JP4922988B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP4922988B2
JP4922988B2 JP2008118696A JP2008118696A JP4922988B2 JP 4922988 B2 JP4922988 B2 JP 4922988B2 JP 2008118696 A JP2008118696 A JP 2008118696A JP 2008118696 A JP2008118696 A JP 2008118696A JP 4922988 B2 JP4922988 B2 JP 4922988B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
back pressure
chamber
pressure
orbiting scroll
scroll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008118696A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009270433A (ja
Inventor
仁美 實川
和夫 関上
史隆 西岡
勇 坪野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Appliances Inc
Original Assignee
Hitachi Appliances Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Appliances Inc filed Critical Hitachi Appliances Inc
Priority to JP2008118696A priority Critical patent/JP4922988B2/ja
Publication of JP2009270433A publication Critical patent/JP2009270433A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4922988B2 publication Critical patent/JP4922988B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、冷蔵庫及び冷凍・空調用等に用いられるスクロール圧縮機に係り、特に旋回スクロールの背面を付勢する圧力の制御に関するものである。
従来のスクロール圧縮機は、それぞれの台板上に渦巻状のスクロールラップを有する非旋回スクロールと旋回スクロールを噛み合わせて圧縮部を形成し、旋回スクロールのラップと反対側に設けた背面空間を吸込圧力より圧力が高い背圧室とすることにより、旋回スクロールを非旋回スクロール側へ付勢している。
スクロール圧縮機の背圧室における従来の圧力制御として、例えば、特許文献1に示されるスクロール圧縮機では、フレームと旋回スクロール支持面の間に背圧室を形成し、フレームに背圧室と圧縮機容器内の吸込圧空間を連通させる圧力制御連絡通路を設けることにより背圧室圧力を吸込圧力よりも一定値だけ高い圧力に保持している。
また、従来の圧力制御として、例えば、特許文献2に示されるスクロール圧縮機では、背圧室に流入した流体を、吸込室を含む圧縮室に流出させる手段として、前後の差圧を制御する背圧制御弁と絞り流路部と旋回スクロールの旋回運動により間欠的に連通する間欠流路部を直列に配し、背圧制御弁と流路部の調整により背圧室圧力を制御している。
特開2001−349291号公報 特開2005−163655号公報
スクロール圧縮機ではその運転条件により旋回スクロールが受ける負荷が異なり、遠心力の増大する高速回転時や流体圧力の作動圧の高い過負荷運転では、旋回スクロールが揺動(旋回スクロールが傾いて廻る)を起こしやすいため、十分に旋回スクロールの揺動を抑えられる背圧設定が必要である一方、低速回転時や圧力安定時等の低負荷運転では、旋回スクロールの回転は安定しているため、旋回スクロールに必要な背面付勢力は低下する。
しかし、従来技術として示す上記特許文献1においては、圧縮機の運転速度に関係なく、旋回スクロール背面空間の圧力を吸込圧より概略一定値だけ高く設定しており、高速(高負荷)運転時でも安定して動作を得られるように考慮した過度の背圧設定を行うことになるために、低速(低負荷)運転時に旋回スクロール付勢力が過剰となり、旋回スクロールと固定スクロールの間の摩擦損失が増大し、圧縮機効率が低下するという課題がある。
