本発明は、電子写真方式又は静電記録方式を採用し、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤にて現像する複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において、現像動作を実行する現像器やプロセスカートリッジにトナーを補給する現像剤補給手段に関するものである。
従来、電子写真方式や静電記録方式にて、像担持体表面に現像剤にて現像剤像(トナー像)を形成し、該トナー像を転写材に転写、定着する画像形成工程を実行する画像形成装置においては、特に電子写真方式の画像形成装置においては、現像工程にて、現像剤担持体の表面に顕画剤としての乾式現像剤を担持し、静電潜像を担持した像担持体の表面近傍に現像剤を搬送供給し、像担持体と現像剤担持体の間に交互(交番)電界を印加しながら静電潜像を現像して顕像化する方法が広く知られており、その現像剤担持体として現像スリーブが、像担持体として感光ドラムが用いられることが一般的である。
現像方法としては、例えば、二成分系組成(キャリア粒子とトナー粒子)を有する現像剤(二成分現像剤)を用い、内部に磁石を配置した現像スリーブの表面に磁気ブラシを形成し、微小な現像間隙を保持して対向された感光ドラムに、この磁気ブラシを摺擦又は近接させ、現像スリーブと感光ドラム間(S−D間)に連続的に交互電界を印加することによってトナー粒子の現像スリーブ側から感光ドラム側への転移及び逆転移を繰り返し行わせて現像を行う所謂磁気ブラシ現像法が知られている。
又、二成分現像方式を採用した現像方法では、トナーのみが消費されるので、現像動作を実行する現像器内のトナー濃度(TD比)を一定に維持するため、消費されたトナーを補給するために、現像器において現像剤が収容されている現像容器と連結された補給用現像剤容器が設けられる。補給用現像剤容器は現像剤カートリッジとして、補給用のトナーが収容され、通常は着脱自在で、内部のトナーが消費されたら、交換するようになっている。そして、現像容器内現像剤TD比検知(以下、「トナー濃度検知」と称す。)による検出値が常に一定になるように、補給用現像剤容器より現像装置に補給するトナー量を決定する現像剤補給手段が実用化されている。
換言すると、上記の現像剤補給手段によって、トナー補給することにより、長期にわたる画像形成中のトナー帯電量の低下を、現像容器内の二成分現像剤中のトナー濃度を適宜低下させることにより防止して、長期にわたる画像形成中における画像濃度を一定に保っている。
以下、現像剤補給手段と、その被補給器とされる二成分磁気ブラシ現像用の現像器の構成を説明する。図3(a)は、一般的な感光ドラム101と現像器105と現像剤補給手段104の、感光ドラム101の軸方向を横切る方向の概略断面図であり、図3(b)は、現像剤補給手段104を、感光ドラム101が配置されている位置に対して反対側から見た正面図である。
そして、この現像剤補給手段104は、大きく分けて、現像器105の上部のトナー受取孔13に連結されている、第二の貯蔵手段であるサブトナー容器1と、このサブトナー容器1の上部に設けられ、補給トナーを収容する第一の貯蔵手段であるメイントナー容器2と、の2つの補給用現像剤容器で構成される。そして、メイントナー容器2に保存されている補給用トナーをサブトナー容器1内で攪拌して、サブトナー容器1に連通し、現像器105のトナー受取孔13に通じている現像剤搬送手段としてのトナー補給スクリュー4によって、現像器105の現像容器11に補給する。
図3(a)に示すように、現像スリーブ11aは感光ドラム101に対して近接配置され、感光ドラム101と逆方向又は同一方向に回転し、現像剤(ドットで図示)が感光ドラム101に対して接触する状態で現像できるよう設定されている。
そして現像器105の上方に、トナー受取孔13よりトナーを補給する、現像剤補給手段104が設けられている。
ここで現像器105、現像剤補給手段104について詳しく説明する。
現像器105は、トナー粒子と磁性キャリアが混合された二成分現像剤を収容する現像容器11を有し、この感光ドラム101との対向部に設けられた開口部に感光ドラム101と平行に設けられた円筒状の現像スリーブ11aが備えられ、現像スリーブ11a中には固定配置されたマグネットローラ11bが内蔵されている。
