油の油圧が上昇し過ぎることを抑えることができる。
なお、図2のようなコイルバネ70bを用いた油圧制御部(油圧制御弁70)によれば、開閉部材(弁体70a)による開度が差圧にほぼ比例する構造となり、差圧の増加は流量の増加に応じて上昇する。なお、開口面積が固定された絞りによる差圧は流量の増加の約2乗に比例して増加するが、上記した図2の構造によればこの絞りによる差圧に比べて緩やかに差圧が増加することになる。したがって、高速運転時の油供給路(高圧側空間)圧力を抑制し、給油ポンプ21の動力損失を低減できるとともに、背圧室への過剰な冷凍機油の供給を抑制可能となる。
図3は本実施例の油圧制御弁70を採用した時の背圧室への給油量特性の計算結果について、油圧制御弁70を採用しない場合と比較する図である。何れの場合も、給油溝62により旋回軸受潤滑後の油供給路(高圧側空間)と背圧室18とが常時連通する場合を示している。グラフの横軸は圧縮室13からの吐出圧力と背圧の差であり、油圧制御弁70を採用しない場合においては、これは給油溝62前後の差圧(油供給路(高圧側空間)と背圧との差圧)にほぼ等しい。図3に示すように油圧制御弁70を採用しない場合は、吐出圧力と背圧との差がほとんど無くなると、給油量はほぼ0となってしまうため、圧縮機の効率低下や信頼性を損なうという問題がある。
これに対して、本実施例の油圧制御弁70を採用した場合には、油供給路(高圧側空間)の圧力は吐出圧力よりも昇圧されるため、横軸の値に昇圧分を足したものが背圧室18への給油圧となる。従って、本実施例による給油量のグラフは油圧制御弁70を採用しない場合に対して左にシフトしたものとなる。ただし、単純に油圧制御弁70を採用しない場合に対して給油圧を昇圧すると、今度はもともと給油量が十分であった高圧力比側において給油量が過多となる虞がある。
そこで本実施例の油圧制御弁70は上記したように、高速運転により流量が増加した場合には、開閉部材(弁体70a)による油戻し流路(排油パイプ26)の開度がさらに大きくなるように構成したことで、高圧力比側において給油量が過多となるのを抑制したものである。なお、この油圧制御弁70の構成とともに、給油溝62の絞り形状を調整することで、油圧制御弁70を採用していない場合の給油量固定点と示した点での給油量に一致させることが可能である。
この図3のグラフに示すように吐出圧力と背圧との差がほぼ無くなった場合における給油量に大きな差が生じていることが分かる。したがって本実施例によれば、低圧力比条件における背圧室18へ必要な油給油量を確保することで信頼性を向上しつつ、高圧力比においても油供給が過多となるのを抑制することで効率向上を図るスクロール圧縮機を提供することが可能となる。
本発明の実施例2について、図面を用いて説明する。なお、実施例1と同一の符号についてはその説明を省略する。
図4は本実施例のスクロール圧縮機の構造上の特徴を示しており、実施例1の構造に対して、油圧制御弁70にリード弁を用いた点にある。固定部品70dは、排油パイプ26の外径よりわずかに小さい穴とそれに直交する穴を設けられ、排油パイプ26に圧入して固定する。また、弾性変形する薄い板ばね70eと、この板ばね70eの規定値以上の変形を抑制するリテーナ70fを固定部品70dと重ねて固定する。そして、排油パイプ26の開口部と反対側の端をボルト70gで固定し、固定部品70dの排油パイプ26と反対側の開口部を板ばね70eで閉塞する。
このように構成された油圧制御弁70は、板ばね70eが図4に示す位置にある状態において、排油パイプ26の冷凍機油の流路を閉止しており、排油パイプ26内の冷凍機油の流量が増大し油圧が上昇すると徐々に右側に移動し、リテーナ70fは板ばね70eが移動する最大限度の位置を決めるものである。このリテーナ70fがないと板ばね70eが元の状態に戻らなくなる虞があるためである。
以上の通り本実施例の油圧制御部(油圧制御弁70)は、油戻し流路(排油パイプ26)の開閉を行う弾性の開閉部材(板ばね70e)を備え、油供給路(高圧側空間)の冷凍機油の油圧により開閉部材(板ばね70e)を押す力が弾性の開閉部材(板ばね70e)による油戻し流路(排油パイプ26)を閉じる方向へ働く力よりも大きくなった場合に、油戻し流路(排油パイプ26)の開度を大きくすることにより、油供給路(高圧側空間)から密閉容器底部(油溜まり53)へ冷凍機油を戻すものである。
この構造により、板ばね70eに働く差圧に対して近似的に比例するように油圧制御弁70の開口面積(開度)が増加するため、実施例1とほぼ同等の効果が得られ、低圧力比条件においても十分な給油量を確保しつつ、高圧力比側でも給油量が過多とならないスクロール圧縮機を提供することが可能となる。