また、従来技術として示す上記特許文献2においては、主要な運転条件を元に背圧設定値を調整しており、回転数が設定された運転条件から外れる場合に旋回スクロール付勢力の過不足が生じ、旋回スクロール付勢力が過剰となる際には旋回スクロールと固定スクロールの間の摩擦損失が増大し、旋回スクロール付勢力が不足する際には旋回スクロールが揺動することにより、圧縮機効率が低下するという課題がある。
本発明の目的は、運転状態に応じて背圧を適切に制御できる背圧制御弁を取付けることにより、簡易に圧縮機の回転数に応じた背圧を段階的に制御することを可能とし、高速運転時に旋回スクロールの揺動を抑制するとともに、低速運転時の旋回スクロールと固定スクロール間の摩擦損失を低減するスクロール圧縮機を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
台板上に渦巻状のスクロールラップのある非旋回スクロール、前記非旋回スクロールに対向してスクロールラップが互いに噛み合う旋回スクロール、前記旋回スクロールの自転防止のオルダムリング、を有する圧縮機構部と、電動部からの回転動力を前記旋回スクロールに伝達するクランク軸と、前記クランク軸の下方に設けた油貯留部から冷凍機油を各摺動箇所に供給する給油ポンプと、前記旋回スクロールのスクロールラップと反対側に設けられて吸込圧力より圧力を高く保つ背圧室と、を密閉容器に収容して前記密閉容器内を吸込圧に保つスクロール圧縮機であって、
前記圧縮機構部の吸込室と前記背圧室とを連通する第1の連通路を形成し、前記第1の連通路に前記背圧室内の圧力を制御する第1の背圧制御弁を設け、前記密閉容器内の吸込圧空間と前記背圧室とを連通する第2の連通路を形成し、前記第2の連通路に前記背圧室内の圧力を制御する第2の背圧制御弁を設け、
前記第1の背圧制御弁は、前記背圧室圧力を吸込室圧力より高い第1の設定圧力に制御し、さらに背圧室圧力が上昇する場合に前記第1の連通路を遮断するように制御し、前記第2の背圧制御弁は、前記背圧室圧力が前記第1の連通路の遮断のときの圧力よりさらに上昇した場合に開口動作し、前記背圧室圧力を第2の設定圧力に制御する構成とする。さらに、前記スクロール圧縮機において、前記第1の連通路で前記背圧室と連通する吸込室に代えて、前記第1の連通路で前記背圧室と連通する対象室を前記圧縮機構部の圧縮室とする構成とする。
本発明によれば、旋回スクロール背面空間である背圧室に第1と第2の背圧制御弁を設けることで、背圧室の圧力を運転条件に応じて制御することが可能となり、高速運転時に旋回スクロールの揺動を抑制するとともに、低速運転時の非旋回スクロールと旋回スクロール間の摩擦損失を低減することができる。
また、第1の背圧制御弁の作動により、低速回転時には吸込室又は圧縮室へ背圧室と連通する連通路から冷凍機油を流入させ圧縮室のシール性を高め、高速回転時には連通路を遮断することにより、過剰な冷凍機油の供給を防ぎ、旋回、非旋回スクロール間に存在する冷凍機油を圧縮することによる損失を低減することを可能とし、冷凍機油の過不足による圧縮機効率の低下を防ぐことができる。
本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機について、図1〜図8を参照しながら以下詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機における全体構成の縦断面図である。図2は本実施形態に係るスクロール圧縮機における背圧室、旋回スクロール、非旋回スクロール、第1と第2の背圧制御弁の配置構造を示す図である。図3は本実施形態に関する第1の背圧制御弁(2重弁)における内周側弁ばね作動時の状態を表す図である。図4は本実施形態に関する第1の背圧制御弁(2重弁)における外周側弁ばね作動時の状態を表す図である。図5は本実施形態に関する第2の背圧制御弁の作動時の状態を表す図である。
本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面を示す図1において、密閉容器1内に圧縮機構部および電動部が収納されている。圧縮機構部は、それぞれの台板上に渦巻状のラップを有し、それぞれのラップを噛み合わせて圧縮室を形成する非旋回スクロール2と旋回スクロール3、旋回スクロール3の自転防止手段であるオルダムリング4から構成されている。フレーム5と旋回スクロール3のラップと反対側の面により形成される背面空間は吸込室の圧力より高い圧力に設定される背圧室6とする。
フレーム5はその外周部で密閉容器1に固定され、クランク軸7の回転を受ける主軸受5aを備えている。非旋回スクロール2はフレーム5にボルト8により締結されている。クランク軸の偏心部7aには旋回スクロールボス部の旋回軸受3aがはめ合わされ、電動部からの回転動力を旋回スクロール3へ伝達している。クランク軸7の偏心部と反対側の軸端部は副軸受28で支えられ、クランク軸7の回転により油貯留部9から油を吸い上げ、吐出する給油ポンプ10を取り付け、吐出された油はクランク軸7を上下に貫通する給油穴7bを通り、各軸受部や背圧室6へと供給される。