そして、現像容器105は、現像スリーブ11aと平行に仕切られ、現像スリーブ11aに現像剤を供給する現像室11cと、上部にトナー受取孔13が設けられた攪拌室11dに分かれている。現像室11cには現像スクリュー11e、攪拌室11dには撹拌スクリュー11fが備えられ、現像室11cと攪拌室11dは、両スクリュー11e、11fの端部で連通し、現像剤は両者の間を循環しながら、混合攪拌されるようになっている。よって、攪拌室11dで、トナー受取孔13より補給されたトナーは、既に現像容器11内にあるトナーとキャリアを含む現像剤と混合され、均一にされた状態で、現像室11cに搬送され、現像スリーブ11aに供給される。そして、現像スリーブ11aが設けられた現像容器11の開口部で、現像スリーブ11a回転方向上流側には、現像剤を現像スリーブ11aの表面に薄層形成するために、それに対向する位置に規制ブレード11gが配置されている。
そして、現像スリーブ11aの回転によって、それに担持された現像剤は感光ドラム101表面へと搬送され、不図示の電源より現像スリーブ11aに印加される現像バイアスにより、感光ドラム101上に形成されている静電潜像が現像される。
現像剤補給手段104について詳しく説明する。
補給用トナーが蓄えられているメイントナー容器2には、内部に回転自在に設けられた攪拌翼12が設けられており、駆動手段12aの駆動を受けている。図3(b)は、駆動手段12a側から見た正面図である。攪拌翼12は、回転することによってメイントナー容器2内でトナーが固まることを防止するために、トナーをほぐす作用と、メイントナー容器2内のトナーをサブトナー容器1へ連通するトナー供給口1aへ向かって長手方向(紙面に平行な方向)へ搬送する作用と、トナーをその供給口1aから押し出してサブトナー容器1へ落下させる作用と、を実行する。攪拌翼12としては、例えば、PET等のシート材を用いることが一般的である。そして、メイントナー容器2には、トナーの有無を電気的又は光学的に直接検知する現像剤検知手段(トナーセンサ)7が設けられている。そして、メイントナー容器2内部の攪拌翼12の回転軸に取り付けられて、攪拌翼12の回転と共に回転動作し、トナーセンサ7の検知面7aを清掃する清掃部材8を有する。
メイントナー容器2に収容されたトナーを現像器105に補給する中間容器として、サブトナー容器1が設けられる。サブトナー容器1は、上部に、メイントナー容器2からトナーの供給を受けることが可能なトナー供給口1aが形成されており、底部は、側面が略水平方向に突出し、円筒状に形成された、サブトナー容器1からトナーを搬送することが可能なトナー搬送パイプ3を備えている。底部と上部の中央部には、動作自在に設けられたトナー攪拌部材6が設けられており、攪拌部材6が回転又は回動の動作をすることによってトナーをほぐす作用が施されている。サブトナー容器1底部からトナー搬送パイプ3内に渡って、現像剤搬送手段である、螺旋面が形成された搬送部材である補給スクリュー4が回転可能に設けられ、その先端には、補給スクリュー4を回転駆動する駆動手段(搬送駆動手段)5が設けられている。尚、ここでは、サブトナー容器1とトナー搬送パイプ3の底部は連続しており、補給スクリュー4は、サブトナー容器1底部から、突出したトナー搬送パイプ3内に亘って設置されている。
上記構成の現像剤補給手段104により、現像器105にて現像動作により消費されたトナーに見合った量のトナーが、補給用トナーが貯蔵されているメイントナー容器2より、サブトナー容器1を通して、補給スクリュー4によって現像容器11の受取孔13を経て、撹拌スクリュー11fが設けられた撹拌室11dへ落下補給される。現像容器11中にはトナー粒子と磁性キャリアが混合された現像剤が収容されており、トナー粒子と磁性キャリアの混合比(以後、「T/C比」と称す。)は、現像容器11内のトナー濃度検知結果に応じて、上記現像剤補給手段104によりトナーを補給することによって一定に保たれている。このときの現像容器11中のトナー粒子と磁性キャリアの混合比の検知即ちトナー濃度検知及び濃度の維持方法としては従来から様々な方式が実用化されており、既知の方法から選択して行われる。
補給スクリュー4は搬送駆動手段5によって回転され、現像容器11内のトナー粒子と磁性キャリアのT/C比を維持するために、現像容器11内のトナー濃度検知結果に応じて、現像により消費されたトナーに見合った量のトナーの量に応じてその回転回数又は回転時間が設定され、設定された回転回数又は回転時間に到達すると回転を停止することによって現像器105が要求しただけのトナーを搬送し、現像容器11へトナーを補給する。
このとき、補給スクリュー4は、その大きさに応じて1回転当たり又は単位時間当たりのトナーの搬送量があらかじめ定数化されており、要求量に応じて回転回数又は回転時間を算出する制御が可能になっている。ここでスクリュー4によるトナーの搬送量は回転回数に比例するので、回転時間で設定するためには、搬送駆動手段5によって、スクリュー4を常に一定の速度で回転するようにさせることが前提となる。又、この回転回数をカウントする手段を設けていれば、スクリュー4の回転速度は一定であってもなくても回転回数で設定することが可能である。
