JP2007285304A - スクロール流体機械の作動室注油法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スクロール流体機械の作動室はラップ間の微小隙間でシ−ルされているので、油を供給することでシール性が向上するが、高温高圧油を低圧側に供給すると、ガス加熱量の増大や油中溶解ガスの放出により効率が低下することや作動室中央部に油が移動する間に拡散と分散及び作動ガスの逆流等でシール性を最も必要とされる渦巻き曲線の曲率が小さい部位の隙間に供給できずシール性が低下する問題があった。
【解決手段】吸入側に連通しない作動室の内で差圧の大きさや相対するシ−ル壁面間の相対的な曲率の差が大きい部位のような最も漏れ易くシール性を必要とする箇所に差圧で動作する作動ガスの逆流防止ピストンや旋回運動に合わせて連結する通路を用いてタイミングに良く適量注油する流れ制御機構を装着して構成されたスクロール流体機械。
【選択図】図5

Description

渦巻き形状の壁面とその壁面を支える端板とで構成されるスクロール部材の一対を噛み合わせて形成される作動室内に潤滑油が流入するように構成された冷凍空調用圧縮機や空気圧縮機及び真空ポンプなどに好適なスクロール流体機械に関する。
該端板と渦巻き形状のラップから構成されるスクロール部材の一対を噛み合わせて形成される密閉空間としての作動室は、シャフトの回転に伴う一対のスクロール部材の相対的な旋回運動により該作動室が渦巻きの外側から内側に移動するとともに容積が減少して作動ガスが圧縮されることになる。
該作動室を形成しているラップ先端と端板の間及び互いのラップ側壁間において滑らかな相対運動を可能とするためにラップ隙間が設けられている。このラップ隙間は作動室の気密性を保持する狙いから数μmから数十μm前後の間に設定されている。
上記ラップ隙間の気密性を向上させる手段として、機械的に該隙間を小さくする方法や潤滑油等の液体が該隙間に侵入するのを期待して作動室に流入させる方法が挙げられる。以下は油を作動室に流入させる方法について説明する。
スクロール部材の加工性や組立性及びラップ間の接触問題を考慮して、通常はラップ先端の隙間よりもラップ側壁間の隙間が数倍大きく取られる。またシ−ル幅となるこれら隙間の長さは、ラップ先端部の一定に対してラップ側壁部は中央部になるほど渦巻き曲線の曲率が小さくなる関係からラップ先端部以上に実質上小さくなる場合があるので、ラップ側壁間隙間への油の供給は重要となる。
従来、一対のスクロール部材で構成される作動室の気密性を保持するための作動室への注油手段として、ラップ壁面に注油孔を設ける構成がある。(例えば、特許文献1参照)
また吸入室と作動室にこれらの圧力より高圧である吐出圧力との差圧を利用して注油する通路に開閉手段を設けた構成がある。(例えば、特許文献2参照)
さらには、交互ないしは間欠的に作動室内に開口させ、通路途中に絞り部を有する給油孔をスクロール部材の端板に設けた構成がある。(例えば、特許文献3参照)
作動室内の気密性を必要とするラップ側壁間隙間の内で、最も曲率が小さい構成として、渦巻き中心部に円弧形状を有する構成や作動室内の床面に段差を設けて中央側を一段高くした階段状スクロール部材の段差壁面の構成があるが、後者に関する特許文献では、段差壁面の気密性の重要性が挙げられている。(例えば、特許文献4参照)
このような前記段差壁面上ないしは近傍の作動室内に開口する給油孔に至間に通路抵抗のような圧力調整手段を設けた給油手段の構成が見られる。(例えば、特許文献5参照)
また、該段差壁面に開口する給油孔と油溜りとを旋回運動に連動させて断続的に連通し段差部に間欠給油を行う構成がある。(例えば、特許文献6参照)
特開平02−277991号公報 特開平04−276193号公報 特開2007−132256号公報 特開2000−329079号公報 特開2006−177263号公報 特開2006−241977号公報
一対のスクロール部材で構成される作動室である密閉空間としての最大容積と最小容積は、それぞれ渦巻きの外側と中心部に形成され、その比は一般に固有圧縮比と呼称され、この固有圧縮比から計算される理論的な設計圧力比Rtは、通常流体機械の標準的な運転条件としての吐出圧力と吸入圧力の比である運転圧力比Rdよりも、流体機械の生産性や大きさを考慮して、小さく設定される。
すなはち、標準の安定した運転状態では、Rd>Rtの関係となるので、渦巻き形状の中央部の空間が吐出圧力にあるときは、その隣室である外側の作動室内の圧力との差が最も大きくなる。しかしながら、吐出圧力と吸入圧力が等しい状態で起動されるような、通常の起動では、Rd<Rtの関係となる。
一方作動室圧力は、吐出圧力の高低に関わらず、作動室の容積変化すなはち固有圧縮比で決まる圧力まで吸入圧力からおよそ連続的に上昇するので、作動室への注油圧力となる吐出圧力と作動室圧力との差は、標準の運転では正値を示すが、逆に吐出圧力が低い起動時などでは負値を示すことになる。
従来の構成において、該注油圧力が正値で差が大きい場合、ラップ間のシ−ルや摺動部の潤滑に必要とされる以上に吸入室や作動室に高温で高圧の油が多量に流入することになり、作動ガスへの加熱で効率が低下する問題があった。また、冷凍空調用圧縮機の場合、前記加熱に加えて油に溶解した冷媒のガス化によりさらに効率が低下する問題があった。
また、作動室への注油により、作動室中央から排出される吐出ガスに含まれる油分の増大に伴い該流体機械から外部に排出される油量が増大して、給油ポンプが吸引する油槽の油量が大幅に減少して摺動部への給油不良をきたす問題があった。
該注油圧力が負値の場合、作動室内のガスが油槽側に逆流するので、作動室に開口する注油孔と油槽との間に設けた摺動部の油が排除されて摺動部が損傷する問題や作動室内のガスの流出で効率が低下する問題に加えて、油を吸入室や中間の作動室に入れた場合には、作動室が中心に移動する間に、大半の油がラップ隙間から低圧側に流出されて中心部に到達する油が大幅に減少して効率向上が図れない問題があった。