電動部は回転子11と固定子12から構成される。固定子12は焼嵌めなどにより密閉容器1に固定されており、回転子11はクランク軸7に圧入などにより固定されている。
ここで、スクロール圧縮機におけるガス冷媒の流れについて説明する。本実施形態に係るスクロール圧縮機は密閉容器1内部が吸込圧となる低圧チャンバ方式のものであり、圧縮機電動部を回転させてクランク軸7が回転することにより、圧縮機構部が旋回運動する。これにより、ガス冷媒は吸込パイプ20より密閉容器1内へ吸い込まれ、吸込口21を通り圧縮機構部の吸込室22へ流入し、非旋回スクロールのラップと旋回スクロールのラップが噛み合わされて形成される圧縮室23に閉じ込まれて圧縮され、非旋回スクロールの吐出穴24から非旋回スクロールのラップと反対側の面に形成された吐出空間25に吐出され、吐出パイプ26を通り圧縮機外部へ吐出される。
次に、潤滑流体であって且つシール流体である冷凍機油の流れについて説明する。圧縮機を起動させ、クランク軸7が回転することにより、クランク軸下端に設けられた容積型流体ポンプである給油ポンプ10が駆動され、油貯留部9より冷凍機油が吸い上げられる。給油ポンプ10により圧縮された後、吐出された冷凍機油はクランク軸7を貫通する給油穴7bを通り、その一部は副軸受28、主軸受5aへの油供給路へ分岐し各軸受を潤滑した後、クランク軸側面を伝わり油貯留部へ戻る。残りの冷凍機油はクランク軸給油穴7bを上昇し、クランク軸上端より吐出し、その一部は旋回スクロール台板内に貫通した給油穴27を通り背圧室6へ流入し、残りは旋回軸受3aを潤滑した後、背圧室6へ流入する。
背圧室6への油供給量は給油ポンプ10の回転数、すなわち圧縮機回転数に連動する。このため、高回転数の運転条件においても軸受への供給量が低下することがなく、給油ポンプを用いることにより、各軸受信頼性を確保できる。なお、本実施形態では給油ポンプ10により圧縮された冷凍機油を背圧室6へ供給することにより、背圧室圧力を昇圧させる方式を用いている。
背圧室6に流入した冷凍機油は、第1の背圧制御弁100の開口時には圧力調整通路105を通り(図2を参照)、圧力調整通路105が繋がる吸込室22へ流入し、第2の背圧制御弁200の開口時にはガス冷媒とともに密閉容器内吸込圧空間へ排出され、油貯留部9へ戻る。吸込室22へ流入した冷凍機油は、ガス冷媒と共に非旋回スクロールの吐出穴24から吐出され、吐出空間25、吐出パイプ26を通り、サイクル内へ入った後、サイクル内に設けた油分離機構(図示せず)によりガス冷媒と分離され、油分離機構部と密閉容器1内をつなぐ配管(図示せず)を通り、油貯留部9へ返送される。なお、油分離機構部を吐出空間25の内部に組み込んだ構造としてもよい。
次に、本実施形態に関する第1の背圧制御弁100と第2の背圧制御弁200について、図2〜図5を用いて説明する。非旋回スクロール2に設けられた背圧室6と吸込室22を連通する流路(圧力調整連通路105)は、背圧流入穴101と背圧弁穴102、背圧流出穴103、背圧流出絞り溝104から構成されている。背圧流出絞り溝104先端は吸込室22に開口し、背圧室6と吸込室22が連通されている。
第1の背圧調整弁100は背圧弁穴102に以下の構成を有する2重弁を組み込み、形成される。この2重弁は、外周側弁ばね106、外周側弁ばね106を受け、中央に穴を設けた中空型弁体107および弁キャップ108を備え、弁キャップ108の中央に設けられた突起部に内周側弁ばね109を取付け、中空型弁体107の中央部には内周側弁ばね109と接する円板状弁体110を配置した構成である。なお、中空型弁体107の中央の穴径は背圧流入穴101の径よりも小さく設定する。また、背圧流入穴101は旋回スクロール3の回転により、閉塞が生じる位置に配置され、旋回運動に同期した間欠流路となる。
第2の背圧制御弁200は、フレーム5に設けられた背圧室6と密閉容器1内吸込圧空間を連通する背圧流入穴201と背圧弁穴202により構成された流路において、背圧弁穴202に弁体203、圧縮された弁ばね204を配置した後、背圧弁穴202に冷凍機油やガス冷媒の流路となる貫通穴を有する弁キャップ205で蓋をし、形成される。
ここで、第1の背圧制御弁100に使用される外周側弁ばね106、内周側弁ばね109と第2の背圧制御弁200に使用される弁ばね204を各背圧制御弁に圧縮して組み込んだ際のばね作動圧力が式(1)の関係となるように設定を行う。
P1in<P1out<P2 ……(1)
P1in:第1の背圧制御弁100に用いられる内周側弁ばね109が作動する圧力、P1out:第1の背圧制御弁100に用いられる外周側弁ばね106が作動する圧力、P2:第2の背圧制御弁200に用いられる弁ばね204が作動する圧力。
次に、本実施形態に関する第1の背圧制御弁100と第2の背圧制御弁200を備えた構成による動作および作用を説明する。
