以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図1および図2を参照して、MFP(Multi Function Peripheral)100は、画像処理装置の一例であり、メイン回路110と、原稿を読み取る原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送する自動原稿搬送装置120と、画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給する給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿に形成された画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ127上に排出する。
原稿読取部130は、原稿を読み取るための矩形状の読取面を有する。読取面は、例えばプラテンガラスにより形成される。自動原稿搬送装置120は、読取面の1つの辺に平行な軸を中心に回転可能にMFP100の本体に接続され、開閉可能である。自動原稿搬送装置120の下方に、原稿読取部130が配置されており、自動原稿搬送装置120が回転して開いた開状態で、原稿読取部130の読取面が露出する。このため、ユーザーは、原稿読取部130の読取面に原稿を載置可能である。自動原稿搬送装置120は、原稿読取部130の読取面が露出する開状態と、読取面を覆う閉状態とに状態を変化可能である。
画像形成部140は、給紙部150により搬送される用紙に、周知の電子写真方式により画像を形成する。本実施の形態では、画像形成部140は、画像データと、用紙の媒体種別に対応する画像形成条件で、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成する。画像が形成された用紙は排紙トレイ159に排出される。
メイン回路110は、MFP100の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置118と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
操作パネル160は、MFP100の上部に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、静電容量方式である。なお、タッチパネル165は、静電容量方式に限らず、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式等の他の方式を用いることができる。
タッチパネル165は、その検出面が表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ここでは、タッチパネル165の検出面のサイズと、表示部161の表示面のサイズとを同じである。このため、表示面の座標系と検出面の座標系は同じである。タッチパネル165は、ユーザーが、表示部161の表示面を指示する位置を検出面で検出し、検出した位置の座標をCPU111に出力する。表示面の座標系と検出面の座標系は同じなので、タッチパネル165が出力する座標を、表示面の座標に置き換えることができる。
ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。ユーザーがMFP100を操作する場合は直立した姿勢となる場合が多いので、表示部161の表示面、タッチパネル165の操作面およびハードキー部167は、上方を向いて配置される。ユーザーが表示部161の表示面を容易に視認することができ、ユーザーは指で操作部163を容易に指示できる。
通信I/F部112は、ネットワークにMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピューターまたはデータ処理装置と通信する。通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶するとともに、画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
外部記憶装置118は、CPU111により制御され、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)118A、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置118を制御して、CD-ROM118AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114に記憶し、実行するようにしてもよい。
CPU111は、画像形成部140を制御し、用紙などの記録媒体に画像データの画像を形成させる。CPU111が画像形成部140に出力する画像データは、原稿読取部130から入力される画像データの他、外部から受信されるプリントデータ等の画像データを含む。