本発明の実施例3について、図面を用いて説明する。なお、実施例1と同一の符号についてはその説明を省略する。
図5は本実施例のスクロール圧縮機の構造を示しており、実施例1との構造的な差異は、排油パイプ26の油圧制御弁70取り付け開口部とは別の位置に排油穴26aを設けたことである。つまり、油戻し流路(排油パイプ26)に、油供給路(高圧側空間)と密閉容器底部(油溜まり53)とを常時連通する連通穴(排油穴26a)が設けられたものである。
これにより、モータ16の回転数が低く、油の流量が十分に小さいときは、排油穴26a流出時の差圧は弁体70aが開くのに必要な差圧よりも小さいため弁は開かず、油は排油穴26aからのみ排出される。一方、回転数が増加して流量が大きくなると、排油穴26aにおける差圧が油圧制御弁70を開くのに十分な大きさとなり、油は弁の開口部と排油穴26aの両方から排出される。流量が十分に大きければ排油穴26aからの流出量は相対的に無視でき、近似的に第1の実施例と同様、給油圧の昇圧量は流量の増加に応じて緩やかに増加するものである。
図6は
図5で示した排油穴26aを備えた場合と、排油穴26aを備えていない場合との圧縮機回転数と給油圧の昇圧量との関係を示す図である。圧縮機回転数が増加すれば、給油ポンプ21の吐出量も上昇し、油圧制御弁70における差圧である給油圧の昇圧量も大きくなる。実施例1では、排油穴26aを備えていない油圧制御弁70によって、高圧側空間の冷凍機油の油圧を上昇させ低圧力比運転においても背圧室18への差圧給油を可能とするものであった。
しかし、低速運転時は高速時に比べて必要な給油量が少ないため、低速域においても高速域と同様に給油圧を上昇させると、背圧室18への給油量が過剰となって、吸込冷媒の過熱等により圧縮機効率を大きく低下させる虞がある。そこで本実施例では、排油穴26aと油圧制御弁の弁体70aの付勢力との関係を調整することで、低速運転において給油量が過剰とならないように減少させるように調整するものである。つまり実施例1の構造では低速運転において弁体70aが閉じていると、油供給路(高圧側空間)の圧力上昇が大き過ぎるような場合に、本実施例の構成を採用することで、低速運転において給油量が過剰となることを抑制することができる。
より高速域で給油ポンプ21の過剰な動力損失及び過剰な給油を抑制しつつ、低圧力比運転において必要な給油量を確保する点は実施例1と同様であるが、本実施例によればより幅広い運転範囲において、高効率、高信頼性を有するスクロール圧縮機を提供できる。
本発明の実施例4について、図面を用いて説明する。なお、実施例1と同一の符号についてはその説明を省略する。
図7は本実施例のスクロール圧縮機の構造を示しており、実施例3の変形例である。図7において排油穴を排油パイプ26ではなく、70hとして示したように弁体70aに設けたものである。油圧制御部(油圧制御弁70)に、油供給路(高圧側空間)と密閉容器底部(油溜まり53)とを常時連通する連通穴(排油穴70h)が設けられたものである。これにより、特に弁体を金型によって製造する場合、排油パイプ26に全貫通しないように穴を設けるよりも容易に製造可能な上、実施例3と同様の効果を得ることができる。
本発明の実施例5について、図面を用いて説明する。なお、実施例1と同一の符号についてはその説明を省略する。
図8は本実施例のスクロール圧縮機の構造を示しており、実施例1との構造的な差異は、弁体70aの排油パイプ26側中心部が突出しており、排油パイプ内に挿入されていることと、排油パイプ26には一つまたは複数の排油穴が設けられ、そのうち少なくとも一つは、弁が全閉であるとき、排油パイプ26内に挿入された弁体70aによって閉塞される位置に設けられていることである。図8には、第1の排油穴26a及び第2の排油穴26bの二つが設けられた場合を示している。
すなわち、本実施例のスクロール圧縮機は、油戻し流路(排油パイプ26)に、油供給路(高圧側空間)と密閉容器底部(油溜まり53)とを常時連通する第1の連通穴(排油穴26a)と、油圧制御部(油圧制御弁70)により流路の開度が所定の開度より大きくなった場合に油供給路(高圧側空間)と密閉容器底部(油溜まり53)とを連通する第2の連通穴(排油穴26b)と、が設けられたものである。
図9は図6と同様に圧縮機の回転数と昇圧量の関係を示す図である。グラフに示されているように、排油穴26a、26bを複数設けたことによって、弁体70aが押し下がるにつれて段階的に排油する開口面積が増加し、段階的に流量と圧力の関係が変化する。従って、排油穴の数や位置、大きさを調整することによって、低速における流量と昇圧量の関係をより細かく制御することが可能となり、幅広い運転範囲において、高効率、高信頼性を有するスクロール圧縮機を提供できる。