(1)圧縮機停止時および起動直後には第1の背圧制御弁100、第2の背圧制御弁200は閉じた状態である。圧縮機が起動し、クランク軸7の回転により給油ポンプ10から吐出された冷凍機油が背圧室6へ供給されることにより、背圧が上昇し、その背圧と吸込室22の圧力の差圧が内周側弁ばね109の圧縮量に対応する作動圧力(P1in)より高くなると、円板状弁体110が上昇し、圧力調整連通路105が連通する(図3に示す矢印はガス流体および冷凍機油の流れを示す)。
圧縮機が低速運転する条件(一例として、1000rpm)においては、給油ポンプ10から背圧室6への給油量も少量になるため、背圧室圧力は吸込室圧力にP1inを加えた値以上に上昇せず、圧縮機は前述の状態(図3に示す状態)で運転を続ける。低速回転時には旋回スクロール3の回転が安定しているため、他の運転条件と比較し、背圧室圧力による旋回スクロール背面付勢力を十分小さくすることができる。
すなわち、背圧室圧力による背面付勢力が過大になると非旋回スクロール2と旋回スクロール3間の摩擦損失が増大するため、この増大する摩擦損失を避けるために、第1の背圧制御弁100に用いられる内周側弁ばね109の作動圧力P1inを圧縮機低速回転時に必要な背圧室圧力値に合わせ設定することにより、低速回転時の非旋回スクロール2と旋回スクロール3間の摩擦損失を低減させ、圧縮機効率を向上させることができる。
また、第1の背圧制御弁100の内周側弁体のみが作動することにより、圧力調整連通路105が連通し、背圧室6からの冷凍機油が、背圧流出絞り溝104の開口先である吸込室22へ供給され、非旋回スクロール2と旋回スクロール3間に形成される圧縮室のシール性を高めることができ、圧縮室内のガス流体の漏れによる効率低下を防ぐことができる。
(2)圧縮機回転数が増加し背圧室6への給油量が増加することにより、圧力調整連通路105を通るガス流体の圧力損失が増大し、背圧室6と吸込室22の圧力差が拡大する。これにより、背圧室圧力が外周側弁ばね106の圧縮量に対応する作動圧力(P1out)より高くなると、中空型弁体107が上昇し、背圧弁穴102と背圧流出穴103の境界部を閉塞し、圧力調整連通路105は封止される(図4に示す状態を参照)。
圧力調整連通路105を通した吸込室22への過剰給油は、冷凍機油の圧縮損失等により圧縮機の性能低下に繋がるため、中空型弁体107で圧力調整連通路105を閉塞することにより、吸込室22への過剰給油を防止し、圧縮機性能を保持することができる。また、圧力調整連通路105封止時にも吸込室22には吸込室22と背圧室6の圧力差により、背圧室6から微量の冷凍機油が流入するため、非旋回スクロール2と旋回スクロール3間の潤滑性、シール性は保たれる。
(3)さらに圧縮機回転数が増加し、背圧室圧力と密閉容器1内の吸込空間圧力の差圧が第2の背圧制御弁200の弁ばね圧縮量に対応する作動圧力(P2)より高くなると、弁体203は弁ばね204を押し縮める方向へ移動する(図5に示す矢印はガス流体および冷凍機油の流れを示す)。これにより、第2の背圧制御弁200が開口し、背圧室内のガス流体と冷凍機油が背圧室6から密閉容器1内空間に流入する。これによって、背圧室圧力が低下し、第2の背圧制御弁200が閉じた状態に戻るまで継続する。
弁ばね204が作動する圧力P2を適正に設定することにより旋回スクロール3へ過剰な付勢力がかかることを防ぐとともに、圧縮機の高速回転時(一例として、3000rpm)やガス流体圧力の変動時等の過負荷運転においても、背圧室圧力によって十分に旋回スクロール3の揺動(旋回スクロールが非旋回スクロールに対して傾いて廻ること)を抑えることのできる旋回スクロール付勢力を得ることができ、安定した運転を行うことが可能となる。
上述したように、圧縮機の低速運転時に、第1の背圧制御弁の2段開制御動作で、旋回スクロールと非旋回スクロールとの摩擦損失を低減し、さらに背圧室から吸込室又は圧縮室に連通路を介して冷凍機油を流入させることで圧縮室のシール性を高めることができ、また、圧縮機の高速運転時に、第1の背圧制御弁の動作と相俟って、第2の背圧制御弁の弁ばね設定によって背圧室の適宜の圧力を確保することによって高速運転時に生じ得る旋回スクロールの揺動を抑止することができる。
なお、本実施形態では第1の背圧制御弁100の背圧流出絞り溝104の開口先を吸込室22としたが、圧縮室23とした場合も同様の動作を得ることができる(図6を参照)。図6は本実施形態に係るスクロール圧縮機の非旋回スクロール下面から見た、非旋回スクロールと旋回スクロールとの噛み合わせ状態を示す図である。図1と図2を参照しながら、図6をみると、背圧室6に通じる背圧流入穴101が第1の背圧制御弁100を介して背圧流出穴103、背圧流出絞り溝104を経て、圧縮室23に連通している。
