以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
本発明の複数の実施形態では、電子写真方式の画像形成装置において、感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置と、現像剤の1つであるトナー(粉体)の供給元であるトナー容器との間でトナーを保持するサブホッパーからなるトナー補給部におけるトナーの残量検知及びその駆動制御に関して説明する。
<画像形成装置>
まず、画像形成装置の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るトナー補給装置を含む画像形成装置の機械的構成を示す全体概略図である。
図1に示す例では、本実施形態に係る画像形成装置100は、無端状移動手段である搬送ベルト105に沿って各色の画像形成部106K〜106Yが並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれる例を示している。
詳しくは、給紙トレイ101から給紙ローラ102により分離給紙される用紙(記録媒体の一例)Pに転写するための中間転写画像が形成される中間転写ベルトである搬送ベルト105に沿って、この搬送ベルト105の搬送方向の上流側から順に、複数の画像形成部(電子写真プロセス部)106Y,106M,106C,106K(以降、総じて画像形成部106とする)が配列されている。
また、給紙トレイ101から給紙された用紙Pは、レジストローラ103によって一旦停止させられ、画像形成部106における画像形成のタイミングに合わせて、搬送ベルト105から、画像の転写位置に送り出される。
複数の画像形成部106Y,106M,106C、106Kは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。画像形成部106Kはブラックの画像を、画像形成部106Mはマゼンタの画像を、画像形成部106Cはシアンの画像を、画像形成部106Yはイエローの画像をそれぞれ形成する。
なお、以下の説明においては、画像形成部106Yについて具体的に説明するが、他の画像形成部106M,106C,106Kは画像形成部106Yと同様であるので、その画像形成部106M,106C,106Kの各構成要素については、画像形成部106Yの各構成要素に付したYに替えて、M,C,Kによって区別した符号を図に表示するにとどめ、説明を省略する。
詳しくは、搬送ベルト105は、回転駆動される駆動ローラ107と従動ローラ108とに架け渡されたエンドレスのベルト、即ち無端状ベルトである。この駆動ローラ107は、駆動モータ(不図示)により回転駆動させられる。この駆動モータと、駆動ローラ107と、従動ローラ108とが、無端状移動手段である搬送ベルト105を移動させる駆動手段として機能する。また、従動ローラ108が、用紙Pへトナー画像を転写させる転写対向手段として機能する。
画像形成動作を行うとき、回転駆動される搬送ベルト105に対して、最初の画像形成部106Yが、ブラックのトナー画像を転写する。画像形成部106Yは、感光体としての感光体ドラム109Y、この感光体ドラム109Yの周囲に配置された帯電器110Y、光書き込み装置111、現像装置112Y、感光体クリーナ113Y、除電器(不図示)等から構成されている。
光書き込み装置111は、夫々の感光体ドラム109Y、109M、109C、109K(以降、総称として「感光体ドラム109」という)に対して光を照射するように構成されている。
画像形成動作を行うとき、感光体ドラム109Yの外周面は、暗中にて帯電器110Yにより一様に帯電された後、光書き込み装置111からのイエロー画像に対応した光源からの光により書き込みが行われ、静電潜像が形成される。
そして、現像装置(現像器、現像部ともいう)112Yは、この静電潜像をイエロートナーにより可視像化し、このことにより感光体ドラム109Y上にイエローのトナー画像が形成される。
このトナー画像は、感光体ドラム109Yと搬送ベルト105とが当接若しくは最も接近する位置(転写位置)で、転写器115Yの働きにより搬送ベルト105上に転写される。この転写により、搬送ベルト105上にイエローのトナーによる画像が形成される。
トナー画像の転写が終了した感光体ドラム109Yは、外周面に残留した不要なトナーを感光体クリーナ113Yにより払拭された後、除電器により除電され、次の画像形成のために待機する。
以上のようにして、画像形成部106Yにより搬送ベルト105上に転写されたイエローのトナー画像は、搬送ベルト105のローラ駆動により次の画像形成部106Mに搬送される。画像形成部106Mでは、画像形成部106Yでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体ドラム109M上にマゼンタのトナー画像が形成され、そのトナー画像が既に形成されたイエローの画像に重畳されて転写される。
搬送ベルト105上に転写されたイエロー、マゼンタのトナー画像は、さらに次の画像形成部106C、106Kに搬送され、同様の動作により、感光体ドラム109C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体ドラム109K上に形成されたブラックのトナー画像とが、既に転写されている画像上に重畳されて転写される。こうして、搬送ベルト105上にフルカラーの中間転写画像が形成される。
上述の画像形成動作と平行して、給紙動作が実行される。給紙トレイ101に収納された用紙Pは最も上のものから順に送り出され、その搬送経路が搬送ベルト105と接触する位置若しくは最も接近する位置において、搬送ベルト105上に形成された中間転写画像がその紙面上に転写される。これにより、用紙Pの紙面上に画像が形成される。
紙面上に画像が形成された用紙Pは更に搬送され、定着器116にて画像を定着された後、画像形成装置の外部に排紙される。
また、搬送ベルト105に対してベルトクリーナー118が設けられている。ベルトクリーナー118は、図1に示すように、搬送ベルト105から用紙Pへの画像の転写位置の下流側であって、感光体ドラム109よりも上流側において搬送ベルト105に押し当てられたクリーニングブレードである。即ち、ベルトクリーナー118、搬送ベルト105の表面に付着したトナーを掻きとる顕色剤除去部(トナー除去部)である。
なお、図1では、タンデム方式であって、中間転写タイプの画像形成装置を例として説明したが、本発明のトナー補給装置が適用可能な、画像形成装置は、1ドラム形式であってもよいし、直接転写形式であってもよい。
<トナー補給>
次に、現像装置112に対して、トナーボトル117からサブホッパーを介してトナーを供給するための構成について図2〜図4を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態に係るトナーの補給構成に係る、トナーボトル117、サブホッパー200、及び現像装置112を示す概略説明図である。CMYK各色においてトナーの供給構成は概ね共通しているため、図2においては1つの現像装置112に対する供給構成を示す。
流動性を有する粉体であるトナーは粉体収容容器(トナー容器)であるトナーボトル117に収容されており、図2に示すように、トナーボトル117からトナーボトル供給路120を介してサブホッパー200にトナーが供給される。図2中、トナー(トナーを含む現像剤)の大まかな流れは太線矢印で示す。
サブホッパー200は、トナーボトル117から供給されるトナーを一時的に保持し、現像装置112内部のトナー残量に応じて現像装置112にトナーを供給する。サブホッパー200からサブホッパー供給路119を介して現像装置112にトナーが供給される。
詳しくは、各色のサブホッパー200の内部には撹拌部材220(図3参照)との接触することによる振動部材210の振動を検知することで、トナー残量を検出する、磁束センサ10が配置されている。磁束センサ10が、サブホッパー200内部のトナー量が少なくなった状態を検知することで、一時的にサブホッパー200内部のトナー貯留量を少ないことを検知することができる。
さらに、トナーボトル117からトナーを供給しながら、あるいはトナーを供給した直後に、磁束センサ10が、サブホッパー200内部のトナー量が無い(少ない)状態を複数回検知することで、トナーボトル117内部のトナーが無い(少ない)ことを検知することができる。
そして、磁束センサ10で検知されたサブホッパー200内のトナーの残量の情報は、残量検知処理部520(図5参照)を介して、ボトル回転制御部540に出力される。
ボトル回転制御部540により制御されるトナーボトル回転モータ410は、複数のトナーボトル117(図1の構成ではY,M,C,Kの4色分)に対して夫々設けられている。トナーボトル回転モータ410は、トナーボトル117を保持するトナーホルダに設けられる回転駆動伝達部750を駆動させて、トナーボトル117の、底面に開口部が設けられたキャップ部702以外のボトル本体(筒部本体の部分)701を回転駆動させる。
回転駆動伝達部750は、例えば、トナーボトル117のボトル本体701をその底部から回転駆動を伝達する。この回転駆動伝達部750としては、例えば、カップリングをスプリングの作用で押し付けるように構成され、そのカップリングのトナーボトル底部対向面には係合突起を設けられている。
他方、トナーボトルのボトル本体701底部外面には、係合突起に係脱可能な係合部701aが形成されている。そして、カップリングをスプリングの作用でトナーボトル117の底部に押し付け、係合突起と係合部701aを係合させてカップリングの回転をトナーボトル117に伝達する。なお、回転駆動伝達部750の構成は、上記に限られず、例えばボトル本体701の側面に係合部を設けて、回転駆動力が伝達されてもよい。
このように、回転駆動伝達部750により、トナーボトル117のボトル本体701が回転することで、トナーボトル117からサブホッパー200にトナーが供給される。