また、排油穴は複数設けるのではなく、長い穴を排油パイプ26長手方向に沿って形状を変えながら設けてもよい。この場合、図9に示した段階的に変化するグラフではなく、より滑らかなグラフが得られ、より精密な昇圧量制御が可能となる。
本発明の実施例6について、図面を用いて説明する。なお、実施例1と同一の符号についてはその説明を省略する。
図10は本実施例のスクロール圧縮機の構造を示しており、実施例5の変形例である。構造的な差としては、図10に示すように排油パイプ26に排油穴を設けることなく、油圧制御弁の弁体70aの排油パイプ挿入部の直径を段階的に減少させた第1の段差部70d及び第2の段差部70eを設けたことにある。この構造によれば、油の流量増加により弁体70aが押し下げられていくと、初めは第1の段差部70dと排油パイプ26の内径で形成される面が絞りとなり、さらに弁体70aが押し下げられると、第2の段差部70eと排油パイプ26の内径で形成されるより広い面が絞りとなる。
つまり本実施例の油圧制御部(油圧制御弁70)は、油戻し流路(排油パイプ26)に固定される弾性部材(コイルバネ70b)と、弾性部材(コイルバネ70b)と接続し油戻し流路(排油パイプ26)の開閉を行う開閉部材(弁体70a)と、を備えている。そして、開閉部材(弁体70a)は、油供給路(高圧側空間)の冷凍機油の油圧により開閉部材(弁体70a)を押す力が弾性部材(コイルバネ70b)により開閉部材(弁体70a)を引っ張る力よりも大きくなるほど、油戻し流路(排油パイプ26)から離れるように構成されるとともに、油戻し流路(排油パイプ26)から離れるほど、油供給路(高圧側空間)から密閉容器底部(油溜まり53)へ戻す冷凍機油の量が大きくなるように構成されたものである。
従って、第1の段差部70d及び第2の段差部70eと、油戻し流路(排油パイプ26)との大きさの関係を調整することにより、低圧力比の運転状態において背圧室18に必要な給油量に応じて、図9に示したものと同様に、より細かく制御することが可能となる。
本発明の実施例7について、図面を用いて説明する。
図11は本実施例のスクロール圧縮機の構造を示しており、実施例1との構造的な差は、副軸受23へ給油を行う横穴24が設けられたことにある。この構造では、圧縮機底部に貯留する油の高さは副軸受23まで到達する必要が無く、圧縮機への油の封入量を少なくすることができるため、オイルレートを低減できる。この場合、給油ポンプ21により汲み上げられた油の排出先は、背圧室と排油パイプ26の他に、副軸受23も該当するため、油圧制御弁70により給油圧が昇圧されると、副軸受23への給油量も増加する。このような場合においても、副軸受の給油経路24における流路断面積を背圧室への給油溝と比較してほぼ同等のオーダー若しくはそれ以下とすることで、第1〜6の実施例と同様に、背圧室18への給油溝62の高圧側空間圧力を吐出圧力よりも上昇させ、低圧力比条件においても背圧室への給油量を十分確保することができる。
3 穴
5 主軸受
6 吐出パイプ
7 固定スクロール(7a:固定側板部(台板)、7b:固定側ラップ、7c:固定側歯底、7d:固定支持部、7e:固定スクロール下面部(鏡板面))
8 旋回スクロール(8a:旋回側板部(鏡板)、8b:旋回側ラップ、8c:旋回側歯底、8d:ボス部、8e:旋回スクロール上面部(鏡板面))
9 ケース(密閉容器)
10 シャフト(回転軸)(10a:クランク部)
11 旋回軸受
12 オルダムリング
13 圧縮室
14 吸込ポート
15 吐出ポート
16 モータ部(16a:回転子、16b:固定子)
17 フレーム
18 背圧室
21 給油ポンプ
22 給油ポンプケース
23 副軸受
24 横穴
26 排油パイプ(26a:排油穴、26b:第二の排油穴)
28 給油ポンプ吐出口
40 バランスウェイト
52 モータ室
53 油溜り
54 吐出空間
56 フレームシール
57 油溝
60 シールリング
61 背圧弁
62 給油溝
70 油圧制御弁(70a:弁体、70b:コイルバネ、70c:固定リング、70d:固定部品、70e:板ばね、70f:リテーナ、70g:ボルト)

Claims (8)

  1. 底部に冷凍機油を貯留する密閉容器内に、
    固定側板部と、該固定側板部の一面に渦巻き形状を保持して立設される固定側ラップと、を有する固定スクロールと、
    旋回側板部と、該旋回側板部の一面に渦巻き形状を保持して立設される旋回側ラップと、を有し、前記固定側ラップと前記旋回側ラップとが噛み合いながら、前記固定スクロールに対して旋回することにより圧縮室を形成する旋回スクロールと、
    前記旋回スクロールをシャフトを介して回転駆動させる電動機と、