現像剤補給手段104においては、メイントナー容器2よりサブトナー容器1へトナーを補充する。メイントナー容器2内のトナー有り無しは、常に、トナーセンサ7によって検知され、トナー有りの状態の時に、サブトナー容器1に補充される。
ところが、トナーセンサ7は、トナーが、メイントナー容器2の一部に固まっていると、その固まったのを検知できず、トナー無しと判断してしまう誤検知をする虞があるため、それを防ぐため、メイントナー容器2内では、攪拌翼12が回転又は回動の動作によりトナーをほぐして、固まることを防止している。更に、センサ検知面7aにトナーが付着した場合の誤検知を防ぐため、清掃部材8によって、この検知面7aを清掃する。ここで、清掃部材8は、攪拌翼12の回転軸から放射状に設けられた部分がセンサ検知面7a上に接触し、回転翼12の回転と共に、センサ検知面7aをこすりながら清掃して回転するようになっている。
そして、このほぐされたトナーが、攪拌翼12により下方のサブトナー容器1に搬送され、その下方のトナー搬送路3へ補給スクリュー4によって、パイプ3長手方向(紙面に平行な方向)へ、現像容器11と連通する孔13へ向かって搬送し、トナーを孔13から押し出して現像容器11へ落下させる。
尚、トナー搬送をスクリュー4にて行う手段として、トナー補給スクリュー4を1回転きざみにて回転させてトナーを供給することにより、トナー供給精度が向上することも、知られている(例えば、特許文献2参照。)。
ここで、トナーの消費に伴ってメイントナー容器2のトナーが減少した場合の、サブトナー容器1へトナーを補充する動作について説明する。
メイントナー容器2において、トナーセンサ7がトナー無しを検知した後、それがトナーが固まったり、センサ検知面7aに付着したために生じた誤検知であった場合を考慮して、メイントナー容器2の攪拌翼12と清掃部材8が動作し、トナーセンサ検知面7aを清掃する。それでも、更にトナーの無い状態が続いた場合に、トナーがメイントナー容器2内の一部に固まっているのではなく真にトナーが無くなったと判断する。
ここでは、トナーセンサ7がトナー無しを検知してから攪拌翼12が回転する場合を説明したが、攪拌翼12はシート材なので必要以上にサブトナー容器1内にトナーを押し込むことはないので、トナー無しを検知する前であっても、攪拌翼12が回転しても問題はない。
又、メイントナー容器2の攪拌翼12を十分な時間回転させて、トナーセンサ検知面7aを清掃部材8が清掃しても、トナーセンサ7がトナー有りを検知しない時は、メイントナー容器2にトナーが無くなったと判断することができ、図示されていないオペレーションパネル等の表示手段を通じてトナー無しをユーザーへ知らしめる。
メイントナー容器2は着脱可能になっている場合と装置に固定されている場合がある。着脱可能になっている場合は、メイントナー容器2は一般に現像剤カートリッジと呼ばれトナーが無くなった場合はメイントナー容器2ごと交換することによってトナーを充填する。又、装置に固定されている場合は、メイントナー容器2へ別のトナー容器から直接トナーを充填する。
しかしながら、上記の現像剤補給手段104では、清掃部材8がメイントナー容器2内部の攪拌翼12の回転軸に取り付けられ、回転時に同時に回転するシステムであり、通常、清掃部材8がトナーセンサ検知面7a上に停止しているのか、トナーセンサ検知面7a外に停止しているのかを画像形成装置は判断できないものとなっている。よって、メイントナー容器2内部のトナー量が減ってくると、サブトナー容器1内にメイントナー容器2からトナーを移動する際に、メイントナー容器2内のトナーが少ないのにもかかわらず、清掃部材8が駆動するため、トナーセンサ7の検知結果は、清掃部材8の押圧により、トナー有りの信号が入ってくる状態となる。
このメイントナー容器2内部のトナーが減ってきた状態でのトナーの有り無し検知の誤検知を防止するためには、トナーセンサ7の有無検知回路において、トナー無しを検知した後に、一定速度で、一定時間だけ清掃部材8を回転させて、瞬間的なトナー有りの信号が周期的に現れる場合は、トナー有りの信号は清掃部材8がトナーセンサ検知面上7aを通過したと判断してトナー無しとする。といったような複雑な制御が必要となる。
又、トナーセンサ7の設置をメイントナー容器2ではなく、サブトナー容器1に配置し、トナーセンサ7の検知面7aに対して、サブトナー容器1の攪拌部材6と連動して清掃する清掃部材8を設ける方式もある。サブトナー容器1では、メイントナー容器2で既にある程度ほぐされたトナーが供給されてくるため、検知面7aに対するトナーの固着も少なく、清掃部材8の検知面7aに対する押圧を下げることができ、誤検知が生じにくい。