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM118Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピューターがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図3は、MFPの内部構成を示す模式的断面図である。図3を参照して、自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125に載置された1以上の原稿をさばいて、1枚ずつ原稿読取部130に搬送する。原稿読取部130は、自動原稿搬送装置120により原稿ガラス11上にセットされた原稿の画像を、その下方を移動するスライダー12に取付けられた露光ランプ13で露光する。原稿からの反射光は、ミラー14と2枚の反射ミラー15,15Aによりレンズ16に導かれ、CCD(Charge Coupled Devices)センサー18に結像する。露光ランプ13とミラー14とは、スライダー12に取付けられており、スライダー12は、スキャナモーター17により、図3中に示す矢印方向(副走査方向)へ複写倍率に応じた速度Vで移動する。これにより、原稿ガラス11上にセットされた原稿を全面にわたって走査することができる。また、露光ランプ13とミラー14の移動に伴い、2枚の反射ミラー15,15Aは、速度V/2で図3中矢印方向へ移動する。これにより、露光ランプ13で原稿に照射された光が、原稿で反射してからCCDセンサー18に結像するまでの光路長が常に一定となる。原稿読取部130は、動作モードが省電力モードから通常モードに切り換わる起動時に、初期化処理としてシェーディング補正を実行し、スライダー12を予め定められた位置に移動させる。
CCDセンサー18に結像した反射光は、CCDセンサー18内で電気信号としての画像データに変換される。画像データは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の印字用データに変換されて、画像形成部140に出力される。
画像形成部140は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれの画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備える。ここで、“Y”、“M”、“C”および“K”は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックを表す。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの少なくとも1つが駆動されることにより、画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてが駆動されると、フルカラーの画像を形成する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット20Yについて説明する。
画像形成ユニット20Yは、イエローの印字用データが入力される露光装置21Yと、露光装置21Yの像担持体である感光体ドラム23Yと、帯電チャージャ22Yと、現像器24Yと、転写チャージャ25Yと、トナーボトル41Yと、トナーホッパー42Yと、を備える。トナーボトル41Yは、イエローのトナーを収納する。トナーボトル41Yは、トナーボトルモーターを駆動源として回転する。トナーボトル41Yは、その内壁にらせん状の突起が形成されている。トナーボトル41Yが回転すると、トナーが突起に沿って移動してトナーボトル41Yの外部に排出される。トナーボトル41Yから排出されたトナーは、トナーホッパー42Yに供給される。トナーホッパー42Yは、トナーを収納する収納室と、収納室の下部に設けられたスクリューと、スクリューを回転させるトナー補給モーターとを備える。収納室のスクリューの端部の近傍に現像器24Yに連通する連結部材が取り付けられている。トナー補給モーターがスクリューを回転させると、収納室に収納されたトナーがスクリューに沿って移動し、トナーが連結部材を通って現像器24Yに供給される。トナーホッパー42Yのスクリューの回転量を調整することにより、現像器24Yに供給されるトナーの量が調整される。現像器24Yには、それに収容された現像剤の透磁率を計測する透磁率センサー27Yが設けられている。
露光装置21Yは、画像データ(電気信号)に応じて発光し、被写体である感光体ドラム23Yを露光する。感光体ドラム23Yは、帯電チャージャ22Yによって帯電された後、露光装置21Yが発光するレーザー光が照射される。これにより、感光体ドラム23Yに静電潜像が形成される。続いて、現像器24Yが、トナーボトル41Yから供給されたトナーを静電潜像上に載せることによりトナー像が形成される。感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト30上に、転写チャージャ25Yにより転写される。
一方、中間転写ベルト30は、駆動ローラー33Cとローラー33Aとにより弛まないように懸架されている。駆動ローラー33Cが図3中で反時計回りに回転すると、中間転写ベルト30が所定の速度で図中反時計回りに回転する。中間転写ベルト30の回転に伴って、ローラー33Aが、反時計回りに回転する。