さらには、作動室内の床面に段差を設けて中央側を一段高くした階段状スクロール部材を用いた該段差壁面に注油する構成においても、吸入圧力状態の作動室に注油される場合や運転条件次第では、注油差圧が負値になる場合があるので、上記と同様に効率低下や摺動部の油が排除されて摺動部が損傷する問題があった。
以上の如く、従来構成では、作動室に開口した注油孔からの作動ガスの逆流に対する検討が不十分で摺動部の信頼性が低下する問題に加えて、高温高圧油が多量に注油されると作動ガスの加熱や溶解ガスの放出により作動室内圧力の増大で流体機械の効率が大きく低下する問題があった。
本発明は、スクロール部材で構成される作動室の気密性を保持するラップ間隙間の油によるシール性を高めるための注油を、流体機械の特性や信頼性を阻害することなく、最適な作動室内の場所と運転状態に合させられる効果的な手段で行うことを目的とする。
本発明の目的は、スクロール流体機械に設けた作動室の気密性の低下要因となっているラップ側壁間隙間の内で該隙間であるシ−ル幅が小さくなるような最も漏れ易い部位に注油孔を設けるとともに摺動部への作動ガスの逆流を防止して、信頼性を確保して最大の効率が得られる必要最小限の油を供給する油供給手段をスクロール部材に設けたスクロール流体機械を提供することである。以下、具体的構成について説明する。
第1の発明は、渦巻き状の突起であるラップを端板に固定した一対のスクロール部材のラップ部を互いに噛み合わせて作動室を形成するとともに該スクロール部材を支持する摺動部に潤滑油を供給するように構成されたスクロール流体機械に於いて、一方のスクロール部材の端板内に設けた収納空間に吸入通路側に連通することのないα作動室に連通する注油孔と高圧雰囲気中の油が流体機械の停止中ないしは運転中に滞留するように構成された油溜り空間を連通する導入孔を開口させるとともに前記注油孔と導入孔から導入される圧力で動作し該収納空間内で通路面積を変化させるピストンを収納して構成された流れ制御機構を設けたスクロール流体機械を提供することである。
このとき、上記α作動室は、一対のスクロール部材のラップ間及びラップと端板間に形成される隙間を無視すれば基本的に密閉空間を形成しているが、ラップ中央部に形成される吐出空間に圧縮行程中の区間の一部が連通しても本発明の機能を阻害することにはならない。係る本発明のより好ましい具体的な構成例は次の通りである。
第2の発明は、油が滞留する第1の発明の油溜り空間を、旋回スクロール端板の反ラップ側中央部に設けた軸受ボス底部とシャフト端面との間に形成される空間ないしは該軸受ボス内のジャーナル軸受に挿入されるシャフト表面に設けた油溜め溝としての空間を油槽に連通するシャフトの給油孔及び旋回スクロールを支える軸受の摺動面に連通する通路を開口させた油分配室として構成するとともに該油分配室内の油が導入孔から収納空間に流入し注油孔からα作動室へ流入するのを許容するが、逆にα作動室の作動ガスが油分配室へ流入するのを阻止する機能を有する圧力差で動作する逆流防止機構を該収納空間に収納して流れ制御機構を構成する。
このとき、上記軸受ボス底部とシャフト端面との間に形成した油分配室に於いては、シャフト端部に該軸受ボス壁面との隙間が小さく給油孔に連通し油分配室に開口する油溝を設けたキャップを一体に装着してもよく、また該軸受ボス内のジャーナル軸受に挿入されるシャフト表面に設けた油溜め溝としての油分配室に於いては、シャフトに設けた該油溜め溝をジャーナル軸受の反負荷側に設ける必要がある。この際、キャップの油溝及びシャフトの油溜め溝のいずれも、収納空間に連通する導入孔と相対して連通するタイミングは、注油孔からα作動室に注油するに最適なタイミングに合わるように構成される。
第3の発明は、第2の発明に於いて、該収納空間を端板面に平行な中心軸を有する円筒空間で形成した油分配室側の端面には該円筒空間の内径のおよそ1/2前後以下の直径の導入孔を開口させ、該円筒空間の円筒部にはα作動室に連通する注油孔を開口させ、さらには該円筒部との間で隙間を設けて可動自由で前記導入孔が塞げる端面を有する複数段の円柱部で構成したピストンAと該収納空間端面と該ピストンAとの間にバネ等の弾性体を収納して構成した逆流防止機構から構成された流れ制御機構Aとする。
第4の発明は、第2の発明に於いて、該油分配室を軸受ボス内のシャフト端面との間に設けて油分配室とし、該収納空間を端板面に垂直な中心軸を有する円筒空間で形成した円筒壁面上に該円筒空間の高さのおよそ1/2前後以下の直径の導入孔を開口させ、円筒端面中央にはα作動室に連通する注油孔を開口させ、さらには該円筒空間との間で僅かな隙間を設けて形成した円盤の中心部に上下面を貫通する導入孔や注油孔よりも細径の制油孔を設けたピストンBを収納して構成した逆流防止機構から構成された流れ制御機構Bとする。
第5の発明は、油が滞留する第1の発明の油溜り空間を、密閉容器内に設けた油槽として構成するとともに固定部材の固定スクロールの端板に設けた収納空間に連通するα作動室に開口する注油孔と密閉容器内の油溜り空間としての油槽に開口する導入孔を設けるとともに、油槽からα作動室への流れの通路面積よりもα作動室から油槽への流れの通路面積が大きくなるように、油槽内の圧力とα作動室の圧力の差に応じて動作するバイパス機構を該収納空間に収納して構成した流れ制御機構Cとする。
第6の発明は、第5の発明に於いて、導入孔側を広く注油孔側を狭くなるように該収納空間の円筒内壁との間に隙間を設けて可動自由とし注油孔側を細くした2段円柱の軸中心に注油孔よりも面積の小さい貫通穴を注油孔に連通するように設けたピストンCとこのピストンCを該収納空間の注油孔開口端面から離反させる弾性力を有したバネ等の弾性体を設けてバイパス機構を構成する。
