JP4941035B2 - 円筒形状の蓋材およびこれを用いたモジュール - Google Patents

円筒形状の蓋材およびこれを用いたモジュール Download PDF

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Description

本発明は、円筒形状の蓋材およびかかる蓋材を用いたモジュール、特に血液浄化、水ろ過および血漿分離機などに好適な中空糸膜モジュールに関するものであり、さらに詳しくは、超音波溶着法を用いて円筒容器に取り付けるために好ましい円筒形状の蓋材およびかかる蓋材を用いたモジュールに関するものである。
従来から広く知られているように、円筒容器に、蓋材を固定する場合においては、ねじを用いて固定する方法や、超音波溶着を用いて固定する方法が広く知られている。
かかる従来技術において、ねじを用いて固定する方法に対し、超音波溶着を用いて固定する方法は、工具ホーンを用いて蓋材の天面に圧力を加えて、蓋材の被溶着部分を円筒容器の被溶着部に当接させながら超音波振動を与えることで、被溶着部に振動を伝達させ、被溶着部同士を相互に発熱、溶融させることにより固定する方法であり、ねじの緩みにより蓋材が緩むことがなく、気密、液密が必要な容器であっても、安定してシール可能であることから、広く用いられている。
中空糸膜モジュールは、一端に処理液入口ポートを備え、他端に出口ポートを備えた円筒状の本体ケース(円筒容器)に中空糸膜束が充填され、ポリウレタン樹脂などのポッティング材によって中空糸膜束が本体ケースに固定されているものであり、被処理液ポートを備えたヘッダー(円筒形状の蓋材)が本体ケース両端部に取り付けられている。被処理液は、中空糸膜モジュール内部を流通するため、ヘッダーの固定部から被処理液が漏れ出すことの無いよう、中空糸膜モジュール内部を液密にシールする必要がある。そのために、ヘッダーの内面に環状弾性体を備え付けて、ねじを用いて固定する方法や、超音波溶着を用いて固定する方法が広く知られている(特許文献1)が、超音波溶着を用いて固定する方法は、上記した利点を有するため、広く用いられている。
上記超音波溶着を用いた従来技術において、溶着部分の十分な接合強度を安定して得るためには、蓋材の被溶着部と円筒容器の被溶着部とが確実に当接し、かつ被溶着部が溶融するに十分な振動エネルギーを被溶着部に伝達させる必要がある。
しかしながら、工具ホーンで発生した超音波振動が、被溶着部に到達するまでに減衰し、十分な振動を被溶着部分に伝達できない問題があった。このため、被溶着部の発熱が不足し、結果として溶着部分の十分な接合強度が得られないことがあった。
また、ポリプロピレンやポリエチレンといった、硬度が低く、振動が減衰しやすい材質を蓋材に使用する場合には、蓋材と工具ホーンが当接する部分において振動が減衰し、蓋材と工具ホーンの界面で発熱が生じ、蓋材に傷や溶融痕が生じることがあり、製品の外観を損ねるため、問題となっていた。
実開昭64−56253号公報
本発明の目的は、超音波溶着によって取り付けられる円筒容器と円筒形状の蓋材とからなるモジュールであって、超音波振動の減衰が抑制するため、溶着部分の十分な接合強度を安定して得ることが可能であって、外観が良好な溶着結果を得ることができるモジュール、およびかかるモジュールの製造方法、またかかるモジュールを構成するための円筒形状の蓋材を提供することにある。
本発明者らは、中空糸膜モジュールの製造方法において、ヘッダーと本体ケースとの被溶着部の発熱が不足し、結果として溶着部分の十分な接合強度が得られないことの原因を検討した結果、超音波ホーンを蓋材の天面に当接し、蓋材に圧力を加えながら円筒容器と衝突させ、超音波振動を付加して溶着させるとき、超音波ホーンからの加圧により、蓋材は円筒容器に押し付けられ、円筒容器からの反力により、側面部がわずかに外側に開くように変形することを確認するに至った。その結果、肉眼では確認できない程度であるが、ホーン当接面である蓋材天面において、その中心位置に近いほど低いテーパ形状となることを確認した。かかる問題の解決手段を検討した結果、本発明者らは以下の発明に到った。
1. 天面に当接させた超音波ホーンから振動を付与することにより円筒容器に取り付けられる曲げ弾性率100MPa以上、1600MPa以下の範囲にある材質で構成された円筒形状の蓋材であって、前記蓋材の超音波ホーン当接面の、前記蓋材を側断面から見たときの高さが、前記蓋材中心方向に向けて高くなるようテーパ角が形成されていることを特徴とする円筒形状の蓋材。
. 前記テーパ角が0.2〜度であることを特徴とする前記に記載の円筒形状の蓋材。
. 円筒容器および前記1または2に記載の円筒形状の蓋材とを備えてなることを特徴とするモジュール。
. 前記円筒容器内に中空糸膜および/または繊維、膜、及びビーズのいずれか一つ以上から選ばれる吸着材を備えてなることを特徴とする前記に記載のモジュール。
. 血液浄化に用いることを特徴とする前記またはに記載のモジュール。
. 超音波ホーンを円筒形状の蓋材の天面に当接させて振動を付与することにより前記蓋材を円筒容器に取り付ける際の超音波ホーンの加圧による変形を補うように、前記蓋材の超音波ホーン当接面のテーパ角を形成することを特徴とする円筒形状の蓋材の製造方法。
. 前記円筒形状の蓋材が射出成形により製造されるものであって、前記射出成形による変形を補うように、前記蓋材の超音波ホーン当接面に対応する金型面のテーパ角を設定することを特徴とする前記に記載の円筒形状の蓋材の製造方法。
. 前記1または2に記載の円筒形状の蓋材の天面に超音波ホーンを当接させ、振動を付与して前記蓋材と円筒容器とを一体固定することを特徴とするモジュールの製造方法。
. 前記超音波ホーンの蓋材当接面のテーパ角がθP±0.2度であることを特徴とする前記に記載のモジュールの製造方法。
ここで、θPは、超音波ホーンによる加圧により変形した状態での蓋材のテーパ角であって、θP>0
本発明によれば、蓋材を円筒容器に超音波溶着を用いて固定する場合において、超音波振動の減衰を抑制することができ、振動を被溶着部に効率的に伝達することが可能となる。これにより、溶着部分の十分な接合強度を得ることができて、かつ外観の良好なモジュールを提供することができる。
本発明における円筒形状の蓋材は、超音波溶着により円筒容器に取り付けられ、モジュールを構成するものである。ここで、円筒形状の蓋材とは、少なくとも天面部と側面部とを有する形状であり、天面の形状が円形状または楕円形状を有するものをいう。
かかる円筒形状の蓋材は、蓋材を側断面から見る、すなわち、天面部が上向きとなるように蓋材を水平にして横方向から蓋材断面を見るとき、天面における超音波ホーン当接面、すなわち、超音波振動を与えるためのホーン(図3、4、7を参照)が当接する面の高さが、蓋材の天面における中心の方向に向けて高くなるようテーパ角が形成されたテーパ形状を有することを特徴とするものである。
また、本発明における円筒容器とは、軸方向に垂直な断面の形状が円形状または楕円形状を有し、かつその両端と上記円筒形状の蓋材とが超音波溶着により溶着可能な形状を有するものをいう。また、蓋材には、ホーン当接面が備えられており、中心付近に穴やノズルがあってもよい。
しかしながら、第1の問題として、通常、円筒形状の蓋材と円筒容器とを全周にわたって超音波溶着する場合、超音波ホーンは蓋材の天面の一部(例えば、外周部)に当接し、蓋材に圧力を加えながら円筒容器と衝突させ、超音波振動を付与して溶着させる。このとき、超音波ホーンからの加圧により、蓋材は円筒容器に押し付けられ、円筒容器からの反力により図11に一例を示す如く、側面部がわずかに外側に開くように変形する。その結果、ホーン当接面を前述同様に側断面から見ると、肉眼では確認できない程度であるが、蓋材天面における中心位置に近いほど低いテーパ形状となる。この様な変形により、超音波ホーンと蓋材天面との当接面積が著しく減少し、振動の伝達が低下する結果、蓋材と円筒容器との溶着が十分なものでなくなることがわかった。
また、第2の問題として、円筒形状の蓋材が射出成形により成形されるものである場合、成形時の金型からの離型や、熱収縮、その他応力が加わった場合などに、中心に向かって低くなるテーパ形状の変形が生じることがある。特に、成形品の平面部や、ストレート部、肉厚部にかかる成形による変形が生じることが多く、ホーン当接面においても同様の成形による変形が生じることがある。この様な変形により、超音波ホーンと蓋材天面との当接面積が著しく低下する結果、蓋材と円筒容器との溶着が十分なものでなくなることがわかった。
また、第3の問題として、円筒形状の蓋材が上記同様に射出成形品である場合、樹脂の金型流入口であるゲートと呼ばれる部分の近傍や、ゲートの対向方向などにおいては、樹脂の冷却・固化状態の不均一などにより、ヒケと呼ばれる局所的な凹みが生じることがあり、蓋材のホーン当接面においてもこのようなヒケが生じることがある。なお、ゲート位置は、任意であるが、一般に、樹脂の流動性などを考慮して、蓋材の側面部に配置されるため、ヒケはその側または反対側の側面部に生じることが多い。ヒケは、樹脂の射出時の溶融状態から保圧行程・冷却行程の固化状態に至る過程において、成形品表面に位置する樹脂が内部の溶融状態にある樹脂の体積収縮に伴う引張り(収縮力)により、凹みとなることによって生じるものであり、成形品の肉厚が不均一である場合や、射出条件が不適切な場合に発生する。
その結果、ゲート近傍やゲートの対向方向などの凹み部分のみホーン当接面積が不均一となり、結果として局所的な振動の減衰によるホーン当接面の溶融や、損傷が発生することがわかった。
そこで、これらの原因による問題に対する対策として、あらかじめ蓋材の超音波ホーン当接面の形状について、前述同様に蓋材側断面から見たとき、蓋材の天面における中心の方向に向けて高くなるようテーパ角が形成されたテーパ形状とする(以下、「中心の方向に向けて高いテーパ形状」と省略する。)ことで、ホーンの加圧による蓋材の変形を補うことが可能となり、上記第1の問題が解決され得る。さらに、蓋材が射出成形により成形されるものである場合、成形金型のホーン当接面に相当する部分を加工して、所望の形状よりも中心位置を高くするよう予め設定することで、成形による変形を補うことも可能となり、上記第2、第3の問題が解決され得る。
まず、蓋材が射出成形により成形されるものである場合について、記述する。
上述したように、射出成形により蓋材を成形する場合、成形による変形やヒケが発生することがある。変形やヒケの大きさや範囲は、蓋材の形状や樹脂の特性、射出成形時の条件により、変化する。
そこで、蓋材が射出成形品である場合等は、3次元形状測定器等を用いて計測することで、変形やヒケの程度を知ることができる。
成形により、ホーン当接面が中心に向かって低く変形している場合は、その変形量を補うように、金型のホーン当接面に相当する部分を、中心に向かって高いテーパ形状に加工することで、成形により得られる蓋材におけるホーン当接面の変形を補うことが可能となる。
また、ヒケによる局所的な凹みが生じている場合についても、金型のホーン当接面に相当する部分を中心に向かって高いテーパ形状に加工することで、部分的な凹みをなだらかにすることができる。
上記蓋材に上記テーパ角度θを形成するために、金型をテーパ形状に加工するが、その場合に、金型のテーパ形状は、成形による変形を考慮して、上記第1の問題を解決するための蓋材のテーパ角度θより大きめに加工することで所望の形状が得られる。このような場合も、上述したような方法で、この金型から得られる蓋材の形状を3次元形状測定器等で確認しながら、適正な値を決定する。
続いて、ホーンの加圧による変形が生じた場合について、記述する。
前述のように、蓋材をホーンで加圧することにより、蓋材が円筒容器に押し付けられ、外側に向かって変形し、これにより、蓋材のホーン当接面が、中心に向かって低いテーパ形状となるよう変形することがある。このとき、蓋材の変形程度は、蓋材の形状や、樹脂の特性、圧力の大きさにより異なるが、3次元モデルを用いた応力解析を行うことで、任意の圧力を加えた場合における、複雑な形状を有する蓋材の変形程度を知ることができる。
この場合については、あらかじめ、蓋材の変形を補うように、蓋材のホーン当接面をテーパ形状とすることで、ホーンの加圧による変形で、ホーン当接面積が著しく減少することを防ぐことができる。
上記のテーパ角θの詳細な設定方法は後述するが、蓋材が射出成形により成形される場合は、成形による変形や、ヒケによる凹みの有無を調べ、これらを補うよう、ホーン当接面をテーパ形状に形成し、さらに、ホーンの加圧により蓋材が変形する場合は、変形量を補うことが可能となるようにテーパ角を再設定することで、十分な当接面積を確保することができる。
一般的に、蓋材のホーン当接面のテーパ角度θについては、0.2度以上であると、本発明の効果が現れ、0.4度以上であるとより顕著に現れるため好ましい。一方で、テーパ角θが大き過ぎる場合は、振動伝達方向(すなわち、ホーン当接面と垂直方向)と、蓋材の溶け込み方向(すなわち、蓋材の軸方向)が合致せず、溶着部において効率的な発熱が行われない場合があるため、10度以下が好ましく、3度以下がより好ましい。
ここで、本発明における蓋材のホーン当接面のテーパ角度とは、蓋材のホーン当接面が、全周にわたりテーパ形状であって、蓋材を側断面から見る、すなわち、天面部が上向きとなるように蓋材を水平にして横方向から蓋材断面を見た場合における、ホーン当接面の床面に対する角度のことである。
また、上記のように蓋材のホーン当接面のテーパ角を設定した場合、ホーンによる加圧で変形した状態でも、当接面がなお中心に向けて高いテーパ角を有し、水平とならない場合がある。例えば、上記第3の問題であるヒケの解決のために成形後のテーパ角を大きく設定した場合、または単にテーパ角の設定が大き過ぎた場合等である。かかる場合に、超音波ホーンの蓋材当接面のテーパ角を、ホーンの蓋材当接面が蓋材のホーン当接面に沿って配置されるように、ホーンの加圧により変形した状態での蓋材のテーパ角と同一の角度±0.2度とすることで、問題を容易に解決できる。なお、ホーンの蓋材当接面のテーパ角とは、図12(b)に示すように、ホーンの蓋材当接面が、全周にわたりテーパ形状であって、ホーンの側断面を見る、すなわち、ホーンの蓋材当接面が上向きとなるように水平におき、横方向からホーン断面を見た場合における、ホーンの蓋材当接面の床面に対する角度のことである。
本発明における円筒形状の蓋材もしくは円筒容器、またはこれらの両方についての材質としては、超音波溶着が可能な樹脂であればよく、特に限定しないが、曲げ弾性率が100Mpa〜1600Mpaの材質であれば、振動の伝達が困難な場合であっても効果的に用いることができる。かかる曲げ弾性率が小さい程、本発明における効果がより顕著に現れるが、曲げ弾性率が100Mpa未満の材質を有する場合、成形品として十分な強度を有することができない。なお、本発明においては、曲げ弾性率はJISK7171(1994年)に記載の引っ張り試験によって測定することができるが、これに限られるものではない。また、さらに好ましい材質として、ポリプロピレンやポリエチレンなどの、振動が減衰しやすく、被溶着部における発熱を促すことが比較的困難な特性をもつ材質があげられ、本発明において特に効果的に用いられる。
本発明におけるモジュールは、円筒容器および上記した円筒形状の蓋材とを備えるものであり、超音波溶着により取り付けられてなるものである。かかるモジュールについては、用途や大きさは特に規定しないが、一例として、円筒容器内に中空糸膜、もしくは繊維、膜、ビーズのいずれか一つ以上から選ばれる吸着材、またはこれらの両方を備えた中空糸膜モジュールなどが挙げられる。なお、吸着材が繊維からなる場合、その形態としては、かかる繊維を編織した編地、織物や不織布等があげられる。中空糸膜モジュールは、血液透析や、血液濾過、血漿分離、血漿成分吸着、人工肺およびエンドトキシン除去などの血液浄化に用いることが可能である。
以下、図面に基づいて本発明のモジュールの一態様を説明する。
図1は、本発明のモジュールを血液透析に用いる中空糸膜モジュールとした場合の第一の実施の形態であるが、下記好ましい態様、例示はこの場合に限られるものではない。図1において、円筒容器としての本体ケース3は、その長手方向の一方の端部の近くに処理液の入口ポート1を備え、また他方の端部の近くに処理液の出口ポート2を備え、この本体ケース3に内挿された多数の中空糸膜を一方向に引き揃えてなる中空糸膜束4、およびこの中空糸膜束4を各端部において本体ケースの内壁に固定している隔壁5を有する。また、本体ケース3の端部には、被処理液である血液の入口/出口ポート6,7を備えた蓋材としてのヘッダー8,9が超音波溶着部10によって溶着固定されている。また、本体ケースとヘッダーを液密に固定するために、環状弾性体11をその間に有している。
中空糸膜束4の材質としては、例えば、セルロース、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレンおよびポリスルホンなどが挙げられる。
隔壁5の材質としては、ポリウレタン、シリコーン、またはエポキシ等の高分子材料、好適には、これらの2液混合硬化型の高分子接着剤が挙げられ、遠心成形(ポッティング)などによって製造することができる。
本体ケース、ヘッダーの材質は超音波溶着が可能な樹脂であればよく、特に限定しないが、本発明においては、前述と同様の理由により、本体ケースおよびヘッダーが、曲げ弾性率100Mpaから1600Mpaの材質であると、振動の伝達が困難な場合であっても効果的に用いることができ、さらに好ましくは、ポリプロピレンやポリエチレンなどの、振動が減衰しやすく、被溶着部における発熱を促すことが比較的困難な特性をもつ材質であると、特に効果的に用いられる。
また、本体ケース、およびヘッダーは、射出成形法などにより、成形することができる。
以下、本発明の中空糸モジュール及びその製造方法について説明する。
上記に挙げた材質から選ばれる中空糸膜用ポリマーからなる中空糸膜を複数本束ねて本体ケース3に挿入し、本体ケース端部に隔壁注型用キャップを取り付けた後に、上記に挙げた材質から選ばれる隔壁用ポリマーをケース端部に注入し、隔壁5を形成することで、中空糸膜束4を本体ケースに固定する。隔壁5が固化した後に、端部における中空糸膜が両面とも外側に向かって開口するように隔壁部材をカットし、カット後の本体ケース3の両端部にヘッダー8,9を超音波溶着を用いて液密に取り付け、中空糸膜モジュールとする。
図2は、図1に示した中空糸膜モジュールの端部について示すものであり、本発明に係るヘッダーが示されている。図中のヘッダー8は、本体ケース3に超音波溶着部10によって溶着固定されている。ヘッダー内面には、環状弾性体11が備えられている。環状弾性体11はヘッダー8と隔壁5との双方に押圧され、潰されることで中空糸モジュールの液密を保持している。
超音波溶着部10の形状、大きさ、範囲は任意であるが、本体ケースおよびヘッダーの全周を溶着することで、安定して固定することができる。超音波溶着部10の溶け込み量は特に規定しないが、ケース長手方向におけるヘッダーの溶融部分の長さAを0.5mm〜2.0mmとすることで十分な溶着強度を得ることができる。
図3は、上記した本発明の中空糸膜モジュールの製造に用いられる超音波溶着装置を例示する概略側面図である。図3において、発振器16で発生した信号を受け振動子15が振動し、ホーン13によって振動が所定の振幅に増幅される。アクチュエータ14によって、ホーン13はヘッダー8と相互に押し合い、ヘッダーの天面を加圧した状態で図1、2における超音波溶着部10に超音波振動を伝達する。
ヘッダーの被溶着部は、ホーン13による加圧で、本体ケース3の被溶着部に衝突する。さらに、加圧を加えながら超音波振動を付与することで、被溶着部同士の界面は急速に発熱し、溶融を開始する。溶融した樹脂は、周辺の空間に溶け出す。さらに圧力と超音波振動とを加えることで、被溶着部が溶け進む。被溶着部が所望の溶け込み量に達した後、超音波振動を停止すると、被溶着部の冷却が進み、ヘッダー8と本体ケース3とが固定される。
加圧力は、ヘッダーおよび本体ケースの材質や、被溶着部の形状により適正な値が異なるため特に規定しないが、一般的に直径60mmの円筒容器の全周を溶着する場合、20〜80kgf程度の加圧力を与える場合が多い。また、ヘッダーの材質がポリプロピレンやポリエチレンである場合においては、加圧力が大きすぎると、ヘッダーの変形が生じたり、被溶着部以外が発熱したりするため、他材質に比べて低圧で溶着を行うことで良好な溶着結果を得ることができる。
本発明で用いられる超音波溶着装置は特に限定されないが、好ましくは15Khz〜60Khzの周波数の装置が好適である。さらに周波数15Khz〜40Khz程度の装置を用いると、振動が被溶着部に伝達し易いため、良好な伝達溶着が可能である。また、図3において、中空糸膜モジュールは受台17に保持されているが、振動が均一に伝わるよう、この図の様にモジュールを受台17で保持することで、溶着結果を安定させることが可能となる。
溶着機の設置方向は、ホーンが本体ケースより下方向に設置される場合や、ホーンが本体ケースより上方向に設置される場合など、特に規定しないが、いずれの場合も、ヘッダーと本体ケースとの同軸度をあわせることで、溶着状態が安定するため、好ましい。
図4は、本発明の中空糸膜モジュールの製造に用いられるホーンおよびヘッダー、本体ケースを例示する概略断面図である。
以後、溶着機の設置方向について、図4に示すように、ホーン13が本体ケース3よりも下方向に、かつホーン13と本体ケースとの同軸度をあわせて設置される場合を用いて述べる。
図5は、本発明に係る中空糸膜モジュールに係るヘッダーを例示する概略断面図である。
ここで、水平な床面12に図5のようにヘッダー8を置いた場合の上方向をヘッダーの上部とする。ヘッダーがホーンに当接する外側の面19が本発明でいう天面におけるホーン当接面である。また、ヘッダーの任意の部分の高さとは、上記のような状態における床面12からの高さのことを示すものである。
図6は、本発明の中空糸膜モジュールの製造に用いるホーン13を例示する概略断面図である。ホーンの材質、形状は特に規定しないが、アルミやチタンは音響的性質が良好で、振幅を発生させることが容易であるため、好適に用いられる。また、必要な振幅に応じてホーンの形状を決定する。
ホーン13は、中央部に空洞18を設けることで、ヘッダー中央に備えた被処理液である血液の入口/出口ポート6,7とホーン13が干渉することなく、ホーン天面に振動を伝達できる構造である。ホーンが本体ケースより下に設置され、ホーンが上昇することによって溶着を行う場合、図に示すようにヘッダー8をホーン13の上にあらかじめ備えておく。このとき、空洞18の内壁に、柔軟性のある樹脂や、ゴム、エラストマーなどを用いたリング20を備えることで、血液の入口/出口ポート6,7に傷をつけることなくヘッダーを調芯しながら溶着を行うことが可能となる。
図7は、本発明におけるヘッダーとホーンの当接状態の一例を示す概略断面図であり、図7(a)における点線で囲んだ部分の拡大図が図7(b)である。ヘッダー8とホーン13との当接面における当接幅Bは、溶着部分の形状により適正値は異なるが、当接幅Bが小さすぎると、単位面積あたりの圧力が増加し、ホーンの振動をヘッダーに十分に伝達することができず、振動が減衰する。従って、当接幅Bが2mm〜10mm程度であると、振動を良好に伝達することができて好ましい。
図8は、本発明におけるヘッダーの形態の一例を示す断面図である。図8(a)におけるヘッダーのホーン当接面はフラットな形状を有するものである。これに対して、図8(b)におけるヘッダーのホーン当接面は中心の方向に向けて高いテーパ形状を有するものである。図8(b)におけるヘッダーは、図5のように水平な床面12に置いて側断面から見た場合の天面19の高さが、中心に向かって高くなるテーパ形状を有する。かかるヘッダー(蓋材)の天面19にホーン13を当接させて超音波溶着処理を施すことで中空糸膜モジュール(モジュール)を得ることを特徴とする。
図9は、従来の技術にかかるヘッダーの形態の一例を示す断面図である。ヘッダーは、射出成形による変形により、(実際には)肉眼では分からない程度であるが、図9(a)のように中心に向かって低いテーパ形状となることがあり、また、図9(b)のように局所的なヒケ21が生じることがある。
図10は、従来の技術に係るヘッダーおよびホーンの形態の一例を示す断面図であり、ヘッダー8をホーン13で加圧した状態を示す断面図である。ヘッダー8をホーン13で加圧することにより、ヘッダー8が本体ケース3の超音波溶着部10に押し付けられ、外側に向かって変形し、これにより、ヘッダーの天面19が図10(b)のように変形し、中心に向かって低いテーパ形状となることがある。
すなわち、ヘッダー8の天面19における射出成形に起因するヒケ21の発生を防止し、かつ、超音波ホーンの圧力によるヘッダーの天面19の変形を補うことが可能となるようにテーパ角度θを設定することで十分な当接面積を確保することができる。
以後、ヘッダーのテーパ角θの詳細な設定方法について、順を追って示す。
まず、超音波ホーンの当接面における成形による変形の程度を3次元形状測定器や表面形状測定器などで計測する。これらの形状測定器による計測方法の例としては、ヘッダーを水平な定盤の上に固定し、ヘッダーの超音波ホーン当接面に、形状測定器のタッチプローブを当てる測定方法や、レーザー光を用いた非接触の測定方法がある。ヘッダーの外周から中心に向かって、等間隔で高さ寸法を測定することで、ホーン当接面の高さ方向の変形程度を知ることができる。また、高さ寸法の測定精度は1μm以下であると好ましい。
上記のような方法で測定した変形量を補うように、金型等をその中心に向かって高いテーパ形状に修正することで、成形後のヘッダーの超音波ホーン当接面を床面に対して平行に形成させることができる。具体的には、横軸にヘッダーの水平方向距離、縦軸に各測定地点における変形量をとった場合に、変形量を近似直線で表し、変形角を求め、変形角の角度の絶対値をテーパ角の角度とする。ただし、かかる近似直線上から大きく外れるような成形によるヒケ(局所的な凹み)が発生する場合があり、このような場合は、上記の方法によって変形角を求めても、凹みを十分に補うことが出来ない場合がある。そこで、かかる場合は、以下に記述するような方法で、テーパ角度を決定する。例えば、上記局所的な凹みの深さ、すなわち、凹みのない水平部分との高さの差異、が10μmであるとすれば、その測定点に対応する金型の部分を水平よりも10μm以上の高さとなるようなテーパ形状とする。このように設定することで、成形後のヘッダーのホーン当接面を中心に向かって高いテーパ形状として局所的な凹みを緩和することが可能となる。
成形による変形やヒケの程度により、適正なテーパ角θは異なるが、一般に0.2〜3.0度程度とすることで、これらを補い、凹みを緩和することが可能となる場合がある。
以後、このようにして、成形による変形やヒケを補うように設定し、成形されたヘッダーにおけるホーン当接面が有するテーパ角をテーパ角θHとする。
一方、図10(b)に示すヘッダーの変形角ηは、ヘッダー8の形状や、樹脂の特性、圧力の大きさにより異なるが、3次元モデルを用いた応力解析を行うことで、任意の圧力を加えた場合における、複雑な形状を有するヘッダーの変形角ηを算出することができる。
前述のように、成形による変形やヒケを考慮して、あらかじめヘッダーのホーン当接面を中心に向かって高くなるテーパ形状に形成している場合は、その形状のヘッダーに、所定の圧力を与えた場合における、ヘッダーの変形角ηを算出する。
このとき、ホーンにより圧力が加えられて変形した状態でのヘッダーのテーパ角をθPとすると、θPは、式(1)のようにあらわすことができる。
θP=θH−η ・・・(1)
また、ヘッダーが射出成形によらない場合や、成形による変形、ヒケが生じない場合には、θHを設定しないため、ホーンにより圧力が加えられて変形した状態でのヘッダーのテーパ角θPは、ηと等しくなる。
図11および図12は、圧力が加えられているヘッダー8およびホーン13の形態の一例を示す断面図である。
式(1)において、θP<0の場合は、図11(a)に示すとおり、圧力が加えられたことによる変形でヘッダー8の天面19が中心に向かって低いテーパ形状となっており、ホーンとヘッダーの外周付近のみが当接し、ホーンの当接面積を確保することが出来ず、振動が十分伝達されない場合がある。
この場合は、図11(b)に示すように、θP=0に近くなるよう、テーパ角αを加え、式(2)のようにテーパ角度θを設定する。
θ=θH+α ・・・(2)
なお、αは正の数である。式(1)において、θP>0の場合は、図12(a)に示すとおり、圧力を加えても、ヘッダー8の天面19が中心に向かって高いテーパ形状のままとなっており、ホーンとヘッダーの内周付近のみが当接し、ホーンの当接面積を確保することが出来ず、振動が十分伝達されない場合がある。
この場合には、図12(b)に示すように、ヘッダーのテーパ角θは、θHとし、ホーンのヘッダー当接面を上向きに置いた場合の、側断面から見たときの高さを、θPに応じて蓋材の中心に向かって低い角βのテーパ形状とすることで、ホーン13とヘッダー8の当接面積を十分に確保することができ、超音波の振動伝達を改善することが可能となる。ここで、上記ホーンのヘッダー当接面のテーパ角βは、ホーンのヘッダー当接面がヘッダーのホーン当接面に沿って配置されるように、上記ヘッダーのテーパ角θP±0.2度とする。
また、上述のような不具合が発生した場合は、形状を微調整することが困難な成形品を再加工しなくても、金属のため加工精度の高いホーンのテーパ角βを微調整することで、容易にヘッダーとホーンの所望の当接状態を得ることができる。
以下、本発明の中空糸膜モジュールについて実施例を示すが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[ヒケ形状の測定方法]
3次元形状測定器(MITSUTOYO 型番:QVseries)を用いて、プローブをヘッダーのホーン当接面の外周から内周に向けて走査させ、測定した。測定時の雰囲気温度は24℃であった。
[各テーパ角および成形条件によるヒケ(局所的な凹み)の有無]
表1に成形金型のホーン当接面に相当する部分のテーパ角θX[度]、成形後のヘッダーのホーン当接面にテーパ角θH[度]、加圧により変形した状態でのヘッダーのホーン当接面テーパ角θP[度]およびホーンのヘッダー当接面のテーパ角β[度]を示す。また、ヒケの有無を併せて表1に示す(IとIIで射出成形の条件が異なる)。
[比較例1]
中空糸膜モジュールに具備されるヘッダーを使用して、射出成形後のヘッダーのホーン当接面の形状を測定した。
ヘッダーの直径は55.1mm、肉厚は2.0mm、中央に直径19.0mmの被処理液の入口/出口ポートを備え、材質はポリプロピレン(日本ポリプロ:ノバテックPP、JISK7171(1994年)による曲げ弾性率1450Mpa)製とした。
図13は、ヘッダーを天面から見た図である。図中のZ−Z’断面において、ヘッダーのホーン当接面のテーパ角を測定した。
このヘッダーの成形金型およびヘッダー、ホーンのテーパ角を表1に示す。
このヘッダーの成形金型は、ヘッダーを成形した場合に、ヘッダーのホーン当接面が、床面と水平になると予想し、ホーン当接面に相当する部分の角度θXを水平に加工し、ヘッダーのホーン当接面が、床面から11.0mmの高さに均一になるように金型を設計して加工した。しかしながら射出成形されたヘッダーのホーン当接面の角度θHは、θH=−0.5度となり、離型時の変形により、図14に示すように、中心に向かって0.5度低くなるテーパ形状となった。
このヘッダーを使用し、超音波溶着機を用いてヘッダーと本体ケースを固定し、中空糸膜モジュールを製造した。このとき、ヘッダー、本体ケースの材質としてポリプロピレンを使用した。ホーンはアルミ製のものを用い、外径55.1mmのものを使用した。ホーンのヘッダー当接面の角度β=0度とし、床面に対して水平なホーンを使用した。超音波溶着機として、出力1200w、周波数20KHzのものを使用した。
本体ケースを受台で固定した状態で、ヘッダーをホーンに当接させ、圧力60[kgf]を加えてヘッダーを本体ケースに押し付けながら超音波振動を0.8s間与えた。
その結果、ヘッダーのホーン当接面の外周付近には溶融痕が発生した。
[実施例1]
比較例1に記載のヘッダーと同一の材質、形状であるが、θX=0.5度に加工した点のみが異なるものとして、ヘッダーを成形した。その結果、θH=0度となり、図15に示すように床面に対して、水平となった。このヘッダーを使用し、比較例1に記載の方法と同一の方法で、ヘッダーと本体ケースを固定し、中空糸膜モジュールを製造した。
その結果、ヘッダーのホーン当接面に傷や溶融痕は発生しなかった。
[比較例2]
比較例1に記載のヘッダーと同一の材質、形状であるが、異なる成形条件で成形を行った。また、このヘッダーの成形金型は、ヘッダーを成形した場合に、ヘッダーのホーン当接面が、床面と水平になると予測し、θXを水平に加工し、ヘッダーのホーン当接面が、床面から11mmの高さに均一になるように金型を設計して加工した。しかしながら離型時の変形により、θH=−0.5度で図16に示すように、中心に向かって低いテーパ形状となり、ヘッダーのゲート近傍のホーン当接面では、局所的な凹みが発生し、発生した凹みの深さD=20μmであった。
このヘッダーを使用し、比較例1に記載の方法と同一の方法で、ヘッダーと本体ケースを固定し、中空糸膜モジュールを製造した。
その結果、ヘッダーのホーン当接面の外周付近には溶融痕が発生し、局所的な凹みの周囲にも、溶融痕が発生した。
[比較例3]
比較例2に記載のヘッダーと同一の材質、形状および成形条件であるが、θX=0.5度である点のみが異なるものとして、ヘッダーを成形した。
その結果、ヘッダーのθH=0度となり、図17に示すように床面に対して、水平となった。しかしながら、ヘッダーのゲート部分近傍のホーン当接面では、局所的な凹みが比較例2と同様に発生し、発生した凹みの深さD=10μmであった。
このヘッダーを使用し、比較例1に記載の方法と同一の方法で、ヘッダーと本体ケースを固定し、中空糸膜モジュールを製造した。
その結果、ヘッダーのホーン当接面に傷や溶融痕は発生しなかったが、局所的な凹みの周囲には、溶融痕が発生した。
[比較例4]
比較例2、3に記載のヘッダーと同一の材質、形状、成形条件であるが、θX=1.4度である点のみが異なるものとして、ヘッダーを成形した。
その結果、ヘッダーのθH=0.8度となり、図18に示すように中心に向かって高くなるテーパ形状となった。また、ゲート部分近傍ホーン当接面の局所的な凹みは、比較例3のヘッダーと比較して、なだらかになり、局所的な凹みが改善することが確認できた。
このヘッダーを使用し、比較例1に記載の方法と同一の方法で、ヘッダーと本体ケースを固定し、中空糸膜モジュールを製造した。
その結果、加圧により変形した状態でのヘッダーのホーン当接面テーパ角θPが0.5度であったため、ヘッダーのホーン当接面の内周付近に、溶融痕と傷が発生した。
[実施例2]
比較例4に記載のヘッダーと同一のヘッダーを使用し、比較例1に記載のホーンのヘッダー当接面がテーパ形状であり、テーパ角β=0.3度である点のみが異なるホーンを用い、ホーンとヘッダーの当接面の間に感圧紙を挟み、超音波振動を発振しない状態で、中空糸膜モジュールの製造における実際の溶着と同等の加圧力60[kgf]を与えた。