これにより、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kが、順に中間転写ベルト30上にトナー像を転写する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれが、中間転写ベルト30上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト30に付された基準マークを検出することにより、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト30上に重畳される。
中間転写ベルト30に形成されたトナー像は、転写ローラー26によって用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は、定着ローラー対32に搬送され、定着ローラー対32により加熱される。これにより、トナーが溶かされて用紙に定着する。その後、用紙は排紙トレイ159に排出される。
画像形成ユニット20Kと転写ローラー26との間に、中間転写ベルト30に転写されたトナー像の一部を読み取るためのレジストセンサー39が設けられている。レジストセンサー39は、中間転写ベルト30に向かって光を射出する投光部と、中間転写ベルト30で反射した光を受光する受光部とを含み、受光部が受光した光の量を示す信号を出力する。レジストセンサー39は、画像形成ユニット20Kと転写ローラー26との間に設けられるため、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれによって中間転写ベルト30に形成されたトナー像を読み取ることが可能である。レジストセンサー39は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれの色のトナー像を検出可能である。
中間転写ベルト30の画像形成ユニット20Yの上流に、除去装置28が設けられている。除去装置28は、中間転写ベルト30に残存するトナーを除去する。
給紙カセット35,35A,35Bには、それぞれサイズの異なる用紙がセットされている。給紙カセット35,35A,35Bそれぞれに収納された用紙は、給紙カセット35,35A,35Bにそれぞれ取付けられている取出ローラー36,36A,36Bにより、搬送経路へ供給され、給紙ローラー37によりタイミングローラー31へ送られる。
MFP100は、フルカラーの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてを駆動するが、モノクロの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのいずれか1つを駆動する。また、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの2以上を組み合わせて画像を形成することもできる。なお、ここでは、用紙に4色のトナーそれぞれを形成する画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備えたタンデム方式のMFP100について説明するが、1つの感光体ドラムで4色のトナーを順に用紙に転写する4サイクル方式のMFPであってもよい。
また、MFP100は、温度センサー211と、湿度センサー213と、を備える。温度センサー211および湿度センサー213は、現像器24Yの近傍に配置され、現像器24Yの近傍の温度および湿度をそれぞれ計測する。
次に、現像器24Y,24M,24C,24Kについて説明する。現像器24Y,24M,24C,24Kは、収容されるトナーの色が異なるが構成は同じなので、ここでは、現像器24Yを例に説明する。
図4は、現像器の断面図である。図4の紙面上下方向を上下方向、図4の紙面垂直方向を前後方向と定義する。現像器24Yは、本体200Y、撹拌スクリュー201Y、供給スクリュー203Y、現像ローラー205Yを備えている。
本体200Yは、現像剤、撹拌スクリュー201Y、供給スクリュー203Yおよび現像ローラー205Yを収容する筐体である。本体200Yは、前後方向に延在しており、左右方向に隣り合う撹拌空間Sp1および供給空間Sp2を有する。撹拌空間Sp1は、本体200Yにおいて供給空間Sp2よりも左側に設けられている。撹拌空間Sp1と供給空間Sp2とは、前後方向の両端において繋がっている。
撹拌スクリュー201Yは、撹拌空間Sp1内に設けられ、前後方向に延在している。撹拌スクリュー201Yは、モーターにより回転させられることにより、現像剤を撹拌しながら後ろ側から前側へと搬送する。これにより、トナーが負に帯電し、キャリアが正に帯電する。撹拌スクリュー201Yにより搬送された現像剤は、撹拌空間Sp1の前側の端部から供給空間Sp2に流入する。
供給スクリュー203Yは、供給空間Sp2内に設けられ、前後方向に延在している。供給スクリュー203Yは、モーターにより回転させられることにより、現像剤を前側から後ろ側へと搬送する。そして、供給スクリュー203Yにより搬送された現像剤は、供給空間Sp2の後ろ側の端部から撹拌空間Sp1に流入する。よって、現像剤は、撹拌空間Sp1と供給空間Sp2との間を循環している。