なお、トナーボトル117のボトル本体701が複数回、回転しても、トナーボトルからサブホッパー200にトナーが供給されずに、磁束センサ10によりトナーの残量が検出できない場合は、トナーボトル117が空であるとして、トナーボトルを交換させる。
一方、サブホッパー200の後段に設けられた現像装置には、現像装置内のトナー濃度を検出するトナー濃度センサ320が設けられている。
現像装置112が2成分現像装置である場合、現像剤とトナーとを撹拌するために、粉体を撹拌しながら搬送する搬送スクリュー(現像スクリュー)が設けられている。トナー濃度センサ320は、サブホッパー200から供給され、ある程度現像剤とトナーとが撹拌された後に、トナー濃度を検出するように、トナー補給路311から離れた場所に設けられている。
トナー濃度センサ320は、現像装置112内の現像剤中のトナーの濃度が低くなったことを検知することにより、トナーが少ない又はトナーが存在しないことを検知する。そして、現像装置112内のトナーの残量の情報は、補給部制御部550に出力される。
現像装置112には、複数の現像スクリュー302,303(図4参照)及び現像ローラ304の回転軸312,313,314を、回転駆動する現像部モータ430が設けられている。なお、現像装置112は、予め現像剤が所定量含まれていてもよいし、現像剤もトナー同様に適宜補充する構成であってもよい。
補給部制御部550は、補給部モータ420を駆動して(正転駆動)、サブホッパー200に設けられる撹拌部材220の回転軸221、搬送スクリュー230の回転軸221を回転させることで、サブホッパー200から現像装置112へトナーを供給する。
ここで、サブホッパー内の撹拌部材220の回転軸(撹拌部材回転軸)221と、現像装置112へトナーを搬送する搬送スクリュー230の回転軸(スクリュー回転軸)231は、補給部モータ420による同一モータ駆動となっており、同時に回転動作する構成となっている。
なお、サブホッパー200から現像装置112へのトナー補給のタイミングは、トナーで濃度の検知により、トナー濃度が低くなったときに限られず、例えば、検知手段であるトナー濃度センサ320に代えて印字ドットカウンタを備えることで、消費量を想定して適時補給を行ってもよい。あるいは、画像形成後の用紙上の画像濃度を確認して、薄い場合は、区切りとなる部分で、次ページ以降の用紙で濃度を補正するように補給を行ってもよい。
また、本発明の本実施形態では、サブホッパー200から現像装置112へのトナー補給のタイミングと、トナーボトル117からサブホッパー200へのトナー補給のタイミングを同時にすることもできるし、別のタイミングにすることもできる。
<サブホッパーの概略構成>
次に、交換可能なトナーボトル117からトナーが供給されて、後段の現像装置112にトナーを補給する粉体補給装置として機能するサブホッパー200について概略説明する。図3は、本発明の第1実施形態に係るサブホッパー200の側面断面模式図である。
図3に示すサブホッパー(補給部)200と、図2、図5に示す補給部制御部550、補給部モータ420とを合わせて、粉体補給装置を構成する。
サブホッパー200は、振動部材210と、撹拌部材220と、搬送スクリュー230が内部に設けられ、振動検知部である磁束センサ10が外側に取り付けられている。
図3に示すサブホッパー200の筐体201は、図2に示すように、トナーボトル117と、現像装置112との間で、一時的にトナーを貯留する一時貯留容器である。
サブホッパー200の筐体201内部においては、内部のトナーを撹拌するための構成として、撹拌部材220が設けられている。撹拌部材220は、回転軸221と、回転軸221に固定された撹拌羽根(撹拌板)222とを有している。回転軸221の回転に伴って撹拌羽根222が回転することで、サブホッパー200内部のトナーが撹拌される。そして、正回転方向への回転を行うと、撹拌部材220はトナーを撹拌しながら、サブホッパー200内で搬送スクリュー230側へ(図3中、右側から左側へ)トナーを移動させる。
本発明では、撹拌部材220は、どちらの回転方向にも回転可能である。以下の記述では、現像装置側へトナーが補給されるときの撹拌部材220の回転方向(図3の時計回り方向)を「正回転方向」(順回転方向)とし、正回転方向と反対向きの回転方向(図3の反時計回り方向)を「逆回転方向」と定義して記載する。
サブホッパー200の筐体201の内壁には、振動部材210が設けられている。振動部材210は、振動板211と、錘(おもり)212を備える。
サブホッパー200を構成する筐体201の外壁には、振動検知部である磁束センサ10が取り付けられている。磁束センサ(Vセンサともいう)10は、筐体201の壁を介して振動部材210と対向して配置される。磁束センサ10は、振動部材210からの距離により振動部材210の振動状態を検知する。
撹拌羽根222は、トナーの撹拌に加えて、回転により振動部材210に設けられた錘212を弾く機能を担う。これにより、撹拌部材220が1周回転する毎に、撹拌羽根222により錘212が弾かれて振動板211が振動する。このとき、振動板211は、サブホッパー200内のトナーの量に応じた影響を受けながら、撹拌羽根222と接触することで、振動する。
磁束センサ10は、この振動板211の振動することで、磁束センサ10と振動部材210との距離が変動することを利用して、サブホッパー200内部におけるトナーの残量を検知する。
また、サブホッパー200内部においては、内部のトナーを撹拌して後段の現像装置112へ送り込む構成として、搬送スクリュー230が設けられている。搬送部材である搬送スクリュー230は、回転軸231と、螺旋状羽根232とを有している。
ここで、サブホッパー200内で、現像装置へのトナー供給及び/又は残量検知のために回転する撹拌部材220の回転軸221と、現像装置112へトナーを搬送する搬送スクリュー230の回転軸231は同一モータ(補給部モータ420、図2参照)で駆動され、同時に、同じ方向へ回転動作を行う構成となっている。
サブホッパー200内では、撹拌部材220及び搬送スクリュー230は、常時は回転しておらず、現像装置へのトナー供給及び/又は残量検知のための所定の期間のみ、補給部モータ420によって回転駆動される。
<現像装置>
上記のようなサブホッパー200の後段に設けられている現像装置112について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る現像装置及び感光体ドラム周囲の側面断面図である。
図4に示すように、現像装置112は、筐体であるケーシング301内に、現像剤を撹拌搬送する現像剤搬送部材(現像スクリュー)である供給室スクリュー302及び回収室スクリュー303、現像ローラ304などの回転部材などを具備している。
また、ケーシング301では、仕切り板306及び仕切り板306の一部として構成される流れ込み防止壁305により、供給室スクリュー302を含む上方の搬送空間と、回収室スクリュー303を含む下方の搬送空間に、内部空間が仕切られている。ケーシング301の下方の搬送空間の下部であって、図4紙面方向奥端側に、磁束センサ10が設けられている。
現像ローラ304は、斜め下の部分で感光体ドラム109に近接して対向することで、現像ニップ領域Aを構成するように配置されている。この感光体ドラム109との対向部位に相当するケーシング301の部位は現像ローラ304を露出させるため開口している。
ケーシング301内の現像剤は、現像ローラ304により現像ニップ領域Aへ搬送される。現像ニップ領域Aで感光体ドラム109の表面に形成されている静電潜像に現像剤中のトナーが付着してトナー像として現像(顕像化)される。
このトナー像は感光体ドラム109の回転と共に下流側に移動し、図1を参照して、感光体ドラム109の真下の位置に配置されている転写器115との対向部に至り、トナー像は、記録媒体へ転写される。
感光体ドラム109にトナーが付着された後の現像剤は、現像剤中のトナー濃度が下がっている。そのため、このトナー濃度が低下した現像剤が現像ローラ304から離れずに再度現像ニップ領域Aに搬送され現像に供されると、狙いの画像濃度を得ることが出来ない。
これを防止するため、本例では、現像ローラ30の表面が現像後の剤離し領域Cに到達すると、現像ローラ304から現像剤が離れる。現像ローラ304から離された現像剤はその後、狙いのトナー濃度、トナー帯電量になるように、ケーシング301内で十分に撹拌混合される。
こうして、狙いのトナー濃度、帯電量にされた現像剤は、撹拌されながら紙面方向奥側の端部により、再び上方搬送空間に搬送され、供給室スクリュー302により現像剤貯留スペースDに供給される。このとき、供給室スクリュー302と現像剤貯留スペースDとの間に設けられた流れ込み防止壁305は、現像ローラ304よりも上方に配置された供給室スクリュー302から供給された現像剤がダイレクトに現像剤貯留スペースDへと押込まれるのを防止する。
また、矢印で示すように、上部であって図4紙面手前側(図2、マイナスY方向)には、図2に示すサブホッパー供給路119からトナーが補給されるトナー補給路311が設けられている。なお、そのトナー補給路311は上方の搬送空間には連通しないように、図4点線矢印で示すように、下方の搬送空間に、サブホッパー200からのトナーが直接供給される。
このような搬送経路によれば、トナー補給路311から供給されたトナーが直ちに供給室スクリュー302による搬送経路から現像剤貯留スペースDに供給されることがなく、回収室スクリュー303によってキャリアと撹拌、混合されながら搬送された上で、供給室スクリュー302による搬送経路から現像剤貯留スペースDに供給される。
従って、トナー濃度の安定した現像剤が現像に用いられるため、トナー濃度の変動による画質の低下を防ぐことができる。
貯留スペースDに供給された現像剤は、現像剤規制部材307を通過することにより、所定の厚さに整えられて、磁気ブラシを形成しながら、現像ローラ304により、現像ニップ領域Aに搬送され、感光体ドラム109の表面へと運ばれる。