次に、本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機における第1の背圧制御弁の構成例について、図7を参照しながら以下説明する。図7は本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機における第1の背圧制御弁の構成例を示す図である。
図7に示す第1の背圧制御弁の構成例は、図2に示す第1の背圧制御弁と基本的機能として共通しているが、その構造において相違するものである。図7に示す第1の背圧制御弁100は、外周側弁ばね106、外周側弁ばね106を受けて中央に穴を設けた中空型弁体107、弁キャップ108を備え、弁キャップ108中央部に内周側弁ばね109を取付け、弁ばねのもう一端にニードル弁111を組み付けた構成である。
図7に示す構成例では図2に示す円板状弁体110の代わりに、ニードル弁111を用いている以外は図2に示す背圧制御弁と同様である。背圧室圧力が吸込室圧力に対し内周側弁ばねの圧縮量に対応する所定値(P1in)を加えた値より高くなると、ニードル弁110が上昇し、ニードル弁先端部111aにより封止されていた圧力制御連通路105が連通することとなる(図3を参照)。
次に、本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機における背圧制御の構成例について、図8を参照しながら以下説明する。図8は本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機における背圧制御の構成例を示す図である。
図8に示す本実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図において、旋回スクロール3の台板に背圧室6と圧縮室23をつなぐ細孔40を設けた点が図1に示すスクロール圧縮機と相違するものであり、その他の点については図1の構成例と基本的には同一である。図8に示す背圧制御構成例は旋回スクロール3の台板に背圧室6と圧縮室23をつなぐ細孔40を設けることによって圧縮機構部で圧縮され高圧となったガス流体を背圧室6に供給することにより、給油ポンプ10による背圧室圧力の昇圧能力の不足を補い、圧縮機後部の安定した運転を確保するものである。
以上説明したように、本発明の実施形態は次のような構成を備えることを特徴の1つとするものである。密閉容器内が吸込圧に保たれる圧縮機で前記密閉容器内に圧縮機構部と油貯留部を備え、前記圧縮機構部は、それぞれの台板上に渦巻状のスクロールラップを有して互いに噛み合う非旋回スクロールと旋回スクロールと、前記旋回スクロールの自転防止手段であるオルダムリングとを組み合わせて構成し、作動流体を圧縮するための動力を圧縮機構部に伝達するクランク軸と前記クランク軸を支持する主軸受を設けたフレームを備え、および前記油貯留部から各摺動部に冷凍機油を供給する給油ポンプを前記クランク軸下端に備え、前記旋回スクロールのラップと反対側に背面空間を設け、前記背面空間を吸込圧力よりも圧力が高い背圧室とすることにより、前記旋回スクロールを非旋回スクロール側へ付勢するスクロール圧縮機において、
前記背圧室と圧縮機構部の吸込室又は圧縮室の間に連通路を設け、前記連通路には背圧室圧力が吸込室又は圧縮室圧力より一定値より上昇(P1in)した場合に開口し、さらに背圧室圧力が上昇(P1out)する場合に連通路を遮断する2段階制御可能な第1の背圧制御弁を取り付けるとともに、背圧室と密閉容器内吸込圧空間とを連通させる連通路に、背圧室圧力が第1の背圧制御弁の作動圧力を超えて上昇(P2)した場合に開口する第2の背圧制御弁を取り付けた構成とする。
本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機における全体構成の縦断面図である。 本実施形態に係るスクロール圧縮機における背圧室、旋回スクロール、非旋回スクロール、第1と第2の背圧制御弁の配置構造を示す図である。 本実施形態に関する第1の背圧制御弁(2重弁)における内周側弁ばね作動時の状態を表す図である。 本実施形態に関する第1の背圧制御弁(2重弁)における外周側弁ばね作動時の状態を表す図である。 本実施形態に関する第2の背圧制御弁の作動時の状態を表す図である。 本実施形態に係るスクロール圧縮機の非旋回スクロール下面から見た、非旋回スクロールと旋回スクロールとの噛み合わせ状態を示す図である。 本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機における第1の背圧制御弁(2重弁)の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機における背圧制御の構成例を示す図である。
符号の説明