現像ローラー205Yは、供給空間Sp2内に設けられ、前後方向に延在している。これにより、現像ローラー205Yは、供給スクリュー203Yと対向している。さらに、現像ローラー205Yは、本体200Yから露出しており、感光体ドラム23Yと対向している。現像ローラー205Yは、磁石を内蔵しており、磁力により磁性体のキャリアを非磁性体のトナーとともに吸着して、供給スクリュー203Yにより搬送されてきた現像剤を担持する。
本体200Yに、本体200Y内の現像剤の量を検出するセンサーが取り付けられている。センサーが検出した現像剤の量が所定値よりも少ない場合には、トナーホッパー42Yから本体200Yに現像剤が供給される。
現像ローラー205Yは、トナーを感光体ドラム23Yに付与して静電潜像を現像する。具体的には、現像ローラー205Yには、現像バイアスが印加されている。これにより、現像ローラー205Yの周面の電位は、感光体ドラム23Yの周面の露光装置21Yによりレーザービームが照射された部分の電位(略0V)よりも低く、かつ、感光体ドラム23Yの周面のレーザービームが照射されていない部分の電位よりも高くなる。現像ローラー205Yが担持している現像剤の内の非磁性トナーは、負に帯電しているので、感光体ドラム23Yの周面のレーザービームが照射された部分に付着する。これにより、感光体ドラム23Yの周面には負に帯電したトナーによりトナー像が形成される。
図5は、本実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図5に示すCPU111の機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶されたキャリア劣化判断プログラムを実行することにより、CPU111により実現される機能である。CPU111は、現像器24Y,24M,24C,24Kそれぞれに収納されたキャリアの劣化を判断するが、判断方法はすべて同じなので、ここでは、現像器24Yに収納されたキャリアの劣化を判断する場合を例に説明する。
図5を参照して、CPU111は、環境値検出部51と、透磁率検出部53と、除去部55と、劣化状態決定部57と、予測部59と、通知部61と、を含む。
環境値検出部51は、現像器24Yの環境値を検出する。環境値は、現像器24Yに収容された現像剤の透磁率に影響を与える値であり、透磁率と相関関係を有する。ここでは、環境値を、トナー濃度および絶対湿度としている。
環境値検出部51は、トナー濃度検出部63と、温度検出部65と、湿度検出部67と、を含む。トナー濃度検出部63は、現像器24Yにトナーホッパー42Yから供給されるトナーの量を示す供給量と、現像器24Yにより消費されるトナーの量を示す消費量とから算出する。トナーホッパー42Yが備えるスクリューの1回転当たりの供給量が単位供給量として予め定められており、トナー濃度検出部63は、スクリューの回転量からトナーホッパー42Yから現像器24Yに供給されるトナー量を供給量として算出する。現像器24Yにより消費されるトナーの消費量は、画像形成の対象となる画像データから定まる印字率から画像データに対してトナーが消費される量を算出し、画像形成するごとに算出されたトナーが消費された量を積算した値を消費量として算出する。なお、トナー濃度検出部63は、印字率に加えて、現像器24Yから感光体ドラム23Yに与えられるトナーの理論値に対する実際に付与される量の割合を示す転写率を用いて、画像データに対するトナーの消費量を算出するようにしてもよい。
トナー濃度検出部63は、供給量から消費量を減算した値を現像器24Yに収納されているトナー量として検出する。さらに、キャリアの量は予め定められているので、トナー量とキャリア量との和を現像剤の量として、トナー濃度検出部63は、トナーが現像剤に占める割合をトナー濃度として算出する。トナー濃度は、嵩密度としている。トナー濃度検出部63は、トナー濃度を除去部55に出力する。
温度検出部65は、温度センサー211を制御し、温度センサー211で計測された温度を検出し、検出された温度を除去部55に出力する。湿度検出部67は、湿度センサー213を制御し、湿度センサー213で計測された温度を検出し、検出された湿度を除去部55に出力する。
透磁率検出部53は、透磁率センサー27Yを制御し、透磁率センサー27Yで計測された透磁率を検出し、検出された透磁率を除去部55に出力する。
除去部55は、透磁率検出部53から入力される透磁率から変動成分を除去した残成分を決定する。除去部55は、変動成分決定部69を含む。変動成分決定部69は、濃度基準決定部71と、絶対湿度基準決定部73と、を含む。
濃度基準決定部71は、トナー濃度検出部63から入力されるトナー濃度に対する変動成分を決定する。具体的には、濃度基準決定部71は、現像器24Yに収容されたキャリアが劣化する前の状態における現像器24Yに収容された現像剤の透磁率とトナー濃度との関係を定めたトナー濃度関連データを予め記憶している。トナー濃度関連データは、キャリアが劣化する前の現像剤が収容された現像器24Yを温度および湿度が一定な状態にし、現像器24Yに収容される現像剤のトナー濃度を異ならせて透磁率を計測する実験により求められる。
濃度基準決定部71は、トナー濃度関連データを参照して、トナー濃度検出部63から入力されるトナー濃度に対して定められた透磁率と、予め基準として定められたトナー濃度に対して定められた透磁率との差分を、トナー濃度検出部63から入力されるトナー濃度に対する変動成分として決定する。予め基準として定められたトナー濃度を、基準濃度という。基準濃度は、現像器24Yに収納された現像剤のトナー濃度の範囲の中央値とするのが好ましい。ここでは、基準濃度を6%としている。