また、図4においては、現像ローラ304によって生成される磁束の密度分布が破線で示されている。現像ローラ304は、現像スリーブと現像スリーブの内部にあるマグネットローラとからなり、マグネットローラは、3つの磁極(磁力分布)が生じるように構成されている。
具体的には、現像ローラ304の中心と感光体ドラム109の中心とを結ぶ線上で対向する部分(現像ニップ領域Aに相当する領域)の磁極をP1極(現像極)と称し、以下反時計回りの向きで示す現像ローラの回転方向順に、各磁極をP2極(ケーシング対向極)、P3極(現像剤規制部材対向極)と称する。
極性はP1極から、N、S、S極としているが、これらは各極が反対の極性であっても構わない。P1極は現像極であり、感光体ドラム109に対向している。P2極はケーシング301に対向しており、P3極は現像剤規制部材307に対向している。
このように磁極が形成されているため、現像ローラ304上に静電力で引きつけられていた現像剤のうち、磁性体であるキャリアを除いたトナーが、感光体ドラム109の表面に形成されている静電潜像に付着することで、感光体ドラム109の表面にトナー像として現像させることができる。
<駆動制御部>
図2〜図5を参照して、本発明の画像形成装置においてトナー補給に係る部分の駆動及び制御を説明する。図5は、本発明の画像形成装置においてトナー補給に係る部分の機能ブロック図である。
図5に示すように、画像形成装置において、画像形成装置全体の制御を司る主制御部510を含む、制御部500が設けられている。
制御部500には、主制御部510に加えて、図2で示した、トナーボトル(回転)、トナー補給部であるサブホッパー、現像装置112をそれぞれ駆動制御するための、ボトル回転制御部540、補給部制御部550、現像制御部560が設けられている。これらの制御部500は、主制御部510とバス又は/及びインターフェース570を介して接続されている。
また、制御部500には、バス部(インターフェース部)570を介して、トナー補給部であるサブホッパー200に設けられた磁束センサ(残量検知部)10からの信号を処理する残量検知処理部(検知処理部)520が設けられている。さらに、制御部500には、現像装置112に設けられたトナー濃度センサ320からの信号を処理する、濃度検知処理部530なども設けられている。
さらに、制御部500は、バス部(インターフェース部)570を介して、操作部830、通信部820や、画像処理部(不図示)等と接続されている。なお、画像形成装置100の制御部500には、図では省略するが、搬送制御部、定着制御部、書き込み制御部等が含まれているとする。
図2、図5に示すように、トナーボトル117からのトナー供給のために、ボトル回転制御部540は、トナーボトル回転モータ410を駆動制御することで、トナーボトル回転モータ410が、トナーボトルのボトル本体701を回転させるために回転駆動伝達部750を駆動させる。
また、図2、図3、図5に示すように、サブホッパー(補給部)200でのトナー供給のために、補給部制御部550が、補給部モータ420を駆動制御し、補給部モータ420が、回転軸(撹拌部材回転軸)221、回転軸(スクリュー回転軸)231を一括して回転駆動させる。
図2、図4、図5に示すように、現像動作のために、現像制御部560が、現像部モータ430を制御し、現像部モータ430が、供給室スクリュー回転軸312、回収室スクリュー回転軸313、現像ローラ回転軸314を一括して回転駆動させる。
サブホッパー200内のトナー量を振動板211とともに検知する磁束センサ10からの信号により、残量検知処理部520が、「トナー量が少なくなったこと」を検知すると、直接、あるいは、主制御部510を介して、ボトル回転制御部540に通知して、トナーボトル117のボトル本体701を回転させる。このように、回転駆動伝達部750が、ボトル本体701を回転させることで、トナーボトル117からサブホッパー200へのトナー補給を行う。
同時に、あるいはこの直後に、サブホッパー200内で撹拌部材220を回転させることで、磁束センサは、トナーの補給により、サブホッパー200内のトナー残量が増えたことを確認する。
しかし、ボトル本体701を回転させても、トナーボトル117からサブホッパー200へのトナーの補給がされず、磁束センサ10により検出されるサブホッパー200内のトナー残量が増加しない場合は、トナーボトル117のトナーが無くなった(空である)ことを通知する。
サブホッパー200内のトナー量を検知する磁束センサ10からの情報により、残量検知処理部520が、トナーボトルが空であることを検出すると、主制御部510は「トナーボトルのトナー残量無し」の通知を表示部810で行う、及び/又は接続されたコンピューター等に対して通知する。
そして、必要に応じて、画像形成を一旦中断させるため、画像処理部及び搬送制御部の動作を停止させる。
あるいは、トナーボトルを交換不要な場合は、必要に応じて画像処理により使用する色を他の色で補完するように、画像処理を行うことで、画像形成動作を再開する。なお、例えば一色のみ足りない場合は他の色で補完させるように、画像処理部など反映させることも考えられる。
なお、トナーボトルのボトル本体が回転されることで補給されている最中又はその直後に、サブホッパー200内で撹拌部材を回転させることで、磁束センサ10が検出したサブホッパー内のトナー残量が増加したとしても、その増加量が所定量よりも大幅に少ない場合(閾値以下)は、「トナーボトルの残量が少ない」ことを通知してもよい。
この場合も同様に、表示部810で表示させたり、通信部820を介して、外部機器に通信したりすることで、「トナーボトルの残量が少ない(トナーボトルの交換が近づいている)」旨を通知してもよい。
一方、現像装置において、トナー濃度センサ320の信号により、濃度検知処理部530が現像装置内のトナーが少ないことを検知すると、直接、又は主制御部510を介して、補給部制御部550に通知する。補給部制御部550は、補給部モータ420を駆動制御し、補給部モータ420が、撹拌部材回転軸221、スクリュー回転軸231を一括して回転駆動させる。この動作により、サブホッパー200から現像装置112へトナーを補給する。
この際、サブホッパー200からの補給だけでは、現像装置112へのトナーの補給量が足りない場合は、ボトル回転制御部540にも通知して、ボトル本体701も回転駆動させて、トナーボトル117からサブホッパー200へのトナーの補給を平行して行ってもよい。
ここで、本発明の実施形態に係る補給部モータ420は、トナーを補給する方向である正回転方向に加えて、正回転方向と逆向きの逆回転方向にも、撹拌部材回転軸221、スクリュー回転軸231を一括して回転駆動させることができる。
したがって、トナー濃度センサ320からの信号やその他のセンサにより、又は主制御部510から、補給要求が無い場合でも、補給部モータ420により逆回転に駆動することで、サブホッパー200内のトナー残量を検知することも可能である。
<制御部のハードウエア構成例>
上記は機能ブロックで示したが、図6に、画像形成装置の制御部600のハードウエア構成例を示す。
図6に示すように、本実施形態に係る画像形成装置の制御部600は、CPU(Central Processing Unit)610、RAM(Random Access Memory)620、ROM(Read Only Memory)630、HDD(Hard Disk Drive)640及びI/F(Interface)650がバス660を介して接続されている。
これらの、CPU610、RAM620、ROM630、HDD640は、図5の主制御部510を構成してもよい。また、I/F650には表示部810、通信部820、操作部830及び専用デバイス840が接続されている。
CPU610は演算手段であり、画像形成装置1全体の動作を制御する。RAM620は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU610が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM630は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD640は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
I/F650は、バス660と各種のハードウエアやネットワーク等を接続し制御する。表示部810は、ユーザーが画像形成装置100の状態を確認するための視覚的ユーザインターフェースであり、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置によって実現される。
操作部830は、キーボードやマウス等、ユーザーが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインターフェースである。
専用デバイス840は、プリンタ、スキャナ、ファクシミリにおいて専用の機能を実現するためのハードウエアと、これらのハードウエアのための専用の制御部を意図する。例えば、専用デバイス840として、図5のボトル回転制御部540、補給部制御部550、現像制御部560、残量検知処理部520、濃度検知処理部530なども含みうる。
このようなハードウエア構成において、ROM630やHDD640若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM620に読み出され、CPU610がRAM620にロードされたプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウエアとの組み合わせによって、例えば図5のような本実施形態に係る画像形成装置100の機能を実現する機能ブロックが構成される。
<サブホッパーの外観>
図7は、本実施形態に係るサブホッパー200及びサブホッパーの概観を示す斜視図である。図7に示すように、サブホッパー200を構成する筐体の外壁には磁束センサ10が取り付けられている。サブホッパー200の上部は開口しており、この開口に対してトナーボトル供給路120(図3参照)に取り付けられる供給口202が形成されたカバー(不図示)が取り付けられる。また、サブホッパー200内部に貯留されるトナーは排出口203(図8参照)を通ってサブホッパー供給路119から送り出される(排出される)。