    前記シャフトを回転自在に支持する軸受と、
    前記固定スクロールに対して前記旋回スクロールの背面側に形成される背圧室と、
    前記シャフト内部に形成された穴を介して前記密閉容器底部に貯留された冷凍機油を前記軸受に送る給油ポンプと、
    前記軸受に送られた冷凍機油を前記密閉容器底部に戻すための油戻し流路と、
    を備えたスクロール圧縮機において、
    前記穴により冷凍機油が供給される油供給路と前記背圧室とを連通することで、前記油供給路から該背圧室に供給する連通流路が形成されるとともに、
    前記油戻し流路に冷凍機油の油圧を上昇させる油圧制御部を備えたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、
    前記油圧制御部は、
    前記油供給路から前記密閉容器底部への冷凍機油の流路の開度を小さくすることにより、前記油供給路の冷凍機油の油圧を大きくし、
    前記油供給路の冷凍機油の油圧が所定の大きさを超えると前記流路の開度を大きくすることにより、前記油供給路から前記密閉容器底部へ冷凍機油を戻し、
    前記油供給路の冷凍機油の油圧が前記所定の大きさよりも大きくなった場合に、前記流路の開度をさらに大きくすることを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記油圧制御部は、
    前記油戻し流路に固定される弾性部材と、該弾性部材と接続し前記油戻し流路の開閉を行う開閉部材と、を備え、
    前記油供給路の冷凍機油の油圧により前記開閉部材を押す力が前記弾性部材により前記開閉部材を引っ張る力よりも大きくなった場合に、前記開閉部材により前記油戻し流路の開度を大きくすることにより、前記油供給路から前記密閉容器底部へ冷凍機油を戻すことを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記油圧制御部は、
    前記油戻し流路の開閉を行う弾性の開閉部材を備え、
    前記油供給路の冷凍機油の油圧により前記開閉部材を押す力が前記弾性の開閉部材による前記油戻し流路を閉じる方向へ働く力よりも大きくなった場合に、前記油戻し流路の開度を大きくすることにより、前記油供給路から前記密閉容器底部へ冷凍機油を戻すことを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記油戻し流路に、前記油供給路と前記密閉容器底部とを常時連通する連通穴が設けられたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  6. 請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記油圧制御部に、前記油供給路と前記密閉容器底部とを常時連通する連通穴が設けられたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  7. 請求項2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記油戻し流路に、
    前記油供給路と前記密閉容器底部とを常時連通する第1の連通穴と、
    前記油圧制御部により前記流路の開度が所定の開度より大きくなった場合に前記油供給路と前記密閉容器底部とを連通する第2の連通穴と、
    が設けられたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  8. 請求項2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記油圧制御部は、
    前記油戻し流路に固定される弾性部材と、該弾性部材と接続し前記油戻し流路の開閉を行う開閉部材と、を備え、
    前記開閉部材は、
    前記油供給路の冷凍機油の油圧により前記開閉部材を押す力が前記弾性部材により前記開閉部材を引っ張る力よりも大きくなるほど、前記油戻し流路から離れるように構成されるとともに、
    前記油戻し流路から離れるほど、前記油供給路から前記密閉容器底部へ戻す冷凍機油の量が大きくなるように構成されたことを特徴とするスクロール圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105508252A (zh) * 2014-09-22 2016-04-20 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 压缩机

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