また、トナー濃度関連データによりトナー濃度に対して定められた透磁率とトナー濃度関連データにより基準濃度に対して定められた透磁率との差分を、トナー濃度ごとに定めた濃度変動成分データを予め定めておいてもよい。なお、濃度変動成分データは、テーブルであってもよいし、トナー濃度を変数にもつ数式であってもよい。
絶対湿度基準決定部73は、温度検出部65から入力される温度と湿度検出部67から入力される湿度とから絶対湿度を決定し、決定された絶対湿度に対する変動成分を決定する。具体的には、絶対湿度基準決定部73は、現像器24Yに収容されたキャリアが劣化する前の状態における現像器24Yに収容された現像剤の透磁率と絶対湿度との関係を定めた絶対湿度関連データを予め記憶している。絶対湿度関連データは、キャリアが劣化する前の現像剤が収容された現像器24Yに収容される現像剤のトナー濃度を一定にした状態にし、現像器24Yの周辺の絶対湿度を異ならせて透磁率を計測する実験により求められる。
絶対湿度基準決定部73は、絶対湿度関連データを参照して、温度検出部65から入力される温度と湿度検出部67から入力される湿度とから定まる絶対湿度に対して定められた透磁率と予め基準として定められた絶対湿度に対して定められた透磁率との差分を、絶対湿度に対する変動成分として決定する。予め基準として定められた絶対湿度を基準絶対湿度という。基準絶対湿度は、現像器24Yの近傍で実現し得る絶対湿度の範囲の中央値とするのが好ましい。ここでは、絶対湿度を10Rhとしている。また、絶対湿度関連データにより絶対湿度に対して定められた透磁率と絶対湿度関連データにより基準絶対湿度に対して定められた透磁率との差分を、絶対湿度ごとに定めた絶対湿度変動成分データを予め定めておいてもよい。なお、絶対湿度変動成分データは、テーブルであってもよいし、絶対湿度を変数にもつ数式であってもよい。
除去部55は、透磁率検出部53から入力される透磁率から濃度基準決定部71および絶対湿度基準決定部73によりそれぞれ決定されたトナー濃度に対する変動成分と絶対湿度に対する変動成分とを減算することにより、残成分を決定する。除去部55は、決定された残成分を劣化状態決定部57に出力する。
劣化状態決定部57は、残成分に基づいてキャリアの劣化状態を決定する。具体的には、劣化状態決定部57は、残成分を基準透磁率と比較することによりキャリアの劣化状態を決定する。基準透磁率は、基準絶対湿度および基準濃度を満たす条件で計測されたキャリアが劣化する前の現像剤の透磁率である。換言すれば、基準透磁率は、基準絶対湿度の状況下で、キャリアが劣化する前の現像剤であってトナー濃度が基準濃度の現像剤を透磁率センサー27Yで計測して得られる透磁率である。劣化状態決定部57は、残成分と基準透磁率との差分が所定のしきい値以上の場合にキャリアの劣化状態を劣化した状態に決定する。劣化状態決定部57は、残成分と基準透磁率との差分が所定のしきい値以上でない場合にキャリアの劣化状態を劣化していない状態に決定する。残成分と基準透磁率との差分と、キャリアの減耗量との関係を定めた差分関連データを予め定めておいてもよい。差分関連データは、テーブルであってもよいし、残成分と基準透磁率との差分を変数にもつ数式であってもよい。
劣化状態決定部57は、キャリアの劣化状態を劣化した状態に決定する場合、通知部61に警告指示を出力し、キャリアの劣化状態が劣化していない状態と判断する場合、予測部59に予測指示を出力する。
予測部59は、予測指示が入力される場合、キャリアの劣化状態が劣化した状態となる時期を予測する。具体的には、予測部59は、現像器24Yの累積駆動回数が異なる2つのタイミングで残成分を検出し、検出された2つの残成分から残成分の変化量と2つのタイミング間の駆動回数とを求める。予測部59は、残成分の変化量および駆動回数に基づいて、残成分と基準透磁率との差分に対する駆動回数を求め、求められた駆動回数を交換時期に決定する。ここでの交換時期は、現像器24Yを駆動することができる残りの回数を示す。なお、交換時期は、期間であってもよいし、画像形成回数であってもよい。また、過去にMFP100が画像形成した履歴を用いて、駆動回数だけ現像器24Yが駆動する時期を予測することにより、駆動回数を期間に変換してもよい。予測部59は、交換時期を通知部61に出力する。
通知部61は、劣化状態決定部57から警告指示が入力されることに応じて、ユーザーに警告する。具体的には、通知部61は、エラーメッセージを含む警告画面を表示部161に表示する。エラーメッセージは、例えば、キャリアが劣化して画質が低下することを通知するメッセージ、または/およびキャリアの交換を促すメッセージを含む。また、通知部61は、予測部59から交換時期が入力される場合、交換時期をユーザーに通知する。具体的には、通知部61は、交換時期が所定のしきい値以下の場合に、交換時期が表された通知画面を表示部161に表示する。例えば、通知画面は、交換時期を含み、キャリアの交換時期が近いことを示すメッセージを含む。