なお、この例では、サブホッパー供給路119は、サブホッパー200の下部に一体化して取り付けられており、図7の右下に示す連結部分119Jで、現像装置112又はさらに下流の供給路119へ接続される。
図8は、サブホッパー200及びサブホッパー供給路119の一部を別の角度から見た図であって、(a)は斜視図、(b)は上面図を示す。図8(a)に示すように、サブホッパー200内部の内壁には、振動板211が設けられている。振動板211が設けられた内壁201iは、図7において磁束センサ10が取り付けられている外壁201oの裏側である。従って、振動板211は磁束センサ10に対向するように配置されている。
振動板211は、長方形の板状の金属部品であり、長手方向の一端がサブホッパー200の筐体に固定された片持ち状態で配置されている。また、振動板211の長手方向において固定されていない側の端部には錘212が配置されている。
錘212は、振動板211が振動した場合の振動数を調整する機能や、振動板211を大きく振動させるための機能を有する。
サブホッパー200内部には、収容されるトナーを撹拌するための構成として、回転体である撹拌部材220が設けられている。撹拌部材220は、回転軸221と撹拌羽根222が設けられている。回転軸(撹拌部材回転軸)221は、撹拌部材220がサブホッパー200内部で回転する軸である。
この回転軸221に対して、中心から一方の外側に延出するように撹拌羽根222が固定されている。図8では、この撹拌羽根(翼)222は、サブホッパー200内において、回転軸221の延伸方向のほぼ全域を幅として有し、回転軸221から先端面が内壁近傍までの長さ(高さ)として有する、全域タイプの幅広な略長方形の板状形状である。
回転軸221の回転に伴って撹拌部材220が回転して、サブホッパー200内部であって、図8(b)左側のトナーが撹拌される。また、振動板211の長手方向は、撹拌部材220の回転軸221の軸方向と略平行になるように配置されている。
また、撹拌羽根222は、トナーの撹拌に加えて、回転により振動板211に取り付けられた錘212を弾く機能を担う。これにより、撹拌部材220が1周回転する毎に、撹拌羽根222に錘212が弾かれて振動板211が振動する。
この振動板211の振動を磁束センサ10が検知することにより、サブホッパー200内部におけるトナーの残量を検知する。
撹拌羽根222は、検知に使用される磁束に影響を与えない非磁性体であって、接触により破損しにくい可撓性の素材である、例えばプラスチック等で作製され、平板状に形成されている可撓部材である。なお、図8(b)に示すように、撹拌羽根222の先端部以外の部分に空洞を設けてもよい。
ここで、図8(a)、図8(b)に示すように、サブホッパー供給路119の少なくとも一部が筐体201の下面に取り付けられている。サブホッパー供給路119の始点である排出口203は、搬送スクリュー230の下側に形成されている。そして、現像装置112のトナー補給路311又は現像装置の上流にある供給路との連結部分119Jまで、筐体201の下面に沿って略4分の1の円弧状に取り付けられている。
よって、搬送スクリュー230は、撹拌部材220よりも排出口203に近い位置に、設けられている。正回転方向への回転を行うと、撹拌部材220はトナーを撹拌しながら、サブホッパー200内で搬送スクリュー230側へ(図8(b)の右側から左側へ)トナーを移動させる。そして、図中点線で示すように、搬送スクリュー230により、筐体201から排出口203を通ってサブホッパー供給路119へかき出されたトナーは図8(b)中、左中央から、円弧状に搬送されて、図中右上にある連結部分119Jへ到達する。
<振動部材の構成>
次に、振動部材210と磁束センサ10による検知の構成について説明する。
図9(a)は、サブホッパー20から取り外した状態の振動部材210の斜視図である。図9(a)に示すように、振動部材210は、振動板211と、錘212と、固定部213で構成されている。
振動板211の一端であってサブホッパー200に取り付ける際に外部に近い、外側の面には、サブホッパー200の筐体201の内壁に固定するために固定部213が取り付けられている。
また、振動板211の固定されていない、先端の内側には、錘212が取り付けられている。振動部材210をサブホッパー200に取り付けた状態では、錘212は、筐体201の内側に突出して設けられる突出部となり、この突出部である錘212が、撹拌部材220の撹拌羽根222と接触することで、振動板211が振動する。
本実施形態では、図9(a)に示すように、錘212は、側面が二等辺三角形の三角柱形状、即ち、最も突出する辺212eを中心にして上下対称形状である。
図9(b)は、本発明の実施形態に係る磁束センサと振動板との配置関係を示す図である。図9(b)を用いて、磁束センサ10の発振周波数に対する振動板211の振動による影響について説明する。
図9(b)に示すように、磁束センサ10において平面パターンコイル11が形成されている面と振動板211とは、対向して配置されている。そして、図9(b)に示すように、平面パターンコイル11の中央を中心とした磁束が発生し、その磁束が振動板211を貫く。なお、図9(b)では、磁束センサ10と、振動板211との間にある、サブホッパー200の筐体201の壁は省略して示している。
また、磁束センサ10が振動検知部として機能する。
図9(c)は本発明の実施形態に係る振動板を磁束が通る際の作用を示す図である。
振動板211は、例えばSUS板によって構成されており、図9(c)に示すように磁束G1が振動板211を貫くことによって振動板211内に渦電流が発生する。
振動板211において、この渦電流が磁束G2を発生させ、図9(b)の磁束センサ10の平面パターンコイル11による磁束G1を打ち消すように作用する。このように磁束G1が打ち消されることにより、磁束センサ10におけるインダクタンスLが減少する。詳細は図10で回路とともに説明するが、インダクタンスLが減少すると発振周波数fは増大する。
平面パターンコイル11による磁束を受けて振動板211内部において発生する渦電流の強さは、磁束の強さの他、平面パターンコイル11と振動板211との間隔によっても変化する。振動板211内部に発生する渦電流の強さは、平面パターンコイル11と振動板211との間隔に反比例する。従って、平面パターンコイル11と振動板211との間隔が狭くなるほど、磁束センサ10の発振周波数は高くなり、所定の間隔よりも狭くなると、インダクタンスLが低くなり過ぎて発振しなくなる。
本実施形態に係るサブホッパー200においては、上記の反比例の特性を利用することにより、磁束センサ10の発振周波数に基づいて振動板211の振動を検知する。そのようにして検知した振動板211の振動に基づいてサブホッパー200内部のトナー残量を検知する。
このように、図9(b)、図9(c)に示す振動板211及び磁束センサ10、並びに磁束センサ10の出力信号を処理する構成(残量検知処理部、図9参照)が、粉体残量検知ユニットとして機能する。このトナー補給部として機能するサブホッパー200は、トナー残量の検知に用いられる顕色剤残量検知装置としても機能する。また、磁束センサ10が残量検知部として機能する。
なお、撹拌羽根222によって弾かれた振動板211の振動は、振動板211の剛性や錘212の重量によって定まる固有振動数と、その振動エネルギーを吸収する外的な要因によって定まる減衰率によって表される。振動エネルギーを吸収する外的な要因としては、振動板211を片持ち状態で固定する固定部の固定強度、空気抵抗等の固定要因に加えて、サブホッパー200内部において振動板211に接触するトナーの存在がある。
サブホッパー200内部において振動板211に接触するトナーによる振動に対する負荷は、サブホッパー200内部のトナー残量によって変動する。従って、振動板211の振動を検知することにより、サブホッパー200内部のトナー残量を検知することが可能となる。
トナー残量を検知するための磁束センサ10の構成について下記説明する。
<磁束センサの回路構成>
次に、本実施形態に係る磁束センサ10の内部構成について図10を参照して説明する。図10に示すように、本実施形態に係る磁束センサ10は、コルピッツ型のLC発振回路を基本とする発振回路であり、平面パターンコイル11、パターン抵抗12、第一コンデンサ13、第二コンデンサ14、フィードバック抵抗15、アンバッファIC16,17及び出力端子18を含む。
平面パターンコイル11は、磁束センサ10を構成する基板上に平面状にパターニングされた信号線によって構成される平面状のコイルである。平面パターンコイル11は、コイルによって得られるインダクタンスLを有する。平面パターンコイル11は、コイルが形成された平面に対向する空間を通る磁束によってインダクタンスLの値が変化する。
その結果、本実施形態に係る磁束センサ10は、図9(b)に示すように、平面パターンコイル11のコイル面が対向する空間を通る磁束に応じた周波数の信号を発振する発振部として用いられる。
パターン抵抗12は、平面パターンコイル11と同様に基板上に平面状にパターニングされた信号線によって構成される抵抗である。本実施形態に係るパターン抵抗12は、つづら折り状(即ち、所定の方向に対して複数回往復させるように折り曲げた形状)に形成されたパターンである。このように折り曲げられたパターン抵抗12によって直線状のパターンよりも電流の流れにくい状態を作り出している。図10に示すように、パターン抵抗12は、抵抗値RPを有する。平面パターンコイル11とパターン抵抗12とは直列に接続されている。
第一コンデンサ13及び第二コンデンサ14は、平面パターンコイル11と共にコルピッツ型LC発振回路を構成する容量である。従って、第一コンデンサ13及び第二コンデンサ14は、平面パターンコイル11及びパターン抵抗12と直列に接続されている。平面パターンコイル11、パターン抵抗12、第一コンデンサ13及び第二コンデンサ14によって構成されるループによって共振電流ループが構成される。