又、画像形成装置の本体であるサブトナー容器1にトナーセンサ7を配置することにより、通常交換使用されるメイントナー容器2からトナーセンサ7を無くすことが可能となり、メイントナー容器2のコストを下げてトナー交換に必要な費用(ランニングコスト)をさげることができる。本体寿命が長いほどトナー交換回数は増えるため、ランニングコストを下げることはユーザーの負担を軽減することができる。
しかし、トナーセンサ7をサブトナー容器1に配置するには、トナーセンサ検知面7aの面積、トナーセンサ検知面7aを清掃する清掃部材8を配置しなければならず、サブトナー容器1の容積が大きくなり、画像形成装置本体サイズにも影響を与えることとなる。尚、トナーセンサ7の検知面7aは一般に直径で10mm〜20mmである。
又、メイントナー容器2とサブトナー容器1を用いて現像容器11へとトナー供給を行うトナー供給手段としては、メイントナー容器2に比べてサブトナー容器1の容積を小さくすることによって、トナー供給量の精度が向上することは知られているため、サブトナー容器1の容積を大きくすることは機能上不利である。よって、サブトナー容器1にトナーセンサ7を設置するのは難しい。
つまり、低容量のサブトナー容器1内部に、ある一定の大きさを持つトナーセンサ7と清掃部材8を配置することは難しく、特に清掃部材8の清掃時の軌跡を鑑みるとサブトナー容器1の断面積が大きくなりトナー供給精度とトナーセンサ7、清掃部材8の実装によるサブトナー容器1の容積との整合性を取ることは困難であった。
又、特許文献1においては、現像装置におけるトナー無しの誤検知防止として、現像剤残量検知面の清掃工程と、装置内の現像剤の移動である、現像装置への現像剤供給工程を時間的にずらして行い、清掃工程後にトナー有無の判定をする制御を行うものもある。
しかし、これをこの現像剤補給手段104に応用して、トナーセンサ検知面7a清掃とサブトナー容器1へのトナー供給を別時間で行った場合も、補給シーケンスが長時間となり、上記と同様の問題点が発生する。
つまり、以上に説明したような、清掃部材8を用いてトナーセンサ7を清掃するトナー有無検知手段では、検知面7aに清掃部材8の押圧が掛かるためにトナーが無いにも関わらずトナー有りと誤検知する可能性があり、更に、清掃部材8の停止位置が決まっていないために、トナーセンサ検知面7a上で清掃部材8が停止することがあり、検知面7aに悪影響を与え、センサ7の信頼性を損なったりすることもある。
そのために誤検知防止のための制御が必要となり、複雑な制御を用いるためにトナー無しの確定に時間が掛かってしまう。
又、トナーの有無確定のために清掃手段8を余分に駆動させれば、サブトナー容器1内のトナーに必要以上に圧力を与えることとなり、トナーに悪影響を与え、画質の低下を招いてしまう。
又、トナー無しの確定に時間が掛かれば、確定するまでの時間にプリントジョブを停止することとなり、画像形成装置としてもスペックを低下させることとなる。スペックに影響を与えない様に清掃部材8の動作速度を速くすることも可能であるが、清掃部材8の速度アップはメイントナー容器2内部のトナーに悪影響を与え、この現像剤補給手段104を設置した画像形成装置においては、画質の低下を招いてしまう問題点もあった。
その上、上記のような誤検知防止の制御を含むと、清掃部材8の動作回数も増大し、清掃部材8の破損等の不具合も懸念される。
特開平7−84445号公報
本発明の目的は、第一の貯蔵手段から第二の貯蔵手段を通じて現像器に現像剤を補給する現像剤補給手段において、現像剤が十分にほぐされ、現像剤が現像剤検知手段の検知面に付着することや検知面清掃手段の押圧により生じる、誤検知を防いで、検知手段の精度を向上させることが可能な現像剤補給手段、及びそれを備えた画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することである。
上記目的は本発明に係る現像剤補給手段、画像形成装置、及びプロセスカートリッジにて達成される。要約すれば、第1の本発明は、現像剤を内部に貯蔵可能な第一の貯蔵手段と、
該第一の貯蔵手段から現像剤の供給を受けることが可能な供給口が設けられた第二の貯蔵手段と、
該第二の貯蔵手段から現像剤を被補給器に搬送することが可能な搬送スクリューと、
該搬送スクリューを駆動する搬送駆動手段と、
前記第二の貯蔵手段の内部の現像剤の有無を検知する現像剤検知手段と、
該現像剤検知手段を清掃する清掃部材と、
前記搬送スクリューの停止時に前記清掃部材の停止位置が前記現像剤検知手段の検知面以外の位置に停止させる停止手段と、