図6は、濃度変動成分データの一例を示す図である。図6を参照して、横軸がトナー濃度を示し、縦軸がトナー濃度に対する透磁率の変動成分を示す。基準濃度6%に対する変動成分が0である。トナー濃度が基準濃度よりも小さいほど変動成分がマイナス側に小さな値となり、トナー濃度が基準濃度よりも大きいほど変動成分がプラス側に大きな値となる。
図7は、絶対湿度変動成分データの一例を示す図である。図7を参照して、横軸が絶対湿度を示し、縦軸が絶対湿度に対する透磁率の変動成分を示す。基準絶対湿度10Rhに対する変動成分が0である。絶対湿度が基準絶対湿度よりも小さいほど変動成分がプラス側に大きな値となり、絶対湿度が基準絶対湿度よりも大きいほど変動成分がマイナス側に小さな値となる。
図8は、差分関連データの一例を示す図である。図8を参照して、横軸がキャリアの減耗量を示し、縦軸が透磁率センサー27Yにより検出された透磁率と基準透磁率との差分を示す図である。キャリア減耗量がしきい値である10mgより小さいほど透磁率センサー27Yにより検出された透磁率と基準透磁率との差分が小さくなり、キャリア減耗量がしきい値である10mgより大きいほど透磁率センサー27Yにより検出された透磁率と基準透磁率との差分が大きくなる。
図9は、キャリア劣化判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。キャリア劣化判断処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶されたキャリア劣化判断プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図9を参照して、CPU111は、透磁率を計測し(ステップS01)、処理をステップS02に進める。透磁率センサー27Yを制御して透磁率を計測する。ステップS02においては、変動成分決定処理を実行し、処理をステップS03に進める。
次のステップS03においては、残成分を算出し、処理をステップS04に進める。ステップS01において計測された透磁率からステップS02において決定される変動成分を減算した残成分を算出する。そして、残成分がしきい値TH1以上か否かを判断する。残成分がしきい値TH1以上ならば処理をステップS05に進めるが、そうでなければ処理をステップS06に進める。ステップS05においてはエラーを通知し、処理を終了する。エラーメッセージを含む警告画面を表示部161に表示する。警告画面は、例えば、キャリアが劣化して画質が低下することを通知するメッセージ、または/およびキャリアの交換を促すメッセージを含む。
ステップS06においては、交換時期を予測し、処理をステップS07に進める。具体的には、現像器24Yの累積駆動回数が異なる2つのタイミングで残成分を検出し、検出された2つの残成分から残成分の変化量と2つのタイミング間で現像器24Yが駆動した回数とを求める。そして、残成分の変化量および駆動回数に基づいて、残成分と基準透磁率との差分に対する駆動回数を求め、求められた駆動回数を交換時期に決定する。ここでの交換時期は、現像器24Yを駆動することができる残りの回数を示す。なお、残成分としきい値TH1との差分と交換時期とを関連付けたテーブルを予め準備しておき、残成分から交換時期を決定してもよい。
次のステップS07においては、交換時期までの回数がしきい値TH2以下か否かを判断する。しきい値TH2以下ならば処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理を終了する。ステップS08においては、ユーザーに交換時期を通知し、処理を終了する。具体的には、交換時期を含み、キャリアの交換時期が近いことを示すメッセージを含む通知画面を表示部161に表示する。
図10は、変動成分決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。変動成分決定処理は、図9のステップS02において実行される処理である。図10を参照して、CPU111は、トナー濃度を検出する(ステップS11)。現像器24Yに供給されるトナーの供給量から現像器24Yで消費されるトナーの消費量とから現像器24Yに収納されているトナーの量を決定し、現像剤に占めるトナーの割合をトナー濃度に決定する。
ステップS12においては、トナー濃度に対する変動成分を決定し、処理をステップS13に進める。トナー濃度関連データを参照して、ステップS11において検出されたトナー濃度に対して定められた透磁率と、基準濃度に対して定められた透磁率との差分を、トナー濃度に対する変動成分として決定する。
ステップS13においては、温度を検出し、処理をステップS14に進める。温度センサー211を制御して温度を検出する。ステップS14においては、湿度を検出し、処理をステップS15に進める。湿度センサー213を制御して湿度を検出する。
ステップS15においては、絶対湿度に対する変動成分を決定し、処理をキャリア劣化判断処理に戻す。絶対湿度関連データを参照して、ステップS13において検出された温度とステップS14において検出された湿度とから定まる絶対湿度に対して定められた透磁率と基準絶対湿度に対して定められた透磁率との差分を、絶対湿度に対する変動成分として決定する。
なお、上述した実施の形態においては、透磁率の変動成分を、トナー濃度に対する変動成分および絶対湿度に対する変動成分としたが、トナー濃度に対する変動成分および絶対湿度に対する変動成分のいずれか1つを変動成分としてもよい。