フィードバック抵抗15は、バイアス電圧を安定化させるために挿入される。アンバッファIC16及びアンバッファIC17の機能により、共振電流ループの一部の電位の変動が、共振周波数に応じた矩形波として出力端子18から出力される。
このような構成により、本実施形態に係る磁束センサ10は、インダクタンスL、抵抗値RP、第一コンデンサ13及び第二コンデンサ14の静電容量Cに応じた周波数fで発振する。周波数fは、以下の式(1)によって表すことが出来る。
そして、平面パターンコイル11によって得られるインダクタンスLは、平面パターンコイル11の近傍における磁性体の存在やその濃度によっても変化する。従って、磁束センサ10の発振周波数により、平面パターンコイル11近傍の空間における透磁率を判断することが可能となる。
また、図9(c)で説明したように、本実施形態に係るサブホッパー200における磁束センサ10は、筐体を介して振動板211と対向して配置されている。従って、平面パターンコイル11によって発生する磁束は振動板211を通る。即ち、振動板211が平面パターンコイル11によって生成される磁束に影響し、インダクタンスLに影響を与える。その結果、振動板211の存在が磁束センサ10の発振信号の周波数に影響することにより、その振動板211の振動状況を検出することでトナーの残量を検知する。
<残量検知処理部>
次に、本実施形態に係る画像形成装置100において磁束センサ10の出力値を取得する検知の具体的な構成について図11を参照して説明する。図11は、磁束センサ10の出力値を取得する残量検知処理部(検知コントローラ)520の詳細構成を示す図である。
図11に示すように、本実施形態に係る残量検知処理部520は、CPU21、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)22、タイマ23、水晶発振回路24及び入出力制御ASIC30を含む。
CPU21は演算手段であり、ROM等の記憶媒体に記憶されたプログラムに従って演算を行うことにより、残量検知処理部520全体の動作を制御する。
ASIC22は、CPU21やRAM等が接続されたシステムバスと他の機器との接続インターフェースとして機能する。
タイマ23は、水晶発振回路24から入力される基準クロックのカウント値が所定の値になる度に割込み信号を生成してCPU21に対して出力する。CPU21は、タイマ23から入力される割込み信号に応じて、磁束センサ10の出力値を取得するためのリード信号を出力する。
水晶発振回路24は、残量検知処理部520内部の各デバイスを動作させるための基準クロックを発振する。
入出力制御ASIC30は、磁束センサ10が出力する検知信号を取得して、残量検知処理部520内部において処理可能な情報に変換する。入出力制御ASIC30は、透磁率カウンタ31、リード信号取得部32及びカウント値出力部33を含む。検知対象の空間における透磁率に応じた周波数の矩形波を出力する発振回路である磁束センサ10が、透磁率カウンタ31に接続されている。
透磁率カウンタ31は、そのような磁束センサ10が出力する矩形波に応じて値をインクリメントするカウンタである。即ち、透磁率カウンタ31が、周波数を算出する対象の信号の信号数をカウントする対象信号カウンタとして機能する。尚、本実施形態に係る磁束センサ10はCMYK各色の現像装置112に接続される夫々のサブホッパー200毎に設けられており、それに伴って透磁率カウンタ31も複数設けられている。
リード信号取得部32は、CPU21からの透磁率カウンタ31のカウント値の取得命令であるリード信号を、ASIC22を介して取得する。リード信号取得部32は、CPU21からのリード信号を取得すると、カウント値出力部33にカウント値を出力させるための信号を入力する。
カウント値出力部33は、リード信号取得部32からの信号に応じて、透磁率カウンタ31のカウント値を出力する。カウント値出力部33から取得されるカウント値が、振動板211の振動に応じて変化する磁束センサ10の周波数を示す周波数関連情報として、ASIC22を介してCPU21へ送られ、CPU21内の振動状態の検知及びトナー残量の演算に用いられる。
尚、入出力制御ASIC30へのCPU21からのアクセスは、例えばレジスタを介して行われる。そのため、上述したリード信号は、入出力制御ASIC30に含まれる所定のレジスタにCPU21によって値が書き込まれることによって行われる。また、カウント値出力部33によるカウント値の出力は、入出力制御ASIC30に含まれる所定のレジスタにカウント値が格納され、その値をCPU21が取得することによって行われる。
図11に示すコントローラである残量検知処理部520は、磁束センサ10とは別個に、図5に示すように、例えば画像形成装置100の制御部500内に設けられても良いし、CPU21を含む回路として磁束センサ10の基板上に実装されても良い。
このような構成において、CPU21がカウント値出力部33から取得したカウント値に基づいて振動板211の振動状態を検知し、その検知結果に基づいてサブホッパー200内部のトナー残量を検知する。即ち、所定のプログラムに従ってCPU21が演算を行うことにより、トナー残量の検知が行われる。
<振動板の振動の上面図>
次に、サブホッパー200内部における振動板211周辺の部品の配置や、撹拌羽根222が振動板211を弾いている様子について説明する。
図12は、本発明の実施形態のサブホッパー200において振動部材210と撹拌羽根222とが接触するときの動きを示す上面図である。
図12(a)は、磁束センサ10と振動板211とが接触する前の様子を示す上面図である。上述のように、振動板211は固定部213を介してサブホッパー200の筐体201の内壁に固定される。磁束センサ10と振動板211との配置間隔gの調整は、磁束センサ10及び振動板211が取り付けられるサブホッパー200の筐体201の厚みや、振動板211が固定される固定部213の厚みによって調整することが可能である。
図12(b)は、振動板211及び錘212が撹拌羽根222によって押し込まれる状態を示す上面図である。この際、振動板211は固定部213を介してサブホッパー200の筐体201内壁に固定されているため、固定部213側の位置は変化しない。これに対して、錘212が設けられて自由端となっている反対側の端部は、撹拌羽根222によって押し込まれることにより、回転軸221が設けられた側とは反対側である筐体の外側に近づくように移動する。
結果的に、振動板211は、固定部213を基点として図12(b)に示すように撓む。このように撓んだ状態において、振動板211を振動させるためのエネルギーが蓄えられる。
なお、図12(b)に示すように、本実施形態に係る撹拌羽根222は、錘212に接触する部分とそれ以外の部分との間に切り込み223が設けられている。これにより、撹拌羽根222が錘212を押し込む際に無理な力が加わって撹拌羽根222が破損してしまうことを防ぐことができる。
また、切り込み223の始点(終点)には丸型部223bが設けられている。これにより、切り込み223aを境に撹拌羽根222の撓み量が異なった場合に切り込み223の始点に加わる応力を分散し、撹拌羽根222の破損を防ぐことができる。
図12(c)は、図12(b)に示す状態から更に撹拌部材220が回転した後の振動部材210の状態を示す上面図である。図12(c)に示すように、撹拌羽根222による錘212の押圧が解除されると、振動板211に蓄えられた撓みのエネルギーにより、自由端である錘212が設けられた側の端部が反対側に撓む。そして、振動板211の撓んだ端部がその後、減衰しながら振動する。
<側面図>
図13は、本発明の実施形態のサブホッパー200において撹拌部材220が正回転する場合の振動板211と撹拌羽根222の動きを示す側面図である。図13において、回転軸221は、撹拌羽根222が時計回りに回転するように回転する。
図13(a)は、撹拌部材220の回転が、撹拌羽根222が振動板211に取り付けられた錘212に接触する前である状態を示す側面図である。
その後、図13(b)に示すように、振動板211及び錘212が撹拌羽根222によって押し込まれる。
図13(c)は、図13(b)に示す状態から更に撹拌部材220が回転した状態を示す側面図である。図13(c)においては、定常状態における振動板211の位置を破線で、図14に示す振動板211の位置を一転鎖線で示している。そして、撹拌羽根222によって押し込まれて蓄えられた振動エネルギーが解放されることにより反対側に撓んだ振動板211の位置を実線で示している。
図13(c)の実線に示す状態において、振動板211は、サブホッパー200の筐体を介して対向している磁束センサ10から遠ざかった状態となる。
以降、振動板211は振動することにより、磁束センサ10に対して定常状態よりも近づいた状態と、定常状態よりも遠ざかった状態とを繰り返しながら、振動の減衰によって定常状態に戻る。
図13(d)は、サブホッパー200内部に保持されているトナーの状態を模式的にドットで示した図である。図13(d)に示すようにサブホッパー200内部にトナーが存在すると、振動板211や錘212が振動しながらトナーに接触する。
そのため、サブホッパー200内部にトナーが存在しない場合に比べて早く振動板211の振動が減衰する。
さらに、トナーが存在する場合においても、サブホッパー200内のトナーが振動板211の上端まで覆っている場合は振動板211の振動の減衰がより早くなり、トナーが振動板211の下端近傍の一部のみを覆っている場合は振動板の振動の早まり方が緩和される。
このように、振動の減衰の変化に基づいてサブホッパー200内部のトナー残量について、トナーの有無を検知する、及びトナーが存在する場合の、振動板211に対する表面レベルの位置などを、検知することができる。
図14は、図3のサブホッパー200において撹拌部材220が逆回転する場合の振動板211と撹拌部材220の動きを示す側面図である。