を備え、現像剤を前記被補給器に補給する現像剤補給手段であって、
該清掃部材は前記搬送スクリューと同一の駆動手段にて駆動されるとともに、前記搬送スクリューが1回転したときの前記清掃部材の停止位置が前記検知面以外の位置に停止するように前記搬送スクリューと前記清掃部材の回転動作が同期しており、前記搬送スクリューを1回転単位に回転させることで現像剤を補給することを特徴とする現像剤補給手段を提供する。
第2の本発明は、表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を、現像剤にて現像する現像器と、該現像器に現像剤を補給する第1の本発明の現像剤補給手段と、を有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
第3の本発明は、表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を、現像剤にて現像する現像器と、該現像器に現像剤を補給する第1の本発明の現像剤補給手段と、を有し、画像形成装置に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジを提供する。
本発明によれば、複雑な制御をすることなく、短時間でトナー無し検知を確定することが可能となり、容積の小さな第二の貯蔵手段であるサブトナー容器にも現像剤検知手段であるトナーセンサと清掃部材を配置可能となり、小容量サブトナー容器によるトナー供給精度の向上とトナーセンサのトナー検知の信頼性向上を同時に達成することができる。
更に、画像形成装置においては、トナー検知の短時間化によりプリントジョブの停止、又はトナー補給シーケンスの長時間化に伴う画像形成装置のスペックダウンといった問題を解決することができる。
以下、本発明に係る現像剤補給手段、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
先ず、本発明が適用される現像剤補給手段やプロセスカートリッジが設けられる画像形成装置の一例について説明する。例えば、本実施例では、図4に示されるような構成の画像形成装置100に適用される。この実施例では、画像形成装置100は、直接転写方式を採用した、タンデム方式の電子写真方式の複写機或いはプリンタ等とされる画像形成装置とされ、複数の画像形成ユニットUY、UM、UC、UBkが水平方向に配置され、それぞれが回転可能に配置された像担持体としての感光ドラム101を備えている。感光ドラム101の周囲には、帯電装置102、それぞれ画像形成ユニット毎に色を変えて、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー色の二成分現像剤が収容された現像器105、クリーニング装置114等の画像形成手段が配置されている。尚、本発明は、他の構成の画像形成装置、例えば、現像剤の色や数はこれに限定されず、画像形成ユニットは1つでも良く、静電記録方式や中間転写方式を用いる画像形成装置でも良い。
そして、現像器105としては、トナーとキャリアを含む現像剤を収容した二成分接触現像器が用いられ、後に詳しく説明するような、本発明の特徴部分となる現像剤補給手段104によって、トナーが補給されている。
又、各感光ドラム101に対向するように、転写材Pを担持するベルト状の転写材担持体である転写ベルト107が備えられている。転写ベルト107は2本のローラ107a、107bで巻架され、内側に、各感光ドラム101と対向する面の裏側の位置に転写部材である転写ローラ106が配置されている。
各画像形成ユニットUY、UM、UC、UYそれぞれにおいて、帯電器102によって一様帯電された感光ドラム101には、原稿の画像信号によるレーザ光Lがポリゴンミラー(不図示)等を介して投射され、静電潜像が形成され、この静電潜像が現像器105によって、現像剤像(トナー像)として可視化される。尚、現像器105の現像動作は、従来例に説明したものと同様に実施される。
感光ドラム101上に可視化されたトナー像は、転写ベルト107を挟んで転写ローラ106と対向する転写部tに到達すると、転写バイアスを印加した転写部材としての転写ローラ106によって、ベルト107に吸着され、タイミングを同期させて送られてきた転写媒体である転写材Pが、転写ベルト107の移動に伴って転写部に侵入してきた際に、各感光ドラム101から各色トナー像が重ねて直接転写される。最後に、転写ベルト107から分離した転写材Pは、定着装置113によって定着される。
感光ドラム101上にそのまま残留した付着トナーは、クリーニング装置114でクリーニングされる。