<第1の変形例>
第1の変形例におけるMFP100は、変動成分を、トナー濃度に対する変動成分と温度に対する変動成分とする。
図11は、第1の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図11を参照して、図5に示した機能と異なる点は、湿度検出部67が削除された点、絶対湿度基準決定部73および除去部55が温度基準決定部73Aおよび除去部55Aにそれぞれ変更された点である。その他の機能は図5に示した機能と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
温度基準決定部73Aは、温度検出部65から入力される温度に対する変動成分を決定する。具体的には、温度基準決定部73Aは、現像器24Yに収容されたキャリアが劣化する前の状態における現像器24Yに収容された現像剤の透磁率と温度との関係を定めた温度関連データを予め記憶している。温度関連データは、キャリアが劣化する前の現像剤が収容された現像器24Yに収容される現像剤の湿度およびトナー濃度を一定にした状態にし、現像器24Yの周辺の温度を異ならせて透磁率を計測する実験により求められる。
温度基準決定部73Aは、温度関連データを参照して、温度検出部65から入力される温度に対して定められた透磁率と予め基準として定められた温度に対して定められた透磁率との差分を、温度に対する変動成分として決定する。予め基準として定められた温度を基準温度という。基準温度は、現像器24Yの近傍で実現し得る温度の範囲の中央値とするのが好ましい。また、温度関連データにより温度に対して定められた透磁率と温度関連データにより基準温度に対して定められた透磁率との差分を、温度ごとに定めた温度変動成分データを予め定めておいてもよい。なお、温度変動成分データは、テーブルであってもよいし、温度を変数にもつ数式であってもよい。
除去部55Aは、透磁率検出部53から入力される透磁率から濃度基準決定部71および温度基準決定部73Aによりそれぞれ決定されたトナー濃度に対する変動成分と温度に対する変動成分とを減算することにより、残成分を決定する。除去部55Aは、決定された残成分を劣化状態決定部57に出力する。
図12は、第1の変形例における変動成分決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図12を参照して、図10に示した処理と異なる点は、ステップS14が削除された点、ステップS15がステップS15Aに変更された点である。その他の処理は図10に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
CPU111は、ステップS15Aにおいて、温度に対する変動成分を決定し、処理をキャリア劣化判断処理に戻す。温度関連データを参照して、ステップS13において検出された温度に対して定められた透磁率と基準温度に対して定められた透磁率との差分を、温度に対する変動成分として決定する。
なお、第1の変形例においては、透磁率の変動成分を、トナー濃度に対する変動成分および温度に対する変動成分としたが、温度に対する変動成分のみを用いてもよい。
<第2の変形例>
第2の変形例におけるMFP100は、変動成分を、トナー濃度に対する変動成分と湿度に対する変動成分とする。
図13は、第2の変形例におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図13を参照して、図5に示した機能と異なる点は、温度検出部65が削除された点、絶対湿度基準決定部73および除去部55が湿度基準決定部73Bおよび除去部55Bにそれぞれ変更された点である。その他の機能は図5に示した機能と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
湿度基準決定部73Bは、湿度検出部67から入力される湿度に対する変動成分を決定する。具体的には、湿度基準決定部73Bは、現像器24Yに収容されたキャリアが劣化する前の状態における現像器24Yに収容された現像剤の透磁率と湿度との関係を定めた湿度関連データを予め記憶している。湿度関連データは、キャリアが劣化する前の現像剤が収容された現像器24Yに収容される現像剤の温度およびトナー濃度を一定にした状態にし、現像器24Yの周辺の湿度を異ならせて透磁率を計測する実験により求められる。
湿度基準決定部73Bは、湿度関連データを参照して、湿度検出部67から入力される湿度に対して定められた透磁率と予め基準として定められた湿度に対して定められた透磁率との差分を、湿度に対する変動成分として決定する。
予め基準として定められた湿度を基準湿度という。基準湿度は、現像器24Yの近傍で実現し得る湿度の範囲の中央値とするのが好ましい。また、湿度関連データにより湿度に対して定められた透磁率と湿度関連データにより基準湿度に対して定められた透磁率との差分を、湿度ごとに定めた湿度変動成分データを予め定めておいてもよい。なお、湿度変動成分データは、テーブルであってもよいし、湿度を変数にもつ数式であってもよい。