図14において、(a)は、撹拌羽根222が振動板211に取り付けられた錘212に接触する前の状態、(b)は、振動板211及び錘212が撹拌羽根222によって押し込まれる状態、(c)は(b)に示す状態からさらに撹拌部材220が回転した状態を示す。
上述の図9(a)で説明したように、本発明の実施形態では、振動部材210の突出部である錘212は、それぞれの弾き方向で振動板211の振動状態が同一となるように、側面から見て逆V字型に上下対称形状である。
この構成により、図13(b)と図14(b)に示すように、撹拌部材の回転が正回転方向であっても逆回転方向であってもどちらでも、撹拌羽根222は錘212を弾くことが可能になり、どちらに回転しても残量検出が可能になる。
なお、図13に示す正回転の場合と、図14に示す逆回転の場合とで、撹拌部材220の回転速度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。なお、撹拌部材220の回転速度を変更するためには、図5に示すモータ回転速度を変更する。
例えば、現像装置へトナーを供給する場合の、撹拌部材の正回転のときよりも、現像装置へトナーを供給しないでトナー量を検知する撹拌部材の逆回転のときの方が、回転速度を遅く設定してもよい。
逆回転のときに、正回転のときよりも遅く回転させることで、撹拌部材の掻き上げによるサブホッパー内のトナー舞い上がり等のトナーの位置変動を低減させる。これにより、逆回転させることでトナー量を検出する場合のトナー量検知精度を向上することができる。
<センサによる残量の検知方法>
図15は、撹拌羽根222によって錘212が弾かれた後、振動板211の振動が減衰して振動が止まるまでの、所定期間毎の磁束センサ10の発振信号のカウント値の変化を示す図である。図15のグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は発振信号のカウント値を示す。
図15に示すように、磁束センサ10の発振信号のカウント値は、発振周波数が高い程多くなる。従って、図15の縦軸は、カウント値ではなく発振周波数に置き換えることもできる。
図15に示すように、タイミングt1において撹拌羽根222が錘212に接触して錘212を押し込むことにより、振動板211が磁束センサ10に近づいていく。これにより、磁束センサ10の発振周波数が上昇して所定期間毎のカウント値が上昇する。
そして、タイミングt2において撹拌羽根222による錘212の押圧が解除され、それ以後、振動板211は蓄えられた振動エネルギーによって振動する。振動板211が振動することにより、振動板211と磁束センサ10との間隔が定常状態を中心として、それよりも広い状態と狭い状態とが繰り返される。その結果、磁束センサ10の発振信号の周波数が振動板211の振動に伴って振動することとなり、所定期間毎のカウント値も同様に振動する。
振動板211の振動の振幅は、振動エネルギーの消費に伴って狭くなっていく。即ち、振動板211の振動は時間と共に減衰する。そのため、振動板211と磁束センサ10との間隔の変化も時間経過と共に小さくなっていき、図15に示すように、カウント値の時間変化も同様に、時間経過と共に小さくなっていく。
ここで、上述したように、振動板211の振動は、サブホッパー200内部のトナー残量が多い程早く減衰する。従って、図15に示すような磁束センサ10の発振信号の振動の減衰の態様を解析することにより振動板211の振動がどのように減衰したかを認識し、それによってサブホッパー200内部のトナー残量を知ることが出来る。
そのため、図15に示すように、カウント値の振動のピークを夫々P1、P2、P3、P4、・・・とすると、例えば、以下の式(2)により、振動板211の振動の減衰率ζを求めることが出来る。式(2)に示すようにタイミングの異なるピーク値の割合を参照することにより、環境変動による誤差をキャンセルして正確な減衰率を求めることが出来る。換言すると、本実施形態に係るCPU21は、異なるタイミングにおいて取得されたカウント値の比率に基づいて減衰率ζを求める。
尚、上記式(2)においては、図15に示すピークのうちP
1、P
2及びP
5、P
6を用いたが、これは一例であり、他のピークを用いても良い。ただし、振動板211が撹拌羽根222によって押し込まれて磁束センサ10に最も近付いた状態であるタイミングt2におけるピーク値は、撹拌羽根222と錘212との摩擦による摺動ノイズが重畳した誤差等を含むため、計算対象とはしないことが好ましい。
仮に図13(d)、図14(d)に示すようにサブホッパー200内部のトナーの存在によって振動の減衰が早められる場合であっても、振動板211の振動数は大きくは変わらない。そのため、上記式(2)に示すように特定のピークの振幅の割合を計算することにより、所定期間における振幅の減衰を計算することが出来る。
上記のグラフに基づく、振幅の減衰の算出方法は、撹拌部材が、正回転、逆回転のいずれでも使用することができる。
<残量検知フロー>
次に、本実施形態に係るサブホッパー200におけるトナー残量検知の動作について図16のフローチャートを参照して説明する。図16に示すフローチャートの動作は、図11に示す、残量検知処理部520のCPU21の動作に相当する。
図16において、CPU21は、まず撹拌羽根222によって、図12(b)、図13(b)、図14(c)に示すように錘212が押し込まれることにより振動が発生し始めることを検知する(S51)。
CPU21は所定期間毎にカウント値出力部33から磁束センサ10の出力信号のカウント値を取得している。このカウント値は、定常状態であれば図15に示すC0である。これに対して、図12(b)、図13(b)、図14(c)に示すように錘212が押し込まれると、振動板211が磁束センサ10に近づくにつれてカウント値は上昇する。従って、CPU21は、カウント値出力部33から取得したカウント値が所定の閾値を上回った場合に、S51において振動が発生したことを検知する。
S51の前後に関わらず、CPU21は通常の処理として所定期間毎のカウント値の取得処理は継続して行う。そして、S51の後、CPU21は、図15に示すような振動板211の振動に応じたカウント値の振動のピーク値を取得する(S52)。
S52においてCPU21は、継続して所定期間毎に取得されるカウント値を解析することにより、ピーク値を特定する。
このようにしてピーク値を取得すると、CPU21は上記式(2)の計算により減衰率ζを計算する(S53)。このため、前段のS52においては、減衰率の計算に用いるピーク値が得られるまで、図21に示す態様によりカウント値の解析を行う。上記式(2)を用いる場合、CPU21は、P6に相当するピーク値が得られるまでカウント値の解析を行う。
このようにして減衰率ζを算出した後、CPU21は、算出した減衰率ζが所定の閾値以下であるか否かを判断する(S54)。即ち、CPU21は、異なるタイミングにおいて取得されたカウント値の比率と所定の閾値との大小関係に基づいて、サブホッパー200内部のトナーが所定の量を下回ったことを判断する。図15のグラフで説明したように、サブホッパー200内部に十分なトナーが残っている場合、振動板211の振動は早く減衰する。従って、減衰率ζは小さくなる。
他方、サブホッパー200内部のトナーが減少すると、それに応じて振動板211の振動の減衰が遅くなり、減衰率ζは大きくなる。従って、検知するべきトナー残量に応じた減衰率ζSを閾値とすることにより、算出された減衰率ζに基づいて、サブホッパー200内部のトナー残量が検知するべき残量(以降、「規定量(閾値)」とする)にまで減少したことを判断することが可能である。
尚、サブホッパー200内部のトナー残量が、振動板211の振動の減衰態様に直接影響するのではなく、トナー残量に応じて振動板211に対するトナーの接触状態が変化し、それによって振動板211の振動の減衰態様が定まる。従って、サブホッパー200内部のトナー残量が同量であっても、振動板211に対するトナーの接触態様が異なれば、振動板211の減衰態様は異なる。
そこで、正回転の際と逆回転の際では、算出した減衰値に対して、基準となる所定の閾値として異なる値を設定しておいてもよい。
S54の判断の結果、算出した減衰率ζが閾値未満であれば(S54でNO)、CPU21は、サブホッパー200内部には十分な量のトナーが保持されていると判断し、そのまま処理を終了する。
他方、算出した減衰率ζが閾値以上であれば(S54でYES)、CPU21は、サブホッパー200内部のトナー量が規定量を下回っていると判断し、トナー切れ検知を行って処理を終了する(S55)。
S55の処理によりトナー切れ検知を行ったCPU21は、画像形成装置100を制御する、より上位のコントローラである主制御部510(図5参照)に対して、トナー残量が規定量を下回ったことを示す信号を出力する。これにより、画像形成装置100のコントローラは、特定の色についてのトナー切れを認識し、トナーボトル117からトナーの供給を行うことが可能となる。
なお、サブホッパー内の具体的な検知方法については、本出願人が行った、特開2016-109445号公報と同様である。
<第1実施形態の制御フロー>
上記構成の画像形成装置の第1実施形態における動作制御について、図17を用いて説明する。図17は、本発明の第1実施形態に係る残量検出及びトナーボトル取り替えのフローチャートである。図17に示すフローチャートの動作は、図5に示す制御部500内のいずれかの制御部の動作に相当し、図2に示したトナー補給構造のいずれかによって実行される。
まず、ステップ(以後、単にSと称す)S101で、補給部制御部550は、主制御部510又は濃度検知処理部530から、「トナー補給要求」を受け取る。
一例として、現像装置112に設けられたトナー濃度センサ320の信号を処理する濃度検知処理部530は、現像装置112内のトナー濃度が低くなった場合、即ちトナーが不足する場合、トナーの補給を要求する通知を主制御部510に送信する。そして、主制御部510は、一定の濃度が要求される画像形成動作の区切り又は終了の所定のタイミングで、サブホッパー200から現像装置112へのトナー補給を行うように、補給部制御部550に対して、「トナー補給要求」を指示する。