ここで、上記画像形成装置の各画像形成ユニットUY、UM、UC、UBkにおいて、それぞれが有する感光ドラム101、帯電器102、現像器105、現像剤補給手段104、及びクリーニング装置114が一体化されて、図5に示すようなプロセスカートリッジCとして構成され、画像形成装置に着脱自在とされると、プロセスカートリッジCを交換することによって、各色の画像形成手段の部材を一度に交換することができ、メンテナンス性に優れた画像形成装置が提供できる。尚、プロセスカートリッジCには、感光ドラム101と現像器105と現像剤補給手段104が備えられ、他の画像形成手段は備えない場合もある。又、感光ドラム1を備えずに現像剤カートリッジとして、現像剤補給手段104のみで、或いは現像剤補給手段104と現像器105とが一体化されて画像形成装置に着脱自在とされる場合もある。又、現像剤補給手段104のみが現像剤カートリッジとされたり、現像剤補給手段104の一部、例えば、上記従来例に説明したように、メイントナー容器2が現像剤カートリッジとして、画像形成装置100に着脱自在とされる場合もある。
そして、本実施例においては、従来例と同様の構成を有し、同様の作像方法をとる現像器105を用い、同様に現像剤補給手段104によるトナー補給を受ける。即ち、現像器105の攪拌室11dの上部にトナー取付孔13が設けられ、これが現像剤補給手段104に連結されており、現像剤補給手段104は、図1(a)の断面図、図1(b)の正面図に示されるように、メイントナー容器2とサブトナー容器1とで構成され、現像器105のトナー濃度検知結果に基づいて、メイントナー容器2からサブトナー容器1にトナーを移動させ、それを搬送パイプ3を通じて現像器105に補給する。ここで現像器105の構成や、現像器105のトナー検知結果によるトナー補給制御の方法等は従来例と同様であるので説明を省略する。
本実施例では、従来の現像剤補給手段104のトナーセンサ7によるメイントナー容器2内のトナー有り無し検知システムを変更したものである。尚、それ以外のメイントナー容器2、サブトナー容器1、及びトナー搬送パイプ3の構成は従来と変わらない。
図1に本実施例における感光ドラム101、現像器105、現像剤補給手段104の概略構成図を示す。基本的な動作や、内部各部材の役割等は、従来例に説明したものと同様である。即ち、サブトナー容器1は、上部のトナー供給口1aよりメイントナー容器2からトナーの供給を受け、底部は、側面が略水平方向に突出し、円筒状に形成されたトナー搬送パイプ3を備えている。上部と底部の中央部には、攪拌部材6が設けられており、トナーをほぐす作用が施されている。サブトナー容器1底部からトナー搬送パイプ3内に渡って、現像剤搬送手段である、螺旋面が形成された補給スクリュー4が回転可能に設けられ、その先端には、補給スクリュー4を回転駆動する駆動手段(搬送駆動手段)5が設けられている。そして、現像器105のトナー検知結果に応じて、補給スクリュー4の回転数を定め、適量のトナーが現像器105に補給される。
本実施例における現像剤補給手段104におけるトナー有り無し検知システムについて説明する。
本実施例では、サブトナー容器1の内部において、トナーの有無を電気的または光学的に直接検知する現像剤検知手段であるトナーセンサ7が設けられおり、更に、トナーセンサ7の検知面7aを清掃する清掃部材8が、攪拌部材6に連動して動作する構成となっている。更に、サブトナー容器1下部に、清掃部材8の位置を検知する位置センサ9、及び位置センサ9にて検知される被検知部材であるセンサフラグ10を有する。
ここでは、トナーが充填されているメイントナー容器2をサブトナー容器1上流の所定の位置に取り付け、サブトナー容器1にトナーを充填してサブトナー容器1下流にある現像器105にトナーを供給する。
本実施例では、このように、トナーの有無はサブトナー容器1にトナーセンサ7を設置して検知する方式であり、トナーセンサ7にはピエゾセンサを用いている。ピエゾセンサとは圧電素子を利用したセンサであり、検知面7aを一定の周波数で振動させて、検知面7aが圧力を受け、振動が低減される場合には検知面7aがトナーに押されていると判定してトナー有りの信号を発信するセンサである。
サブトナー容器1壁面にトナーセンサ7を配置し、トナーセンサ検知面7aを清掃するための清掃部材8が配置され、清掃部材8は、針金等の部材をトナーセンサ検知面7aにある一定の圧力にて押し当てている。この清掃部材8の圧力は、サブトナー容器1内部のトナーに悪影響を与えない程度のものに設定する。清掃部材8は、攪拌部材6に設置されており、攪拌部材6はサブトナー容器1に軸支されている。攪拌部材6の回転軸6aはサブトナー容器1の外部まで延長されており、その一部にセンサフラグ10が固定されている。センサフラグ10は回転軸6aと一体構成とすることも可能である。図1(b)に示すように、回転軸6a先端から見た場合、センサフラグ10は、円形でなく、回転軸6aの回転によって、体勢が変化するような、長めの形状とされる。