除去部55Bは、透磁率検出部53から入力される透磁率から濃度基準決定部71および湿度基準決定部73Bによりそれぞれ決定されたトナー濃度に対する変動成分と湿度に対する変動成分とを減算することにより、残成分を決定する。除去部55Bは、決定された残成分を劣化状態決定部57に出力する。
図14は、第2の変形例における変動成分決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図14を参照して、図10に示した処理と異なる点は、ステップS13が削除された点、ステップS15がステップS15Bに変更された点である。その他の処理は図10に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
CPU111は、ステップS15Bにおいて、湿度に対する変動成分を決定し、処理をキャリア劣化判断処理に戻す。湿度関連データを参照して、ステップS14において検出された湿度に対して定められた透磁率と基準湿度に対して定められた透磁率との差分を、湿度に対する変動成分として決定する。
なお、第2の変形例においては、透磁率の変動成分を、トナー濃度に対する変動成分および湿度に対する変動成分としたが、湿度に対する変動成分のみを用いてもよい。
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100は、現像器24Yに収容された現像剤の透磁率を測定し、透磁率から変動成分を除去した残成分を算出し、残成分に基づきキャリアの劣化状態を決定する。このため、キャリアの劣化状態を正確に決定することができる。
具体的には、現像剤の透磁率と相関関係を有する環境値としてトナー濃度と絶対湿度とを用いて、それぞれに対応する変動成分を決定する。このため、現像剤のトナー濃度および現像剤の絶対湿度の変化に対応して、キャリアの劣化状態を決定することができる。
また、キャリアが劣化する前の状態における現像剤の透磁率とトナー濃度との関係を定めた相関データであるトナー濃度関連データに基づいて、トナー濃度に対する変動成分を決定するので、トナー濃度に対する変動成分を容易に決定することができる。また、キャリアが劣化する前の状態における現像剤の透磁率と絶対湿度との関係を定めた相関データである絶対湿度関連データに基づいて、絶対湿度に対する変動成分を決定するので、絶対湿度に対する変動成分を容易に決定することができる。
また、トナー濃度に対して相関データであるトナー濃度関連データにより定まる透磁率と予め基準に定められた基準濃度に対してトナー濃度関連データにより定まる透磁率との差分をトナー濃度に対する変動成分に決定し、絶対湿度に対して絶対湿度関連データにより定まる透磁率と基準絶対湿度に対して絶対湿度関連データにより定まる透磁率との差分を絶対湿度に対する変動成分に決定する。このため、変動成分はキャリアが劣化する前の透磁率と現在の透磁率との差分を示すので、残部分にキャリアが劣化することによる変動成分を含めることができる。
また、MFP100は、現像器24Yに供給されるトナーの供給量と現像器24Yにより消費されるトナーの消費量とから決定されるトナー濃度および絶対湿度から変動成分を決定するので、トナー濃度および絶対湿度の変動に応じてキャリアの劣化状態を決定することができる。
また、MFP100は、トナー濃度から変動成分を決定する場合は、トナー濃度に応じてキャリアの劣化状態を決定することができる。
また、MFP100は、絶対湿度から変動成分を決定するので、絶対湿度に応じてキャリアの劣化状態を決定することができる。
また、MFP100は、残成分の変化量に基づいて、キャリアの交換時期を予測するので、キャリアの交換時期を正確に予測することができる。
また、MFP100は、交換時期をユーザーに通知するので、利便性を向上することができる。
第1の変形例におけるMFP100は、トナー濃度および温度から変動成分を決定するので、トナー濃度および温度の変動に応じてキャリアの劣化状態を決定することができる。
また、第1の変形例におけるMFP100は、温度から変動成分を決定する場合は、温度の変動に応じてキャリアの劣化状態を決定することができる。
第2の変形例におけるMFP100は、トナー濃度および湿度から変動成分が決定されるので、トナー濃度および湿度の変動に応じてキャリアの劣化状態を決定することができる。
また、第2の変形例におけるMFP100は、湿度から変動成分を決定する場合は、湿度の変動に応じてキャリアの劣化状態を決定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記現像器にトナーを供給する供給手段と、
前記現像器に収容されたトナーの消費量を検出する消費量検出手段と、をさらに備え、
前記環境値検出手段は、前記供給手段により供給されるトナーの量と、前記消費量検出手段により検出された消費量とに基づいて、前記現像器に収容された現像剤のトナー濃度を算出する、請求項5に記載の画像形成装置。
(2) 前記消費量検出手段は、前記消費量を印字率および転写率から予測する、(1)に記載の画像形成装置。
(3) 前記予測手段は、画像形成回数に対する前記残成分の変化量に基づいて前記交換時期を予測する、請求項9に記載の画像形成装置。
(4) 前記予測手段は、前記現像器の駆動時間に対する前記残成分の変化に基づいて前記交換時期を予測する、請求項9に記載の画像形成装置。