または、別の例として、濃度検知処理部530は、トナー濃度センサ320で検出した現像装置112内のトナー濃度が低くなった場合、主制御部510を介さずに補給部制御部550に、直接「トナー補給要求」を指示する。
あるいは、さらに別の例として、用紙P上に形成された画像の状態を検出する濃度検知センサによって用紙P上の画像濃度不足を検出することで、現像装置112へのトナー補給を、主制御部510へ要求してもよい。または、画像処理部における画像データ段階でのドットカウンタによって消費量を推測することで、現像装置112へのトナー補給を、主制御部510へ要求してもよい。これらの場合も、主制御部510は、上記所定のタイミングで、補給部制御部550に対して「トナー補給要求」を指示する。
上記の「トナー補給要求」がされている場合(S101でYes)、S102へ進む。
S102で、補給部制御部550は、「トナー補給要求」を取得すると、補給部モータ420を正回転方向へ駆動させる。
これにより、撹拌部材220の回転軸221、搬送スクリュー230のスクリュー回転軸231が正回転方向へ回転させられることで、サブホッパー200内のトナーが、撹拌されながら搬送スクリュー230の方に移動した後、サブホッパー供給路(排出路)119を通って、現像装置112へ供給される。
同時に、撹拌部材220が正回転方向に回転することで、撹拌羽根222が、振動部材210の錘212に上から下に擦るように接触して振動板211が振動する。この振動を、磁束センサ10が検出することで、サブホッパー200のトナー残量を検出する。
一方、補給部制御部550が「トナー補給要求」を取得していない場合(S101でNo)、S103で、トナー残量検知要求を取得していないかどうか確認する。
画像形成装置100において、主電源がONになった場合や、省エネから復帰した場合などの駆動開始時(装置を立ち上がるとき)、又はトナーボトル交換後、主制御部510は補給部制御部550に対して、「トナー残量検知要求」を行う。
即ち、「トナー残量検知要求」は、(1)起動時、(2)トナーボトル交換後、(3)トナーボトルが交換された可能性がある場合に、指示されることを意図する。
この際、トナー補給要求があった時にタイムラグなくトナーを搬送するため、サブホッパーには常にトナーが十分に入っていることが望ましい。そこで、トナー残量検知要求によって電源立ち上げ後に、サブホッパー内のトナー残量を確認することで、続いて実行を予定する画像形成動作において、トナーボトルを途中で交換せずに、画像形成動作が実施できるかどうかを確認することができる。S103として、想定しうるケースについて説明する。
上記のケース(1)として、その時点でのサブホッパー内残量が不明な場合である。不十分ならボトルから供給する必要がある。サブホッパー内残量を不揮発メモリに残し読み出す等、他にその時点での残量検知を知る手段があればここでの残量検知は不要となる。このケース(1)は、起動時(電源ON/省エネ復帰)に相当する。
ケース(2),(3)として、ボトルが交換された、あるいは交換された可能性がある場合である。セットされたボトル内のトナー残量が不明な(空の場合もあり得る)ため、補給要求と関係なく、ボトルを駆動させてサブホッパーに補給されるかどうかを確認する。空ならボトル交換させる。このケースは、(2)トナー補給完了後(図17の、ステップS109,S110,S116でのトナー補給停止の後)、(3)補給動作以外でのボトル交換後、に相当する。
このように、補給部制御部550に、主制御部510からの、「トナー残量検出要求」が指示されると(S103でYes)、S104へ進む。
一方、補給部制御部550が、「トナー残量検出要求」を取得していない場合(S103でNo)は、サブホッパー200内のトナー補給及びトナー残量検知のいずれも行わないことになる。そのため、「トナー補給要求」又は「トナー残量検出要求」のいずれかの要求が来るまでは、以降のフローへは進まない。
補給部制御部550は、「トナー残量検出要求」を取得すると(S103でYes)、S104で、補給部モータ420を逆回転方向へ駆動させる。
これにより、撹拌部材220の回転軸221、搬送スクリュー230のスクリュー回転軸231が逆回転方向へ回転させられることで、サブホッパー200内のトナーが、撹拌されながら撹拌部材220の方に移動する。
同時に、撹拌部材220が逆回転方向に回転することで、撹拌羽根222が、振動部材210の錘212に下から上に擦るように接触して振動板211が振動する。この振動を、磁束センサ10が検出することで、サブホッパー200内のトナー残量を検出する。
そして、S102でのモータ正回転での残量検出、又はS104でのモータ逆回転での残量検出において、S105で、サブホッパー200内にトナーが有るかどうか、磁束センサ10で検出し、残量検知処理部520で確認する。
ここで、「サブホッパー200内にトナーが有る」とは、サブホッパー200内に、少なくとも磁束センサ10によって残量が検知される閾値(規定量)まで達している分のトナー量が存在すること、を意味する。
トナーがサブホッパー200内に存在すると検出された場合(S105でYes)は、フローを終了する。
トナーがサブホッパー200内に存在しない場合(S105でNo)は、トナーボトル117が空になったかどうかの判定処理であるS106〜S108に示すニアエンド判定へ移行する。
S105でNoのためサブホッパー内にトナーが存在しない(少ない)と検出されているため、トナーボトル117からサブホッパー200へトナーを補給するように、S106で、ボトル回転制御部540が回転駆動伝達部750を駆動して、トナーボトル117のボトル本体701を回転させる。
なお、所定回数とは、サブホッパー200が空の状態から、サブホッパー200内で磁束センサ10によって残量が検知される閾値となる量に到達するまでのトナー補給量に相当するボトル本体701の回転回数である。なお、サブホッパー200内のトナー残量の閾値は、画像形成に必要な量であって、タイムラグなく現像部にトナーを搬送できる量である。
サブホッパー200に対して、トナーボトル117からトナーが供給されるため、サブホッパー200内にトナーが補給されたことを確認するために、S107でサブホッパー200のモータ回転を開始し、補給部モータ420により撹拌部材220を逆回転に回転駆動する。
この際、撹拌部材220が逆回転方向又は正回転方向に回転することで、撹拌羽根222が振動部材210の錘212に接触して発生する振動板211の振動を、磁束センサ10が検出して、サブホッパー200内のトナー残量を検出する。
なお、図17に示すフローでは、S106でトナーボトル117からサブホッパー200へのトナー補給を行った後に、S107でサブホッパー200内のトナー残量の検出を行うように示しているが、S106とS107の継続動作は平行して実施してもよい。
S108で、ボトル本体701の回転が所定回数に到達する前に、磁束センサ10によって、トナー残量があること(サブホッパー200内でトナー有りになったこと)が検出された場合(Yes)、S109へ進み、所定回数到達前に、ボトル本体701の回転を停止する。例えば、磁束センサ10による検出対象となる閾値には達しない程度の少量のトナーがサブホッパー200内に残っていた場合は、所定回数到達前に、閾値に達することになる。
S108で、トナー補給の途中で、サブホッパー200内でトナー有りにならない場合(No)、S110で、ボトル本体701を所定回数回転しても、連続でサブホッパー200内にトナーが無いかどうかを確認する。
S110でNoでは、所定回数回転したときに、サブホッパー200内にトナー有りと、検出されたことにより、ほぼ空の状態のサブホッパー200にトナーが補給され、磁束センサ10による検出対象となる閾値まで達したことになる。そのため、S111で、ボトル本体701の回転を停止し、トナーボトル117からサブホッパー200へのトナーの補給を停止する。
一方、S110において、トナーボトル117からトナー供給動作を行いながら、又はトナーボトル117からのトナー供給動作を行った後に、磁束センサ10で、「トナー無し」と、所定の回数連続で検出した場合に(Yes)、トナーボトル内にトナー残量少(なし)」(ニアエンド)と判定する(S112)。
S112で、ニアエンド判定とともに、ボトル本体701の回転を停止し、サブホッパー200のモータ回転を停止して、撹拌部材220及び搬送スクリュー230の逆回転を停止させる。
残量検知処理部520は、S107での複数回の連続した「トナー無し」の検出(S110でYes)により、ニアエンド判定(S112)として、S113において、トナーボトル交換要求を、主制御部510を介して、又は直接、表示部810又は通信部820に通知する。この「トナーボトル交換要求」を、表示部810に表示する又は、通信部820を介して外部機器で表示することで、ユーザーや管理者に、交換のための新規のトナーボトルの準備あるいは交換を促す。
ユーザーや管理者によりトナーボトルが交換されると、S114で、トナーボトル保持部(不図示)等により、交換後のトナーボトルが適切に装着されたかどうか、の確認を行う。例えば、交換後のトナーボトル117のトナー保持部への嵌合状態を検出し、あるいは交換されたトナーボトル117のキャップ部702に搭載されたICタグ等を検出することで、トナーボトルが装着されたことを確認する。
トナーボトルが装着されたことを確認すると、S115で、トナーボトル117のボトル本体701を回転駆動する。ボトル回転制御部540が回転駆動伝達部750を駆動してトナーボトル117のボトル本体701を回転させることで、トナーボトル117からサブホッパー200へトナーを供給する。
S115では、S109でサブホッパー200内にトナーが無いことが確認されたため、S1110で交換されたトナーボトル117からトナーを補給する。