センサフラグ10の位置を検知する位置センサ9を配置する。本実施例では、フォトセンサを用いる。位置センサ9をセンサフラグ10が切った状態にて回転軸6aを停止させることにより、回転軸6aを常に同位置にて停止させることが可能となる。そして、回転軸6a停止時にトナーセンサ検知面7aの領域外に清掃部材8が停止するように、清掃部材8とセンサフラグ10の位相が合うように設計する。つまり、センサフラグ10と位置センサ9は、清掃部材8をトナー検知面7aの領域以外に停止させる停止手段となる。
図2に本実施例における、サブトナー容器1における、トナーセンサ7に対する清掃部材8、攪拌部材6及びその停止手段9、10を示すものである。図2を用いて、本実施例に攪拌部材6、清掃部材8、及びその停止手段9、10の動作について説明する。
攪拌部材6及び清掃部材8は、補給スクリュー4を駆動する搬送駆動手段5により駆動される。搬送駆動手段5は、補給スクリュー4も駆動しており、駆動手段5が1回転すると補給スクリュー4が1回転し、トナーを一定量搬送し、下流の現像容器11に供給する。図2に示すように、搬送駆動手段5の突起とセンサフラグ10の長穴とが噛合っており、搬送駆動手段5が1回転するとセンサフラグ10が回転軸6aを軸とした一定角度を往復回動するように設計されている。この運動に従って、清掃部材8も回転軸6aを軸とした一定角度の往復回動を往復行い、トナーセンサ検知面7aを清掃して、毎回同位置に停止するように駆動されている。尚、搬送駆動手段5の1回転を検知するのは、位置センサ9である。
このように、清掃部材8を一定角度の往復回動するものとした場合、清掃部材8が設けられるサブトナー容器1の壁面は、清掃部材8が360°回転するための面積を必要とせず、その角度分だけの面積があればいいので、容積の小さなサブトナー容器1にもトナーセンサ7と清掃部材8を配置可能となる。尚、必ずしも、清掃部材8の運動は回動とは限定されず、限られた範囲をトナーセンサ検知面7aを同一面上に含む一平面上で往復するものであれば、平行移動としても良い。
本発明では位置センサ9はフォトセンサを用いており、光軸をセンサフラグ10が遮蔽することにより一回転を検知している。勿論遮蔽していない位置で一回転を検知しても良い。
センサフラグ10とフォトセンサの組合せを用いなくとも、駆動手段である駆動モーターを回転精度が良く起動時や停止時の時間的遅れが少ないステッピングモーター等を利用することにより、清掃部材8をトナーセンサ検知面7a外の同位置に毎回停止させることは可能である。
上記のように、清掃部材8を一定角度の往復回動させることにより、サブトナー容器1にもトナーセンサ7と清掃部材8を配置可能となったので、攪拌部材6と清掃部材8の搬送駆動手段5を補給スクリュー4の搬送駆動手段5と同一とできる。
又、補給スクリュー4を1回転きざみで回転させて、トナーを供給することにより現像容器へのトナー供給量の精度が向上することは知られている(例えば特許文献2参照。)。従って、この補給スクリュー4の回転動作に攪拌部材6の回動を同期させることにより、現像器11へトナーを供給すると同時にサブトナー容器1内部を攪拌することができ、サブトナー容器1内部のかさ密度を安定させることができる。つまり、小容量サブトナー容器1によるトナー供給精度の向上とトナーセンサ7のトナー検知の信頼性向上を同時に達成することができる。
言い換えれば、清掃部材8を攪拌部材6と同期させて清掃させることにより、駆動源を新規に設けなくて良いメリットは勿論のこと、トナーを消費すると同時のタイミングにてトナーセンサ7を清掃することにより、サブトナー容器1内部のトナーが減少してきた場合にトナーの粉面が不安定になることによるトナー検知の誤検知を防止することができる。しかも、特許文献2におけるトナー供給精度向上のメリットを損なうことは無い。
以下、本実施例において、トナーの消費に伴ってサブトナー容器1のトナーが減少した場合に、サブトナー容器1へトナーを補充する動作について説明する。
ここでも、従来例同様に、攪拌部材6は、回動の動作をすることによってサブトナー容器1内でトナーが固まることを防止するためにトナーをほぐす作用を持っている。又、補給スクリュー4はサブトナー容器1内のトナーを現像容器11と連通する孔13へ向かって長手方向(紙面に平行な方向)へ搬送する作用とトナーをその孔13から押し出して現像容器11へ落下させる作用をなすために設けられている。
