JP6702478B2 - 血液装置用キャップの射出成形による製造方法 - Google Patents

血液装置用キャップの射出成形による製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、血液装置用キャップの射出成形による製造方法に関する。
腎不全患者の腎臓は、血液中の不要な代謝物等を除去できない。腎不全患者の血液中から不要な代謝物等を除去するため、血液透析が行われている。血液透析を行う血液装置としては、ダイアライザ等が知られている。また、リウマチ患者等の血液中には活性化した白血球が含まれる。活性化した白血球は炎症などの症状を引き起こすため、白血球除去処置が行われている。また、血小板を輸血する際のウイルス感染を予防するため、血小板輸血患者に輸血する血液成分から白血球除去する処置を施す。白血球除去処置を行う血液装置としては、白血球除去フィルターが知られている。血液装置の本体やキャップは、熱可塑性樹脂を原料として射出成形により製造されることが一般的である。射出成形において、金型内の熱可塑性樹脂が合流する箇所に線状に延びる微少な溝ないし凹みが形成される。このような成形品に形成された微少な溝ないし凹みは、ウェルドラインと称される。
特許文献1には、体液処理用の筒状容器においてウェルドラインが生じた箇所に、気泡を排出するためのガス排出部が設けられた構成が開示されている。これにより、筒状容器の側面が叩かれた場合にクラック等の損傷を生じ難くなるとされている。
特許文献2には、キャップ部材の内側に凸部と凹部とを設けることにより血液の流れを制御するキャップ部材が開示されている。
特開2008/161247号公報 特開2006/55205号公報
射出成形により製造された血液装置用キャップの内側にウェルドラインが形成されると、血液装置に流通された血液がウェルドラインにおいて滞留したり凝固したりする可能性が考えられる。例えば、血液装置用キャップのウェルドラインに血液が滞留していると、血液装置を使用した後、全ての血液が血液装置から流出されても、血液装置用キャップのウェルドラインに微量の血液が残留することがある。このような血液の残留は、外観上よくない。また、血液装置用キャップのウェルドラインに血液の凝固が生じても同様の問題が生じ得る。
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、血液が接触する領域にウェルドラインが形成されていない血液装置用キャップ及び血液装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る血液装置用キャップは、血液装置用の筒形状の本体の開口に取付可能であり、熱可塑性樹脂を射出成形して得られる。本発明に係る血液装置用キャップは、筒状の側部と、上記側部の軸線方向の一方の開口を塞いでおり、当該軸線方向に沿った貫通孔を有する蓋部と、上記蓋部に設けられており、内部空間が上記蓋部の貫通孔と連通する筒状のノズル部とを備える。当該血液装置用キャップが上記本体の開口に取り付けられた取付状態において、上記蓋部の内面において上記本体内を流通する血液が接触可能な血液接触領域にウェルドラインが形成されていない。
蓋部の内面における血液接触領域にウェルドラインが形成されていないので、ウェルドラインに血液が滞留したり凝固したりする可能性が低減される。
(2)好ましくは、上記血液接触領域は、上記取付状態において上記本体の内部空間を区画する面である。
(3)好ましくは、上記側部は、上記軸線方向の他方の開口を区画する縁部に2箇所以上のゲート痕を有する。
射出成形において、金型へ熱可塑性樹脂が流入される2箇所以上のゲートが、側部の他方の開口を区画する縁部に設けられているので、血液接触領域にウェルドラインが形成されない。また、2箇所以上のゲートから金型内へ熱可塑性樹脂が流入されるので、溶融された熱可塑性樹脂(以下、溶融樹脂とも言う。)の温度が金型において下がり難くなり、ウェルドラインが形成され難くなる。
(4)好ましくは、上記ゲート痕は、上記側部に周方向において等間隔に配置されている。