そして、ボトル本体の回転数が、所定回数に到達したら、ボトル本体701の回転を停止し(S116)、トナーボトル700からサブホッパー200へのトナーの補給を停止する。そして、トナーの補給に伴うことで、トナーの補給状態がリカバリされたので、ニアエンド判定を解除し(クリアし)、フローを終了する。
このフロー終了後、補給要求や、残量検知要求があった場合はまたSTARTに戻ってフローを開始する。
本発明の実施形態では、撹拌部材を正回転させることに加えて、撹拌部材を逆回転させるように制御することを可能なので、トナー残量を検出する際、トナー補給を伴ったトナー残量検出と、トナー補給を伴わないトナー残量検出の両方が可能になる。
即ち、本実施形態において、トナー残量を検知する際、後段の装置である現像装置へ補給するかどうかに応じて、補給部モータ420を、正回転方向の回転か、逆回転方向の回転か、のいずれかの回転方法が選択可能である。
そのため、本発明では、トナー補給要求がある場合でも、ない場合でも残量検出が可能なため、トナーボトルからサブホッパーへのトナー供給、ニアエンド判定、ニアエンドリカバリを、現像装置への次回トナー補給タイミングまで待つ必要はなく、タイミングの制約なく実行できる。
<比較例>
下記、本発明とは異なるモータ制御を行う比較例に係るサブホッパーについて図18,19を用いて説明する。
図18(a)は、サブホッパー200Xから取り外した状態の比較例に係る振動部材210Xの斜視図であり、図18(b)は、比較例に係るサブホッパー200Xの側面方向の断面模式図である。
比較例のトナー残量検出方法では、サブホッパー200Xにおいて、撹拌部材220Xや、搬送スクリュー230Xは、正回転方向のみ回転可能である。この構成においても、撹拌部材220Xの回転軸221と搬送スクリュー230Xのスクリュー回転軸231Xとは同一モータ駆動となっており、同時に回転動作する構成であるとする。
よって、図18(a)に示すように、比較例に係る振動部材210Xに設けられる錘212Xは、上から下へ擦ることのみを想定された構成である。その他の部材の構成については、本発明の構成と同様であるとする。
比較例では、撹拌部材220Xの回転軸221Xは図18(b)に示す矢印方向のみに回転し、撹拌部材で振動板211Xを弾くトナー残量検出と、現像装置側へのトナーかき出し・トナー補給を同時に行っている。
図19に、比較例に係る残量検出及びトナーボトル取り替えのフローチャートを示す。
図19のフローチャートと、上述の本発明の第1実施形態に係る図17のフローチャートと比較すると、比較例の動作では、S103、S104に対応するトナー残量検出要求と、モータ逆回転のステップが存在しない。
また、ニアエンド判定の際、トナーボトル117からサブホッパー200へトナーを補給しながら、サブホッパー200内部の残量検出を行うS905でのモータ回転が正回転である点が異なる。
図18、図19に示すように、撹拌部材220Xを正回転のみ可能な構成でトナー残量検出する方法では、トナー残量を検出するときは、撹拌部材220X、搬送スクリュー230Xが正反転することでサブホッパー200X内のトナーがかき出され、サブホッパー供給路内を搬送されることで、必ず現像装置へのトナー補給も伴ってしまう。
ここで、トナー残量を検出すると同時にトナー補給もされてしまうと、現像装置112X内のトナー濃度が上昇し、画像の濃度変動を引き起こすため、図19に示すように、現像装置にトナーを補給するタイミングでしか、サブホッパー内のトナー残量を検出できない。即ち、この構成では、サブホッパー112Xは、トナーボトルと、現像装置部とを連結するトナー供給経路の一部として、現像装置へのトナー補給の要求があるときのみ、トナーを補給するために、付随的にトナー残量を検出していた。
ゆえに、例えば電源立ち上げの際に、トナーボトルからサブホッパーへのトナー供給やニアエンド判定、ニアエンドリカバリを実行するタイミングにならず、現像装置への次回トナー補給タイミングまで待たなければならなかった。
そのため、画像形成動作を一時停止中に、サブホッパーから現像装置への補給と、トナーボトルからサブホッパーへのトナー補給の両方を行うため、そのときにトナーボトル内のトナー切れ(又はニアエンド)が検出されるため、トナーボトルの交換の通知が遅れてしまう。例えば、画像形成において、区切れ目の一時停止期間で現像装置へトナーが補給されるときにトナーボトルのトナー切れが検出され、トナーボトル交換要求が指示されると、画像形成中のユーザーの負担が大きい。
これに対して、本発明の上記の第1実施形態では、サブホッパー内のトナー撹拌部材の回転動作を、正回転に加えて「逆回転」に制御することで、トナー補給せずにトナー残量を検出することができる、という効果を奏する。したがって、現像装置でトナーが不足している場合でなくても、トナーボトルのトナー切れを別のタイミングで検出できる。
また、上記のように撹拌部材を「逆回転」にすることが可能になることで、撹拌部材の逆回転の状態を連続して使用する例が第1実施形態であったが、別の制御として正回転と逆回転を交互に繰り返す例として、下記の第2実施形態を説明する。
<第2実施形態>
図20は、本発明の第2実施形態に係るサブホッパー200Aの側面方向の内部模式図である。
本実施形態では、現像装置へトナーを供給しない場合の、トナー残量検出期間中のサブホッパー内のトナー撹拌部材の回転動作を、トナーを現像器に搬送しない一定角度内での反復動作とする点が第1実施形態とは異なる。
図20において、上記の回転動作の駆動制御を除き、振動板211に固定された錘212の形状を含む、サブホッパー200A内の構成は、上記第1実施形態と同じである。
本実施形態においても、撹拌部材220は、正回転方向及び逆回転方向に回転駆動可能である。また、本実施形態では、トナー残量を検知する際、後段の装置である現像装置へ補給するかどうかに応じて、補給部モータ420を、正回転方向の回転か、正回転方向及び逆回転方向を交互に行う反復動作か、のいずれかの回転方法が選択可能である。
したがって、トナー残量検出のときに、第1実施形態と同様に、サブホッパー200のトナーが現像装置112に搬送されることを防止できる。
実施形態における、回転モータの反復動作が行われる一定角度の角度は、例えばメモリ等に記憶されて選択可能であってもよいし、予め固定されていてもよい。
本実施形態における、回転モータの反復動作においては、撹拌羽根222が振動板211を弾いたことよる変形分は除いいて、規定の位置から規定角度だけ回転させたら逆回転させる、といった、位置情報をメモリ等に保持しておき、使用してもよい。
また、第1実施形態と同様に、正回転と逆回転で、撹拌部材220Aとスクリュー239Aを駆動するモータ回転速度を変えてもよい。
<第2実施形態の制御例>
図21に、本発明の第2実施形態に係る残量検出及びトナーボトル取り替えのフローチャートを示す。
本実施形態のフローは、概略は図17に示す実施形態と同様であるが、トナー残量を検知するときのS204及びS207でのモータの動作が異なる。
S204及びS207では、撹拌部材220が振動板211を弾いたことを検知した後、撹拌部材220の位置が規定角度に達したら、回転軸221を駆動させている補給部モータ420を逆回転させる。これを繰り返すことで撹拌部材220を一定の角度内で、反復動作させる。
ここで、第1実施形態では、残量検出のときに、特にトナー残量無しの場合、確認のために補給部モータ420の逆回転を連続して行うと、撹拌部材220スクリューも連続して逆回転し、現像装置112からサブホッパー供給路119を介してサブホッパー200へトナー逆流が発生するおそれがある。この逆流により、一時的に、サブホッパーと、現像装置とを連結するサブホッパー供給路119(図8参照)内のトナーが少なくなったり、空になったりすることがありうる。そのため、次回補給時に、現像装置へトナー補給が開始されるタイミングにタイムラグが生じる可能性があった。
これに対して、本実施形態では、トナー残量検出期間中、撹拌羽根222Aは一定角度内でしか移動しない。そのため、撹拌部材220Aによりサブホッパー200A内のトナーが搬送スクリュー230側へ移動されることがない。
また、撹拌部材220Aの回転軸221Aと搬送スクリュー230Aのスクリュー回転軸231Aが同一モータ駆動となっているため、上記の制御だと、搬送スクリュー230Aの螺旋状羽根232Aも一定角度内でしか移動しない。そのため、搬送スクリュー230Aによりサブホッパー供給路119内のトナーも現像装置112の方へ搬送されることない。
よって、サブホッパー供給路119内のトナーは、サブホッパー供給路119内で保持されたままで、現像装置112へ供給することもなく、さらにサブホッパー200Aへ逆流することもない状態で、トナー残量の検出が可能である。
したがって、本発明の第2実施形態では、トナー残量検出中は、サブホッパー供給路119内で保持されたトナーは変化しないため、次回補給時に、現像装置へトナー補給が開始されるタイミングにタイムラグが生じる可能性が生じえない。
また、本発明の第2実施形態でも、トナー補給要求がある場合でも、ない場合でも残量検出が可能なため、トナーボトルからサブホッパーへのトナー供給、ニアエンド判定、ニアエンドリカバリを、現像装置への次回トナー補給タイミングまで待つ必要はなく、タイミングの制約なく実行できる。
<第3実施形態>
上記において、トナーを現像装置へ補給せずにトナー残量を検知する場合、撹拌部材の逆回転の状態を連続して使用する第1実施形態、正回転と逆回転を交互に繰り返す第2実施形態を説明したが、これらの実施形態の制御を組み合わせてもよい。
本実施形態では、トナーを現像装置へ補給せずにトナー残量を検知する場合、補給部モータは、逆回転方向の回転を連続して行うか、一定の角度内で、正回転方向及び逆回転方向を交互に行う反復動作か、の回転方法が選択可能である。
例えば、図17のフローでS104での残量検出では、逆回転方向の回転を連続して行い、より多くの回転回数が必要な、S107でのトナー補給を行いながらの残量検出では、正回転方向及び逆回転方向を交互に行う反復動作を行う、など適宜選択しうる。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。