1…密閉容器、2…非旋回スクロール、3…旋回スクロール、3a…旋回軸受、4…オルダムリング、5…フレーム、5a…主軸受、6…背圧室、7…クランク軸、7a…クランク軸偏心部、7b…クランク軸給油穴、8…ボルト、9…油貯留部、10…給油ポンプ、11…回転子、12…固定子、20…吸込パイプ、21…吸込口、22…吸込室、23…圧縮室、24…吐出穴、25…吐出空間、26…吐出パイプ、27…旋回スクロール台板内給油穴、28…副軸受、40…細孔、
100…第1の背圧制御弁、101…背圧流入穴、102…背圧弁穴、103…背圧流出穴、104…背圧流出絞り溝、105…圧力調整連通路、106…外周側弁ばね、107…中空型弁体、108…弁キャップ、109…内周側弁ばね、110…円板状弁体、111…ニードル弁、111a…ニードル弁先端部、200…第2の背圧制御弁、201…背圧流入穴、202…背圧弁穴、203…弁体、204…弁ばね、205…弁キャップ

Claims (4)

  1. 台板上に渦巻状のスクロールラップのある非旋回スクロール、前記非旋回スクロールに対向してスクロールラップが互いに噛み合う旋回スクロール、前記旋回スクロールの自転防止のオルダムリング、を有する圧縮機構部と、
    電動部からの回転動力を前記旋回スクロールに伝達するクランク軸と、
    前記クランク軸の下方に設けた油貯留部から冷凍機油を各摺動箇所に供給する給油ポンプと、
    前記旋回スクロールのスクロールラップと反対側に設けられて吸込圧力より圧力を高く保つ背圧室と、を密閉容器に収容して前記密閉容器内を吸込圧に保つスクロール圧縮機であって、
    前記圧縮機構部の吸込室と前記背圧室とを連通する第1の連通路を形成し、前記第1の連通路に前記背圧室内の圧力を制御する第1の背圧制御弁を設け、
    前記密閉容器内の吸込圧空間と前記背圧室とを連通する第2の連通路を形成し、前記第2の連通路に前記背圧室内の圧力を制御する第2の背圧制御弁を設け、
    前記第1の背圧制御弁は、前記背圧室圧力を吸込室圧力より高い第1の設定圧力に制御し、さらに背圧室圧力が上昇する場合に前記第1の連通路を遮断するように制御し、
    前記第2の背圧制御弁は、前記背圧室圧力が前記第1の連通路の遮断のときの圧力よりさらに上昇した場合に開口動作し、前記背圧室圧力を第2の設定圧力に制御する
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項1において、
    前記第1の連通路で前記背圧室と連通する吸込室に代えて、前記第1の連通路で前記背圧室と連通する室を前記圧縮機構部の圧縮室とすることを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 請求項1または2において、
    前記給油ポンプにより圧縮された前記冷凍機油を前記背圧室に供給することによって背圧室圧力を上昇させることを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 請求項1、2または3において、
    前記旋回スクロールの台板に、前記圧縮機構部の圧縮室と前記背圧室とをつなぐ細孔を設け、前記圧縮機構部で圧縮され高圧となったガス流体を前記背圧室へ流入させることを特徴とするスクロール圧縮機。
JP2008118696A 2008-04-30 2008-04-30 スクロール圧縮機 Expired - Fee Related JP4922988B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008118696A JP4922988B2 (ja) 2008-04-30 2008-04-30 スクロール圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008118696A JP4922988B2 (ja) 2008-04-30 2008-04-30 スクロール圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009270433A JP2009270433A (ja) 2009-11-19
JP4922988B2 true JP4922988B2 (ja) 2012-04-25

Family

ID=41437225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008118696A Expired - Fee Related JP4922988B2 (ja) 2008-04-30 2008-04-30 スクロール圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4922988B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104061157A (zh) * 2013-03-18 2014-09-24 Lg电子株式会社 涡旋压缩机