第7の発明は、第1から第6の発明に於いて、巻き始めから巻き終りまでの高さが一様で等しい渦巻き状ラップを端板に固定したスクロール部材一対のラップを互いに噛み合わせて作動室を形成させた上で、該スクロール部材の一方のおよそ中央部に設けた作動ガスを排出する吐出孔に連通する前後までの軸1回転の間の該α作動室に開口する注油孔ないしはラップ内外壁を形成する渦巻き曲線の中央部の巻き始めから巻き角度にして1.5π〜2πラジアン外側に移動したラップ内外壁面近傍の一対のα作動室それぞれに開口する注油孔をスクロール部材の端板に設けて流れ制御機構を構成する。
第8の発明は、第1から第6の発明に於いて、作動室中央側の床面を外側より1段高くすなはち作動室高さを1段低くするように溝段差壁面とそれに相対するラップ段差壁面で作動室を形成させた上で、一方の渦巻き溝の床面を一段高く形成した溝段差壁面を有するスクロール部材のラップ中心部の巻き始め角をλsラジアンと置き、ラップ外側の巻き終り角をλeラジアンと置き、さらには半円弧状で形成された該溝段差壁面の円弧面内側がラップ外壁に接する交点のラップの巻き角をλkラジアンを置いた場合に、それら巻き角の間に下記関係式が成立するような位置に溝段差壁面とそれと噛み合うラップ段差壁面を形成し、
λk≦λs+2πないしはλk≦λe−3.5π
溝段差壁面を形成したスクロール部材の半円弧状の溝段差壁面に近接した端板上に注油孔を設けた流れ制御機構ないしはラップ段差壁面の中心に近い内側に近接した端板上に注油孔を設けた流れ制御機構で構成する。
第9の発明は、第1から第8の発明に於いて、作動室の圧力が吐出孔が開口する吐出空間の圧力よりも高い時に作動室内ガスが弁を介して吐出空間に排出する吐出バイパス孔を該注油孔よりもラップ壁面に沿って中心側に配置するようにスクロール部材の端板に設けて流れ制御機構を構成する。
第1から第8の発明に於いては、流れ制御機構内の通路の最小面積を形成する収納空間内に収納したピストンAの外周隙間やピストンB及びピストンC内に設けた細径孔の大きさや前後の差圧から注油孔からα作動室に流入する油の流量がおよそ決まる。しかしながら、生産性を考慮しなければ、該注油孔の大きさを該外周隙間や該細径孔に関係なく設定しても流れ制御機構の機能は達成でする。
また、注油孔が開口するα作動室は、通常は圧縮行程の後半に位置しているので、吸入孔に開口する従来の構成よりは該差圧は小さくなり、上記細径孔の大きさも生産性を阻害するほどの小ささにする必要はなく、冷媒を使用した場合のようにα作動室で油に含まれた作動ガスがガス化することも少なくなる。
第3と第4の発明に記載されている逆流防止機構では、ピストンAやピストンBの端面に作用する油溜り空間の高圧とα作動室内圧力との差圧が正値のときは通路が開口し、高圧と低圧がおよそ等しい状態のバランス起動時のような該差圧が負値になるときは通路が閉じてα作動室内の作動ガスが油分配室に逆流することはないので、油槽から油分配室内に供給された油を各摺動部へ供給することを阻害することがなくなり、油は軸受部に安定的に供給されることになる。
第5と第6の発明に記載されているバイパス機構では、ピストンCに設けたバネの力は小さいので、ピストンCの端面に作用する油溜り空間の高圧とα作動室内圧力の差圧が正値の場合には、収納空間奥の導入孔側端面にピストンCの端面が押し付けられるので油はピストンCの制油孔から流入するが、前記差圧が負値の場合には、ピストンCが導入孔端部から離れて、収納空間とピストンCとの間に大きな隙間が生じて、α作動室内の作動ガスが密閉容器内に流出することになる。
さらには、第7の発明のラップ高さが一様で等しいスクロール部材の渦巻きの中央部では、渦巻き曲線の曲率が小さくシ−ル幅が減少することに加えて前後の差圧が大きくなる条件においても、流れ制御機構内の通路面積や圧力差が適性に設定されて高効率化に適した油量が供給されることになる。
また、第8の発明の階段状スクロールの作動室内の段差壁面では、渦巻き曲線の曲率が小さいことに加えて前後の差圧が大きくなる条件においても、流れ制御機構内の通路面積や圧力差が適性に設定されて高効率化に適した油量が供給されることになる。
第9の発明の吐出バイパス孔を設けた構成では、注油孔からの油の異常な流入により作動室内の圧力が異常に上昇する前に吐出バイパス孔から作動室内の圧力を逃がして、圧力を低下させることで安全装置の役目を果たすことになる。
本発明の流れ制御機構をスクロール部材の中央に近い作動室への給油に用いることにより、渦巻き状のラップ側壁間シール部の曲率が小さい領域で、しかも上流側の作動室が吐出孔に連通して下流側作動室とのシ−ル部前後の差圧が大きくなるタイミングに於いて、油が供給できるので、作動ガスの加熱や油中ガスのガス化もなくシール性が大幅に向上して高効率化が図れる効果がある。
階段状スクロール部材を用いる構成に於いては、溝段差壁面とラップ段差壁面間シール部の曲率が小さい領域の壁面間が最接近して内外作動室を円弧部でシ−ルしている区間でタイミング良く油が供給できるので、作動ガスの加熱や油中ガスのガス化もなくシール性が大幅に向上して高効率化が図れる効果がある。
また、摺動部に隣接する油分配室から伸びる導入孔及び逆流防止機構を収納した収納空間を介して注油孔からα作動室に給油する流れ制御機構に於いては、起動時のように作動室の圧力が密閉容器内に連通する油分配室より高い状態においても作動ガスの給油孔内を逆流することがなくなるので、摺動部への給油が常時確保されて信頼性が高められる効果がある。
油槽に連通する制油孔及びバイパス機構を収納した収納空間を介して注油孔からα作動室に給油する流れ制御機構に於いては、起動時のように作動室の圧力が密閉容器内にある油槽より高い状態においては、作動ガスが逆流して作動室内の圧力を低下させるので圧縮動力が軽減して信頼性が高まることと省電力となる効果がある。
さらには、吐出バイパス孔を併用した構成では、注油孔から作動室に多量の油が流入しても異常圧力上昇が防止できて信頼性が高められる効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
作動室に注油する手段として、一般的に作動ガスに混入させて吸入室に流入させる方法と密閉容器内の高圧と作動室の差圧を利用して油を作動室に注入する方法があるが、本発明は後者の手段を適用する。
本発明の代表例として、摺動部を油で潤滑する密閉型の冷凍空調用スクロール圧縮機を取り挙げて説明する。スクロール圧縮機は、公知例に示されているように、高圧の吐出圧力雰囲気にある密閉容器内に圧縮機構部と電動機に動力を伝達するシャフトおよびこれらを支持する構造物を収納するとともに摺動部やシ−ル部に供給する油を密閉容器内に溜める油槽が設けられている。
初めに、本発明の作動室に油を供給する手段の概念について、図1と2の密閉型圧縮機内部の油の流路系のみを示したモデル図を用いて説明する。
図1の構成は、図示していない電動機とその上部にスクロール部材で構成した圧縮機構部を配置して密閉容器内に収納した所謂縦型圧縮機で、圧縮機構部に動力を伝動するシャフトに設けた給油孔107の下端を油溜まりである油槽115内に開口させ、前記給油孔の上端は旋回スクロールの軸受ボス部内に設けられた油分配室104に開口している。
図示してないシャフトに設けた油ポンプないしは上下の圧力差を利用してシャフトの上端に持上げられ油槽115から油分配室104へ流入した油の一部は、旋回スクロールを駆動する旋回軸受109や旋回スクロールを支えるスラスト軸受108などの摺動部に供給され、別の一部が旋回スクロールの端板の内部に一端が油分配室に開口する導入孔106や一端が作動室に開口する注油孔105含む流れ制御機構103から作動室102に油が注入される。
該流れ制御機構では、作動室内の作動ガスが油分配室104に逆流して旋回軸受やスラスト軸受への給油を阻害しないように逆流防止機構を備えている。当該モデル構成に基づく本発明の実施例は図3〜9に記載した流れ制御機構Aと図10〜12に記載した流れ制御機構Bで説明する。
図2の構成では、図示していない電動機とスクロール部材で構成した圧縮機構部を水平に配置して密閉容器内に収納した所謂横型圧縮機で、固定スクロールの端板などの固定部材の内部に一端が油分配室に開口する導入孔106や一端が作動室に開口する注油孔105含む流れ制御機構B103を介して作動室102に流入する。
該流れ制御機構では、作動室内の圧力が油槽内の圧力より高い条件のときに、作動ガスが油槽内に逆流して作動室内の圧力が上昇しないように、バイパス機構を備えている。当該モデル構成に基づく本発明の実施例は図13〜15に記載した流れ制御機構Cで説明する。
以下、本発明の具体的な実施形態を図3〜17を用いて説明する。
本発明の第1の実施例である流れ制御機構Aの構成を図3〜9を用いて説明する。
図3には、端板に固定した渦巻き状のラップの高さが一様な等高状の固定スクロールのラップ1aと旋回スクロールのラップ2aを噛み合わせて同一容積の作動室が対称に1対形成される構成に於いて、シャフトを90°ピッチで回転させることにより作動室が移動する状態を(a)〜(d)の4枚の図で示している。
(a)図は外側に形成される1対の密閉状態の作動室が最大容積Vsとなる最大密閉空間10を形成してる状態を示し、この状態からシャフトが90°回転して圧縮作動室の容積が減少している状態が(b)図で、順次(c)図、(d)図に移行し、シャフト1回転で(a)図に戻る。その間、作動室の容積は吸い込み完了の最大密閉空間10からシャフトの回転に伴い(b)図の最小密閉空間15まで順次容積が減少して作動ガスが圧縮されることになる。
(b)図の中央部に形成される密閉容積が最小Vdとなる最小密閉空間15は、中央に設けた吐出孔1cに連通する直前の状態を示しいる。従って、(a)図で示した最大密閉空間は、およそシャフト5/4回転で(b)図に示した最小密閉空間に達するが、この最大容積と最小容積の比であるRv(=Vs/Vd)は、通常固有圧縮比と呼ばれ、渦巻き形状から決まる値である。
一方、旋回ラップ中央部の渦巻き外線が開始する巻き始め点Aからおよそ0.5〜1巻き外側に移動したラップ側壁近傍で端板面に注油孔2fが設けられており、渦巻き内線に対してはそれと対向する位置のラップ半巻き外側に移動した巻き始め点Aからおよそ1.0〜1.5巻きのラップ側壁近傍で端板面に注油孔2fが設けられている。この注油孔2fが連通する作動室をα作動室を称する。
図4の(e)と(f)に、図3に示した最大容積Vsから最小容積Vdを経て吐出されるまでの作動室内の容積と圧力の関係をPV線図で示している。
(e)図は、Rvで決まるVdの作動室圧力よりも吐出圧力Pdが高い通常の運転状態を示し、A点である容積Vsの吸入圧力Psから圧縮が開始され、シャフトの回転に伴い作動室の容積が減少して作動室内圧力は点BからCへと暫時上昇し、作動室容積がVdを経て吐出孔1cに連通して吐出圧力Pdとなる。なお(f)図はRvで決まるVdの作動室圧力よりも吐出圧力Pdが低い起動時などの状態を示している。
図4の(e)の状態では、高圧の吐出側からラップ隙間を通って作動室内に作動ガスが逆流して圧力が上昇するのを阻止するラップ隙間への油供給が必要となるが、(f)図の状態では、ラップ隙間から作動ガスが漏れて作動室内圧力が低下して圧縮動力が軽減するので、油供給はないのが好ましい。
(e)と(f)図に記載した前記注油孔2fの連通区間Spからα作動室の圧力Pαと吐出圧力との関係をみると、(e)図の通常の運転状態に於いては、大半がPα>Pdすなはち図中の注油孔からの油流入区間Siが多くなり、(f)図の起動時などを想定した場合は、圧力関係は逆転して全域でPαが低くなり、油流入区間Siはなくなる。
図1に示すモデル図の構成に於いて、(e)図のように油槽に高圧の吐出圧力が作用してα作動室内の圧力が低いとα作動室内に油が流入し、(f)図のように吐出圧力よりもα作動室内の圧力が高いと、注油孔から作動ガスが逆流して油分配室に流入してシャフトの給油孔からの各摺動部への油が供給ができなくなる。
第1の発明の実施例である流れ制御機構A5を旋回スクロールの端板2b内に設けた構成を図5に示す。そして、図中のA矢視図を拡大して図6に示す。
図5に示すように、旋回スクロール端板2bに一体に構成された軸受ボス2c内に一端が油槽に開口する給油孔3bを設けたシャフト3の偏心部である旋回軸3aが軸受に挿入された上端部に特定方向に油溝を設けたキャップ4が固定されている。そして、該軸受ボス2c内のキャップ4との間で油分配室2dが形成されている。また、キャップ4の外観図である図7に示すように一方向に設けられた油溝4bはシャフトの給油孔3bを介して密閉容器内の油槽に連通している。
一方、該端板2b内に設けた円筒状の収納空間A2eには図6に示すように円柱状のピストンA6とバネ7を収納するとともに収納空間A2eの一端に前記油分配室2dとを連通する導入孔2gが開口し、円筒壁面にはα作動室に連通する注油孔2fが開口して逆流防止機構を収納した流れ制御機構A5が構成されている。
ピストンA6は、図8の外観図に示すように、円柱部両端6bと6eの径を等しい最大径で形成し中央部である6dを最小径としその中間に6cを設けた3段階で構成し、その内部にはバネ7を装着する一方の端面が閉じた穴6fを設けるとともに該最小径6d部には、穴6fに連通する穴6gを開口させる。
上記ピストンA6の最大径と収納空間A2eの間に形成される隙間の断面積は、注油孔2fの断面積よりおよそ小さく設定し、中間の径6cと6aの段差よりも6dの段差を大きく形成する。
上記の如く構成された流れ制御機構Aの動作を図9に示した(e)〜(g)で説明する。(e)図は図4の(a)に示した圧力が上昇したC点の手前の圧力状態におけるピストンA6の位置を示しており、吐出圧力Pdである密閉容器内圧力と注油孔2fが連通しているα作動室内の圧力Pαとの差圧が小さいので、ピストンA端面前後に作用する差圧とバネの力関係で図の左側に移動して最小径6d部が注油孔に位置した状態で保持され、油分配室内の油が導入孔から流入してピストンAと収納空間A内壁との隙間を通り注油孔からα作動室内に流入する。
(f)図は図4の(a)のB点近傍の圧力状態におけるピストンA6の位置を示しており、吐出圧力Pdと注油孔2fが連通しているα作動室内の圧力Pαとの差が大きいので、ピストンA端面前後に作用する差圧がバネ力より大きくなり左側に移動して収納空間Aの端面で停止するが、中間の径である6c部が注油孔が開口する位置での隙間が小さく通路面積が大幅に減少するので、導入孔から流入してピストンA外周隙間を通り注油孔からα作動室内に流入する油量は(e)図の場合よりも減少する。
上記(f)図の状態に於いて、注油孔が開口するα作動室との位置は、図3の(c)から(d)に至る間に相当し注油孔と外側のラップ側壁間隙間との距離が離れた位置関係にあって作動室に流入した油は直ちにラップ間シ−ルに利用できないので、油注入量を軽減するのが効率上好ましいことになる。
(g)図は図4の(b)に示した圧力状態におけるピストンA6の位置を示しており、吐出圧力Pdと注油孔2fが連通しているα作動室内の圧力Pαとの差が逆転してピストンA6端面前後に作用する逆圧とバネ力より右側に移動して収納空間Aの端面に押し付けられて導入孔2gが塞がれるので、作動ガスの油分配室Aへの逆流が阻止される。
シャフト3の先端に設けたキャップ4外径と油分配室2dの内径との隙間を小さくし、図3の(a)のように注油孔2fが連通するα作動室外側のラップ側壁隙間が接近した状態のときに図5のように油溝4bが導入孔2gに対向する位置に来るように組み付けることにより、図9の(f)のとき差圧大で油の流入量が必要以上に増大するのを軽減させることができる。
ピストンA6と収納空間A2e端面との間に設けたバネ7は補助的に設けており、そのバネ力は小さいので、バネを装着しなくても該流れ制御機構Aの逆流防止機能を損なうことはない。その際のピストンの円筒部外径は大径と小径の2段構成で良いことになる。
この流れ制御機構Aをスクロール部材に装着することにより、作動室内のラップ間のシールが必要とされる圧力条件の時には、効果的な位置にある作動室内に必要最小限の量の油を注入することができ、逆にシ−ルを不要とする圧力条件の時には、逆流防止機構が作用して、作動室内の作動ガスが摺動部に流入することを阻止することができるので、高効率化が図れるとともに信頼性に優れたスクロール流体機械が実現できる。
本発明の第2の実施例である流れ制御機構Bの構成を図10〜12を用いて説明する。
図10に示すように、旋回スクロール端板21bに一体に構成された軸受ボス21cの軸受に一端が油槽に開口する給油孔22bを設けたシャフト22の偏心部である旋回軸22aが挿入され、その上部に設けた油分配室B21dは給油孔22bを介して密閉容器内の油槽に連通している。
一方、該端板21b内に設けた円筒状の収納空間B21eには図12の外観図に示す円盤状のピストンB31を収納し、収納空間Bの上部端面にはα作動室に連通する注油孔21fを開口させるとともに収納空間B21eの円筒側壁面に開口する導入孔21gを油分配室として設けたシャフトの給油孔と連通する油溜め溝22dに連通させて流れ制御機構B30が構成されている。
また図10のA−A線断面図である図11に示すように、軸受ボス21c内に設けた導入孔21gと油槽に連通する給油孔22bは、軸受を貫通してシャフトの表面に設けた油溜め溝22dと分岐穴22cを介して連通しているが、該導入孔21gを設けた軸受ボスに対してシャフト22は回転しているので、導入孔21gと給油孔22bが連通する区間はシャフトに設けた油溜め溝22dの周方向の位置と長さで決められる。そして、その位置と長さはα作動室が図3の(a)から(b)を移動する間に注油孔から油が流入するように図11のような位置関係で連通するように構成する。
ピストンB31は、図12の外観図に示すように、円筒状の収納空間B21を僅かに縮小した円柱側壁面31aと上下の平坦面で形成され、注油孔に対向する平坦面である吸着面31b中央部は一段低く形成されその中心部には注油孔より細径の制油孔31cが設けられている。
以上の如く構成された流れ制御機構Bに於いては、図4(a)のB〜C点間のように注油孔が開口するα作動室の圧力が吐出圧力より低い状態では、導入孔から注油孔に向かう流れが生じるので、注油孔が開口している収納空間B端面にピストンBの吸着面が吸着されて導入孔から流入した油はピストンBの制油孔を通り注油孔からα作動室内に流入する。
一方、図4の(b)のように注油孔が開口するα作動室の圧力が吐出圧力より高い状態では、注油孔から導入孔に向かう流れが生じて、導入孔が開口している収納空間B内壁面にピストンBの円柱側壁面が吸着されて導入孔が塞がれるので、α作動室内の作動ガスが導入孔から軸受を通り油分配室に流入する流れは阻止される。
この流れ制御機構Bをスクロール部材に装着することにより、作動室内のラップ間のシールに必要とされる圧力条件の時には、効果的な位置にある作動室内に必要最小限の量の油を注入することができ、逆にシ−ルを不要とする圧力条件の時には、逆流防止機構が作用して、作動室内の作動ガスが摺動部に流入することを阻止することができるので、高効率化が図れるとともに信頼性に優れたスクロール流体機械が実現できる。
本発明の第3の実施例である流れ制御機構Cの構成を図13〜15を用いて説明する。
図13に示すように、図示されてない電動機部と圧縮機構部を水平に配置した横型圧縮機を密閉容器42に収納した構成に於いて、下部を油槽43に浸漬した固定スクロール端板40bに設けた収納空間C40cに図3で示したα作動室に連通する注油孔40dと油槽に連通する給油孔40eを開口させ、その内部にピストンC51とバネ52を収納して流れ制御機構C50を構成している。
ピストンC51と収納空間C40c端面との間に設けたバネ52は補助的に設けており、そのバネ力は小さいので、バネを装着しなくても該流れ制御機構Cの機能を損なうことはない。またピストンCは、図15の正面図に示すように、大径部51eと小径部51fの2段円柱の上面は平坦面51aで、下側は通路溝51cを端面で、中心部に上下端面に貫通する制油孔51dを設けて構成されている。
図13のピストンCの位置は、図4の(a)のように油槽内の圧力よりもα作動室内の圧力が低い場合を示しており、ピストンC端面に作用する圧力差により端面51aを注油孔40dが開口する収納空間C40cの壁面に押し付けられて端面隙間が閉じるので、制油孔51dのみから給油孔を介して油槽内の油が流入することになる。
一方、図4の(b)のように油槽内の圧力よりもα作動室内の圧力が高い状態の場合は、ピストンC端面に作用する差圧は、図13の位置とは異なり図13のA矢視図を部分的に取り出して示した図14のようになる。すなはち、ピストンCは収納空間Cの下方に移動して端面に押し付けられる。
このように、α作動室内の圧力が油槽内圧力より高くなると、ピストンCの移動により収納空間C内壁との隙間が拡大した状態でα作動室内の作動ガスが収納空間を介して油槽内に逆流するので、排出抵抗の少ない吐出バイパスの機能を有することになる。
この流れ制御機構Cをスクロール部材に装着することにより、作動室内にラップ間のシールにとって、必要とされる圧力条件と効果的な位置に必要最小限の量の油を注入することができるとともにシ−ルを不要とする条件では吐出バイパスにより作動室内の過圧縮が防止できるので、省電力性に優れたスクロール流体機械が実現できる。
上記の発明の実施例1から3は、作動室を形成するラップ壁面高さが一様な等高状スクロール部材に本発明の流れ制御機構を適用した構成であったが、以下にラップ側壁面の高さが異なる作動室で構成される階段状スクロール部材への実施例を図16と17を用いて説明する。
図16は、渦巻き状ラップで挟まれた渦巻き溝の中央側を一段高くした溝段差壁面61cを設けた旋回スクロ−ル61とその溝段差壁面に対応させてラップ先端を一段低くしたラップ段差壁面60bを設けた用いた固定スクロール60とを噛み合わせて形成した所謂階段状スクロール部材を用いた作動室がシャフトの回転に従い中央部移動する様子を90°ピッチ毎の回転に対して(a)〜(d)の4枚の図で示している。
(a)図に示すように、旋回スクロールのラップ61a壁面に挟まれた渦巻き溝の中央側を一段高くした半円弧の溝段差壁面61bが形成され、その溝段差壁面の包絡線として固定スクロールのラップ60aの中央側を一段低くした半円弧のラップ段差壁面60bが形成されている。該階段状スクロール部材の構成は、特開2000−329079号公報に記載されているので、詳細な説明は省く。
図16に示す作動室の最大密閉空間の容積は、一対の作動室が対称に形成される図3とは異なり、(c)図に記載した旋回スクロールのラップ外壁側に形成さる外作動室70の最大密閉空間の容積は、半回転進んだ(a)図に記載した旋回スクロールのラップ内壁側に形成さる内作動室80の最大密閉空間の容積よりも大きくなる。
該溝段差壁面とラップ段差壁面の渦巻き中心側で形成される作動室内の高さは、最大密閉空間を形成する外側の高さに比べて大幅に低くく設定しているために、渦巻き形状で形成される平面の面積の変化以上の大幅な比率で容積は減少する。
図16に於いて、旋回スクロールの中心部の巻き始め角をλsラジアンと置き、外側の巻き終り角をλeラジアンと置き、さらには半円弧で形成される溝段差壁面61bの円弧面内側がラップ外壁面に接する交点のラップの巻き角をλkラジアンと置いた場合に、それら巻き角の間に次の関係式が成立する位置に溝段差壁面61bとそれと噛み合うラップ段差壁面60bでスクロール部材を構成する。
λk≦λs+2πラジアンないしはλk≦λe−3.5πラジアン
該溝段差壁面とラップ段差壁面との関わりついて見ると、(a)図では、ラップ段差壁面61bの円弧外側端部とラップ外壁面とが接合する点に旋回スクロールの溝段差壁面60b円弧端部とラップ内壁面とが接合する点が最接近している状態を示している。
このとき、ラップ段差壁面60b外側の内作動室80は最大密閉空間を形成し、吸入圧力状態にあるが、ラップ段差壁面60b内側の外作動室76内には溝段差壁面61cが含まれており、最大密閉空間70からおよそ軸1回転半圧縮行程が進んだ状態を示している。
上記の発明で説明した旋回スクロールの端板に設けられた流れ制御機構Aないしは流れ制御機構Bの一部を構成する注油孔A61cが旋回スクロールの溝段差壁面60b円弧中央近辺の端板に設けられており、(a)図では、該注油孔61cは外作動室76に開口している。なお、旋回スクロールのラップ内壁面に沿って設けられた作動室84に開口する注油孔B61dは第1の発明で説明した注油孔と同じ構成となり、注油孔Aと併用することで、流れ制御機構の機能が増大する。以下は、該溝段差壁面ないしはラップ段差壁面に関わる注油孔Aについて説明する。
(a)図から軸が90°回転した(b)図では、ラップ段差壁面61bの円弧中央部に溝段差壁面60bが最近接して前後の作動室を仕切った状態を表し、この円弧上の仕切り線を壁面シ−ルと称すると、該壁面シ−ル外側の内作動室81は吸入圧力から僅か圧縮された状態にある一方で内側の注油孔Aが開口している外作動室77は圧縮行程が終了し吐出行程に入る直前の状態にあって、これら作動室間をラップ段差壁面であるラップ歯厚の半円弧の極めて小さな曲率で壁面シ−ルを形成している。
次いで軸が90°回転した(c)図では、ラップ段差壁面61b円弧内側端部とラップ内壁面を接合させる点に溝段差壁面60b円弧端部とラップの外壁面を接合させる点が最接近している状態を示している。このとき、外側の内作動室82と内側の外作動室74の圧力が一致するように段差壁面高さが設定されている。この図のように、壁面シール部を跨いで移動した注油孔Aは内作動室82に開口位置が切り替わるので、注油孔Aから壁面シールに向けた注油は不要となる。
さらに軸が90°回転した(d)図では、ラップ段差壁面61b円弧先端部と溝段差壁面60b円弧面とが離れて壁面シールの隙間は大きく開いた状態となるので、この区間も、注油孔からの注油が不要となる。
次に図16の作動室内の圧力状態を、図17のPV線図を用いて説明する。(e)図は通常の運転状態を示す高圧力比条件を示し、(f)図は起動時などの吐出圧力と吸入圧力が接近した低圧力比条件を示す。
(e)図のA点は外作動室の最大密閉空間である図16の(c)の作動室70を示し、B点は内作動室の最大密閉空間である図16の(a)の作動室80を示しているので、それぞれの作動室内は共におよそ吸入圧力に等しくなる。C点は内外室作動室が合体して一つの作動室になる状態を示し、図16の(c)の作動室82と作動室74の圧力がほぼ同一となり連通する状態を表している。
またBとC点の間にあるD点で、注油孔Aを壁面シール部が横切って図16の(c)の作動室82に注油孔Aが開口した後、C点で内外作動室が合体し、E点で(a)図のようにラップ段差壁面に溝段差壁面が最接近して壁面シ−ル部が微小隙間を保持した状態で、F点から(c)図の内外作動室が連通するまでの圧縮行程が進む間に壁面シ−ル部前後の作動室間の差圧により漏れが増大するので、(a)図の作動室76に吐出圧力との差圧を利用して注油孔Aから流入させた油を壁面シ−ル部に供給してシ−ルをする。
(e)図に示す注油孔Aが作動室に連通している区間Spに於いて、壁面シ−ル部前後の作動室が合体して同一圧力状態にある区間である(c)図から(a)図までの間すなはち壁面シ−ル隙間が拡大している間は、シ−ルを不要とするので、注油孔Aからの油の流入はないか大幅に減少させるのが好ましい。
(f)図に示した起動時などの低圧力比条件では、注油孔Aが開口する作動室の圧力は吐出圧力よりも高くなり作動ガスの逆流が発生するが、上記で説明した本発明の流れ制御機構Aないしは流れ制御機構Bをスクロール流体機械に設けることにより、一瞬で逆流を阻止して各摺動部への油の供給が確保されるとともに(e)図に示した運転条件に於いては、壁面シール部にシ−ルに必要とされる適性な油量が供給できるので、信頼性及び効率の高いスクロール流体機械が提供できる。
また、上記で説明した本発明の流れ制御機構Cをスクロール流体機械に設けることにより、(f)図のような条件に於いて、注油孔Aから作動ガスの逆流が発生する場合、吐出空間にバイパスされることと(e)図に示した運転条件に於いては、壁面シール部にシ−ルに必要とされる適性な油量が供給できるので、省電力性に優れたスクロール流体機械が提供できる。
以上説明したように、本発明にかかるスクロール流体機械は、密閉容器内の高圧を利用して油を作動室に供給する空気スクロール圧縮機、真空ポンプ、スクロール型膨張機等のスクロール流体機械にも有効である。
本発明の逆流防止機構付き流れ制御機構を備えた流体機械のAモデル図 他の発明のバイパス機構付き流れ制御機構を備えた流体機械のBモデル図 本発明の等高状スクロ−ル流体機械の作動室の動作説明図 図3に用いた等高状スクロ−ル流体機械のPV線図 実施例1に係る流れ制御機構Aを端板内に装着したスクロール流体機械の要部断面図 図5のA矢視の拡大図 キャップの平面図 ピストンAの外観図 実施例1に係る流れ制御機構Aの動作説明図 実施例2に係る流れ制御機構Bを端板内に装着したスクロール流体機械の要部断面図 図10のA−A線断面図 ピストンBの外観図 実施例3に係る流れ制御機構Cを端板内に装着したスクロール流体機械の要部断面図 図13のA矢視図に示す流れ制御機構CのピストンCが反対側に動作した図 ピストンCの外観図 本発明の階段状スクロール流体機械を用いた作動室の状態説明図 図16に用いた階段状スクロ−ル流体機械のPV線図
符号の説明
1 固定スクロール
2 旋回スクロール
2b 端板
2d 油分配室
2e 収納空間A
2f 注油孔
2g 導入孔
3 シャフト
5 流れ制御機構A
6 ピストンA
7 バネA
21 旋回スクロール
21d 油分配室
21e 収納空間B
21f 注油孔
21g 導入孔
30 流れ制御機構B
31 ピストンB
31b 吸着面
31c 制油孔
40 固定スクロール
40b 端板
40c 収納空間C
40d 注油孔
40e 給油孔
50 流れ制御機構C
51 ピストンC
51d 制油孔
52 バネC
60 固定スクロール
60b ラップ段差壁面
61 旋回スクロール
61b 溝段差壁面
61c 注油孔A
61d 注油孔B
101 吸入室
102 作動室
103 流れ制御機構
104 油分配室
105 注油孔
106 導入孔
107 給油孔
108 摺動部A
109 摺動部B
200 密閉容器
202 作動室
203 流れ制御機構
204 注油孔
205 導入孔

Claims (9)

  1. 渦巻き状の突起であるラップを端板に固定した一対のスクロール部材のラップ部を互いに噛み合わせて作動室を形成し該スクロール部材を支持する摺動部に潤滑油を供給する手段を設けて構成されたスクロール流体機械に於いて、一方のスクロール部材の端板内に設けた収納空間に吸入通路側に連通することのないα作動室に連通する注油孔と高圧雰囲気中の油が流体機械の停止中ないしは運転中に滞留するように構成された油溜り空間を連通する導入孔を開口させるとともに前記注油孔と導入孔から導入される圧力で動作して該収納空間内の通路面積を変化させるピストンを収納して構成した流れ制御機構を設けたことを特徴とするスクロール流体機械。
  2. 油が滞留する請求項1記載の油溜り空間を、旋回スクロール端板の反ラップ側中央部に突出させた軸受ボス底面とシャフト端面との間に設けた空間ないしは該軸受ボス内の軸受に挿入するシャフト表面に設けた油溜め溝としての空間を油槽に連通するシャフトの給油孔及び旋回スクロールを支える摺動部に連通する通路を開口させた油分配室として構成するとともに該油分配室からα作動室への流れを許容するがα作動室から油分配室への逆流を阻止する圧力差で動作する逆流防止機能を収納して流れ制御機構を構成したことを特徴とする請求項1記載のスクロール流体機械。
  3. 該収納空間を端板面に平行な中心軸を有する円筒空間で形成した油分配室側の端面には該円筒空間の内径のおよそ1/2前後以下の直径の導入孔を開口させ、該円筒空間の円筒部にはα作動室に連通する注油孔を開口させ、さらには該円筒部との間で隙間を設けて可動自由で前記導入孔が塞げる端面を有する複数段の円柱部で構成したピストンAと該収納空間端面と該ピストンAとの間にバネ等の弾性体を収納して構成した逆流防止機構から構成された流れ制御機構Aを装着したことを特徴とする請求項2記載のスクロール流体機械。
  4. 該収納空間を端板面に垂直な中心軸を有する円筒空間で形成した円筒壁面上に該円筒空間の高さのおよそ1/2前後以下の直径の導入孔を開口させ、円筒端面中央にはα作動室に連通する注油孔を開口させ、さらには該円筒空間との間で僅かな隙間を設けて形成した円盤の中心部に上下面を貫通する導入孔や注油孔よりも細径の制油孔を設けたピストンBを収納して構成した逆流防止機構から構成された流れ制御機構Bを装着したことを特徴とする請求項2記載のスクロール流体機械。
  5. 油が滞留する請求項1記載の油溜り空間を、密閉容器内に設けた油槽として構成するとともに固定部材の固定スクロールの端板に設けた収納空間に、α作動室に連通する注油孔と油槽に連通する導入孔を開口させ、油槽からα作動室への流れの通路面積よりもα作動室から油槽への流れの通路面積が大きくなるように、油槽内の圧力とα作動室の圧力の差に応じて動作するバイパス機構を該収納空間に収納して構成した流れ制御機構を装着したことを特徴とする請求項1記載のスクロール流体機械。
  6. 固定スクロール端板に設けた円筒状の収納空間端面中央にα作動室に連通する注油孔が開口し、また反対側の端面には油槽に連通する導入孔が開口し、該収納空間内には可動自由な該注油孔よりも面積の小さい制油孔を中心に設けた円柱状のピストンCとこのピストンCを上記注油孔開口壁面から離反させる弾性力が作用するようにバネ等の弾性体を設けて構成したバイパス機構を収納して構成した流れ制御機構Cを装着したことを特徴とする請求項5記載のスクロール流体機械。
  7. 作動室を形成する渦巻き状ラップの巻き始めから巻き終りまでの高さが互いに等しいラップを端板に固定したスクロール部材一対のラップを互いに噛み合わせて作動室を構成する等高スクロール部材を用いたスクロール流体機械に於いて、
    該スクロール部材の一方のおよそ中央部に設けた作動ガスを排出する吐出孔に連通する前後までの軸1回転の間の該α作動室に開口する注油孔ないしはラップ内外壁を形成する渦巻き曲線の中央部の巻き始めから巻き角にして1.5π〜2πラジアン外側に移動したラップ内外壁面近傍の一対のα作動室それぞれに開口する注油孔をスクロール部材の端板に設けて流れ制御機構を構成したことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のスクロール流体機械。
  8. 作動室中央側の床面を外側より1段高くすなはち作動室高さを1段低くするように溝段差壁面とそれに相対するラップ段差壁面で作動室を形成させた上で、一方の渦巻き溝の床面を一段高く形成した溝段差壁面を有するスクロール部材のラップ中心部の巻き始め角をλsラジアンと置き、ラップ外側の巻き終り角をλeラジアンと置き、さらには半円弧状で形成された該溝段差壁面の円弧面内側がラップ外壁に接する交点のラップの巻き角をλkラジアンを置いた場合に、それら巻き角の間に下記関係式が成立するような位置に溝段差壁面とそれに対応するラップ段差壁面を形成し、
    λk≦λs+2πラジアンないしはλk≦λe−3.5πラジアン
    溝段差壁面を形成したスクロール部材の半円弧状の溝段差壁面に近接した端板上に注油孔を設けた流れ制御機構ないしはラップ段差壁面の中心に近い内側に近接した端板上に注油孔を設けた流れ制御機構で構成したことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のスクロール流体機械。
  9. 端板内の収納空間に連通し作動室に開口する注油孔と作動室の圧力が吐出空間の圧力よりも高い時に作動室内ガスが吐出空間に排出される機能を有する吐出バイパス孔を注油孔よりも渦巻きの中心側に配置させ、また1対のスクロール部材で形成される作動室で少なくともシャフト半回転前後は同一作動室に開口するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のスクロール流体機械。

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