トナーセンサ7がトナー無しを検知した後、メイントナー容器2内部の攪拌翼12を動作しても更にトナーの無い状態が続いた場合に、トナーがサブトナー容器1及びメイントナー容器2内の一部に固まっているのではなく、真に現像剤補給手段104全体にトナーが無くなったと判断する。尚、トナー有りを検知した後は、引き続きサブトナー容器1から補給スクリュー4を経由してトナー補給が行われる。メイントナー容器2内部の攪拌翼12の構成は従来の実施例と同様である。
メイントナー容器2の攪拌翼12を十分な時間回転させても、トナーセンサ7がトナー有りを検知しない時はサブトナー容器1へトナーが補充されない、つまり、メイントナー容器2にもトナーが無くなったと判断することができ、図示されていないオペレーションパネル等の表示手段を通じてトナー無しをユーザーへ知らしめる。
そして、検知回路(図示せず)にてトナー有無を検知するタイミングは、清掃部材8停止時のみとする。清掃部材8の停止位置は、位置センサ9により検知されるので、トナーセンサ検知面7a以外にできるので、清掃部材8停止時にはトナーセンサ検知面7aには清掃部材8の押圧が掛からないため、トナーセンサ7がトナー無しを検知した場合には、そのままトナー無しを確定することが可能となる。従って、従来の実施例にあったような複雑な制御を用いることなく、短時間でトナー無しを確定することができる。
且つ、清掃部材8と補給スクリュー4の駆動を同一駆動手段5にて同時に駆動しているため、清掃工程と現像器3へのトナー供給工程を同時に行う事ができるため、画像形成装置におけるプリントジョブの中断やスペックダウンといった問題点を容易に回避することができる。
又、トナー無し検知後、清掃部材8を動作させてトナー無しを確認する制御を行う必要が無いため清掃部材8の動作回数が低減し、トナーセンサ検知面7aへの悪影響の低減、清掃部材8の折れなどの不具合を低減することが可能となる。
尚、本実施例では、トナーセンサ7はピエゾセンサを用いたが、光学式センサを用いることも可能である。光学式センサによるトナー検知はサブトナー容器1外側に配置してあり、サブトナー容器1には、光学センサの導光部材となる窓が設けられおり、清掃部材8は窓を清掃するものである。光学式センサの窓の清掃には、PETシートなどの柔軟性がある材料を用いるのが一般的である。
尚、本実施例では、位置センサ9を現像剤補給手段104本体に設置するものとしたが、プロセスカートリッジや現像剤カートリッジのような消耗品にトナーセンサ7を設置して、清掃部材8の位置検知をする位置センサ9は、画像形成装置本体に設置する方法も可能である。
そして、本実施例の現像剤補給手段104を備えたプロセスカートリッジ、画像形成装置では、トナー有り無し検知精度が高いので、無駄に外部からのトナーボトル取り換え等の現像剤交換回数が少なくなり、メンテナンス性が向上した。又、トナー検知の短時間化によりプリントジョブの停止が少なくなった。
又、図1及び図3においては図を見やすくするために、感光ドラム101と現像容器10の長手方向を紙面と垂直な方向に、サブトナー容器1と補給スクリュー4とメイントナー容器2の長手方向を紙面と平行な方向に描いているが、実際にはこれらの長手方向は同一の方向となっていることが一般的である。
以上、二成分磁気ブラシ現像用の現像器を被補給器とした構成を説明したが、現像方法としては、他にも一成分接触現像方式等さまざまな方法が実用化されている。
又、現像器の構成や、現像剤補給手段は必ずしも図1に示すような形状でなくとも良く、スクリュー類等のトナーの攪拌部材や搬送部材はトナーを搬送できれば、図1に示されるような形状でなくとも良い。
本発明に係る現像剤補給手段の一例及びその周囲を示す概略構成図である。
本発明に係る第二の貯蔵手段における、清掃部材の動作機構の一例を示す斜視図である。
従来の現像剤補給手段の一例及びその周囲を示す概略構成図である。
画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
プロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 サブトナー容器(第二の貯蔵手段)
1a サブトナー容器トナー供給口
2 メイントナー容器(第一の貯蔵手段)
3 トナー搬送パイプ
4 トナー補給スクリュー(現像剤搬送手段)
5 搬送駆動手段
6 トナー攪拌部材
7 トナーセンサ(現像剤検知手段)
8 清掃部材
9 位置センサ(停止手段)
10 センサフラグ(停止手段)
11 現像容器
12 攪拌翼
13 現像器トナー受取孔
100 画像形成装置
101 感光ドラム(像担持体)
104 現像剤補給手段
105 現像器(被補給器)