これにより、射出成形の際に、等間隔に配置されたゲートから溶融樹脂を射出することができる。それぞれのゲートから充填された溶融樹脂は、合流地点において同じような流動性を有する。このため、溶融樹脂は合流地点において均一に混ざり合い易い。よって、ウェルドラインの形成がさらに抑制される。
(5)好ましくは、上記側部にウェルドラインが形成されている。
(6)好ましくは、上記ゲート痕は、上記縁部が上記軸線方向に沿って凹んだ凹部である。
ゲート痕が凹部であるため、金型から血液装置用キャップが外し易い。また、ゲート痕が成形品の縁から突出していると、突出したゲート痕を取り除いて平面にするなどの成形品の形を整えるための処理が必要になることがあるが、ゲート痕が凹部であれば、このような処理を省くことができる。
(7)好ましくは、上記蓋部に設けられており、上記ノズル部の外側を囲む筒状の接合部をさらに備える。
仮に、血液装置用キャップにウェルドラインが形成されるとすれば、筒状の接合部に形成されることになり易い。接合部は、血液装置に流通される血液が直接に接触する箇所ではないので、ウェルドラインに血液の滞留等が生じない。
(8)好ましくは、上記接合部の内壁に雌ネジが形成されている。
(9)好ましくは、上記蓋部は、上記軸線方向の一方へテーパ形状に突出されている。
これにより、射出成形において蓋部からノズル部へ熱可塑性樹脂が流れやすくなるので、蓋部においてウェルドラインが一層形成され難くなる。
(10)本発明に係る血液装置は、上記血液装置用キャップと、血液が流通される筒状の本体と、を備える。本発明に係る血液装置は、上記本体の開口に上記血液装置用キャップが取り付けられる。
本発明によれば、少なくとも血液装置用キャップの蓋部の内壁における血液接触領域にウェルドラインが形成されていないため、血液装置を流通される血液が蓋部の血液接触領域に滞留等することが抑制される。
図1は、血液装置10を模式的に示す図である。 図2(A)は、キャップ12Aを平面側(ノズル部23の突出する側)から斜めに見た斜視図であり、図2(B)は、キャップ12Aを底面側から斜めに見た斜視図である。 図3は、キャップ12Aの正面図である。 図4は、キャップ12Aの平面図である。 図5は、キャップ12Aの底面図である。 図6は、図4に示される切断面VI−VIで切断されたキャップ12Aの断面図である。 図7は、射出成形機40を模式的に示す図である。 図8は、キャップ12Aを射出成形する際に使用される金型50の断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。
[血液装置10]
図1に示されるように、血液装置10は、本体11、キャップ12A、キャップ12B、中空糸束13、中空糸支持体14を有する。本体11は、概ね円筒形状である。本体11の内部空間は、軸線方向101(図1における左右方向に沿った方向)の両側において開口している。本実施形態では、図1の左側の開口が血液入口用であり、右側の開口が血液出口用であるが、これらは相対的な関係である。本体11の各開口には、キャップ12A及びキャップ12Bがそれぞれネジ構造により嵌め込まれている。キャップ12A及びキャップ12Bは、本体11に嵌め込まれた状態で超音波融着により液密に封止される。なお、各キャップ12A及び12Bと本体11との間にパッキンを設けることにより液密に封止することも可能である。
本体11の各開口付近には、一対の中空糸支持体14が設けられている。なお、図1において左側に配置された中空糸支持体14は、図1には現れていない。一対の中空糸支持体14は、本体11の内部空間において中空糸束13の両端側を支持するとともに、本体11の内部空間に液密に嵌め込まれている。
本体11の内部空間において、一対の中空糸支持体14に挟まれた空間は、中空糸支持体14によって液密な空間に保持され、かつ本体11に設けられた2つのポート15,16によって外部へ開放されている。ポート15,16を通じて、一対の中空糸支持体14に挟まれた空間に透析液が流通される。
本体11は、例えば熱可塑性樹脂を原料として射出成形により製造される。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン樹脂等が好ましく、ポリプロピレン樹脂がより好ましい。ポリプロピレン樹脂は、耐熱性に優れると共に光透過性を有する。本体11が、光透過性を有する熱可塑性樹脂から成型されることにより、本体11の内部が外部から視認可能となる。これにより、本体11の内部を流通する血液や透析液などが、外部から視認可能である。また、ポリプロピレン樹脂は、安価であり比較的入手しやすい。
中空糸束13は、透析膜が管状に形成された中空糸の束である。中空糸はそれぞれの両端において開口している。中空糸の原料としてはトリアセテートやポリエーテルスルホン等が挙げられる。中空糸の太さや膜圧長さ種類等は、血液装置10内を流通する血液の流量、粘性、患者の症状等の条件に応じて適宜設定される。本体11の内部空間において、中空糸支持体14より開口側には血液が流通する。本体11の各開口側の空間は、中空糸束13により連通されている。したがって、本体11の一方の開口から流入した血液は、中空糸束13を通って、他方の開口から流出可能である。
[キャップ12A]
キャップ12A及びキャップ12Bは、熱可塑性樹脂を原料として射出成形により製造される。キャップ12A及びキャップ12Bは、同一の形状であってもよく、異なっていてもよいが、本実施形態においては同一形状であるため、以下、キャップ12Aを例に構成が説明される。
キャップ12Aの材料は、本体11と同様に、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン樹脂等が好ましく、ポリプロピレン樹脂がより好ましい。ポリプロピレン樹脂は、耐熱性に優れると共に光透過性を有する。キャップ12Aが光透過性を有する熱可塑性樹脂から成型されることにより、キャップ12Aを通じて、本体11の内部が外部から視認可能となる。
図2から図6に示されるように、キャップ12Aは、筒状の側部21と、蓋部22と、ノズル部23及び接合部26とを有する。
側部21は、概ね円筒形状である。側部21の内径は、本体11の外構周縁の外径に対応している。各図には詳細に示されていないが、側部21の内面には雌ネジが形成されており、本体11の開口周縁の外面に形成された雄ネジと螺合可能である。側部21の径方向に沿った厚み(図6に示される厚みA)は、側部21の周方向102に渡って一定である。
側部21の軸線方向101の一方側の向き101Aを向いた開口は、蓋部22によって閉塞されている。側部21の軸線方向101の他方側の向き101Bを向いた開口は閉塞されておらず、当該開口を通じて、本体11の端部とキャップ12Aとが嵌まり合う。側部21の向き101Bの開口を区画する縁部27には、2箇所のゲート痕28がある。ゲート痕28は、側部21の周方向102において等間隔に、本実施形態では180度毎に配置されている。ゲート痕28は、キャップ12Aが射出成形されるときに金型50(図8参照)へ溶融された熱可塑性樹脂を流入するためのゲート52(図8参照)によって、側部21の縁部27の平面に形成された凹形状である。ゲート痕28の形状は、ゲート52の形状と逆の形状である。
ゲート痕28は、側部21が縁部27である平面において向き101Aへ凹んだ凹部である。ゲート痕28は、底面28Aと、底面28A及び縁部27を繋ぐ2つの側面28Bとで構成されている。側面28Bは、底面28と鈍角に交差している。ゲート痕28において2つの側面28B間の距離は、縁部27から底面28に向かって徐々に狭まっている。ゲート痕28の大きさや形状は、キャップ12Aの大きさや厚み、熱可塑性樹脂の粘性などに応じて適宜設定される。
図2から図4及び図6に示されるように、蓋部22は、軸線方向101に貫通する貫通孔25を有する。貫通孔25は、円盤形状の蓋部22の中心に位置する。蓋部22は、貫通孔25の周囲に、テーパー部22Aと、平面部22Bとを有する。
図6に示されるように、テーパー部22Aは、蓋部22のうち貫通孔25周りの中央部分を構成する部分である。テーパー部22Aは、キャップ12Aの中心軸103を中心とする半径S1の範囲において、貫通孔25の周囲から平面部22Bに渡って外方(図6における上方)へ突出するテーパ形状である。
平面部22Bは、テーパー部22Aの外周側においてテーパー部22Aと連続している。平面部22Bの内面及び外面は、キャップ12Aの中心軸103とほぼ直交している。
図1に示されるように、キャップ12Aは、本体11が内側に嵌め込まれている。本体11の開口を区画する先端面は、キャップ12Aにおける平面部22Bの内側に当接した状態で融着されている。融着により本体11とキャップ12Aとの間が液密に封止されているため、蓋部22の内側を流通する血液は、本体11とキャップ12Aとの間から外部へ流出されない。キャップ12Aが本体11の開口に取り付けられた状態を取付状態とする。取付状態において、血液接触領域31は、蓋部22の内面において本体11内を流通する血液が接触可能な領域である。すなわち、血液は、キャップ12Aのノズル部23から血液装置10内へ流入する。血液は、はじめに血液装置10の外部からノズル部23へ流入する。ノズル部23から流入した血液は、本体11とキャップ12Aとにより形成された空間へ流れ込む。本体11とキャップ12Aとにより形成された空間において、血液は、キャップ12Aの蓋部22の内面に接触する。キャップ12Aの蓋部22の内面において、血液が接触する領域が血液接触領域31である。また本体11内を通過した血液は、本体11とキャップ12Bとにより形成された空間へ本体11から流れ込む。本体11とキャップ12Bとにより形成された空間において、血液は、キャップ12Bの蓋部22の内面に接触する。キャップ12Bの蓋部22の内面において、血液が接触する領域が血液接触領域31である。本体11とキャップ12Bとにより形成された空間からキャップ12Bのノズル部23を介して、血液は血液装置10外へ流出する。
本体11は筒形状である。本体11の軸方向における本体11の両端は、外側と内側の縁によって区画される環状の端面である。本体11の端面は、本体11の軸方向に対して垂直に交わる面である。キャップ12A及びキャップ12Bにおける平面部22Bの内面は、キャップ12A及びキャップ12B本体11の軸方向に対して垂直に交わる面である。上述の取付状態において、本体11の両端の端面と、キャップ12A及びキャップ12Bにおけるそれぞれの平面部22Bの内面とが当接した状態で融着される。このため、血液接触領域31は、キャップ12A及びキャップ12Bの蓋部22の内面における、本体11の端面の内側の縁で囲まれた領域である。なお、キャップ12A及び12Bと本体11との間にパッキンが設けることにより液密に封止されている場合、血液接触領域31は、キャップ12A及びキャップ12Bの蓋部22の内面において、パッキンで囲まれた内側の領域である。
また、本体11は、両端が開口する筒形状である。取付状態において、本体11の開口は、キャップ12A及びキャップ12Bにより液密に封止される。本体11の内部空間は、本体11並びに本体11に取り付けられたキャップ12A及びキャップ12Bにより形成された空間である。本体11の内部空間において血液が接触する領域は、本体11の内面並びに、キャップ12A及びキャップ12Bの内面である。すなわち、本体11の内部空間は、本体11の内面並びにキャップ12A及びキャップ12Bの内面の血液が接触する面により囲まれる空間である。上述のように、キャップ12A及びキャップ12Bの内面の血液が接触する面は血液接触領域31である。このため、血液接触領域31は、本体11の内部空間を区画する面である。
図2、図3及び図6に示されるように、蓋部22の外面において、接合部26の周囲に複数のリブ29が形成されている。リブ29は、接合部26を中心として放射状に等間隔に8個が配置されている。なお、リブ29の個数、大きさ及び形状は、これに限定されず、血液装置10や接合部26の大きさに応じて適宜設定される。
図2、図3及び図6に示されるように、蓋部22の貫通孔25の周囲にはノズル部23が設けられている。ノズル部23は、両端が開口した円筒形状であり、その一端において貫通孔25を区画しており、他端側が蓋部22の外面から向き101Aへ突出している。ノズル部23の径方向に沿った厚みBは、周方向102に渡って一定である。ノズル部23の内部空間によって、キャップ12Aの内外が連通されている。
図2から図6に示されるように、蓋部22のノズル部23の周囲には、接合部26が、設けられている。接合部26は、ノズル部23を内包する円筒形状であり、蓋部22から向き101Aへ突出している。接合部26とノズル部23との間には、ノズル部23に接続されるコネクタ等が挿入されるための空間が形成されている。図6に示されるように、接合部26の内壁には、雌ネジが形成されている。この雌ネジによって、接合部26は、ノズル部23に接続されるコネクタ等と螺合される。
[キャップ12Aの製造方法]
以下に、キャップ12Aの製造方法が、図7及び8を参照しながら説明される。
図7は、射出成形機40の概略図である。射出成形機40の構成は公知であるので、ここでは詳細な説明が省略される。原料である熱可塑性樹脂のペレットが、ホッパー41に投入される。ペレットは、ホッパー41を通ってシリンダー42内へ移動する。シリンダー42内でペレットが所定の温度に加熱される。加熱されたペレットは溶融する。
図8は、キャップ12Aの射出成形に使用される金型50の断面図である。金型50は、可動側金型44及び固定側金型45により構成される。固定側金型45は、内部に2つのランナー51を有する。ランナー51の先端は、ゲート52である。ランナー51の内部空間は、ゲート52においてそれぞれ開口する。ゲート52は、側部21における縁部27に位置する。ゲート52は、2箇所に形成されている。ゲート52は、縁部27に周方向において等間隔に配置されている。ゲート52の先端部分は、固定側金型45から金型50の内部空間56へ深さDだけ入り込んだ位置にある。
型締め装置46により、可動側金型44は可動され、固定側金型45と圧接される。型締め装置46は、可動側金型44及び固定側金型45を圧接した状態で固定する。溶融樹脂は、シリンダー42から押し出され、ランナー51の内部空間53へ流入する。溶融樹脂は、ランナー51の内部空間53及びゲート52を介して内部空間56へ流入する。
本実施形態では、金型50の内部空間56において側部21の縁部27に対応する2箇所にゲート52が設けられている。溶融樹脂は、2箇所のゲート52から側部21に対応する金型50の内部空間56へ流入する。続いて、溶融樹脂は、側部21に対応する金型50の内部空間56から蓋部22に対応する金型50の内部空間56へ流入する。蓋部22に対応する内部空間56おいて、それぞれのゲート52から流出された溶融樹脂が合流する。
射出成形において、ゲート52から注入されて金型50の内部空間56を流動する溶融樹脂が合流するまでにかかる時間が長いと、合流地点での溶融樹脂の温度が下がり、ウェルドラインが形成されやすい。本実施形態では、それぞれのゲート52から流出された溶融樹脂が合流するまでにかかる時間が比較的短いので、少なくとも蓋部22の内面における血液接触領域31にウェルドラインが形成されない。
続いて、金型50の内部空間56における蓋部22に対応する位置において合流した溶融樹脂は、蓋部22に対応する内部空間56を介してノズル部23、接合部26及び側部21に対応する内部空間56へ流入する。溶融樹脂が金型50の内部空間56へ充填された後、可動側金型44及び固定側金型45が固定された状態で、金型50ごと充填された溶融樹脂が冷却される。冷却により、溶融樹脂が固化する。冷却後、可動側金型44及び固定側金型45が引き離される。固化した溶融樹脂が金型50から取り出されることにより、キャップ12Aが得られる。
[実施形態の作用効果]
本実施形態においては、血液接触領域31にウェルドラインが形成されていないキャップ12A及びキャップ12Bが得られる。血液装置10が用いられるときに、血液装置10に流通された血液が蓋部22の血液接触領域31において滞留したり凝固したりする可能性が低減される。これにより、使用後の血液装置10の外観上の見栄えが悪くなることが防止される。
また、ゲート痕28が側部21の他方の開口を区画する縁部27に設けられているので、血液接触領域31におけるウェルドラインの形成が抑制される。
また、キャップ12A,12Bの側部21の縁部27において、ゲート痕28が、周方向102に等間隔に配置されているため、金型内においてゲート52から溶融樹脂が合流する地点までの距離及びかかる時間はほぼ同じである。このため、合流地点において溶融樹脂は、均一に混ざり合い易く、血液接触領域31におけるウェルドラインの形成がさらに抑制される。
また、ゲート痕28が凹部であるため、キャップ12Aを射出成形の金型50から外し易い。また、ゲート痕28が突出している場合に比べて、形を整えるための処理を省くことができる。
また、キャップ12Aにウェルドラインが形成される場合、接合部26に形成されることになり易い。接合部26は、血液装置10に流通される血液が直接に接触する箇所ではないので、ウェルドラインに血液の滞留等が生じない。
また、蓋部22は、ノズル部23が設けられている側へテーパ形状に突出されている。このため、射出成形において蓋部22からノズル部23へ溶融樹脂が流れやすくなるので、蓋部22においてウェルドラインが一層形成され難くなる。
[変形例]
なお、前述された実施形態においては、側部21の縁部27である平面にゲート52が配置されているが、ゲート52は、側部21の外周面に配置されてもよい。また、ゲート痕28は、凹部ではなく凸部などの形状であってもよい。
また、前述された実施形態においては、テーパー部22Aが側部21側から方向101Aに向かって突出しているテーパ形状であるが、蓋部22にテーパー形状は必ずしも設けられなくてもよい。
また、前述された実施形態においては、ノズル部23の周りに接合部26が設けられているが、接合部26は必ずしも設けられなくてもよい。
また、前述された実施形態は、血液透析用のダイアライザを例として説明がされているが、血液装置10は、血液が流通される他の装置、例えば白血球除去フィルターであってもよい。
10 血液装置
11 本体
12A キャップ
12B キャップ
22 蓋部
23 ノズル部
25 貫通孔
26 接合部
27 縁部
28 ゲート痕
31 血液接触領域

Claims (4)

  1. 血液装置用の筒形状の本体の開口に取付可能な血液装置用キャップの射出成形による製造方法であって、
    上記血液装置用キャップは、
    筒状の側部と、
    上記側部の軸線方向の一方の開口を塞いでおり、当該軸線方向に沿った貫通孔を有する蓋部と、
    上記蓋部に設けられており、内部空間が上記蓋部の貫通孔と連通する筒状のノズル部と、を備えており、
    金型の内部空間において上記側部における上記軸線方向の他方の開口を区画する縁部に対応する周方向に等間隔な2箇所に設けられた各ゲートから、上記蓋部に対応する上記金型の内部空間に溶融した熱可塑性樹脂をそれぞれ流入して合流させ、
    上記内部空間において合流した溶融した熱可塑性樹脂を、上記側部及び上記ノズル部に対応する上記内部空間に流して充填し、
    上記内部空間に充填された溶融した熱可塑性樹脂を冷却して、上記金型から取り出す血液装置用キャップの射出成形による製造方法。
  2. 上記血液装置用キャップが上記本体の開口に取り付けられた取付状態において、上記蓋部の内面において上記本体内を流通する血液が接触可能な血液接触領域に上記射出成形によるウェルドラインが形成されていない請求項1に記載の血液装置用キャップの射出成形による製造方法。
  3. 上記金型の内部空間は、上記ゲートが形成された上記縁部に対応する箇所が、上記軸線方向に沿って凹んでいる請求項1又は2に記載の血液装置用キャップの射出成形による製造方法。
  4. 上記側部にウェルドラインが形成されている請求項1から3のいずれかに記載の血液装置用キャップの射出成形による製造方法。
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