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4848432B2 (ja) * 2009-01-20 2011-12-28 日立アプライアンス株式会社 スクロール圧縮機
US9091266B2 (en) * 2011-03-29 2015-07-28 Hitachi Appliances, Inc. Scroll compressor having a back pressure control valve for opening and closing a communication path in a stationary scroll
JP5637164B2 (ja) * 2012-03-27 2014-12-10 株式会社豊田自動織機 電動圧縮機
WO2015059833A1 (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 三菱電機株式会社 スクロール流体機械

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4086346B2 (ja) * 1997-10-24 2008-05-14 日立アプライアンス株式会社 スクロール流体機械
JP2001349291A (ja) * 2000-06-08 2001-12-21 Hitachi Ltd スクロール圧縮機
JP4033259B2 (ja) * 2001-11-13 2008-01-16 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104061157A (zh) * 2013-03-18 2014-09-24 Lg电子株式会社 涡旋压缩机
US9297383B2 (en) 2013-03-18 2016-03-29 Lg Electronics Inc. Scroll compressor with back pressure chamber
CN104061157B (zh) * 2013-03-18 2016-11-23 Lg电子株式会社 涡旋压缩机

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009270433A (ja) 2009-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9850904B2 (en) Scroll compressor
JP2010106780A (ja) スクロール圧縮機
JP5006444B2 (ja) 圧縮機及びそのオイル供給構造
JP2007154761A (ja) スクロール圧縮機
JPWO2005038254A1 (ja) スクロール圧縮機
WO2010087179A1 (ja) スクロール圧縮機
JP4922988B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2007138868A (ja) スクロール圧縮機
JP4519489B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5433604B2 (ja) スクロール圧縮機
JP4697734B2 (ja) 冷凍サイクル
JP2007285304A (ja) スクロール流体機械の作動室注油法
JP2009257287A (ja) スクロール圧縮機
WO2002061285A1 (fr) Compresseur a vis
WO2013140458A1 (ja) スクロール圧縮機
JP4604968B2 (ja) スクロール圧縮機
WO2018012016A1 (ja) 圧縮機
JP5150564B2 (ja) 横置型密閉式圧縮機
KR20050073143A (ko) 스크롤 압축기
JP2009162102A (ja) 密閉形スクロール圧縮機
JP2010031729A (ja) スクロール圧縮機
KR20100104197A (ko) 스크롤 압축기
JP6972391B2 (ja) スクロール圧縮機
KR102340237B1 (ko) 압축기
CN114008324B (zh) 涡旋式压缩机以及制冷循环装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100714

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4922988

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees