以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実形態においては、電子写真方式の画像形成装置において、感光体上に形成された静電潜像を現像する現像器と、現像剤であるトナーの供給元である容器との間でトナーを保持するサブホッパーにおけるトナーの有無の検知を例として説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100に含まれる画像形成出力のための機構を示す側面図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置100は、無端状移動手段である搬送ベルト105に沿って各色の画像形成部106K〜106Yが並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。すなわち、給紙トレイ101から給紙ローラ102により分離給紙される用紙(記録媒体の一例)104に転写するための中間転写画像が形成される中間転写ベルトである搬送ベルト105に沿って、この搬送ベルト105の輸送方向の上流側から順に、複数の画像形成部(電子写真プロセス部)106Y、106M、106C、106K(以下、総じて画像形成部106とする)が配置されている。
また、給紙トレイ101から給紙された用紙104は、レジストローラ103によって一度止められ、画像形成部106における画像形成のタイミングに応じて搬送ベルト105からの画像の転写位置に送り出される。
複数の画像形成部106Y、106M、106C、106Kは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。画像形成部106Kはブラックの画像を、画像形成部106Mはマゼンタの画像を、画像形成部106Cはシアンの画像を、画像形成部106Yはイエローの画像をそれぞれ形成する。尚、以下の説明においては、画像形成部106Yについて具体的に説明するが、他の画像形成部は、画像形成部106Yと共通であるので、説明を省略する。
搬送ベルト105は、回転駆動される駆動ローラ107と従動ローラ108とに架け渡されたエンドレスのベルト、即ち無端状ベルトである。この駆動ローラ107は、不図示の駆動モータにより回転駆動させられ、この駆動モータと、駆動ローラ107と、従動ローラ108とが、無端状移動手段である搬送ベルト105を移動させる駆動手段として機能する。
画像形成に際しては、回転駆動される搬送ベルト105に対して、最初の画像形成部106Yが、ブラックのトナー画像を転写する。画像形成部106Yは、感光体としての感光体ドラム109Y、この感光体ドラム109Yの周囲に配置された帯電器110Y、光書き込み装置111、現像器112Y、感光体クリーナ113Y等から構成されている。光書き込み装置111は、夫々の感光体ドラム109Y、109M、109C、109K(以下、総じて「感光体ドラム109」という)に対して光を照射するように構成されている。
画像形成に際し、感光体ドラム109Yの外周面は、暗中にて帯電器110Yにより一様に帯電された後、光書き込み装置111からのイエロー画像に対応した光源からの光により書き込みが行われ、静電潜像が形成される。現像器112Yは、この静電潜像をイエロートナーにより可視像化し、このことにより感光体ドラム109Y上にイエローのトナー画像が形成される。
このトナー画像は、感光体ドラム109Yと搬送ベルト105とが当接若しくは最も接近する位置(転写位置)で、転写器115Yの働きにより搬送ベルト105上に転写される。この転写により、搬送ベルト105上にイエローのトナーによる画像が形成される。トナー画像の転写が終了した感光体ドラム109Yは、外周面に残留した不要なトナーを感光体クリーナ113Yにより払拭された後、除電器により除電され、次の画像形成にために待機する。
以上のようにして、画像形成部106Yにより搬送ベルト105上に転写されてイエローのトナー画像は、搬送ベルト105のローラ駆動により次の画像形成部106Mに搬送される。画像形成部106Mでは、画像形成部106Yでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体ドラム109M上にマゼンタのトナー画像が形成され、そのトナー画像が既に形成されたイエローの画像に重畳されて転写される。
搬送ベルト105上に転写されたイエロー、マゼンタのトナー画像は、さらに次の画像形成部106C、106Kに搬送され、同様の動作により、感光体ドラム109C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体ドラム109K上に形成されたブラックのトナー画像とが、既に転写されている画像上に重畳されて転写される。こうして、搬送ベルト105上にフルカラーの中間転写画像が形成される。
給紙トレイ101に収納された用紙104は最も上のものから順に送り出され、その搬送経路が搬送ベルト105と接触する位置若しくは最も接近する位置において、搬送ベルト105上に形成された中間転写画像がその紙面上に転写される。これにより、用紙104の紙面上に画像が形成される。紙面上に画像が形成された用紙104は更に搬送され、定着器116にて画像を定着された後、画像形成装置の外部に給紙される。
また、搬送ベルト105に対してベルトクリーナ118が設けられている。ベルトクリーナ118は、図1に示すように、搬送ベルト105から用紙104への画像の転写位置の下流側であって、感光体ドラム109よりも上流側において搬送ベルト105に押し当てられたクリーニングブレードであり、搬送ベルト105の表面に付着したトナーを除去する顕色剤除去部である。
次に、現像器112に対してトナーを供給するための構成について図2を参照して説明する。CMYK各色においてトナーの供給構成は概ね共通しており、図2においては1つの現像器112に対する供給構成を示す。トナーはトナーボトル117に収容されており、図2に示すように、トナーボトル117からトナーボトル供給路120を介してサブホッパー200にトナーが供給される。
サブホッパー200は、トナーボトル117から供給されるトナーを一時的に保持し、現像器112内部のトナー残量に応じて現像器112にトナーを供給する。サブホッパー200からサブホッパー供給路119を介して現像器112にトナーが供給される。トナーボトル117内部のトナーが無くなってサブホッパー200にトナーが供給されなくなり、サブホッパー200内部のトナー量が少なくなった状態を検知することが可能となる。
図3は、本実施形態に係る粉体検知装置のハードウェア構成を示す図である。粉体検知装置100は、所定のプログラムを実行することにより、粉体検知装置100の全体の制御を実現するためのCPU1001と、粉体検知装置100の電源が投入されたときにCPU1001が読出すプログラムを記憶するメモリであるFROM1002と、CPU1001が作業用メモリとして使用するアクセスメモリであるSRAM1003と、粉体検知装置100の電源が切断されたときに種々のデータの記録を保持することが可能なNVRAM1004と、を備えている。
また、粉体検知装置100は、磁束を検知する磁束センサ1012と、光の反射を検知する反射センサ1013と、を備えるセンサ部1007を始めとして、センサから出力されるデータを基に、動作制御を行うためのTIMER1005と、I/O PORT1006と、発信回路1010と、撹拌パドルモータ1011と、振動部301と、振動付与部302と、を備えている。各機能の詳細に関しては、後述にて説明を行う。
各機能の詳細の説明をするため、本実施形態は、サブホッパー200内部状態を検知し、その検知結果から内部状態(トナーが有る又は無しなど)を判別し、その判別結果に応じた然るべき処理を行うものである。以下では図を用いてサブホッパー200の内部状態を検知し、内部状態を判別する方法を詳細に説明する。
CPU1001は演算手段であり、FROM1002等に記憶されたプログラムに従って演算を行うことにより、粉体の検知制御の実行を行う。SRAM1003はCPU1001が演算を行うためのワークエリアとして機能する。
NVRAM1004は、所定の判定動作を行うために必要となる基準の値(例えば判定閾値)などを記憶する。基準の値の具体例を上げるとすれば、例えば振動付与部302と、振動部301との接触における発振カウント値を予め定めておき、その定められた発振カウント値をセンサの異常を判断する場合などに用いることができる。
I/O PORT1006は、ここでは種々のセンサにおける検出結果をCPU1001などに出力する際のインタフェースとして機能する。I/O PORT1006は、撹拌パドルモータ1011、およびセンサ部1007と連動しており、出力結果を基に、然るべき制御を行う機能を備えている。
コントローラ1007は、磁束センサ1012が出力する検知信号を取得して、コントローラ1007内部において処理可能な情報などに変換したり、磁束センサ1012が出力する信号より振動周波数を算出する対象の信号の信号数をカウントするカウンタとしての機能なども備える。
発振回路1010は、磁束センサ1012と連動しており、振動部301と、磁束センサ1012の距離に従って変化する磁束のセンサを、発信周波数の変化として観測する機能を持つ。
TIMER1005は、発信回路1010から入力される基準クロックのカウント値が所定の値になる度に割込み信号を生成してCPU1001に出力する。CPU1001は、TIMER1005から入力される割込み信号に応じて、磁束センサ1012の出力値を取得するためのリード信号を出力する。発振回路1010は、コントローラ1007内部に備えてある図示していないデバイスを動作させるための基準クロックの発振も行う。
次に、本実施形態の機能ブロック図において、説明を行う。図4は本実施形態の粉体検知装置100の機能ブロックを示すものである。本実施形態の粉体検知装置100は、機能部、および手段部と分割すると、機能部は、発振部300と、振動部301と、振動付与部302と、位置検知部303と、を有しており、手段部としては、検知処理手段401と、位置制御手段402と、内部状態判断手段403と、を備えている。
粉体検知装置100の発振部300は、対向する空間を通る磁束の状態に応じた周波数の信号を出力する。特に、本実施形態では、磁束センサ1012を指すことになるが、詳細は後述にて説明する。
粉体検知装置100の振動部301は、粉体検知装置100の容器内部に配置され、容器の筐体を介して発振部300と対向すると共に、発振部300と対向する方向に振動し、磁束に影響する素材によって形成されたものである。特に、本実施形態では、所定の位置に備えてある振動板を指すことになるが、詳細は後述にて説明する。
粉体検知装置100の振動付与部302は、振動部301を振動させる、つまり振動部301に振動の機会を与えるものである。特に、本実施形態では、振動付与部302は、粉体検知装置100の容器内部を撹拌する撹拌部材を指すことになるが、詳細は後述にて説明する。
粉体検知装置100の位置検知部303は、振動付与部302の位置を検知する。位置の検知方法としては、様々な手法を考えることができるが、特に、本実施形態では、サブホッパーの外側に設けられた反射光検知式のセンサを指すことになるが、詳細は後述にて説明する。
粉体検知装置100の検知処理手段401は、発振部300の発振信号の周波数に関する周波数関連情報を所定の周期で取得し、発振部300の振動に応じて変化する周波数関連情報の変化に基づいて振動部301の振動状態を検知し、その検知結果に基づいて該粉体検知装置100の内部状態を検知する。
ここで、粉体検知装置100の内部状態とは、トナーがサブホッパー内の容器に有るか無しかを指すものであるが、例えば、反射センサ1013により振動付与部302の位置を検知する際に、センサ自体が故障、もしくは正しい検知が行われない場合が想定されることもある。そのような異常検知を含めて検知することも可能である。
粉体検知装置100の位置制御手段402は、検知された粉体の有無の検知結果、もしくは粉体検知装置100の異常の有無に基づいて振動付与部302の位置を制御する。制御する際には、例えば、CPU1001が所定のプログラムに基づいて、検知された振動付与部302の位置と、検知処理手段401が検知した粉体検知装置100の内部状態の情報から総合的に振動付与部302の位置の制御を行うことができる。
本実施形態での課題である装置のトナー有無を予め記憶装置などに記憶しておかなくても電源立ち上げ時にトナー有無を判断することができるために、トナー有無を判断する基準として、振動付与部302がどの位置にあるかという情報が必要になる。
つまり、所定の情報に従ってトナーの有無を判別するため、振動付与部302の位置を制御することができる。
粉体検知装置100の内部状態判断手段403は、制御された振動付与部302を、位置検知部303が検知した位置に応じて、電源投入直後の粉体検知装置100の内部状態を判断する。
位置制御手段402により制御された振動付与部302の位置によりトナーが粉体検知装置100のサブホッパー容器内に有るか否かを判断することができる。また、電源立ち上げ時などは、位置制御手段402の振動付与部302の位置の制御に基づいてトナーの有無、または粉体検知装置100の異常の有無を瞬時に判断することが可能となる。
次に、本実施形態の機能、および手段において、詳細な説明を図5を用いて行う。図5は、本実施形態に係るサブホッパー200の概観を示す斜視図である。図5に示すように、サブホッパー200を構成する筺体の外壁には磁束センサ1012が取り付けられている。図5においてサブホッパー200の上部は開口となっており、この開口に対してトナーボトル供給路120の形成されたカバーが取り付けられる。
図6は、サブホッパー200の内部を示す斜視図である。図6に示すように、サブホッパー200内部の内壁には振動板1014が設けられている。振動板1014が設けられた内壁は図3において磁束センサ1012が取り付けられている外壁の裏側である。従って振動板1014は磁束センサ1012に対向するように取り付けられている。
振動板1014は、長方形の板状の部品であり、長手方向の一旦がサブホッパー200の筐体に固定された片持ち状態で配置されている。また、振動板1014の長手方向において固定されていない側の端部には重りが配置されている。重りは、振動板1014が振動した場合の振動数を調整する機能や、振動板1014を振動させるための機能を担う。
サブホッパー200内部においては、内部のトナーを撹拌するための構成として、回転軸及び撹拌部材1015が設けられている。回転軸は、サブホッパー200内部で回転する軸である。この回転軸に撹拌部材1015が固定されており、回転軸の回転に伴って撹拌部材1015が回転してサブホッパー200内部のトナーが撹拌される。
また、撹拌部材1015は、トナー撹拌に加えて、回転により振動板1014に設けられて重りを弾く機能を担う。これにより、撹拌部材1015が1周回転する度に重りが弾かれて振動板1014を振動させる。即ち、振動板1014が振動部として機能すると共に、撹拌部材1015が振動付与部として機能する。この振動板1014の振動を検知することによりサブホッパー200内部におけるトナー有無を検知することが可能となる。
また、図7より、サブホッパー200の外側には反射センサ1013が設けられている。反射センサ1013は、例えば図3の撹拌パドルモータ1011に空けられた検知穴1016を検知することによって撹拌パドルモータ1011の回転角度を制御することができるセンサである。センシング方法としては、図5を参照して、反射センサ1013から発した光が、検知穴1016を通り抜けて向かい側の外壁1017に跳ね返った光を検知するという方法である。本実施形態では、反射センサ1013が位置検知部303として機能する。
上記反射センサ1013によるセンシングで、撹拌部材1015の具体的な位置の特定が可能となる。例えば、図8のように撹拌部材1015がAという領域、もしくはBという領域のどちらの位置に属しているかを考えてみる。反射センサ1013が検知穴1016を検知したとき、撹拌パドルモータ1011は、撹拌部材1015がAの領域に位置する角度であると判断する、また反射センサ1013が検知穴1016を検知できないとき、撹拌パドルモータ1011は、撹拌部材1015がAではない領域(図6ではBの領域)に位置する角度であると判断する。
特に、本実施形態では、トナー有無の判断を行うための撹拌部材1015の位置において、トナー有と判断された際には、領域Aの位置に制御を行い、トナー無と判断された際には、領域Bの位置に制御を行う。つまり、トナーの有無を振動板1014の振動を基に検知する際には、反射センサ1013で、撹拌部材1015が領域A、および領域Bのどちらに属しているかを監視している。最終的にトナーの有、および無が判断されたときに、撹拌部材1015を判定結果に基づいた所定の位置に移動されるよう制御する。
次に、本実施形態に係る磁束センサ1012の内部構成について図9を参照して説明する。図9に示すように、本実施形態に係る磁束センサ1012は、コルピッツ型のLC発振回路を基本とする発振回路であり、平面パターンコイル11、パターン抵抗12、第一コンデンサ13、第2コンデンサ14、フィードバック抵抗15、アンバッファ16、17及び出力端子18を含む。
平面パターンコイル11は、磁束センサ1012を構成する基板上に平面状にパターニングされた信号線によって構成される平面状のコイルである。図9に示すように、平面パターンコイル11は、コイルによって得られるインダクタンスLを有する。平面パターンコイル11は、コイルが形成された平面に対向する空間を通る磁束によってインダクタンスLの値が変化する。その結果、本実施形態に係る磁束センサ1012は、平面パターンコイル11のコイル面が対向する空間を通る磁束に応じた周波数の信号を発振する発振部として用いられる。
パターン抵抗12は、平面パターンコイル11と同様に基板上に平面状にパターニングされた信号線によって構成される抵抗である。本実施形態に係るパターン抵抗12は、つづら折り状に形成されたパターンであり、これによって直線状のパターンよりも電流の流れにくい状態を作り出している。尚、つづら折り状とは、換言すると、所定の方向に対して複数回往復させるように折り曲げた形状である。図9に示すように、パターン抵抗12は、抵抗値RPを有する。図9に示すように、平面パターンコイル11とパターン抵抗12とは直列に接続されている。
第一コンデンサ13及び第二コンデンサ14は、平面パターンコイル11と共にコルピッツ型LC発振回路を構成する容量である。従って、第一コンデンサ13及び第二コンデンサ14は、平面パターンコイル11及びパターン抵抗12と直列に接続されている。平面パターンコイル11、パターン抵抗12、第一コンデンサ13及び第二コンデンサ14によって構成されるループによって共振電流ループが構成される。
フィードバック抵抗15は、バイアス電圧を安定化させるために挿入される。アンバッファIC16及びアンバッファ17の機能により、共振電流ループの一部の電位の変動が、共振周波数に応じた矩形波として出力端子18から出力される。
このような構成により、本実施形態に係る磁束センサ1012は、インダクタンスL、抵抗RP、第一コンデンサ13及び第二コンデンサ14の静電容量Cに応じた周波数fで発振する。周波数fは、以下の式(1)によって表すことができる。
そして、インダクタンスLは、平面パターンコイル11の近傍における磁性体の存在やその濃度によっても変化する。従って、磁束センサ1012の発振周波数により、平面パターンコイル11近傍の空間における透磁率を判断することが可能となる。
また、上述したように、本実施形態に係るサブホッパー200における磁束センサ1012は、筐体を介して振動板1014と対向して配置されている。従って、平面パターンコイル11によって発生する磁束は振動板1014を通ることになる。即ち、振動板1014が平面パターンコイル11によって生成される磁束に影響し、インダクタンスLに影響を与える。結果的に、振動板1014の存在が磁束センサ1012の発振信号の周波数に影響することとなる。詳細は後述する。
図10は、本実施形態に係る磁束センサ1012の出力信号のカウント値の態様を示す図である。磁束センサ1012に含まれる平面パターンコイル11によって発生する磁束に変化がなければ、原則として磁束センサ1012は同一の周波数で発振を続ける。その結果、図10に示すように、時間経過に応じてカウンタのカウント値は一様に増加し、図10に示すように、t1、t2、t3、t4、t5夫々のタイミングにおいて、aaaah、bbbbh、cccch、ddddh、AAAAhといったカウント値が取得される。
夫々のタイミングにおけるカウント値を、図10に示すT1、T2、T3、T4夫々の期間に基づいて計算することにより、夫々の期間における周波数が算出される。例えば、2(msec)に相当する基準クロックをカウントすると割込み信号を出力して周波数を計算する場合、夫々の期間におけるカウント値を2(msec)で割ることにより、図10に示すT1、T2、T3、T4夫々の期間における磁束センサ1012の発振周波数f(Hz)を算出する。
また、図10に示すように、カウンタのカウント値の上限がFFFFhである場合、期間T4における周波数の算出に際して、FFFFhからddddhを引いた値と、AAAAhとの値の合計を2(msec)で割ることにより発振周波数f(Hz)を算出することができる。
このように、本実施形態に係る画像形成装置100においては、磁束センサ1012が発振する信号の周波数を取得し、その取得結果に基づいて磁束センサ1012に発振周波数に対応する事象を判断することができる。そして、本実施形態に係る磁束センサ1012においては、平面パターンコイル11に対向して配置されている振動板1014の状態に応じてインダクタンスLが変化し、結果として出力端子18から出力される信号の周波数が変化する。
その結果、信号を取得するコントローラ1007においては、平面コイルパターン11に対向して配置された振動板1014の状態を確認することが可能となる。このようにして確認された振動板1014の状態に基づいてサブホッパー200の内部状態を判断することが可能となる。
尚、上述したように、発振信号のカウント値を期間で割ることにより周波数が求められるが、カウント値を取得する期間が固定であれば、周波数を示すためのパラメータとして、取得されたカウント値をそのまま用いることも可能である。
図11は、本実施形態に係る磁束センサ1012に概観を示す斜視図である。図7においては、図5において説明した平面パターンコイル11及びパターン抵抗12が形成されている面、即ち、透磁率を検知するべき空間に対向させる検知面が上面に向けられている。
図11に示すように、平面パターンコイル11が形成された検知面においては、平面パターンコイル11と直列に接続されるパターン抵抗12がパターニングされている。図9において説明したように、平面パターンコイル11は平面上に螺旋状に形成された信号線のパターンである。またパターン抵抗12は、平面上につづら折り状に形成された信号パターンであり、これらのパターンによって上述したような磁束センサ1012の機能が実現される。
この平面パターンコイル11及びパターン抵抗12によって形成される部分が、本実施形態に係る磁束センサ1012における透磁率の検知部である。磁束センサ1012をサブホッパー200に取り付ける際には、この検知部が振動板1014に対向するように取り付けられる。
次に、本実施形態に係る磁束センサ1012の発振周波数に対する振動板1014のよる影響について説明する。図12に示すように、磁束センサ1012において平面パターンコイル11が形成されている面と振動板1014とは、サブホッパー200の筐体を介して対向して配置されている。そして、図12に示すように、平面パターンコイル11の中央を中心とした磁束が発生し、その磁束が振動板1014を貫くこととなる。
振動板1014は、例えばSUS板によって構成されており、図13に示すように磁束G1が振動板1014を貫くことによって振動板1014内に渦電流が発生する。この渦電流が磁束G2を発生させ、平面パターンコイル11による磁束G1を打ち消すように作用する。このように磁束G1が打ち消されることにより、磁束センサ1012におけるインダクタンスLが減少する。上記式(1)において示すように、インダクタンスLが減少すると発振周波数fが増大する。
平面パターンコイル11による磁束を受けて振動板1014内部において発生する渦電流の強さは、磁束の強さの他、平面パターンコイル11と振動板1014との間隔によっても発生する。図14は、平面パターンコイル11と振動板1014との間隔に応じた磁束センサ1012の発振周波数を示す図である。
振動板1014の内部に発生する渦電流の強さは、平面パターンコイル11と振動板1014との間隔に反比例する。従って、図14に示すように、平面パターンコイル11と振動板1014との間隔が狭くなるほど、磁束センサ1012の発振周波数は高くなり、所定の間隔よりも狭くなると、インダクタンスLが低くなり過ぎて発振しなくなる。
本実施形態に係るサブホッパー200においては、図14に示すような特性を利用することにより、磁束センサ1012の発振周波数に基づいて振動板1014の振動を検知する。そのようにして検知した振動板1014の振動に基づいてサブホッパー200の内部のトナー量を検知することが本実施形態に係る要旨である。即ち、図12に示す振動板1014及び磁束センサ1012、並びに磁束センサ1012の出力信号を処理する構成が本実施形態に係る粉体検知装置として用いられる。
撹拌部材1015によって弾かれた振動板1014の振動は、振動板1014の剛性や重りの重量によって定まる固有振動数と、その振動エネルギーを吸収する外的な要因によって定まる減衰率によって表される。振動エネルギーを吸収する外的な要因としては、振動板1014を片持ち状態で固定する固定部の固定強度、空気抵抗率の固定要因に加えて、サブホッパー200内部において振動板1014に接触するトナーの存在がある。
サブホッパー200内部において振動板1014に接触するトナーは、サブホッパー200内部のトナー残量によって変動する。従って、振動板1014の振動を検知することにより、サブホッパー200内部のトナー残量を検知することが可能となる。そのため、本実施形態に係るサブホッパー200内部においては、内部のトナーを撹拌するための撹拌部材1015が振動板1014を弾き、回転に応じて定期的に振動板1014を振動させる。
次に、サブホッパー200内部における振動板1014周辺の部品の配置や、撹拌部材1015が振動板1014を弾くための構成について説明する。図15は、振動板1014の周辺の配置関係を示す斜視図である。図15に示すように、振動板1014は固定部201aを介してサブホッパー200の筐体に固定されている。
図16は、回転軸204の回転状態として、撹拌部材1015が振動板1014に取り付けられた重りに接触する前の状態を示す側面図である。図16において、回転軸204は、撹拌部材1015が時計回りに回転する。
図16に示すように、重りは、側面から見た状態において、振動板1014の板面に対して傾斜を有する形状となっている。この重りの傾斜面は、撹拌部材1015が振動板1014を弾いて振動させる際に撹拌部材1015によって押される部分である。図17は、図16に示す状態から撹拌部材1015が更に回転した状態を示す側面図である。
撹拌部材1015が重りに接触した状態で更に回転することにより、重りに設けられた傾斜に伴って振動板1014が押し込まれることとなる。図17においては、外力が加わっていない状態(以降、「定常状態」とする)の振動板1014及び重りの位置を破線で示している。図17に示すように、振動板1014及び重りが撹拌部材1015によって押し込まれる。
図18は、図17に示す状態を示す上面図である。振動板1014は固定部201aを介してサブホッパー200の筐体内壁に固定されているため、固定部201a側の位置は変化しない。これに対して、重りが設けられて自由端となっている反対側の端部は、撹拌部材1015によって押し込まれることにより回転軸204が設けられた側と反対側に移動する。
尚、図18に示すように、本実施形態に係る撹拌部材1015は、重りに接触する部分とそれ以外の部分との間に切り込み205aが設けられている。これにより、撹拌部材1015が重りを押し込む際に無理な力が加わって撹拌部材1015が破損してしまうことを防ぐことができる。
図19は、図17に示す状態から更に撹拌部材1015が回転した状態を示す側面図である。図19においては、定常状態における振動板1014の位置を破線で、図17に示す振動板1014の位置を一転鎖線で示している。そして、撹拌部材1015によって押し込まれて蓄えられた振動エネルギーが解放されることにより反対側に撓んだ振動板1014の位置を実線で示している。
図20は、図19に示す状態を示す上面図である。図19に示すように、撹拌部材1015による重りの押圧が解除されると、振動板1014に蓄えられた撓みのエネルギーにより、自由端である重りが設けられた側の端部が反対側に撓むように移動する。
図19、図20に示す状態において、振動板1014は、サブホッパー200の筐体を介して対向している磁束センサ1012から遠ざかった状態となる。以降、振動板1014は振動することにより、磁束センサ1012に対して定常状態よりも近づいた状態と、定常状態よりも遠ざかった状態とを繰り返しながら、振動の減衰によって定常状態に戻ることになる。
図21は、サブホッパー200内部に保持されているトナーの状態を模式的にドットで示した図である。図21に示すようにサブホッパー200内部にトナーが存在すると、振動板1014や重りが振動しながらトナーに接触する。そのため、サブホッパー200内部にトナーが存在しない場合に比べて早く振動板1014の振動が減衰する。この振動の減衰の変化に基づいてサブホッパー200内部のトナー有無を検知することができる。
次に、サブホッパー200内部のトナー有無の検知結果を出力し、反射センサ103より撹拌部材1015の位置の確認を行う。サブホッパー200内部のトナー有無の判断は、振動板1014の振動状態に基づいて行われているため、振動の仕方に応じて判断することが可能となる。
図22は、撹拌部材105によって重りが弾かれた後、振動板1014の振動が減衰して止まるまでの、所定時間毎の磁束センサ1012の発振信号のカウント値の変化を示す図である。磁束センサ1012のカウント値は、発信周波数が高い程多くなる。従って、図22の縦軸は、カウント値ではなく、発信周波数に置き換えることができる。
図22に示すように、タイミングt1において撹拌部材105が重りに接触して重りを押し込むことにより、振動板1014が磁束センサ1012に近づいていく。これにより、磁束センサ1012の発振周波数が上昇して所定期間毎のカウント値が上昇する。
そして、タイミングt2において撹拌部材105による重りの押圧が解除され、以降、振動板1014に蓄えられた振動エネルギーによって振動する。振動板1014が振動することにより、振動板1014と磁束センサ1012との間隔が定常状態を中心として、それよりも広い状態と狭い状態が繰り返される。その結果、磁束センサ1012の発振信号の周波数が振動板1014に振動に伴って振動することとなり、所定時間毎のカウント値も同様に振動する。
振動板1014の振動の振幅は、振動エネルギーの消費に伴って狭くなっていく。即ち、振動板1014の振動は時間と共に減衰する。そのため、振動板1014と磁束センサ1012との間隔の変化も時間経過と共に小さくなっていき、図22に示すように、カウント値の時間変化も同様に変化する。
ここで、上述したように、振動板1014の振動は、サブホッパー200内部のトナー量が多い程早く減衰する。従って図22に示すような磁束センサ1012の発振信号の振動の減衰の態様を解析することにより振動板1014の振動がどのように減衰したかを認識し、それによってサブホッパー200内部のトナー有無を知ることができる。
以上説明したように、サブホッパー200内部にトナー有無を磁束センサ1012を用いて検知することが可能となる。また、反射センサ1013を用いて、撹拌部材1015の位置を検知することにより、トナー有無のそれぞれの状態に応じて撹拌部材1015の位置を制御することが可能となり、その撹拌部材1015をどの位置に制御しておくかを定めておくことで、トナー有無の判断を瞬時に行うことが可能となる。
次に本実施形態の手順をフローチャートに従って説明する。図23は本実施形態における磁束センサ1012の振動検知に基づいて、トナー有無を判断するフローチャートである。
まず、サブホッパー内のトナー有無の検知要求が来た場合を想定する。初めにサブホッパー内部のトナー撹拌のための動作が実行される(ステップ3101)。次にトナー撹拌のために回転した撹拌部材1015が、振動板1014を弾くことで振動板1014の振動が開始される。ここで発生した振動板1014の振動開始の波形を磁束センサ1012で検知する(ステップ3102)。
磁束センサ1012によって検知した振動の特性から、トナー有無を判断する(ステップ3103)。トナー有無の判断基準は、例えば図22のように発振信号のカウント値が所定の閾値Cnよりも小さくなったら無と判断するなどがある。ここでトナー有無の判断結果がトナー有と判断された場合(ステップ3104)、トナー有の判断結果を出力する(ステップ3105)。次の撹拌部材の位置の確認を行う(ステップ3107)。撹拌部材が反射センサ1013の検知可能な範囲であるAの位置にない場合に、撹拌部材をA、つまり反射センサ1013の検知可能な範囲に切り替えを行う(ステップ3109)。もし、撹拌部材がAの位置にあった場合は、特に切り替えを行う必要はない。
次にトナー有無の判断結果がトナー無と判断された場合(ステップ3104)、トナー無の判断結果を出力する(ステップ3016)。次に撹拌部材の位置の確認を行う(ステップ3108)。撹拌部材が反射センサ1013の検知可能な範囲であるAの位置にある場合は、撹拌部材をB、つまり反射センサ1013の検知可能な範囲外であるBの位置に切り替えを行う(ステップ3110)。もし、撹拌部材がBの位置にあった場合は、特に切り替えを行わない。以上がトナー有無の判断による撹拌部材の位置切り替えによる一連の操作となる。
次に、図23のフローチャートで撹拌部材の位置の制御を行い、サブホッパー200内部の状態に応じた撹拌部材の位置を定めた状態で粉体検知装置100本体の電源をOFFとした時を想定する。そして、電源ONとした時に反射センサ1013が撹拌部材の位置検知を行う際の処理を、図24を用いて説明する。
まず、粉体検知装置100の電源がONされると、反射センサ1013の電源がONされることになる(ステップ3201)。反射センサ1013の電源がONされることにより、撹拌部材1015の位置検知を開始する(ステップ3202)。反射センサ1013が撹拌部材1015の位置検知できる(ステップ3203)とき、撹拌部材1015はAの領域にあると判断を行う。撹拌部材1015がAの領域にあるときは、予め内部的に定められたとおり、トナー有の状態であると判断し、その結果を出力する(ステップ3204)。
また、反射センサ1013が撹拌部材1015の位置を検知できない(ステップ3203)とき、撹拌部材1015はAの領域ではなくBの領域にあると判断を行う。撹拌部材1015がBの領域にあるときは、予め定められたとおり、トナー無の状態であると判断し、その結果を出力する(ステップ3205)。
以上の処理により、サブホッパー内部のトナー有無の情報を予め記憶媒体などに記憶しておかなくても、振動部301が振動した際の情報を磁束センサ1012で検知し、その検知結果に基づいて撹拌部材の位置を制御し、電源立ち上げの際にその撹拌部材の位置情報を検知することでサブホッパー内部のトナー有無の情報を瞬時に出力することが可能となる。
次に、撹拌部材1015の位置の切り替えに関して、撹拌パドルモータ1011の動作処理の詳細に関して図25のフローチャート用いて説明を行う。動作機構として、撹拌部材1015が動作する際に、撹拌中に撹拌パドルモータ1011の回転動作を止めないための処理である。
まず、図23のステップ3109で撹拌部材1015の位置を切り替える処理が開始されることを想定する。このとき、撹拌パドルモータ1011がOFFであるかどうかを確認する(ステップ3301)。撹拌パドルモータ1011がOFFであったとき、ONに切り替える処理が行われる(ステップ3302)。このとき、反射センサ1013はOFFの状態、つまり、検知できない領域Bの位置に撹拌部材1015があるとしたとき、反射センサ1013がONになるまで撹拌パドルモータ1011を動かして撹拌部材を回転させる(ステップ3303)。反射センサ1013がONになったことを確認し、撹拌パドルモータ1011をOFFにして撹拌部材1015の回転を止める(ステップ3304)。
尚、以上の動作は撹拌部材の位置を反射センサ1013で検知可能な範囲であるA領域に切り替える動作を想定しているが、反射センサ1013の検知可能な範囲の範囲外であるB領域に切り替える処理は図26のフローチャートで説明を行う。
図26のステップ3401とステップ3402の処理は図25のステップ3301とステップ3302と同様のため、説明は割愛する。撹拌部材1015の回転により、反射センサ1013が撹拌部材1015の位置を検知できない領域Bに位置したとき(ステップ3403)、領域Bの位置であることを確認できたら、撹拌部材1015の回転を止める(ステップ3404)。
以上、撹拌パドルモータ1011の動作により、反射センサ1013の検知可能範囲である領域A、および検知可能範囲外である領域Bの双方の位置に撹拌部材を位置させることが可能となる。以上の動作は例えば、コントローラ1007、もしくはFROM1002などに所定のプログラムを組み込んでおき、実現することが可能となる。
次に、サブホッパー200の内部状態を確実に検知する手法として、撹拌部材1015を停止させる位置をこれまでの「領域Aのどこか」、および「領域Bのどこか」などの広範囲に渡って定めるのではなく、反射センサ1013が撹拌部材1015の位置を誤検知等しない様、ある特定の位置に確実に撹拌部材1015を停止させる処理について説明する。
本発明では、撹拌部材1015の位置に基づいてトナー有無が判断されるため、例えば撹拌部材1015が領域Aと領域Bの境界付近に止まってしまった場合などでは誤検知が起こってしまう可能性がある。具体的な処理のイメージを説明するため、図27を参照する。図27は撹拌部材1015が停止する範囲を円状に描いたものであり、塗りつぶし箇所が反射センサ1013が検知可能範囲であるA領域とする。
ここで、所定の処理に基づいて、トナー無を判断するB領域に停止させたい場合を考えてみる。図27に沿って説明すると、現在の撹拌部材の位置がセンサ検知範囲内の位置であったとすると、A領域(塗りつぶし)でない位置まで撹拌部材1015を動作させ、A領域(塗りつぶし)から外れた時点で撹拌部材1015を停止させればよいが、A領域(塗りつぶし)とB領域の境界などで撹拌部材1015が停止した場合はトナー有無の判断が困難になることがある。
そこで、停止させる位置をB領域の指定箇所、ここでは現在の反射センサ1013で検知した位置から対向する位置(角度で言うと180°の位置)で停止させるよう制御することが可能である。方法としてタイマーなどを用いて検知範囲である領域A(塗りつつぶし)から一定時間、つまり検知範囲である領域A(塗りつぶし)から対向する位置まで撹拌部材1015が動く時間を定めておき、領域Bに停止させたい場合などはそのタイマーで定めた時間を用いて、停止させたい位置に撹拌部材1015を停止させる。尚、停止させたい位置の判断がA領域(塗りつぶし)、B領域かが定まる撹拌部材1015の位置がA領域(塗りつぶし)でなくB領域にあった場合でも、タイマーを発動させることで、特定の位置に撹拌部材1015を停止させることができる。以上のような方法により、誤検知が起こり得る停止位置での停止を抑制することができ、トナー有無の適格な判断を行わせることが可能となる。尚、タイマーは例えば、TIMER1005に機能を持たせて使用することも可能である。
次に、撹拌部材1015をある特定の位置に確実に停止させる第2の方法としては、振動板1014の振動検知を用いる方法を、図28を用いて説明する。振動板1014と反射センサ1013の検知可能範囲が図28の関係になっていることを想定する。ここでセンサ検知範囲内の位置で撹拌部材1015をB領域で停止させたいと判断したとすると、B領域の停止させる位置を、撹拌部材を回転させたときに、振動板1014を弾くまで移動させると予め設定しておくこととする。
細かい設定としては、例えば「振動板1014を弾いてから○○sec後に停止させる」などが考えられるが、とにかく振動板1014を弾いて振動を検知できたタイミングで停止させるよう制御することが可能となる。つまり、撹拌パドルモータ1011がONになった際に磁束センサ1012から振動板1014の振動検知情報を受け、その振動検知情報に基づいて撹拌パドルモータ1011を停止させ、撹拌部材1015を停止させる。
次に、振動板1014の振動に基づいて検知する磁束センサ1012の検知結果により、異常状態が発生した際の撹拌部材の停止位置の制御について図29を用いて説明する。図29は、撹拌部材1015が振動板1014に接触している場合を想定しているものである。その際の撹拌部材の位置をLと仮に定めるとする。
通常であれば、撹拌部材1015が回転している間、所定時間(例えば撹拌部材が駆動範囲を1周する期間)までに、振動板1014は撹拌部材1015との接触により発振し、その発振結果を磁束センサ1012により検知できるものであるが、所定時間までに振動板1014の振動が検知できなかった際に、異常状態であると判断することができる。
このような異常状態となった際には、撹拌部材1015を振動板1014と接触する位置Lに停止させるよう制御を行うことができる。また位置Lは一例であり、他の位置を定めるようにしてもよい。
具体的に処理の手順をフローチャートに従って説明する。図30は異常状態の判定による撹拌部材1015の位置を制御する処理である。まず、電源ON直後の撹拌部材の位置を確認する(ステップ5001)。撹拌部材1015が位置L、つまり撹拌部材1015と振動板1014が接触する位置にあるとき(ステップ5002)、撹拌部材1015を撹拌部材が駆動範囲を1周させ、発振カウント値の変化を確認し、発振カウント値が所定の値以上(例えば、図22でのCn値)であることを確認する(ステップ5004)。このときの撹拌部材1015の動作はテストモードとして、予めFROM等のプログラム上に組み込んでおくことでテストモードとして起動することが可能となる。
発振カウント値が所定の値以上でない場合、撹拌部材1015と振動板1014が接触しているにも関わらず、発振カウント値が上昇しないため異常状態であると判断する(ステップ5005)。このとき、サブホッパー200の内部状態に異常が生じていると判断され、異常状態であると出力される(ステップ5006)。また、この処理においては、異常状態によるトナー有無の判断は、トナー有と判断することとする。
次に、反射センサ1013における位置検知に問題が生じ、反射センサ1013が故障したと判断した際の処理について説明する。例えば、撹拌パドルモータ1011が撹拌部材1015を回転させる際に、駆動範囲を1周するまでの期間で反射センサ1013による出力結果に変化がなかった、つまり撹拌部材1015の位置を検知できていないときは、反射センサ1013が故障していると判断する。尚、駆動範囲を1周するまでの期間は撹拌パドルモータ1011をONすると同時にタイマーをONさせて時間を管理するようにしてもよい。
具体的に処理の手順をフローチャートに従って説明する。図31は反射センサ1013の故障を検知した際の処理のフローチャートである。まず、撹拌部材1015の位置を切り替える処理が開始されたと想定する。このとき、撹拌パドルモータ1011がOFFであるかどうかを確認する(ステップ3301)。撹拌パドルモータ1011がOFFであったとき、ONに切り替える処理が行われる(ステップ3302)。このときタイマーも同時にONとする(ステップ6001)。
次に反射センサ1013が撹拌部材の位置を検知したかどうかを確認し、位置検知による出力がなされない場合、所定の期間の経過を確認する(ステップ6002)。ここで所定の期間とは、撹拌パドルモータ1011が撹拌部材1015を回転させる際に、駆動範囲を1周するまでの期間である。ここで、所定の期間が経過していると判断されたとき、反射センサ1013の異常発生通知を出力する(ステップ6003)。異常発生通知に基づいて撹拌パドルモータ1011を停止させる(ステップ3304)。
本実施形態によれば、サブホッパーの最新の内部状態をメモリ媒体に記憶することなく、電源ON直後のサブホッパー内のトナー有無を判断することが可能となる。
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。