その結果、感圧紙に付着したインクの形から、ヘッダーとホーンの接触幅=5mm程度で全周均一に接触していることが確認できた。
また、このヘッダーとホーンを使用し、比較例1に記載の超音波溶着方法を用いて、ヘッダーと本体ケースを固定し、中空糸膜モジュールを製造した。その結果、ヘッダーのホーン当接面に傷や溶融痕は無く、また、所定の溶着深さである1.25mmを満足する溶着結果を得ることができた。
この中空糸膜モジュールに水を充填し、ハンドポンプを使用して中空糸膜モジュールを人工透析用途に使用するときの使用圧力である66Kpaの2倍の内圧である132Kpaを付加したが、接合部分のはずれや、破損、浮きは無く、十分な接合強度が得られていることが確認できた。
Figure 0004941035
本発明における中空糸膜モジュールの第一の実施の形態であり、中空糸膜モジュール全体を例示する側断面図である。 図1に示した中空糸膜モジュールの端部を例示する部分断面図である。 超音波溶着装置を例示する概略側面図である。 本発明におけるホーンおよびヘッダー、本体ケースを例示する概略断面図である。 本発明におけるヘッダーを例示する概略断面図である。 本発明におけるホーンを例示する概略断面図である。 本発明におけるヘッダーとホーンの当接状態の一例を示す概略断面図である。 本発明におけるヘッダーの形態の一例を示す概略断面図である。 従来の技術にかかるヘッダーの一例を示す概略断面図である。 従来の技術にかかるヘッダーとホーンの当接状態の一例を示す概略断面図である。 本発明におけるヘッダーの形態の別の態様を示す概略断面図である。 本発明におけるヘッダーとホーンの形態の例を示す概略断面図である。 本発明の比較例1におけるヘッダーの天面図である。 本発明の比較例1におけるヘッダーの形状を示すグラフである。 本発明の実施例1におけるヘッダーの形状を示すグラフである。 本発明の比較例2におけるヘッダーの形状を示すグラフである。 本発明の比較例3におけるヘッダーの形状を示すグラフである。 本発明の比較例4、実施例2におけるヘッダーの形状を示すグラフである。
符号の説明
1 処理液の入口ポート
2 処理液の出口ポート
3 本体ケース(円筒容器)
4 中空糸膜束
5 隔壁
6 被処理液の入口ポート
7 被処理液の出口ポート
8 ヘッダー(蓋材)
9 ヘッダー(蓋材)
10 超音波溶着部
11 環状弾性体
12 床面
13 ホーン
14 アクチュエータ
15 振動子
16 発振器
17 受台
18 空洞
19 天面
20 リング
21 ヒケ
22 ヘッダー当接部
23 成形による変形
A ケース長手方向におけるヘッダーの溶融部分の長さ
B 当接幅
α θP=0に近くなるように加えたテーパ角[度]
β 超音波ホーンのテーパ角[度]
θ ヘッダーのテーパ角[度]
θP 圧力が加えられているヘッダーのテーパ角[度]
θH ヒケを補うためのヘッダーのテーパ角[度]
η ヘッダーの変形角[度]
Z−Z’ ヘッダーのホーン当接面を半径方向に切断した断面

Claims (9)

  1. 天面に当接させた超音波ホーンから振動を付与することにより円筒容器に取り付けられる曲げ弾性率100MPa以上、1600MPa以下の範囲にある材質で構成された円筒形状の蓋材であって、前記蓋材の超音波ホーン当接面の、前記蓋材を側断面から見たときの高さが、前記蓋材中心方向に向けて高くなるようテーパ角が形成されていることを特徴とする円筒形状の蓋材。
  2. 前記テーパ角が0.2〜度であることを特徴とする請求項に記載の円筒形状の蓋材。
  3. 円筒容器および請求項1または2に記載の円筒形状の蓋材とを備えてなることを特徴とするモジュール。
  4. 前記円筒容器内に中空糸膜および/または繊維、膜、及びビーズのいずれか一つ以上から選ばれる吸着材を備えてなることを特徴とする請求項に記載のモジュール。
  5. 血液浄化に用いることを特徴とする請求項またはに記載のモジュール。
  6. 超音波ホーンを円筒形状の蓋材の天面に当接させて振動を付与することにより前記蓋材を円筒容器に取り付ける際の超音波ホーンの加圧による変形を補うように、前記蓋材の超音波ホーン当接面のテーパ角を形成することを特徴とする円筒形状の蓋材の製造方法。
  7. 前記円筒形状の蓋材が射出成形により製造されるものであって、前記射出成形による変形を補うように、前記蓋材の超音波ホーン当接面に対応する金型面のテーパ角を設定することを特徴とする請求項に記載の円筒形状の蓋材の製造方法。
  8. 請求項1または2に記載の円筒形状の蓋材の天面に超音波ホーンを当接させ、振動を付与して前記蓋材と円筒容器とを一体固定することを特徴とするモジュールの製造方法。
  9. 前記超音波ホーンの蓋材当接面のテーパ角がθP±0.2度であることを特徴とする請求項に記載のモジュールの製造方法。
    ここで、θPは、超音波ホーンによる加圧により変形した状態での蓋材のテーパ角であって、θP>0
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